「アルジュナ」の版間の差分

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== 真名:アルジュナ ==
 
== 真名:アルジュナ ==
:アルジュナ。インドのあらゆる英雄達が集う古代叙事詩「マハーバーラタ」の中心に立つ弓の名手。<br>類稀なる実力で戦場での名誉を欲しいままに手にし、『施しの英雄』であるカルナと戦い、これを討ち取った『授かりの英雄』。
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:アルジュナ。インドのあらゆる英雄達が集う古代叙事詩「マハーバーラタ」の中心に立つ弓の名手。
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:類稀なる実力で戦場での名誉を欲しいままに手にし、『施しの英雄』であるカルナと戦い、これを討ち取った『授かりの英雄』。
 
:クル王の息子、パーンダヴァ五兄弟の三男として生まれた彼は同時に雷神インドラの息子でもあった。
 
:クル王の息子、パーンダヴァ五兄弟の三男として生まれた彼は同時に雷神インドラの息子でもあった。
  
:他の追随を許さない器量もさる事ながら清廉な性格、様々な方面で「まさに非の打ち所のない」彼だったが、一人の兄が賭け事に敗北したことによって国を追放されてしまう。<br>この時既に、彼の中でカルナとの戦いが避けられないという予感があった。<br>何しろカルナは、パーンダヴァ五兄弟を宿敵と睨むドゥリーヨダナを父と仰いでいたからだ。
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:他の追随を許さない器量もさる事ながら清廉な性格、様々な方面で「まさに非の打ち所のない」彼だったが、一人の兄が賭け事に敗北したことによって国を追放されてしまう。
:だがそれだけではない。カルナを思う度、鏡に映った己を見るような、寒気がするような感覚に襲われた。<br>そして──まるで何もかも見通すような口調に、さらに怯えた。
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:この時既に、彼の中でカルナとの戦いが避けられないという予感があった。
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:何しろカルナは、パーンダヴァ五兄弟を宿敵と睨むドゥリーヨダナを父と仰いでいたからだ。
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:だがそれだけではない。カルナを思う度、鏡に映った己を見るような、寒気がするような感覚に襲われた。
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:そして──まるで何もかも見通すような口調に、さらに怯えた。
  
 
:「私の心には、『<ruby>黒<rt>クリシュナ</rt></ruby>』が棲んでいる」
 
:「私の心には、『<ruby>黒<rt>クリシュナ</rt></ruby>』が棲んでいる」
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:カルナは冷徹さの中に、人を信じる温かみがあるが、己は穏やかさの中に、絶望的なまでの諦観がある。
 
:カルナは冷徹さの中に、人を信じる温かみがあるが、己は穏やかさの中に、絶望的なまでの諦観がある。
 
:恐ろしい。己の闇が恐ろしい。
 
:恐ろしい。己の闇が恐ろしい。
:『カルナを殺さなければならない』と決意したのはいつからだったか。たぶん、最初にカルナと顔を合わせた時からだろう。<br>それは神々によって定められた運命ではなく、アルジュナが純然たる敵意と共に選んだ<ruby><rb>業</rb><rt>カルマ</rt></ruby>である。<br>たとえソレが間違っていたモノだとしても、やりとげなければならなかったのだ。
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:『カルナを殺さなければならない』と決意したのはいつからだったか。たぶん、最初にカルナと顔を合わせた時からだろう。
:あの時、声高にカルナを罵る兄弟たちを一言たりとも諫めなかったのは何故か。<br>──己を上回るほどの武術を披露した彼に対して嫉妬したからではないのか?<br>何て醜く矮小な感情だろう。<br>そんなものを、このアルジュナが抱いてはいけない。恵まれて育てられ、戦士として誇り高く生きる己に悪心が存在するなど、あってはならないはずだった。<br>そしてその理由を、カルナが知ってはならない。あの鋭い眼光で己を暴かれたら、自分はきっと間違いなく、恥辱で死に絶えてしまう。
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:それは神々によって定められた運命ではなく、アルジュナが純然たる敵意と共に選んだ<ruby><rb>業</rb><rt>カルマ</rt></ruby>である。
:徹底的に己を律した。律して、律して、律し続けた。<br>醜く矮小な感情を、戦士に相応しくない絶望感と諦観を、このアルジュナが抱いてはならないのだから。知られては、ならないのだから。<br>己は正しい英雄であらねばならない。だから、この“私”は隠し通さなければ。<br>故に神々は、父は、母は、兄弟たちは、自分を愛してくれたのだ。愛されなければ、己には何の価値もない。
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:たとえソレが間違っていたモノだとしても、やりとげなければならなかったのだ。
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:あの時、声高にカルナを罵る兄弟たちを一言たりとも諫めなかったのは何故か。
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:──己を上回るほどの武術を披露した彼に対して嫉妬したからではないのか?
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:何て醜く矮小な感情だろう。
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:そんなものを、このアルジュナが抱いてはいけない。恵まれて育てられ、戦士として誇り高く生きる己に悪心が存在するなど、あってはならないはずだった。
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:そしてその理由を、カルナが知ってはならない。あの鋭い眼光で己を暴かれたら、自分はきっと間違いなく、恥辱で死に絶えてしまう。
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:徹底的に己を律した。律して、律して、律し続けた。<br>醜く矮小な感情を、戦士に相応しくない絶望感と諦観を、このアルジュナが抱いてはならないのだから。知られては、ならないのだから。
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:己は正しい英雄であらねばならない。だから、この“私”は隠し通さなければ。
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:故に神々は、父は、母は、兄弟たちは、自分を愛してくれたのだ。愛されなければ、己には何の価値もない。
  
:そうして迎えた最後の戦い。<br>内通者によってカルナは馬車から落ち、車輪を動かそうともがく彼に対して弓を構えた。<br>それは古代インドでの戦士の道義に反するものであったが、今やらなければカルナを倒せる機会を失ってしまう。<br>何よりカルナも弓を構えて微笑んでいた。無論それはアルジュナへの嘲笑ではなく、ルールを破ってまで己を倒そうとすることへの喜びであったが、アルジュナにはそれがわからなかった。
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:そうして迎えた最後の戦い。
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:内通者によってカルナは馬車から落ち、車輪を動かそうともがく彼に対して弓を構えた。
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:それは古代インドでの戦士の道義に反するものであったが、今やらなければカルナを倒せる機会を失ってしまう。
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:何よりカルナも弓を構えて微笑んでいた。無論それはアルジュナへの嘲笑ではなく、ルールを破ってまで己を倒そうとすることへの喜びであったが、アルジュナにはそれがわからなかった。
 
:殺さなければならない。<ruby><rb>カルナは私を知っている</rb><rt>・・・・・・・・・・・</rt></ruby>。
 
:殺さなければならない。<ruby><rb>カルナは私を知っている</rb><rt>・・・・・・・・・・・</rt></ruby>。
 
:この瞬間、アルジュナは戦士であることを捨て、ただ戦争を終結させる機械となったのだ。
 
:この瞬間、アルジュナは戦士であることを捨て、ただ戦争を終結させる機械となったのだ。
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:──何故、あの時カルナは微笑んだ?
 
:──何故、あの時カルナは微笑んだ?
  
:その謎を抱えたまま、彼は生を終えた。<br>アルジュナは最後まで英雄として振る舞い、死の瞬間まで英雄であり続けた。華やかな英雄譚は、最後まで華やかに終わったのだ。<br>その後の、すべてを悟った彼もまたアルジュナではあるが──それでも、戦士としての心は終ぞ千々に乱れたまま。
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:その謎を抱えたまま、彼は生を終えた。
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:アルジュナは最後まで英雄として振る舞い、死の瞬間まで英雄であり続けた。華やかな英雄譚は、最後まで華やかに終わったのだ。
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:その後の、すべてを悟った彼もまたアルジュナではあるが──それでも、戦士としての心は終ぞ千々に乱れたまま。
 
:放つべきではなかった矢を放ったことは、やがてはアルジュナが生涯に渡って悔恨を抱くことに繋がった。
 
:放つべきではなかった矢を放ったことは、やがてはアルジュナが生涯に渡って悔恨を抱くことに繋がった。
  

2018年10月12日 (金) 02:45時点における版

アーチャー
真名 アルジュナ
外国語表記 Arjuna
異名 “輝く王冠”
性別 男性
身長 177cm
体重 72kg
出典 マハーバーラタ
地域 インド
属性 秩序・中庸
一人称 私/俺[注 1]
二人称 貴方/貴女/おまえ、貴様[注 2]
三人称 彼/彼女
声優 島﨑信長
デザイン pako
設定作成 東出祐一郎
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

弓兵」のサーヴァント

略歴
Fate/Grand Order』第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』では、はぐれサーヴァントとして西暦1783年のアメリカに現界した。だが、かつて放った一矢への後悔と未練に突き動かされ、同じ時代に召喚されて世界を守ろうとするアメリカ軍側に付いたカルナと戦うべく、敢えて世界を滅ぼそうとするケルト軍側に付いた。そして両陣営の最終決戦時には、悲願であったカルナとの戦いを始める。
だが、そこまでしてまで望んだ闘いの決着は、自陣の王の介入により、叶えられなかった。その後、ナイチンゲールから、人理修復のため聖杯に召喚されたサーヴァントとしての在り方を説かれ、後で主人公に借りを返す事を約束した上で一度戦線から離脱した。
最終決戦時にはカルナや主人公と交わした約束を守って絶対絶命の状況のアメリカ軍に援軍として駆け付け、メイヴが召喚した魔神柱の集合体「クラン・カラティン」を自身の消滅を賭した一撃で全滅させた。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、カルナと共にⅤの座を統括する兵装舎ハルファスと交戦する。
『Fate/EXTELLA LINK』では1日目から登場。ムーンセルによって召喚されたトップサーヴァントとして、ロビンフッドの協力を受けながら独自で軍隊を率いており、“天声同化”の脅威に晒されるSE.RA.PHを守らんとする主人公たちの陣営を訪れ戦列に加わる。以降は別働隊を指揮し、主人公たちが多方面で作戦を同時展開することを可能とした。
第一ルートと第二ルートでは主に別働隊の指揮に徹し、単独行動中のサーヴァントを味方に引き入れたり、陽動を行いつつ敵本隊を迎撃するなどしている。このうち第一ルートでは6日目にカルナと対峙。機動聖都を防衛する巨大砲台「カール砲」を破壊し、カルナとの決戦では互いの全力を賭した宝具の打ち合いにより相討ちとなり、シャルルマーニュや主人公に言葉を残して消滅した。
第二ルートでは別方面で「青い粒子」の探索を行い、終盤にはフランシス・ドレイク率いる敵艦隊を迎撃し打撃を与えたという報告がなされている。また7日目には機動聖都で別働隊を指揮して敵部隊を抑え込み、シャルルマーニュたちを大帝のもとへ突入させている。
第三ルートでも中盤までは同様に依頼を受けてローマや千年京の防衛に努めたり、戦力を増強するための探索に出撃していたが、5日目にジル・ド・レェ率いる敵部隊がローマエリアに奇襲を仕掛けてきた時には帝都を死守するため宝具を放ち、防衛には成功したものの行方知れずとなる。その後、千年京でアルテラの護衛として“天声同化”された状態で姿を現し、カルナと共闘してアルテラを守るために主人公たちに戦いを挑んだ。“天声同化”が解けたあとはカルナと話し合い、勝負を一旦預けたうえで再び主人公らに協力。7日目の最終決戦時には消耗の激しいアルテラの護衛を頼まれカルナとともにその任についた。
人物
褐色の肌をした、流麗な白衣の青年。
正義がそのまま形になったような実直で誠実な性格。勤勉且つ清廉、公明正大で主に対しても礼節を忘れずに接する、という英霊として非の打ち所のない人格者。
その完璧超人ぶりには太陽の騎士すらも降参するレベル。富に関心はなく、あるのは名誉ある戦いかどうか、そしてそれが戦士としての道理に則ったものかであるかどうか全てとなっている。
なのだが、いざというとき彼は不思議とあらゆる卑怯な策を行う。
その前段階では極めて戸惑うのに、行う際には不思議と邪な笑みをこぼす。そしてソレを誰かに見られることを恐れており、もし見られれば殺すしかない、と己を徹底的に律して戒めている。
マスターに対して真摯に仕える事のみが喜びだと語る彼だが、自身の心に踏み入られる事は好まず、マスターに対しても警告している。
しかし、それはマスターに自分の『闇』を見られたくないからであり、サーヴァントの本質に至るまで掴みとろうとするマスターに対してはマスター殺しをも辞さない可能性がある。
聖杯に願う己が望みは、「永遠の孤独」である。
ナイチンゲールによれば、「生前は他者からそう望まれ続けてきた生き苦しい人生で、他者が思うほど誠実でも無ければ、自分が思うほど邪悪でもない人物」とのこと。
能力
炎神アグニから授けられた神弓『炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)』を手にして、「弓兵」のクラスに相応しい技量で戦場の名誉を欲しいままとした弓の名手。
「千里眼」スキルを保有し、遠方の標的の補足・動体視力の向上、また透視を可能とする。弓を射る際は極度に集中することによって、時間感覚操作を行う。そのため、慌てることなくゆっくりと狙いを定めて射つことが出来る。
自身の二つ名を冠した「授かりの英雄」スキルは生まれついて誰もに愛され、その都度必要なものを与えられたという逸話が昇華したもの。このスキルによって、呪いのような積極的な原因がない限り彼が何かに不足するということはない。
また雷神の息子であるが、『炎神の咆哮』により「魔力放出(炎)」スキルが付与されている。魔力によるジェット噴射は肉体面の強化ではなく、矢を加速させるために用いられる。魔力を乗せることによって加速した矢はライフル弾よりも素早く放たれ、敵へ到達する。

アクティブスキル

Fate/EXTELLA LINK』で使用できるスキル。

アグニの業火
分類:周囲攻撃。 その場で飛び上がり、地面に向けて3回矢を放ち火柱を発生させる。
地を穿つ炎
分類:遠距離攻撃/クラス強化。 ある程度飛んだあと小爆発を起こす矢を、前方に5本放射状に放つ。
炎神の連撃
分類:遠距離攻撃/クラス強化。 その場に浮上し、一定時間連続射撃を行う。
神速の弓
分類:周囲攻撃。 瞬間移動しながら次々と矢を放つ。
火柱
分類:放出攻撃。 拳に炎を纏い地面に打ち付け、前方に進む火柱を発生させる。
束縛の炎
分類:行動制限。 上空に放った矢が弾け、拡散して地面に降り注ぐ。ヒットした敵をスタン状態にする。
炎神の咆哮 (アグニ・ガーンディーヴァ)
分類:遠距離攻撃/クラス強化。 炎を纏いミサイルと化した矢を発射する。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー 主人公 (Grand Order) A B B B A++ EX 対魔力:C
単独行動:A
神性:B
千里眼:C+
千里眼(射手):B+
授かりの英雄:A
魔力放出(炎):A
2つ目の幕間の物語クリアで千里眼→千里眼(射手)に変化。
主人公 (EXTRA) A B B B A++ EX 対魔力:C
単独行動:A
神性:B
千里眼:C+
授かりの英雄:A
魔力放出(炎):A

宝具

破壊神の手翳(パーシュパタ)
ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:1~100
最大捕捉:1000人
由来:破壊神シヴァがアルジュナに授けた鏃。
神代の神造兵装。ヒンドゥー教における三大神、破壊と創造を司るシヴァから与えられた武器。
周囲の人間を纏めて鏖殺するのではなく、レンジ内の敵一人一人に対して判定を行い、失敗した者を解脱、即ち即死させる。この宝具が対「人」と分類されているのはそういった性質から来ている。
神性が高ければ高いほど解脱の確率は大きくなるが、逆に反英雄と呼ばれるサーヴァント達は解脱の確率が低くなる。
対象が人でなくとも相当の破壊力を有しているようで、『Fate/Grand Order』においては幕間の物語「神弓の真価」では森を吹っ飛ばして更地にしてしまい、さらに第五章にて捨て身で放った際には魔神柱28柱の集合体であるクラン・カラティンを纏めて吹き飛ばすほどの威力を見せている。また『Fate/EXTELLA LINK』では「機動聖都・東門」「機動聖都・西門」「強襲!機動聖都」の3つのステージで、手の届かない孤立した空間にある巨大な防衛砲台をセクター諸共に消し飛ばしているほか、カルナ戦においてはまるでビームのように前方に向かって放つ使い方も見せている。
『Fate/Grand Order』では「神性領域拡大、空間固定……」から始まる詠唱で発動範囲や時間を設定し、承認が終わると手元に光球が出現。これを指先を軽く動かすようにして天に投げ上げる。投げ上げられた光球は敵頭上に移動すると解けて一気に広がり、同時に敵全体を飲み込んで圧し潰すといったような演出になっている。『Fate/EXTELLA LINK』では演出が途中から異なり、こちらでは投げた光球が大気圏を突き抜けて宇宙空間に到達し、そこで無数の光筋となって放出され大気圏に再突入。光の筋は敵一体一体に向かって流星のように落ちていき、地上に到達すると天に巻き上げながら前進し、やがてすべてを飲み込んでゆく演出となっている。
『Fate/Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃&敵全体に低確率で即死&さらに〔神性〕特性の相手に対して確率で即死&敵全体の防御力ダウン[注 3][注 4]」という効果のBuster宝具。
『Fate/EXTELLA LINK』では即死効果がオミットされている。
炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)
ランク:A
種別:対人宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:1人
由来:炎の神アグニがアルジュナに授けた弓。
炎の神アグニから賜った神の弓。本来、定命の者たる人間には扱えない炎の弓。
通常はただの弓であるが、真名を発動することによって炎を纏ったミサイルと化す。
無誘導式だが、アルジュナの天才的な弓術と千里眼スキルを合わせることでほぼ誘導式ミサイルに等しい精密性を持つ他、アルジュナに「魔力放出(炎)」を付与させる効果もある。
アルジュナはこれを「この世に打ち落とせぬものなき」と自負しており、『Fate/Grand Order』第五章において真名開放した際はジェロニモが宝具によって召喚した巨大なコヨーテを一撃で仕留めた。
『Fate/EXTELLA LINK』では宝具名と同じ「炎神の咆哮」というアクティブスキルがあり、炎を纏わせミサイルとなった矢を放つ、威力の高い遠距離攻撃技となっている。またドライヴスキルでも真名解放しているようで、弓を強く引き絞って撃ち出すことで炎の矢を天から大量に降らせ、広範囲を一掃することが可能。
『Fate/Grand Order』や『Fate/EXTELLA LINK』では通常武器として使用しているが攻撃ヒット時のエフェクトが若干異なり、前者では雷、後者では炎となっている。ただし上記の『破壊神の手翳』を使う際にアルジュナの手元から消滅する点は共通している。

真名:アルジュナ

アルジュナ。インドのあらゆる英雄達が集う古代叙事詩「マハーバーラタ」の中心に立つ弓の名手。
類稀なる実力で戦場での名誉を欲しいままに手にし、『施しの英雄』であるカルナと戦い、これを討ち取った『授かりの英雄』。
クル王の息子、パーンダヴァ五兄弟の三男として生まれた彼は同時に雷神インドラの息子でもあった。
他の追随を許さない器量もさる事ながら清廉な性格、様々な方面で「まさに非の打ち所のない」彼だったが、一人の兄が賭け事に敗北したことによって国を追放されてしまう。
この時既に、彼の中でカルナとの戦いが避けられないという予感があった。
何しろカルナは、パーンダヴァ五兄弟を宿敵と睨むドゥリーヨダナを父と仰いでいたからだ。
だがそれだけではない。カルナを思う度、鏡に映った己を見るような、寒気がするような感覚に襲われた。
そして──まるで何もかも見通すような口調に、さらに怯えた。
「私の心には、『クリシュナ』が棲んでいる」
兄弟たちを、父を、母を、そして民をも愛しているし、愛されている。それなのに、何処かでソレを冷めた目で見ている自分がいる──
カルナは冷徹さの中に、人を信じる温かみがあるが、己は穏やかさの中に、絶望的なまでの諦観がある。
恐ろしい。己の闇が恐ろしい。
『カルナを殺さなければならない』と決意したのはいつからだったか。たぶん、最初にカルナと顔を合わせた時からだろう。
それは神々によって定められた運命ではなく、アルジュナが純然たる敵意と共に選んだカルマである。
たとえソレが間違っていたモノだとしても、やりとげなければならなかったのだ。
あの時、声高にカルナを罵る兄弟たちを一言たりとも諫めなかったのは何故か。
──己を上回るほどの武術を披露した彼に対して嫉妬したからではないのか?
何て醜く矮小な感情だろう。
そんなものを、このアルジュナが抱いてはいけない。恵まれて育てられ、戦士として誇り高く生きる己に悪心が存在するなど、あってはならないはずだった。
そしてその理由を、カルナが知ってはならない。あの鋭い眼光で己を暴かれたら、自分はきっと間違いなく、恥辱で死に絶えてしまう。
徹底的に己を律した。律して、律して、律し続けた。
醜く矮小な感情を、戦士に相応しくない絶望感と諦観を、このアルジュナが抱いてはならないのだから。知られては、ならないのだから。
己は正しい英雄であらねばならない。だから、この“私”は隠し通さなければ。
故に神々は、父は、母は、兄弟たちは、自分を愛してくれたのだ。愛されなければ、己には何の価値もない。
そうして迎えた最後の戦い。
内通者によってカルナは馬車から落ち、車輪を動かそうともがく彼に対して弓を構えた。
それは古代インドでの戦士の道義に反するものであったが、今やらなければカルナを倒せる機会を失ってしまう。
何よりカルナも弓を構えて微笑んでいた。無論それはアルジュナへの嘲笑ではなく、ルールを破ってまで己を倒そうとすることへの喜びであったが、アルジュナにはそれがわからなかった。
殺さなければならない。カルナは私を知っている・・・・・・・・・・・
この瞬間、アルジュナは戦士であることを捨て、ただ戦争を終結させる機械となったのだ。


果たして、アルジュナの弓は太陽を撃ち落とした。


宿敵を討ったことに後悔はない。しかし、戦士としての道義に反してまで宿敵の打倒を成し遂げたにも関わらず、彼は途方もない虚無にとらわれる。
そこに充足感はなく、勝利したという歓喜もない。戦いが終わったという安堵すらもない。
己が突き立てた矢に触れることも、首を獲ることもできなかった。ただ茫然と、その華やいだ勝利を受け入れた。
──これは勝利なのだろうか。
──これは敗北ではないだろうか。
──何故、あの時カルナは微笑んだ?
その謎を抱えたまま、彼は生を終えた。
アルジュナは最後まで英雄として振る舞い、死の瞬間まで英雄であり続けた。華やかな英雄譚は、最後まで華やかに終わったのだ。
その後の、すべてを悟った彼もまたアルジュナではあるが──それでも、戦士としての心は終ぞ千々に乱れたまま。
放つべきではなかった矢を放ったことは、やがてはアルジュナが生涯に渡って悔恨を抱くことに繋がった。
──果たして、太陽を撃ち落としたあの一矢を。
──己はもう一度、彼に放てるのだろうか?


あの日引いた弓の結末に、“人として”、“戦士として”未練を残すがゆえに──。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Apocrypha
赤のランサーの回想[出 1]で言及されている。なお回想内に登場する「輝く王冠キリーティ」「勝利者ヴィジャヤ」「富める者ダナンジャヤ」はすべてアルジュナの生前の異名であり、このうち「輝く王冠」の名が『Grand Order』のシナリオ内[出 2]でも使用されている。
『Grand Order』の配信開始よりも後に連載が始まったコミックス版『Apocrypha』では、第5話でその姿が描かれた。
Fate/Grand Order
配信前の「7週連続TV-CM 第7弾 アーチャー編」にてプロモーションを務める。なおCMに起用された7騎のうち実装が一番遅かった。第一部OPにも登場。
『アルジュナ&カルナ体験クエスト』の開催に伴い先行実装され、第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』解禁に際して本格実装された。体験クエストシナリオはアルジュナを主軸としてストーリーが進行する。
Fate/EXTELLA LINK
新規参戦サーヴァントの一騎として登場。
ストーリーではほとんど一貫して主人公側の陣営に仕え、多くの場面で別働隊を率いて別行動をとる。

その他

ちびちゅき!
所属不明。子供達に人気のカルナに嫉妬した挙げ句、ネコアルクの口車に乗ってネコミミキャラに。小さくなってもやっぱりカルナと張り合っており、文化祭のときは仲良くインド式ダンスバトルを繰り広げた。
なお彼の格好は白の長ランで、袖口と表前立に金色のラインが入っている。

人間関係

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
カルデアのマスター。第五特異点では当初敵対陣営に所属していたが、最終盤では己を信じてくれた彼/彼女に報いるべく「償い」のために宝具を解放する。終局特異点でも再会した彼/彼女を激励していた。
カルデアにおいても彼/彼女からは呼び捨てにされており、比較的砕けた口調で話しかけられていることが選択肢から窺える。
また今のところアルジュナの抱える「闇」を知っている数少ない人物のひとりとなっている。
クー・フーリン〔オルタ〕女王メイヴ
第五特異点にて、カルナとの決着をつけるために彼らの陣営に客将としてついた。その実力は認められているものの、彼らの陣営に付いて戦う理由が極めて個人的なものであったがために彼らからはあまり信用されていない。特にクー・フーリン〔オルタ〕は考え方などが全く異なる彼に対しては露骨に辛辣で冷酷な態度を向ける事が多く、最終的には念願の再戦を台無しにした事で彼の離反を決定づける切っ掛けを作ってしまった。
ラーマ
第五特異点にて対峙。彼の爽やかな少年ぶりが眩しいが、妻のことに関しては触れられたくないようだ。アルジュナの妻とのエピソードについて「妻を分配した理由がコメディみたいだし…」ともコメントされるが、アルジュナ側にはいろいろと事情があった模様。
源頼光〔ランサー〕のマテリアルでは二人で何か言いたげにしている。
ラーマの幕間では試練として登場。ある疑問をラーマに投げかけ、アルジュナなりの励ましの言葉を贈る。
アルジュナの幕間では、「アルジュナの人生における様々な障害の象徴」として、ラーマをモデルにした素体が登場する。
ナイチンゲール
第五特異点にて対峙。アルジュナの行動の動機である、過去の一矢への執着を、真っ向から妄執と指摘される。ナイチンゲール流の「治療」を受け、荒療治ながら生前より抱いていた後悔と言う傷を癒す。
幕間では主人公が言った「ナイチンゲールに消毒される悪夢」に理解を示しつつ、生母クンティーとナイチンゲールに母性と言う共通項を見出す。
ジェロニモビリー・ザ・キッド
第五特異点にて対峙。彼らに苦痛を与えることを本意とせず、速やかな決着を望む。ビリーが放った銃弾を弾き、近代の武器で神代の英雄である自身に手傷を負わせたことを称賛する。ジェロニモにはインド最強の英雄の座にありながら、人理焼却側についたことに疑問を抱かれる。
ジークフリート
似た目をした者。『Apocrypha』において、カルナがジークフリートとの勝負にこだわる遠因となった。
カルナによれば「何かに苦しみながらも己の役割を全うしようとする戦士」という点が似ていたとのこと。
贋作英霊イベントにおいても共演した。
アーラシュ
贋作英霊イベントにおける相方。インド・ペルシャの伝説の弓兵達が並び立つことになった。
ジャンヌ・オルタ
贋作英霊イベントにおけるマスター。
ギルガメッシュ
ラーマの幕間にて、手加減が出来ない英雄と表現する。
『EXTRA/CCC』においてギルガメッシュからアルジュナに言及しているとおぼしき台詞がある。
チャールズ・バベッジ
父親が雷霆神インドラであるため電気悔しいと思われている。

Fate/EXTELLA LINK

主人公 (EXTRA)
味方陣営のマスター。一時的に同化された第三ルートの5日目を除いて、ほとんど彼/彼女の側について戦った。
絆会話では主従関係・サーヴァントの在り方について多く語られることになる。
シャルルマーニュ
味方として共闘したサーヴァント。あちらからは「アルジュナ卿」と呼ばれており、初対面時においては「はるか東方の神話に登場し、無数の侵略者を打ち砕き、正義を成し、悪王を倒し、民に平穏をもたらした英雄」と評された。
第一ルートでのカルナとの決戦時にはアルジュナは一度彼に助けられ、自らの宿業への姿勢を説かれる。その返礼としてか消滅の間際に激励を送っている。また第三ルートでは自分の行く末を見届けようとするアルテラの護衛をアルジュナたちに委ねた。
ネロ・クラウディウス玉藻の前無銘
味方陣営のサーヴァント。戦力不足で打つ術のない彼らの下へ気配を悟らせることなく現れ、助力を申し出る。
基本的に彼らの手が回らないところをアルジュナ率いる別働隊が補う形で活動していくため、彼らからは頼りにされており派遣依頼をよく受けている。
第一ルートの機動聖都ステージでは攻略の途中でアルジュナを護衛し「破壊神の手翳」で砲台を破壊してもらうミッションが発生するのだが、ミッションクリア時に、ネロは「超遠距離宝具というヤツか、見事!」、玉藻の前は「アルジュナさんにドン引きです」、無銘は「まさかセクターごと消滅させるとはな……」と、それぞれ三者三様の反応を見せている。
クー・フーリンエリザベート=バートリーアストルフォガウェイン
味方陣営のサーヴァント。攻略したルートやステージによって多少内容が変動するが、主人公たちの手が回らない方面で独自行動をとっている彼らを味方に引き入れ、戦力を増強させることに成功している。
ロビンフッド
アルジュナ率いる別働隊に協力したサーヴァント。OPでも彼らの軍と思しき部隊が一瞬映っているシーンがある。本隊合流後は偵察などを行い、時にはアルジュナたち別働隊の動きを主人公たちに伝えるなどの仕事もこなしていた。
これ以前に『Fate/Grand Order』第五特異点でも共演していたが、そちらでは当初敵対陣営に所属していたため、中盤で暗殺作戦に失敗し逃走する彼を討つべく追跡していたことがある。また終盤で離反し22節で「破壊神の手翳」を放った際も彼はすぐ近くでその光景を見ており、アルジュナの消滅後に「同じ弓兵としては複雑な気分ですけどね。あー、世界広ぇなー」とぼやいていた。
アルテラ
第三ルートで一時的に同化されていた際、カルナと共闘して彼女を守ろうと主人公の前に立ちはだかった。
同化が解けた後はともに味方として主人公たちの行軍に協力し、機動聖都ステージを攻略する際はアルジュナと彼女とで手分けして砲台を破壊する仕事をこなしている。また最終決戦時にはシャルルマーニュの頼みで再び彼女を護衛する任務についた。
アルキメデス
深い関わり自体はないが、「私は直接彼を知りませんが、辛辣な悪意のようなものは感じます」と主人公に対して忠告している。
カール大帝
作中では彼との直接の絡みはないものの、第三ルートでは行方不明になっている間に一度同化されてしまっており、同化が解けた際には「恥辱」と表現するなど、本人的にはかなり耐え難かった模様。
EXステージのベースキャンプ会話では「強制的に他者を己と同化しようとは悪趣味の極み。生理的に受け付けません」と、割と辛辣。

生前

カルナ
生前のアルジュナの宿命のライバル。万人を花と敬う聖人だが、アルジュナにのみ、他者にはない積極性と執着を見せる。アルジュナにしても過去の一矢からカルナに対し強い執着を抱いている。
生前、さる理由から「戦闘不能に陥った者を攻撃してはならない」というルールを破り、戦車が動かなくなったカルナと交戦。彼を射殺した。その際に放った掟破りの一矢は、完璧な英雄として生きてきたアルジュナに、戦士としての後悔と人としての未練を抱かせることとなる。ちなみにカルナが自分の兄である事を生前のアルジュナが知っていたかどうかは定かではない。
『Fate/Grand Order』においては、生前のやり直しを求めてカルナとの戦いを望む他、アルジュナの幕間では「アルジュナの敵対者の象徴」として、カルナをモデルにした素体が登場する。
『Fate/EXTELLA LINK』においては、第一ルートでは機動聖都のバックアップを受けたカルナを渾身の宝具によって撃破。その代償として霊基消滅を迎える。また第三ルートでは終盤で共同戦線を張り、過去の因縁を一旦預け、仲間として戦った。
クンティー
アルジュナの生母。カルナの生母でもある。当時の時代情勢もありどちらかというと甘い性格。だが母性を感じさせる女性だったようだ。
インドラ
アルジュナの実の父。インド神話を代表する雷霆の神。仏教では帝釈天と呼ばれる。
FGOにおいてはこの英雄とも関わりが深い。
パーンドゥ
アルジュナの養父でクルの王。子供を作れない呪いにかかっているため后たちは各々の手段で子供をもうけるしかなかった。
後に呪いの発動によって、アルジュナが幼い頃に亡くなっている。
ユディシュティラ、ビーマ、ナクラ、サハデーヴァ
アルジュナの兄弟。ユディシュティラとビーマは異父兄、ナクラとサハデーヴァは異父母弟である。
ドラウパディー
アルジュナの妻。兄弟と共通の妻でもある。
シヴァ
ヒンドゥー教における三大神の一角。破壊と創造を司る。パールヴァティーの伴侶であり、アルジュナにパーシュパタを授けた。
ある二刀流剣士が帰依する神仏の源流でもある。
アグニ
インド神話における火の神。アルジュナに本来ならば人間には扱えない炎の弓「炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)」を授けた。アルジュナが「魔力放出(炎)」を扱えるのはこの弓に付与されたスキルであるため。
クリシュナ
マハーバーラタにおいてアルジュナの味方についた男。ヴィシュヌ神の第八化身であり、カルナ達の軍を翻弄した大英雄の一人。
またアルジュナの乗る戦車を引く御者を務めていたともされる。
クリシュナ (黒)
上記のクリシュナとは全く別の、アルジュナが心の奥底に押し込めた一種の別人格。アルジュナの主観によって「悪」と判定された行為を為す存在。
アルジュナが見られる事を極度に忌避する「私」そのものである。
詳細は当該ページも参照のこと。

名台詞

Fate/Grand Order

「聖杯に掛ける望みですか? 願わくば、私を永遠の孤独にしてほしい…冗談ではなく、本気ですよ?」
聖杯にかける願い。その真意は他者に「黒」を見られることを忌避するあまりに生まれたモノ。
「神性領域拡大、空間固定。神罰執行期限設定、全承認。シヴァの怒りをもって、汝らの命をここで絶つ。『破壊神の手翳パーシュパタ』!!」
宝具解放。発動地点、発動時間を厳密に設定して威力の規模を抑えている。
「『私』を……見たな!」
垣間見せる激情。己にある黒(クリシュナ)を誰かに知られることを忌避しており、ましてや見られた時のそれは普段の冷静沈着な態度を捨て去るほど。
「よろしい! 完璧だ! これでこそ私! これでこそアルジュナだ!! クッフフフ……アッハハハハハハハ!!」
霊器再臨四回目、それまでの物静かな雰囲気とは打って変わって高笑いをしながら歓喜する。
常日頃の態度からは想像もつかない豹変ぶり、これこそが己にある黒(クリシュナ)の発露ともいえよう。
「ええ。私アルジュナは、真摯に仕えることのみが喜びですとも」
「私とあなたでは、私の方が偉大だと認められているでしょう。しかし、それは関係ない。あなたがマスターであること、私はそれを重要視します」
マイルーム会話2および3。サーヴァントとしての彼はただ誠実に忠実に、真摯に仕えようとしてくれる。その言葉に偽りはない。
「好きなこと……ですか。一人の方が気楽でいい……英雄とは程遠い思考ですがね」
「嫌いなこと……ですか。私の心に踏み入ろうとするものは、あまり好ましくない……マスター、 どうか気をつけてください」
好きなこと及び嫌いなこと。「授かりの英雄」として名を馳せる彼からは些か想像しがたい言葉が飛び出してくる。
「あまり……私を見ないでください。このアルジュナ……恥を晒しているようで耐え難い」
絆レベル4。絆レベルが上がっているにも関わらず、こちらを遠ざけようとしてくる。己の内側にあるモノを知られれば、自分はどうなるか──。
「ああ……私の顔を、見てしまったのですね。悲しい……あまりに悲しい。どうか、マスター。このことはご内密に」
絆レベル5。踏み込まれることを心から恐れる彼にとっては、知られてしまってはただ悲しむほかない。
「カルナ、まさか貴様と共の陣営になるとは。これもまた、神の一手と言うわけか。今は争わぬが、次に顔を出せば、どうなるか分からんぞ」
カルナ所属時。生前からの怨敵に対し、普段の冷静で落ち着いた性格には似つかわしくないような冷徹さを見せる。
「……苦しませるのは本意ではありません。どうか速やかに私の役割を全うさせて欲しい。」
第五特異点にて。慈悲と礼節、そして絶対の自信を以て、インド最強の英雄は敵対者たちへ告げる。
「………こんな機会は恐らく、二度と巡り会う事はあるまい。
おまえがそこに立った時点で、他の全てのものが優先事項から滑り落ちた。 ──ではカルナ。続きを始めるとしようか。」
北米神話大戦。求め続けたやり直しの機会は、今ここに。
だから私は滅ぼす側だ・・・・・・・・・・。貴様が善につくのなら私は悪につく。それでこそ対等だ。
今度こそ──今度こそ対等のものとして、貴様の息の根を止めねばならん!」
「私も父と母──そして兄弟に勝利を誓おう。幾千と幾万の月日を乗り越え、ようやくこの偶然を掴んだ!
たとえ如何なる天魔といえども、邪魔立てはさせぬ……!! ──行くぞ!」
アルジュナとカルナ。両者は常に対極にあり続ける存在同士。だからこそ、カルナが「世界を救う側」についたのならば、自身は「世界を滅ぼす側」につく。そして、今度こそ──。
アルジュナ「妄執──ですと?私の、この積年の想いが……。貴女になど、分かってたまるものか!」
ナイチンゲール「──妄執です。後悔は先に立たず、放つべきでない矢を放って宿敵を倒した貴方は──。
一生を、後悔と共に添い遂げなければならない。それは他の英雄も同じです。
狂おしいほどにやり直しを願い、叶わなかった願いを求め。……それでも最後の一線を引くのが、サーヴァント。
貴方はその最後の線を、理解しようとしなかった。」
アルジュナ「……私は……。」
あれほど焦がれたカルナとの「決着」は、クー・フーリンの横槍によって果たすことができなかった。戦意を喪失した彼に対し、ナイチンゲールは厳しく指摘しつつも「戦いますか?」と問う。
「……そうですね。戦う必要などない、八つ当たりをする気力はない。
ただ、決着をつけたい。この心の、どうしようもない何かを払拭するためにも。」
「──ありがとう。それではしばし、お付き合い戴きましょう。
我が名はアルジュナ。この矢に倒れること──光栄と知れ!」
アルジュナも彼女の強い意志と言葉に心を動かされたのか、主人公達に対して戦いを挑む。
勝利や栄光のためではなく、自分が抱える「どうしようもない何か」に向き合い、決着をつけるために。
「──神性領域拡大。空間固定。神罰執行期限設定。──魔力集束及び加速に必要な時間を推定。──消費開始カウントダウン。」
「よろしければ、今の内に避難をお願いします。範囲は最小に押し留めるつもりですが──。
何しろこの身を犠牲にしての一撃。手加減はできませんので。」
メイヴが召喚した28柱の魔神柱により壊滅寸前まで追い詰められ、それでも諦めなかった北部戦線。ケルト軍から離反したアルジュナは二コラ・テスラと共にこの絶望的局面に駆けつける。
テスラとエジソンの連携で生み出した電気檻により動きを封じた魔神柱を前に、宝具詠唱。そして──
「シヴァの怒りを以て、汝の命をここで絶つ。『破壊神の手翳パーシュパタ』──喰らえ!!」
宝具解放。自身の霊基すら犠牲にして放った一撃。
自分のしたことへの償いは必ず果たすと約束し「信じる」と答えてくれた、主人公に報いるために。
「これが──せめてもの償いになるといいのですが。 カルナ……おまえの気持ちが、今になって……やっと……。」
自身の霊基を犠牲にしての宝具開放により、クラン・カラティンを殲滅したアルジュナ。
人理修復に際し、聖杯に召喚されたサーヴァントとしての役割を全うすること。先に散った宿敵の心意を悟りながらアルジュナもまた座に還っていった。
「……おまえは、いつかこういう日が訪れると思ったか?」
「そうだな、まさかこれほどまでに短いとは!
 ──だが、いい。 おまえへのこの憎悪とも闘志ともつかぬ、混沌たる想いは水底へ沈めよう。 今は……。」
終局特異点にて。あまりにも早すぎるカルナとの再会。アルジュナはカルナに対するあまりにも複雑な想いを抱きつつも、それを押し殺して戦おうとする。
「──なるほど。そうだ、そうだな。 カルナ……。 私はおまえが憎い、そして妬ましいよ。」
「だが、それでいいのだろうな。この憎悪は、醜い感情は消えることはない。
けれど向き合うことはできる。この醜さを醜いと笑いながら、耐えることはできるのか。」
同上。共闘でなくとも、競争で競い合うことによって横に並ぶことができる。カルナにこう説かれ、アルジュナは自分の抱える感情に向き合う。
かつて母が願った理想はかたちこそ違えど、こうして幾千もの時を超えて実現したのだ。
「なるほど。それは……やはり、○○との縁ゆえか?」
同上。意識が変革したというカルナに対する問い。
「え。」
同上。カルナが自分は幸運に恵まれているといった際に漏れた本音に近いつぶやき。
幸運がDランク相当のカルナが「自分は幸運」と言っていたら驚くのも無理はない。
「いつか──巡り会いたいものだ。そういう、存在に。
最後のマスター、〇〇〇殿!道は拓いています。先に進むがよろしかろう! さあ、走りなさい!」
カルナの相変わらずのポジティブシンキングには思わず本音のような呟きが漏れたアルジュナだったが、そのあとに続く言葉はまたアルジュナにも響いた。
そして彼は最終決戦に向かう主人公を激励し、その背中を押す。いつか、自分も心に響く言葉を残してくれるような存在に巡り会いたいと信じながら。
「……さて、この船がどこに辿り着くかも分からず。私というサーヴァントが誰なのかすらも分かりませんが。
どうやらあなたはマスターのようだ。よろしければ、しばらく行動を共にしませんか?」
「ありがとう。我が名は──未だ不明ですが、ともあれアーチャーのサーヴァント。よろしくお願いします、マスター。」
アルジュナ体験クエスト「再び神の詩を求めよ」にて。嵐を彷徨う船の中、呼びかけられて目を覚ました主人公が出会ったのは見知らぬ白衣の青年。彼は記憶を失っており、気づけば船に乗せられていたという。
奇妙な出会いを果たした謎のアーチャーと主人公は、成り行きで一緒に行動することに。
「……。世界には色々な英雄がいるのですね……。」
同上。マシュからアーチャーであることを疑われた根拠として双剣を使うアーチャー棍棒で殴りつけるアーチャー財宝を手当たりしだい投げつけるアーチャーのことを言われて呆気にとられての一言。そもそもアーチャーとして召喚されるサーヴァントで真面目に弓を使って戦う人物の方が少数派である。
「……分かっています。分かっているのですが……私はあの男が──いや。
私は、お前が許せない。どうあっても、お前の存在が許せないのだ……!」
同上。戦いに虚しさを抱き、生きることに飽いたと語るアーチャー。そこへ突然、謎のランサーが現れる。
記憶のない彼には己のことも、突然現れたランサーのことも分かるはずがない。それなのに──彼はそれまで意味を見出せなかったはずの執着を、この瞬間ランサーに対してかき抱いた。
「マスター。先ほど生きることに飽いた、と言っていましたね。
あれは正しく真実です。戦うことに関する気力も、未だ欠落しています。
なのに。それなのに。 私はあのランサーが許せない。いえ、この想いは恐らく理不尽なのです。
あの男はきっと、“正しい”存在なのでしょう。人を正しく人だと認識し、その身を全て善行に捧げるような英雄なのでしょう。
なのに、本当に……何故なのか。私はあの男と戦いたい。いや、戦いたいのではなく。
あの男を否定したい。あの男の、全てを。何もかもを。」
同上。ランサーに対する奇妙な執着と、複雑な胸の内を吐露するアーチャー。記憶がないにも関わらず不思議なほどに、彼は的確にランサーの本質を見抜いていた。
「旅……ですか。……。……。その通り、かもしれません。
私の心をざわつかせるあの男が誰なのか、そして私自身は何者であるべきなのか。答えを見つけるために……。」
同上。アーチャーの願望を「間違ってない」と言い切り、「それを探すために旅立とう」と誘いだした主人公に対して。ランサーは何者なのか。己は何者であるべきなのか。未だ彷徨い続ける彼は別れ際に、いつか現実世界で邂逅したときは共にその答えを見つけてほしいと願う。
さようなら、また会える日をお待ちしております──。
「一度しか申しません。私は──。『ドSだけどいざというときにはちょっとデレてくれる理系の先輩』です。」
「ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊」にて。彼はどうやら「服が白いから」という何とも安易な決め方だった模様で、本人も心なしか困惑顔。このあたり、贋作とはいえ真面目で勤勉なアルジュナらしくもある。
「……斯様な機会が巡って来ようとは、思いもよらなかった。この幸運とマスターに感謝を。
この祭典、この戦いに貴様が全力を傾けると言うならば、私もまた戦おう。 貴様の敵として!貴様の息の根を、三度、止める機会を私は──」
「ゲーム……? いや。違う。何か違う。話を逸らすなカルナ!」
「ネロ祭再び」にて、カルナとの戦いに意気込みを見せるアルジュナ。だが当のカルナは唐突にかつてのマスターの話を始めたりする始末。どうもすんなり「決着」、とはいかせてもらえないようだ。
「な!? チョコ……レート……ですと……!?この私に……?
……神や師からの授かりではなく、マスターからの純粋なる好意……。 何ということだ……!マスター、聞いてください。
私は……そのような好意を戴けるほどの存在なのでしょうか!?
確かに私は、他のサーヴァントより優れていると自負しています。
しかし、その一方……ただ、サーヴァントとしてしか、あなたを導けていない。そうも思うのです。
真のサーヴァントであれば、あなたのパートナーとして、より良い道へと引き上げるべきだというのに……!」
復刻バレンタインにて、チョコレートを渡したときの反応。いきなり特大フォントで驚愕される。
受け取ったチョコレートひとつに対してひどく動揺を見せているが、彼の生前を考えると……
「私の生涯の宿敵、憎み、嫉み、そして……何より羨ましいと感じた英雄カルナ。 そのカルナを討った矢です・・・・・・・・・・・・。」
「あなたの信頼を、敬愛を受け止めた以上、私が差し出すは、私の全て。
……そう、この矢は私にとって羞恥たる過去、怨念、そして……それでもなお、向き合わなければならないもの。
この矢を、あなたに預かってもらうことで……私の全てを知ってもらうことができる。
同時に誓いましょう。二度と、このように卑怯な矢は射ちますまい。」
彼からのチョコのお返しは「カルナへの一矢」。アルジュナにとって重要な意味を持つそれを主人公に預ける。それは同時に、彼が彼の思うままに生きようとする自己申告でもある。
「ふう。ただ見て廻るだけでこれでは、自分の意志での買い物などとてもできませんね……」
「なるほど、兄と弟の王位を巡る争い……。興味深いですね。 やはりインドの兄弟は自然と戦うものです。そうに決まっているのです。」
「サーヴァント・サマー・フェスティバル!」にて。会場を見て廻っていただけのはずが、行く先々で見本誌を授かってしまったのか両手いっぱいの量を抱える羽目になってしまい、思わずため息が。そんなところも彼らしいといえば彼らしい一面ではある。
そんなアルジュナも主人公達のサークルに立ち寄り、古代インドファンタジーを描いたアクションコミックを見つけると興味を示す。最後は5部購入した。ちなみにこの同人誌礼装はインド映画「バーフバリ」が元ネタであると思われる。
「さあ、貴方の『不滅の刃』見せて貰いましょうか。それを統べるに足る存在なのかを──!」
「だからこそ、強くなる必要がある。サーヴァントといえども。 故にこその、この試練。強くなりなさい、ラーマ殿。」
ラーマの幕間の物語「ヴィシュヌの試練」にて。第二の試練を与える者として立ち塞がり、戦いを挑む。
問い掛けに対するラーマの答えを聞いたアルジュナはそれを認め、励ましの言葉を掛けて最後の試練に送り出した。
「──よろしい。やはりマスターとしての資質は本物だ。私も全幅の信頼を置いて、武器を預けられるというもの。
我が弓の名は『炎神の咆哮アグニ・ガーンディーヴァ』。炎の神から賜ったこの世に撃ち落とせぬものなき、神の弓。
その真価を、これから先の戦いでお目にかけましょう。」
幕間の物語「神弓の真価」にて。主人公は「マスターを試す」というアルジュナとの試練を潜り抜け、信頼を勝ち取る。アルジュナも己が弓の名を告げ、その真価を解放することに決めたのだった。
炎神アグニの業炎により、塵のように消え去れ!……いや、まだ足りないな。破壊神シヴァよ、その力で天より罰を与えよ!」
「……いかかでしたか、マスター。いえ、何も言われる必要はありません。これにより、我が力は完全に立証されました。
我が武器、我が宝具、共に最強。私こそが最高のサーヴァントだと、胸を張って宣言してもいいのですよ?」
「……。……ええと。少し張り切りすぎたようです……申し訳ありません。」
同上。完璧主義なのか、魔物を討伐していたはずが熱が入りすぎて森一帯を更地にしてしまった。マシュに指摘されたあと、律儀に謝罪する。
──これは勝利なのだろうか。──これは敗北ではないだろうか。
充足感がない。勝利したという歓喜もない。
戦いが終わったという安堵すらもない。あるのはただ、途方もない虚無。
私は、私をこの世界で一番熟知しているであろう男を、殺害したのだ。
後悔は無い。元より怨敵にして宿敵、戦わなければならない運命だ。ああ、それでも。
眩いばかりの黄金の鎧。それを纏って戦場を駆けていたこの男は──。
おぞましい“私”を知ることができた、唯一の英雄だった。
「……何故だ、カルナ。何故、貴様は微笑んだ・・・・!」
その謎を抱えたまま、私は生を終えた。授かりの英雄アルジュナとして、未来を守るために。
幕間の物語「問いかけ続けることにこそ」にて。生前の回想と独白。生前、己の本質を見抜いていたであろうカルナという男を、アルジュナは最後まで理解できなかった。故に、あの微笑みの意味すらも分からないまま。
「……倒した。倒したぞ。はは……ははは! ははははは! 私の勝ちだ! 私の、私の、私の──!」
「……! マスター────あなたは────。 私の、顔を、見たな?」
同上。夢に彷徨いこんだ主人公が垣間見た彼の姿。昼間の戦闘中から何やら様子がおかしい彼だが、その真相は……
「エリチャンとはあの雑竜サーヴァントですか。ははは、満漢全席とはまた豪快な。
え、悪夢?お腹いっぱいになるのでは?え、根本から違う?」
「それは……恐ろしいですね……。
私の母は時代もあって、どちらかというと甘い方でしたが彼女の苛烈さもまた、母性を感じさせます。
とはいえそれは、マスターが心配されている……という良い証では?
消毒液のタンクを背負って追いかけてくる夢だった?……なるほど、悪夢ですね……。」
主人公の選択肢次第で見られる、アルジュナのサーヴァント評。後者に関してはアメリカでの容赦ない治療もあってか理解を示してくれると同時に、母クンティーに対する言及も。
「──答えを。私は戦士クシャトリアであるが、同時に使い魔サーヴァントである。
戦士の誇りを抱こう。使い魔として任務を果たそう。
両立することはできる。戦士としての誇りは失うことなく、使い魔として忠を尽くすことも。」
同上。夢中の迷宮で邂逅した「ラーマ」からの「貴様は誇り高き戦士か、それとも別の違う何かか?」という問いに対する返答。
戦士であり使い魔。その在り方を、同郷に生きた大英雄にも臆することなく示してみせるが……試練はまだ終わらない。
「カルナ……貴様が、何故ここに居る!ここは、貴様が居てはならぬ場所だ!・・・・・・・・・・・・・
「カルナ、勝負は付いた。この場で再戦するほど恥を知らぬ貴様でもあるまい。
立ち去れ。そうすれば、命だけは見逃そう。
そして、先ほどの問いに答えよう。我が真名はアルジュナ。
マスター、〇〇のサーヴァントである。」
さらに下層で「おまえは何者だ」という問いを投げかけ、立ちはだかる「カルナ」を前にして。
しかし、「カルナ」からは致命的な「何か」が欠けていると説かれ、一同は更なる深淵を目指すことに。
──私を見るな。私を見るな。私を見るな。
──私の心には、“黒”クリシュナが棲んでいる。
邪悪な囁き。私を扇動し、先導し、全ての罪を背負わせるもの。
……何て酷い言い訳だろう。浅ましい、恥ずかしい、おぞましい、見られたくない……。
ああ、だが。邪悪であることは、羨ましい。
アルジュナの独白。己の心に潜むモノ。「邪悪」であり恥ずべき感情。だが、それは同時に羨ましくもあり──。
何て羨ましい───。あれこそは、人間そのもの。
醜くも足掻き続ける。勇ましくも怯え続ける。
泣きながら死にたくないと喚き、喚きながら命を賭して、誰かを無我夢中で救う。
そうなりたいと、そうあるべきだと。
自分の中の、何かが訴えている。
アルジュナの独白。「悪」と恐れながらも、同時に「人間そのもの」として強く惹きつけられる「もう一人の私」。そうなりたい、そうあるべきだと自分の中の何かが訴えている。
「クリシュナ! 我が友の名を冠する私よ!」
深淵にてついに邂逅した、アルジュナの抱える「闇そのもの」。
それこそが「黒」、親友の名を与えられた、もう一人のアルジュナ自身である。
「私を、見ないでください!私は英雄だ。英雄なんだ。違う、これは私ではない!
私は、正しい英雄であらねばならない。だから、この“私”は隠し通さねばならない。
それがマスターであるならば尚更だ!」
「しかし……しかし、私は!
私は恵まれて育てられた!善を尊び、悪を憎み、戦士として誇り高く生きてきた!
このような悪心が、存在することが有り得ない・・・・・・・・・・・・
いや……あってはならないはずなんだ!」
「悪心なんて誰にでもある」と言った主人公に対しての返答。
その誰にでもある「悪心」すら己には本来存在してはいけない、それがあるのは英雄に相応しくない……彼が幼い頃より抱え続け、隠し続けていた悲痛な叫び。
「……いや、違う。違うよ、クリシュナ。それは、やはり違う。」
「ずっと……ずっと、そう考えていた。おまえがいるからこそ、私はあの矢を放てたのだと。
卑怯で、戦士の道から外れた振る舞いは──。何もかも、おまえの責任だと・・・・・・・・
……あの時の私は、ただひたすらに楽になりたかった。永劫続くかと思われたカルナとの戦い。
自分という存在が、あまりに矮小で戦士に相応しくないという絶望感と諦観。
だが、受け入れなければならなかった。どれほど否定しようとも、あの矢を放ったのは──。」
「──あの矢を放ったのは、俺だ。
あの矢を握り、あの矢を番え、あの矢を放ったのは、このアルジュナだ。」
自分の「闇」を受け入れ悪性を認める。あの日、放つべきでなかった矢を放ったのは己であるのだと、アルジュナは「呪い」を口にした。
「私も消えますが──。
その前に謝罪を、マスター。此度、あなたが危機に陥ったのは私が原因です。
恐らく私とマスターとの絆がこれまでにないほど、強くなったせいでしょう。
私は誰かと絆を深めれば深めるほどに、クリシュナの存在を知られることを恐れる。
だからこうして、夢の中にマスターを誘い──殺害しようとした。
愚か者だ。そして酷い裏切り者だ。殺されても文句は言えないでしょう。
……マスター。あなたは確かに私という存在を完全に知ってしまった。
そして、それでもなお私の全て──光も闇も、醜悪さに至るまで共に抱え込んだ。
ならば私はあなたの笑みも、この暗黒も恐れますまい。もう二度と、決して……。」
事情を明かし、己のすべてを曝け出したアルジュナ。闇を共に抱え込み、寄り添い、乗り越えたことで、以降、このアルジュナが己の闇を恐れることはもうないだろう。
「………………おはようございます。このアルジュナ、最早迷いはありません。全身全霊を絞り尽くして、あなたにお仕え致します。」
「しかし、それにしても。長い、長い旅のようだった気もしますし、とても短い旅だった気もします。
この世に確実なものなどない。あらゆる物質はうつろい、流転し、彷徨い歩くもの。
感情ですら例外ではない。恋も愛も、憎悪や悲哀に変わるときもあるのでしょう。もしくはその逆も……。
それでも、確実に言えることが一つある。……あなたに会えて、良かった。」
夢から醒めた主人公に対して。ひとつの旅の果てに辿り着いた答え。
時間神殿でいつか出会いたいと願った存在に、彼も巡り会うことが出来たのだ。
私はアーチャー。真名をアルジュナ。
戦士クシャトリアであり、サーヴァントであり──。
未来を勝ち取るため、とあるマスターに力を貸す者。そして、ただの平凡な英霊に過ぎない。
神の血を引いているが神ではなく。人ならぬ非凡な力を持っても、所詮は人。
ただ戦うのだ。マスターのために戦うのだ。マスターに仕えるという、その本質だけを抱いて戦うのだ。
その一点を以て、私は私を英雄であると認識する。その為ならば、我が“黒”も受け入れる、恥とも思わぬ。
私はアーチャー、私はアルジュナ。
私は、〇〇のサーヴァントである。
自問自答の末にたどり着いた境地。体験クエストから続いた、長くも短い旅はひとつの結末を迎えた。彼は確実に新たな一歩を踏み出そうとしている。

Fate/EXTELLA LINK

「我が真名はアルジュナ。クラスはアーチャー。よろしければ、皆様の軍に加えて頂ければと思い、馳せ参じました。」
1日目「反撃の狼煙」にて。各地が同時侵攻を受けるものの、戦力不足のために思うように対応できず頭を悩ませるネロ達。
アルジュナはそんな彼らの前に姿を現し、仲間に加えてもらえないかと切り出すのだった。
「ある男がいます。その男が光となれば、私は闇になる。そういう男です。
その男は今、大帝という者に与している。理由は、それで十分ではありませんか?」
同上。仲間に加わろうとするその意図を尋ねられての返答。思い浮かべるのはある男──すなわちそれは、宿命のライバル。
「彼は私に協力してくれたサーヴァントです。信頼していただいてよろしいかと。」
第一・第二ルート3日目、「混沌宮殿へ」にて。合流してきたロビンフッドを怪しむ一同に対し事実を告げる。その直後、ロビンからは「矢が焼夷弾クラスの破壊力とか、ねえ?」と言われるが……インドだから仕方がない。
OPでも一瞬だが二人が背中合わせで弓を構えているシーンがあることからも、1日目に彼が言及していた「我が部隊のサーヴァント」はロビンフッドであることがわかる。
「こちらも、独自行動を取っていたサーヴァントたちを部隊に加えることに成功いたしました。皆、大帝との戦いを望んでおります。」
「ですが、敵戦力は終結しきったわけではありません。今ならば敵の後背を奇襲することも、迎撃の準備を整えることもできます。」
「そちらに兵を向けるのであれば、別働隊が陽動を行い、敵本隊を引きつけて迎撃いたしましょう。
もちろん、敵の陽動という可能性もあります。最終的な判断はマスター、あなたに委ねましょう。」
第一・第二ルート3日目にて。主人公たちとは別行動を取り、単独で別働隊を率いるアルジュナ。味方陣営唯一のトップサーヴァントとして、確実に戦果をあげて報告に戻り、作戦会議でも策を提示し主人公の判断を仰ぐ。
それらの行動は目立たないながらも、事態の好転にしっかり貢献していると言えるだろう。
「マスター。私もこれよりは、正式にあなたの指揮に従います。もはや別働隊として動く意味もありません。
我が名はアルジュナ。アーチャーにして七騎のトップサーヴァントがひとり。立ちふさがる敵を、ことごとく討ちましょう──!」
第一ルート5日目「影は影に」にて。トップサーヴァントとして召喚された使命を果たすべく、無限の栄光に輝ける大英雄はここに宣言する。
「カルナ。ようやく相まみえる時が来ましたね。待っていました……この時を……!」
「あなたが大帝についたならば、私はマスターにつきます。それが、我らの宿業なれば。」
「──黙れ! 今こそは、貴様の首をもらいうけるぞ、カルナ!」
「待ち望んでいた時だ。このSE.RA.PHで決着をつけることにする。行くぞカルナ。悪に堕ちる貴様など、敵ではない!」
第一ルート6日目、機動聖都・東門にて。因縁の相手──カルナを前にして、アルジュナはその冷静さを無意識にも捨て去るほどの激情を曝け出す。奇しくも『Grand Order』第五章とは敵味方が逆の立場となった。
「いかにも。だが、その宿業の糸は、ここで断ち切る──!
マスター! しばし時間を与えていただきたい!私の宝具、パーシュパタの全力で、カルナごとあの巨砲を葬ります──!」
「この瞬間を待ちわびたぞ、カルナ。今の貴様は見るに堪えん。」
「その通りだ。貴様は俺の知るカルナではない。勝ったところで嬉しくもない。」
「……平常と変わらぬその態度こそが、ますますもって忌々しい。だからこそ、この場で貴様を打ち倒す!」
第一ルート6日目、機動聖都・西門にて。ついに対峙した二人の英雄。アルジュナは己の全力を以て、すべてを終わらせるために戦う。
こちらのステージでは唯一、「俺」というもうひとつの一人称を音声つきで見ることができる。
「──笑止! いや、笑止すぎて腹が立つ! 私の知るカルナは、背負うことや肩を貸すことはあっても……
背後に何かを控えさせ、喧伝するような輩では断じてない! 消えろ、そして今一度やり直すがいい!」
「そちらの出る幕ではない! 貴公は速やかに大帝の下へ行け! この男は、私の獲物だ!」
第一ルート6日目、「黒と白の兄弟」にて。"天声同化"に同調し、カール大帝の走狗となった宿敵を、怒りと失望を滲ませ一喝するアルジュナ。それは生前よりカルナという男を知り、理解していたからこその憤り。
「神性領域拡大、空間固定! 我が怒りと祈りを捧げ、カルナ、貴様に勝利しよう!──ゆくぞ!『破壊神の手翳パーシュパタ』!!」
「散華せよ────!!」
同上。一瞬の遅滞により、カルナの宝具に飲み込まれそうになったその時、先に行かせたはずのシャルルマーニュが代わりに攻撃を受け止める。「アンタの戦いひとりで成し遂げるものじゃない」というシャルルマーニュの言葉に何を思ったのか。再度の宝具発動を仕掛けるカルナを前に、アルジュナは文字通りの全力を以て宝具を解放する。そこに込められていたのはシヴァ神の怒りではなく己の怒りと、祈り。
ここでは普段のような天空からの射出判定ではなく『Grand Order』第五章開幕の告知CMでも見せていたような、自分から真正面に突っ込み一点に収束させた破壊の力をビームのように撃ち出すといった使い方をしている様子が実際にムービーで再現されている。
「──これでいい。私は、私の宿業を昇華した。貴公は貴公の道を行け、シャルルマーニュ! 己がカルマより目を背けるな。」
「さらばだ、シャルルマーニュ。そして、我がマスター! 一時ではありますが、あなたたちと闘えたことを、誇りに思う──!」
同上。マスターのため。SE.RA.PHで出会った仲間たちのため。宿敵と全力で戦い、これを撃破したアルジュナ。それは同時に、長きにわたる己が宿業の昇華を意味していた。
最後に、共に戦ったシャルルマーニュへの激励とマスターへの感謝の言葉を残し、誇り高き英雄はひとり静かに消滅していった。
「フ……カルナ。誰に向かってものを言っているのです? 私は大帝の“天声同化オラクル”を受け、ようやく無明から解き放たれた。
皮肉なものだ。ようやく私は、おまえと同じものを見ることができる。
行こう。私とおまえの、初めての共同戦線だ。」
第三ルート5日目、「アルテラの覚悟」にて。奇襲された帝都を守って行方不明となっていた彼は、いかなる経緯によってか“天声同化”されていた。
カルナと初めて肩を並べた彼は、覚悟を決めたアルテラを守るために立ちはだかる。
「カルナと決着をつけたい、という意思はあります。が──私もひとりの武人として、取り込まれた雪辱は果たさねばなりません。」
第三ルート5日目、「姉」にて。
先の戦いによって“天声同化”が解けたアルジュナはカルナと話し合い、再び主人公たちに協力することを申し出る。
「わかりました。貴方がたには、“天声同化オラクル”の恥辱より救っていただいた恩があります。カルナとの決着はその後といたしましょう。」
「ええ。貴方に勝った結果、幼い少女を見捨てた、と後の歴史に記されるような恥辱はごめんです。」
第三ルート7日目、「最終決戦」にて。シャルルマーニュの「アルテラ姉さんを頼む」との頼みを受けての返答。
彼にしては珍しく軽い冗談を交えながら、務めを果たすべく共同戦線を張る。
「マスターは私のことを十分理解していることでしょう。もちろん、私もあなたのことを十分重要視しています。
細かいことはどうでもいいのです。マスターとサーヴァントであること、ただそれだけが重要なのです。」
絆レベルアップ会話1。完璧な英雄であるが故に、彼が望むものもまた、完璧な主従関係の在り方である。
「マスターに対して忠誠を誓い働く。それこそが正しいサーヴァントでしょう? 何か間違っていますか?
マスターはいかがでしょう? サーヴァントとしての働き以外に私に何を望むのか。最近、少し気になって仕方がないのですが……。」
絆レベルアップ会話2。マスターとサーヴァントの関係について。ただ戦い働くこと以外の意義、アルジュナはそれが気にかかる。
「マスター、私はあなたのサーヴァントです。このアルジュナ、マスターに真摯に仕えることが何よりの喜び。」
絆会話2-1。『Grand Order』と同じく、そこに王族としてのプライドは見せず、彼はあくまで従者として執事のように付き従おうとする。
「一人でいる方が落ち着くのは確かです。けれど、マスターと話して過ごすのも悪くない。
この不思議な感覚はいったい……マスターとサーヴァント、ただそれだけの関係以外に何か秘密があるのだろうか……」
絆レベルアップ会話3。絆が深まると感じるようになる、ある種の心地よさと戸惑いの間で揺れ動く。
「マスターと同じ時間を過ごす。そして親密になる…… 戦い以外にサーヴァントとしての使命があるのか……
これがお互いの絆を深めるということなのですか…… お互いを知る、マスターが私を知る……
しかし、私の心を覗き見るような行為は望ましくない。マスター、あまり私を見ないでください。」
絆レベルアップ会話4。優しく浮かべる笑みとは対照的に、声はどこか悲しげである。己が内側に潜むモノの存在を知られてはならないが故に、絆が深まるほどに彼は人目を恐れ、遠ざけようとする。
「マスター、そこまでです。それ以上踏み込むようであれば、私はあなたの重荷となってしまう。心苦しいですが、今はこのままがいい。
そう。時に踏み込むことが正しいとは限らない。絆が決して上辺のものでないと確信できるなら、私は全身全霊を賭して戦いましょう、我が主よ。」
絆レベルアップ会話5。『Grand Order』の絆台詞とは少々異なる対応を見せており、こちらでは踏み込まれる前に自分で静止をかけている。
「サーヴァントとは戦うだけだとばかり考えていました。しかし皆を見ていると、どうやらそうでもないらしい。
喜びや哀しみを分かち合う……それが大切なのですね。」
絆会話5-2。アルジュナの理想とするサーヴァントの在り方も決して間違いではない。だがそれだけが全てではないのだと、彼は意識を改める。
「何というか……つくづくズレているな、貴様は……。」
ベースキャンプでの特殊会話。カルナを連れてアルジュナに話しかけると聞くことができる。
やはりというべきか、相変わらずどこか噛み合ってない返答ととことんポジティブな捉え方には、彼も半ば呆れ気味である模様。
「ここでは全力を出せないというなら抑えよう。だが戦場で相まみえたのなら覚悟をしておけ。全力のお前を必ず打倒してやる。」
特殊会話その2。こちらはアルジュナを連れてカルナに話しかけると発生する。
雌雄を決したい彼らではあるが、どこでも見境なく襲い掛かる訳ではない。それでもいざ戦場で対峙したのならば、その時は全力で──。
「これぞアグニの咆哮……!」/「──『炎神の咆哮アグニ・ガーンディーヴァ』!!」
ドライヴスキル発動時。神弓の力を十全に発揮しての一撃は幾筋もの焔となり、その蒼炎は天より降り注いだ先ですべてを飲み込む。
「神性領域拡大。空間固定。神罰執行期限設定。──全承認。 シヴァの怒りを以て、汝らの命をここで絶つ。──『破壊神の手翳パーシュパタ』!」
「散華せよ。勝利は既に我が掌中に。──絶望せよ。汝の死は確定した。──『破壊神の手翳パーシュパタ』!」
宝具使用時。『Grand Order』とは途中から演出が異なり、宇宙空間から個々の目標に向けての射出による超大規模攻撃となっている。幾筋もの青い光が流星群のように降り注ぐさまは、それが例え死をもたらす破滅の光であったとしても、何とも美しい。
台詞も2パターンありランダムで再生される。後者は普段の詠唱ではなく、冷酷なまでの「死の宣告」である。

その他

「インドビーム!!!」
『ちびちゅき!』26時限目にて。子供たちに人気のカルナに対抗心を燃やし、自分も目からビームを出そうとする。ネコアルクに吹き込まれたせいかネコミミとシッポが生えており、的に描かれているのはやはりというべきか、もちろんカルナ。
一応アルジュナ初登場回だったのだが、この時ばかりは珍しくカルナがツッコミに回っている……。
「マスター! マスター! ご覧ください、この猿を! ええ、私が従えている以上、無論ただの猿ではありませぬ。
この猿、見かけによらず何と猿拳を使いこなす超武闘派モンキー……。世が世ならハヌマーンの眷属であったかもしれません。
カルデアに連れて帰ろうと考えているのですが、構いませんね?」
『3rd Anniversary ALBUM』より。猿を右腕に乗せて優しく微笑みながらのこの言葉。彼にしては珍しく、明らかにテンションが高い。
ちなみにハヌマーンは『ラーマーヤナ』に名高い猿族の戦士だが、『マハーバーラタ』でもクリシュナの要請を受けてアルジュナの戦車に潜んでいたとされている。

メモ

  • 公式PR漫画『ぐだぐだオーダー』での仮称は、信長アーチャー。無論、中の人からとった物で、出番ない方のノブとは関係ない。
    なおキャラクターに不明な点が多いせいか、ポーズをとりながらキメ顔で顔を隠したりするなど、妙な性格になっている。
    • 余談だがカルナコハエースにて同じポーズを取っている。
    • なお、pako氏は「枠を奪ってしまったので供養しとこう」と魔人アーチャーに思うところがあったのか、イラストをtwitterに投稿した。
      • しかし、実際は枠を奪うどころかあちらが先に正式参戦を果たしてしまった。これが縁なのかは不明だが、pako氏がイラストを担当している。なお順番でいえば彼女よりアルジュナの方が先に描かれていた模様。
  • 『Fate/Grand Order materialⅢ』に掲載されているpako氏のコメント[出 3]によれば、「どこかの王族が執事をやっている。しかし完璧な子なので完璧にこなす。そんなイメージでデザインした記憶が」とのこと。また宝具「炎神の咆哮 (アグニ・ガーンディーヴァ) 」についても「矢の先は尖ってないのに威力ありすぎてそのまま綺麗にえぐり取るイメージだったのでゲーム内ですごい音で攻撃しているのを見てああ似合っているなあ素敵だなあと」。ちなみに『Grand Order』第五特異点開幕告知CMにおいてはたった一射が命中しただけにも関わらず分厚い岩棚を一瞬で融かしており、融けた岩盤はその後カルナの攻撃で干上がっている。
    • 矢の先は尖っていない、というよりも正確にはドリル状に捻じれているのだが、これは同書に掲載されている図解のほかに、概念礼装「カルナへの一矢」に使用されているイラストが分かりやすい。ただしよく見るとバトルキャラの方でもちゃんと捻じれていることが分かる。
    • 実際SEは『Grand Order』、『EXTELLA LINK』ともに、弓にあるまじき凄まじい音である。とはいえ本質がインド式ミサイルであることを考えれば納得か。
  • 色黒であることも手伝って全体的に表情の変化が分かりにくいが、表情差分は現時点で7つ[出 4]ある。実はその中に「照れ顔」の表情差分もあるのだが……今のところゲーム内で使われている痕跡がなく、『Fate/Grand Order materialⅢ』に掲載されているのみとなっている。
    • そしてその照れ顔自体がそもそも、僅かに頬が赤くなっているだけで表情そのものの変化が乏しく、パッと見では通常顔とほぼ見分けがつかない。つまりものすごく分かりにくい。同じく表情の変化に乏しいが色白であるカルナの方がまだ分かりやすいほど。
    • そんな慎ましやかなレア差分とは逆に、何かを企んでいるかのような、いわゆる「悪い顔」をしている差分もあり、もといこちらもなかなか貴重。シナリオ本編では使用されていないため、アルジュナを召喚していない人が通常のプレイでこの表情をお目にかかる機会は今のところない[注 5]。普段の勤勉さからは考えられないような黒い笑みに、彼の正体を知らなければまず分からないような凄まじい高笑いが合わさって、最終再臨では二度ビックリされることもしばしば起こる。もっともアルジュナにしてみれば本来隠し通さねばならないようなモノであり、本来人に見せるべき表情ではないので当然と言えば当然なのだが。
  • アルジュナの宝具である「破壊神の手翳(パーシュパタ)」は伝承によれば終末において世界そのものを破壊する際に用いられる武器で、所謂現実に語られる神話での破壊神シヴァが使えば全宇宙を破壊、アルジュナが使っても世界を七度滅ぼせる威力を有しているという。
    • そのあまりの強力さにアルジュナ自身がその使用を禁じており、原典では使われていない。
    • またシヴァ神の配偶神であるパールヴァティーから[出 5]も「うっかりするといろいろと爆砕ですよ、爆砕」と諫められている。もっとも「あなたはしっかりしているから大丈夫だとは思いますが……」とのことだが、幕間の物語「神弓の真価」で森を更地にしていることもあって使い方を誤ると大惨事になるのは想像に難くないだろう。
  • 第二宝具である「炎神の咆哮」は彼の身の丈程もある大弓。螺旋状の装飾が施された流麗な弓で、装飾の裏面には溝が入っている。『EXTELLA LINK』の宿舎ではスタンドに突起部分を引っ掛け、弦を上にして立てかけるように置かれているが、彼の身長が180センチ弱なのでかなり大きいサイズであることが分かる。ちなみに待機時モーションでは空中に浮かんでいる。
    • 『Grand Order』ではシナリオ内でのみ真名開放しており、『EXTELLA LINK』ではアクティブスキルとドライヴスキルで真名開放している。無誘導式であるのだが一部の攻撃はどう見てもホーミングしており、「千里眼」とテクニックだけで軌道を曲げているのだとしたら何とも恐ろしい技量である。
    • また彼が両腰から提げている、何かの花を模したようにも見えるペイズリー調の装飾が施された板状の装備は矢筒であり、彼はベルトを3本使ってこれを固定している。
  • 『EXTELLA LINK』のインストールスキルは各サーヴァントの所有スキルとの連動によりボーナスが発生するといった仕様があるが、アルジュナは連動数が全サーヴァント中で最多を誇る。これは「神性 B」と「授かりの英雄 A」を除いたほかの4つがもれなく連動対応スキルであるため。「神性」は本来クラススキルではないのだが(『Grand Order』は例外)、彼の場合は『EXTELLA LINK』でもクラススキル扱いになっている。
  • 『Grand Order』・『EXTEELA LINK』ともに、アルジュナの直接的な出番はあまり多くないものの、彼の成したことは事態の転換に大きく関与あるいは貢献していることが多い。前者であれば暗殺作戦が失敗に終わったのはそれまで秘匿されていた彼の存在によるものが大きく、また最終的にレジスタンスが北部戦線を死守できたのもアルジュナが離反して駆けつけたことに一因がある。後者でも、特に序盤においては彼がいなければ戦力的に詰んでいた状況であり、主人公の陣営が各地の防衛や迎撃・陽動など多方面での作戦展開を同時に行えるようになったのはやはりアルジュナが戦列に加わったからである。そういった面や味方サーヴァントの戦果報告から考えると、裏方ながらしっかり活躍していると言えるだろう。
  • 初出作品自体は『Grand Order』なのだが、それ以前に『Fate/Apocrypha』第1巻[出 6]の時点で<赤>のランサーによって彼の存在自体は示されていた。『Fate/Apocrypha material』にも僅かながら解説が載っており、「正義がそのまま形になったような、実直で誠実な性格」[出 7]と言及されている。
    • 彼と同じく『Apocrypha』で存在を示唆され、その後『Grand Order』で登場したサーヴァントは、ほかにヘクトールペンテシレイアがいる。
  • 原典『マハーバーラタ』においては主人公格。パーンダヴァ五兄弟は宿敵ドゥリーヨダナほどではないにしろ出生からして複雑な経緯を辿っている。なんと5人全員父親が異なり、もれなく全員が半神半人。妻ドラウパディーとの婚姻の際には一波乱あり、最終的には五人で彼女を共有するという形に落ち着いた。どうしてこんなことになったかというと、一つは母クンティーに「貰ってきたものは兄弟で等しく分けなさい」と言われたこと、そしてもう一つはドラウパディーが前世からの因縁で「5人の男と結婚できる」ということになっていたためである。
    • 型月において逸話がどこまで採用されているのかは不明だが「いろいろと事情があった」のは確かなようで、アルジュナ的にはあまり触れてほしくない話題であるようだ。
  • 一人称は基本的に「私」や「アルジュナ」で通しており、「俺」は使用頻度が低いため意図して使い分けているかどうかは不明だが、「俺」と称した時は必ずと言っていいほど敬語を使っておらず、状況も独白やそれに近いものが多い。またカルナがカタカナ表記で「オレ」なのに対し、こちらは必ず漢字表記である。
  • 発表当初から、真名の候補としてアルジュナは挙げられていた。「勤勉であり、礼節をわきまえ公明正大」といった特徴が一致しており、また同時に彼が弓の名手であった事からも比較的分かりやすかっただろう。
    • また違った見方として、彼の従兄弟のクリシュナではという予想もあった。クリシュナ、という名が「黒い肌の者」という意味を表し、また同時にアルジュナの別名の一つに「クリシュナ」という名もあった。この伝承が彼の黒い肌の由来だろうとも考えられる。
  • 『EXTELLA LINK』におけるステータスに関して、最初は「宝具:A++」となっていたのだが、これはアップデートで修正された。

話題まとめ

中の人関係
担当声優である島崎信長氏はTYPE-MOON作品参加は『Fate/Zero』の第四次アサシンの中の一人に続いて二度目。
実は高校時代からのディープなTYPE-MOONファンであることが明らかとなり、「TYPE-MOONエース Fate/Grand Order」では4ページにわたるインタビューが掲載された。「『関わらせてください!』とアピールするような形になってしまうので今までは大っぴらにしていなかった」とのこと。また、とあるラジオ番組に出演した際に、声優をやる上で影響を受けた作品として佐々木氏の『真月譚 月姫』を挙げるなど、かなりのフリークぶりを見せている。
『Grand Order』についても、金時(期間限定★5)を4体重ねたり[出 8]、礼装目当てにヴラドおじさんを狩り続けたり[出 9]、一プレイヤーとしてもエンジョイしている様子が見られる。自身が演じたアルジュナに至っては、実装当日に引き当てるのみならず宝具レベルを5に仕上げる[出 10]程の課金……もとい気合の入れよう。公式からもヘビーユーザーと紹介されるほどで、課金額は所属事務所に口止めされているそうな……。
なお、 TYPE-MOON作品のグッズが壁一面に陳列された棚を背にアルジュナの決めポーズを取る島崎信長氏の写真[出 11]が島崎氏の自室とそのコレクションであるかのように誤解されることがあるが、こちらは前述のインタビューの117ページにも使用された写真で、社内インタビューの収録後にTYPE-MOON本社応接室の自社商品陳列棚の前で撮影されたものだと同写真横に記載されている。ちなみにインタビュー収録前には奈須さんの誘いを受け、喜々としてTYPE-MOON社内見学ツアーに赴く島崎氏の姿があったそうな。
島﨑氏は概念礼装やイベントなどでアルジュナの描き下ろしイラストが登場すると、直近のニコニコ生放送ではそのアルジュナと同じ衣装を着用して登壇することも。今まで着用してきた衣装としては「ヴァーサス」やイベントシナリオで登場した「理系の先輩」にならった白特攻服(恐らくは学ランの代わり)、「フォンダン・オ・ショコラ」の白スーツ、2周年記念の英霊正装、3周年記念の英霊旅装などがある。英霊旅装についてはイラスト担当のpako氏に設定をもらい、衣装スタッフに作成を依頼していたのだとか。
アルジュナ役を務めることになった経緯としては、『Grand Order』男性主人公の台詞をドラマCD用に収録した際「サーヴァント役もお願いしたい」と話を持ち掛けられたことが切欠であったという。島﨑氏がこれを快諾したため、7週連続TV-CM用のアルジュナの台詞がその時一緒に収録された。
望むのは「永遠の孤独」
家族や様々な神々に愛され、時に放浪しながらも最後は勝利し、まさに「英雄」としての生を全うしたアルジュナ。
その「偉大な英雄アルジュナ」像からすれば永遠の孤独を望むようになるにまで精神をすり減らすに至った彼の心中は今のところ計り知れない。
周囲の期待に応え続け、英雄として走り続けた人生に何か思うところがあったのかもしれないが…

脚注

注釈

  1. 普段は専ら「私」であり、こちらは通常ほとんど使われない。『Fate/Grand order』における概念礼装「授かりの英雄」のフレーバーテキスト内で初めて登場し、シナリオでは幕間の物語「問い掛け続けることにこそ」で一度だけ使用している(“黒”の台詞も実質アルジュナの台詞だとして数えた場合はもう少し増える)。『Fate/EXTELLA LINK』においても「機動聖都・西門」のステージ会話で一度だけ使用した。
  2. 敵対者およびカルナなど。
  3. 3ターン
  4. オーバーチャージで効果UP
  5. 彼を所持しているプレイヤーでもこの表情を見られる機会はごく少なく、最終再臨以外では幕間の物語「問い掛け続けることにこそ」、あとはカルナも同時に所持していればマイルーム会話でも見られる程度。

出典

  1. 『Fate/Apocrypha』1巻 p.216-217、p.220、4巻 p.318-319、5巻 p.143、p.201、p.224。
  2. 『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』第16節「エルロンド会議」、および幕間の物語「問い掛け続けることにこそ」。
  3. 「アルジュナ」『Fate/Grand Order materialⅢ』p.103。
  4. 「アルジュナ」『Fate/Grand Order materialⅢ』p.97。
  5. 「パールヴァティー」『Fate/Grand Order materialⅤ』p.343。
  6. 『Fate/Apocrypha』1巻 p.216-217、p.220。
  7. 「Fate/Apocryoha用語辞典-アルジュナ」『Fate/Apocrypha material』p.155。
  8. 島﨑信長Twitter2015年10月1日14:12
  9. 島﨑信長Twitter2015年11月4日23:32
  10. 島﨑信長Twitter2016年1月4日22:51
  11. 島﨑信長Twitter2015年7月2日19:22

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