「聖杯」の版間の差分
(現実の聖杯とTYPE-MOONの聖杯の記述が混ざっていた為、出典元を確認しつつ整理しました。) |
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『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、[[ユグドミレニア]]の本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。 | 『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、[[ユグドミレニア]]の本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。 | ||
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== ムーンセル・オートマトン == | == ムーンセル・オートマトン == |
2019年2月20日 (水) 01:53時点における版
原義
キリスト教における神の血を受けた杯で、最高位の聖遺物。あらゆる願いを叶えるという。その起源は多くの神話で顔を見せる「願いを叶える大釜」といわれる。[出 1]
候補は複数見出されており、聖堂教会が番号を振って監視している。
キリスト教以外にも多くの伝承に登場し、バビロンの大淫婦が持つ黄金の杯、ケルト神話におけるダグザの大釜、そしてアーサー王伝説でギャラハッドが発見するに至った聖杯などが存在する。
冬木の聖杯
聖堂教会のいう「第七百二十六号聖杯」。60年[注 1]に一度冬木市に現れる、あらゆる願いを叶えるという器。これだけなら出来の悪い与太話で終わってしまいそうなものだが、その奇跡の一端を「サーヴァントの召喚」という形で示す事で「真贋はともかく規格外」と認知されている。
実際にはユートピアにあるとされる万能の釜を模した物。聖堂教会もキリスト教とは無縁との確証は取れているが、その強大さを無視できず監視し続けている。
小聖杯
表向きの聖杯。外来の魔術師達とサーヴァントはこの聖杯を求めて戦う、いわば聖杯戦争の賞品である。
「ラインの黄金」の伝承に長けるというアインツベルンが鋳造した器に、おおよそあらゆる願いを叶えられるほどの魔力が満ち溢れたモノ。その魔力とは、脱落したサーヴァントの魂に他ならない。聖杯戦争においてサーヴァントが脱落していく過程こそが聖杯降霊の儀式であり、戦いが佳境にはいると形を持ち始める。ほか六組の参戦者を排除して降霊した聖杯こそが「願望機」としての完成品であり、優勝賞品である。
本来は根源に通じる孔を開ける手段として、サーヴァントの魂を一時的に留めておく器。
大聖杯起動に必要な魂が溜まると、「座」に帰ってゆこうとするサーヴァントを一気に解放することにより極小の孔を開ける。そのために7騎分の魂が必要となる。「願望機」としての機能であれば6騎で事足りるが、真に根源に至ろうとするならば、最後の勝者は令呪をもって自身のサーヴァントを自害させねばならない。
よって小聖杯はただのフェイク、偽りのトロフィーに過ぎないが、名前だけが語られる無意味な代物というわけでもなく、「おおよそあらゆる願いを叶えられる」点においては極めて重要な意味と能力を持つ不可欠な要素である。しかし小聖杯は大聖杯と異なり、戦争の度にその姿を変える。第三次までの聖杯戦争における小聖杯は聖遺物の能力を持った器物、いわば文字通りの杯というものだが、戦闘中に破損し、儀式が中止となった。第四次以降は肉体を持つ小聖杯という形で鋳造されたホムンクルスがその役割を担っており、第四次がアイリスフィール・フォン・アインツベルン、第五次がイリヤスフィール・フォン・アインツベルンである。だが、第四次聖杯戦争の結果、間桐臓硯は聖杯の欠片を手にし、ソレを触媒として生み出された刻印虫を桜の肉体に埋め込んだことで彼女を不完全ながらも小聖杯へと変えていった[出 2]。
霊体を降臨させるための器であるため、形はどんなものでもよい。金属の鍋だろうが、幼稚園児が使いそうな水筒であろうが、はたまた生命であってもその是非を問わない。
大聖杯
円蔵山がその内部に擁する大空洞「龍洞」に敷設された魔法陣で、冬木の土地を聖杯降霊に適した霊地に整えていく機能を持つ、超抜級の魔術炉心。
聖杯戦争のシステムを管理するもので、小聖杯は敗れた英霊の魂を回収し、大聖杯を動かす為の炉心にあたる。小聖杯に大聖杯の起動に必要な魂が溜まると、英霊が「座」に戻ろうとする瞬間に僅かに開いた穴を大聖杯の力で固定し、人の身では届かない根源への道を作る。
冬木の霊脈を涸らさないように60年という時間を掛けてマナを吸い上げ、七騎のサーヴァントを召喚するのに充分な魔力を蓄える。聖杯降霊の時期が近づくと「聖杯の意思」によってマスターに相応しい人物に令呪を授け、聖杯戦争という儀式を開始する。
また、7騎のサーヴァントが一勢力に統一されてしまった場合を想定し、7騎のサーヴァントに対抗するために追加で7騎のサーヴァントを召喚する予備システムが組み込まれている。だがこのシステムはあくまで緊急の措置であり、冬木で発動した場合は霊脈そのものが枯渇する可能性もある。
200年前に始まりの御三家(アインツベルン・マキリ・遠坂)により敷設され、その術式は冬の聖女ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンの魔術回路を拡張・増幅したもの。この儀式にはかの魔導元帥ゼルレッチも立ち会っており、ギルガメッシュまでもが「考案したものは神域の天才であろうよ」と賞賛し、人体という小宇宙を実際に宇宙にした特例として扱われている。
小聖杯が破壊されようとも大聖杯さえ無事ならば、器が用意される限り何度でも聖杯降霊儀式は執り行える。だが、Fate・UBWルートにおいては切嗣が第四次の後に用意した霊脈の瘤による局地的大地震により、またはHFルートにおいては宝石剣ゼルレッチで大暴れした凛により、龍洞が崩落、大聖杯は破壊される。このため、聖杯戦争は第五次で最後となり、今後開かれることはなくなった。
第五次の10年後、魔術協会は大聖杯の復活を画策し、遠坂の当主とロード・エルメロイⅡ世により完全に解体される必要を残していた[注 2][出 3]。この解体は関わったエルメロイⅡ世が例えるなら、大樽一杯に貯まったニトログリセリンを抜き取る作業らしく、一晩二晩ではどうにもならず入念な準備を必要とした[出 4]。
『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、ユグドミレニアの本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。
「竹箒日記」によると「大聖杯の中において時間軸はすべて等価(つーかドッロドロ)」とのこと[出 5]。
ムーンセル・オートマトン
『Fate/EXTRA』『Fate/EXTRA Last Encore』『Fate/EXTRA CCC』『Fate/EXTRA CCC FoxTail』『Fate/EXTELLA』『Fate/EXTELLA LINK』における聖杯。
ムーンセルは『Fate/EXTRA』シリーズの世界のみに存在する[出 6]。
詳細は「ムーンセル・オートマトン」を参照。
『Prototype』の聖杯
冬木の聖杯のモデルとなったもの。だがこの聖杯はキリスト教における『聖杯』を目指して作られており、生み出したのも魔術師達ではなく聖堂教会。大聖杯が置かれているのは東京地下に存在する天然の大空洞。手に入れれば根源に到達することが出来る、と魔術師達は信じ込んでいるが、この聖杯を生み出し聖杯戦争を始めた枢機卿の思惑からして既に狂っていて、誰が使っても最初から災厄しか呼び込まない。詳しい事情はこちらの項目にて。
美遊世界の冬木の聖杯
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの『ドライ』以降の舞台となる、平行世界の冬木における聖杯。美遊・エーデルフェルトそのものであり、一言で言うなら、「生まれながらに完成された聖杯」。願いを叶える機能も必要な魔力も最初から備わった天然物であり、オリジナルの聖杯に非常に近いとびっきりのレアもの。
「聖杯を作る」ために聖杯戦争が行われる冬木のそれに対し、平行世界では上記の理由から「聖杯を使う」ためにエインズワース主導で聖杯戦争が行われている。設定からすると「ただ願う」だけで万事が叶いそうであるが、何らかの間違いで聖杯そのものが美遊という人格を持ってしまったために、そのような手順が必要であると推測されている。
八一号聖杯爆弾
帝都聖杯奇譚における聖杯。大聖杯を元に造られた魔導兵器。魔人アーチャーが確保した大聖杯の本質を見抜き、願望機として使うのが難しい事から変な思い切りの良さを発揮して81のパーツに解体し、再構成。その結果、大聖杯が有する膨大な魔力を余すところなく爆発による破壊力に転化し、一発で戦局を逆転させうる戦略兵器として新生した。
「信じて作った大聖杯がなんか爆弾にされていた」とか、必死に聖杯を取りあっていた御三家にとっては涙目の結末である。汚染聖杯を人を殺すために使うという合理的かつ身も蓋もない使い道であるがそのシンプルな運用からか大聖杯にありがちなイレギュラーや欠陥も補完されており隙が無い。敵国であるアメリカどころか日本以外全てを吹き飛ばしかねないほどの危険物である。
『Fate/Grand Order』の聖杯
キーワードに「聖杯探索」を掲げるだけあって、多数の聖杯が登場している。出自によって、いくつかの種類に分けることができる。
一つは各時代において特異点を形成する原因となっている聖杯。アートグラフ。主に黒幕によって、人理定礎崩壊のために各特異点を形成したものであり、各特異点に1つずつ配置されている。また、期間限定イベントの舞台となる小規模特異点も、聖杯を原因とする異変が発生している。多くの場合、この聖杯を回収することにより特異点を正常化させるのが、カルデアの作戦目的となり、特異点を1つクリアするごとに1つ獲得することができる。
ダ・ウィンチちゃんによると聖杯は空間における魔力の使用方法を決める
2つ目は、その世界に元から存在した「特異点発生とは関わりのない聖杯」。『封鎖終局四海 オケアノス』でドレイクがポセイドンをしばいてぶん取った正真正銘の聖杯。生前のドレイクはこれを持つためにサーヴァントとも戦える戦闘能力を持っていた。『絶対魔獣戦線バビロニア』では、ギルガメッシュが保有する宝物として『ウルクの大杯』が登場しており、最終的に主人公に譲渡された。
3つ目は、巨大な魔力リソースを結晶化したもの。『雀のお宿活動日誌~閻魔亭繁盛記』では、閻魔亭に蓄積されたリソースが、紅閻魔により聖杯として結晶化され、事件解決の報酬としてカルデア一行に手渡されている。
さながら聖杯の大盤振る舞いであるが、カルデアが回収後のものはあくまで巨大な魔力リソースとしてしか使用出来ず、願望機としての役割は持っていないとされる。 カルデアが回収する以前のものは、願いを叶える為に使用されたケースが多々ある。
ゲーム上では、サーヴァントのレベル限界をレアリティ規定以上に引き上げる「聖杯転臨」の素材として消費する、完全有限のアイテムとして扱われている。期間限定イベントは、一定期間後に同じイベントが復刻開催されることがあるが、以前聖杯を獲得していた場合は別のアイテム(同じく完全有限素材である伝承結晶)に置き換わるようになっている。
そして、『Grand Order』の世界にも「冬木の聖杯」は存在している。2004年の聖杯戦争がこの世界における最初の聖杯戦争であり、アンリマユによる汚染も発生していない。聖杯戦争に勝利したマリスビリー・アニムスフィアがアインツベルンの大聖杯による根源到達を目的としていなかったために、小聖杯の願望器としての機能のみが利用された。その後、「セイバーとそのマスターが勝利したこと」という情報操作が行われている。
この際、マリスビリーはカルデアスを完成させるために資金を、当時マリスビリーが呼びだしたキャスターは自分の時代になかった「ロマン」に関心を持ち「人間として受肉する」という願いを叶えていた。なおこのくだりは『冠位時間神殿 ソロモン』におけるロマ二の回想のみで語られており、カルデアのマスターやマシュ・キリエライト、レオナルド・ダ・ヴィンチが両者の願いを知っているかどうかは不明。
ラーマの幕間の物語では、普通の聖杯戦争ならば「シータが攫われなかった過去に変えてほしい」という過去を変える願いも叶えられるかもしれないが、後から手を加えれば、シータは攫われずとも呪いは解けないまま、あるいは救われた分の反動が、ラーマの国を違うものにしてしまうかもしれないなど、色々な歪みが生まれる可能性があるとロマニ・アーキマンが語っている。
聖牌
『Fate/mahjong night 聖牌戦争』で冬木の地に現れ、手にした者の願いを叶える万能の願望器。
聖杯カップ
『ちびちゅき!』の型月学園の体育祭で、一番活躍したMVPの人に与えられるカップ。学園内限定で何でも願いを叶えてくれる。MVPは優勝チームから選ばれる。
優勝チームから選ぶのは、そうでもしなければチームプレーをしないから。
関連する用語
- 聖杯戦争
- 聖杯と呼ばれる物の争奪戦はどのような形であろうと全て、聖杯戦争と呼ばれる。
冬木市で行われる魔術儀式もまた聖杯戦争である。 - 聖杯くん
- 冬木市参照。
- 虎聖杯
- フェイト/タイガーころしあむ参照。
- 聖杯の泥
- 冬木の大聖杯を汚染させたもの。
言及作品
- Fate/stay night
- Fate/hollow ataraxia
- Fate/Zero
- Fate/EXTRA
- Fate/EXTRA Last Encore
- Fate/EXTRA CCC
- Fate/EXTRA CCC FoxTail
- Fate/EXTELLA
- Fate/EXTELLA LINK
- Fate/Apocrypha
- Fate/strange Fake
- Fate/Prototype
- Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
- Fate/Labyrinth
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- Fate/Grand Order
- ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
- Fate/Labyrinth
- トラぶる花札道中記
- フェイト/タイガーころしあむ
- フェイト/タイガーころしあむ アッパー
- Fate/unlimited codes
- マンガで分かる!Fate/Grand Order
- Fate/mahjong night 聖牌戦争
- フェイト/育ステラ
- Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚
- ちびちゅき!
メモ
- 第三次聖杯戦争でアインツベルン家がアヴェンジャーを呼び出した為に聖杯は「この世全ての悪」に染まってしまい、願望は歪んだ形で顕現する呪いのアイテムになってしまう。
それ以前に、多くの流血を強いながらも聖杯をまともに手にした者はほぼ皆無で、作られた当初から呪いのアイテムになる事が決定付けられている。それでもなお聖杯を手に入れようとする者が後を絶たないあたり、人間のエゴや業の深さを感じさせる。- 『Grand Order』でついに聖杯戦争に勝利しマスターとサーヴァントがそれぞれの願望を実現させる事例が現れた。最も、彼らが必要としたのは小聖杯であり、大聖杯による根源到達というアインツベルンの目的は未だ果たされていない。
- 2017年現在で聖杯を使用してまともに願いを叶えられた人物は、『プリズマ☆イリヤ』の「美遊が幸せをつかめますように」と祈った美遊世界の衛宮士郎と、『Grand Order』の汚染されていない聖杯を聖杯戦争で獲得したマリスビリー・アニムスフィアと彼のサーヴァントである。
- 『Fate/Grand Order』では万能の願望器である聖杯でも叶えることが不可能なケースが存在し、ジル・ド・レェが生前処刑されたジャンヌ・ダルクを蘇らせようとしたが拒絶されたことが挙げられる[出 7][注 3]。
話題まとめ
- 願望機の特徴
- 一般的な魔術において、目的を達成するためにはそのための過程を考える必要がある。例えば「空を飛びたい」と願った場合、「重力を制御して体を浮かす」でも「翼を生やして羽ばたく」でも「魔力を脚から噴出する」でも良いが、とにかく何らかの方法を定義する必要がある。
- 一方、冬木の聖杯は、ただ「こうなって欲しい」と思い描くだけで、その願望を実現する事が出来る。その際、使用者が過程を思い描く必要がない。なので「空を飛びたい」と願うだけで、理論を吹っ飛ばして即座に「空を飛ぶ」と言う結果を叶えられる。
- これこそが、聖杯の願望機としての大きな特徴であり、魔術との大きな違いである。そもそも、理論とそれを実現するための魔力さえあれば魔術でも大抵の事はできる。だが、理論を知らずとも結果を現出させる事は、聖杯にしか出来ないのだ。
- イリヤが魔術理論を知らずに魔術を行使出来るのも、これと同じ原理。また、アヴェンジャーによって汚染された聖杯が「必ず悪意を持って願いを叶える」ようになってしまったのも、この聖杯の特徴が仇になったためと言える(過程が定義されておらず、願いの叶え方は聖杯に一任されているからこそ、悪意に取る事が可能となる。過程を定義する必要があるなら、悪意に取りようがない)。
- 尚、使用者が方法を知っている必要は無いが、それは聖杯が勝手に埋め合わせるからであって、結果だけを実現している訳ではない。例えばFateルートにおいてイリヤが「ギルガメッシュの存在を否定する」という願いを自らの魔術特性で叶えようとした時は、魔力弾という方法を導き出したが、あっさり跳ね返されて最終的には叶えられなかった。『Fate/Zero』で衛宮切嗣が絶望した理由も、聖杯が用意した方法論が、自分が否定したかった方法論(邪魔な者を皆殺しにすれば平和になるよね?)と完全に同一だったからである。
脚注
注釈
- ↑ 『Fate/stay night[Réalta nua]』では50年。
- ↑ 『Fate/Accel Zero Order』によると、「(第四次聖杯戦争の時代から)次の代で遠坂を継ぐのが自分の教え子」であることから、その「遠坂の当主」が遠坂凛であることを伺わせる。
- ↑ ただし、それがダメならばジルの信じるジャンヌ・ダルクを聖杯の力で創造してジャンヌ・ダルク〔オルタ〕が誕生したあたり、やはり万能の願望器の凄まじさをうかがわせる。
出典
リンク
- 小辞典
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