「Fate/Zero」の版間の差分

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::『stay night』ではギルガメッシュが言峰を召喚者と呼んでいるシーンがある。ただし『stay night』で言峰は四次聖杯戦争で真っ先にサーヴァントを失い教会に保護された、と語っているため両者の言動に嘘や間違いは一切無いと仮定すれば少なくとも単純に召喚してずっと主従関係が続いていた、とは考え難い。
 
::『stay night』ではギルガメッシュが言峰を召喚者と呼んでいるシーンがある。ただし『stay night』で言峰は四次聖杯戦争で真っ先にサーヴァントを失い教会に保護された、と語っているため両者の言動に嘘や間違いは一切無いと仮定すれば少なくとも単純に召喚してずっと主従関係が続いていた、とは考え難い。
 
:''セイバーのイリヤに対しての反応''
 
:''セイバーのイリヤに対しての反応''
::全く無反応であり、アイリがセイバーの代理マスターとなったのはZeroでの後付けと考えられる。
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::全く無反応であり、アイリがセイバーの代理マスターとなったのはzeroでの後付けと考えられる。
::そもそも『stay night』では「セイバーは衛宮邸の土蔵で召喚された」(なので召喚陣を士郎も利用出来た)筈であるが、『Zero』では「アインツベルンで召喚した」「衛宮邸の土蔵の陣はセイバーが描いた」(なのに何故か召喚陣と一緒の紋様)となっている。
 
 
:''言峰の発言''
 
:''言峰の発言''
::保護されに来た慎二に対して「我が教会始まって以来の使用者」と語っているなど、食い違いが多い。綺礼は「聖職者などで(言葉足らずは有っても)嘘はつかない」と言う設定があるが、『Zero』が完全に事実と考えると、「アバウトだから、言葉足らずだから」では済まない虚言になってしまっている。
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::保護されに来た慎二に対して「我が教会始まって以来の使用者」とも語っているなど、本人の性格も相まってアバウトな説明が多い。
 
:一応、アイリスフィールが冬木市で死んだことやセイバーがイリヤと面識がない点など、いくつかの矛盾は『Fate/hollow ataraxia』内でフォローが図られているが、全てをフォローし切れてはいない。
 
:一応、アイリスフィールが冬木市で死んだことやセイバーがイリヤと面識がない点など、いくつかの矛盾は『Fate/hollow ataraxia』内でフォローが図られているが、全てをフォローし切れてはいない。
:「後付で設定が変更された」と言う可能性を鑑みても、決定的な矛盾を発生させてしまう描写が少なからず存在する([[聖杯]]の設定やアヴァロンの描写など)。
 
 
:また、その他の細かい部分でもいろいろと差異があり、TYPE-MOONも公式ファンブックにおいて「私、なんか性格違うような……」とセイバーに語らせている。
 
:また、その他の細かい部分でもいろいろと差異があり、TYPE-MOONも公式ファンブックにおいて「私、なんか性格違うような……」とセイバーに語らせている。
 
:これらの矛盾についての言及は長い間存在しなかったが、『[[Fate/strange Fake|strange Fake]]』(小説版)1巻解説にて奈須氏が''「stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界」''と発言。『stay night』とはパラレルである事が公式に認められた。
 
:これらの矛盾についての言及は長い間存在しなかったが、『[[Fate/strange Fake|strange Fake]]』(小説版)1巻解説にて奈須氏が''「stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界」''と発言。『stay night』とはパラレルである事が公式に認められた。
  
:なお、ufotable制作の『Fate/stay night Unlimited Blade Works』前半期最終話の実況ツイートにおいて「鏡界汚染世界。橋は昔から境界であり、現世と幽世を隔てるきざはしである。加えて、ここは十年前に異界の邪神が呼びだされ、汚染された川。そのあたり利用して、キャスターはまるっと位相をズラして標的を招き入れたって寸法よ」という奈須氏の発言があり、stay nightの世界でも第四次で召喚されたサーヴァントの顔ぶれや起きた戦闘行為の内容はZeroと同様であることになったもよう。「《微妙に》違う世界」と言う発言から見ても、大まかな部分では同じなのだろう。
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:なお、ufotable制作の『Fate/stay night Unlimited Blade Works』前半期最終話の実況ツイートにおいて「鏡界汚染世界。橋は昔から境界であり、現世と幽世を隔てるきざはしである。加えて、ここは十年前に異界の邪神が呼びだされ、汚染された川。そのあたり利用して、キャスターはまるっと位相をズラして標的を招き入れたって寸法よ」という奈須氏の発言があり、stay nightの世界でも第四次で召喚されたサーヴァントの顔ぶれや起きた戦闘行為の内容はZeroと同様であることになったもよう。
 
;某特撮番組との関連性
 
;某特撮番組との関連性
 
:執筆した虚淵氏は2002年に放送された特撮ドラマ『仮面ライダー龍騎』のファンと公言しており、『Fate/Zero』にはこの作品のオマージュが複数見られる。虚淵氏本人も[[キャスター (第四次)]]と[[雨生龍之介]]は『仮面ライダー龍騎』のあるキャラクターがモチーフ、埠頭での戦闘も番組内のロケ地であることを公表している。それ以外でも[[セイバー]]がバイクに騎乗するシーン、[[ランサー (第四次)]]と最後に戦った廃拠もモチーフだと言われている(後者は完全に一致している)。
 
:執筆した虚淵氏は2002年に放送された特撮ドラマ『仮面ライダー龍騎』のファンと公言しており、『Fate/Zero』にはこの作品のオマージュが複数見られる。虚淵氏本人も[[キャスター (第四次)]]と[[雨生龍之介]]は『仮面ライダー龍騎』のあるキャラクターがモチーフ、埠頭での戦闘も番組内のロケ地であることを公表している。それ以外でも[[セイバー]]がバイクに騎乗するシーン、[[ランサー (第四次)]]と最後に戦った廃拠もモチーフだと言われている(後者は完全に一致している)。

2015年4月2日 (木) 08:55時点における版

Fate/Zero

士郎たちが激戦に巻き込まれることとなった第五次聖杯戦争から遡ること10年。

彼らの養父や父親たちが挑んだ戦いがあった。

第四次聖杯戦争。

10年後へとつながるあの戦いの顛末を。

著者、虚淵玄。

TYPE-MOONから同人誌として全4巻が刊行された小説。後に星海社から全6巻の文庫版が発売された。

サウンドドラマCDにより音声化。全4巻。

ufotable制作のアニメが2011年10月から、1クール目終了から一度間を空ける形の変則2クールで放映され、BD‐BOXの形でのみメディア化・販売されている。

『月刊ヤングエース』誌上にてコミック版も連載中。作画担当は真じろう。

登場人物

衛宮切嗣
セイバーのマスター。「魔術師殺し」と称される傭兵じみた魔術使い。
セイバー
切嗣と契約したサーヴァント。『Fate/stay night』の当該英霊と同一。
アイリスフィール・フォン・アインツベルン
切嗣の妻であり、イリヤの母親。
久宇舞弥
切嗣の助手。
言峰綺礼
アサシンのマスター。監督役・言峰璃正の息子。
ギルガメッシュ
時臣のサーヴァント。黄金の英雄王。
遠坂時臣
御三家の一つ、遠坂の当主。裏で監督役と結び、綺礼を配下に聖杯戦争に挑む。
言峰璃正
監督役。綺礼の父。
アサシン
綺礼のサーヴァント。群れなす暗殺者。
ウェイバー・ベルベット
時計塔の学生。自分の実力を証明するために聖杯戦争に参加。
ライダー
ウェイバーのサーヴァント。奔放なる征服王。
間桐雁夜
御三家の一つ、間桐の魔術師。桜を間桐から解放することを条件に、臓硯と取引をする。
バーサーカー
雁夜のサーヴァント。漆黒の鎧に身を包んだ謎の騎士。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
時計塔の実力者「ロード」の一人でもある講師。ウェイバーに征服王召喚の触媒は奪われたものの、すぐさまランサーを召喚する。
ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
ケイネスの婚約者。魔術の名家の令嬢。
ランサー
ケイネスのサーヴァント。正々堂々とした戦いを望むものの、マスターとの関係に苦慮する。
雨生龍之介
通りすがりの快楽殺人者。
キャスター
龍之介のサーヴァント。狂気に憑かれ、ただセイバーを追い求める。
衛宮矩賢
切嗣の父。故人。
シャーレイ
切嗣の幼馴染。故人。
ナタリア・カミンスキー
切嗣の師匠。故人。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
切嗣とアイリの娘。冬の城で両親の帰りを待つ。
ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン
通称アハト翁。御三家の一つ、アインツベルンの八代当主。
遠坂葵
時臣の妻で、雁夜とは幼馴染。
遠坂凛
時臣の娘。
間桐桜
時臣の娘だが、間桐に養子に出される。
間桐鶴野
雁夜の兄。
間桐臓硯
間桐家を牛耳る「妖怪」。
グレン・マッケンジー&マーサ・マッケンジー
陣を構える軍資金も無いウェイバーが冬木市での潜伏先として選んだ、一般人の善良な老夫婦。数十年前に仕事で訪れた冬木の土地を気に入って家族で移住したが、しかし息子であるクリスは故郷への愛着捨てがたく、妻子と共にカナダへ帰国。以来、夫婦で寂しく暮らしていたところを、ウェイバーの催眠暗示で彼を孫と思い込まされ受け入れる。
衛宮士郎
切嗣が最後に得た希望。

用語

第四次聖杯戦争
Fate/stay night』本編の10年前、切嗣たちが戦った聖杯戦争。
本編中の「残り時間」の演出では、冒頭からエンディングまでは264時間強とあり、約2週間で決着が付いた事になる。

雑誌付録ドラマCD

夢見る淑女
月刊コンプティーク2008年9月号付録。後にアンソロジードラマCD vol.1に収録。
シナリオ:秋月ひろ
迷わぬ人々
月刊コンプエース2009年2月号付録。後にアンソロジードラマCD vol.1に収録。
シナリオ:秋月ひろ 高宮宏臣
ノケモノたちの共演
月刊コンプコンプティーク2009年7月号付録。後にアンソロジードラマCD vol.1に収録。
シナリオ:高宮宏臣
イートイン・泰山
月刊コンプエース2010年2月号付録。後にアンソロジードラマCD vol.1に収録。 
シナリオ:高宮宏臣
間桐家の試練
月刊コンプエース2012年7月号付録。
シナリオ:たぽ
アルトリア・ロマンス
月刊コンプティーク2012年7月号付録。
シナリオ:磨伸映一郎

『Fate/Zero アンソロジードラマCD Vol.1』に収録されている4作はCDのブックレットや裏表紙に『あったかもしれない日常』『あったかもしれない物語』と記載されているようにこのCD内での出来事や設定は公式の設定とは言えない。
関係者がTwitterでも『限りなく本編に近く、ですが決して本編に組み込まれないオトギバナシとしてあの4編は楽しんでいただければと思います。』と明言されている。
藤村大河が教師を目指したきっかけに関しても『最後の最後のオチで大河が英語教師を目指した理由になっている……と聞かれた方は思われたかもしれませんが、「きっかけだったかもしれない」と説明しており、あれは一夜のユメでしかありません』とのこと。

お願い!アインツベルン相談室

『Fate/Zero Blue-ray BOX』映像特典。シナリオは奈須きのこ書き下ろし。BOXⅠに1~3回、BOXⅡに4~6回が収録されており、合計時間は90分近く、新規制作の映像特典としてはかなりのボリュームがある。
時代がかった校舎に構えられた弁護士事務所・アインツベルン相談室で、アイリ師匠と弟子ゼロ号(通称ゼっちゃん)のコンビが、聖杯戦争の歴史や謎を解説したり、デッドエンドを迎えた英霊たちを時に優しく、時に厳しく諭す、言わばZero版タイガー道場。
『Zero』ではじめてFateの世界に触れた購入者向けのQ&Aコーナー…と思いきや、実際には『Fate/stay night』ユーザーへのアピールに主眼に置かれた、zeroからstaynightに繋がっていく構成になっている。回を重ねるごとにドラマ部分が長くなって行き、最終的には購入者に謎の感動を与えた。…かも知れない。

  • 竹箒日記によると、BIG BOSSがノリノリでアイリ師匠と弟子を描いてきて、「どう、これこれ! アイリには袴が似合うとつねづね思っていたんだ! これで番外編作ってボクを喜ばせてよ!」と迫られて、特典用にとってあった映像コストと顔をつきあわせた結果、いつものアレになったとのこと。
  • 相談室を訪ねる英霊は、退場した順にアサシン・キャスター・ランサー・バーサーカー(アイリ師匠曰く「あの人ほんとに悩みとか全然無い」ためライダーは来訪しない)。アインツベルン相談室の立地(時空)的に、受肉を果たしたアーチャーと帰還先が英霊の座ではないセイバーはシステム上来訪しようがない。
  • 当初は紙芝居的な演出で低予算を念頭に置いた作りだったのだが、徐々にクオリティが暴走し、最終回の頃にはほぼ「アニメ」になっていた。
  • あくまでもギャグ時空の作品ではあるが、アイリ師匠の事情を踏まえた上で見直すと、ただの「最愛の夫」に関するお惚気ですら切ないものに見えてくる。
  • 本編では説明がないが竹箒日記にてアインツベルン相談室の時空が第三次聖杯戦争直後ということが明かされた。つまり第四次より数十年前の第二次世界大戦前後に起きたことであり、アイリ師匠が女性の袴姿だったり、校舎が時代かかっていたりしているのはそのため。奈須きのこ曰く大聖杯の中において時間軸はすべて等価(つーかドッロドロ)だと思いねえとのこと。

Fate/Zero黒(BLACK)

第四次聖杯戦争の裏に存在した闇――

――とかそういうんじゃなく
忘れたい、語りたくない、喋ると損する
隠蔽っつーか、ただ「不要」
寝る前思い出すと変な声が出る、いわゆる「黒歴史」――

著者、雌鳥。
第四次聖杯戦争の裏側に「あったかもしれない」、闇や暗部というにはしょーもない、しかし当事者にとっては無かったことにしたいレベルの忌まわしい過去すなわち「黒歴史」を赤裸々に、わりと残念かつキャラ崩壊気味に描き出すスピンオフ漫画。
『アルティマエース』Vol.1、Vol.3~Vol.7と『アルティマエース』廃刊に際し移籍した『月刊ASUKA』2013年1月号~4月号に掲載され、角川コミックスAより単行本全1巻が刊行された。

  • 過去の汚点を振り返る、というコンセプトのためか第五次聖杯戦争にも召喚されるセイバーと、第五次聖杯戦争以降も存命が確定しているウェイバー(ロード・エルメロイII世)がメインの視点として狂言回し役を担うことが多い。

Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~

制作、ufotable。
ユーフォーテーブル有限会社が経営する『ufotable Cafe』はアニメ制作会社ufotableが手掛けた作品を中心に様々なアニメとタイアップし、期間中はその作品やキャラクターをイメージしたメニュー及び、コースターやランチョンマットなどのグッズを提供している。アニメ版『Fate/Zero』とのタイアップが行われた際にはufotableスタッフの手がけた2~2.5頭身のデフォルメキャラが好評を博し、2012年の『月刊ニュータイプ』9月号からは店長のセイバーをはじめとしたそれらZeroキャラの集うカフェでほのぼのと騒動が巻き起こる様子を描いた4コマ漫画の連載が始まった。
『月刊ニュータイプ』での連載は毎号フルカラー見開き2ページに4コマ3本、欄外にその号で登場するキャラの紹介という体裁。それ以外にも『TYPE-MOONエース』にカラー原稿をグレースケール化した出張版が掲載されたり、コミックマーケットなどイベントへの企業出展の際に会場限定で販売されるスペシャル版冊子が出たりしているほか、『劇場版 空の境界「俯瞰風景」3D』の併映として10分ほどのショートアニメが上映された。
ゼロカフェ公式サイトでも、Web限定4コマや落書きなどが不定期に更新されていた。
2014年『月刊ニュータイプ』10月号にてゼロカフェの連載は終了し、翌月号からは『Fateステイナイトカフェ』が連載開始となった。

  • ゼロカフェの店舗は、東京都中野区にあるufotable Cafeの内装がほぼ忠実に再現されている。
  • カフェスタッフは店長のセイバー、シェフのランサー、店員のウェイバーと龍之介、その他諸々の雑務をこなしているアサシンたちで、それ以外のサーヴァントやマスター、その家族など関係者はおもに客として来店する。
  • サーヴァント(英霊)やマスターという設定は依然として健在なものの、なぜか聖杯戦争は一切行われていない。キャスター陣営の犯罪行為や切嗣の魔術師殺し、間桐家の蟲蔵などの陰惨な要素もなんとなくボカしたりソフトな表現に変換されたりしている全く平和な世界である。
  • しかしセイバーが切嗣に無視され続ける、ランサーがソラウの愛とケイネスの嫉妬に怯えている、綺礼が激辛麻婆を執拗に推してくるなど一部のトラブル要素はギャグのネタとして頻繁に活用される。
  • カフェ店内にはウェイバーの使い魔のネズミや生贄のニワトリ(+ヒヨコ)、キャスターの海魔などの生物がマスコット的存在と化してしばしば出没する。
  • 基本的な時系列は第四次聖杯戦争の頃に置かれているが、時折アリマゴ島時代のケリィ少年とシャーレイが客として登場したり、士郎少年が日頃「ふらっと姿を消す『じいさん』」を探し回っていたりと多少の錯綜が見られる。
  • 『劇場版 空の境界「俯瞰風景」3D』の公開に合わせ、特別ゲストの黒桐が来店した。
  • ゼロカフェ最終回にてエクスカリバーの真名解放により店舗が崩壊し、当のセイバーは10年後のステイナイトカフェで大河より依頼を受けた士郎が点検に来るまでずっと瓦礫に埋もれていた。セイバー以外のZeroキャラの安否は不明。

メモ

  • 虚淵玄氏がスピンオフの依頼を受けたときに提案したのは「切嗣と綺礼の対決」。奈須氏は第四次聖杯戦争の概要については「セイバーがギルガメッシュとイスカンダルにいじめられる」というくらいしか考えていなかったらしい。このふたつをすり合わせていくうちにサーヴァント7騎分の設定が出揃ってしまったため、全容を描くことになったという。
  • 誰がどんな登場人物となるかの選定は作者の虚淵玄氏が行っているが、決定した登場人物の命名は奈須きのこ氏が行っている。以前から存在が明らかだった切嗣や時臣だけではなく、雁夜や龍之介といった面々も虚淵氏ではなく奈須氏が命名した。これは虚淵氏の意向であり、原作の世界観との刷り合わせを大事にしたいというもの。
  • アニメ版『Fate/Zero』とスクウェア・エニックスのソーシャルゲーム『拡散性ミリオンアーサー』とコラボレーションが行われており、各キャラクターが「異界型~」という名称でカード化されている。

話題まとめ

虚淵玄
スピンオフの依頼を受けた当時、虚淵玄氏はライターとしての自分に大いに悩んでおり(具体的には「ハッピーエンドを書く事が出来ない」事に対して)、筆を折る事を考えていたという。そんな折に引き受けた本作で、改めてライターとしての楽しみを見出したという。
つまり、『Fate/Zero』が存在しなかったら、『魔法少女まどか☆マギカ』を初めとする後の虚淵玄氏の作品は存在しなかったかもしれない。
当の『Fate/Zero』は決してハッピーエンドとは言えないのだが、(ハッピーエンドである)『Fate/stay night』へと繋がる物語として納得しているとの事。
ちなみに虚淵氏は『Fate/Zero』の執筆が相当に楽しかったらしく、奈須きのこがドン引きする勢いで1巻(1話ではない)を書き上げたり、「深夜一時頃にピンポーンと虚淵氏が軽やかにやってきて、『こういうの考えたんだけどやってもいいですかね?』と気軽にトンデモネー展開を言い放つ」ことが頻繁にあったという裏話がある。
コトネ
雨生龍之介によって原作では誘拐された後殺害される、凛の友人の少女。アニメではスタッフの厚意からか、危ういところで凛、及び間桐雁夜によって救出される。
実はこの少女、虚淵氏のプロットの段階ではサツキという名前が付けられており、虚淵玄氏曰く原作者の奈須きのこから「テメェの血は何色だ!?」と鉄拳制裁を喰らって名前が変更されたらしい。「(被虐対象は)サツキでなければ萌えませぬ」とは虚淵玄氏の言。
ちなみにキャスター陣営の凶行に一切の手加減がない漫画版では、凛の救援も届かず、コトネはより無残な殺され方をしてしまっている。
原作『Fate/stay night』との相違点(特に違和感の大きい物)
言峰とギルガメッシュの契約
『stay night』ではギルガメッシュが言峰を召喚者と呼んでいるシーンがある。ただし『stay night』で言峰は四次聖杯戦争で真っ先にサーヴァントを失い教会に保護された、と語っているため両者の言動に嘘や間違いは一切無いと仮定すれば少なくとも単純に召喚してずっと主従関係が続いていた、とは考え難い。
セイバーのイリヤに対しての反応
全く無反応であり、アイリがセイバーの代理マスターとなったのはzeroでの後付けと考えられる。
言峰の発言
保護されに来た慎二に対して「我が教会始まって以来の使用者」とも語っているなど、本人の性格も相まってアバウトな説明が多い。
一応、アイリスフィールが冬木市で死んだことやセイバーがイリヤと面識がない点など、いくつかの矛盾は『Fate/hollow ataraxia』内でフォローが図られているが、全てをフォローし切れてはいない。
また、その他の細かい部分でもいろいろと差異があり、TYPE-MOONも公式ファンブックにおいて「私、なんか性格違うような……」とセイバーに語らせている。
これらの矛盾についての言及は長い間存在しなかったが、『strange Fake』(小説版)1巻解説にて奈須氏が「stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界」と発言。『stay night』とはパラレルである事が公式に認められた。
なお、ufotable制作の『Fate/stay night Unlimited Blade Works』前半期最終話の実況ツイートにおいて「鏡界汚染世界。橋は昔から境界であり、現世と幽世を隔てるきざはしである。加えて、ここは十年前に異界の邪神が呼びだされ、汚染された川。そのあたり利用して、キャスターはまるっと位相をズラして標的を招き入れたって寸法よ」という奈須氏の発言があり、stay nightの世界でも第四次で召喚されたサーヴァントの顔ぶれや起きた戦闘行為の内容はZeroと同様であることになったもよう。
某特撮番組との関連性
執筆した虚淵氏は2002年に放送された特撮ドラマ『仮面ライダー龍騎』のファンと公言しており、『Fate/Zero』にはこの作品のオマージュが複数見られる。虚淵氏本人もキャスター (第四次)雨生龍之介は『仮面ライダー龍騎』のあるキャラクターがモチーフ、埠頭での戦闘も番組内のロケ地であることを公表している。それ以外でもセイバーがバイクに騎乗するシーン、ランサー (第四次)と最後に戦った廃拠もモチーフだと言われている(後者は完全に一致している)。
さらに、『Fate/Zero』のキャラクターを演じた声優陣にもランサー(第四次)役の緑川光氏、龍之助役の石田彰氏、ギルガメッシュ役の関智一氏など以前仮面ライダー作品に出演した経験のある方々が多く、衛宮切嗣役の小山力也氏至っては俳優として『仮面ライダーBlack RX』に出演していた為、某動画サイトではその手のコラボ動画が後を絶たない。テンプレタグとして『仮面ライダーFate』が存在する程。
そして2013年10月より、虚淵氏は遂に新作仮面ライダーの脚本家に抜擢されてしまう。こちらの作品中にも衛宮切嗣役の小山力也氏と言峰綺礼役の中田譲司氏が声優としてそれぞれ仮面ライダーと怪人役で出演しており、知ってる者はわざとじゃないかと勘繰ってしまう。
この作品内で『主人公(仮面ライダー)が多種多様な武器を一度に空中に召喚し、一斉に射出する』というどう見てもギルガメッシュの『王の財宝な衝撃のシーンや、『精神的に逸脱した仮面ライダーが自分に放たれた2種類の遠距離攻撃に対し、片方の投擲武器を接触前に引っ掴みもう片方の攻撃を弾き返す』というどうみてもバーサーカー (第四次)なシーンが放送され、虚淵ファンは開いた口が塞がらなくなったとか。
また、虚淵氏が脚本を担当した2001年発売の18禁ゲーム『吸血殲鬼ヴェドゴニア』は、いわゆる吸血鬼ものでありながら仮面ライダーの要素も取り入れられている異色作である。本作の発表当時、月姫の完成を目前に控えていた奈須きのこ氏は大きな衝撃を受けたらしく、ゲーム誌で第一報を見た時の反応は「なんなの、ねえコレなんなの!?」だったそうな。小説版Fate/Apocryphaの東出祐一郎氏は、鋼屋ジン氏(現ニトロプラス)らと共に本作と月姫等をクロスオーバーさせた二次創作小説を執筆しているなど、TYPE-MOONとの縁はそれなりに深い。

書誌情報

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