言峰綺礼
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言峰綺礼
- 読み:ことみね きれい
- 誕生日:12月28日 血液型:B型
- 身長:(第四次)185cm/(第五次)193cm
- 体重:(第四次)82kg/(第五次)82kg
- イメージカラー:黒
- 特技:(第四次)鍛錬/(第五次)特になし
- 好きなもの:(第四次)鍛錬/(第五次)悲運
- 苦手なもの:(第四次)独り酒/(第五次)信頼
- 天敵:衛宮切嗣
- CV:中田譲治
冬木教会の神父。第五次聖杯戦争の監督役であり、第四次聖杯戦争の参加者。
- 略歴
- 持って生まれた己が性に懊悩し、苦しんだ青年時代を送る。父・言峰璃正から八極拳を習い、神の教えに帰依し、聖堂教会の代行者として活動した時期もある。聖遺物の管理・回収を任務とする第八秘蹟会に席を置いていた。またこの頃、妻を迎えたが死別。
晴れることのない懊悩を抱えたまま、第四次聖杯戦争の開始に先立ち、父と親交のあった遠坂時臣を聖杯戦争の勝者とすべく、教会から派遣されるという体裁で魔術師として弟子入りする。
第四次聖杯戦争において、アサシンを召喚。表向きは師から離反・敵対したよう装いつつ、裏では時臣の補助に回って活動。諜報に秀でたサーヴァントを使って、情報収集と監視に徹していた。
だが後に時臣のサーヴァントであったギルガメッシュによって、己が迷いと決別。
聖杯戦争終盤、アインツベルン陣営との取引の結果、時臣の命令で海外へ出されることが決定するが、修了の証として受け取ったアゾット剣で師を殺害。密約に従ってアーチャーと再契約し、聖杯戦争を影から操る。
聖杯戦争開始当初から衛宮切嗣の存在に注目していた。彼が自分と同じく「心の虚無を埋める為に、あえて苛烈な人生を選んだ人物」と推測し、彼の聖杯にかける願いを知れば自分の悩みにも答えを見出せるのではないか、と固執するようになる。
しかしそれは全くの見当外れであり、切嗣は叶わない理想のために生きてきた人間だった。期待を裏切られた怒りと恨み、そして彼が願っても得られなかった幸福を手にしながら、それを切り捨てて生きてきた切嗣を妬み、その願いを砕くために戦うことを決意する。
切嗣との最終決戦で死亡するが、アーチャーを通して聖杯の泥を浴び、それが心臓となって蘇生。
その後10年、第四次聖杯戦争の真実を隠し、時臣の娘・遠坂凛の後見人を務めるなどをしている。
第五次聖杯戦争に際しては、聖堂教会と魔術協会の双方に顔が利くことも手伝い、正式に監督役に就任。
代行者時代に面識があり、魔術協会から派遣されてきたバゼット・フラガ・マクレミッツに騙し討ちをかけ、令呪とサーヴァントを奪い、第五次聖杯戦争の裏で暗躍を始める。その目的は生まれ出るであろう「この世全ての悪」の誕生を見届け、それを祝福することにある。
- 人物
- 万人が「美しい」と感じるものを美しいと思えない破綻者。生まれながらにして善よりも悪を愛し、他者の苦痛に愉悦を感じる。悪党ではないが悪人。非道ではないが外道。
若い頃は自身の本質を理解しておらず、この世には自分が捧げるに足る理念も目的もないと考え、「目的を見つけるのが目的」という生き方をしていた。あらゆることを他人の数倍の努力をもって身につけ、しかしそこに情熱はなく、時が来ればあっさりとそれを捨てて次に挑む、という繰り返し。この頃の綺礼にとっての信仰とは、自身で見出した理想ではなく、ただ不完全な自身を痛めつける場であるという意識の方が強かった。
第四次聖杯戦争の頃までは、そういった自身の在り方に懊悩していたが、聖杯戦争で出会ったギルガメッシュとの出会いをきっかけに吹っ切れた。その後は、ある種の悟りと余裕のある態度で生きている。
紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐を好む。その辛さ、『殺人』『外道』の冠詞を要するほど。
また、若い頃は酒の蒐集をしていた。
- 能力
- 優秀な代行者であり、代行者特有の投擲剣「黒鍵」の使い手。また、八極拳の達人でもある。ただし、実戦で鍛えられた綺礼のそれは、彼が理想とする父の正当な八極拳とは異なり、綺礼独自の人体破壊術となってしまっている。
魔術師の家系の生まれではないが父・璃正が長年の信仰によって得た秘蹟の恩恵で「秘蹟を再現する資格」(要は魔術回路)を持って生まれたため魔術を行使できる。といっても魔術師としての腕は「見習いの修了」レベルでたいていの魔術に通ずるが、どれも平凡の域を出ない。ただし、「傷を開く」ことに特化した魔術特性であるため、治癒魔術は師・時臣のそれを凌駕する。また、教会の洗礼詠唱も習得しており、霊体に対する攻撃力は突出している。歪んではいるが信仰心は本物。
総合的な戦闘能力は非常に高く、並みの死徒以上のものがあるが、それでも第五次の時点では埋葬機関の七位には及ばないという。しかし全盛期とも言える第四次の時では話が違ってくる。最終決戦時にはその鍛えに鍛えた八極拳で切嗣を追い込み、「まさに怪物」と思わせた程の戦いぶりを見せた。
言峰神父(EXTRA)
- 略歴
- ムーンセルが過去に生きた人間の中から再現したNPCであり、月の聖杯戦争の監督役。
月の裏側ではBBとの交渉で購買の店員となる。後に時空の狭間では何の因果かランサーと再び契約し、主人公達に試練を与える。
- 人物
- 過去の人物と人格のズレが全くなく、基本的に外道でマーボージャンキー。六回戦で友人と殺し合う事になってしまった主人公の苦悩を楽しみ、漫画版ではNPC達を殺戮したランサー (EXTRA・黒)とランルーくんをペナルティとして、参加者全員に狙わせてほとんど私刑に近い「ゲーム」を行うなど相変わらず趣味が悪い。
だが自分に与えられた職務には忠実で、主人公のことも実は結構気にかけている。また今まで散々悪行を行ってきたことを反省しているらしく、ランサーとの関係は大分マシな物になっている。
- 能力
- 元になった人物と同じく、黒鍵による投擲と八極拳を操る。
黒鍵には毒でも塗られているのか、「黒鍵投射」を受けると毒状態となる。だがそれよりも恐ろしいのは八極拳の奥義「一足一倒」で、強烈な拳打を直接相手サーヴァントの腹部に打ち込む。何気にEXTRA世界で明確な形でサーヴァントを素手で殴りつけた初めての人だったりする。
ラーメン屋さん(プリズマ☆イリヤ)
平行世界でイリヤたちが出会ったラーメン屋さん。
- 略歴
- 「ラーメン屋」とは名ばかりの、高カロリーの激辛麻婆に申し訳程度の中華メニューが付随した殺人的な料理を超ボッタクリ価格で提供する店を経営している怪しいおじさん。無銭飲食者に対しては、ラーメン屋にあるまじき苛烈な殺気を放つ。
子ギルとは旧知の仲で、秘密裏に魔術的な事柄にも関わっているような節が見受けられるが……
- 人物
- 他の世界の言峰よりちょっと金銭への執着が強く、行き倒れ寸前でてっきり奢ってくれるものと思っていたイリヤ達からも容赦なく代金を請求し、払えないと分かると物理的な意味で身体で払わせようとする。また自分で作るようになったためか、麻婆への情熱もパワーアップしていて食べ残しも絶対に許さず、客の首から下を土に埋めて口から麻婆を流し込んででも完食させる。
- 能力
- 「麻婆ラーメン」は一杯1600円。値段もかなりツッコミ所があるが、特筆すべきは「ラーメンという名が全くの飾り」であることで、麺は麻婆の海の底に申し訳程度に沈んでいてラーメンのスープすらなく、すべて麻婆のあんかけになっている。値段が高いのは店主特製の「辛そうで辛くない、むしろ辛かったことを脳が認識しようとしてくれないラー油」が湯水の如く使われているため。
これ一食で一日分のカロリーが摂取できるらしいが、どう考えても身体に悪い……。
「醤油ラーメン麻婆控えめ」は五人前で五万五千円、一人当たり一万一千円もする。注文した子ギルは麻婆抜きとお願いしたのだが、それでも麻婆は外せない。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- 聖杯戦争の監督者。聖杯戦争を記録する傍らで何やら暗躍している様子。主人公の影を抉る存在。
- Fate/Zero
- 聖杯戦争監督者の息子であり、アサシンのマスター。自身の在り方に深く懊悩する求道者。
- フェイト/タイガーころしあむ/フェイト/タイガーころしあむ アッパー
- 記憶を失った綺礼。何も分からぬまま、聖杯戦争の渦中にある町へとさ迷い出る。
アッパーでは出番はあるものの個別のシナリオモードはなし。 - Fate/unlimited codes
- 「代行者」。
- Fate/EXTRA
- 監督役。聖杯がその蔵書の中から「かつて聖杯戦争に関わった人物」として選び、再現した、魂のないNPC。Fate本編の言峰とは別の存在。
なお、ゲーム中では常に「言峰神父」の名で登場し、「綺礼」の名は登場しない。 - Fate/EXTRA CCC
- 前作に引き続き登場。何と今回は購買の店員であり、生来の真面目かつ潔癖な性格から、自らに与えられた役割に忠実に従っている。前作には無かった中田譲治氏のCVも与えられている。
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- 第三期「ドライ」から登場。イリヤ達が迷い込んだ平行世界でラーメン……というかマーボー店を経営している。
- アーネンエルベの一日
- ネコアルク・カオスのペンフレンドその2。ウェイター代理。本編stay nightではなく、Zero仕様の若い頃の姿で登場。
最後は八極拳士の伝統にのっとり、毒を盛られて退場。 - Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
- 「ゼロカフェ」にたびたび現れては激辛麻婆で周囲を苦しめる。切嗣をストーキングし、雁夜やアサシンの不幸を満喫し、凛をいじり倒して遊ぶなど、実に活き活きと愉悦している。
人間関係
- アサシン (第四次)
- 第四次聖杯戦争で得たサーヴァント。
- ギルガメッシュ
- 第四次聖杯戦争後半で契約したサーヴァント。
- 遠坂凛
- 妹弟子。時臣が亡くなったあとは遺言に従って後見人となる。
- バゼット・フラガ・マクレミッツ
- 第五次聖杯戦争参加者。旧知の間柄で、代行者としての任務の途中、仕事がバッティングした縁で知り合った。
第五次聖杯戦争開始に際し、協力を持ちかけるように見せて、騙し討ちにする。
なお、知り合ったのは第四次聖杯戦争の後の話である。 - ランサー
- バゼットから奪ったサーヴァント。
- カレン・オルテンシア
- 綺礼の死後、教会にやってきた人物。
- ネコアルク・カオス
- ペンフレンド。
中の人?何のことだ?
EXTRA
- 主人公 (EXTRA)
- 若きマスター、あるいはお客様。マーボーをプッシュし、その美味さで彼もしくは彼女を洗脳しようと狙っている。
主人公の方も彼の喋り方は苦手だが、彼なりの応援には内心感謝している。 - BB
- 強かにも裏で彼女と交渉し、購買の売り上げ5%を上納することで、身の安全を確保する。当初は上納金は「売上全て」だったのだが、商いの意欲が減少してしまうため粘り強く交渉して、ここまで譲歩させたという。
………一体どんな手を使ったのだろうか? - ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ
- ユリウスは彼の実力を見抜いていたらしく、BBを欺くため校内の人間を攻撃していた時も彼には仕掛けなかったという。平行世界で暗殺者と縁があったためか、彼はユリウスと戦えなかったのを残念に思っており、「震脚の一つでも打ってみたかった」と洩らしている。
プリズマ☆イリヤ
- イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、田中さん
- 食い逃げ未遂の要注意人物。
- 子ギル
- 「おじさん」と呼ばれる。密かに繋がりがあり、互いに連絡を取り合っている。
名台詞
Fate/stay night
- 「喜べ少年。君の望みはようやく叶う」
- 衛宮士郎がもつ「歪み」を察し、聖杯戦争を戦うことを決めた彼の背中に声をかける。
プレイヤーがこの意味がわかるのはもっと後になる。
- 「その傷を切開する。さあ、懺悔の時だ」
- Fateルートにて、士郎の持つ過去を暴く。
- 「命を賭けろ。あるいは、この身に届くかもしれん」
- Fateルート最終決戦。正義の味方「衛宮切嗣」の理想を継ぐ衛宮士郎と対峙する。
- 「食うか――――?」
- 泰山にて。目の前には例の麻婆、手にはレンゲ。そして士郎を見て一言。
聞かれた士郎は 「食うか――――!」 と断言。
- 「無論だ。今のおまえは衛宮切嗣だ。それが勝てない筈がない」
- HFルートにおけるイリヤとの夜の公園の会話で「正義の味方」であり続ける事を選んだBADENDより。
理想のために親しい少数を見限ってでも多くを救う決意を固めた士郎の姿に言峰はかつての宿敵の姿を重ね、桜や臓硯だけでなくやがて凛やイリヤも葬り去った士郎が勝者となり、そして士郎が聖杯を破壊する事によって第五次聖杯戦争は終結するであろうと予言する。
- 「おまえには自分という概念がない。
だがそのおまえが、まさか一つの命に拘るとはな。いや、それとも――
多くの命に拘る、のではなく。一つの命に拘るが如く、全ての命に拘ったのか」 - HFルートにおけるイリヤとの夜の公園の会話で「桜の味方」となる事を決めた後の会話より。
思い出を切り捨てる事ができず、切嗣とは違う道を取ったことに若干失望しつつも、自分と同じく破綻者と見ていた士郎が信念を捨て去ってまで桜一人の命に執着したのは言峰にとっても意外だったようだ。
しかし、自分が分からなかったものを同類の破綻者が理解し始めているその抜け駆けに対して言峰自身、若干の羨望も抱いていた。
- 「……ふん。それにな、告白すれば八つ当たりでもある。
以前からよもや、とは思っていたが、事ここに至ってようやく気が付いた。
―――私は、おまえたちを羨んでいる。求めても得られなかったもの。手に入れたというのに手に入らなかったもの。
どのような戒律をもってしても、指の隙間から零れ落ちた無数の澱。
その鬱積を、ここで帳消しにするのみだ」 - HFルート終盤より。ついに桜を開放し、汚染された大聖杯の前に立った士郎とそれを守るように現れた言峰。元より相容れない目的の為に共闘していた両者が最後まで生き残っていたならばこうなる事は必然。満身創痍の体で対峙する中で言峰はついに自分でも自覚しきれていなかったアンリマユ誕生を渇望していた理由に気が付いた。ちなみにPC版で「八つ当たり」の部分はPS2版では「感傷」と書き換えられている。
- 「だがいい
条件 だ。つまるところ、私とおまえの戦いは
外敵との戦いではなく、自身を賭ける戦いという事だ―――!」 - HFルート終盤より。大聖杯の前で互いに満身創痍の体を押した最終決戦。格闘技術で圧倒する言峰であったが固有結界の暴走によって体中から剣が生えてくる士郎の体は殴る度に言峰の拳も傷付ける。どちらが息絶えるのが先か……長かったHFルートを締めくくる最後の泥仕合に空虚であった言峰も己の存在を賭けて叫ぶ。
Fate/Zero
- 「それは許される事ではない!
英雄王、貴様のようなヒトならざる魔性なら、他者の辛苦を蜜の味とするのも頷ける。
だが、それは罪人の魂だ。罰せられるべき悪徳だ。
わけても、この言峰綺礼が生きる信仰の道に於いてはな!」 - ギルガメッシュに自身の本性を指摘されて反発する綺礼。しかし、直後に再び、聖杯は令呪をもって綺礼を戦いの舞台にいざなう。
- 「……ははッ
何なんだ? はははッ、何なんだ私は!?
こんな歪みが? こんな汚物が? よりにもよって言峰璃正の胤から産まれたと? ははははっ、有り得ん! 有り得んだろうッ? 何だソレは!? 我が父は狗でも孕ませたというのか!?」 - 「この世全ての悪」による火災を見て。初めて識った、己と世界との繋がりを実感し、歓喜と絶望を込めての言葉。
トラぶる花札道中記
- 「――お嬢さん。未婚の女性が、冗談でもそんな事を口にしてはいけないな」
- タイガの無神経な言葉に爆発寸前。それにしても、タイガをお嬢さんと呼ぶのは言峰くらいだろう。
フェイト/タイガーころしあむ
- 「…まったく
面影以外は何も似ていないな」 - カレンルートで最後に贈った言葉。ただの独り言だというが……。
カーニバル・ファンタズム
- 「正直事後処理がめんどくさい」
「学校の生徒全員が衰弱しているなんて事態、どうやったって誤魔化しきれん」 - 第1話でいきなりぶっちゃけた弱音(しかも泣きながら)。彼だって人の子です。
- 「だっておまえ、ルール守らないジャン」
- 第9話の聖杯レースで飛び入りしてきたギルガメッシュにレースのことを教えていなかったことを責められて。こちらでは真っ当な主催者としての発言が多い。まあ、注意したところで聞くマスターもサーヴァントもいなかったのだが。
Fate/EXTRA CCC
- 「私はこう見えて潔癖症かつ凝り性でね。こうなった以上、最強の店員を目指す」
- 購買の店員にされたことへの反応。前回のように友人同士が殺し合うのを見て、楽しむことが出来なくなってしまったため、意気消沈しているかと思いきや、意外に自分の役を気に入っている模様。
- 「たまに発送が遅れるが、その時は涙を流して耐えるといい。
はは、このザマァ」 - 恐らく、EXTRA世界の言峰のセリフで、最も腹立つセリフ。無論元ネタは某ネット通販で起きる「KONOZAMA」である。
- 「あたためますか?」
- 商品購入時の台詞の一つ。やきそばパンや麻婆豆腐ならいいが、エーテルやリターンクリスタル、果ては礼装購入時に聞かれると悪意を感じる。
ちなみに、主人公(男)の嫌いなものは温められた商品である。それを知りながら言っているのか、はたまたこれが嫌いになった原因か。
- 「令呪を持って命ずる。紅洲宴歳館・泰山の麻婆豆腐を10皿、1分で完食してくるがいい」
- ギルガメッシュすら寒気を覚える言峰の命令。一応彼の好物なので、善意で出た言葉なのかもしれないが、理由はどうあれその先は紅と白の織り成す外道麻婆地獄である。
たまにはランサーを労おうとした結果がコレだよ!
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- 「食い逃げとは舐められたものだな。
だが、ちょうど豚骨が切れていたところだ。文字通り身体で支払ってもらうとしよう」
「心臓よりも肝臓や腎臓の方が高く売れると知っているか?
最後の晩餐が私の麻婆だったことを幸運に思い逝くがいい……!」 - イリヤ達がお金持ってないことを知って。ラーメン屋さんが放っていいレベルの殺気ではない。
メモ
- 初期のキャラクターコンセプトは、「会った瞬間黒幕と判るヤツ」。
- 魔術師としては平凡にもかかわらず、サーヴァント2騎への魔力供給に支障は無かった。これはギルガメッシュは半ば受肉していたために魔力がさほど必要なく、ランサーの方は令呪で能力を制限して魔力の消費量を抑えていたためである。
- stay nightの時点では、「代行者としての実力は埋葬機関の七位に及ばない」と言われたものの、「最盛期(Zeroで切嗣と対決した瞬間)の綺礼ならばシエルに勝てる」と奈須氏は言っている。
- 第四次で持ち前の八極拳のみならず、璃正から受け継いだ預託令呪をバンバン使って切嗣を苦しめた綺礼。最終決戦終了際で、預託令呪は残り八画となった。
第四次終了後、聖杯が回収した第四次の残りの令呪が再び綺礼に託されたはずだが、第五次の時点での正確な残存数は判らない。 - 第五次で綺礼は間桐桜の治療ために、「父から譲り受けた魔術刻印を使い切った」「もともと魔術師の家系ではないので、刻印は消費型で、格の劣る令呪のようなもの」と述べている。これは預託令呪のこととも思われるのだが、この後にアインツベルンの森でアサシンと戦う際、綺礼は前回の聖杯戦争から使い残した令呪を戦力として数えており、預託令呪を残していることがわかる。
- これに関し、Zeroの時点で綺礼は魔術刻印を持っていないことが明言されている。魔術師でもない聖堂教会の神父だった父から令呪ではない魔術刻印を譲り受けた、というのも、発言者が綺礼だけに、非常に嘘くさい話である。
- 迷い苦しみ、後に悟った破綻者ではあるが、信仰心は本物で、凛曰く「聖職者としては完璧だった」。『Fate/EXTRA』でも言峰を再現したNPCが「根は聖職者だったようだ」と再現元の人物を評している。
- 士郎に対する聖杯戦争のルール説明、時臣の遺産管理、凛への誕生日プレゼントなど、非常に大雑把で適当な処理を行うことがままある。
- 第四次から第五次聖杯戦争までの10年間で成人してから8cmも身長が伸びた。しかも体重は全く変わっていない。
ファンからはよく「聖杯の泥を被ったからか?」と言われる。内実はイメージ調整による副産物である。
虚淵氏がZero第一稿において193cmという第五次での身長を意識したあまり、「巨漢」「雲を衝くような」といった表現をヤング綺礼に対し用いたことで「イメージじゃないよね…」とTYPE-MOON首脳会議が開かれ、さりげなく身長の方が変更に。すごく伸びたというより、すごく縮んだ。 - コンプエース2009年2月号付録ドラマCD「迷わぬ人々」(現在はアンソロジードラマCDvol.1に収録)における、幼少時の凛の評によれば、第四次の頃の私服姿はイヤリングもしていたりと「ずいぶんとおしゃれ」。ただし「あなた修道服以外に服を持っていたのね」とのことで、本人からすれば私服姿は身バレを避ける目的の「変装」であるらしい
- ソフトウェア流通版Zero1巻表紙のヤング綺礼の耳には本来、十字架のイヤリング(ピアス?)が描かれている。その綺礼の姿を虚淵氏はいたく気に入り、以後描かれなかったことを惜しんで「(イヤリングは)礼装ってことにすればよかった」と宣ったほど。
- なお、修道服の下は鋼鉄のように鍛え上げられた肉体が隠されている事がZeroの漫画版で明らかとなった。
- 「もしかして美味いのか。あのラー油と唐辛子を百年間ぐらい煮込んで合体事故のあげくオレ外道マーボー今後トモヨロシクみたいな料理が美味いというのか。」
士郎の抱いた外道マーボーに対する評価。作る勿れ。 - TYPE-MOON10周年記念オールキャラクター人気投票ではFate/stay night版が27位(2752ポイント)、Fate/Zero版が21位(3517ポイント)。ちなみに双方のポイントを合算すれば切嗣(6154ポイント)を上回り11位となる。
- CCCでは購買部店員に徹しているかと思えば、隠しボスの一人としても登場。マスターとして、青い槍兵のサーヴァントを連れている。両者の仲は相変わらず悪いもののお互いに原作のような因縁は無い(そもそも根本的に別人)おかげか、戦闘ではそれなりのコンビネーションを見せてくる。
戦闘中は他のマスターと同様に、コードキャストを使用してくる…のだが、その内容が黒鍵を投げてきたり八極拳で殴りかかってきたりとやりたい放題。攻性呪文なのに物理攻撃とはこれ如何に。
戦闘時の冒頭のやり取りや宝具発動直後のターン時のやり取り、そして決着時のやり取り(選択サーヴァントにより変化)に関し、原作を知っているユーザーに対するサービスが多数用意されている。特にギルガメッシュの場合は…!?
なお、シナリオ担当の奈須きのこ氏はスタッフから「言峰を店員にしたいんですけど」と提案されたとき、「あなた、疲れているのよ……」と心底体調を心配したらしい。 - ZeroとSNで第四次聖杯戦争以前のことについての回想が異なるが、これはまだSNの頃のような悟りと余裕がなく、迷いと葛藤から自らを内省するにあたって、かなり過去の記憶や事実関係(奥さんに関する記憶はその最たるもの)をねじ曲げて語っているため。実際Zeroの作中で死別した奥さんのことを思い出そうとすると立ち眩みのような感覚に陥り靄がかかるように思考が散漫になるなど、明らかに異常な反応を示しているシーンもある。このため、10年後の達観した自己分析のほうが的を射ているとされる。
これらを踏まえて言峰の内面の経歴を辿るなら
生まれてから健やかに成長し、父の語る“美しいもの”がなんであるかわからず父を愛せないながらも、父の期待に答えるために道徳と良識を学ぶ
→ある日の朝、父が美しくあれと祈って付けた綺礼という名を一度たりとも美しく感じたことがないと気付いたことで、自分が美しいと感じるもののと周囲との齟齬を理解し、人並みの事柄で幸福を得られない自分を人並みに戻し救おうと、神への信仰や様々な功徳や苦行を行う
→10年に渡る試みの中で得られたのは自分には生まれつき“人並みの幸福実感”がなく、“他者の苦しみ”に勝る悦びが見いだせないという結論と、それに伴う自分のような人間が存在することへの“なぜ”という疑問だけ
→“生まれながら欠陥している”という事実を受け入れた後、それを克服するためのあらゆる努力の中で最後の試みとして人並みの幸福を得ようと、一人の女を愛そうとする
→妻との生活は二年に渡るが、女を愛そうとすれば愛そうとするほど、妻が自分の憤怒を理解し癒やそうとすればするほど女の嘆きを見たいと思う自分がいるだけであり、妻ほど自分を理解し癒そうとする人間はこの先現れないという考え、その妻でも癒せないという絶望から、もはや生きて是非を問うまでもないと、自分の誕生は間違いだったとして自害を決める
→自分の試みのために妻とした義務として命を断つ前に別れを告げに行くが、言峰を理解していた妻は言峰は人を愛せ生きる価値があると証明するために自ら命を断つが、その時言峰が思ったのは女の死を愉しめなかった、という損得の悲しみだけだった
→この妻の死とその時に感じた感情から、自分は救われないだけでなく、妻の献身と死も無意味にしたことを悟るが、当時の言峰はそれを受け止められず、妻に関する記憶を“妻も自分の人格の欠落を理解していなかった”ことにする、妻にも感じてしまっていた“他者の苦しみの悦び”とする自身の性質を忘れるなど、自分の本性から意識的・無意識的両面で目を背け遠ざけるようになる。
→その少し後に令呪が現れたことでZeroにおける“人並みの幸福実感”を得られないか試行錯誤しつつも父の要請に従っての第四次聖杯戦争と、その経歴から空虚な徒労を繰り返した果てに答えを得たと予想した衛宮切嗣ならば、自分が抱き続ける“なぜ”という疑問への答えを出せるのではないかと期待する
→その中で英雄王ギルガメッシュと出会い、彼から自分が他人の不幸を愉悦としていることを指摘され、そしてその悦を自ら進んで行うことを教唆されたことで、目を背け忘れていた己の悪性と、改めようとするだけだったかつてとは違った形で再び対峙することになる
→自分から意欲的に人の不幸を作り味わうというこれまでの人生で始めての経験と満足感、衛宮切嗣が自分が求めていた人並みの幸せを無価値とする男だったことへの憎悪、冬木大火災の地獄絵図の光景を見たことで感じた至上の幸福感を味わうことで開花、単に“他者の苦しみ”だけにしか幸福感を得られないというだけでなく、それを至福と感じる自分の本性を完全に自覚し、SNのような悟りと余裕を得ると共に何故自分のような存在が生まれたかという過程への問いも明確化する
→人並みに愛情は持てずとも、物事を美しいと感じる事はできる。基準は違うが、愛情という物がある事に変わりはないとして、周囲との齟齬がある自分を許す必要がなくなったことで自分への達観した自己分析も行えるようになり、過去も正確に受け止められるようになるが、妻の死が無意味であっても無価値にすることを嫌い妻の死の際に感じたモノが快楽によるものか悲哀なのかだけは意識的に答えを出すことを止めている
のような感じになると思われる。迷いながらもそれ相応に淡々と進んでいた人生が妻の死の辺りで大きく変動する辺り、言峰の妻への複雑な想いが見て取れる。
話題まとめ
- 綺礼の妻
- まだ迷い悩む渦中にあった綺礼が、「人並みの幸福のカタチ」を得る試みとして迎えた妻。死病を患っていて、余命のない女性だった。「そんな女だから選んだのか、その女しか選べなかったのか。その基準だけは、こうして思い返しても判らない」と綺礼は述べている。
共に暮らしたのは2年ほど。その間に子供を儲けている。
苦悩する綺礼をそのまま愛し、癒そうとした女性。綺礼からすれば「聖女」だったという。
最期は、「私にはおまえを愛せなかった」と告げる綺礼に対し、「――いいえ。貴方は私を愛しています」と告げ、微笑みながら自害した。綺礼が人を愛せることを証明するために。女には、最期に綺礼が泣いているように見えた。女には。
確かに綺礼は女の死を悲しんだ。だが、悲しんだのは「どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」からだ、と綺礼は述懐する。
――その、自分の手で殺したかったという願望が、ただの「快楽」のためであったのか、「愛したものだからこその悲哀」なのか、綺礼は考えることに蓋をした。女の死は「無意味」だったと断じながらも、「無価値」にはしたくないと、考えることを止めた。
なお、この影響かどうかは不明だが、『stay night』の桜ルートにて、士郎と共にアインツベルンの森でイリヤを逃がそうとした際に、「助けた者が女なら殺すな。目の前で死なれるのは、中々に応えるぞ」と士郎に漏らしている。
- 以上は『stay night』での綺礼。
『Zero』での綺礼は未だ悟りを得ていないため、妻に関する記憶をねじ曲げているとされ、この時覚えたはずの「どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」という思いは自覚していない。 - 後に同様の思いを父・璃正の死に際しても憶えたが、妻の時と同様にまだ悟りを得ていないため、無理やりに封じ込めた。
また、後に間桐臓硯が父の死を弄ぶような発言をした際には、悟りを得た後だったもののまだ直後だったゆえか、臓硯に反発している。 - 奈須氏は綺礼の妻を「アルビノで、免疫機能が欠如した人でした。なので些細な傷でも死に繋がるし体もボロボロでした」と説明している。なお、綺礼は妻を娶ったため、神学校を自己退職している
- TYPE-MOONエース VOL.8の質問コーナーにて、クラウディアという名前と判明。
- 『Zero』当時24歳と推測されていた、Q&Aにて28歳に変更された模様。