「ハサン・サッバーハ〔呪腕のハサン〕」の版間の差分

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2015年11月19日 (木) 21:04時点における版

アサシン

  • 真名:ハサン・サッバーハ(呪腕のハサン)
  • 身長:215cm / 体重:62kg(改造分も含むとのこと)
  • 出典:中東、山の老翁
  • 地域:中東
  • 属性:秩序・悪
  • 性別:男性
  • イメージカラー:白(月光)
  • 特技:隠密、忍耐、スリ
  • 好きなもの:自分用のダーク(投擲剣)、忠義、寝正月 / 苦手なもの:自分以外
  • 天敵:十八人のアサシン(ハサン)候補
  • CV:稲田徹

暗殺者」のクラスのサーヴァント
第五次聖杯戦争において、間桐臓硯によって召喚される。黒いマントと白い髑髏の仮面を着用。

略歴
キャスターにより召喚されたルール違反のアサシン・佐々木小次郎を核に召喚された本来のアサシン。特異な召喚方法もあってか現界直後は知性に乏しく、言語もたどたどしかったが、ランサーの心臓を取り込む事により高い知性と戦闘能力を手に入れた。
真名は、ハサン・サッバーハ。イスラム教の伝承に残る「暗殺教団」の教主、「山の老翁」。この名は個人のものではなく、教団の教主に代々襲名されてきたもの。複数いる「ハサン・サッバーハ」を継承した暗殺者の内の1人が彼であり、暗殺者という出自から「反英雄」に分類される。
召喚者である間桐臓硯の目的「不老不死」に応じ、同種の望みを持つ個体として呼び出され、共に永遠を目指す者として聖杯戦争に参加する。
HFルート終盤、アインツベルンの森で臓硯と共に言峰綺礼を追い込むが、宝具を無効化されて生まれた一瞬の隙をつかれ、マスターである臓硯を洗礼詠唱で消滅させられる。臓硯本体の元に消滅間近の状態で帰還するが、黒化したに飲み込まれてしまった。
Fate/Grand Order』では序章のAD.2004の冬木に登場。冬木の聖杯戦争でセイバーに敗北し、泥に汚染されたシャドウ・サーヴァントと化していた。ランサーと共に主人公たちに襲いかかる。
人物
髑髏の仮面に黒いマント、棒のような右手と不気味な外見をしている。髑髏の仮面の下の顔は削ぎ落とされており仮面をとっても顔は無い。「ハサン・サッバーハ」を襲名するにあたり、それまであった彼個人としてのものは全て捨てさられた。
人間的には善人とは言えないものの、主の命令には忠実で、主と認めた人物はどれほど劣勢に陥っても裏切らず、多少無理な命令でも黙って従う。また殺しはあくまで仕事としており、そこに哀楽を感じることは無く、外道の人物ではない。
聖杯への望みは自らの顔を取り戻し、オリジナルのハサン・サッバーハとして永遠に名を残すこと。
能力
クラススキルである気配遮断の恩恵もあって諜報・隠密行動に優れる。衛宮家程度の結界ならば誰にも気付かれずに出入りすることも可能。気配遮断中の彼は衛宮士郎程度では近距離で会話していてもどこにいるのか位置が全く掴めず、聴覚・嗅覚・触覚・魔力探査で視覚以上に正確に外界を捉えているライダーにすら短時間なら全く気付かせなかった。
近接戦闘は殆ど行わず、専ら「ダーク」と呼ばれる黒塗りの短剣を投擲するアウトレンジ戦法が基本。ダークの投擲はノーモーションかつスキル「投擲(短刀)」により弾丸として放たれる。その腕前は夜間ならばセイバーやランサーでさえ投擲されたダークを視ることは出来ない(二人とも視覚以外の感覚であっさり防いでしまったが)。なお、ダークは有限であり愛着があるため投げたものは戦闘後に拾って帰っている。
暗殺者のスタンスからか、敵サーヴァントと対峙しても正面戦闘することはあまり無く、専ら罠への誘導や陽動役を努める。「蜘蛛か蛇、それとも蠍」と称される奇妙な歩法の使い手で、逃げ足ならばあのランサーと互角とされる。ライダーとの戦いでは室内を四方八方に飛び回りながらダークを乱射するという士郎の見立てでは「セイバーでさえ防ぎきれるか」という猛攻の戦いを見せたが、マスターが桜に移り本気を出せるようになったライダーには通じず全て躱された上に釘と鎖で逆にボロボロにされてしまった。
自己改造スキルを有しており、他のサーヴァントの心臓(霊核)を取りこむことによって知性と能力を増強してゆくことが可能で、ランサーを葬りその心臓を取り込んだ。なおこれは良くも悪くも人格にも取り込んだ者の影響を受ける。
これは彼らが“アサシン”という名で群をなしているだけの亡霊(英霊候補)であり正純な英霊と比較して能力は低く、これを秘儀によって肉体改造を施しサーヴァントに対抗している為である。
魔術にはあまり通じていないが暴風の悪霊に対するため台風避けの呪いによるスキル「風除けの加護」を持ち、セイバーの「風王鉄槌」すら無効化し掻い潜ることが出来る。
また、再生能力はないがハシシ(麻薬)を使用しているため、痛みを無視して行動できる(コンシューマ版ではさすがにまずかったのか、「ブットンでる」という穏当な表現に変更された)。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アサシン 間桐臓硯 B C A C E C 気配遮断:A+ 投擲(短刀):B
風除けの加護:A
自己改造:C
主人公 (Grand Order) B C A C E C

宝具

妄想心音(ザバーニーヤ)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:3~9
最大捕捉:1人
普段は長い布に包まれているシャイターンの右腕。使用時には折りたたんでいた腕を伸ばし、その赤い異形の腕を開放する。
対象に触れることで、エーテル塊による心臓の二重存在(コピー)を作り出す。この鏡面存在を握りつぶすことによって対象本人の心臓を破壊し、呪殺を成立させる(いわゆる類感呪術)。要は即席の呪いの藁人形。如何に硬い鎧で身を護ろうとも心臓を掴み上げることができると暗殺には最適であるが、幸運や魔力で対抗可能。
作中の描写から接触していないと鏡面存在を作れないようだが腕の長さがその弱点を補っている。
人を罰するモノ故、言峰綺礼のようにアンリマユの泥に汚染され既に人のモノではない心臓は呪えず、また心臓限定であるがゆえに既に心臓がないものや心臓を潰されても活動可能な相手には効果や必殺性や即死性が薄い。
『Fake』では女アサシンの宝具『幻想血統』で再現される能力の一つとして登場している。『幻想血統』の仕様上全く同じ性能かは不明だが、幾重にも魔術防護が施された概念核の心臓を破壊する、背中から触れても鏡像の心臓を形成可能、宝具の日本刀が食い込んだくらいでは止まらないなど、御業に恥じない性能を見せている。

登場作品と役柄

Fate/stay night
HFルートのみの登場。マスターである臓硯の方針に従い行動する。戦闘能力は低いが、「影」を利用し複数のサーヴァントを仕留める。
Fate/hollow ataraxia
出るには出るが、「空想電脳」を使うのはこのハサンとは別のハサン。
「hollow出番の少ない人」大会をぶっちぎりで優勝。花札では追加パッチで出演しボケ老人状態の臓硯を世話する家政婦状態。
Fate/Grand Order
「呪腕のハサン」という名称で、アサシンのサーヴァントとして登場。レア度はUC(☆2)。イラストレーターはタスクオーナ。
メインシナリオでは序章に黒化した姿で敵として登場。
性能はクリティカル特化という本作におけるアサシンの特徴を体現した形で、見た目通りのアサシンらしいアサシンになっている。
フェイト/タイガーころしあむフェイト/タイガーころしあむ アッパー
世話をしている臓硯の具合が悪い。何か精の付く物でも、と町に出ると、謎の占い師が治療のために聖杯を手に入れることを勧めてきて……。
アッパーでは出番はあるものの個別のシナリオモードはなし。
Fate/Ace Royal
英霊カードの一枚として登場。原作の不遇振りを払拭するかのように、一撃必殺の「妄想心音」が強力。万能型の能力で、能力的にはどんなクラスでも活躍できる。……だが悲しい事に「アサシン」以外の適性を持っていないため、その有用性を生かせない。
ギルガメッシュ小次郎よりは強いのだが、やはり不遇。
Fate/Labyrinth
四人のサーヴァントのうちの一人。

人間関係

Fate/stay night

間桐臓硯
召喚者にしてマスター。基本的に「魔術師殿」と呼んでいる。契約とは別に共闘者として認めている。
間桐慎二
本編では接点はないが派生作品では「ぼっちゃん」と呼んで仕える家の子どもとして扱っている。
セイバー
元敵対者であったが、彼女が黒化した後は間桐勢力の仲間として互いに認識しているらしくセイバーからは「私の役目は済んだ。後は貴公に任せる」と語りかけられて「有り難い。容易い仕事だ、狂人(マジュヌーン)に敗れた失点を取り返せる」と返すなど同僚意識があるような会話をしている。

Fate/Labyrinth

沙条愛歌
キャスター相手に全く恐れを抱かず、それどころか魔力の不足を突いて自分の傘下に加わるように言ってのける彼女の器に強い興味を持ち、同盟の締結に貢献する。
愛歌と一体化した少女
愛歌とは対照的に睨みあいをするサーヴァント達に怯えていたので、絶妙のタイミングで同盟の話を持ち掛けてくれた彼に感謝している。その後の宝具の情報を自分から明かすという英断を下したこともあり、「英雄」「高潔なひと」「天使」と彼女から絶賛されている。
しかし悲しい事に愛歌の内にいるため彼女は感謝の気持ちを伝えられず、アサシンも今までにないほどに自分を認めてくれた人がいる事に気づいていない。
ロビンフッド
愛歌の元に手を組んだ同盟相手。隠密行動をする者同士なせいか短い期間で簡単に打ち解け、「アサシンの旦那」と呼ばれている。
彼の方もアーチャーの軽口を無視する事なく応じ、お互いに敬意をもって接している。

名台詞

Fate/stay night

「ギ――――ワタシのメンを、ミた、な、ラン、さー」
ランサーと戦い、髑髏面を剥ぎ取られた際に。それまで奇声ばかりだった真アサシンの最初のセリフ。
この後ランサーの心臓を取り込むことで確固たる人格を形成するのだが、最初のうちはこんな感じである。
「■■■■■■■■■■■■!」
セイバー戦で「風王結界」に飛び込んだ際に。
彼らの神を讃えるセリフが入る予定であったが、大人の事情で黒塗りに。PS2版では音声のみ追加されている。
「数百年の妄念か。私には理解できぬが――――」
「理解できぬが―――魔術師殿は、この私のマスターに相応しい。
 よかろう。人として扱われなかったモノ同士、共に永遠を目指すとしよう――――」
ランサーの心臓を食らい望みを思い出した仮面の暗殺者は、「死にたくない」と願う召喚者の在り方を見極め忠誠を誓う。
「一人で乗り込んでくるとはな。見下げ果てた馬鹿者だ」
「私は魔術師殿とは違う。速やかに、その苦悶から解放してやる」
「眠れ。その身に救いは与えられぬであろうが、あのような怪物に食われるよりは上等だろうよ」
HFルートDEAD ENDにて一人でアインツベルン城に乗り込んだ士郎を逃さず殺害する。士郎を瞬殺し、また殺しを愉しむこともないなど、いぶし銀な仕事人気質が伺える。惜しむらくはこれが彼の唯一の単独暗殺成功シーンなところか。

フェイト/タイガーころしあむ

「なんと悪辣な……。
 人を騙してはいけないと教わらなかったか!」
真アサシンルートでタイガから騙されていたことを知らされて。えーと、あなたの職業なんでしたっけ?
「まあ、感心はしませんが、一応これも「聖杯戦争」ですから、卑怯、とは言いませんよね?」
「おお怖い。では策士策に溺れることなく頑張りましょう。心苦しいですがこれもまた定め。すみやかにその首差し出していただきます」
無印の葛木先生ルートで、連戦で疲弊したところを慎二と共に襲撃して。
葛木先生ルートは登場人物ほぼ全員が徹頭徹尾シリアスだが、アサシンも例に漏れず本編の仕事人のイメージとホロウ以降の剽軽なイメージがうまく和合している。
「あ!ぼっちゃんがやられている!?
 ……うむ!命を懸けてもいいほどにぼっちゃんが悪いんでしょうが、ここは加勢いたしますぞ!」
『アッパー』で凛にボコられる慎二を見つけて。しかし揃って叩きのめされてしまい、2人並んで己の立ち位置をグチることに。

Fate/Grand Order

「愚か。あまりにも愚か。子供を盾にした事ではない。子供をさらった事でもない。」
「才能の在り無しさえ計れぬ者が暗殺者を育てようとは、これほど愚かな事はない。」
「その子供に殺し屋は務まらぬ。酬われぬ場に幼子を置かんとするその能無しぶり」
「もはや生きるに能わず。永劫の闇の中に消え去るが良し。」
キャラクエストにて、誘拐した子供を使い捨ての暗殺者に育てようとする悪人に対して。彼の仕事人としての哲学が見える一幕である。
なお、件の悪人は「妄想心音」で心臓を握りつぶされてあえなくご臨終。助けた子供にお礼を言われたハサンは…。
「苦悶を溢せ――『妄想心音ザバーニーヤ』!」
宝具開放。「妄想心音」。「山の翁」の御業が一つ――異形の右腕を以て標的の擬似心臓を潰して呪殺する。
「憎悪するもの? 忠義、仁義の伴わぬ者には義憤に駆られる事もありますな」
マイルームでの発言。この発言を初めとして、本作では屈指の忠義の士としてキャラクタライズされている。
「ふははは。工房の掃除であればちょちょいと隙を見てやっておきましたぞ、魔術師殿」
絆レベル3時点の発言。『タイころ』で見られた主夫属性を発揮。仁義を重んじながらも飄々としており、暗殺者ながら親しみやすさを覚える。
「名前を残すのは確かに宿願、されど今優先すべきはこの戦いと悟りました。――マスター。貴方を守り切る事こそ、私の生まれた意味かもしれません」
絆レベル5での発言。自身の願いよりも仕えるマスターを重んじる姿を見せる。

メモ

  • 冬木の聖杯戦争では「暗殺者」のクラスそのものが「ハサン・サッバーハ」を召喚する触媒となっているため、余程のイレギュラーが無い限りはアサシンの語源たる「ハサン・サッバーハ」たちの誰かが召喚される。
    彼らは誰が「最強のハサン」なのかを競っており、自らの秘伝を同じ「ザバーニーヤ」という宝具に隠している。
  • 「ザバーニーヤ」とはイスラムの伝承に登場する天使のこと。19人が存在し、地獄の管理をしているとされる。
    ハサン・サッバーハが19人存在するという設定はこれをモチーフにしたものと思われる。
    • ちなみに『Grand Order』での彼の紹介では歴代18人という誤字を残していたりもする。
  • 既に召喚されていたアサシンである佐々木小次郎の肉体を利用して召喚されるが、小次郎の腹ワタから肉を捌いて出てくるというどこぞの映画のエイリアンのような召喚となっている。その上召喚直後は「黒虫」と称されている異形であり、苗床である小次郎の血肉や骨を食らうことで人のカタチを成し、空白の脳漿に人のチエが与えられていくという非常にグロテスクなことになっている。
    この召喚についてコンマテ3のQ&Aでは「まぎれもなく外法」とされているが、具体的な方法やデメリットなどの詳細は不明。臓硯が召喚から三日後にランサーを食らった後の真アサシンに「ほほう。わずか一日で饒舌になったではないかアサシン。その様では、己が望みを思い出したか?」と語りかけているため、小次郎を食らった段階では己の望みすら忘れていたと思われる。
  • マスターに対して忠実な一方で、臟硯が油断して言峰にやられた際は自身の不手際ならともかく自らに落ち度はないので敵討ちなどそんな酔狂な事をする気など毛頭ないと語っている。良くも悪くも仕事人気質と言える。
  • 前述の通り戦闘力はサーヴァントの中では低く、単独での闘いは常に苦戦している。しかし、臟硯によると慎二がマスター時のライダーなら勝てるらしい。……が実際に闘った際のライダーは桜がマスターだったので逆に捻られてしまった。
  • 出番にも活躍にも恵まれないサーヴァントであり、型月界隈の一部では影が薄くて不憫なことへの代名詞に使われることも。PC版『Fate/hollow ataraxia』ではおまけゲームの『トラぶる花札道中記』のみ、さらにパッチを当てて初めて登場する扱いだったのを皮切りに、格闘ゲーム『Fate/unlimited codes』では五次サーヴァントで唯一出演できず、Vita版『Fate/hollow ataraxia』のおまけゲーム『カプセルさーばんと』からも出演漏れした。四次でもハサンは悲惨な目に会っており、『Fate/EXTRA CCC』ではギルガメッシュから「サーヴァント界でもっとも不遇なもの。その名をハサンというのだ」とまで言われてしまった。
  • 世界各地で亜種聖杯戦争が行われている『Apocrypha』の世界では、初期時代にはマスターの暗殺を行うハサンたちが猛威を振るい、召喚したハサンの能力を最大限に活用して3日で聖杯戦争を終わらせた強者も存在するなど俗に「暗殺者の春」と呼ばれるような状況だった。しかし、そのためにマスターたちは死に物狂いでハサンに対する防護を強化し、19人のハサン全員の能力に対策を講じ、最終的にはハサンの召喚=「その対策をハサンが潜り抜けて聖杯を勝ち取るか、その対策にハサンが撃退されて死ぬかのどちらか」というギャンブル的なサーヴァントとして扱われるようになった。
  • 『Grand Order』でも彼の忠誠心には高く評価されており、「英霊としての能力はともかく、仕えるものとしては間違いなく一流」と太鼓判を押されている。
    • 一方のキャラ性能だが、「妄想心音」が即死が有効な敵ならば高確率で即死させるという効果を持つこと(有効でない敵は主にサーヴァントだが、本作にはサーヴァント以外の強敵もごまんといる)、主軸となるQuick攻撃のヒット数の多さからクリティカルスターやNPの回収率が見た目以上に高いこと、スキル面でも無難なクリティカル補助に加えて最終的には強スキルと名高い矢避けの加護と同系統の効果を持つ「風避けの加護」が手に入るといったことから総じて評価が高い。レアリティゆえの基礎性能の低さが唯一の欠点だが、長所がそれをある程度補ってくれる。

話題まとめ

歴史関連
史実のハサン・サッバーハは勿論19人いた訳ではなく、暗殺教団の教主も代々その名前を受け継いだ訳ではない。そもそもハサン自身は暗殺者ではなく、禁欲的な生活を送る宗教家であった。
詳しい生年は不明だが、11世紀半ば過ぎにテヘランの南にあるゴムの町で誕生したとされる。7歳で志学し、17歳頃までテヘランで数学・天文学・イスラム教の教義の研究と研鑽を行っていたとされる。
残されている自伝によれば、この研鑽の最中にシーア派の派閥であるイスマーイール派の教義に感化されて、イスマーイール派を国教としていたファティマ朝のカリフに忠誠を誓ったと言われている。
1094年にファティマ朝の第8代カリフが死去すると、その後継を巡ってイスマーイール派は2つに分裂し、廃嫡された長男ニザールを支持した人々はニザール派と呼ばれ、ハサンはニザール派の指導的な地位に着く。
指導者となってからは、布教活動で信者や拠点を確保する一方で、暗殺部隊を組織。彼自身や後継のニザール派指導者はセルジューク朝、ザンギー朝、十字軍などの敵対者に対してこれを放ち、抵抗した。
コーランの教えに基づく禁欲的な生活を送る事を尊守しており、禁を破った息子を処刑したとも言われる。
1124年、拠点としていたアラムート城で死去。アラムート城はその後、1256年にモンゴル帝国の攻勢の前に降伏し、ニザール派の教義が記された多数の文書をモンゴル帝国が接収している。この中にハサンの自伝も含まれており、それによればアラムート城を拠点としてからは自室から出る事は少なく、ニザール派の教義に関する著作活動と教団内外の政策活動に没頭したという。
また、イスラム世界の古典歴史書「完史」によれば数学、幾何学、魔術に精通した人物とされる…………つまり、原典通りのハサンは「暗殺者」ではなく「魔術師」のクラスが一番妥当になるかもしれない。
この史実とは別に、マルコ・ポーロが東方から「山の老人」伝説を持ち帰り、近世のヨーロッパにおいてハサンら少数教派の指導者と同一視され、ハサンのイメージは大きく揺らぐことになる。
「山の老人」伝説は次のようなものである―――山中に秘密の庭園を築いた老人がいた。彼は下界から若者を連れてきて、秘伝の麻薬と美女で心行くまで楽しませる。そのうえで老人は、若者に「再び楽園の歓びを味わいたければ、この使命を達成せよ」と指示し、欲望に燃える若者を暗殺や陰謀に駆り立てた―――。
この伝説に麻薬が登場していたことで山の老人=ハサン、麻薬に魅了された若者=ハシーシ=アサシン=暗殺者の図式が流布されてしまったのだが、実際のところ「ハシーシ」は麻薬中毒者に限らず罵倒語として使われていたようで、ハサンが自分や部下に麻薬を使ったという史料もない。

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