ハンス・クリスチャン・アンデルセン

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2020年8月18日 (火) 11:01時点におけるおっとー (トーク | 投稿記録)による版 (→‎戦闘)
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キャスター
真名 ハンス・クリスチャン・アンデルセン
外国語表記 Hans Christian Andersen
性別 男性
誕生日 4月2日
身長 146cm
体重 39kg
特技 人間観察
好きな物 執筆が終わった瞬間
苦手な物 執筆作業
天敵 トワイス、ラニ、ガウェイン
出典 史実
地域 デンマーク
属性
Fate/EXTRA CCC
中庸・中立
Fate/Grand Order
秩序・中庸
一人称
二人称 お前/○○(呼び捨て)
三人称 少年少女/老若男女/三流ども
声優 子安武人
デザイン ワダアルコ
設定作成 奈須きのこ
イメージカラー 水色
レア度 ☆2
初登場作品 Fate/EXTRA CCC
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概要

魔術師」のサーヴァント

略歴
Fate/EXTRA CCC』では月の聖杯戦争殺生院キアラに召喚される。戦闘放棄したキアラが真名を明かしているため、初登場時からアンデルセンと呼ばれる。自らを「最弱」「三流」のサーヴァントと称し、戦闘手段を持たないため直接戦うことはなく、サーヴァント(=使い魔)でありながら肉体労働が何よりも嫌いだと豪語している。
第五章にてメルトリリスにマスターを倒され退場したかに思われたが、実際は偽装であり、ルート次第では最終章で再登場する。
Fate/Grand Order』第四特異点『死界魔霧都市 ロンドン』でははぐれサーヴァントとして西暦1888年のロンドンに召喚される。英霊召喚というものの本質を探り、ゲーティアの霊基の真実の一端を暴くも「褒美」としてゲーティアの手で殺されてしまう。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅣの座を統括する管制塔バルバトスと交戦する。
人物
一見すると小柄な美少年だが、非常に口が悪く、声や話し方も外見に似つかわしくなく、その瞳には絶望の影がある。
世界三大童話作家の一人。根暗で厭世家な詩人で、他人に好かれる気がなく、また、自分にも価値を見出せなくなっているため、人生を楽しむ、という考えが欠如している。彼は聖杯に何も求めていない。生前、望む物は何一つ手に入らなかったことが原因だろう。
「人生に価値があるとしてもだ。そんなものはたいてい、人間が夢想するものよりも下だろうよ」
と、世の中すべてを嫌っているようにさえ見える。しかし根は面倒見がいいのか、頼られれば応えるし、作家らしく几帳面なのでアフターケアも万全。ようは男のツンデレである。
彼自身は厭世家となってしまったが、かつて夢想し理想とした社会の姿から「正しく生きよう」「全力で事を成し遂げよう」とする人間の努力を決して笑わないという。
そのあり方は、世界と人間、自分自身を嫌い、英霊になってもなお、愛を認めないのに、仄かな愛を捨てきれない。
少年の姿で召喚されているのは、「少年時代が最も感受性が高かった」からであるとのことだが、実はマスターであるキアラの趣味が反映されたのではないかとも思っており、内心では戦々恐々としている。
後に、幼年の容姿がCCCのマスターの趣味でない事が『Grand Order』で分かったが、「子供時代が一番才能があった」といよいよヤケクソ気味に自嘲しているらしい。
能力
そもそも魔術師ではなく作家であるため、攻撃手段として魔術を使うことはできず、戦闘能力は皆無。彼が魔術を行使する際は、彼が執筆した童話になぞらえた一文を詠唱として用いる。
作中では「裸の王様」を元にした『顔の無い王』に近い不可視の効果の付与、「みにくいアヒルの子」を元にした敵の遠くへの弾き飛ばし、「雪の女王」を元にした能力の強化などを行なっている。また由来は不明だが迷宮への転移も行なっており、彼の作品を元にしたサポートスキルを多数備え、サポート面は非常に優秀。
保有スキルは幾つかあるものの、どれも戦闘向きではない。「高速詠唱」のスキルは原稿の進みに多少の恩恵がある程度で、スキル「アイテム作成」は宝具を応用した詩文で多少の作成が可能。得意なアイテムは「100%想いが伝わる恋文」らしいが、相手に抱く全ての感情が伝わるとするなら考え物である。彼本人の恋愛歴を考えるととてもではないがお願いできないだろう。
また、人間観察により相手の本質を見抜く事に関しては、かの英雄王すら上回り、ロンドン市民を眠らせた魔本の本質を見抜いての命名やゲーティアの正体を見抜くなど、物語に様々な貢献をしている。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 殺生院キアラ E E E EX E C 高速詠唱:E
アイテム作成:C
無辜の怪物:D
人間観察:A
主人公 (Grand Order) E E E EX E C 陣地作成:D
道具作成:C
人間観察:A
高速詠唱:E
無辜の怪物:D
人魚姫の愛:EX
強化クエストクリアで「無辜の怪物」→「人魚姫の愛」に変化。

宝具

貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
彼が書いた自伝「我が生涯の物語」の生原稿。
この書の1ページ1ページが作家アンデルセンを愛する人々から供給される魔力によって“読者の見たがっているアンデルセン”の姿を取り、分身となって行動できる。
だがこの宝具の真価は、この本を白紙に戻し、自身の人間観察により観察した人物の理想の人生・在り方を一冊の本として書き上げることで発揮される。その本の出来が良ければ宝具として成立し、相手を本に書かれた通りの姿にまで成長させることができる。効果の度合いは原稿が進むほどに高まり、数ページ程度ではほんの偶然しか起こせないが、脱稿すれば対象を“最高の姿”にまで成長させることが可能となる。
全能にも思える宝具だが、実際は使いどころが難しい。執筆に長い時間がかかる、彼自身のネガティブな人生観と作家としてのプライドが都合のいい展開を許容できない、やる気を刺激するような人物でなければ駄作になりかねない、といったリスクがあるためである。
つまり、相応の準備期間と彼の眼鏡に適うほどの興味深い対象でなければ、“その人間にとって究極の姿”に至ることは不可能だということ。その点、時間に余裕のある月の裏側という舞台、そして殺生院キアラという執筆対象はこの宝具の力を最大限に発揮できるものであったようで、CCCの最終局面においてムーンセル中枢に辿り着いたキアラを恐るべき魔人へと変貌させている。
『Fate/Grand Order』では「味方全体の攻撃力をランダムでアップ[注 1]&味方全体の防御力をランダムでアップ[注 1]&味方全体に毎ターンHP回復状態を付与[注 2][注 3]」という効果のArts宝具。
強化後は宝具ランクがC+に上昇し、「味方全体のスター発生率をランダムでアップ[注 1]」という効果が追加される。

使用技

Fate/EXTRA CCC

カイの欠片
コードキャスト。1ターンの間、対象の筋力を上昇させる。
ゲルダの涙
コードキャスト。1ターンの間、対象の魔力を上昇させる。

真名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン

ハンス・クリスチャン・アンデルセン。実在が確認されている十九世紀の人物。
今でこそ三大作家の一人だが、その半生は挫折と苦悩に満ちていた。1805年にデンマークで靴職人の息子に生まれ、役者を志すも芽は出ず諦める。その後は詩人を目指すも評価は散々であった。ようやく自費出版した本がそれなりに売れ、その費用で国外旅行に出発。旅行にて得たインスピレーションを元に、出世作「即興詩人」にてようやく世に認められる事となる。30歳の時であった。
以後、童話作家に転向するが、その在り方は明らかにより自由な創作が認められるから童話作家になった、と自虐するようなものだった。それを象徴するように、彼の童話は性に満ち、暴力と不幸、貧困、そして死こそを救済と見る作風に彩られている。彼は童話にその姿を借りて、ひたすら貧しさへの嘆きとそこからの脱出には死しかないという絶望を書き続けた。……その美麗な文章表現で、自らの胸に渦巻く想いすべてを覆い隠しながら。
また、高名になった後も女性との交際はなく、1875年に肝臓癌にて死去するまで生涯独身。一説によると想う相手はいたようだが、プライドの高さと自らの容姿へのコンプレックスで幾度となく告白の機会を逃したとも。
70歳で没したが、肌身離さず身に付けていた、初恋の相手からの手紙を握っての死だったとされる。

関連

三大作家
世界にその名の鳴り響く三大童話作家、グリム、イソップ、アンデルセンのひとりであり、その中で唯一の創作作家。
他が民話や伝説などを編纂した編集者や収集家であるのに対し、彼だけが新たに物語を作る本当の意味での「作家」だった。
代表作に「マッチ売りの少女」「人魚姫」「裸の王様」「雪の女王」「みにくいアヒルの子」等がある。
無辜の怪物
本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を表すスキルだが、彼の場合は「読者の呪い」である。
童話が有名になりすぎ、彼本人の性格が童話作家のイメージによって塗りつぶされてしまった。
サーヴァントとして現れた彼の手足は、彼を代表する童話のイメージに侵食されている。洋服で隠してはいるが、その下の肌は人魚の鱗やマッチの火傷、凍傷に侵され、喉は喋るごとに激痛を刻んでいる。

過去

――――男の話をしよう。
ある男が物書きなどになって、人生をドブに捨てる前の過去を。
男が街で見かけた一人の少女は悲惨だった。幼くして両親に見捨てられ、世間に疎まれた迫害に満ちていた。
少女は体中擦り傷だらけで、幸福を欠片も知らぬ身でありながら、しかし周囲に憎しみの心を持たなかった。
温かさとは無縁でありながらも己が人生の悲哀を一切口にすることなく、人々の暖かさを信じ、多くの人間を慈しみ、導いた。
そんな少女の生き方に愛を知った男は、語り合い、信頼を経て、六年の月日の末に、ようやく本心を聞いた。
人生は辛くはない。憎くもない。なぜなら、『いつか、幸福が訪れる』と。
それを聞いた男は愛という言葉が想像上のものではないことを知り、少女の在り方自体が、愛と呼ばれる奇跡なのだと認めざるを得なかった。
しかし、男はろくでなしの非人間。あの少女には相応しい人間が、相応しい幸福が待っていると信じていた。だからこそ、少女には触れることはなかった。
数年が経ち、少女は富豪の家に妻として迎えられた。その富豪は男の古くからの友人でもあり、徳の高い男だった。
あの男なら少女を幸せに出来ると、これで全てが報われると――――そう思っていた。
それを打ち砕くかのように、七日と立たなかった春の朝、少女は無残な遺体となって街はずれに捨てられていた。
なぜあの様な悲劇が起こったかは男は知らない。非があったのは少女なのか、富豪なのかも。
そして少女の無残な最期を以て男は知った。ただ事実として、人間は誰もが醜いということを。
人間の世界において。愛は存在せず、役に立たない。
その時に男は―――ハンス・クリスチャン・アンデルセンは誓った。
もう二度と、人間を愛すまいと。
これが、男が英霊になってもなお、愛を認めない理由である。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/EXTRA CCC
殺生院キアラのサーヴァント。
Fate/EXTRA CCC FoxTail
鈴鹿御前にキアラ共々一蹴され、敢え無く退場。やっぱり準備期間が無いとまるでダメらしい。
Fate/Grand Order
ゲーム開始時から実装されている。メインストーリーでは第四特異点に登場。

その他

コハエース
童話作家というより、同人作家。
ちびちゅき!
初等部でリアルお子様(でない者もいるが)に混ざって授業を受けなければならないことに不満タラタラ。自分の著作のエロ改変には厳しく出る。
実際の所はまんざらでもないらしく、初等部の友人に誘われてサッカーに熱中していたら作家勢では一番体力がついてしまった。

人間関係

Fate/EXTRA CCC

殺生院キアラ
マスター。「毒婦」「エロ尼」など言いたい放題。しかし、暴言は吐いても否定的な言動はなく、サーヴァントとして付き従っている。
主人公 (EXTRA)
「典型的な汎用救世主型主人公」「こいつには内容が無い」などと、この手の主人公のアンチテーゼとも言える評価を下すが、同時にその行く末を気にかける態度を見せる。また、尋ねられれば彼あるいは彼女を「読者」として、得意の人間観察によるアドバイスを送る。
セイバー
「幼児体形」「おまえほど己が人生を愛し、そして人間を愛せる英霊は稀だろう」と評す。極度の女性嫌いたる自分と薔薇の皇帝はお互いに相容れないとも。
アーチャー
「おまえのような男が大衆の奴隷になる」「自分の幸福と他人の幸福を秤にかけられる物好き」と評す。所詮独りよがりの、報われない人生という意味では自身と無銘の英霊を同類とも。
キャスター
「あざとい狐耳」「ごんぎつね」と評す。お互いに一歩も引かない毒舌合戦。だが、無辜の怪物スキルを妖狐は即見破り、作家も人々の不理解により怪物視された妖狐には同情した。その献身はいつか主に届くだろうとも。
ギルガメッシュ
「サーヴァントとしては1点すらくれてやれない程失格」「英雄としても論外」「その王道は意志持つ嵐」と評し、ギルガメッシュの真実を片っ端から指摘する。傲慢の化身たる王の前で変わらず暴言に命を懸ける作家に、彼はその評価を涼しく受け入れた。むしろ他者に評価を預け当人の前で聞こうとした主人公が不敬で命拾いする有様に。

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
マスター。
ダ・ヴィンチによると、渋々ながら彼/彼女に助力するのは、彼/彼女の行為が、生前理想と願って書いた作品を想起させるから。
マシュ・キリエライト
自身の著作の愛読者。夢見がちな言動なため辛辣な突っ込みを入れるが、懐いてくるのを突き放しきれない模様。
ナーサリー・ライム
第四特異点で遭遇した相手。その本質を見抜き、まだ名前がない故に無敵だった「彼女」に「ナーサリー・ライム」の名を与え、撃破のきっかけを作る。
モードレッド
第四特異点で遭遇した相手。何かとムキになって怒る彼女を弄るのが楽しいらしく、煽って神経を逆撫でし続ける。
ウィリアム・シェイクスピア
第四特異点で遭遇した相手。同じ作家として意気投合し、共にジキルのアパルトメントで部屋に籠って原稿を書き綴る。
加えて密かに大ファンであるためか、『CCC』の頃と比べると毒が薄い。
マイルームで出会うと「お前の人生の方が作品よりよほど波瀾万丈だ」と煽る。
ゲーティア
第四特異点で敵対した相手。相変わらずの毒舌で「俗物」とバッサリ切り捨てる。そしてその恐ろしい気迫の前に追い込まれた所で彼の持つ力の一端を解き明かして見せた。
しかしかの英雄王とは違い、相手は自身の評価を聞いてやるまではするもののそれを口にしたものへの寛容さは持ち合わせておらず、自身の秘密を暴いたアンデルセンを「哄笑しながら八つ裂きにして焼き尽くす」という惨い方法で消滅させた。
紫式部
2019年のバレンタインイベントにて共演。
書斎を訪れた彼女に協力し、珍しく最後まで付き合い続けた。
彼によると、「とある女性」に似通っている為かつい気が緩んでしまうとか。……やはり彼女なのだろうか。だとするなら、体型的な問題なのだろうか。それとも「根っこの部分では純真な、物語に憧れる女性」という点なのだろうか。

ちびちゅき!

ワラキアの夜
文化祭の劇の脚本を書かされた時の助監督(ちなみに監督は彼女)。
登場人物がカオスすぎるために無茶苦茶な脚本になってしまった上「洒脱と狂気が足りない」とダメ出しされて書き直すハメに。

生前

アレクサンドル・デュマ
生前の作家仲間。2015年のエイプリルフール企画TMitterでは名前を詐称され、抗議もブロックされたため直接乗り込んでドロップキックをブチかました。
もっとも、直後に子供の姿になっている事を爆笑されてしまうが……。
『FGO material』では彼の代表作である「モンテ・クリスト伯」を悔しがりながら高く評価していた。

名台詞

Fate/EXTRA CCC

「――女の話をしよう。
 目覚めた時から、女は病理に繋がれていた。
 重い鎖は満遍なく。つま先から頭まで、ミイラの如き死に化粧。
 自由がない、と余人は憐む。
 自由はない、と彼女は喜ぶ。
 鉄のドレスは難攻不落。
 城門開いたその奥に、在るのは乙女か魔性の罠か。
 他人の秘密は蜜の味というが、さて。」
第一章『隷属庭園』冒頭の語り。
「――女の話をしよう。
 着替えた時から、女は衆目を集めていた。
 虫も殺せない可憐さで、女は男を管理する。
 節度のある生活を! なるほどそいつは聞こえがいい。
 無駄のない人生を! いかにもそいつは素晴らしい。
 待っているのは計算監獄。無垢なるものこそ残酷だ。
 眉目秀麗、品行方正。なのにどうしてこうなった?」
第二章『計算監獄』冒頭の語り。
愛に濡れた唇は囁く女の話をしよう
 "貴方のすべてを、私に下さい"愛を知った時、女は魔物に変生する
 愛しみと憎しみは本来、別々のもの。
 それが一つのものとして語られる時、
 これらをつなげる感情が不可欠になる。
 ――狂気だ。
 狂おしいほど愛している。狂おしいほど憎んでいる。
 他人への想いがこの域にまで達した時、愛憎かいぶつは現れる。
 ……とかく、一目惚れとは暴力のようなもの。
 する方は幸福だが、される方には不意打ちだ。」
第三章『愛憎唇紅』冒頭の語り。
「――女の話をしよう。
 肥大化した自我は、女の人生を食い潰した 。
 誰だろうと夢を見る自由はある 。
 理想の自分。理想の快楽。理想の未来。
 理想の他人。理想の恋人。理想の別離。
 誰だろうと、安い夢を見る自由はある。
 だが、その大半は悪夢わるいゆめだ。」
第四章『麻酔城塞』冒頭の語り。
「――女の話をしよう。
 どうせ食べるのなら、まるごとがいいと女は思った。
 支配者にして処刑人。
 調理人にして毒味役。
 美食を重ねること数百人。
 堪能、溺愛、泥酔、絶頂。
 ふしだらな食事のツケは頭に生えた異形の魔羅つのか。
 だがまあ、そう珍しい事でもない。
 美しい少女を貪るのは、男性女性ニンゲンどもの本能だ。」
第五章『血々純潔』冒頭の語り。
愛に溺れた瞳は語る女の話をしよう
 "私のすべては、貴方のために"愛を守る時、女は女神と等しくなる
 おまえの体が目当てだ、と男は笑った。まるでケダモノね、と女は言った。
 おまえの心は俺のものだ、と男は笑った。ええその通りよ、と女は言った。
 助けてくれ、と男は言った。ケダモノではまだ足りない、と女は笑った。
 愛しているのに、と男は言った。ええその通りよ、と女は笑った。
 男女はヴェールの向こうで一つになる。癒着する肌のように。熱に溶ける氷のように。
 溺愛を具現する女は笑う。すべてを支配してこそ、真実の愛たり得るのだと。」
第六章『快楽臨界』冒頭の語り。
「――最後の話をしよう。
 儚く現実に破れる、当たり前の恋の結末はなしを。」
第七章『乙女ノ深層』冒頭の語り。
「――では、その女の話をしよう。
 淫らに現実を侵す、おぞましい愛の末路はなしを。」
最終章『聖女ノ深層』冒頭の語り。
「その人間の価値、ひたすらにコキおろしてやろう。」
彼の在り方が最も端的に表れたセリフ。一見するとただの捻くれた奴だが、毒舌でこそあるもののそもそも批判も非難もしておらず、その人間の意志や生き方を尊重し、真実を彼なりに誠実かつ真摯に語っている。ただ、その毒舌ゆえに誤解されがちなのは否めない。
「失敬、言い過ぎだった。だからよせ。本気でやめろ。
 俺は肉体労働が何より嫌いなんだ!
 分かった、牛女と言ったのは俺のミスだ。
 なにしろ比喩がストレートすぎた! メロン峠とでも言うべきだったな!」
マスターであるキアラをこき下ろした揚句に「令呪で迷宮に放り込もうか」と言われた際に発したセリフ。本気で嫌がっている事が窺えるが、まるで反省の色が見えず、よりアレな表現になっている。
「舐めるな、俺は童貞だ。お前の幼児体型に興味はない。見るのはその性根、人物像だけだ。」
セイバー選択時、主人公が自分のサーヴァントについて尋ねた際のやりとり。「ケツの穴まで鑑定してやる。」という言葉からセイバーに色魔扱いされこう切り返す。当然、セイバーは怒り心頭。というか彼女を幼児体型というなら彼女より残念な方々は一体…。
「俺は猫耳派だ。百歩譲っても犬耳派だ。狐耳の存在意義なんぞ誤字以下だ。」
キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。狐耳を「あざとい」と評され、「お子様にはわからない」と反論された時の切り返し。ちなみに狐はネコ目イヌ科だがそういう問題ではないらしく、彼の趣味がわかる一幕。誤字に定評のある奈須氏の自虐も込められているような…
「人間を愛し、人間に仕えたところで、待っているのは不理解による死だけだ。だが―――
 それを承知で仕えるからこそ、彼らの愛は人間の心を打つ。狐耳。お前の献身は、まあ、いつかは主に届くだろうさ。」
キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。読者の呪いを受けた彼は「その人間がどう見えるかは主観による決め込み」と語り、人間に憧れ転生までしながら怪物視されたキャスターを「ごんぎつねと同じ」と評する。しかし、それは決して嘲っているわけではなく、その生き様を認め、励ましてさえいる。
「いいか。作者にとって本はたしかに魂の切り売りだが、それにも種類はある。書きたい話と書くべき話は別なんだ。
 作者が妄想を自由に羽ばたかせ、なにより作者本人が楽しいものが"書きたいもの"
 作者を思想で磔にし、なにより作者本人が苦しいものが"書くべきもの"
 多くの読者はそのあたりが分かっていない。だから、俺が残してきた多くの童話をそのままに解釈する。
 そのおかげで、こっちはさんざんな呪いを受けている。腕は火傷の跡だらけ、脚は人魚の鱗まみれだ。」
「見たか、このおぞましい風評被害!
 "こんな本を書く人間は、よほど寂しい人間に違いない―――"
 そんなおまえたちの、自分たちにとって楽しい思い込みが俺をこのように変貌させた。」
「分かったか? 人魚姫を読んだ読者の呪いはすべて俺に集まっている。であれば、俺は作者以外の何物だというんだ。」
アンデルセンの童話「人魚姫」を読んだ主人公が、あの彼が本当にこの話を書いたのかと疑問を持たれた時の返答。彼の創作思想とともに、その身に降りかかった呪いも合わせて語る。
「バッカ、そんなものオマエ、“書きたいもの”に決まっているだろう!!
 ゆだった妄想にとりつかれ、一方通行の暴走をしたあげく、唯一の利点である美しさを台無しにするお姫さま!
 書いていてたまらなく面白かったぞぅ! 沸き立つジンマシンを堪えながら。リア充爆発しろ、と叫びたいのを堪えてな!」
「……まあ、なんだ、確かに、人魚姫はやりすぎた。あの時はついカッとなって書いた。反省している。」
人魚姫は「書きたいもの」だったのか「書くべきもの」だったのかと問われて。「乙女の恋心なんて書きたくもないけれど、教訓として記した“書くべきもの”なんだろう」という主人公の予想は性格破綻者の前に見事に外れた。
「そりゃあ愛だろうよ。より強く愛している方が、本当に“支配している”側と言える。
 これは全てに共通する結論だぞ。だからこそ世の中は馬鹿らしい! 結局はそんなものでひっくり返るのだからな!」
遠坂凛について尋ねた際に語る「どちらが奴隷かはものの見方次第で変わる」という言葉の具体的な答え。マスターであるキアラは「乱暴な意見」と言うが、彼女のやったことと動機を考えればあながち間違ってもいない。
「風呂上がりに裸になって散歩してみろ。あまりの清涼感に叫びそうになるぞ。
 ちなみに、俺も執筆に詰まるとよくやる。」
ラニ=Ⅷについて尋ねた際に語られる、彼の意外(?)な一面。そのあまりの奇行は「間違っても過度な仕事は押しつけない」とキアラに固く誓わせるほど。
「俺は人間嫌いだが、愛読者は大切にする。この状況で読書にいそしむバカモノには、相応しい見返りがなくてはな。」
マッチ売りの少女についてアンデルセンに尋ねると、マッチ売りの少女について語る代わりに自らの宝具を明かそうとする。それを咎めるキアラに対しての言葉。人間嫌いでひねくれていようと、読者に対して真摯である彼の人柄が窺える。
「世界を殺したいと思うほど、個人を強く愛している何者かがいる。
 おまえの敵はソレだ。くれぐれも、最後の道を見誤るなよ。」
「月の裏側では善悪に差異はない」と語り不干渉の姿勢を見せつつも、「世界の存亡を放っておけるほどろくでなしではない」と主人公に対し「本当の敵」についてのアドバイスを送る。自身のスタンスすら曲げて送ったこの言葉が指す「本当の敵」とは…
「これは魔法の裁縫だ。知恵なき者には宝石に、知恵ある者には無価値に映る。」
「白鳥のように飛び立て。この池は、おまえたちの住む場所ではない」
「カイの欠片よ、命に刺され!」
「ゲルダの涙よ、心を溶かせ!」
自身の著作になぞらえた能力の行使。それぞれ裸の王様、醜いあひるの子、雪の女王。
「お集まりの紳士諸賢、淑女の皆様。
 これよりアンデルセンが語りますは一人の女の物語。
 愛にあふれ、愛にくるい、あらゆる不道徳を歓喜のうちに迎え入れ、あまねく欲にまみれた女。
 女の名は殺生院キアラ。
 キアラを討つべく集いしは、正しき目を持つ我らが希望。
 善悪は定まらぬ者なれど、此度は明白、悪とは是れ殺生院、善とは是れ恋する若者かれら
 この物語がいかなる終演を迎えるか、どうぞ皆様、最後まで目をお離しなきように――!」
彼は語り手として物語を語る。一人の女の物語を。
「フン、誰の味方かだと? 決まっている。サーヴァントはマスターに味方するものだ。
 分かりきった事を訊くな。地獄の底まで共にする。
 それがサーヴァントというものだろう。」
誰の味方かと問われて。散々毒舌を吐いてはいたが、彼のキアラに対する忠誠心は本物だった…この文面だけ見るとそう思えるが、その直後のマスターとの会話の応酬や、後述のあるセリフ、そして決着時の主人公とのやり取り及び最期の言葉を見るに、普遍的な「忠誠心」とはまた異なる感情がこの言葉に込められていると言える。
「気をつけろ! 最低最悪の宝具が来るぞ!!」
キアラの宝具「この世、全ての欲(アンリマユ/CCC)」を評して。いかなる心境か、本来は敵対関係にある主人公達に対して助言している。そして、実際に宝具の内容が余りにアレだった為に多くのプレイヤーが彼の台詞に共感したとか。
「……フン。今のは悪かった。たしかに笑いごとじゃない。詫びの代金だ、答えてやろう。
 愛は求める心。そして恋は、夢見る心だ。」
「恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は、恋の前では無力になる。
 それがまっとうな男女の関係だ。死ぬ間際だが、それこそ心に刻んで反省しろ。」
恋とは何なのかを聞くキアラに対して「この世で最も猥らな女がこの世で最も初心だったとは」と笑い飛ばした後、真摯に答えを口にする。
また、この恋、愛、現実の三竦みは第七章冒頭の語りにも引用されている。
「だがおまえは、もはや人ではない。それ以外の化け物になりさがったのだろう?
 ならば、それも悪くはない。おまえが神であるのなら、愛してやるのも一興だ。」
人を愛さないロマンチストな作家の、愛の告白。恋を知らなかった故に暴走して堕ちる所まで堕ちてしまった女の人生に、最後の一文(ひかり)を添える。そして、その告白を受けた女の返答は…!?
「おまえたちはキアラを憎むがいい。あの女は本当に、心底からのド外道だ。赦される価値はない。
 だが―――どのような人間であれ、己の幸福のために人生をかけるのであれば、俺には尊い光に見える
 幻の様な取るに足らない小さな明かりでも―――温かい、最後の灯に、見えるのだ。
 これはそれだけの話だ、これはキアラの物語だったが、俺の読みたかった物語でもある。」
「ふん、かくして筆は折れ、物書きは忘れ去られる。何と清々しいことか!
 さらばだ、悩み多き少年少女! せいぜい、人に恋し、愛に迷い、生に苦しむがいい! 無駄に使える時間はないぞ!」
マスターを追う様に消えた物書きの、主人公に対する餞。様々な人を観て、神に成ろうとした女に仕えた作家の深い言葉だ。

Fate/Grand Order

戦闘

「締め切り3秒前と見たーッ!」
戦闘で大ダメージを負った際の台詞。もはやどうしようもない状況らしい。
キアラ「まぁ、お呼びですか」「全く違う!」
キアラ「はい、ここに」「せめて、シューズにしろ!」
アップデートで変更された戦闘モーションで、ごく稀にキアラが乱入してくる演出が追加。キアラさん、何をやっているんですか。
「いい時代だ。資料集めに事欠かん。」
アップデートで変更された宝具使用演出でのセリフ。ネット時代にいち早く対応しているのが伺える。

マイルーム

「これはこれは…波乱に満ちた演劇作家様が居るじゃないか。
 作品より自分の人生の方が劇的じゃないかと、そろそろ誰かに指摘されたか?」
マイルーム会話「ウィリアム・シェイクスピア」。同じ文系キャスターへのコメントも辛辣である。
「地獄? 仕事をしている時間に決まっているだろう、オニめ!」
「天国? 仕事が終わった瞬間に決まっているだろう、バカめ!」
マイルーム会話「嫌いなもの」「好きなもの」。訊かれた事には丁寧に答えてくれるが、このサーヴァント毎度一言多い。
「お誕生日おめでとう! さぁ、酒でも一つ奢ってくれ。」
マイルーム会話「誕生日」。子供のナリで酒を飲むつもりなのだろうか。そしてこちらが奢るのだろうか。
「聖杯だと? 誰もが幸福になる願いなど嘘っぱちだ。
 そんなものを煮るより、温かいシチューでも煮込んでくれ。」
マイルーム会話「聖杯について」。聖杯への願いが無いという、彼らしい憎まれ口交じりの一言。
「愛も恋も人の欠陥にして最大の特殊スキルだが……今回の話はどうも違うな。
 黒幕とやらは、さぞ愛のない獣に違いない。そのくせ、夢だけは人一倍だ。」
マイルーム会話「絆Lv3」。人理焼却という異常事態の中で彼は黒幕本質や真の目的に対してこう評した。

本編

「なに? 魔本の考察をする知能もないばかりか、敵か味方かの判断もできないのか?
 すごいな、極まった蛮族だ! あれか、頭にマッシュポテトでも詰まっているんだな、きっと!」
第四特異点『死界魔霧都市 ロンドン』にて、もったいぶってないで魔本の正体を早く教えろとせっつくモードレッドに対して。
「蛮族」「マッシュポテト」と最悪レベルの言葉をチョイスしての煽り。この後、ブチ切れたモードレッドは本当に斬りかかった。
「だが───読めたぞソロモン。貴様の正体、その特例の信実をな。」
同上、五人のサーヴァントをたった一人で薙ぎ払ったソロモン(ゲーティア)を見て。
世界三大童話作家の一人であるアンデルセンの観察眼は冠位のサーヴァントにさえ届いた――。
「ああ、とくと聞くがいい俗物め。時計塔の記述にはこうあった。」
「英霊召喚とは抑止力の召喚であり、抑止力とは人類存続を守るもの。
 彼等は七つの器を以て現界し、ただひとつ・・・・・の敵を討つ。
 敵とは何か? 決まっている。我ら霊長の世を阻む大災害!
 この星ではなく人間を、築き上げた文明を滅ぼす終わりの化身!
 其は文明より生まれ文明を喰らうもの───自業自得の死の要因アポトーシスに他ならない。
 そして、これを倒すために喚ばれるものこそ、あらゆる英霊の頂点に立つモノ。」
同上。ソロモンという存在の特異性について語る。かつて英雄王にしたように、その真実を暴いていく。
「挑発に乗るなモードレッド。格の問題じゃない。これは器、権限の問題だ。
 ヤツはただ単に、俺たちより一段階上の器を持って顕現した英霊にすぎない。」
「我らが個人に対する英霊へいきなら、アレは世界に対する英霊へいき───
 その属性の英霊たちの頂点に立つもの。即ち冠位グランドの器を持つサーヴァント───」
同上。人類史を滅ぼした魔神王と対面し、一歩も引かずにその正体を看破してみせた。
それは見破られた相手が褒め称え、その直後に自身を殺せしめたほど。

イベント

「だいたいニホンという設定がよくない。何かの間違いで頭のゆだった尼に出逢わんともかぎらん。」
「いっそどこかに宇宙規模の最低最悪の性悪でも現れればと───
 ───いや、失言だった。
 口にすれば、どうあれ可能性が出来るのが人の世だ。
 ……むう、退屈しのぎでドブ川の如き汚濁を見たがるなんぞ、魂にヤキでも回ったのか俺は。」
前者は『ぐだぐだ本能寺』で「竹中アンデルセン」として戦国時代の大阪に登場したときの一言。やはりというかキアラのことを苦手としてるのが見て取れる。
後者は『復刻:チョコレート・レディの空騒ぎー Valentine 2016ー拡大版』にて、チョコと交換する際のアンデルセンの不穏なフラグセリフ。
この複数回の前フリが災いし、ちょうどそこから数ヶ月後にその可能性は回収されてしまった。
「主観を交えない本は物語ではなく資料と言う。確かに資料であれば"間違い"は悪となるが、」
「これは可能性を、そうありたいと願い、努力した何者かの夢物語だ。」
「それを検閲するなど文化、ひいては人類の否定。男女の物語を卑語……失敬。」
「人間を庇護する女神であるのなら、この程度の毒は飲み干すべきではないかな?」
『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』より、キアラが表紙の一見、成人指定本のような同人誌『詠天流受法用心集』について苦言を呈するパールヴァティーへの返答。
どう見てもキアラの力が働いた表紙・内容なのだが、ちゃんと一般年齢向けに収まっている"悟り"の本であり、アンデルセンは「ふざけた持論」「阿呆すぎて面白い!」と真面目に読んでいる。
本の表紙には「『人魚姫』を読むキアラ」も描かれており、好きだった絵本の作者に読まれこのように評価された事は、作者冥利に尽きるのではないだろうか。ふふふ……ソワカソワカ。
「なにしろこんな機会、天国はおろか地獄を探してもまず有り得ん!」
「かのシェイクスピアの新作など、他の誰よりもまず俺が真っ先に読み―――」
『バレンタイン2019ボイス&レター・これくしょん!』3節より。普段はファンとは思えない態度だけど口が滑ってしまい本音が漏れた。
「俺たちがこれまでどれだけの数の批評家や批評家もどき、果ては素人になじられ嬲られ続けたと思う?」
「それこそ星の数より多い!誹謗中傷などむしろ飯の種だ、バカめ!」
「式部。おまえも作家なら分かるだろう。」
「物書きにとってモノローグの当て込みの一つや二つ、どうという事はないとな。」
「"――しかも、だ。この解説、東方の天才作家・紫式部の手によるものなのだろう"」
「"むしろ願ってもない光栄だ。男、いや作家冥利に尽きるというものである"」
「アンデルセンはひとり、"後でシェイクスピアに自慢してやろう"と笑うのであった。」
4節より。解説されたところで痛くもかゆくもないとまったく動じずに、謝り倒す紫式部に自ら内心を解説してみせるアンデルセン氏なのであった。

その他

「ん? なに? 白赤歌合戦? 見ていたぞ、実に見応えある映像だった。あの二人桜とパッションリップへの評価を改めねばなあ。
 いやあ、よくもまあ、あんな贅肉だらけの体でステージに立てるものだ。しかし、それはそれとして歌はよかったな、実にいい。
 俺はああいうなんだ、真っ正直なアイドルソングはムズムズするが、作品として需要があることは理解している。
 デザートだよデザート。甘い菓子なんだ、甘ければ甘いほどうまい。名前を覚えるほどではないが、CDを買ってヘビロテしてやらんこともない。よって両者共に100点。」
サウンドドラマCD『ルナティックステーション』より、BBが読み上げた桜とパッションリップの歌への感想。どこぞのワカメと違い「好みではない」と言いながらも真っ当に高評価を贈っている。

メモ

  • キャスタークラス3人目の文化人系英霊。本人が述べている通り、直接的な戦闘手段を一切持たない「最弱のサーヴァント」。その他の文化人系英霊も往々にしてそうなのだが、彼はその中でも飛び抜けて弱い。魔術師のクラスでありながら普遍的な魔術は使えず、保有スキルも戦闘では役に立たないものばかり。肝心要の宝具も「物語を書くことで対象を理想の姿へと昇華させる」という戦闘向きとはとても言えない代物。
    • 魔力ランクは評価規格外の「EX」。これは彼自身が魔術を扱えず、宝具も他人から供給される魔力によって成り立つことに由来すると思われる。
    • 自作の童話を引用したサポートは非常に優秀。さらに宝具の効果を最大限利用できれば一種の願望器並みの効力を発揮するので、使いようによっては最高のサーヴァントとも言える。あくまで「最大限利用できれば」の話ではあるが。
    • マトリクスでは「キアラは非戦を掲げているので戦闘能力の無いサーヴァントが召喚された」と解説されているが、聖者のモノクルで確認出来る彼のレベルは45とかなり高い。「アンデルセンのサポートを得たキアラ自身がエネミーを蹴散らしてレベルを上げさせた」と推察される。
  • 最終決戦でキアラへ強化補助を行うことから、同じ文化人英雄のウィリアム・シェイクスピアが持つ「エンチャント」を持つ可能性が挙げられていたが、結局保有していなかった。
    • スキル「アイテム作成」はあるので、それによって礼装を作成する形でのサポートは可能である。
  • Fate/EXTRA CCC』では各章開幕時、彼の語りから物語が開始される。その章の主役たる衛士を端的に表した詩文であると同時に、その語りはある一人の女性について述べたものでもある。
  • 言及こそされていたが、長らく保有者の居なかったスキル「高速詠唱」の初の保有者。ただし彼は魔術師ではないので、詠唱の速度ではなく原稿の進みが速くなる。
    • もっとも肝心のランクが「E」と相当低く、彼の執筆速度はかなり遅いらしい。その上基本的にやる気がないとのことで、スキルがちゃんと活用されているかは微妙なところ。
  • 読者の呪いが表れた「無辜の怪物」の影響は、肉体だけでなく彼の精神にまで及んでいる。
    • 彼曰く「バッドエンドを好む悪魔に浸食されている」とのこと。『Fate/Zero』の著者が患ったというバッドエンド症候群を思い起こさせる。
    • 確かにアンデルセンが執筆した物語には「主人公の死」などを始めとした救われない結末のものも多く、特に初期の作品にはその傾向が強かった。しかし幸福な結末のものや滑稽な物語も多く、作中で登場した物語では「裸の王様」は愚かな人々の滑稽さを描いたもので、「醜いあひるの子」は苦難の果てに主人公が皆に認められる物語である。そして「雪の女王」では数々の冒険の末、少女と少年の「愛」によって救われるハッピーエンドとなっている。
    • ちなみに「雪の女王」の書き出しは以下の通りである。
      「さあ、きいていらっしゃい。はじめますよ。このお話をおしまいまできくと、だんだんなにかがはっきりしてきて、つまり、それがわるい魔法使いのお話であったことがわかるのです。この魔法使いというのは、なかまでもいちばんいけないやつで、それこそまがいなしの『悪魔』でした。」
      解釈次第では『Fate/EXTRA CCC』の物語にも即した部分があるとも捉えられる。
  • 彼を演じた子安武人氏はTYPE-MOON作品への参加はこれで2度目。
    • 子安氏は『Fate/Prototype』でサンクレイド・ファーン役を演じているが、サンクレイドは設定も人物像も何もかもが彼と異なっていて、何より子安氏の怪演によって同一人物が演じたとは思えないほど印象が異なる。
    • CVが子安氏だと判明したときは、二枚目風低音ボイスの子安氏が少年役を担当することに驚きの声が挙がった。実際キャラクターの見た目と声のギャップは凄まじいものだったが、作中の名演ぶりを見たプレイヤーの多くからハマり役と評価されている。
  • Aランクに相当する「人間観察」スキルは伊達ではなく、英雄王にも「話はつまらんが、人を見る目は一流」と評されたその批評は的確の一言。主人公のサーヴァントについて語ったときには、真名を含めたその英霊の人物像を見事に捉えている(ただし批評において真名をはっきり口にすることはなく、匂わせる程度に止めている)。
    • 聖杯戦争において、敵対するサーヴァントの真名を看破することは戦いを有利に進めていく上でかなり重要となるのだが、上記の例を見る限り彼はそれを容易に見抜くことができるものと推測できる。自身に戦闘能力が皆無であることを除けば、中々優秀なサーヴァントではないだろうか。
    • 英雄王ですら見切れなかったキアラの真の本質を見抜いた唯一の人物でもある。但し、それは主人公が最終決戦後にある行動を取った時のみ、彼の口から語られるのを見付ける事が出来る程度となる。
  • 彼との雑談で出た話によると、現在では「薄い本同人誌」も書いているらしい。コハエースでも「世界一暑いイベントコミックマーケット」のため忙しいと洩らしている。『Fate/Grand Order』の期間限定イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』においてはシェイクスピアと共に文学系サークル「童話が大人」として同人誌即売会「サバ☆フェス」に参加している。
  • コハエース欄外での名前は「AMENじゃない方」(漫画『HELLSING』に登場する神父「アレクサンド・アンデルセン」が元ネタ)。

話題まとめ

使い勝手のいい作家サーヴァント
『CCC』では自他ともに「最弱のサーヴァント」と認めていたが『Grand Order』ではサービス当初から異彩を放ち続ける「最弱とは何だったのか」と言いたくなるほどに強力なサポート特化型サーヴァント。
『Grand Order』はHP回復手段が限られている部類に入るゲームなのだが、アンデルセンは味方全体への持続回復効果+確率でさらに攻撃・防御力の強化を重ね掛けする宝具を所有しており、スキル「高速詠唱」と三枚のArtsカードによる頭抜けて優秀なNP効率によって短いスパンでの宝具の連射も可能。
更にスターを持続供給するスキル「無辜の怪物」と味方全員のクリティカル威力を大幅に引き上げるスキル「人間観察」も合わさることにより、パーティー全体の火力増強と耐久補助を彼一人で担いうる。
レア度☆2故に伸び切らないHPと、キャスターの中でも相当な低火力という弱点こそ抱えているが、そんな欠点を物ともしない程の強烈な宝具が光る一騎。
サービス開始からしばらくはジャンヌとアンデルセンを組み合わせた耐久特化型パーティー「ジャンデルセン」が流行していた。
また、2017年5月に実装された月世界のマスターの同一存在についてだが、戦略的には彼女の欠点をアンデルセンのスキルにより的確に補えるほどの良相性を誇っている。
後にレベル限界突破が可能となる「聖杯転臨」システムが実装されステータスの底上げが可能になったほか、「無辜の怪物」がデメリット消去・スター獲得値の上昇・NP増加が追加される「人魚姫の愛」強化クエストまで追加。特にスキル強化の前後でクリティカル運用に全面的に貢献する保有スキルの有用性も認識が広まり、レアリティ詐欺ぶりに拍車がかかっている。

脚注

注釈

  1. 1.0 1.1 1.2 [Lv.1~]
  2. 3ターン
  3. オーバーチャージで効果UP

出典


リンク