Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

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Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
著者 桜井光
イラスト 中原
掲載誌 コンプティーク
連載期間 2013年8月号 - 2016年10月号
単行本 全五巻
既刊三巻(角川文庫版)
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Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ Drama CD & Original Soundtrack
著者 桜井光
イラスト 中原
単行本 全五巻
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Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ(漫画版)
原作 TYPE-MOON
作画 鈴木ツタ
掲載誌 TYPE-MOONコミックエース(web連載)
連載期間 2023年7月26日 -
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概要[編集 | ソースを編集]

全能な少女の駆る聖杯戦争が悲劇を生んだ――

Fate/Prototype』の外伝小説。
小説は元ライアーソフトのシナリオライターで現在小説家の桜井光氏が、絵は『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』でイラストに携わった中原氏が担当する。

本文・イラスト共にフルカラーで収録された単行本が発売中。

Fate/stay night』で言うところの『Fate/Zero』にあたる作品で、『Prototype』の前日譚の物語。全五部構成であり、東京で行われた八年前の聖杯戦争を『Prototype』の黒幕である沙条愛歌を中心としながら複数の人物の視点で断片的に描く。
第一部『Little Lady』では愛歌とセイバーの出会い、過ごした穏やかな日々、そして聖杯戦争での暗躍が描かれる。
第二部『Best Friend』では玲瓏館美沙夜を主人公として、美沙夜の側から見る『Prototype』本編と、幼い頃の彼女の視点で見る八年前の聖杯戦争が描かれる。
第三部『Beautiful Mind』ではライダー陣営とバーサーカー陣営を主人公格とし、マスターとそのサーヴァントの物語がオムニバス形式で描かれる。
その後は一旦休止し、愛歌を主人公とした別ストーリー『Fate/Labyrinth』を連載。
第四部『Dear My Hero』ではアーチャー陣営とランサー陣営を主人公格とし、マスターとそのサーヴァントの物語がオムニバス形式で描かれる。
第五部『Knight of Fate』では主にセイバー視点から、聖杯戦争がほぼ完結しかかった状態でセイバー自身の願いに決着をつける物語がオムニバス形式で描かれる。

ドラマCDでは原作では断片の集まりであった「1991年の物語」を時系列順に再構成し、一部シーン追加等も行っている。

登場人物[編集 | ソースを編集]

メインキャラクター[編集 | ソースを編集]

沙条愛歌
主人公。沙条家の娘でセイバーのマスター。マスター階梯第一位。
綾香には一緒にご飯を作ったりする何でも出来て優しいおねぇちゃん、セイバーには頑張りが空回りしがちな恋する乙女の顔を見せ、一見すると穏やかな日常が描かれる。
だが……
セイバー
愛歌のサーヴァント。サーヴァント階位第一位。
昼は兄妹のように仲の良い主従として過ごし、夜は最強のマスターを据えた最優のサーヴァントとして剣を振るう。
聖杯戦争の開始前から愛歌の危うさに気づき、彼女が道を誤らないように誠意をこめて接するが……。
沙条綾香
愛歌の妹。
幼い頃から、姉の優秀さとそれを鼻にかけず優しく接してくれることに憧憬の念と引け目を感じていた。
だがある時を境に、姉に対して得体のしれないものを感じるようになっていく。

八年前の聖杯戦争参加者・関係者[編集 | ソースを編集]

沙条広樹
愛歌・綾香の父。沙条家の当主。
魔術の才に愛された娘・愛歌をマスターに立て、聖杯戦争に臨むが、次第に愛歌の底知れない能力と予想外の行動に困惑と恐怖を覚え始めている。
ナイジェル・セイワード
ランサーのマスター。マスター階梯第二位。
「心理の支配者」の異名と典位を持つ、封印指定一歩手前の魔術師。人間の感情を操作する霊薬の作成に長ける。
魔術師としての能力に対してあまりにも独自性が強いため封印指定になりかけるが、その期限を少しでも先延ばしにする為に聖杯戦争に参加する。
ランサー
ナイジェルのサーヴァント。サーヴァント階位第四位。
巨大な槍を得物とする女戦士。
仁賀征爾
アサシンを召喚した魔術師。マスター階梯はおそらく第六位。年齢は二十代。魔術系統は錬金術。
極東では比較的古い、数百年の歴史を持つ魔術師の家系の出身。それなりの名門ではあるが、魔術世界の本場ロンドンの時計塔などに比べれば大きく見劣りする程度のレベルでしかない。
根源探求から遠い自分の立場に常に焦りと渇望を抱いており、聖杯戦争のマスターとして選定されたことには歓喜していた。しかし、戦いに参加することもなく、召喚直後に自身の呼び出したアサシンの宝具によって死亡した。
アサシン
仁賀征爾に召喚されたサーヴァント。サーヴァント階位第七位。
髑髏の仮面を付けた少女。召喚直後にマスターであった仁賀征爾を殺し、はぐれサーヴァントとなったが……。
玲瓏館惟慧
キャスターのマスター。マスター階梯は第三位・座天使。優秀な魔術師にして、政界・財界にも強い影響力を持つ玲瓏館家の当主。
キャスターを召喚し、自邸を強固な魔術神殿と成して聖杯戦争に臨むが、後学のためにと跡継ぎである愛娘を手元に置き続けたことが仇となる。
キャスター
玲瓏館のサーヴァント。サーヴァント階位第六位。
女性と見紛う容姿をした魔術師の青年。強固な陣地を形成し、他のサーヴァントの侵入を阻んでいる。
玲瓏館美沙夜
玲瓏館家の娘。
現在の視点では『Prototype』本編で詳しい事が分からなかった彼女の内面が描かれる。過去の視点では10歳の幼い彼女が登場し、「早く大人になりたい」と背伸びしたり父を「最も優れた魔術師」として慕うなど子供らしい、現代では絶対に見ることが出来ない微笑ましい光景を垣間見ることが出来る。
エルザ・西条
アーチャーのマスター。マスター階梯第五位。ドイツ人と日本人のハーフで、ドイツにある零落しかかった魔術師一族の出身。
かつて我が子を亡くしており、その悲しみを無くす為の願いを胸に聖杯戦争に参加する。
アーチャー
エルザのサーヴァント。サーヴァント階位第三位。
遥か東方の大英雄。 セイバー曰く「トリスタン卿にも並ぶ使い手」。
來野巽
バーサーカーのマスター。マスター階梯第七位。魔術の存在も知らないごくごく平凡な高校二年生。
バーサーカー
巽のサーヴァント。サーヴァント階位第二位。
整った顔立ちで落ち着いた風貌の青年。あるいは月に吠える狂獣。
來野環
巽の妹。消息を絶った巽を探すため、はるばる上京してくる。
伊勢三玄莉
ライダーのマスター。マスター階梯第四位。数多くの魔術師を束ねる一族の長で、東京西部の山岳地帯にて強固な結界や死の罠を何重にも張り巡らせた完璧な魔術工房を造り上げ、そこを拠点とした籠城戦を目論む。
ライダー
伊勢三のサーヴァント。サーヴァント階位第五位。
日輪の如き輝きと灼熱の光を放つ、「王の中の王」。
伊勢三杏路
八年後の聖杯戦争におけるライダーのマスター。過去章の時点では伊勢三一族の築いた工房の中で医療機器に繋がれ生かされている幼子であるが、その幼さ、己の身を蝕む苦痛にもかかわらず自分以外のすべての人間の幸福をのみ願う高潔な精神で、もともとはこの聖杯戦争への参加に乗り気でなかった傲岸なるファラオを感嘆させ、彼の中の無二の友の記憶を想起させる。
のちに工房への襲撃を行い一族を全滅させた愛歌に全くの好奇心からビーストを体内に埋め込まれ、呪いに内側から喰らいつくされた凄惨な状態で発見される。

サーヴァントの生前の関係者[編集 | ソースを編集]

モーセ
ライダーの生前の友人、義兄弟。星の光によって葦の海を割りイスラエルへと旅だった聖者にして預言者。
ネフェルタリ
ライダーの生前の妻。最愛の女性。
シグルド
ランサーの生前の恋人。
マーリン (フラグメンツ)
セイバーに生前仕えた女魔術師。
ルキウス・ヒベリウス
セイバーが生前戦ったローマ皇帝。
モードレッド (フラグメンツ)
セイバーの生前の息子であり、円卓の騎士としての部下。

現代の聖杯戦争参加者[編集 | ソースを編集]

ランサー
現代編に登場。『Prototype』における美沙夜のサーヴァント。
ライダー
現代編に登場。「伊勢三」という偽名で綾香の学校に溶け込んでいる。
アーチャー
現代編に登場。都心を闊歩し、ランサーと出会う。
サンクレイド・ファーン
現代編に登場。綾香を騙し討ちした際の一幕が描かれる。

その他[編集 | ソースを編集]

芳守鈴埜
アサシンと愛歌に囚われ、彼女達の目的の為に犠牲にされかかった一般人。

メモ[編集 | ソースを編集]

  • 冬木市トゥリファスなど架空の土地が舞台になる他のFateシリーズと異なり、東京が舞台ということで現実の土地名が数多く出てきている。
  • 『Prototype』終盤ではビーストと共に、この時召喚されたセイバー以外のサーヴァントが愛歌の手駒として登場することになっている。
  • 最優の名に恥じないセイバー、弓を使うアーチャー、正統派の魔術師であり自分の目的のためなら裏切りも辞さないキャスター、敵マスターを仕留める山の翁たるアサシン、狂化で低い能力を補うバーサーカー、とクラスの常道通りのサーヴァントが揃っている。
    エクストラクラスや例外的な召喚もないため、シリーズ10年目にようやくオーソドックスな布陣の聖杯戦争となった。
  • 『Prototype』におけるライダーの「サーヴァントとしては例外的に生前悲劇的な死を遂げていない」という設定を踏まえ、今作の登場サーヴァントには悲劇的な死を遂げている(と物語上解釈できる)英霊を可能な限り選定している。
  • 桜井光氏の作品タイトルは大半が「色を含む漢字+カタカナ語」となっており、「蒼銀のフラグメンツ」もそのルールに則ったタイトルになっている。
  • 第三部連載終了から第四部連載開始までの数ヶ月に間が空いたのはアーチャーランサーのビジュアルを『Fate/Grand Order』で公開する予定になっていたため。その期間を埋めるための作品として『Fate/Labyrinth』が生まれた。

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]


出典[編集 | ソースを編集]


リンク[編集 | ソースを編集]