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:その後、ブリテン異聞帯でカルデア式の召喚システムを利用して汎人類史の[[モルガン]]を召喚しその場は一旦後回しにして眠りにつくが、その間にモルガンは「自分の<ruby><rb>国</rb><rt>ブリテン</rt></ruby>を創る」という我欲を優先し、独自にレイシフトを解析・模倣してカルデアを含めた汎人類史の情報を<ruby><rb>異聞帯の自分</rb><rt>楽園の妖精</rt></ruby>宛に送信。その結果[[空想樹]]を使ってブリテン異聞帯を一から全く違う世界に作り変えてしまい、ベリルが目を覚ますと辺りは様変わりして豪華な王城のベッドに寝ていたばかりか、外ではたったの一晩で国と文明が出来上がっていた上に空想樹は枯死、サーヴァントとして召喚したはずのモルガンは『[[異聞帯の王]]』に取って代わられ、さらに今の自分は空想樹がある世界≒滅んだブリテン異聞帯を知る者という矛盾を抹消すべく存在を一旦消されて生み出された瓜二つのクローン≒実質上二度目の死を迎えているという斜め上の事実<ref group="注">この時点で『序』における定例会議でベリルが言っていたブリテン異聞帯に関する現状は全て嘘であったことが分かる。</ref>を尽く突きつけられるも、元から刹那主義な上に『[[マシュ・キリエライト|執着する人物]]を手に入れる』事以外どうでもよかったベリルはそれ等を意に介さず、異聞帯の運営は彼処のモルガンに一任して自分は自分で独自の策を練り始める。 | :その後、ブリテン異聞帯でカルデア式の召喚システムを利用して汎人類史の[[モルガン]]を召喚しその場は一旦後回しにして眠りにつくが、その間にモルガンは「自分の<ruby><rb>国</rb><rt>ブリテン</rt></ruby>を創る」という我欲を優先し、独自にレイシフトを解析・模倣してカルデアを含めた汎人類史の情報を<ruby><rb>異聞帯の自分</rb><rt>楽園の妖精</rt></ruby>宛に送信。その結果[[空想樹]]を使ってブリテン異聞帯を一から全く違う世界に作り変えてしまい、ベリルが目を覚ますと辺りは様変わりして豪華な王城のベッドに寝ていたばかりか、外ではたったの一晩で国と文明が出来上がっていた上に空想樹は枯死、サーヴァントとして召喚したはずのモルガンは『[[異聞帯の王]]』に取って代わられ、さらに今の自分は空想樹がある世界≒滅んだブリテン異聞帯を知る者という矛盾を抹消すべく存在を一旦消されて生み出された瓜二つのクローン≒実質上二度目の死を迎えているという斜め上の事実<ref group="注">この時点で『序』における定例会議でベリルが言っていたブリテン異聞帯に関する現状は全て嘘であったことが分かる。</ref>を尽く突きつけられるも、元から刹那主義な上に『[[マシュ・キリエライト|執着する人物]]を手に入れる』事以外どうでもよかったベリルはそれ等を意に介さず、異聞帯の運営は彼処のモルガンに一任して自分は自分で独自の策を練り始める。 | ||
:そして表面上は空想樹を伐採した事により、担当異聞帯を追われて逃げ込んで来たという名目の下滞在していたギリシャ異聞帯で、ブリテン異聞帯の空想樹「セイファート」を燃やし天幕を介してこの異聞帯の空想樹「マゼラン」へ延焼させることでオリュンポスの破壊に成功。そこで終わるはずだった所へ偶然からキリシュタリアが『異星の神』に協力した真の目的たる「自分以外の人間を、寿命までの絶対の生存が確立した『神に近しい』存在に昇格させる」計画の全貌を知ると、殺人を至高の楽しみかつ目的とするベリルにとって到底それは『つまらない』かつ『気に食わない』事案であったため、[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]に自分目掛けて “ロンゴミニアドを模倣した魔術” をワザと落とさせて隙を作り彼に致命傷を負わせ、間に入った[[グレゴリー・ラスプーチン|ラスプーチン]]とカルデア一行に今この地球上で最強の存在は自身の異聞帯の王であると宣言した後[[タマモヴィッチ・コヤンスカヤ|コヤンスカヤ]]の転移契約を使ってブリテン異聞帯へ逃走する。 | :そして表面上は空想樹を伐採した事により、担当異聞帯を追われて逃げ込んで来たという名目の下滞在していたギリシャ異聞帯で、ブリテン異聞帯の空想樹「セイファート」を燃やし天幕を介してこの異聞帯の空想樹「マゼラン」へ延焼させることでオリュンポスの破壊に成功。そこで終わるはずだった所へ偶然からキリシュタリアが『異星の神』に協力した真の目的たる「自分以外の人間を、寿命までの絶対の生存が確立した『神に近しい』存在に昇格させる」計画の全貌を知ると、殺人を至高の楽しみかつ目的とするベリルにとって到底それは『つまらない』かつ『気に食わない』事案であったため、[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]に自分目掛けて “ロンゴミニアドを模倣した魔術” をワザと落とさせて隙を作り彼に致命傷を負わせ、間に入った[[グレゴリー・ラスプーチン|ラスプーチン]]とカルデア一行に今この地球上で最強の存在は自身の異聞帯の王であると宣言した後[[タマモヴィッチ・コヤンスカヤ|コヤンスカヤ]]の転移契約を使ってブリテン異聞帯へ逃走する。 | ||
− | :続くブリテン異聞帯前編では、機が熟すまでの半年の間『暇つぶし』として汎人類史の話を聞かせた事で懐かれた[[妖精騎士トリスタン]] | + | :続くブリテン異聞帯前編では、機が熟すまでの半年の間『暇つぶし』として汎人類史の話を聞かせた事で懐かれた[[妖精騎士トリスタン]]と共にニュー・ダーリントンで殺戮ショーを開いたり、地下で人間を贄にしたモース毒の改良と研究実験に勤しみ、ギリシャ異聞帯で事を済ませて戻るとカルデア一行、強いてはマシュを手に入れる為の一番の邪魔者である[[主人公 (Grand Order)|主人公]]を謀殺すべく待ち受ける。<br>そして上陸した土地の影響で記憶を無くしたマシュが「予言の子」としてシェフィールドへ連れて行かれた事を彼女を売った商人仲間のウィンキーから聞き出すと、モルガンの命令を受けた妖精騎士トリスタンに付き添う形でシェフィールド侵攻に同行。そこでマシュを「花嫁」として召し上げていたシェフィールドの領主[[ボガード]]に妖精騎士トリスタンをけしかけて嬲りものにした後マシュを連れて行こうとするが、[[ハベトロット]]の警戒に加えて当人からも記憶を失っているとはいえ、本能的に危険人物だと勘づかれた事と、[[ギャラハッド]]の能力が戻っている上に普段よりも倍以上の強さとなっている所為で到底敵わないと確信していた故に瀕死のボガードの身柄<ref group="注">この時異聞帯のモルガンのマスターは自分だという『秘密』を打ち明けているが、当然嘘っぱちである。</ref>を引き換えに見逃してもらい、ひとまず先に彼が勝手に使用していたブラックバレルを回収しようと思ったが、何故か見当たらなかった為にその場は断念して立ち去る。 |
− | :後編ではモルガンの招待によってキャメロットに呼ばれた一行の前にマスターとして姿を現し、交渉が決裂すると同時に臨戦態勢に入るも彼女に強制的に押さえつけられてしまい直接手にかける事は叶わなかったが、ロンディニウム防衛戦では彼処に[[スカンジナビア・ペペロンチーノ|ペペロンチーノ]]が居たことから急遽本拠地への襲撃を取りやめ、代わりに妖精騎士トリスタンを利用する形で[[パーシヴァル]]に敗走した[[ウッドワス]]に呪術を仕掛けて魔力の要素<ref group="注">この『要素』がなにか詳しい描写はないが、前半CMでベリルの口端から血が流れている事から恐らく'''心臓'''。</ref>を奪い、それを喰らう事で霊基を取り込み、マシュへの対抗力を手に入れる。<br>その後は[[ムリアン]]が主催するグロスターの舞踏会にモルガンの名代で妖精騎士トリスタンと共に現れ、鐘を探してオークション会場に誘導された主人公と[[アルトリア・キャスター]]に対峙し戦闘となる<ref group = "注">この戦闘でベリルは強化魔術しか使用せず、令呪はおろか「大令呪」も発動される気配がないまま終わる。</ref>が敗北し、同時に「妖精騎士トリスタン」の着名が剥がれ真名のバーヴァン・シーに戻ってしまった事で焦燥していた彼女が『<ruby><rb>失意の庭</rb><rt>ロストウィル</rt></ruby> | + | :後編ではモルガンの招待によってキャメロットに呼ばれた一行の前にマスターとして姿を現し、交渉が決裂すると同時に臨戦態勢に入るも彼女に強制的に押さえつけられてしまい直接手にかける事は叶わなかったが、ロンディニウム防衛戦では彼処に[[スカンジナビア・ペペロンチーノ|ペペロンチーノ]]が居たことから急遽本拠地への襲撃を取りやめ、代わりに妖精騎士トリスタンを利用する形で[[パーシヴァル]]に敗走した[[ウッドワス]]に呪術を仕掛けて魔力の要素<ref group="注">この『要素』がなにか詳しい描写はないが、前半CMでベリルの口端から血が流れている事から恐らく'''心臓'''。</ref>を奪い、それを喰らう事で霊基を取り込み、マシュへの対抗力を手に入れる。<br>その後は[[ムリアン]]が主催するグロスターの舞踏会にモルガンの名代で妖精騎士トリスタンと共に現れ、鐘を探してオークション会場に誘導された主人公と[[アルトリア・キャスター]]に対峙し戦闘となる<ref group = "注">この戦闘でベリルは強化魔術しか使用せず、令呪はおろか「大令呪」も発動される気配がないまま終わる。</ref>が敗北し、同時に「妖精騎士トリスタン」の着名が剥がれ真名のバーヴァン・シーに戻ってしまった事で焦燥していた彼女が『<ruby><rb>失意の庭</rb><rt>ロストウィル</rt></ruby>』を持ち出してエディンバラ帰りの一行に向けて発動し主人公とアルトリアを閉じ込めると、先の魔術の副作用で手足が腐食し動けなくなっていたバーヴァン・シーはそのまま自室に捨て置き、『庭』の方はニュー・ダーリントンの地下聖堂へ置きに行くも程なくして脱出<ref group="注">アルトリアは礼装の性質を見抜くとすぐさま魔術によるプロテクターをかけて回避、一度は呑み込まれて自己喪失しかけた主人公も[[ロマニ・アーキマン|恩師であり先導者]]の言葉を思い出し自力で抜け出た。</ref>され、迎えに来たペペロンチーノとマシュに合流した所へモース実験の過程で創り出した500体ものモース人間<ref group="注">早い話がその実態は生きたままモース毒を大量に感染させられた'''無辜の人間'''達で、そこには手っ取り早い邪魔者の排除の他、なんの抵抗もしない一般人を手にかけされる事で自責の念を与え、主人公とマシュを精神的に追い詰めさせる魂胆もあった。</ref>をけしかけると同時に地下聖堂を爆破して証拠隠滅を図るが、何故か2人の表情には一点の曇りもなかったため、今度は取り込んでいたウッドワスの能力を使って主人公達の直接排除にかかる。だが、一連の企みを見抜いていたペペロンチーノが先回りして呪いを全て自身に転移しており、さらに真っ先に攻撃される事も読んで呪詛返しを行った結果モース毒を自分が被る羽目になってしまい、そこをマシュに突かれて一先ずは逃亡する。 |
− | : | + | :終編では妖精國ブリテン中に『大厄災』が蔓延し、その一つたる[[妖精騎士ガウェイン]]ことバーゲストが変貌した「獣の厄災」をマシュが[[ガウェイン|円卓の]][[ランスロット〔セイバー〕|騎士]]の協力で打ち倒し、一息ついていたタイミングで襲いかかるも、ペペロンチーノの忠告を思い出した主人公が駆けつけて庇った事でまたもや阻まれる<ref group="注">この時点でベリルの身体はモース毒によって腐臭が漂い、手足が腐敗し崩れ落ちてはまた再生するを繰り返し立っているのもやっとであった。</ref>。そして最後の戦闘によってウッドワスの霊基も崩れ、元の姿に戻ってもマシュを諦めることが出来なかったベリルは意識が朦朧としながらも彼女を求めるが、「'''(例えその思いがどんなに本物であったとしても)'''そんな愛など自分には分からないし、誰にも理解されないでしょう」という毅然とした拒絶の言葉を受け、満足気に笑いながら死亡した。 |
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:一見すると魔術師というよりはギャングの一員のような伊達男であり、飄々とした兄貴分という人物である。 | :一見すると魔術師というよりはギャングの一員のような伊達男であり、飄々とした兄貴分という人物である。 |
2022年7月29日 (金) 12:24時点における版
ベリル・ガット | |
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外国語表記 | Beryl Gut[出 1] |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 75kg |
特技 | ウィッチクラフト、服飾、ガーデニング |
好きな物 | かわいそうなヤツ、おもしろいヤツ |
苦手な物 | たのしそうなヤツ、つまらないヤツ |
声優 | 石谷春貴 |
デザイン | 佐々木少年[1] |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するイングランド出身の魔術師。Aチーム、後のクリプターの一人。
- 略歴
- Aチームメンバーとしてカルデアから選抜されたが、レフの妨害工作により瀕死の重傷を負い、コフィンで凍結保存されてしまった。
- 復活後はキリシュタリアから自身が担当するブリテン異聞帯の危険性をあらかじめ聞かされており、『異星の神』の目論みを潰すため該当箇所を自滅させるよう頼まれる。
- その後、ブリテン異聞帯でカルデア式の召喚システムを利用して汎人類史のモルガンを召喚しその場は一旦後回しにして眠りにつくが、その間にモルガンは「自分の
国 を創る」という我欲を優先し、独自にレイシフトを解析・模倣してカルデアを含めた汎人類史の情報を異聞帯の自分 宛に送信。その結果空想樹を使ってブリテン異聞帯を一から全く違う世界に作り変えてしまい、ベリルが目を覚ますと辺りは様変わりして豪華な王城のベッドに寝ていたばかりか、外ではたったの一晩で国と文明が出来上がっていた上に空想樹は枯死、サーヴァントとして召喚したはずのモルガンは『異聞帯の王』に取って代わられ、さらに今の自分は空想樹がある世界≒滅んだブリテン異聞帯を知る者という矛盾を抹消すべく存在を一旦消されて生み出された瓜二つのクローン≒実質上二度目の死を迎えているという斜め上の事実[注 1]を尽く突きつけられるも、元から刹那主義な上に『執着する人物を手に入れる』事以外どうでもよかったベリルはそれ等を意に介さず、異聞帯の運営は彼処のモルガンに一任して自分は自分で独自の策を練り始める。 - そして表面上は空想樹を伐採した事により、担当異聞帯を追われて逃げ込んで来たという名目の下滞在していたギリシャ異聞帯で、ブリテン異聞帯の空想樹「セイファート」を燃やし天幕を介してこの異聞帯の空想樹「マゼラン」へ延焼させることでオリュンポスの破壊に成功。そこで終わるはずだった所へ偶然からキリシュタリアが『異星の神』に協力した真の目的たる「自分以外の人間を、寿命までの絶対の生存が確立した『神に近しい』存在に昇格させる」計画の全貌を知ると、殺人を至高の楽しみかつ目的とするベリルにとって到底それは『つまらない』かつ『気に食わない』事案であったため、モルガンに自分目掛けて “ロンゴミニアドを模倣した魔術” をワザと落とさせて隙を作り彼に致命傷を負わせ、間に入ったラスプーチンとカルデア一行に今この地球上で最強の存在は自身の異聞帯の王であると宣言した後コヤンスカヤの転移契約を使ってブリテン異聞帯へ逃走する。
- 続くブリテン異聞帯前編では、機が熟すまでの半年の間『暇つぶし』として汎人類史の話を聞かせた事で懐かれた妖精騎士トリスタンと共にニュー・ダーリントンで殺戮ショーを開いたり、地下で人間を贄にしたモース毒の改良と研究実験に勤しみ、ギリシャ異聞帯で事を済ませて戻るとカルデア一行、強いてはマシュを手に入れる為の一番の邪魔者である主人公を謀殺すべく待ち受ける。
そして上陸した土地の影響で記憶を無くしたマシュが「予言の子」としてシェフィールドへ連れて行かれた事を彼女を売った商人仲間のウィンキーから聞き出すと、モルガンの命令を受けた妖精騎士トリスタンに付き添う形でシェフィールド侵攻に同行。そこでマシュを「花嫁」として召し上げていたシェフィールドの領主ボガードに妖精騎士トリスタンをけしかけて嬲りものにした後マシュを連れて行こうとするが、ハベトロットの警戒に加えて当人からも記憶を失っているとはいえ、本能的に危険人物だと勘づかれた事と、ギャラハッドの能力が戻っている上に普段よりも倍以上の強さとなっている所為で到底敵わないと確信していた故に瀕死のボガードの身柄[注 2]を引き換えに見逃してもらい、ひとまず先に彼が勝手に使用していたブラックバレルを回収しようと思ったが、何故か見当たらなかった為にその場は断念して立ち去る。 - 後編ではモルガンの招待によってキャメロットに呼ばれた一行の前にマスターとして姿を現し、交渉が決裂すると同時に臨戦態勢に入るも彼女に強制的に押さえつけられてしまい直接手にかける事は叶わなかったが、ロンディニウム防衛戦では彼処にペペロンチーノが居たことから急遽本拠地への襲撃を取りやめ、代わりに妖精騎士トリスタンを利用する形でパーシヴァルに敗走したウッドワスに呪術を仕掛けて魔力の要素[注 3]を奪い、それを喰らう事で霊基を取り込み、マシュへの対抗力を手に入れる。
その後はムリアンが主催するグロスターの舞踏会にモルガンの名代で妖精騎士トリスタンと共に現れ、鐘を探してオークション会場に誘導された主人公とアルトリア・キャスターに対峙し戦闘となる[注 4]が敗北し、同時に「妖精騎士トリスタン」の着名が剥がれ真名のバーヴァン・シーに戻ってしまった事で焦燥していた彼女が『失意の庭 』を持ち出してエディンバラ帰りの一行に向けて発動し主人公とアルトリアを閉じ込めると、先の魔術の副作用で手足が腐食し動けなくなっていたバーヴァン・シーはそのまま自室に捨て置き、『庭』の方はニュー・ダーリントンの地下聖堂へ置きに行くも程なくして脱出[注 5]され、迎えに来たペペロンチーノとマシュに合流した所へモース実験の過程で創り出した500体ものモース人間[注 6]をけしかけると同時に地下聖堂を爆破して証拠隠滅を図るが、何故か2人の表情には一点の曇りもなかったため、今度は取り込んでいたウッドワスの能力を使って主人公達の直接排除にかかる。だが、一連の企みを見抜いていたペペロンチーノが先回りして呪いを全て自身に転移しており、さらに真っ先に攻撃される事も読んで呪詛返しを行った結果モース毒を自分が被る羽目になってしまい、そこをマシュに突かれて一先ずは逃亡する。 - 終編では妖精國ブリテン中に『大厄災』が蔓延し、その一つたる妖精騎士ガウェインことバーゲストが変貌した「獣の厄災」をマシュが円卓の騎士の協力で打ち倒し、一息ついていたタイミングで襲いかかるも、ペペロンチーノの忠告を思い出した主人公が駆けつけて庇った事でまたもや阻まれる[注 7]。そして最後の戦闘によってウッドワスの霊基も崩れ、元の姿に戻ってもマシュを諦めることが出来なかったベリルは意識が朦朧としながらも彼女を求めるが、「(例えその思いがどんなに本物であったとしても)そんな愛など自分には分からないし、誰にも理解されないでしょう」という毅然とした拒絶の言葉を受け、満足気に笑いながら死亡した。
- 人物
- 一見すると魔術師というよりはギャングの一員のような伊達男であり、飄々とした兄貴分という人物である。
- 自分に兄弟がいないこともあってかカドックに対して気にかけたり、オフェリアはおろかリーダーであるキリシュタリアに対してもフランクな態度を取っている[出 2]。
- だが「殺すも奪うも生きてこその喜び」と凶悪な形相で語っている[出 2]ように、その実態は快楽を目的とした殺人者であり、時計塔からも「狼男」と蔑まれた殺し屋という素性を持つ[出 3]。
- 一方でキリシュタリアからは「自分を騙すのが得意で、イヤな仕事ほど真摯にやり遂げようとする」とも評されている[出 3]が、これは退屈が嫌いでその場が一番面白ければ良いという刹那主義に基づく行動であり、その為なら平気で危ない橋を渡る行為を犯し、時としては自分の命までも簡単に天秤に掛けてしまう事さえある。
- かつてカルデアの生き残りである「ある人物」に執着心を抱き、その人物の治療室に押しかけるも発見したドクターによってすぐに追い出されてしまった過去を持つ[出 2]が、この人物こそスカウトされた当初カルデアの医務室で見かけた、当時はまだ感情も何も無い未熟児のような、ベリル曰くとても不細工な有り様だった後のAチームメンバーとなるマシュ・キリエライトで、一目見て彼女が将来誰よりも美しく綺麗な存在になると確信すると同時に心惹かれる[出 4]のだが、そもそも元から人の物差しで美意識を測ることが出来なかった彼は、マシュに接する過程で自分の手で美しいものを壊す事によってその『美しさ』を感じ取れるという歪んだ価値観に気付いてしまい、彼女に苦痛[注 8]を負わせながらもその姿を心から真剣に労る事で自分なりの「愛情」を示し、同時に殺人以外に見出した『楽しみと喜び』でもあった。
- とはいえど、彼のやり方は周りからすれば異常である事に変わりはなかったため、Aチームの初回レイシフト実験が行われる1年前にも同様の理由で再び押しかけた時は、流石のドクターからも激昂を受け殴られた末に一時拘束され、治療室に立ち入る手段を永久に取り上げられてしまった[出 4]。
- そもそも彼にとって興味を抱く物事への判断基準は「面白い」と「つまらない」の二択しかなく、後者なら何であろうと躊躇なく
殺し 、前者であってもその在り方が何処かで行き詰る=それ以上の面白さが見込めなくなったり一度「飽きた」と感じてしまえばやはり躊躇いもなく手にかけてしまう。事実担当異聞帯においても、妖精國ブリテンはその『本質』故にあのまま放っておけば自然に自滅すると見抜いていたが、逆にそれを利用してマシュの純粋な心につけ込み、妖精達に弄ばれて使い倒された挙句良心の呵責に耐えかねて心身ともに絶望した所を奪取して囲ってやればいいと云う下劣な思考の元あえて一行を泳がせておきつつ、自身もモルガンの目を盗んで他の妖精に自分しか知らない情報を与えたり、後々厄介な存在となりうるモルガンの腹心たるウッドワスとバーヴァン・シーの両者をぶつけ合う形でいっぺんに始末する事で、遠回しながらもブリテンの崩壊を早める手段に手を貸していた事が窺える。 - 能力
- Aチームに戦闘要員として選抜されただけの高いレイシフト適性と実力を持っている。
- 高名ではないが魔術師としての家系そのものは古く、獲物の追跡、自身の姿の隠匿、死に至る毒、業の腫瘍化、苦痛の増加、不運の前借りなど様々な暗殺、拷問に適した魔術を魔女の母親から教わった。その中には使用者の魂を腐らせる黒魔術もあるが、そういう魔術は劇中ではベリル本人は使う事は無く、弟子に副作用について黙って使わせている。実際に使用するシーンは描かれていないが、『猟奇固有結界・レッドフード』という固有結界も持つ。
- 上述にように魔術は使えるが、本人曰く面倒でピストル一丁を使う方が好ましい。
- 特に強力な魔術は他の生き物に化ける儀式。一朝一夕にはできない魔術だが、近道としてなりたい生き物の要素を集めて平らげる事ができる。ブリテン異聞世界において、ベリルがウッドワスの霊基を取り込んで能力を使えることになるが、その詳細は「ウッドワス」を参考。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- クリプターの一人として登場。
- 彼の管轄となっているブリテン異聞帯にて対決する事になる。
Fate関連作品
- Fate/Grand Order フロム ロストベルト
- クリプターの一員として登場。
人間関係
クリプター
- カドック・ゼムルプス
- 彼に対して兄貴のように接しているが、彼からは「兄貴分はペペロンチーノだけで十分だ」と突っ撥ねられる[出 2]。ロシア異聞帯を落とされた後の会議では、自分を負け犬と称したカドックに意味深な反応を示していた。
- 実はこの時から「本当に負け犬ならば自分の手で殺す」と明確かつ密かに殺しの標的にしており、そのため第5章にて自身の計画の遂行のタイミングを図りつつ単独行動を取っていたカドックを捜し回っていた。
- オフェリア・ファムルソローネ
- キリシュタリアに対して遊び気分で接している事に対して彼女に叱責されている他[出 2]、凶悪な人間性と血にまみれた経歴という点から毛嫌いされており[出 3]、信用に足るのか、異聞帯の拡張が務まるのか疑問視され、早い段階で彼女はキリシュタリアにベリルの危険性を指摘していた。皮肉にも、彼女の懸念は後に(彼女にとっても)最悪の形として的中する事となった。
- キリシュタリア・ヴォーダイム
- オフェリアとは逆に凶悪な側面を含めて彼を買っており、第5章冒頭で『異星の神』の裏をかく計略の一端として担当する異聞帯の破壊を命じた。だが一方でベリルの『殺人』における価値観と思想については完全に理解の範囲外であった。
- そのため彼は当初こそリスクとリターンが合わないとキリシュタリアを殺しの標的としては眼中に入れていなかったが、第5章の終盤にて彼が考えている計画の全貌が明らかになると、「そんな世界はつまらない」と見なして裏切り致命傷を与えた。
- スカンジナビア・ペペロンチーノ
- 「自分と同類のろくでなし」と思っていたが、仲間殺しを許さなかった上に『同じ穴のムジナ』である事を逆手に取られて計略を尽く見破られた上に彼の命がけの報復によって致命的な呪詛を喰らうことになる。
人理継続保障機関フィニス・カルデア
- マシュ・キリエライト
- 歪んだ愛情を持ち、執着している相手。治療室に押しかけるも、ロマンに見つかって追い出された過去を持っている。彼女がAチーム唯一死に至る「大令呪」を有していなかったのも、自分が始末屋になる条件としてマシュの分の免除を申し出していたため。
- ブリテン異聞帯では、死に瀕しても執着し続けた。
- ロマニ・アーキマン
- 治療室に押しかけたベリルがマシュにやっていた所業に激怒し、殴りつけた末に追い出して永久出禁にした。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 上記の経緯をロマンからあらかじめ聞かされていたためか、それぞれのAチームを説明しているのに対して「一人くらい名前だけで済ませてもいい」という形で打ち切った。
- 主人公 (Grand Order)
- 第3章では「マシュの陰に隠れたまま英雄になった奴(意訳)」という皮肉と「自分からマシュを奪った相手」である事から、他のクリプター以上に棘のある感情を向けていた。
- 名前も覚えていない(覚えようとしていない)様子だが、第5章前編の冒頭では評価を改めており「活きが良いマスターで我らが誇る補欠後輩(意訳)」と軟化している。
- 一方で異聞帯を次々と破壊している姿を脅威と見なしており、第3章ではコヤンスカヤに暗殺を依頼している。
- 第6章では「マスターとしては一流」と実力を認めるも、所詮はマシュと自分を引き離した邪魔者としか見ていなかった。
ブリテン異聞帯
- モルガン
- 自身のサーヴァントとして召喚したはずが、契約完了前に主導権を奪われ主従逆転してしまう。挙句にその過程で一度モルガンによって存在を抹消された後に再度復元されたため、“魔術で生まれたスワンプマン”のような存在になってしまったが、これに関してはベリル自身の元来の性格と、互いに執着するもの以外はどうでもいいスタンスであったため然程気には留めておらず、怪しまれない程度の最低限接触以外は互いに不干渉を決めていた節もあった。
- また、最初のサーヴァント召喚の折にベリルは「どうせなら世界を壊せる者がいい」と豪語していたため、『ブリテンを壊した
魔女 』を引き当てた事はある意味言い得て妙かつ必然性があったと言えよう。 - 妖精騎士トリスタン
- モルガンの義娘。汎人類史の世界の話をしたことで彼女に懐かれ、お互いに「レッドベリル」「レディ・スピネル」と呼び合っているが、彼女が今までの処遇の所為で心身が摩耗している事に気づいていたのか『すでに終わっている存在』と見ており、その実は自身の魔術の呪いを肩代わりさせるための実質的な手駒でしかなかった。
- ウッドワス
- 妖精の中で最も強力な肉体を持つ彼の霊基を複写し自身に取り込む。
- ボガード
- マシュを「花嫁」として囲っていたシェフィールドの妖精。言わずもがなそれ事態がベリルの嫉妬心と逆恨みをかき立てたため、妖精騎士トリスタンを使って嬲り殺しにした。
- オーロラ
- 両者が統治する街の関係性からも分かるように、風の氏族の能力である「風の報せ」を使ってモルガンに関する情報を提供していたと思われる妖精。
- オーロラは自己愛、ベリルはマシュと楽しみの為に時として危険な行為や多くの無辜の人々の利用と犠牲も厭わないと云う根幹が似ているため、『類は友を呼ぶ』とは正にこのことなのだろう…
- ウィンキー
- マシュに関する情報を提供して貰っていた妖精。
- 証拠隠滅の他にもボガードと同様に『マシュと心を通わせた』事がベリルの逆鱗に触れ殺害した。
その他
- 母親
- 「母ちゃん」または「婆ちゃん」[注 9]と呼んでおり、関係性はそれほど悪くない模様。
- 「森の住人」「近代では暮らしにくくなった」などと直接の登場はないが断片的に語られており、ベリルの尖った形の耳などから人狼、あるいは魔女なのではないか?とプレイヤー間では噂されている。
- 正体は予想通り「魔女」ではあったが、その実は魔術協会から棄てられ、消費文明を嫌うが故に現代社会にも馴染めず取り残された異物と言える存在。その中でもベリルの母は巨大なヒキガエルのような風貌で『妖精』を自称していたが、とある「魔法使い」に騙されて彼を産み落としたため愛憎混じりの情[注 10]を向けられていた。
- 黒魔術を一通り学んだ後は、もう要らない存在となり「誰よりも綺麗な星の瞳」を潰して森の中に棄て去った。
- 「お姫様」
- もともと担当していたブリテンの異聞帯にいた存在。
- ベリル曰く世間知らずで、「利用してやろうとお近づきになった」との事だったが、彼女からは「地獄の果てまで一緒にいましょう!」とグラビティすぎる愛を向けられており、ドン引きしている。
- このこともあってカドックには「王族には気をつけろ」とアドバイスしていたとか。
- しかし、ブリテン異聞帯では当てはまる人物がおらず[注 11]、妖精國の住民達を統合して彼なりに揶揄した言葉ではないかと解釈されている。
- ジャック・ザ・リッパー
- 『フロムロストベルト』にて、シミュレーションで行った第四特異点で言及していた「アサシン」。
- 名前は直接出されていないが、十中八九彼女の事と思われる。
- 「必ずこちらを殺しに来る。ああいうタイプはよくわかる」と自分に引き比べたかのようなプロファイリングをしていた。
名台詞
- 「それとは別にさ。―――が生きていたことは、嬉しい。
こんなに嬉しいのは、初めてアイツの治療室に押し入った時以来だよ。
あの時はドクターに見つかってすぐに追い出されたが。今はもう、邪魔するヤツは一人もいない」 - クリプター同士との会合の通信を打ち切る際に。カルデアの生き残りに、ベリルが目に付けている人物が生存していることに喜んでいるのだが、その際に悍ましい表情を顕にしている。
メモ
- 第2部の前期OPでは口元が血塗れになっているなど、不穏な部分を覗かせている。
- 上記の血塗れの口元や、やけに尖った耳や、デザインが『月姫』のコミック版を担当した佐々木少年であること等から、プレイヤー間では「実は死徒ではないか」等と噂されている。
- 上記のとおりマシュやダ・ヴィンチが彼について名前だけで済ませて説明を打ち切っており、謎に包まれた人物像や経緯は第二部の本編で少しずつ明かす形となっている。
- 前述したように、かつては執着している人物の治療室に押しかけたところをドクターに見つかって追い出されたようだが、その人物にどのような行為を実行しようとしたのかは現時点では不明。尤も、その人物への態度を見る限り、ロクなモノではなさそうと思われるが……
- クリプターであるカドックがマシュに対する処遇を語るシーンにおいて、キリシュタリアやカドック、ヒナコやデイビットはマシュを「カルデアで生まれ育ったデザインベイビーであり備品」として必要以上に接触しない、ペペロンチーノやオフェリアは女の子同士といって食事に誘ってよくマシュを困らせた
ペペロンチーノがそういう扱いになっているのは追求しないでおこうとのことであるが[注 12]、ベリルだけは名前を挙げるどころか、一切触れられていない[出 5]。
- 彼の担当する異聞帯では原始的であり、「有り得たかもしれない人類史」とは到底思えない酷い環境であることが窺えており、『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』では「そもそも消えかけであり、維持するのもやっと」であることが明かされている。
- だが、その異聞帯は異聞深度の数値や副題の名称が第1部での第六特異点を思わせるものだったりと、こちらでも不穏さを漂わせる。
- 奈須きのこ氏曰く、一番気が合いそうなクリプターがベリルで「何をやればプラスになるかマイナスになるのかまったくわからない」ため、ある意味こっちも気が楽になるらしい。コツは密室で二人きりにならないとのこと。[出 6]
話題まとめ
脚注
注釈
- ↑ この時点で『序』における定例会議でベリルが言っていたブリテン異聞帯に関する現状は全て嘘であったことが分かる。
- ↑ この時異聞帯のモルガンのマスターは自分だという『秘密』を打ち明けているが、当然嘘っぱちである。
- ↑ この『要素』がなにか詳しい描写はないが、前半CMでベリルの口端から血が流れている事から恐らく心臓。
- ↑ この戦闘でベリルは強化魔術しか使用せず、令呪はおろか「大令呪」も発動される気配がないまま終わる。
- ↑ アルトリアは礼装の性質を見抜くとすぐさま魔術によるプロテクターをかけて回避、一度は呑み込まれて自己喪失しかけた主人公も恩師であり先導者の言葉を思い出し自力で抜け出た。
- ↑ 早い話がその実態は生きたままモース毒を大量に感染させられた無辜の人間達で、そこには手っ取り早い邪魔者の排除の他、なんの抵抗もしない一般人を手にかけされる事で自責の念を与え、主人公とマシュを精神的に追い詰めさせる魂胆もあった。
- ↑ この時点でベリルの身体はモース毒によって腐臭が漂い、手足が腐敗し崩れ落ちてはまた再生するを繰り返し立っているのもやっとであった。
- ↑ 作中の描写では、寝たきりで動けないマシュの指を折っている。
- ↑ ベリルの母親は妖精であると主張しているので、自分の母親が自分自身。
- ↑ 回想では自分の容姿の醜さを息子のせいにして罵ったかと思えば、一転して「大切な可愛い子」「自分の生き甲斐」と称して溺愛している。
- ↑ 「お姫様」という単語だけなら妖精騎士トリスタンが当てはまるが、彼女の性格上こんなことを言うはずも無く、口からの出任せと捉えればオーロラも該当はするがそもそも「お姫様」ではない。
- ↑ 『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』ではオフェリアがマシュに誘っているシーンが描かれてあった。