「ベリル・ガット」の版間の差分

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{{登場人物概要
 
{{登場人物概要
 
| 読み =  
 
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| 外国語表記 =  
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| 外国語表記 = Beryl Gut<ref group = "出">『Fate/Grand Order -MOONLIGHT/LOSTROOM-』</ref>
 
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| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
 
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
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| 声優 = 石谷春貴
 
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| 身長 = 185cm
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| 体重 = 75kg
 
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| 所属 =  
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| 特技 = ウィッチクラフト、服飾、ガーデニング
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| 好きな物 = かわいそうなヤツ、おもしろいヤツ
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| 苦手な物 = たのしそうなヤツ、つまらないヤツ
 
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| 天敵 =  
 
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| マスター階梯 =  
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}}
 
}}
 
==概要==
 
==概要==
『[[Fate/Grand Order]]』に登場する[[魔術師]]
+
『[[Fate/Grand Order]]』に登場するイングランド出身の[[魔術師]]。Aチーム、後の[[クリプター]]の一人。
  
 
;略歴
 
;略歴
:Aチームメンバーとして[[人理継続保障機関フィニス・カルデア|カルデア]]から選抜されたが、レフの妨害工作により瀕死の重傷を負い、コフィンで凍結保存されてしまった。
+
:Aチームメンバーとして[[人理継続保障機関フィニス・カルデア|カルデア]]から選抜されたが、[[レフ・ライノール|レフ]]の妨害工作により瀕死の重傷を負い、コフィンで凍結保存されてしまった。
 +
:復活後はキリシュタリアから自身が担当する[[妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ|ブリテン異聞帯]]の危険性をあらかじめ聞かされており、『[[異星の神]]』の目論みを潰すためそれを自滅させるよう頼まれる。
 +
:その後、ブリテン異聞帯でカルデア式の召喚システムを利用して汎人類史の[[モルガン]]を召喚しその場は一旦後回しにして眠りにつくが、その間にモルガンは「自分の<ruby><rb>国</rb><rt>ブリテン</rt></ruby>を創る」という我欲を優先し、独自にレイシフトを解析・模倣してカルデアを含めた汎人類史の情報を[[モルガン (Grand Order)|<ruby><rb>楽園の妖精</rb><rt>異聞帯の自分</rt></ruby>]]宛に送信。その結果[[空想樹]]を使ってブリテン異聞帯を一から全く違う世界に作り変えてしまい、ベリルが目を覚ますと辺りは様変わりして豪華な王城のベッドに寝ていたばかりか、外ではたったの一晩で国と文明が出来上がっていた上に空想樹は枯死、サーヴァントとして召喚したはずのモルガンは『[[異聞帯の王]]』に取って代わられ、さらに今の自分は空想樹がある世界≒滅んだブリテン異聞帯を知る者という矛盾を解消するべく存在を一旦消されて生み出された瓜二つのクローン='''実質上二度目の死を迎えている'''という斜め上の事実<ref group="注">この時点で『序』における定例会議の際、ベリルが言っていたブリテン異聞帯に関する現状は全て嘘であったことが分かる。</ref>を尽く突きつけられる。だが、元から刹那主義な上に『[[マシュ・キリエライト|執着する人物]]を手に入れる』事以外どうでもよかったのでそれ等を意に介さず、異聞帯の運営は彼女に一任し自分は自分で独自の策を練り始める。
 +
:そして表面上は空想樹を伐採した事により、担当異聞帯を追われて逃げ込んで来たという名目の下、滞在していた[[星間都市山脈 オリュンポス|ギリシャ異聞帯]]でブリテン異聞帯の空想樹「セイファート」の残骸を燃やし、天幕を介してこの異聞帯の空想樹「マゼラン」へ延焼させることでオリュンポスの破壊に成功。そこで終わるはずだった所へ、偶然からキリシュタリアが『異星の神』に協力した真の目的たる「自分以外の人間を、寿命までの絶対の生存が確立した『神に近しい存在』に昇格させる」計画の全貌を知ると、殺人を至高の楽しみかつ目的とするベリルにとって、到底それは『つまらない』かつ『気に食わない』事案であったため、[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]に自分目掛けて “ロンゴミニアドを模倣した魔術” をワザと落とさせて隙を作り彼に致命傷を負わせ、その後は間に入った[[グレゴリー・ラスプーチン|ラスプーチン]]とカルデア一行に「今この地球上で最強の存在は自身の異聞帯の王である」と宣言した後、[[タマモヴィッチ・コヤンスカヤ|コヤンスカヤ]]の転移契約を使ってブリテン異聞帯へ逃走する。
 +
:続くブリテン異聞帯前編では機が熟すまでの半年の間、『暇つぶし』として汎人類史の話を聞かせた事で懐かれた[[妖精騎士トリスタン]]と共にニュー・ダーリントンで殺戮ショーを開いたり、地下で人間を贄にしたモース毒の改良と研究実験に勤しみ、ギリシャ異聞帯で事を済ませて戻るとカルデア一行…強いてはマシュを手に入れる為に、その一番の邪魔者である[[主人公 (Grand Order)|主人公]]を謀殺すべく待ち受ける。
 +
: そして上陸した土地の影響で記憶を無くしたマシュが「予言の子」としてシェフィールドへ連れて行かれた事を、彼女を売った商人の1人ウィンキーから聞き出すと、モルガンの命令を受けた妖精騎士トリスタンに付き添う形でシェフィールド侵攻に同行。人質として捕らえた領主の[[ボガード]]を彼女に甚振らせてマシュをまんまと誘き出し連れて行こうとするが、[[ハベトロット]]の警戒に加え当人からも本能的に危険人物だと勘づかれた事と、[[ギャラハッド]]の能力が戻っている上に普段よりも倍以上の強さとなっている所為で到底敵わないと確信していた故に、瀕死のボガードの身柄を引き換えにして見逃してもらい、ひとまず先に彼が勝手に使用していたブラックバレルを回収しようと思ったが、何故か見当たらなかった為にその場は断念して立ち去る。この時異聞帯のモルガンのマスターは自分だという『秘密』を打ち明けているが、当然嘘っぱちである。
 +
:後編ではモルガンの招待によってキャメロットに呼ばれた一行の前にマスターとして姿を現し、交渉が決裂すると同時に臨戦態勢に入るが、彼女に強制的に押さえつけられてしまい直接手にかける事は叶わなかった。代わりにロンディニウム防衛戦で狙いをつけるも、そこに[[スカンジナビア・ペペロンチーノ|ペペロンチーノ]]が居たことから急遽本拠地への襲撃を取りやめ、代わりに妖精騎士トリスタンを利用する形で[[パーシヴァル]]に敗走した[[ウッドワス]]に呪術を仕掛けて魔力の要素<ref group="注">この『要素』がなにか詳しい描写はないが、2部開始序盤におけるCMにてベリルの口周りが血塗れな事から恐らく'''心臓'''。</ref>を奪い、それを喰らう事で彼の霊基を直接取り込みマシュへの対抗力を手に入れる。その後は[[ムリアン]]が主催するグロスターの舞踏会にモルガンの名代で妖精騎士トリスタンと共に現れ、鐘を探してオークション会場に誘導された主人公と[[アルトリア・キャスター]]に対峙し戦闘となる<ref group = "注">この戦闘でベリルは強化魔術しか使用せず、令呪はおろか「大令呪」も発動される気配がないまま終わる。</ref>が敗北。同時に「妖精騎士トリスタン」の着名が剥がれ真名のバーヴァン・シーに戻ってしまった事で焦燥していた彼女が『<ruby><rb>失意の庭</rb><rt>ロストウィル</rt></ruby>』を持ち出してエディンバラ帰りの一行に向けて発動し主人公とアルトリアを閉じ込めると、先の魔術の副作用で手足が腐食し動けなくなっていたバーヴァン・シーはそのまま自室に捨て置き、『庭』の方はニュー・ダーリントンの地下聖堂へ置きに行くも程なくして脱出<ref group="注">アルトリアは礼装の性質を見抜くとすぐさま魔術によるプロテクターをかけて回避、一度は呑み込まれて自己喪失しかけた主人公も[[ロマニ・アーキマン|恩師であり先導者]]の言葉を思い出し自力で抜け出た。</ref>される。
 +
:すると彼らを迎えに来たペペロンチーノとマシュが合流した所へ、モース実験の過程で創り出した500体ものモース人間…早い話がその実態は、生きたままモース毒を大量に感染させられた'''無辜の人間'''達をけしかける<ref group ="注">この行動は手っ取り早い邪魔者の排除の他、なんの抵抗もしない一般人を手にかけされる事で自責の念を与え、主人公とマシュを精神的に追い詰めさせる魂胆もあった。</ref>と同時に地下聖堂を爆破して証拠隠滅を図るも、何故か2人の表情には一点の曇りもなかったため、今度は取り込んでいたウッドワスの能力を使って直接排除にかかる。だが、実は裏で一連の企みを見抜いていたペペロンチーノが先回りして呪いを全て自身に転写しており、さらには真っ先に攻撃される事も読んでいた事から、その一瞬の隙に呪詛返しを仕掛けられた為にモース毒を自分が被る羽目になってしまい、そこをマシュに突かれて一先ずは逃亡する。
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:崩壊編では妖精國ブリテン中に『大厄災』が蔓延し、その一つたる[[妖精騎士ガウェイン]]ことバーゲストが変貌した「獣の厄災」をマシュが[[ガウェイン|円卓の]][[ランスロット〔セイバー〕|騎士]]の協力で打ち倒し、一息ついていたタイミングで襲いかかるも、ペペロンチーノの忠告を思い出した主人公が駆けつけて庇った事でまたもや阻まれてしまう。この時点でベリルの身体はモース毒によって腐臭が漂い、手足が腐敗し崩れ落ちてはまた再生するを繰り返し立っているのもやっとの状態であった。
 +
:そして最後の戦闘によってウッドワスの霊基が崩れ、元の姿に戻ってもなおマシュを諦めることが出来ず意識が朦朧としながらも彼女を求めるが、「'''(例えその思いがどんなに本物であったとしても)'''そんな愛など自分には分からないし、誰にも理解されないでしょう」という毅然とした拒絶の言葉を受け、満足気に笑いながら死亡した。
 
;人物
 
;人物
:詳細不明。というより、彼のことを言及する際にほかのクリプターと異なりマシュが口を噤んだのを見たダ・ヴィンチが「一人くらい名前だけで済ませてもいい」と説明を打ち切ったのが大きな要因である。
+
:オールバックにした黒髪に眼鏡をかけ、尖った耳の男。かつては[[魔法|第一魔法]]にも関わったとされる「[[魔女]]」の血が流れている。一見すると魔術師というよりはギャングの一員のような伊達男であり、飄々とした兄貴分という人物。自分に兄弟がいないこともあってかカドックに対して気にかけたり、オフェリアはおろかリーダーであるキリシュタリアに対してもフランクな態度を取っている。
 +
:だが「殺すも奪うも生きてこその喜び」と凶悪な形相で語っている<ref group = "出" name="Lostbelt No.1 プロローグ">『永久凍土帝国 アナスタシア』プロローグ</ref>ように、その実態は快楽を目的とした殺人者であり、元々所属していた[[時計塔]]からも「狼男」と蔑まれた殺し屋という素性を持つ。一方でキリシュタリアからは「自分を騙すのが得意で、イヤな仕事ほど真摯にやり遂げようとする」とも評されている<ref group = "出" name="Lostbelt No.2 第4節">『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』第4節「万物の霊長(後編)」</ref>が、これは退屈が嫌いでその場が一番面白ければ良いという刹那主義に基づく行動であり、その為なら平気で危ない橋を渡る行為を犯し、時としては自分の命までも簡単に天秤に掛けてしまう事さえある。
 +
:かつてカルデアの生き残りである「ある人物」に執着心を抱き、その人物の治療室に押しかけるも発見したドクターによってすぐに追い出されてしまった過去を持つ<ref group = "出" name="Lostbelt No.1 プロローグ"/>が、この人物こそスカウトされた当初カルデアの医務室で見かけた、当時はまだ感情も何も無い未熟児のような、ベリル本人が評して曰く「とても不細工な有り様だった」、後のAチームメンバーとなるマシュ・キリエライトであり、彼女を一目見て将来誰よりも美しく綺麗な存在になると確信すると同時に心惹かれるのだが、元から人の物差しで美意識を測ることが出来なかった彼は、マシュに接する過程で自分の手で美しいものを壊す事によってその『美しさ』を感じ取れるという歪んだ価値観に気付いてしまい、寝たきりで動けないのをいい事に彼女の指を折る等して苦痛を負わせ、その姿を心から真剣に労る事で自分なりの「愛情」を示しており、それは同時に殺人以外に見出した『楽しみと喜び』でもあった。とはいえども、そのやり方は周りからすれば異常である事に変わりはなかったため、Aチームの初回レイシフト実験が行われる1年前にも同様の理由で再び押しかけた時は、流石のドクターからも激昂を受け殴られた末に一時拘束され、治療室に立ち入る手段を永久に取り上げられてしまった<ref group = "出">『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』第29節「ある予言」</ref>。
 +
:そもそもベリルにとって興味を抱く物事への判断基準は、「面白い」のか「そうじゃない」かの二択しかなく、後者なら何であろうと躊躇なく<ruby><rb>殺し</rb><rt>壊し</rt></ruby>、前者であってもその在り方が何処かで行き詰る=それ以上の面白さは見込めないと感じたり一瞬でも飽きてしまえば、やはり躊躇いもなく手にかけてしまう為、カルデア所属以前はフリーの殺し屋専門の魔術師として裏社会に身を投じていたが、この気まぐれのせいで必要以上に周りを殺し過ぎた結果、その手の者達からも危険人物と看做され干されかかっていた。
 +
:事実担当であるブリテン異聞帯においても、妖精國ブリテンはその『構図と本質』故にあのまま放っておけば自然に自滅すると見抜いていたが、逆にそれを利用してマシュの純粋な心につけ込み、妖精達に弄ばれて使い倒された挙句、良心の呵責に耐えかねて心身ともに絶望した所を奪取して囲ってやればいい云う下劣な思考の下、その舞台装置とするべくモルガン共々あえて泳がせておく形で放置していた。
 +
:そしてカルデア一行がやって来た事で目論見が半分達成されると、彼女の目を盗んで[[オーロラ|他の妖精]]に自分しか知らない情報を与えたり、後々厄介な存在となりうるウッドワスとバーヴァン・シーの両者をぶつけ合う形でいっぺんに始末する事で、遠回しながらもブリテンの崩壊を早める手段に手を貸していた事が窺える。
 
;能力
 
;能力
:高いマスター適性を持つ。
+
:Aチームに戦闘要員として選抜されただけの高いレイシフト適性と実力を持っている。
 +
:高名ではないが魔術師としての家系そのものは古く、獲物の追跡、自身の姿の隠匿、死に至る毒、業の腫瘍化、苦痛の増加、不運の前借りなど様々な暗殺・拷問に適した[[黒魔術]]を魔女の母親から教わった。その中には使用者の魂を腐らせる危険な魔術もあるが、そういう類いのものは劇中でベリル本人は使う事は無く、[[妖精騎士トリスタン|弟子]]に副作用について黙った上で使わせている。
 +
:実際に使用するシーンは描かれていないが、『猟奇固有結界・レッドフード』という[[固有結界]]も持つ。
 +
:上述のように魔術は使えるが、本人曰く面倒でピストル一丁を使う方が好ましいらしい。
 +
:特に強力な魔術は他の生き物に化ける儀式。一朝一夕にはできない魔術だが、近道としてなりたい生き物の要素を集めて平らげる事ができる。ブリテン異聞帯ではウッドワスの霊基を取り込んでその能力を使用するが、その詳細は「[[ウッドワス]]」を参照。
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
===Fateシリーズ===
 
===Fateシリーズ===
 
;[[Fate/Grand Order]]
 
;[[Fate/Grand Order]]
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:[[クリプター]]の一人として登場。
 +
: 彼の管轄となっている[[妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ|ブリテン異聞帯]]にて対決する事になる。
 +
 +
===Fate関連作品===
 +
;[[Fate/Grand Order フロム ロストベルト]]
 +
:クリプターの一員として登場。
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 +
=== その他 ===
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;[[TYPE-MOON エイプリルフール企画]]
 +
:2023年の企画『Fate/Grail League』及び2024年の企画『Fate/Dream Striker』に登場。
  
 
==人間関係==
 
==人間関係==
 +
===クリプター===
 +
;[[カドック・ゼムルプス]]
 +
:彼に対して兄貴のように接しているが、彼からは「兄貴分はペペロンチーノだけで十分だ」と突っ撥ねられている。
 +
:ロシアに続き北欧異聞帯を落とされた後の会議では、自分を負け犬と称したカドックに意味深な反応を示していた。
 +
:実はこの時から「本当に負け犬ならば自分の手で殺す」と明確かつ密かに殺しの標的にしており、そのためギリシャ異聞帯にて自身の計画の遂行のタイミングを図りつつ単独行動を取っていたカドックを捜し回っていた。なお、この際にベリルはカドックを「かわいそうな弟分」と称しており、プロフィールや後に明らかになったベリルの人間性からして、カドックに対しては彼なりに親しみを抱いていたと思われる。
 +
 +
;[[オフェリア・ファムルソローネ]]
 +
:キリシュタリアに対して遊び気分で接している事に対して彼女に叱責されている他、凶悪な人間性と血にまみれた経歴という点から毛嫌いされており<ref group = "出" name="Lostbelt No.2 第4節"/>、信用に足るのか、異聞帯の拡張が務まるのか疑問視され、早い段階で彼女はキリシュタリアにベリルの危険性を指摘しており、皮肉にも彼女の懸念は、後に(彼女にとっても)一番最悪の形として的中する事となった。
 +
:一方でベリルの方は、彼女が命を落とした際に「身内」と称し仲間意識を見せていたが、後にオフェリアの事は「つまらないヤツ」と眼中に無かった事が明らかになった。
 +
 +
;[[キリシュタリア・ヴォーダイム]]
 +
:オフェリアとは逆に凶悪な側面を含めてベリルを買っており、第5章冒頭で『異星の神』の裏をかく計略の一端として、担当する異聞帯の破壊を命じた。だが一方で、彼の『殺人』における価値観と思想については完全に理解の範囲外であった。
 +
:ベリルの方は実力差から当初こそリスクとリターンが合わないと、キリシュタリアを殺しの標的としては眼中に入れていなかったが、ギリシャ異聞帯の終盤にて彼が考えている計画の全貌が明らかになると、「そんな世界はつまらない」と見なして裏切り致命傷を与え殺害した。
 +
 +
;[[スカンジナビア・ペペロンチーノ]]
 +
:「自分と同類のろくでなし」と思っていたが、彼が仲間殺しを許さなかった為に『同じ穴のムジナ』である事を逆手に取られて計略を尽く見破られ、最期は彼の命がけの報復によって致命的な呪詛を喰らうことになる。
 +
:殺し方では他のクリプターより自分の方が慣れていると思っていたベリルだったが、ペペロンチーノの方が一枚上手だったのを最期まで理解できていなかった様子<ref group ="出">『TYPE-MOONエースVOL.14』 別冊付録『Fate/Grand Order Lostbelt No.6: Fae Round Table Domain, Avalon le Fae Remittance』 奈須きのこ Interview P.58</ref>。
 +
 +
===人理継続保障機関フィニス・カルデア===
 
;[[マシュ・キリエライト]]
 
;[[マシュ・キリエライト]]
:それぞれのAチームを説明しているのに対して、彼だけは自分から言及しようとしなかった。
+
:歪んだ愛情を持ち、執着している相手。治療室に押しかけるもロマニに見つかって追い出された過去を持っている。彼女がAチーム唯一死に至る「大令呪」を有していなかったのも、自分が始末屋になる条件としてマシュの分の免除を申し出していた為。
 +
:ブリテン異聞帯における数々の残虐な所業や根回しも、全ては『彼女を手に入れる』為にやった事であり、死に瀕した間際になっても執着し続けた。
 +
:なお当人は最初、ロマニが居たとはいえ人としての感情や感覚を十二分に把握出来ていなかった事もあって、ベリルが自分に施す「愛情表現」の意味が分からず半ばされるがままの状態<ref group="注">初期におけるマシュから主人公への過激かつ物騒な発言も、この時のベリルの行動による悪影響が要因ではないかとプレイヤーからは推測されている。</ref>であり、後々に主人公やサーヴァント達、及び特異点や異聞帯における現地人との交流を経て、その悍ましさと異様さに改めて気が付いていったと考えられる。
 +
;[[ロマニ・アーキマン]]
 +
:治療室に押しかけたベリルがマシュにやっていた所業に対して激怒し、殴りつけた末に追い出して永久出禁にされてしまった。
 +
;[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]
 +
: マシュとベリルの間に起きていた諸々の経緯をロマンからあらかじめ聞かされていたのか、それぞれのAチームを説明しているのに対し、「一人くらい名前だけで済ませてもいい」という形で打ち切られていた。
 +
:『フロム ロストベルト』では芸術に興味があった為、大喜びで彼女の工房を訪れていたが、眼鏡にかなった「芸術品」は見つからなかった様であった。
 +
;[[主人公 (Grand Order)]]
 +
:当初は『自分からマシュを奪った相手』という嫉妬から、名前も覚えていない(覚えようとしていない)有様で、中国異聞帯では「マシュの陰に隠れたまま英雄になった奴(意訳)」という皮肉も込めて他のクリプター以上に棘のある感情を向けている上、異聞帯を次々と破壊している姿を脅威と見なしており、裏でコヤンスカヤに暗殺を依頼している。
 +
:後に大西洋異聞帯の冒頭では評価を改め「活きが良いマスターで我らが誇る補欠後輩(意訳)」と軟化し、ブリテン異聞帯では「マスターとしては一流」と実力を認めるも、マシュに関する一方的な妬みそのものは全く変わっておらず、幾度となく卑劣な罠にかけ心壊を企んだ。
 +
 
 +
=== ブリテン異聞帯 ===
 +
; [[モルガン (Grand Order)|モルガン]]
 +
: 自身のサーヴァントとして召喚したはずが、契約完了前に主導権を奪われ主従逆転してしまう。挙句にその過程で一度モルガンによって存在を抹消された後に再度復元されたため “魔術で生まれたスワンプマン” のような存在になってしまったが、これに関してはベリル自身の元来の性格と、互いに執着するもの以外はどうでもいいスタンスもあったため然程気には留めておらず、怪しまれない程度の最低限接触以外は不干渉を決めていた節もあった。
 +
:とはいえどもベリルからすれば、妖精國も彼女も所詮はマシュと主人公達が来るまでの暇つぶしの道具かつ、両者をおびき寄せる為の舞台装置としか思っておらず、それが達成された時点で興味が無くなったのもあり、用済みと言わんばかりに裏々で手を回して間接的に追い詰めた末、国諸共滅ぼした。
 +
: ちなみに最初のサーヴァント召喚の際、ベリルは「どうせなら世界を壊せる者がいい」と豪語していたため、『ブリテンを壊した<ruby><rb>魔女</rb><rt>モルガン</rt></ruby>』を引き当てた事はある意味言い得て妙かつ必然性があったと言えよう。
 +
; [[妖精騎士トリスタン]]/バーヴァン・シー
 +
: モルガンの義娘。汎人類史の世界の話をしたことで彼女に懐かれ、黒魔術やそれに伴う残酷な殺し方等を教える等色々と面倒を見ており、お互いに「レッドベリル」「レディ・スピネル」と呼び合っている。ベリル自身もある部分でシンパシーを感じる友人と本気で認識していたが、彼の友人の定義は一般におけるそれとは大きく逸脱したものであった。
 +
: 同時に彼女が今までの処遇の所為で心身が摩耗し、壊れかけ寸前の状態である事に気づいていたらしく、心優しい本質と、お母様を慕い期待に応えようとする気持ちを利用して散々無理強いをさせた上に、最後は自身の魔術の呪いを肩代わりさせる為の実質的な手駒のように扱った。
 +
; [[ウッドワス]]
 +
: 英霊の地名補完によって強さが増したマシュに対抗すべく、妖精の中で最も強力な肉体を持つ彼の霊基を複写し自身に取り込む。そこには妖精騎士トリスタンと同じ様にモルガンを潰すための障壁の排除もあった。
 +
;[[ボガード]]
 +
:マシュを「花嫁」として囲っていたシェフィールドの妖精。妖精騎士トリスタンの能力の実践相手かつ、マシュを焚きつけるため嬲り殺しにした。恐らく花嫁の件でベリルが嫉妬心と逆恨みをかき立てたのも一因と考えられる。
 +
;[[オーロラ]]
 +
:両者が統治する街の関係性からも分かる様に、氏族の能力である「風の報せ」を使ってモルガンに関する情報を提供していたと思われる妖精。
 +
: オーロラは自己愛、ベリルはマシュと自身の楽しみの為に時として危険な行為や、多くの無辜の人々の利用と犠牲も厭わないと云う根幹が似ているので、'''『類は友を呼ぶ』'''とは正にこの事なのだろう……同時に一人の人物への恋心と執着心が、自身の破滅への引き金になったという皮肉な共通点も併せ持っている。
 +
;ウィンキー
 +
:マシュをボガードに売った三人組の一人で、彼女に関する一連の情報を提供して貰っていた妖精。
 +
:最後は証拠隠滅の為に殺害したが、此方も恐らく『マシュと心を通わせた』事がベリルの逆鱗に触れた所為もあると考えられる。
 +
 
 +
===その他===
 +
;母親
 +
:「母ちゃん」または「婆ちゃん」(ベリルの母親は妖精であると主張しているので、母親が彼女自身)と呼んでおり、関係性はそれほど悪くない模様。
 +
:「森の住人」「近代では暮らしにくくなった」などと直接の登場はないが断片的に語られており、ベリルの尖った形の耳などから人狼、あるいは魔女なのではないか?とプレイヤー間では噂されている。
 +
: 正体は予想通り「[[魔女]]」ではあったが、その実は魔術協会から棄てられ、消費文明を嫌うが故に現代社会にも馴染めず取り残された異物と言える存在。その中でもベリルの母は巨大なヒキガエルのような風貌で『妖精』を自称していたが、「とある魔法使い<ref group="注">回想場面に「マインスターとその小娘」、「<ruby><rb>魔法使い</rb><rt>ユミナ</rt></ruby>の直系」という呼称が出てくる事から、[[久遠寺有珠]]親子が関わっている可能性が示唆されている。<br>或いは同じ様に人間の男との間に子供を授かったにも関わらず、マインスターの容姿が変貌しなかった事を逆恨みしているとも推察されている。</ref>」の所為で人間の男に騙されて彼を産み落としこの様な醜い容姿になった為、息子に対して「産まなければよかった!」と八つ当たりの如く罵ったかと思えば、一転して「大切な可愛い子」「自分の生き甲斐」と称して溺愛する等、愛憎混じりの情を向けられていた。
 +
:黒魔術を一通り学んだ後はベリル自身にとってもう要らない存在となり、「誰よりも綺麗な星の瞳」を潰して森の中に捨て去った。その後については作中で言及がなく、『フロム ロストベルト』でのベリル曰く「今も生きているのか死んでいるのかは分からない」との事で生死不明となっている。
 +
;「お姫様」
 +
:クリプター会議でベリルが語った、担当していたブリテン異聞帯にいた存在。
 +
:ベリル曰く世間知らずで、「利用してやろうとお近づきになった」との事だったが、彼女からは「地獄の果てまで一緒にいましょう!」とグラビティすぎる愛を向けられており、ドン引きしている。このこともあってカドックには「王族には気をつけろ」とアドバイスしていたとか。
 +
:しかし、ブリテン異聞帯では当てはまる人物がおらず、プレイヤーの間では当初は妖精國の住民達を統合して彼なりに揶揄した言葉ではないかと解釈されていたが、TYPE-MOONエースVOL.14でのインタビューにおいて奈須きのこ氏より正体が妖精騎士トリスタンである事が判明した。
 +
:しかし同時に「バーヴァン・シーに付きまとわれていたのは本当だが、聞いた人が誤解をするような言い回しをあえてしていた」とされており、「嘘に本当のことを織り交ぜ、大事なことを隠している」<ref group="注">そもそも、元来ベリルは[[マリスビリー・アニムスフィア|マリスビリー]]に脱走兵や裏切り者の始末屋としてスカウトされており、標的はクリプターのメンバーも例外ではない。そのため、ベリル個人の目的や思惑も含め、標的の炙り出しも兼ねて本心や真実を晒すような事は避けていたと思われる。</ref>ともされているため、クリプター会議での彼女に関する発言は嘘っぱちであると思われる。
 +
;[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|ジャック・ザ・リッパー]]
 +
:『フロム ロストベルト』にて、シミュレーションで行った第四特異点で言及していた「[[アサシン]]」。
 +
:名前は直接出されていないが、十中八九彼女の事と思われる。
 +
:「必ずこちらを殺しに来る。ああいうタイプはよくわかる」と自分に引き比べたかのようなプロファイリングをしていた。
 +
;[[言峰綺礼]]
 +
:同じ様に'''「美しいものを傷つけた時だけ、それを美しいと感じられる」'''という破綻した価値観の持ち主だが、彼は当初その事実を受け入れられず苦悩し続け、吹っ切れた後も心底では自分の在り方を模索しているまともな道徳観念や精神性があるのに対し、ベリルは最初からどちらも持ち合わせてはいない。
 +
 
 
==名台詞==
 
==名台詞==
 +
;「それとは別にさ。―――が生きていたことは、嬉しい。<br> こんなに嬉しいのは、初めてアイツの治療室に押し入った時以来だよ。<br> あの時はドクターに見つかってすぐに追い出されたが。今はもう、邪魔するヤツは一人もいない」
 +
:クリプター同士との会合の通信を打ち切る際に。カルデアの生き残りに、ベリルが目に付けている人物が生存していることに喜んでいるのだが、その際に悍ましい表情を顕にしている。
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;「あー……そうだよなぁ。アンタには分からないよなぁ」<br/>(神様なんかになったら、マシュを愛せなくなるじゃねえか)
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:『フロムロストベルト』にてキリシュタリアを刺した理由を問われての返答。
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:ゲーム本編では「クズのままでいたい」と述べていたが、マシュに対する感情を考えると後半に記述されている内心もあったものと思われる。
  
 
==メモ==
 
==メモ==
*上記のとおりマシュから彼のことを触れていなかったが、裏を返せばマシュが'''彼の事に対する言及すら忌避されるだけの因縁や事情を持っている'''ことが伺える。
+
*第2部の前期OPでは口元が血塗れになっているなど、不穏な部分を覗かせており、当初は上記の血塗れの口元ややけに尖った耳、デザインが『月姫』のコミック版を担当した佐々木少年であること等から、プレイヤー間では「実は[[死徒]]ではないか」等と噂されていた。
**さらに第二部のOPでは口元が血塗れになっているなど、不穏な部分を覗かせている。
+
*上記のとおりマシュやダ・ヴィンチが彼について名前だけで済ませて説明を打ち切っており、謎に包まれた人物像や経緯は第二部の本編で少しずつ明かす形となっている。
 +
** クリプターであるカドックがマシュに対する処遇を語るシーンにおいて、キリシュタリアやカドック、ヒナコやデイビットはマシュを「カルデアで生まれ育ったデザインベイビーであり備品」として必要以上に接触しない、ペペロンチーノやオフェリアは女の子同士といって食事に誘ってよくマシュを困らせた<del>ペペロンチーノがそういう扱いになっているのは追求しないでおこう</del>とのことだが、'''ベリルだけは名前を挙げるどころか一切触れられていない'''<ref group = "出">『永久凍土帝国 アナスタシア』第20節「激動の大地」</ref>。後に判明する彼の所業をすればさもありなんである。
 +
*彼の担当する異聞帯では原始的であり、「有り得たかもしれない人類史」とは到底思えない酷い環境であることが窺えており、『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』では「そもそも消えかけであり、維持するのもやっと」であることが明かされている。
 +
**だが、その異聞帯は異聞深度の数値や副題の名称が第1部での第六特異点を思わせるものだったりと、こちらでもかなりの不穏さを漂わせていた。まさかそれが文明社会が必要ない[[妖精]]の国で、さらにその環境の原因もまた国民たる妖精達のせいだったとは誰も思わなかっただろう…。
 +
*奈須きのこ氏曰く、一番気が合いそうなクリプターがベリルで「何をやればプラスになるかマイナスになるのかまったくわからない」ため、ある意味こっちも気が楽になるらしい。コツは密室で二人きりにならないとのこと。<ref group = "出">週刊ファミ通 2020年8月13日号 『FGO』一問一答 P.108</ref>
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 +
== 話題まとめ ==
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;ベリル・カット
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*明らかになった悪性の強さに加え、ギリシャ異聞帯でキリシュタリアを謀殺した経緯と、よりにもよって執着相手がマシュ・キリエライトで、尚且つ彼女にDV紛いの「愛情表現」をしていた事が判明するや否や、多くのプレイヤーに怒りとヘイトを募らせたクリプターだったが、担当するブリテン異聞帯の住民が一部を除けばベリルが霞んでしまう程に醜悪で悪辣な思想と価値観を持つ暴民連中ばかりで成り立っていたため崩壊は避けられなかった事と、当人が予想以上に裏方に徹底していた事から''存在そのものが途中から半ば忘れ去られる''事態となり、さらに2021年開催の6周年記念オンラインイベント、及び2022年開催の7周年記念イベント1日目における各異聞帯シナリオの朗読劇では、ネタバレ防止のため''ベリルが一番活躍する重要場面が丸ごと飛ばされる''羽目となり、プレイヤー達のやり切れなさと異聞帯での胸糞と後味の悪さを彼の名前と掛けて『ベリル・'''カット'''』というネタよりの渾名が誕生してしまった。
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**キリシュタリアとペペロンチーノについても、それぞれ異星の神に最初から生命を握られていた、神通力で自身の余命がこれきりだと予め気づいていたという既に寿命が詰んだ状態だった事情もあり、ベリルが手を下す必要が全くなかった事も拍車がかかってしまったといえる。
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**一方でマシュへの歪んだ愛情に関する結末に対しては、彼女自身から異聞帯での一連の行動と、過去における暴行行為も含め'''『自分を愛している』というベリルの思いそのものは間違いなく本物で本気なんだと承知した上'''で、「その伝え方が間違っているし、理解も出来ないから応えられない」とマシュなりのキッパリとした拒絶の言葉を告げられる形で書ききってはいるので、ベリル・ガットという『一人の恋する男の物語の終わり』としてはこれ位が丁度良かったのかも知れない。
 +
***奈須きのこ氏によると、ブラックウルフとなった際自分に令呪を使う予定もあったそうだが、ボイスの収録までしていたのに仕様の関係上没になってしまったらしい。一体ベリルはどこまでカットされるのか……。<ref group = "出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/202107.html 竹箒日記 2021/07/28]</ref>
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== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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===注釈===
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===出典===
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== リンク ==
 
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*[[登場人物]]
 
*[[登場人物]]
 
*[[魔術師]]
 
*[[魔術師]]
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*[[クリプター]]
  
 
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2024年12月13日 (金) 17:48時点における最新版

ベリル・ガット
外国語表記 Beryl Gut[出 1]
性別 男性
身長 185cm
体重 75kg
特技 ウィッチクラフト、服飾、ガーデニング
好きな物 かわいそうなヤツ、おもしろいヤツ
苦手な物 たのしそうなヤツ、つまらないヤツ
声優 石谷春貴
デザイン 佐々木少年[1]
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order』に登場するイングランド出身の魔術師。Aチーム、後のクリプターの一人。

略歴
Aチームメンバーとしてカルデアから選抜されたが、レフの妨害工作により瀕死の重傷を負い、コフィンで凍結保存されてしまった。
復活後はキリシュタリアから自身が担当するブリテン異聞帯の危険性をあらかじめ聞かされており、『異星の神』の目論みを潰すためそれを自滅させるよう頼まれる。
その後、ブリテン異聞帯でカルデア式の召喚システムを利用して汎人類史のモルガンを召喚しその場は一旦後回しにして眠りにつくが、その間にモルガンは「自分のブリテンを創る」という我欲を優先し、独自にレイシフトを解析・模倣してカルデアを含めた汎人類史の情報を楽園の妖精異聞帯の自分宛に送信。その結果空想樹を使ってブリテン異聞帯を一から全く違う世界に作り変えてしまい、ベリルが目を覚ますと辺りは様変わりして豪華な王城のベッドに寝ていたばかりか、外ではたったの一晩で国と文明が出来上がっていた上に空想樹は枯死、サーヴァントとして召喚したはずのモルガンは『異聞帯の王』に取って代わられ、さらに今の自分は空想樹がある世界≒滅んだブリテン異聞帯を知る者という矛盾を解消するべく存在を一旦消されて生み出された瓜二つのクローン=実質上二度目の死を迎えているという斜め上の事実[注 1]を尽く突きつけられる。だが、元から刹那主義な上に『執着する人物を手に入れる』事以外どうでもよかったのでそれ等を意に介さず、異聞帯の運営は彼女に一任し自分は自分で独自の策を練り始める。
そして表面上は空想樹を伐採した事により、担当異聞帯を追われて逃げ込んで来たという名目の下、滞在していたギリシャ異聞帯でブリテン異聞帯の空想樹「セイファート」の残骸を燃やし、天幕を介してこの異聞帯の空想樹「マゼラン」へ延焼させることでオリュンポスの破壊に成功。そこで終わるはずだった所へ、偶然からキリシュタリアが『異星の神』に協力した真の目的たる「自分以外の人間を、寿命までの絶対の生存が確立した『神に近しい存在』に昇格させる」計画の全貌を知ると、殺人を至高の楽しみかつ目的とするベリルにとって、到底それは『つまらない』かつ『気に食わない』事案であったため、モルガンに自分目掛けて “ロンゴミニアドを模倣した魔術” をワザと落とさせて隙を作り彼に致命傷を負わせ、その後は間に入ったラスプーチンとカルデア一行に「今この地球上で最強の存在は自身の異聞帯の王である」と宣言した後、コヤンスカヤの転移契約を使ってブリテン異聞帯へ逃走する。
続くブリテン異聞帯前編では機が熟すまでの半年の間、『暇つぶし』として汎人類史の話を聞かせた事で懐かれた妖精騎士トリスタンと共にニュー・ダーリントンで殺戮ショーを開いたり、地下で人間を贄にしたモース毒の改良と研究実験に勤しみ、ギリシャ異聞帯で事を済ませて戻るとカルデア一行…強いてはマシュを手に入れる為に、その一番の邪魔者である主人公を謀殺すべく待ち受ける。
そして上陸した土地の影響で記憶を無くしたマシュが「予言の子」としてシェフィールドへ連れて行かれた事を、彼女を売った商人の1人ウィンキーから聞き出すと、モルガンの命令を受けた妖精騎士トリスタンに付き添う形でシェフィールド侵攻に同行。人質として捕らえた領主のボガードを彼女に甚振らせてマシュをまんまと誘き出し連れて行こうとするが、ハベトロットの警戒に加え当人からも本能的に危険人物だと勘づかれた事と、ギャラハッドの能力が戻っている上に普段よりも倍以上の強さとなっている所為で到底敵わないと確信していた故に、瀕死のボガードの身柄を引き換えにして見逃してもらい、ひとまず先に彼が勝手に使用していたブラックバレルを回収しようと思ったが、何故か見当たらなかった為にその場は断念して立ち去る。この時異聞帯のモルガンのマスターは自分だという『秘密』を打ち明けているが、当然嘘っぱちである。
後編ではモルガンの招待によってキャメロットに呼ばれた一行の前にマスターとして姿を現し、交渉が決裂すると同時に臨戦態勢に入るが、彼女に強制的に押さえつけられてしまい直接手にかける事は叶わなかった。代わりにロンディニウム防衛戦で狙いをつけるも、そこにペペロンチーノが居たことから急遽本拠地への襲撃を取りやめ、代わりに妖精騎士トリスタンを利用する形でパーシヴァルに敗走したウッドワスに呪術を仕掛けて魔力の要素[注 2]を奪い、それを喰らう事で彼の霊基を直接取り込みマシュへの対抗力を手に入れる。その後はムリアンが主催するグロスターの舞踏会にモルガンの名代で妖精騎士トリスタンと共に現れ、鐘を探してオークション会場に誘導された主人公とアルトリア・キャスターに対峙し戦闘となる[注 3]が敗北。同時に「妖精騎士トリスタン」の着名が剥がれ真名のバーヴァン・シーに戻ってしまった事で焦燥していた彼女が『失意の庭ロストウィル』を持ち出してエディンバラ帰りの一行に向けて発動し主人公とアルトリアを閉じ込めると、先の魔術の副作用で手足が腐食し動けなくなっていたバーヴァン・シーはそのまま自室に捨て置き、『庭』の方はニュー・ダーリントンの地下聖堂へ置きに行くも程なくして脱出[注 4]される。
すると彼らを迎えに来たペペロンチーノとマシュが合流した所へ、モース実験の過程で創り出した500体ものモース人間…早い話がその実態は、生きたままモース毒を大量に感染させられた無辜の人間達をけしかける[注 5]と同時に地下聖堂を爆破して証拠隠滅を図るも、何故か2人の表情には一点の曇りもなかったため、今度は取り込んでいたウッドワスの能力を使って直接排除にかかる。だが、実は裏で一連の企みを見抜いていたペペロンチーノが先回りして呪いを全て自身に転写しており、さらには真っ先に攻撃される事も読んでいた事から、その一瞬の隙に呪詛返しを仕掛けられた為にモース毒を自分が被る羽目になってしまい、そこをマシュに突かれて一先ずは逃亡する。
崩壊編では妖精國ブリテン中に『大厄災』が蔓延し、その一つたる妖精騎士ガウェインことバーゲストが変貌した「獣の厄災」をマシュが円卓の騎士の協力で打ち倒し、一息ついていたタイミングで襲いかかるも、ペペロンチーノの忠告を思い出した主人公が駆けつけて庇った事でまたもや阻まれてしまう。この時点でベリルの身体はモース毒によって腐臭が漂い、手足が腐敗し崩れ落ちてはまた再生するを繰り返し立っているのもやっとの状態であった。
そして最後の戦闘によってウッドワスの霊基が崩れ、元の姿に戻ってもなおマシュを諦めることが出来ず意識が朦朧としながらも彼女を求めるが、「(例えその思いがどんなに本物であったとしても)そんな愛など自分には分からないし、誰にも理解されないでしょう」という毅然とした拒絶の言葉を受け、満足気に笑いながら死亡した。
人物
オールバックにした黒髪に眼鏡をかけ、尖った耳の男。かつては第一魔法にも関わったとされる「魔女」の血が流れている。一見すると魔術師というよりはギャングの一員のような伊達男であり、飄々とした兄貴分という人物。自分に兄弟がいないこともあってかカドックに対して気にかけたり、オフェリアはおろかリーダーであるキリシュタリアに対してもフランクな態度を取っている。
だが「殺すも奪うも生きてこその喜び」と凶悪な形相で語っている[出 2]ように、その実態は快楽を目的とした殺人者であり、元々所属していた時計塔からも「狼男」と蔑まれた殺し屋という素性を持つ。一方でキリシュタリアからは「自分を騙すのが得意で、イヤな仕事ほど真摯にやり遂げようとする」とも評されている[出 3]が、これは退屈が嫌いでその場が一番面白ければ良いという刹那主義に基づく行動であり、その為なら平気で危ない橋を渡る行為を犯し、時としては自分の命までも簡単に天秤に掛けてしまう事さえある。
かつてカルデアの生き残りである「ある人物」に執着心を抱き、その人物の治療室に押しかけるも発見したドクターによってすぐに追い出されてしまった過去を持つ[出 2]が、この人物こそスカウトされた当初カルデアの医務室で見かけた、当時はまだ感情も何も無い未熟児のような、ベリル本人が評して曰く「とても不細工な有り様だった」、後のAチームメンバーとなるマシュ・キリエライトであり、彼女を一目見て将来誰よりも美しく綺麗な存在になると確信すると同時に心惹かれるのだが、元から人の物差しで美意識を測ることが出来なかった彼は、マシュに接する過程で自分の手で美しいものを壊す事によってその『美しさ』を感じ取れるという歪んだ価値観に気付いてしまい、寝たきりで動けないのをいい事に彼女の指を折る等して苦痛を負わせ、その姿を心から真剣に労る事で自分なりの「愛情」を示しており、それは同時に殺人以外に見出した『楽しみと喜び』でもあった。とはいえども、そのやり方は周りからすれば異常である事に変わりはなかったため、Aチームの初回レイシフト実験が行われる1年前にも同様の理由で再び押しかけた時は、流石のドクターからも激昂を受け殴られた末に一時拘束され、治療室に立ち入る手段を永久に取り上げられてしまった[出 4]
そもそもベリルにとって興味を抱く物事への判断基準は、「面白い」のか「そうじゃない」かの二択しかなく、後者なら何であろうと躊躇なく殺し壊し、前者であってもその在り方が何処かで行き詰る=それ以上の面白さは見込めないと感じたり一瞬でも飽きてしまえば、やはり躊躇いもなく手にかけてしまう為、カルデア所属以前はフリーの殺し屋専門の魔術師として裏社会に身を投じていたが、この気まぐれのせいで必要以上に周りを殺し過ぎた結果、その手の者達からも危険人物と看做され干されかかっていた。
事実担当であるブリテン異聞帯においても、妖精國ブリテンはその『構図と本質』故にあのまま放っておけば自然に自滅すると見抜いていたが、逆にそれを利用してマシュの純粋な心につけ込み、妖精達に弄ばれて使い倒された挙句、良心の呵責に耐えかねて心身ともに絶望した所を奪取して囲ってやればいい云う下劣な思考の下、その舞台装置とするべくモルガン共々あえて泳がせておく形で放置していた。
そしてカルデア一行がやって来た事で目論見が半分達成されると、彼女の目を盗んで他の妖精に自分しか知らない情報を与えたり、後々厄介な存在となりうるウッドワスとバーヴァン・シーの両者をぶつけ合う形でいっぺんに始末する事で、遠回しながらもブリテンの崩壊を早める手段に手を貸していた事が窺える。
能力
Aチームに戦闘要員として選抜されただけの高いレイシフト適性と実力を持っている。
高名ではないが魔術師としての家系そのものは古く、獲物の追跡、自身の姿の隠匿、死に至る毒、業の腫瘍化、苦痛の増加、不運の前借りなど様々な暗殺・拷問に適した黒魔術を魔女の母親から教わった。その中には使用者の魂を腐らせる危険な魔術もあるが、そういう類いのものは劇中でベリル本人は使う事は無く、弟子に副作用について黙った上で使わせている。
実際に使用するシーンは描かれていないが、『猟奇固有結界・レッドフード』という固有結界も持つ。
上述のように魔術は使えるが、本人曰く面倒でピストル一丁を使う方が好ましいらしい。
特に強力な魔術は他の生き物に化ける儀式。一朝一夕にはできない魔術だが、近道としてなりたい生き物の要素を集めて平らげる事ができる。ブリテン異聞帯ではウッドワスの霊基を取り込んでその能力を使用するが、その詳細は「ウッドワス」を参照。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order
クリプターの一人として登場。
彼の管轄となっているブリテン異聞帯にて対決する事になる。

Fate関連作品[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order フロム ロストベルト
クリプターの一員として登場。

その他[編集 | ソースを編集]

TYPE-MOON エイプリルフール企画
2023年の企画『Fate/Grail League』及び2024年の企画『Fate/Dream Striker』に登場。

人間関係[編集 | ソースを編集]

クリプター[編集 | ソースを編集]

カドック・ゼムルプス
彼に対して兄貴のように接しているが、彼からは「兄貴分はペペロンチーノだけで十分だ」と突っ撥ねられている。
ロシアに続き北欧異聞帯を落とされた後の会議では、自分を負け犬と称したカドックに意味深な反応を示していた。
実はこの時から「本当に負け犬ならば自分の手で殺す」と明確かつ密かに殺しの標的にしており、そのためギリシャ異聞帯にて自身の計画の遂行のタイミングを図りつつ単独行動を取っていたカドックを捜し回っていた。なお、この際にベリルはカドックを「かわいそうな弟分」と称しており、プロフィールや後に明らかになったベリルの人間性からして、カドックに対しては彼なりに親しみを抱いていたと思われる。
オフェリア・ファムルソローネ
キリシュタリアに対して遊び気分で接している事に対して彼女に叱責されている他、凶悪な人間性と血にまみれた経歴という点から毛嫌いされており[出 3]、信用に足るのか、異聞帯の拡張が務まるのか疑問視され、早い段階で彼女はキリシュタリアにベリルの危険性を指摘しており、皮肉にも彼女の懸念は、後に(彼女にとっても)一番最悪の形として的中する事となった。
一方でベリルの方は、彼女が命を落とした際に「身内」と称し仲間意識を見せていたが、後にオフェリアの事は「つまらないヤツ」と眼中に無かった事が明らかになった。
キリシュタリア・ヴォーダイム
オフェリアとは逆に凶悪な側面を含めてベリルを買っており、第5章冒頭で『異星の神』の裏をかく計略の一端として、担当する異聞帯の破壊を命じた。だが一方で、彼の『殺人』における価値観と思想については完全に理解の範囲外であった。
ベリルの方は実力差から当初こそリスクとリターンが合わないと、キリシュタリアを殺しの標的としては眼中に入れていなかったが、ギリシャ異聞帯の終盤にて彼が考えている計画の全貌が明らかになると、「そんな世界はつまらない」と見なして裏切り致命傷を与え殺害した。
スカンジナビア・ペペロンチーノ
「自分と同類のろくでなし」と思っていたが、彼が仲間殺しを許さなかった為に『同じ穴のムジナ』である事を逆手に取られて計略を尽く見破られ、最期は彼の命がけの報復によって致命的な呪詛を喰らうことになる。
殺し方では他のクリプターより自分の方が慣れていると思っていたベリルだったが、ペペロンチーノの方が一枚上手だったのを最期まで理解できていなかった様子[出 5]

人理継続保障機関フィニス・カルデア[編集 | ソースを編集]

マシュ・キリエライト
歪んだ愛情を持ち、執着している相手。治療室に押しかけるもロマニに見つかって追い出された過去を持っている。彼女がAチーム唯一死に至る「大令呪」を有していなかったのも、自分が始末屋になる条件としてマシュの分の免除を申し出していた為。
ブリテン異聞帯における数々の残虐な所業や根回しも、全ては『彼女を手に入れる』為にやった事であり、死に瀕した間際になっても執着し続けた。
なお当人は最初、ロマニが居たとはいえ人としての感情や感覚を十二分に把握出来ていなかった事もあって、ベリルが自分に施す「愛情表現」の意味が分からず半ばされるがままの状態[注 6]であり、後々に主人公やサーヴァント達、及び特異点や異聞帯における現地人との交流を経て、その悍ましさと異様さに改めて気が付いていったと考えられる。
ロマニ・アーキマン
治療室に押しかけたベリルがマシュにやっていた所業に対して激怒し、殴りつけた末に追い出して永久出禁にされてしまった。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
マシュとベリルの間に起きていた諸々の経緯をロマンからあらかじめ聞かされていたのか、それぞれのAチームを説明しているのに対し、「一人くらい名前だけで済ませてもいい」という形で打ち切られていた。
『フロム ロストベルト』では芸術に興味があった為、大喜びで彼女の工房を訪れていたが、眼鏡にかなった「芸術品」は見つからなかった様であった。
主人公 (Grand Order)
当初は『自分からマシュを奪った相手』という嫉妬から、名前も覚えていない(覚えようとしていない)有様で、中国異聞帯では「マシュの陰に隠れたまま英雄になった奴(意訳)」という皮肉も込めて他のクリプター以上に棘のある感情を向けている上、異聞帯を次々と破壊している姿を脅威と見なしており、裏でコヤンスカヤに暗殺を依頼している。
後に大西洋異聞帯の冒頭では評価を改め「活きが良いマスターで我らが誇る補欠後輩(意訳)」と軟化し、ブリテン異聞帯では「マスターとしては一流」と実力を認めるも、マシュに関する一方的な妬みそのものは全く変わっておらず、幾度となく卑劣な罠にかけ心壊を企んだ。

ブリテン異聞帯[編集 | ソースを編集]

モルガン
自身のサーヴァントとして召喚したはずが、契約完了前に主導権を奪われ主従逆転してしまう。挙句にその過程で一度モルガンによって存在を抹消された後に再度復元されたため “魔術で生まれたスワンプマン” のような存在になってしまったが、これに関してはベリル自身の元来の性格と、互いに執着するもの以外はどうでもいいスタンスもあったため然程気には留めておらず、怪しまれない程度の最低限接触以外は不干渉を決めていた節もあった。
とはいえどもベリルからすれば、妖精國も彼女も所詮はマシュと主人公達が来るまでの暇つぶしの道具かつ、両者をおびき寄せる為の舞台装置としか思っておらず、それが達成された時点で興味が無くなったのもあり、用済みと言わんばかりに裏々で手を回して間接的に追い詰めた末、国諸共滅ぼした。
ちなみに最初のサーヴァント召喚の際、ベリルは「どうせなら世界を壊せる者がいい」と豪語していたため、『ブリテンを壊した魔女モルガン』を引き当てた事はある意味言い得て妙かつ必然性があったと言えよう。
妖精騎士トリスタン/バーヴァン・シー
モルガンの義娘。汎人類史の世界の話をしたことで彼女に懐かれ、黒魔術やそれに伴う残酷な殺し方等を教える等色々と面倒を見ており、お互いに「レッドベリル」「レディ・スピネル」と呼び合っている。ベリル自身もある部分でシンパシーを感じる友人と本気で認識していたが、彼の友人の定義は一般におけるそれとは大きく逸脱したものであった。
同時に彼女が今までの処遇の所為で心身が摩耗し、壊れかけ寸前の状態である事に気づいていたらしく、心優しい本質と、お母様を慕い期待に応えようとする気持ちを利用して散々無理強いをさせた上に、最後は自身の魔術の呪いを肩代わりさせる為の実質的な手駒のように扱った。
ウッドワス
英霊の地名補完によって強さが増したマシュに対抗すべく、妖精の中で最も強力な肉体を持つ彼の霊基を複写し自身に取り込む。そこには妖精騎士トリスタンと同じ様にモルガンを潰すための障壁の排除もあった。
ボガード
マシュを「花嫁」として囲っていたシェフィールドの妖精。妖精騎士トリスタンの能力の実践相手かつ、マシュを焚きつけるため嬲り殺しにした。恐らく花嫁の件でベリルが嫉妬心と逆恨みをかき立てたのも一因と考えられる。
オーロラ
両者が統治する街の関係性からも分かる様に、氏族の能力である「風の報せ」を使ってモルガンに関する情報を提供していたと思われる妖精。
オーロラは自己愛、ベリルはマシュと自身の楽しみの為に時として危険な行為や、多くの無辜の人々の利用と犠牲も厭わないと云う根幹が似ているので、『類は友を呼ぶ』とは正にこの事なのだろう……同時に一人の人物への恋心と執着心が、自身の破滅への引き金になったという皮肉な共通点も併せ持っている。
ウィンキー
マシュをボガードに売った三人組の一人で、彼女に関する一連の情報を提供して貰っていた妖精。
最後は証拠隠滅の為に殺害したが、此方も恐らく『マシュと心を通わせた』事がベリルの逆鱗に触れた所為もあると考えられる。

その他[編集 | ソースを編集]

母親
「母ちゃん」または「婆ちゃん」(ベリルの母親は妖精であると主張しているので、母親が彼女自身)と呼んでおり、関係性はそれほど悪くない模様。
「森の住人」「近代では暮らしにくくなった」などと直接の登場はないが断片的に語られており、ベリルの尖った形の耳などから人狼、あるいは魔女なのではないか?とプレイヤー間では噂されている。
正体は予想通り「魔女」ではあったが、その実は魔術協会から棄てられ、消費文明を嫌うが故に現代社会にも馴染めず取り残された異物と言える存在。その中でもベリルの母は巨大なヒキガエルのような風貌で『妖精』を自称していたが、「とある魔法使い[注 7]」の所為で人間の男に騙されて彼を産み落としこの様な醜い容姿になった為、息子に対して「産まなければよかった!」と八つ当たりの如く罵ったかと思えば、一転して「大切な可愛い子」「自分の生き甲斐」と称して溺愛する等、愛憎混じりの情を向けられていた。
黒魔術を一通り学んだ後はベリル自身にとってもう要らない存在となり、「誰よりも綺麗な星の瞳」を潰して森の中に捨て去った。その後については作中で言及がなく、『フロム ロストベルト』でのベリル曰く「今も生きているのか死んでいるのかは分からない」との事で生死不明となっている。
「お姫様」
クリプター会議でベリルが語った、担当していたブリテン異聞帯にいた存在。
ベリル曰く世間知らずで、「利用してやろうとお近づきになった」との事だったが、彼女からは「地獄の果てまで一緒にいましょう!」とグラビティすぎる愛を向けられており、ドン引きしている。このこともあってカドックには「王族には気をつけろ」とアドバイスしていたとか。
しかし、ブリテン異聞帯では当てはまる人物がおらず、プレイヤーの間では当初は妖精國の住民達を統合して彼なりに揶揄した言葉ではないかと解釈されていたが、TYPE-MOONエースVOL.14でのインタビューにおいて奈須きのこ氏より正体が妖精騎士トリスタンである事が判明した。
しかし同時に「バーヴァン・シーに付きまとわれていたのは本当だが、聞いた人が誤解をするような言い回しをあえてしていた」とされており、「嘘に本当のことを織り交ぜ、大事なことを隠している」[注 8]ともされているため、クリプター会議での彼女に関する発言は嘘っぱちであると思われる。
ジャック・ザ・リッパー
『フロム ロストベルト』にて、シミュレーションで行った第四特異点で言及していた「アサシン」。
名前は直接出されていないが、十中八九彼女の事と思われる。
「必ずこちらを殺しに来る。ああいうタイプはよくわかる」と自分に引き比べたかのようなプロファイリングをしていた。
言峰綺礼
同じ様に「美しいものを傷つけた時だけ、それを美しいと感じられる」という破綻した価値観の持ち主だが、彼は当初その事実を受け入れられず苦悩し続け、吹っ切れた後も心底では自分の在り方を模索しているまともな道徳観念や精神性があるのに対し、ベリルは最初からどちらも持ち合わせてはいない。

名台詞[編集 | ソースを編集]

「それとは別にさ。―――が生きていたことは、嬉しい。
 こんなに嬉しいのは、初めてアイツの治療室に押し入った時以来だよ。
 あの時はドクターに見つかってすぐに追い出されたが。今はもう、邪魔するヤツは一人もいない」
クリプター同士との会合の通信を打ち切る際に。カルデアの生き残りに、ベリルが目に付けている人物が生存していることに喜んでいるのだが、その際に悍ましい表情を顕にしている。
「あー……そうだよなぁ。アンタには分からないよなぁ」
(神様なんかになったら、マシュを愛せなくなるじゃねえか)
『フロムロストベルト』にてキリシュタリアを刺した理由を問われての返答。
ゲーム本編では「クズのままでいたい」と述べていたが、マシュに対する感情を考えると後半に記述されている内心もあったものと思われる。

メモ[編集 | ソースを編集]

  • 第2部の前期OPでは口元が血塗れになっているなど、不穏な部分を覗かせており、当初は上記の血塗れの口元ややけに尖った耳、デザインが『月姫』のコミック版を担当した佐々木少年であること等から、プレイヤー間では「実は死徒ではないか」等と噂されていた。
  • 上記のとおりマシュやダ・ヴィンチが彼について名前だけで済ませて説明を打ち切っており、謎に包まれた人物像や経緯は第二部の本編で少しずつ明かす形となっている。
    • クリプターであるカドックがマシュに対する処遇を語るシーンにおいて、キリシュタリアやカドック、ヒナコやデイビットはマシュを「カルデアで生まれ育ったデザインベイビーであり備品」として必要以上に接触しない、ペペロンチーノやオフェリアは女の子同士といって食事に誘ってよくマシュを困らせたペペロンチーノがそういう扱いになっているのは追求しないでおこうとのことだが、ベリルだけは名前を挙げるどころか一切触れられていない[出 6]。後に判明する彼の所業をすればさもありなんである。
  • 彼の担当する異聞帯では原始的であり、「有り得たかもしれない人類史」とは到底思えない酷い環境であることが窺えており、『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』では「そもそも消えかけであり、維持するのもやっと」であることが明かされている。
    • だが、その異聞帯は異聞深度の数値や副題の名称が第1部での第六特異点を思わせるものだったりと、こちらでもかなりの不穏さを漂わせていた。まさかそれが文明社会が必要ない妖精の国で、さらにその環境の原因もまた国民たる妖精達のせいだったとは誰も思わなかっただろう…。
  • 奈須きのこ氏曰く、一番気が合いそうなクリプターがベリルで「何をやればプラスになるかマイナスになるのかまったくわからない」ため、ある意味こっちも気が楽になるらしい。コツは密室で二人きりにならないとのこと。[出 7]

話題まとめ[編集 | ソースを編集]

ベリル・カット
  • 明らかになった悪性の強さに加え、ギリシャ異聞帯でキリシュタリアを謀殺した経緯と、よりにもよって執着相手がマシュ・キリエライトで、尚且つ彼女にDV紛いの「愛情表現」をしていた事が判明するや否や、多くのプレイヤーに怒りとヘイトを募らせたクリプターだったが、担当するブリテン異聞帯の住民が一部を除けばベリルが霞んでしまう程に醜悪で悪辣な思想と価値観を持つ暴民連中ばかりで成り立っていたため崩壊は避けられなかった事と、当人が予想以上に裏方に徹底していた事から存在そのものが途中から半ば忘れ去られる事態となり、さらに2021年開催の6周年記念オンラインイベント、及び2022年開催の7周年記念イベント1日目における各異聞帯シナリオの朗読劇では、ネタバレ防止のためベリルが一番活躍する重要場面が丸ごと飛ばされる羽目となり、プレイヤー達のやり切れなさと異聞帯での胸糞と後味の悪さを彼の名前と掛けて『ベリル・カット』というネタよりの渾名が誕生してしまった。
    • キリシュタリアとペペロンチーノについても、それぞれ異星の神に最初から生命を握られていた、神通力で自身の余命がこれきりだと予め気づいていたという既に寿命が詰んだ状態だった事情もあり、ベリルが手を下す必要が全くなかった事も拍車がかかってしまったといえる。
    • 一方でマシュへの歪んだ愛情に関する結末に対しては、彼女自身から異聞帯での一連の行動と、過去における暴行行為も含め『自分を愛している』というベリルの思いそのものは間違いなく本物で本気なんだと承知した上で、「その伝え方が間違っているし、理解も出来ないから応えられない」とマシュなりのキッパリとした拒絶の言葉を告げられる形で書ききってはいるので、ベリル・ガットという『一人の恋する男の物語の終わり』としてはこれ位が丁度良かったのかも知れない。
      • 奈須きのこ氏によると、ブラックウルフとなった際自分に令呪を使う予定もあったそうだが、ボイスの収録までしていたのに仕様の関係上没になってしまったらしい。一体ベリルはどこまでカットされるのか……。[出 8]

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]

  1. この時点で『序』における定例会議の際、ベリルが言っていたブリテン異聞帯に関する現状は全て嘘であったことが分かる。
  2. この『要素』がなにか詳しい描写はないが、2部開始序盤におけるCMにてベリルの口周りが血塗れな事から恐らく心臓
  3. この戦闘でベリルは強化魔術しか使用せず、令呪はおろか「大令呪」も発動される気配がないまま終わる。
  4. アルトリアは礼装の性質を見抜くとすぐさま魔術によるプロテクターをかけて回避、一度は呑み込まれて自己喪失しかけた主人公も恩師であり先導者の言葉を思い出し自力で抜け出た。
  5. この行動は手っ取り早い邪魔者の排除の他、なんの抵抗もしない一般人を手にかけされる事で自責の念を与え、主人公とマシュを精神的に追い詰めさせる魂胆もあった。
  6. 初期におけるマシュから主人公への過激かつ物騒な発言も、この時のベリルの行動による悪影響が要因ではないかとプレイヤーからは推測されている。
  7. 回想場面に「マインスターとその小娘」、「魔法使いユミナの直系」という呼称が出てくる事から、久遠寺有珠親子が関わっている可能性が示唆されている。
    或いは同じ様に人間の男との間に子供を授かったにも関わらず、マインスターの容姿が変貌しなかった事を逆恨みしているとも推察されている。
  8. そもそも、元来ベリルはマリスビリーに脱走兵や裏切り者の始末屋としてスカウトされており、標的はクリプターのメンバーも例外ではない。そのため、ベリル個人の目的や思惑も含め、標的の炙り出しも兼ねて本心や真実を晒すような事は避けていたと思われる。

出典[編集 | ソースを編集]

  1. 『Fate/Grand Order -MOONLIGHT/LOSTROOM-』
  2. 2.0 2.1 『永久凍土帝国 アナスタシア』プロローグ
  3. 3.0 3.1 『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』第4節「万物の霊長(後編)」
  4. 『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』第29節「ある予言」
  5. 『TYPE-MOONエースVOL.14』 別冊付録『Fate/Grand Order Lostbelt No.6: Fae Round Table Domain, Avalon le Fae Remittance』 奈須きのこ Interview P.58
  6. 『永久凍土帝国 アナスタシア』第20節「激動の大地」
  7. 週刊ファミ通 2020年8月13日号 『FGO』一問一答 P.108
  8. 竹箒日記 2021/07/28

リンク[編集 | ソースを編集]