「千子村正」の版間の差分

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:研鑽に研鑽を重ね、鍛えに鍛えぬいた末にたどり着いた、至高にして究極の一振り。
 
:研鑽に研鑽を重ね、鍛えに鍛えぬいた末にたどり着いた、至高にして究極の一振り。
 
:その一刀は、縁も、定めも、業も―――宿業さえも切り裂いた。
 
:その一刀は、縁も、定めも、業も―――宿業さえも切り裂いた。
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;「神ならぬ身で都牟刈を使ったんだ。そりゃあ消えるさ。<br> 仕事はきっちり終わらせたんだ。先に上がっちまっても文句はねえだろ?」
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:上記にて宝具『<RUBY><RB>無元の剣製</RB><RT>つむかりむらまさ</RT></RUBY>』により、[[天草四郎時貞 (剪定事象)|黒幕]]が発動した固有結界『島原地獄絵巻』を'''厭離穢土城ごと両断'''した後、自身のエーテルを崩壊させながら。
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:上記とその前後の台詞から、彼は初めから都牟刈を振るう代償として自身の消滅を織り込んだ上で宝具を温存・使用する機会を慎重に見計らっていたことが伺える。[[おぬい|心]][[田助|残り]]があることを口にしつつも自己犠牲を厭わない辺りは[[衛宮士郎|依代となった青年]]に通ずるものがあると言えるかも知れない。
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;「まったくよぅ。手のかかるガキどもだったなあ。刀作りも子作りも変わらねえ。<br> 刀匠の果てに神仏に至るなんざ、生前の儂ゃあほとほと阿呆を極めたなぁ—————」
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:同上。生涯を通じて作刀に情熱を捧げた村正が、第二の生で得た幼子たちとの交流。
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:実の孫とは顔すら思い出せない程度の交流しかなかった生前の己を自嘲しつつ、静かに消滅していった。
  
 
==メモ==
 
==メモ==

2021年1月1日 (金) 18:10時点における版

セイバー
真名 千子村正
読み せんじむらまさ
性別 男性
身長 167cm
体重 58kg
好きな物 佳い砂と火、魚、握り飯
苦手な物 (強いて言うなら)ラスプーチン
依代 衛宮士郎
出典 史実
地域 日本
属性 混沌・中庸
声優 杉山紀彰
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

剣士」のサーヴァント

略歴
亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』では抑止力に召喚されたサーヴァントとして登場。英霊として成立するには人類史における功績が足りない、霊基が足りない存在である(明言はないが幻霊の区分であると思われる)ために自らに近い者を器とした存在(疑似サーヴァント)となっている。
下総国に迷い込んだ宮本武蔵に自身が鍛えた妖刀「明神切村正」を貸し与え、英霊剣豪と戦う力を図らずも与えることとなった。
厭離穢土城が変状してからは決戦に同行。剪定事象から現れた妖術師の固有結界を、都牟刈村正によって穢土城もろとも両断。その際に神剣を人の身で使った代償に消滅した。
ギリシャ異聞帯『神代巨神海洋 アトランティス』ではアストライアの回想にて他の3騎の使徒と同じように異星の神からアルターエゴとして召喚され、ラスプーチンと共に何十騎もの汎人類史側のサーヴァントを撃破していたことが判明。その後。オリュンポスにてカルデア一同と期せずして再会を果たす。
人物
刀作りに生涯を捧げた老人。現界に際しての外見は精悍な青年そのものだが、精神性はむしろ晩年に近い。
威勢が良く、迷いが無く、後腐れの無い性格。
ぶっきらぼうな物言いが多く、お世辞にも愛想がいいとは言えないが、いざ付き合ってみるとものすごく面倒見がいい。任侠肌の人である。
これは村正本人の性格でもあるが、依り代になった肉体の性格でもある。……あるいは、この依り代の少年がもし老年期まで人生を全うできたのなら、このような人格になっていただろう、とも。
相手がどうあれ、内容がどうあれ、仕事を依頼されたのなら、それを納得のいくレベルで『仕上げる』事を矜持とする仕事(大好き)人間。
仕事のためなら時に冷酷・冷徹な手段にも出るが、外道(げどう)働きだけはしないようだ。
生前は「刀を作れる」という能力の為に重用され、まともに生きていくことすら難しい戦国の世において飢えとも殺し合いとも無縁であった事を強く気に病んでおり、奇しくも器となった人物とは異なった形であるものの「サバイバーズギルト」を背負い込んでいる。
能力
ランクAと、本職のキャスターに匹敵する高レベルの陣地作成スキルを有する。刀匠である彼は鍛冶場を拠点とする為、サーヴァントとして現界するにあたっての解釈として付与された模様。
また刀剣の専門家というだけあり、芸術スキルとは似て非なるスキル「刀剣審美」を所有。(宝具ではなく)通常武装を見るだけで持ち主がどのように使ったか、どの様に戦うべきかを把握できる。
その他、下総でも描写された『妖刀村正』伝説に由来するスキルとして「当代不吉」を所有。為政者に災いをもたらしたという面からか、FGOでは徳川家のみならず「為政者・王への特攻」効果として働く。
自身の戦闘能力も十分に持ち合わせており、ランサー・プルガトリオの槍を避けつつのカウンターで自身の刀ごと上半身を爆散(宮本武蔵曰わく試剣術とも)させた程。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
セイバー 主人公 (Grand Order) A D E B A+ 対魔力:B
陣地作成:A
刀剣審美:A
当代不吉:B
樣物:B+
業の目:A
焔:EX

宝具

無元の剣製(ツムカリムラマサ)
ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:10人
つむかりむらまさ。究極の一刀を作り出す宝具。
特殊な固有結界(英霊エミヤの『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)』に似た風景であるという)の展開によって無数の剣の荒野を発生させた後、すべての剣が砕けて雪の結晶のように散り、千子村正の手にただ一本の刀が残る。
時間や空間、因果ごと断つ一斬。
刀の銘は「都牟刈村正(つむかりむらまさ)」。
都牟刈とは都牟刈之太刀(都牟羽之太刀)。
すなわち素戔嗚尊に殺された八岐大蛇、八頭八尾を有した赤眼の怪───八つの谷と峯にわたる超大さを誇る、日本最大の災害竜の尾から顕れた神器・天叢雲剣/草薙剣を示す。
なお、下総で使用した際は神ならぬ身で神剣を振るった代償として現界を保てなくなり消滅したが、カルデアに召喚された村正はこの宝具を使用しても消滅する事はない。

真名:千子村正

膨大な数の刀が打たれた戦国の時代、日本各地に数多くの優れた刀工が工房を構えていた。
時に、彼らは合戦に付き従い、戦いの最中に破損した刀を修理する事もあった。
中でも、伊勢国桑名の刀工である千子村正は名工として知られ、とりわけ三河の武士たちに刀を求められたという。
村正一門の刀には伝説がある。
妖刀であり、徳川将軍家に災いを為すというモノである。
家康の祖父・松平清康の斬殺に用いられた刀、
父・広忠を斬り付けた刀、
長男・松平信康を介錯した刀、
そして家康自身を傷付けた刀……
いずれの刀も「村正」の銘であったという。
名刀にして、徳川殺しの妖刀。恐るべき村正。
数多くの歌舞伎・講談の中に、血塗られた妖刀として『村正』は登場する。
徳川の敵対者による伝説もある。
西暦1651年、幕府転覆を企てた由井正雪は村正所有者だったとされ、『名将言行録』では真田幸村も所有者であるという。
幕末には西郷隆盛を筆頭に、倒幕派の志士たちが村正を求めた。戊辰戦争の際は、東征大総督・有栖川宮熾仁親王が『村正』を佩用したとされる。


登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』で登場。その後は長らく出番が無かったが、第二部五章『神代巨神海洋 アトランティス』及び『星間都市山脈 オリュンポス』にて、異星の神の使徒の一騎として登場。

人間関係

Fate/Grand Order

衛宮士郎
憑依先の人間。「錬鉄」、「生き残った者」という共通項から選ばれた模様。ストーリーを進めていくと、色々な共通点が見つかる。
彼の願いが影響しているのか、「この体に恥じないよう人を救う剣を振るう」と述べている。
宮本武蔵
亜種並行世界で出会った女剣士。
成り行きで自身の想いを込めた妖刀を渡すことになり、以降も助力してゆくことになる。
コミック版『英霊剣豪七番勝負』では「連れて行ったおぬいと田助を勝手に預けて独自行動する(ゲーム本編でもやったが)」「それなりの値段がするであろう遊女宿に泊まってツケを勝手によこす(全財産を超えるレベル)」「自分が打った妖刀を街中で見せびらかして撃剣興行を始める」などの行動を繰り返したため、本気でぶん殴ったりバックドロップやロメロスペシャルを極めに行くレベルで怒りを向けている。
ただし、英霊剣豪での出来事や主人公のことは覚えていない様子にも拘らず彼女のことはちゃんと覚えているらしい(当人曰く、座に持ち帰った数少ない『活動記録』であるとの事)。マイルームでは彼女を「風来坊」と称しつつ、その行く先に想いを馳せる一幕も。
風魔小太郎
共に戦う同士。
コミック版『英霊剣豪七番勝負』では上記の過程で武蔵と連帯責任でぶっ飛ばした上、「いつの間にか増えていた男の連れ」と認識しているので(インフェルノ討伐後時点では)あまりいい感情を向けていない。
おぬい田助
両親が妖魔に殺された二人を引き取って育てている。孫のような関係性で稼いだ資金は将来二人の生活の為に残しているらしい。
おたま (亜種並行世界)
土気の街で主人公一行が泊まっていた宿の遊女。
ゲーム本編ではおぬいと田助を連れてすぐに里に帰ったので面識はあまりないが、コミック版『英霊剣豪七番勝負』では主人公らがツケた宿代を支払うためにしばらく滞在して彼女の厄介になることになった。
アルトリア・ペンドラゴン
依り代の少年と深い縁を結んだ英霊。疑似サーヴァントの身であってもやはり気になる存在であるらしい。
当然ながら村正の人格としては彼女と直接の面識は無いのだが、「あの手の王様は一人で思い詰めていくから」と心配しており、マスターである主人公にも彼女としっかりコミュニケーションを取るよう忠告している。
とはいえ、元が同一人物にも拘らずやたら霊基のバージョンが多岐にわたっていることには若干引いている模様。貴方(の依代)も割と大概ですけどね…
エミヤ
依り代の少年が英霊に至った存在。
流石に自身の器と同一の存在だと気づいてはいないようだが、見ていると背中がむずむずするため苦手なんだとか。
エミヤ〔オルタ〕
こちらの存在についても言及。本家程むず痒くはならないが、微妙な座りの悪さを感じるらしい。
柳生但馬守宗矩
後の創作が産んだ因果によるものとはいえ、村正一門の刀剣が徳川特攻の効果を持つ事から、彼自身に徳川家への恨みがある訳ではないとしつつも複雑な模様。
シトナイ
依り代の少年と縁があった少女を器とする疑似サーヴァント。
村正を評して曰く「双子レベルのそっくりさん」との事で、外見と中身のギャップを面白がっている。
伊吹童子
身にまとう神気からいち早く真名を悟り、供え物をしなければと慌てている。
前述の通り彼女が持つ草薙の剣は村正の宝具のオリジナルに当たるため、ある種当然の反応と言えるかも知れない。
なお、村正は聖杯に掛ける願いとして「本物の草薙を見てみたい」と述べているため、伊吹童子を召喚しているカルデアでは聖杯を使わずして彼の願いをかなえられる。
グレゴリー・ラスプーチン
アルターエゴとして、同じ異星の神に仕える存在。
大西洋異聞帯では彼と共に汎人類史側のサーヴァントを何十騎も撃破していた。
とはいえ、当人としては好き好んで彼と組んでいたわけでは無い模様。寧ろ(依り代の影響か)顔を見ていると無性にイライラするらしく、嫌いなものの一つとして彼を挙げている。
リンボ
アルターエゴとして、同じ異星の神に仕える存在。
依り代同士縁がある上に基本真面目な(元)ラスプーチンと違い、露骨に嫌っている。
ヘファイストス
オリュンポスで彼に鍛冶師としての技量を認められ、正式な弟子として師事していることが判明。
「お師さん」と呼ぶ一方で時折「じじい」「つるぴか爺」等と軽口を叩いてはいるが、師弟としての関係は良好な模様。

生前

存在した事は本人の口から語られるが、作刀に人生を傾けすぎたためか顔もほとんど覚えていないとのこと。

名台詞

Fate/Grand Order

本編

「そうだよ。セイバー、千子村正。先刻の坊主やらと同じ、サーヴァントって奴だ。」
ランサー・プルガトリオとの戦いを乗り越え、主人公と武蔵に己の真名を告げる。
オレが目指す究極の一刀ってのはな、肉やら骨やらを断つやいばじゃねえ。
 ンなものはなんでもできるンだよ。斧でも包丁でもな。
 刀に生涯をささげるって人間がな、その程度のモンで満足していい筈がねぇ。
 なんで、オレ・・が求めたものは怨恨の清算――縁を切り、定めを切り、業を切る名刀だ。」
千子村正が目指すモノ。ちなみにこの時と後述のある場面の二カ所のみにおいて一人称が「儂」から「オレ」に変わり傍点で強調されている。つまり、この一瞬だけ依代となった青年の意識が表出していることが考えられる。
「このまま家光公の治世から一直線とはいくまいが、ああ、この国がなあ。」
「いつか、テメェみたいな穏やかな目のガキが……儂からすりゃ変わり者が……」
「ぽこぽこ増える日がやって来ンなら、成る程、泰平の世ってのもそう捨てたもんじゃねえ。」
戦国の乱世に生きる者たちの過酷さを語る村正だったが、平凡な一市民である主人公の瞳を見て、のちの泰平の世の到来を実感する。
「――――城が出来た、か。そいつは一言多かったな、妖術師。」
「奥の手はねぇのかって? 阿呆が。んなもん、あるに決まってンだろ。」
屍山血河とはまた異なる固有結界にて、身も心も焼き尽くされるかと思われたその時、刀を鍛える槌音が鳴り響く。そして……。
「かつて求めた究極の一刀。
 其は、肉を断ち骨を断ち命を絶つ鋼のやいばにあらず。
 我がが求めるは怨恨の清算。
 縁を切り、定めを切り、業を切る。
 ―――即ち。宿業からの解放なり。

 ……其処に至るは数多の研鑽。
 千の刀、万の刀をかたちどり、築きに築いた刀塚かたなづか
 此処に辿るはあらゆる収斂しゅうれん
 此処に示すはあらゆる宿願。
 此処に積もるはあらゆる非業―――
 我が人生の全ては、この一振りに至るために。

 剣の鼓動、此処にあり―――!
 受けやがれ、こいつがオレの、都牟刈ツムカリ村正ムラマサだぁ―――!!!!」
研鑽に研鑽を重ね、鍛えに鍛えぬいた末にたどり着いた、至高にして究極の一振り。
その一刀は、縁も、定めも、業も―――宿業さえも切り裂いた。
「神ならぬ身で都牟刈を使ったんだ。そりゃあ消えるさ。
 仕事はきっちり終わらせたんだ。先に上がっちまっても文句はねえだろ?」
上記にて宝具『無元の剣製つむかりむらまさ』により、黒幕が発動した固有結界『島原地獄絵巻』を厭離穢土城ごと両断した後、自身のエーテルを崩壊させながら。
上記とその前後の台詞から、彼は初めから都牟刈を振るう代償として自身の消滅を織り込んだ上で宝具を温存・使用する機会を慎重に見計らっていたことが伺える。残りがあることを口にしつつも自己犠牲を厭わない辺りは依代となった青年に通ずるものがあると言えるかも知れない。
「まったくよぅ。手のかかるガキどもだったなあ。刀作りも子作りも変わらねえ。
 刀匠の果てに神仏に至るなんざ、生前の儂ゃあほとほと阿呆を極めたなぁ—————」
同上。生涯を通じて作刀に情熱を捧げた村正が、第二の生で得た幼子たちとの交流。
実の孫とは顔すら思い出せない程度の交流しかなかった生前の己を自嘲しつつ、静かに消滅していった。

メモ

  • 初登場自体は亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』であったが、それ以前にFGOマテリアルのエミヤの項目にて言及されていた(その際のエミヤの反応は「………………むう。悪くない…………」)。エミヤと村正自体に全く接点が無かったこと、エミヤの発言内容等から千子村正は士郎の疑似サーヴァントではないかという予想が以前から挙がっていた。
  • NPCでありながら専用の立ち絵、宝具の発動、専用の一枚絵、更に処刑用BGMとして名高い「エミヤ」の専用アレンジ『無元の剣製』が用意されるなど元祖Fateの主人公に相応しい破格の扱いを受けており、プレイヤーからは「最後に全てを持って行った」と評されている。
    • 当然だが実装を望む声も非常に多く、その際の宝具は自爆系宝具になるのでは?と予想されている。
  • 同じくFate/stay nightの主役を依代とする疑似サーヴァントのイシュタルパールヴァティーとはクラス相性で三すくみの関係性になる。
    • 具体的には村正はイシュタルに弱いがパールヴァティーには強い。この三すくみは原作の三者の関係性を表しているのではないかとファンの間からは考察されている。
    • そして残る一人のメインヒロインであり原作で主従関係にあったアルトリアと同じ「セイバー」クラスとなっている。
  • 引き取って育てているおぬいからは「じいちゃま」と若い見た目に反して呼び慕われている。本人の性格が理由という意味もあるのだろうが、憑依元の衛宮士郎の事を知ってるファンからすると彼と衛宮切嗣との関係性を彷彿とさせる。
  • 千子村正の姿は初期から実装されていた礼装「リミテッド・ゼロオーバー」の姿にそっくりである。しかしよく観察してみると細部に違いが見受けられ、使いまわしではなく書き下ろしイラストなのが分かる。
    • イラストを書いた武内崇氏曰わくキャラ化するとは思わなかった[出 1]とのことなので「リミテッド・ゼロオーバー」を元に後から新規に書き下ろしされたものと思われる。
  • これまで何だかんだ言っても依代の特徴が強く出ていた疑似サーヴァントだが、今回のケースは依代(衛宮士郎)の性格や知識があまり表に出てこず、英霊(千子村正)が主体として行動しているのが大きな特徴である。
  • 本作では「せんじむらまさ」と訓じているが、正しくは「せんごむらまさ」と読む。千子(せんご)は現在の三重県桑名市辺りにあった地名であり、村正が居住したとされる場所である。
  • 実装を望む声の多さやその存在から連想出来る何かがあるのか、何かイベントがあるときはほとんどのイベントの予想で村正実装が囁かれている。

話題まとめ

妖刀村正
村正は、徳川家に仇をなす「妖刀」として広く知られている。その理由は徳川家康の祖父、父、長男を村正製の刀で殺害されており、家康自身も関ヶ原の戦いで村正製の槍に傷つけられたからである。これらの因縁から徳川家は村正を嫌悪するようになり、徳川家の村正は全て廃棄され、公にも忌避されるようになった。
しかし村正は徳川領の三河に近い伊勢の刀工であり、三河を始めとする東海地方に多くの一派が存在する。そして村正一派の刀剣を所持する徳川家臣もまた多かった[注 1]ので、これはいわゆる『母数が増えたがゆえに不祥事も目についた』類の事柄にすぎない。
実際、上述した家康が村正を嫌ったという説は後世の創作であり、名古屋の徳川美術館には家康の形見とされる村正作の刀が収蔵されている。一方で反徳川を標榜する人々にとっても村正は徳川打倒のシンボルになっており、幕末には多数の倒幕派の剣士が愛用したと言われる(もっとも偽物も多数出回ったが)。
幕末以降、日本では村正伝説は半ば廃れるが、アメリカで開発されたコンピューターRPG「ウィザードリィ」のヒットで1980年代後半に復活する事になる。このゲームでは村正は最強の武器として設定されているが発見率が極めて低い激レアアイテムで、ラスボスそっちのけで村正を求めて最下層を探索するプレイヤーが続出。その後、村正=最強の刀という誤解が独り歩きするようになる(優れた刀であるのは間違いないが)。
最優秀魔剣村正
村正は村正一派が打った刀の総称であり、彼らが打った刀は尽く大量生産の安物であったと言われている。しかし、その安物がどれもこれも天下無双の切れ味を誇り、中には空也[注 2]の称号を銀象嵌で施された物まであった。最強の刀剣に関しては多数の説が出るだろうが、『最優』の称号は間違い無く村正の物であろう。
しかしそこは妖刀。新井白石がわざわざ記述を残すほどに多数の怪現象を起こしていたとされている。世界最初の永久磁石と言われるKS鋼の開発者が一人であった本多光太郎が、東北帝国大学の物理学教授をしていた頃に村正を含む複数の銘刀の切れ味を機械で測定・数値化した時も、村正だけ数値が安定しなかったという[注 3]

脚注

注釈

  1. 例えば、徳川配下の猛将として知られる本多平八郎忠勝の所持する槍「蜻蛉切」も村正一派の作である。
  2. 意味は「人体など無いも同然」という、あの人間無骨のそれと似たようなもの。
  3. 本多は実験に同伴した学生達からそれを聞いて、「そこが即ちむら正」とダジャレで返した。

出典

  1. 『Fate/Grand Order memoies p191』

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