「ベディヴィエール」の版間の差分
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: 第六章におけるラスボスであり、かつての主君。その正体は「ベディヴィエールが聖剣エクスカリバーの返却を行わなかったif」におけるアーサー王。聖剣を返却出来なかったのは彼女を死なせたくない一心からだったが、それが結果的に死ねない存在にしてしまったことを深く悔やんでいる。 | : 第六章におけるラスボスであり、かつての主君。その正体は「ベディヴィエールが聖剣エクスカリバーの返却を行わなかったif」におけるアーサー王。聖剣を返却出来なかったのは彼女を死なせたくない一心からだったが、それが結果的に死ねない存在にしてしまったことを深く悔やんでいる。 | ||
: 六章の物語はベディヴィエールが彼女の最後の命である「エクスカリバーの返還」を今度こそ果たすための物語でもあり、彼女に聖剣を返還するために永い時をかけて旅をしてきた。 | : 六章の物語はベディヴィエールが彼女の最後の命である「エクスカリバーの返還」を今度こそ果たすための物語でもあり、彼女に聖剣を返還するために永い時をかけて旅をしてきた。 | ||
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== 名台詞 == | == 名台詞 == |
2016年12月12日 (月) 23:57時点における版
ベディヴィエール
アーサー王に最後まで付き従った騎士。
- 略歴
- 円卓の中に名を連ねた、最古参の騎士の一人。アーサー王への忠義は本物で、王の輝きに魅せられ、「この王に剣を預け、力になろう」と邁進し、若輩の身でありながら王の近衛にまで登り詰めた。
- ベディヴィエールは他の騎士たちと違い最後までアーサー王を信じていた。宮廷では孤立し、騎士たちからは疎まれ、民からは恐れられてもなお、私情を見せずに常に理想であり続けた王の事を誇りにさえ思っていた。近衛にまで上り詰めたのも、常に公平無私であろうとして誰にも本当の顔を見せない王の人間としての笑顔が見たかったためでもあった。だが他のどの騎士より身近に控えアーサー王の顔を見続けても、彼の王が笑う事などただの一度も無かった。祖国の統一を成し遂げ、栄光の中にいるはずの王が一度も安らかな顔を見せかった事に怒りを覚え、いつか王の顔に光が与えられることを願い続けていた。
- カムランの丘の戦いでモードレッドと相討ちとなり、命尽きかけていた王を救うため、自分の傷も顧みずに救おうと試みる。自分たちの王は聖剣の導きある限り決して滅びない不死の王であり、呪われた戦場を抜けて清らかな場所に辿り着ければアーサー王の傷は癒えると信じ、彼女を白馬に乗せて駆け抜けた。
- 「此処で終わらせることはできない、それではこの偉大な王が報われないではないか」とアーサー王を救うため、王の体を森の大樹に預けて兵を呼びに向かおうとしたその時、目を覚ました王に自分に代わってエクスカリバーを湖の妖精に返還せよ、と命じられる。ベディヴィエールは王の命を破るという騎士にとっての大罪である事を知りながら、王を惜しむ余りに二度に渡って剣の返還を躊躇い、繰り返し「剣を捨てた」と嘘をつく。だが、その度にアーサー王から命令の実行を命じられ、もはや王の意志を変えることは出来ぬと悟り、王の終わりを受け入れて、三度目にして遂に剣を湖に投げ入れた。
- 剣の返還を為した事を聞き、最後の役目を果たしたアーサー王の最期を看取り、待ち望み続けた王が安らぎを得て眠る姿を見守り、騎士としての職務を全うした。
- 人物
- 端正な容姿から、女性と見間違えてしまいそうな美青年。
- 円卓一の人格者であり、常識人。他の円卓の騎士たちもアルトリアを最大の敬意と憧憬の念をもって慕っているのは確かだが、現在判明している3人は全員かなり極端な結論に達し、その忠義・信念・愛は結果的にアルトリアの破滅を招いている。
- そんな性格なので、昔からいろいろ苦労したらしく、他の円卓の騎士と共に登場する度に苦労人的な立ち位置に立たされる。
セイバー (Grand Order)
- 真名:ベディヴィエール
- 身長:187cm / 体重:88kg
- 出典:アーサー王伝説
- 地域:イギリス
- 属性:秩序・善
- 性別:男性
- CV:宮野真守
『Fate/Grand Order』では「剣士」のサーヴァントとして登場。
- 略歴
- 第六特異点にてとある目的のために来訪し、獅子王、及びかつての同胞である円卓の騎士達と立ち向かうため、当初は一人で行こうとしたが、聖都を訪れた難民を虐殺しようとする円卓から助けようとする主人公たちと共闘し、行動を共にする。
- しかし、敵ではないものの、どこかおかしな点が散見されており、元同胞の騎士達の対応からも何らかの齟齬が見受けられる。そして、獅子王と対峙した際にその真相が判明した。実は『stay night』での彼ではない。それどころか、英霊でも、デミ・サーヴァントでも、疑似サーヴァントでもない。霊基反応が皆無で、魔術回路も人並み、これが表すモノは一つ。そう、彼はまだ亡くなっていない過去の人間なのである。
- 彼の正体は「湖に聖剣を返還できなかったifのベディヴィエール」。特異点によってifの世界から『Grand Order』の世界に迷い込んできた存在。
- アーサー王を惜しむあまりに三度目の返還でさえ躊躇った彼が王のいた森に戻った時、王の姿は消えていた。彼は自分が聖剣を返還しなかったばかりに「王はアヴァロンへ行けず、彷徨える亡霊になってしまった」ことに気付く。エクスカリバーの加護によって不老となった彼はこの世のどこかに居るであろう騎士王を探して1500年ものの長い年月、世界を旅し、遂にはアヴァロンの末端に到達するも、最早生きた屍と化しており、生きているが動かすことはできない「人型の岩」というべき姿と成り果てた。
- 肉体は酷使し続けた事で指一本動かせないほどボロボロに朽ち果て、魂は動かなくなった肉体を動かす燃料として使い切ったことで燃え尽きたが、しかし真っ先に砕けるはずの精神は執念によって土壇場でつなぎ止めてられていた。
- 彼は人理焼却と獅子王による聖都エルサレムの支配にあって、戦いの結果がどう転ぼうとも、残された魂は使い果たされ、存在そのものが消滅すると知ってなお、自分のせいで「変質してしまったかの王」のために再び立ち上がる。その覚悟を汲んだマーリンはただの騎士である彼に円卓の騎士たちと戦える力「返せなかった聖剣」を与え、特異点へと送り出した。
- 最終盤にて「聖槍を武装したアーサー王」である獅子王に聖剣を返還を成し、彼女から労いの言葉をかけられた彼は、穏やかな笑顔を浮かべながら死を迎えたのであった。特異点の消失によりその記憶や記録は消滅するが、その功績により英霊の座に召され、カルデアへと召喚される。
- 人物
- 円卓の中でも人格者かつ常識人。円卓の騎士でも実力不足なのを自覚しており、そのことについては自虐的。上記の理由から旅に関しては自信があるようで、目的地の位置さえ分かれば方角を間違えることはないとのこと(あくまで方向感覚の話であり、目的地に目的とするものがあるかは別)。旅慣れていることで食材の目利きがある様だが、ゲテモノ肉でも栄養は変わらないと言うとおり、ワイバーンや大目玉の怪物であるゲイザーを狩って食料にしているなど、ゲテモノに対しても躊躇がない。もっとも、それらもブリテンの事情もあってのものであり、好きな食べ物に「蒸した野菜」を挙げるなど感性そのものは普通。また、マイルームなどでの発言からして基本的に真面目でお堅い性格だが、まじめ一辺倒というわけでもなく、うっかり口を滑らせかけたり、前述の食事に関する発言など、意外にお茶目な面も見せている。
- また、礼装「ナイツ・オブ・マリーンズ」の解説を見る限り、実力に引け目は感じても円卓の騎士としては対等に接しており、ずけずけとものを言っている。この様子から見るに、どの世界線でも個性の強すぎる円卓の騎士たちを纏める役回りにあるらしい。
- アーサー王への忠誠心は人一倍強く、マイルームでの台詞の多くが王にまつわるものであることがその証左。執事役として傍にいることも多く、そういった点が他の騎士とはやや異なる視点・回答を得るにいたった理由と思われる。
- なお、回想によるとこの彼は生前アーサー王の笑顔を見たことがある。
- 能力
- 隻腕でありながら他の騎士の三倍の強さを誇ったと言われるが、それはあくまでも通常の騎士と比較しての話であり、超人揃いの円卓の騎士の中では凡人どまり。
- 他の円卓の騎士との実力の差と隻腕を補うためにケルトの戦神が用いた「銀の腕」のレプリカをマーリンから授かった。
- その代わり、精神的な強さでは彼の王ですら驚愕するほどのものがある。聖剣の加護があるとはいえ、1500年という永きを孤独に生き続け、その本質を見失っていないなど、尋常ならざる覚悟の強さが垣間見える。
ステータス
クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考 セイバー 主人公 (Grand Order) A B A+ C B A 対魔力:B
騎乗:A軍略:C
冷静沈着:B
守護の誓約:B
宝具
- 剣を摂れ、銀色の腕(スイッチオン・アガートラム)
- ランク:C
種別:対人宝具 - 10kg以上の重さを持つ「銀の腕」。常時発動型の宝具。ケルトの戦神ヌァザが用いたという神造兵装と同じ名を与える事で存在を裏打ちされた模造品の宝具。
- 現象生命に近いスフィンクスを倒しきることができ、また"聖杯を断つ"能力で聖杯(ホーリーグレイル)の加護を破ることができる。その神秘は神霊クラスとも獅子王にギフトを授かった円卓の騎士と対等とも言われる。
- 何故これほどの力と神秘を有しているのかといえば、その理由は作成に用いた素材にある。それはベディヴィエールの罪の証、即ち「あの時返すことが出来なかった『星の聖剣』」エクスカリバーである。
- ガウェインの宝具『転輪すべき勝利の剣』を押し退けるだけの威力を持つが、ただの人間であるベディヴィエールでは使用に耐え切れず、使う度に「魂を全焼させる」と例えられる程の苦痛が襲い、肉体が内側から焼け焦げ、やがて土塊のように崩れ落ちていく。
- 『Fate/Grand Order』6章終了後に英霊の座へ登録された彼が持つこの宝具は聖剣そのものではなく仮想聖剣となる。例外的に座に登録されたばかりのいわば「最も新しい宝具」の一つ。マスターとサーヴァントの繋がりと絆で発動し、魂を削るデメリットはなくなっている。
- 一閃せよ、銀色の腕(デッドエンド・アガートラム)
- 真名解放版。対軍殲滅攻撃を行う。その一閃は鮮烈な斬撃として叩き込まれるだけでなく、その奇跡が黄金の輝きと共に空間を裂く。
- なお、宝具発動の際、アルトリアのエクスカリバー同様に一瞬だけ虹色の輝きを放つ。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- Fateルートで答えを得て安らかな眠りにつくセイバーを見届けて、このルートの幕を引く役回り。
- ちびちゅき!
- 剣道部所属。他の円卓の騎士たちと一緒で、剣道着を着てオロオロしている。
- コハエース
- ガウェイン、ランスロットと共に円卓勢として登場。
- Fate/Grand Order
- セイバーのサーヴァントとして登場。
- 〔セイバー〕キャラクターデザイン:天空すふぃあ / 設定作成:??? / レア度:R(☆3)
- ストーリー第六章のキーキャラクターであり、同章のクリア報酬として確定で入手可能。また、ストーリーガチャからは六章突破後に排出される様になる。
人間関係
生前
- アーサー王
- 王。最後の瞬間までアーサー王が女性だと気づいていなかったが、安らぎを得た姿に王が少女であったことを確信する。
- ガウェイン
- 同じ円卓の騎士。共に最後まで王に仕えた騎士だが、二人がアルトリアに望んでいる物は相反するものだった。
- ランスロット
- 同じ円卓の騎士。愚直なまでに王に仕えた同志。しかしランスロットの忠義は運命の悪戯によって歪んだ方向に傾いていく。
- トリスタン
- 同じ円卓の騎士。親友と言える程仲が良い。それゆえに、『Grand Order』では彼の変り様に憤りと動揺を隠せなかった。
- また、礼装での説明文から、仲が良い故に他の騎士よりもフランクな扱いをしている様子で、「監視していないと真面目に仕事をしない」と業務態度についてはまったく信用していなかった。
- モードレッド
- 同じ円卓の騎士。結果的に袂を分かつことになってしまったが、「王に人間としての顔を見せて欲しい」と願った者同士。
- ベディヴィエールから見た彼女は、「口が悪く、態度が悪く、性根が悪いだけで、密かにいいところもある騎士」とのこと。
- アグラヴェイン
- 同じ円卓の騎士。当初は彼を嫌悪していたが、後に彼が裏でどれほど奔走していたのかを悟って考えを改めている。
- 衛宮士郎
- 王に笑顔をもたらしてくれた人物。ベディヴィエールにとって遥か未来の人間であり、当然お互いに知る由もないが、それでも感謝している。
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- 第六章での同行者。誤解により砂漠でニトクリスと一悶着あった際、その状況を見かねて一度手を貸すも獅子王に会うという目的を果たすため別れる。
- その後聖抜の儀を利用して聖都に侵入しようと機を窺っていたが、聖抜の選定から漏れて虐殺されゆく難民達を救うために立ち上がった主人公たちの姿を目撃し、忘れていた騎士の誇りを取り戻して助太刀。以降は本格的に同行者として仲間に加わり互いに信頼を深めていくと共に、主人公と出会えたからこそ王の前まで辿り着けたと深く感謝している。
- マシュ・キリエライト
- 第六章での同行者。彼女と一体化した英霊の正体に気付き、ある意味では円卓の騎士の後輩にあたる彼女に対してその在り方を尊く思うとともに宝具を使う上での心構えを説いている。 マシュの方も自身の旅の結末が無意味なものになるのではないかという恐怖に涙を流すベディヴィエールを励ますなど、主人公とは違う形での先輩後輩の関係として互いに影響を与え合った。
- 彼の真実を知った後は涙を流しながらも最後まで共に戦い、主人公と共に聖剣返還の達成と最期を見届けた。
- ロマニ・アーキマン
- 第六章での協力者。色々とこっぴどく言われる彼を評価した事で喜ばれている。
- そして、自身の真実を知った時には義憤を露わにした。
- ハサン・サッバーハ〔呪腕のハサン〕
- 第六章での同行者。ベディヴィエールは獅子王の配下ではないとはいえ、かつての仲間である円卓の騎士達によってハサンの同胞であり山の民は蹂躙され殺されている。
- そのことを申し訳なく思うとともに、自分を戦友として受け入れ、気に掛けてくれた彼に対して深い感謝の念を抱いている。
- アーラシュ
- 第六章での同行者。
- 千里眼によって比較的早い段階からベディヴィエールが隠している事柄を見抜いており、さりげなく体調を気遣う、忠告をするなどして最後まで気にかけていた。
- マーリン
- 彼から聖剣を素材とした「銀の腕」の模造品を受け取り、更に誤魔化しの魔術を掛けて特異点へと転送した。
- 優秀な魔術師として信頼はしているものの、彼の人柄そのものは苦手としていた様子。
- 獅子王
- 第六章におけるラスボスであり、かつての主君。その正体は「ベディヴィエールが聖剣エクスカリバーの返却を行わなかったif」におけるアーサー王。聖剣を返却出来なかったのは彼女を死なせたくない一心からだったが、それが結果的に死ねない存在にしてしまったことを深く悔やんでいる。
- 六章の物語はベディヴィエールが彼女の最後の命である「エクスカリバーの返還」を今度こそ果たすための物語でもあり、彼女に聖剣を返還するために永い時をかけて旅をしてきた。
ちびちゅき!
- 蒼崎橙子
- こちらの世界でも王を支える為に義手を新調してもらうが、「彼女の喜ぶギミック」と称してしゃもじへの変形機能を仕込まれてしまう。
名台詞
Fate/stay night
- 「――見ているのですか、アーサー王。
夢の、続きを――」 - 『Fate/stay night』Fateルートでのラスト。
- 永きに渡る戦いと重責から解放された王。王が果てのない青空の下で安らかなに眠りについた事を見届け、アーサー王に従った最後の騎士は、誇らしい気持ちのまま夢見る王を暖かく見守り続けた。
Fate/Grand Order
- 「セイバー、ベディヴィエール。
此よりは貴方のサーヴァントとなりましょう。
それが、我が王の御為になるものと信じて」 - 召喚時。彼は人類最後のマスターのサーヴァントとなった。それこそが1500年生きて聖剣返還を成し、人理修復に貢献した騎士への報酬なのだろう。
- 「我が魂喰らいて奔れ、銀の流星!
一閃せよ、銀色の腕 !!」 - 宝具発動。魂を燃やし尽くし、力として放つ聖剣の一閃。
- 「何を犠牲にしようと、私は今度こそ―――」
「今度こそ。」
「この手で、我が王を殺すのだ」 - 第六章プロローグにおける独白。肉体は朽ち果て、魂は燃え尽き、精神も尽き果てる寸前という有様になるほど長い長い旅を歩んできた。
- ようやく訪れた旅の果て、ただ一つの目的だけを見据えてベディヴィエールは砂の大地を歩き出す。
- かつての友との戦うことになろうとも。かつての罪と対面することになろうとも。全てが終わった後に魂は輪廻の枠から外れ、自らの存在が虚無へと落ちることが決まっていても。「今度こそ王を死なせる」全てはただそれだけのために―――
- 六章のTVCM第二弾でも流れたセリフであり、一体どのような展開になるのかとワクワクしたユーザーも多かったとか。
- 「円卓、アーサー王語録、その八!」
「‘‘栄養は ゲテモノ肉でも 変わりません!’’」
「マシュさん!復唱をお願いします!」 - 撃破したワイバーンやゲイザーを調理しようとする前にのたまった一言。真面目に見えて意外とノリも悪くない性格が垣間見える。
- まぁ食感は兎も角、料理の出来はそれなりに良く難民達からは好評だったことを付け加えておく。
- ―――夕暮れに、金砂のような髪が揺れている。
- 私はこの時、ようやく王の真実に触れた気がした。
- 騎士たちはもうずいぶんと王の笑う姿を見ていない、と恐れていた。そうではない。そうではないのだ。
- この王は己の事で笑うのではなく。
- 他人
の幸福な姿を見て、穏やかに微笑むのだと。 - 遠い昔のある夕暮れ、物見の塔で一人黄昏ていたベディヴィエールと彼の王が交わしたやりとり。長い時を生きてきた彼の胸に今も残る鮮明な記憶。
- 何故自分のような取り柄のない騎士が円卓の騎士に選ばれたのか、というかねてからの疑問に対して多くの役割が必要なのだと王は説く。
- 卿は人々の暮らしをつぶさに感じ取ることの出来る心細やかな騎士なのだと。
- その言葉に対し当時の自分が返せたのは平凡な答え、しかしそれを満足げに楽しそうに語る姿に騎士王は穏やかに微笑んだ。
- 「……いえ、アグラヴェイン卿は以前の円卓でも、騎士たちに嫌悪と恐怖を抱かせていました」
「今回もそうなのだな、と。
そう確認しただけです」
「まさか。補佐官殿が悪党であったのなら、キャメロットは立ち行かなかったでしょう」
「……アグラヴェイン卿はなぜか、人に好かれようとしないのです。その結果、周囲から冷血な人間と見られたのです」
「卿とは血縁にあったガウェイン卿、ガヘレス卿、ガレスちゃんですら、補佐官殿を誤解していた程に」 - アグラヴェインへの見解。
- ……なのだが、その中にさらりとガレスの二人称という名のとんでもない爆弾を投下していった。後に、竹箒日記に挙げられた前日譚でガレスは女性であることが明言された。
- 「ギャラハッドは円卓一のてんね、いえ、人格者。人を見る目にかけては随一です」
- ギャラハッドの気質が窺えるが、思わず口を滑らせかけた。
- 「……そう。私は罪を犯しました。」
「王を失いたくないという思いで、あまりにも愚かな罪を。」
「あの森で私は貴方の命に 躊躇 った。」
「聖剣を湖に返しては、貴方は本当に死んでしまう。」
「それが怖くて―――」
「三度目 ですら、聖剣の返還ができなかった。」 - これまでにあった疑問点及び齟齬の真相にして、かつての自分が犯し、悔やみ続けてきた最大の罪。
- 「王に死んでほしくない」それ自体は誰も責めることの出来ない優しいものだったが、その願いは新たな悲劇を生んでしまった。
- 「さあ○○、最後の指示を」
「どうか私に、四度目の機会をお与えください。」
「聖剣は善き心を持つ者の手で、あるべき者の手に渡るもの。」
「―――私では、もうその資格がないのです。」 - 長い旅路の果て、遂に訪れた四度目の機会。かつて果たせなかった王の命を今度こそ果たすべく、忠節の騎士が立ち上がる。
- その覚悟と忠義に、主人公は悲しみをこらえて最後まで共に戦うことを決意する。
- 「―――はい。
それが私のできる、唯一度の、王へのご奉公なれば。」 - 聖剣により1500年の時をさまよい続けた忠節の騎士の全ては、聖剣を返せば何かもかも終わる。それを成しても何も報われないのは分かっている。それでも―――
- 「それは、あの日の貴方の笑顔を、いまも覚えているからです、アーサー王。」
- 「……円卓の騎士を代表して、貴方にお礼を。」
- 「あの暗い時代を、貴方ひとりに背負わせた。あの華やかな円卓を、貴方ひとり知らなかった。」
- 「……勇ましき騎士の王。ブリテンを救ったお方。貴方こそ、我らにとって輝ける星。」
- 「我が王、我が主よ。今こそ―――いえ。
今度こそ、この剣をお返しします。」 - 聖剣返還。獅子王の宣誓により王命は果たされた。忠節の騎士の永い旅は終わり、彼の全ては虚無に還った……。
- だが、その忠節は人理に認められたのか―――あるいは獅子王の計らいか―――カルデアに帰った主人公とマシュには嬉しい再会が待っていた。
- 「皆さん。ご歓談のところ申し訳ありませんが、船員としての仕事を理解しているでしょうか?
ランスロット卿は帆の張り直しを。
ガウェイン卿は昼食の準備を。
トリスタンは勝手に持ち込んだ私物について話があるので船長室に出頭してくださいね(ニコリ)」 - 概念礼装「ナイツ・オブ・マリーンズ」テキスト内の台詞。トークに興じる三人に容赦なく注意する。
- そしてトリスタンは一体何を持ち込んだのか。
その他
- 「王は来てくれるでしょうか……」
- 『ちびちゅき!』にて。
- 他の円卓の騎士たちと共に剣道部に入部し、竹刀を構え剣道着まで着て万全の態勢で王を出迎えようと待ち構える。セイバーは身内ばかりで入るのが物凄く億劫であったため、結局剣道部をスルーした。だが生前最後まで付き合ってくれたベディヴィエールとは顔を見せてあげても良かった気が……。
- 「またしてもアニメ化、おめでとうございます我が王!!」
- 『コハエース』にて。
- 黒化しセイバーオルタになった王の手下として登場。直後、桜セイバーの神速三段突きでガウェイン・ランスロット共々纏めて葬られてしまうが、死に際でも王への忠義を忘れない。
- 因みにこの時のガウェインの死に際の発言は「え?もう午後!?」、ランスロットは「オルタたん ハァハァ」と色んな意味で酷い。こんな所でも差がついている。
- 「もしかしてあれ我が王なのでは?」
- 『コハエースXP』にて。聖処女の格好をしたセイバーを見て。
- ランスロットは「ねーよ(笑)」、ガウェインは「我が王がフランス英霊とか(敵国感)」と失笑を買ってしまう。
メモ
- Fateシリーズで担当声優が最も多いキャラクターである。初めて声がついたテレビアニメ版では女性声優の能登麻美子氏が演じており、それ以降のゲーム版ではアサシン役の三木眞一郎氏(PS2版)、柳洞一成役の真殿光昭氏(PS Vita版)が兼役で演じている。
- テレビアニメ版とゲーム版で声優が異なるだけならともかく、PS2版とその移植作品であるPS Vita版ですら声優が異なる。PS Vita版ではそれ以外に新録されたボイスは存在しないので、PS2版収録の時点で既にボイスを録っておいたのだろうか……。
- ドラマCD版『Garden of Avalon』以降は再び声優が変更され、ペルセウス役などを演じている宮野真守氏が担当することとなった。
- アニメ『Fate/staynight』における能登氏はセイバー役である川澄氏の親友である。その為、スタジオの廊下を歩いていた能登を川澄が拉致して収録したという逸話が残されている。なお、本作の原画にはアヴァロンを携えたベディヴィエールという非常にレアな代物が存在する。後に『Fate/Grand Order』のシナリオを鑑み、アヴァロンを手にしたベディヴィエールの姿に感銘を受けるファンが続出した。
- ウェールズの伝承では隻腕の騎士だったとされるものの、『Fate/stay night』本編では腕がマントで隠され、その後発売された『Fate/stay night Réalta Nua』サウンドトラックのジャケット絵では鎧姿の両腕が描かれていたが、『Fate/Grand Order』で正式に隻腕の騎士という設定となった。
- ただし、以前も義手をつけていなかったかは不明であり、その点については今後の情報次第、というところではある。もし義手であった場合、片手で馬の手綱を取り、もう片手でエクスカリバーをしっかり携えている為、隻腕のハンデは全くない、超高性能な義手を付けていると言える。
- 原典となる数々のアーサー王伝説ではアーサーの臣下・円卓の騎士として相応の実力を持っているのだが、Fateシリーズにおいては優れた騎士ではあっても、円卓の騎士としては実力不足とされている。これは、Fateシリーズではあまり活躍の場がなかった騎士物語としてのアーサー王伝説の系譜を中心に採用しているからとみられる。
- 実際、マビノギオンなどでは隻腕にもかかわらず槍の一突きが他の騎士の九倍の威力に相当するなど、他の騎士と同列の超人として扱われている。
- その逸話から「本当はランサーが正式なクラスなのではないか?」という声も一部ファンから上がっている。
- また、最初期のアーサー王伝説から名を連ねる人物であるため、彼もまた実在の人物であったあるいはモデルとなる人物が明確に存在したのではないか?と考える研究者も存在する。
- 実際、マビノギオンなどでは隻腕にもかかわらず槍の一突きが他の騎士の九倍の威力に相当するなど、他の騎士と同列の超人として扱われている。
- 公式にて「アーサー王」以外で明確に、エクスカリバーを使用した数少ない英霊。その能力こそ当初は伏せられていたが、宝具発動の際に僅かながら伏線が張られていたりした。
- 『Fate/Grand Order』では第六章終了後にカルデアに参入し、ガチャにも追加されるキャラクター。第六章においては事実上の主人公と言っても過言ではないほどフィーチャーされており、六章中ではゲストキャラとして多数のエピソードで使用することが出来る。が、星3で成長状態も中途半端であること、ストーリーも終盤故に強敵が多いことからやや使い難さが目立つ。しかし、最終決戦では思いもよらぬレベル・スキルレベル・宝具レベル最大というこれまでにない演出で登場。丁度相手も有利に戦えるランサークラスであることもあり、これ以上なく活躍することが出来るなど破格の扱いを受けている。……なお、パッと見で強化されたことが判り辛く(もちろんちゃんと見れば明白なのだが)、五章以前のメインストーリーにおいて同行NPCが中途で強化されるケースが全くなかった(イベントでは「ぐだぐだ本能寺」等前例がないわけではない)ため、彼を選ばずに最終決戦に臨み後で知って後悔するマスターも多かった模様。
- なお、六章終了以前に入手できるとストーリーが台無しになってしまうためか、メインストーリー実装後に定例として複数回に分けて行われる、新規実装サーヴァントのピックアップ召喚でも一度も内容に加えられず、2騎目以降は正真正銘「6章をクリアした後のストーリー召喚」でしか入手できない。期間限定実装もピックアップもない通常のストーリー召喚を進んで回すマスターは少数であり、結果的にそのレアリティに反して複数入手による宝具レベルアップが困難なサーヴァントとなっている。
- ベディヴィエールは「片腕だけ改造された仮面ライダーになりきれないライダーマン」というキャラ付けだったが、当初は義手が「何故アガートラムなのか」という理由がなく、六章シナリオを担当した奈須きのこが悩んでいた時に坂本真綾氏の『レプリカ』を聴いたことで設定を丸々変更して現在に至った。
- 人の身で英霊と戦う、騎士王の笑顔を望んだ、隻腕を義手で補う、宝具解放のセリフにおける「スイッチオン」、騎士王を探し妖精郷に辿りつくなど、衛宮士郎を連想させるポイントが多い。
- 精神的な強さが肉体的な面よりも押し出されている点も特徴。更には、王と日々を共に過ごす中で彼女が自身ではなく他人のことで笑顔を見せる人物だと気付いた点も共通している。
- 『Fate/Grand Order』第六章では偽名としてルキウスと名乗っている。