フィン・マックール

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ランサー
真名 フィン・マックール
外国語表記 Fionn mac Cumhaill
性別 男性
身長 181cm
体重 63kg
好きな物 公正、正道、高潔、優美であること
苦手な物 裏切り
出典 ケルト神話
地域 欧州
属性 中立・中庸
副属性
一人称
二人称 きみ(君)/○○(フルネーム)
三人称 彼/彼女/○○(フルネーム)
声優 三木眞一郎(青年期)
楠見尚己(老年期)
デザイン 森山大輔(FGO)
設定作成 桜井光(FGO)
レア度 ☆4
初登場作品 Fate/Zero
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概要

槍兵」のサーヴァント

略歴
Fate/Grand Order』の第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』では、西暦1783年のアメリカに召喚され、ディルムッド・オディナと共にケルト軍の一員として登場。
アルカトラズ収容所から脱出を試みる主人公たちに立ちはだるも、敗れて消滅する。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅤの座を統括する兵装舎ハルファスと交戦する。
人物
長い金髪の美丈夫。
公平にして正道を重んじる高潔な騎士であり、騎士として上王のために働いたこともあってか、サーヴァントとして誰かに仕える事はやぶさかではなく、無辜の人々の力になれることを大いに望んでいる。
一方で開放的で享楽的であることに加え、己の持つ美貌を自負しており、自らの魅力に毛ほどの疑念も抱いていないが、生前ではそれが原因で女難を招いたことから疎いており、聖杯に「女難を直す」事を願っている。
尤も、己の美しさを事実として自覚していても、それは生まれついてのものであって誇るものではないが、利用できるものではあるという持論を有している。
愛の多い性格ではあるが、そんな彼でも第一の妻に奉げた愛は唯一無二にして永遠のもので、彼女の事を想う時だけ、フィン・マックールは騎士団長ではなく、一人の青年として自らに正直になる。
容貌と同じく、所作も優美だが考え方は割合に大胆。本人には悪意は無いのだが、寒いシャレを連発したり微妙に笑えないブラックジョークを言ったりと、若干空気が読めないところがある。
年相応の若い状態で召喚されているため、現在の外見から数十年後に壮年の騎士になった後のフィオナ騎士団の最後を記憶として知っているが実感はない。故に後年に見せた執念深さはなく、それが切欠で体験する失敗の類を知っていても何処か他人ごとに思ってしまっている。しかし無自覚ではあるが、嫉妬深い。それでも、その時の記憶は決して忘れられない罪の記憶であり、内心ではそれを背負い続けている。
能力
多くの魔術・叡智を修め、本来であれば多くの能力・宝具を有しており、槍兵として現界すれば槍と癒しの能力を使用する。
『Fate/Grand Order -turas réalta-』では水を利用した幻影魔術も使用していた。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ランサー 主人公 (Grand Order) B+ B A+ C C B+ 対魔力:B
神性:D
千里眼:B
千里眼(麗):B++
女難の美:A
華麗奔放:A
魔術:B
強化クエストクリアで「千里眼」→「千里眼(麗)」に変化。
強化クエスト2クリアで「女難の美」→「華麗奔放」に変化。

宝具

無敗の紫靫草(マク・ア・ルイン)
ランク:A
種別:対軍宝具
レンジ:0~100
最大捕捉:300人
由来:フィン・マックールの剣マク・ア・ルイン
邪悪な妖精へと零落した神霊アレーンを倒したとされる魔法の槍。2メートル以上ある両手槍。
自動攻撃機能を有する他、精神干渉をはじめとする精神に働きかけるあらゆるマイナス効果を無効化出来るの効果を持つ。真名解放すれば、祖先である戦神ヌアザの司る「水」の激しい奔流を伴う一撃を放つ。『Fate/Grand Order -turas réalta-』での描写では、威力はちょっとした津波に匹敵し、大地を割り砕いて荒野の一部を「島」にしてしまった。
真名はフィン・マックールの愛剣の銘だが、この剣はしばしば槍と同一視され、宝具として成立するにあたり神霊アレーン殺しの槍と同化している。
『Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃[Lv]&攻撃力をダウン(3ターン)<オーバーチャージで効果アップ>+自身に精神異常無効状態を付与(3ターン)」という効果のArts宝具。
幕間の物語クリアでA+ランクに上昇し、宝具威力倍率が上昇する。
この手で掬う命たちよ(ウシュク・ベーハー)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
「フィンの手で掬った水はことごとく癒やしの力を得る」という逸話が宝具となったもの。
泉の水、湧き水、水道水にかかわらず両手で掬えばたちまち回復効果のある水となり、人間はもちろん英霊に対しても使用すれば傷は癒え、毒も消える。
フィンは普段この宝具を使用して掬った水を水袋に入れている。
親指かむかむ智慧もりもり(フィンタン・フィネガス)
ランク:B
種別:対智宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
叡智を与える鮭の逸話が宝具となったもの。彼曰くこれが正しい名称らしいが、誰一人信じておらず、本当の真名はおそらく別にあると思われる。(ただしルビは同一)
フィンの親指には鮭の脂がついたため、舐めるとあらゆる謎を解き明かす大いなる叡智を得る。宝具「この手に掬う命たちよ」の由来も、この逸話によるものとされる。
この宝具によって与えられるのは「知識」ではなく「智慧」であるため、知りようのないことを知ることはできないが、あらゆる情報や状況等を整理して、「最善の答え」を導き出すことができる。
スカサハが「魔境の智慧」で得た分析探知スキルによれば、地球上では有り得ない濃度のもの凄いDHA反応がこの宝具から出たらしい。
なお、伝承では親指を舐めているが、宝具名にもあるように実際には舐めているのではなく噛んでいるとのこと。

真名:フィン・マックール

フィン・マックール。ケルトの戦神ヌァザの末裔にして、栄光のフィオナ騎士団の長。眠りと炎を操る邪悪な怪物にして、墜ちたる神霊アレーンを倒して都を救い、数多の武勇を打ち立てたエリンの大英雄。
エリン(アイルランド)の守護者として魔猪、冥界の馬といった数々の強力な魔物を討伐し、遂には神祖たる戦神ヌァザを戦いにて打ち負かした。平時にあっては騎士団の部下と狩猟などを行いながら穏やかに暮らしていた。
エリンの上王に仕え、栄光のフィオナ騎士団に於いても最も偉大な騎士にして長であると謳われるに相応しい功績を得たが、同時に彼には女難の運命があった。美しい姉妹に惚れ込まれ、呪いを受けたことが第一の難である。
その後も災難は続き、第一の妻を巡って邪悪な妖精と敵対して七年の歳月を奪われ、そして第三の妻グラニアにまつわる諍いによりディルムッドと対立してしまう。一度は許したものの、ディルムッドの命を救わなかった結果、多くの部下から失望を招いて求心力は失い、栄光の騎士団は二つに分かれて戦争を起こす形で瓦解し、自身もその最中で戦死することとなった。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Zero
初登場作品。ディルムッドの回想で老年期の姿が登場。
なおなぜか本作では黒髪となっている。
Fate/Apocrypha(アニメ版)
回想で第三次聖杯戦争においてダーニックのサーヴァントとして登場。
Fate/Grand Order
500万ダウンロード記念に際して実装。2020年2月26日にはモーション改修が実施されている。
Fate/EXTRA CCC FoxTail
鈴鹿御前坂神一人の月の聖杯戦争三回戦の対戦相手として登場。

その他

ちびちゅき!
体育祭で登場。ディルムッドを引き連れて女性陣に昼食をタカろう御一緒させてもらおうとしたが、声をかけたのはよりによってぐだ子静謐のハサンセミラミスの弁当を食べている所であった。

人間関係

Fate/Grand Order

ブリュンヒルデ
彼女の体験クエストにて共演。敵の群れを蹴散らした後、美女と見て口説きにかかる。
共に戦ったベオウルフから彼女の正体と危険性を聞かされているはずだが、女性に声をかけるのは義務だとでも思っているのであろうか。
ベオウルフ
ブリュンヒルデの体験クエストにて共演。
性格は正反対だが、英雄としての根底には近しいものを感じあっている。
第五特異点では同じケルト軍の将。
マシュ・キリエライト
第五特異点で敵として相見える。その戦いぶりに求婚する。
アルトリア・ペンドラゴン〔ランサー〕
彼女の幕間の物語にて、夢に入り込んでしまった主人公を心配して助けにくるが、最終的には彼女が危険ではないと見なして帰っていった。
フィアナの騎士の役割として「神から人を守る」というものもあるので、神経質になるのも当然かもしれないが…
紅閻魔
イベントでの繋がりから、彼女の幕間の物語でも共演。
閻魔王秘伝の書「閻魔帳」が盗まれたことによるカルデア食中毒騒動の収束を手伝う。
俵藤太
紅閻魔の幕間の物語で共演。
「閻魔帳」を盗んだ犯人に対抗できる助っ人として声をかけていた。
妖精騎士ガウェイン妖精騎士トリスタン妖精騎士ランスロット
自身も惑わされた「妖精」なだけあり、軟派な態度はとりつつも警戒心をむき出しにしている。
もしも彼女達がいたブリテン異聞帯に同行し、そこに住む妖精の実態を知った暁には、到底タダでは済まなかっただろう…

Fate/Apocrypha

ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
第三次聖杯戦争時のマスター。
アニメ版にて、当時のダーニックがサーヴァントを引き連れていないのは格好がつかないということで設定された。他にベオウルフトリスタンという案もあったとのこと。[出 1]
作中ではほんの少しだけの登場だった事もあり、どのような主従関係だったかは不明。

Fate/EXTRA CCC FoxTail

マスター
「権謀術数に長けた、臆病な男」とのことだが、詳細や好感度は不明。
鈴鹿御前
三回戦の対戦相手。
前回の戦いの影響でアリーナ内で窮地に陥っていた際、颯爽と登場して助け出した。
坂神一人
三回戦の対戦相手のマスター。
サーヴァントと健全な信頼関係を築けている様を、生前の自分と引き比べて少し羨んでいる。

生前

ディルムッド・オディナ
フィオナ騎士団の一員。お互い深い信頼関係を築いていたが、グラニアを奪われた件が遺恨となり、フィンは最終的にディルムッドを見殺しにしてしまう。
フィンにとってはそういったいざこざは「今ではない時の記憶」なのであまり気にしておらず、「久々に会えて嬉しい」とすら言っているが、死の記憶がまさにそれであるディルムッドからはかなり気まずく思われている。また、フィンの方も気にしていないと言っても該当するのはグラニアを巡る三角関係の発端ぐらいであり、見殺しの件に関する罪悪感を内心抱え込んでいた。
『Fate/Grand Order』ではコンビで登場する事が多いが、悪意は無いが微妙に笑えないジョークで振り回す事が多い。
ディルムッド・オディナ〔セイバー〕
ディルムッドがセイバーとして召喚された存在。
ランサーの彼と比べると天然で脳筋気味なためか、ジョークではなくツッコミを入れることが相対的に多くなっている。
サーバ
一人目の妻。妖精であったという伝承があり、サーヴァントになってからも加護を受けている模様。
とあるドルイドに連れ去られる形で離別し、以来「嫁を連れ去られる」ことがトラウマになってしまい、上記のディルムッドの悲劇に繋がってゆく事になる。
グラニア
三人目の妻。しかし「魅了の黒子」によってディルムッドに魅了されてしまう。
フィネガス
師匠であるドルイド僧。
彼が長年追い求めてきた「知恵の鮭」の力を偶然とはいえ手にする事になってしまったが、そのことを怒るどころか快く譲ってくれた人格者。
「毎回親指を噛むことになるなんて気の毒」とジョークも交えて心の負担を減らしてくれる気遣いも見せており、フィンのディルムッドに対する振る舞いにも影響を与えている可能性もある。
アシーン
サーバとの間に生まれた息子。名前には「小鹿」という意味がある。高名な詩人としても名を馳せ、後世に残されたフィンや騎士団に関する書物等は彼が書き記したとも云われている。
オスカ
孫。ディルムッドとは同時期に騎士団入りした親友同士で、彼の死際に何度も忠言を受けたにも関わらず見殺しにしてしまった事で確執を生んでしまう。後にフィアナ騎士団の対立による争いが元で戦死し、フィンが涙を流したのは愛犬ブランの死とこの時だけだったという。
ブラン、スコローン
飼っていた数多くの猟犬のうち、特に可愛がっていたとされる愛犬の兄弟。それぞれ別々の冒険の報酬として手に入れている。

名台詞

「堕ちたる神霊をも屠る魔の一撃……その身で味わえ!『無敗の紫靫草マク・ア・ルイン』!」
宝具発動。渦巻く水が収束し、神をも殺す一槍となって放たれる。
「私は…多くの過ちを犯したのだ。美しき姉妹を、この美貌で惑わせた事もある。第一の妻を巡り妖精と争った事もある。
 …そして…第三の妻をグラニアをめぐり…いや、この話は止めておこう」
絆Lv5での台詞。話題を打ち切ったのは言うまでもなく、自分にそれを語る資格がないと自省・自覚しているからであろう。
「ディルムッド・オディナ! 我がフィオナ騎士団随一の騎士!再び彼とともに戦う日が来ようとは!」
ディルムッド・オディナ所持時の台詞。老年の彼はともかく、若い頃の精神であるフィンは、本当に同胞としてディルムッドを慕い、再びの共闘を喜んでいる。
上記の絆Lv5での台詞からも、老いた自分がグラニアを巡ってディルムッドと諍いを起こし、ディルムッドを最終的に見捨ててしまった事を悔いているのが伺える。
「はっはっは、冗談はよしこさんだ」
気に入っているのか、彼の発言にやたらと出てくる寒い親父ギャグ。
「ほう、女が苦手なディルムッドも興味を持ったか! ふふふ、また私の目の前で攫って行く気かい?」
第五特異点にて、マシュ達との再戦を喜ぶディルムッドに対して。生前を考えると、かなりブラックなケルトジョークである。
基本的にディルムッドに対してはこの手の発言をくり返す。案外、自分からネタにすることで気まずさを緩和しているつもりなのかもしれない。
「まあ正直な話、勝敗はどうでもよかったのだ、私は。
 生前の私はどんどんと薄汚れていく。
 輝かんばかりだった眼差しは政に澱み、勝ち得た財宝が、権力が、義理が、私を縛り付けていった。
 あれは、苦しい。 苦しいのに、手放せない。
 ――愛に殉じようとしたお前が妬ましかったのも、恐らくはそれだろう」
第五特異点にて、かつての部下であったディルムッドと共に闘い、そして敗れたフィンの独白。
かつてフィオナ騎士団の最盛期を築きあげ、幾多の武功を重ねながらも、最終的にディルムッドへの遺恨から騎士団を崩壊させることとなってしまった。
だからこそ何のしがらみもなく、かつて見捨てた部下とともに戦えたことこそ彼にとっての喜びであったのだろう。
「自覚しているんだ、私は。私があまりに美男子であり過ぎる・・・・・・・・・ということをね。」
「この顔かたち、この姿。きみたち女性にはあまりに酷なモノなんだろう……。」
「これこそ我が運命、すなわちは―――女難! 絶え間なく襲い来る女難の運命!」
「そう、私は佇むだけで姫君に求婚され、美しき魔女の姉妹からツイン告白されたりもする!」
幕間の物語「フィン・マックール、神を斃した英雄」で自分の美男子さを語る台詞。自覚がある分たちが悪い。
「ああ、この感覚は実に久しいなあ。未だ騎士団の皆を率いることもなく旅をした頃だよ。」
「私は―――」
「私は!ただひとりの戦士として邪悪に立ち向かった!」
「無辜の人々を惨くも殺し尽くさんとするモノを! そうとも、私は! おまえたち・・・・・を知っている!」
「――来い!」
幕間の物語「フィン・マックール、神を斃した英雄」で自分を狙う獣人を率いた巨大な”手”を見て、かつてのフィオナ騎士団の団長になる前を思い出す。
「いやはや、残念。いざとなれば我が親指かむかむで現界を引き延ばせなくもないが……」
ブリュンヒルデの体験クエストにて。確かに親指の鮭の脂はフィンの伝説の一つであり宝具にもなっているが、もう少し言い方というものがあるだろう。
脂の効果についてはまだ不明であるが、何らかの形で魔力が供給されるのか、単独行動に類するスキルでも獲得できるのであろうか?
「妖精の気配……懐かしくも恐ろしいモノではあるが……なに、カルデアでの現界であれば問題は無いだろうさ」
「それよりマスター、私に紹介してくれまいか?ははははは、あくまで騎士としてさ。あくまで」
マイルーム会話の一つ「妖精騎士」
その経歴から汎人類史の妖精の本質と危険性をよく知っているためか、妖精騎士らに対し声のトーンを含め彼のマイルーム会話では珍しい程に警戒心を顕にしている。一見はいつもの調子に戻った後半の台詞でさえも警戒を怠っていない様子から、最早妖精の範疇さえも超えて危険性が増長してしまった妖精國やその実態を知った際の反応が気になるところである。

メモ

  • フィンという名は本名ではなく金髪で肌が白くて美しい容姿からつけられた名前。幼名はディムナ。その後求婚を迫ってきた魔女の呪いで銀髪に変えられた。しかし、『Zero』のアニメ版と漫画版で描かれた老年期の姿はなぜか黒髪になっている。
  • 『Zero』におけるディルムッドの回想での人物像だけでは老害とも思われかねないが、原典でのケルト神話ではフィンが中心でこのディルムッドとのエピソードは老年期の一部分に過ぎない。青年期では真っ当な英雄として描かれている。また漫画版では悪意を持ってディルムッドを謀殺した形になっているが、伝承によっては助けるかどうか躊躇し結果的に見殺しにしてしまったというものもある(『Zero』の原作でもこちら寄りの描写である)。
    • 老年期と述べたように、グラニアと婚儀を交わそうとした時にはうら若き乙女のグラニアに対しフィンはすっかり老年であり、グラニアは元々彼との婚約にまったく乗り気ではなかったという伝承もある。そこに渡りに舟というようにディルムッドが式の会場にいた為、魅了の呪い抜きでも彼を利用とした末の逃避行とも言われる。正確に言えば逃避行の候補に選んだのはディルムッドとフィンの息子アシーンの2人。しかしアシーンには「父親の女性を奪わない」というゲッシュがあったこともあり、消去法でディルムッドに白羽の矢が立ってしまう。ディルムッドに「婦人の頼みを断れない」というゲッシュがあったのもグラニアは好都合であり、割かしアシーンにも同情されている
      …しかし、グラニアも大概したたかな女である。
    • この伝承の場合であれば、一連の逃避行において「魅了の黒子」はディルムッドがグラニアに着目される遠因であり、直接の原因としてはこのゲッシュによるものが大きいと言える。この境遇であるなら確かにアシーンが同情するのも納得と言えるだろう。
  • 因みにフィン本人もグラニアを妻に迎える事はあまり乗り気ではなかったと言われている。第一の妻サーバは妖精でありながらフィンと深い愛を結んだが、彼が出陣した際に黒い妖精ドルイドに連れ去られるという別れを経験しており、フィンは七年間もサーバを必死に探したが自身の息子を名乗るアシーンからサーバが体を操られてドルイドに従わされた事を聞き、二度と会えない事を悟り悲嘆した。第二の妻マーニサーとは良好な夫婦関係を築いたが、彼女も老齢に差し掛かりフィンを置いて死去。サーバを失った悲しみを思い出し、悲嘆する父を見たアシーンが薦めたのが上王の娘「グラニア」だった。フィンは息子の提案に従い、アシーンは上王にフィンとグラニアの婚姻を申し出てて婚約が決まったという物である。フィン本人からグラニアを欲した訳ではなく傷心の際に息子が進めた婚姻に乗っかっただけであったが、三人目の妻も奪われるという事態がトラウマを刺激したのか、ディルムッドを憎悪する事となる。また、この一件で彼の親友だった孫のオスカとの間にも生涯消えない亀裂が入ってしまった。
    • しかし、フィオナ騎士団の騎士達は塩対応だったらしく、戦友のディルムッドの討伐は拒否した。そのため、フィンは外部勢力から追っ手を出した。
    • ちなみにディルムッド亡き後グラニアを再婚するという説もある。騎士団の騎士は一応認めたが、壮年の男が若い娘を結ばれるため部下を誅殺した状況を考えれば忠義心も薄れてくる。フィオナ騎士団の崩壊の遠因とされる。どの時代でも女性問題というのは権力者の悩みの種のようだ。
    • また、悲しみに暮れる父のためにと奔走した息子のアシーンであるが、数々の不確定要素が重なり結果的にフィンの最大のトラウマを呼び起こし諸々の悲劇へと繋がってしまったのはあまりに皮肉と言わざるを得ない。
  • キャラクターデザインを担当した森山大輔氏によると、顔は一発で決まったものの、コスチュームでだいぶ悩み、ケルト勢のサーヴァントがで揃ってくるたびにタイツ度を上げるべきだったと述べていた。
  • フィンの身長と体重はさりげなく『Zero』におけるディルムッドのマスターとほぼ同じだったりする。さらに言うと髪型こそ違えど金髪だったり、属性の一つが「水」と妙な共通点を持っている。
    • (そのためかは定かではないが)『Grand Order』での正式登場直後から「顔もなんとなく似ている」と一部ファンの間で噂されたり、フィンの顔や髪型をケイネスに差し替えたコラ画像が出回るなど両者を紐づけて弄る流れが見られるように……。
  • 衛宮さんちの今日のごはん』では、クー・フーリンから勧められた鮭を調理しようとしていた衛宮士郎が、アイルランドやケルト神話との関連からフィンの「知恵の鮭」の伝説を思い出しており、その際フィンの絵が顔に黒い目線が入った状態で描かれている。
  • 『Apocrypha』時空で第三次聖杯戦争にダーニックのサーヴァントとして参戦していた事が同作アニメ版で設定として決定されたが、ダーニックが勝ち残り(かなり強引な手段でだが)大聖杯を手にした為、人知れず生き残ったアインツベルンの違反召喚ルーラーを除けば結果だけなら「冬木の聖杯戦争で勝ち残ったサーヴァント」でもある。
    • 大聖杯はナチスドイツとダーニックにより冬木から持ち去られた為、フィンは少なくとも聖杯が必要だろう自分の願いは叶えられていないまま終わっていると思われる。ダーニックにはそこまですると分かった上で従っていたのか、それとも一杯喰わされたのかは不明である。或いは自分の騎士団配下の如く、「騎士として誰かに仕えて戦ってみたい」だけだったかもしれない。
    • フィンがFGOやFox Tailで発するオヤジギャグに「冗談はよしこさん」という日本を知っていなければまず使わないだろうネタがあるが、或いはこの時の日本召喚で得た知識だったりするのかもしれない。
  • 『Fox Tail』でのマスターが誰なのかは不明だが、フィンからは「権謀術数に長けた男」と言われている。
  • マイルームでは2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』に登場した妖精騎士達に言及しているが、実は初期構造段階ではフィンも現地の妖精という設定のディルムッドと共に登場する予定だったもののボツになっている。
    • 本シナリオを担当した奈須きのこ氏によって後に販売された同人誌『Avalon le Fae Synopsys』に書かれているラフによると、シェフィールド陥落時に妖精騎士ランスロットが飛来した際、それと交戦したマシュ・キリエライトの盾から彼女の気持ちに応える形で連鎖召喚されて登場する予定だったとのこと(なお、なぜ彼が召喚されたのかについては「ディルムッド(妖精)がいたから」とされている)。
    • その後はノクナレアの副官である妖精のディルムッドと出逢い共闘する事になるのだが、戴冠式にて彼が毒酒で死亡した後は表情こそ変えずとも、冷徹な戦士として槍を振るう事を誓う。
      そしてブリテン崩壊後は炎の厄災となったバーゲストとの戦いにマシュと共に挑み、戦いに命を賭して消滅する…という展開になる予定だった。

話題まとめ

脚注

注釈


出典

リンク