五月連休温泉 隈乃

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五月連休温泉 隈乃
年代 AD.2001
シナリオ担当 奈須きのこ

概要[編集 | ソースを編集]

『魔法使いの夜アフターナイト/隈乃温泉殺人事件 ~駒鳥は見た! 魔法使いは二度死ぬ~』にて発生した微小特異点。
富山県にある隈乃山に発生した特異点で、トリスメギストスによると7日程度で閉じられる非常に小規模なもの。

本来は1999年5月に発生した特異点だったが、蒼崎青子オンリーワン/ナンバーワン・シャイニースターの発動を先延ばしにした結果2001年5月に出現し、カルデアに観測された。
1999年の時点では発動したシャイニースターによって周囲に高密度の魔力風が吹き荒れ、大気中の魔力が神代の真エーテルへと回帰していき、それがどんどん広がっていくという凄まじい光景になっていた。

山中には温泉旅館「隈乃温泉」があり、そこでは黒幕の影響で霊障が起こるようになっている。
霊障が発生してからは携帯電話の電波も通りが悪くなっているようで、それに加えて警察を呼んだ際は何かに足止めされて来られないという状況になっていた。
また同時に黒幕の力で六つの異なる効能を持つ温泉が沸くようになっているが、この温泉で願いを叶えようとすると黒幕の能力によってもう一人の自分が現れ、殺害される。

この特異点が発生した原因にして黒幕は山に古くから伝わっていた牛神の椀々様
偶然旅館にやってきた久遠寺有珠の持っていたプロイキッシャ―「願い星箱」を奪った彼が、それを用いて木乃美芳助の願いを叶えようとしたことが発端である。

最終的に、青子により1999年時点での特異点に赴いた主人公らの活躍で椀々様が同化していたシャイニースターが破壊され、被害が取り消されて元の隈乃山は姿を取り戻した。
後に、特異点を先延ばしにしたり固定していた魔力は青子の手でシャイニースターの破片に入れられ、有珠により聖杯風に加工された。

青子によれば特異点修復後は、元から温泉にいた人間は特異点での記憶が曖昧になるとのこと。

登場人物[編集 | ソースを編集]

椀々様
隈乃山に古くから棲み、人々を見ていた牛神。
上記にある通り、彼が「願い星箱」を使い芳助の願いを叶えようとした事から特異点が発生する。
木乃美芳助
隈乃温泉の主人。前の主人の養子となり、温泉を継いでいる。
当初は芸人だった頃の芸名「隈乃院ヨシスケ」を名乗っていた。
実は知らず知らずの内に椀々様によって、特異点発生の片棒を担がされていた。
蒼崎青子
特異点を先延ばしにして猶予を作り、対処しようと動いていた人物。
最終的に主人公らと力を合わせて特異点の修復を成功することができた。
特異点での動向はこちらを参照。
久遠寺有珠
無くしたプロイを探すため、隈乃温泉へやって来ていた魔女。
主人公らと力を合わせて事態の解決に動くこととなる。
特異点での動向はこちらを参照。
ロスト・ロビン・ロンド
有珠が連れているプロイの一体。
静希草十郎 (Grand Order)
1999年に隈乃山で亡くなっていたため、霊体として主人公に召喚されたサーヴァント。
最終的に死亡は取り消されたが、英霊の座に登録されたためカルデア限定で召喚が可能となった。
槻司鳶丸
水嶋まさごの両親からの依頼により、芳助を探しに隈乃温泉へやって来た私立探偵。
静希草十郎
鳶丸の助手。
彼の探偵業を手伝う一方で有珠の無くしたプロイを探そうとしていたが、学生時代の自身がサーヴァントとして召喚されたため、事態の混乱を防ぐため青子によって東京にある鳶丸の探偵事務所へ飛ばされた。
実は1999年の隈乃山で死亡していたが青子の先延ばしによって生き永らえるも、2001年時点で特異点が修正されると死亡が確定してしまうという事態になってしまった。
花心
隈乃温泉に住んでいる人形師。
元は牛神を捕らえようとしていた妖術師に仕える身だったが、隈乃山に置いていかれてしまったという過去を持つ。
作中では椀々様に取り憑かれて彼の目的に利用された。
イシュタリン・トーサカ
隈乃温泉の宿泊客の一人。
「若返りの秘湯」を狙って来ており願いは叶ったものの、霊障により散々な目に遭って早々に山を下りて行った。
ジェーン
イシュタリンを迎えに来た彼女の相棒。
バゼット・フラガ・マクレミッツカレン・オルテンシア
時計塔伝承科のロード、ブリシサンの要請で派遣された封印指定執行者と司祭代行。
日本の某所の1999年5月1日~6日の観測記録が存在しない件を調査していたが、その途中で隈乃温泉に宿泊していた。
謎の霊体A謎の霊体B
かつてカレンが懲らしめた者たちの残留思念。
彼女を追って山奥の温泉までやって来たようだが、主人公らによって撃退された。
杉谷霊印坊
隈乃温泉の宿泊客の一人。
1999年に花心によって女性体へと変えられてしまったため、花心を問い詰めて元の姿に戻ろうと温泉へと訪れていた。
両儀式両儀幹也両儀未那
隈乃温泉に家族で宿泊していた客。
どうやら高額な金額を支払って旅館の5階を貸し切りにしていたようだが、娘の未那が熱を出していたため夫の幹也は看病にかかりっきりだった。
ねじり屋ふじのん
両儀家のボディーガードとして、温泉へやって来た呪殺屋。
特異点修復後は芳助が頼み込んだことで、もう少し旅館に滞在することとなった。
士郎
隈乃温泉の宿泊客の一人。
取引相手である両儀式が隈乃温泉に泊まる事を聞きつけ、彼女の望む品を譲ろうとしていた。

用語[編集 | ソースを編集]

隈乃温泉
隈乃山に建っている温泉宿。作中の描写からしてかなり山を登ったところにある様子。
宿泊客の泊まる新館と、温泉のある旧館の二つの棟から成る。
元は普通の温泉宿だったが「願いが叶う五つの秘湯」が沸くようになったことが週刊誌に取り上げられ、1999~2000年頃は大人気になっていた。
しかし霊障が起こるようになったことで客足が遠のき、主人である芳助は借金取りに追われる羽目になっている。
一方で芳助は霊障の対策として「解決した者には報酬を支払う」というサービスを打ち立て、霊能力者を呼び込み解決に当たろうとしていた。
なお秘湯や旧館の温泉以外にも新館に露天風呂があり、作中では主人公一行が数回そこに入っていた。
宿泊できる部屋にはそれぞれ名前が付いており、主人公一行が泊まっていたのは最上階の「天空の間」という部屋で、イシュタリンが泊まっていたのが3階の「鵬(おおとり)の間」、士郎は「葵の間」という部屋に泊まっていたが途中で「椿の間」という部屋に移動している。
五つの秘湯
「朝一番に、ひとりで入ると願いが叶う」と言われている、隈乃温泉に沸く秘湯。
それぞれに違う効能があり、「若返り」「恋愛成就」「変成男子」「家内安全」「肩こり斬滅」の五つと、隠された「万能の秘湯」の計六つがある。
「万能の秘湯」以外は曜日ごとに一つずつ開放されるようで、過去には一週間フルで泊まって全ての秘湯を試そうとした客もいるとか。
しかし「一人が願いを叶えたら1年間その秘湯の効能が失われる」らしく、芳助によると過去願いが叶った者は完全にランダムらしい。
実際には椀々様が願いを叶えて力を蓄えようと沸かせたもので、入ろうとした者はもう一人の自分に襲われてしまう。
開かずの間
隈乃温泉の内部にある、決して開かない大きな扉のある一角。
扉の前には鳥居が3つあり、至る所にお札が貼られている。
独特の雰囲気が漂っていて冷えているらしく、作中では死亡した青子がここに運び込まれている。
扉には鹿のような角を生やした「くだん」こと椀々様のご神体が祀られていたが、椀々様に取り憑かれた花心によって斬られて扉が開くようになった。
芳助によると扉の中は「地獄に繋がっている」と伝わっていたそうだが、実際には隠された六つ目の秘湯「万能の秘湯」がある。
五大怪談
隈乃温泉に伝わる五つの怪談であり、同時に強力な霊障。
渡りきろうとすると時間が巻き戻って入口に戻ってしまう「旧館の永廊下」、美の悪魔という悪霊によって、資料室で人形を壊した者は一体目を作った時と寸分変わらぬ動作で人形を作らねばならない「悪魔の教室」、入ったら出られない椿の間の「物書きの首くくり」、もう一人の自分に殺される「逆写しの鏡」、そして開かずの間である「椀々様の帰り道」という霊障から成っている。
その内「逆写しの鏡」は有珠が霊に取り憑かれたため、作中では「一人で鏡に映ると鏡の中に引きずり込まれる」という現象として発生していた。
人形
昭和になった頃、特に特産品が無かった隈乃の収入源となっていた品物。
現在では隈乃温泉の資料室に大量に飾られており、見た目はアンティークなフランス人形のようである。
地獄堂
隈乃温泉の裏山にある鉱山跡地。
かなりの数の悪霊が棲み付いており、主人公らはそこで有珠と除霊した数を競い合うことで腕前の証明をした。
芳助によるとかつてそこに入った人間は両脚の骨が腐り、死人のように這いずって出て来たという。

メモ[編集 | ソースを編集]

  • 上記のように『Fate/Grand Order』の『魔法使いの夜』コラボイベントの舞台となっており主要人物が登場しているが、他にも『空の境界』『Fate/stay night』『Fate/hollow ataraxia』の登場人物も現れる多重クロスオーバーイベントとなっている。
    • なお、他の登場人物については年代が少しずれているのもあり「本来の歴史と似たようなことが起きているが年代がずれているスターシステムのキャラクター」という扱いになっている模様。
  • イベントの話としてはもう2つ案があったそうで、一つは城を舞台とした魔女狩りの話、もう一つは『魔法使いの夜』作中で行われた廃遊園地での戦いをそのまま落とし込むといったものだったらしい。
    • 採用されたシナリオのメモには、奈須きのこ氏が「熱心な『まほよ』ファンほどうれしい」と書いてあったとの事で、話の内容とその言葉を見た武内崇氏は「これをやってこそ本質的にも『まほよ』コラボ足り得る」と感じたという[出 1]

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]


出典[編集 | ソースを編集]

  1. 週刊ファミ通 2024年8月22・29日合併号 P.34

リンク[編集 | ソースを編集]