アルジュナ〔オルタ〕

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バーサーカー
真名 アルジュナ〔オルタ〕
外国語表記 Arjuna〔Alter〕
異名 黒き最後の神
性別 男性
身長 177cm
体重 82kg
好きな物 無し
苦手な物 邪悪
天敵 マスターを害するもの
出典 マハーバーラタ
地域 インド
属性 秩序・善/悪[注 1]
一人称
二人称 貴方/貴女/おまえ、貴様
三人称 彼/彼女
声優 島﨑信長
デザイン pako
設定作成 東出祐一郎
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

狂戦士」のサーヴァント

略歴
インド異聞帯の王として登場。
古代インド叙事詩『マハーバーラタ』における最大の戦乱「クルクシェートラ戦争」を経て、その地獄のような世界に絶望したアルジュナは、インドのあらゆる神性を自身に統合したことで唯一絶対の神となり、自身が理想とする「完全なる世界」を創造するため、悪しきものを廃絶せんと世界の滅亡と創世を繰り返していた。しかし、彼がその方法を選んだことが原因でインド異聞帯は剪定事象となり、また「どうしようもなく終わっている世界」とみなされている。
正しき世界への到達を目指してユガを廻すことに専念するため、傍らに蔓延っていたアルターエゴ・リンボの口添えを受けてスカンジナビア・ペペロンチーノからアシュヴァッターマンを剥奪・クリシュナの呪いを付与して屈服させ制御下に置いたほか、哪吒アスクレピオスウィリアム・テルといったサーヴァントを召喚したうえで神性の一部を付与し、「神将ローカパーラ」として動かしている。またリンボらによってもたらされた空想樹の力を利用し、それまでは数百年周期だったユガの周期を僅か十日にまで短縮させており、初期は緩やかだったユガの循環が次第に短い間隔で発生するようになっていった。
主人公一行が異聞帯に到着して最初のカリ・ユガを迎えた際、ヴィマーナに乗って姿を現すも特に興味を示さず、因縁の宿敵であるはずのカルナにすらも碌に視線を合わせる事はなく「不出来で無価値、不要な邪悪」と見なしたのみだった。ユガが廻り、次に主人公らの前に姿を見せた際も最初こそ興味を見せていたものの、やがて失望し立ち去っている。
しかしながらその後カルデア側の決死の作戦決行によって少しずつ完全性が揺らいでいったこと、そして最終盤に復活したカルナから自身の正体・自らに残る人間性について指摘され、己の完全性を疑ったことで、ついにその神性は零落。空想樹スパイラルからの莫大な魔力供給を受け、カルナに対する執心を剥き出しにしながら全力で戦いを挑むも一歩及ばなかった。
最期は己の不完全さとその身に宿していた矛盾を認め、一人ごちて微笑みながら静かに消滅した。
人物
褐色の肌と長い白髪が目を引く青年。異聞帯への分岐以前にあった人物像としてはアルジュナと同一。
アルジュナの面影を残してはいるが角や尻尾といった異形の要素が身体に現れており、また自我が薄いためどこか虚ろ。
無機質で無感動、ひたすら機械的であり、本来のアルジュナという人物が備えていた人間性は特級の神性を得た代償として塗りつぶされ、ほぼ失われている。
神性とともに「終末をもたらす者」から譲り受けた権能によってあらゆる悪を抹殺する使命を背負っているが、そのあまりにも高潔な精神性が災いし、無垢な子供や聖人を除いたほとんどの対象に「対邪悪」スキルが通用してしまい、その結果、滅亡と創世の果てに行きつく先は「完全なる世界」どころか何も残らない「無の世界」となってしまう。
インド異聞帯においては、彼が究極の視覚を以て「不要」と認識したものは終末の裁きによって「消滅」が確定する。人々は例え怪我・病気といった小さな傷であっても「不出来」と見なされ、次のユガには不要な存在として輪廻転生の輪から外されてしまう。
このアルジュナはあらゆる神性を統合した弊害により少しの不出来も容赦しない概念として暴走状態にあったが、滅業の刃では自身を裁くことはできず、その結果、図らずも彼の内側で僅かに残った「エゴイズムを司る人格」がギリギリのところで完全な機構と成り果てる事を阻止していた。
そしてそのアルジュナのエゴイズム(誰かに勝ちたい、優れた者でありたい、何かを憎み、怒りたいという程度のものであったが)を司る人格、その「今度こそカルナに勝ちたい」という願いと欲望が主人公たちとともに訪れたカルナにより呼び起こされたことで、彼は人間性を取り戻したのである。
サーヴァント「アルジュナ・オルタ」として召喚されてからは神々との繋がりが断たれており、再臨が進むごとに狂化ランクの変動・肉体性能の退行・人間性の再獲得が起こる。姿も髪色の変化を始め、次第に本来のアルジュナにより近いものへと変化していくが、最終段階まで進めても角や尻尾は残っており、やはり完全には戻らない。人間だった頃のかつての記憶は朧気になっているほか、味覚も非常に鈍く、甘さや辛さといった刺激が強いものであればどうにか感じ取れる程度と、人間性に関わる部分は大半が欠落したままである。
マスターに対しても当初はほぼ無言で仕えるのみだが、再臨が進むと徐々に言葉を発するようになる。サーヴァントとして召喚された彼が許さないのはマスターに敵対する邪悪なもののみであるが、マスターが邪悪であると分かれば当然これも容赦なく断罪しようとする。この点については本人も直接忠告している。
辛うじて人間性を取り戻した彼は汎人類史のアルジュナよりやや素朴な印象の青年となるが、これはアーチャー・アルジュナが「マスターに相応しい存在であろうと気を張っている」一方でアルジュナ・オルタにはそれが欠けているためである。すなわち、彼から垣間見えるものは、「気を張っていない状態の」アルジュナが本来持ち合わせている穏やかな性格、純朴性であると言える。
また、アーチャーのアルジュナはアルジュナ・オルタに対して「英雄としての理想像」を見ているが、アルジュナ・オルタはアーチャーのアルジュナに対して「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いており、言わば互いが互いに欠けているものを見出しているような、比較的良好な関係にある。
彼自身は自覚していないものの、天から授かったものでなく自ら勝ち得たものこそを尊び、その喜びこそを慈しむような人間味がある。美しいものを美しいと感じるのではなく、「美しくあろうとするもの」を素晴らしいと思う感性の持ち主。
されど、彼は異聞帯という特殊な環境下だからこそ発生し得た可能性(ありえざるifの存在)である。汎人類史においてはアルジュナがこのような選択・結末を辿ることは終ぞなく、故にアルジュナ・オルタも誕生することはない。
能力
インド神話における神性を悉くその身に取り込んだ「超統合神性」であるため、その完全性が証明されている限りはあらゆる攻撃が通用せず、傷をつけることすら不可能。
クリプターと契約しているサーヴァントを奪うなど彼にとっては造作もないことであり、自身に統合された神性が所有する権能の一部を他者に分け与えることも可能。劇中では実際にクベーラ、ヤマ、ヴァルナ、ヴァーユといった神々の権能が「神将」たちに付与されている。
異聞帯におけるユガの終わりにて「限りなく神に近い英雄」より譲り受けた権能・『帰滅を裁定せし廻剣』を振るうことで、自身が「不出来・不要」と見なしたものを存在ごと消滅させる。たとえ次のユガに残ることが出来たとしても、消されてしまった存在に関する記憶は人々から失われてしまう。
移動の際には白きヴィマーナに騎乗しており、普段は空想樹スパイラルの付近を巡回飛行することで監視している。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
バーサーカー 主人公 (Grand Order) A A+ A A++ C EX 狂化:EX
神性:EX
対邪悪(特殊):EX
千里眼(超越):EX
魂の灯火:EX

宝具

帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)
ランク:EX
種別:対界宝具
レンジ:100
最大捕捉:レンジ内全て
アルジュナへ「対邪悪」と共に与えられたもう一つの力。
悪を滅ぼすため、世界を終わらせるため、彼は全ての最後にこの剣を振るう。
剣を振るえば、世界全てを消滅させる。
「マハー・プララヤ」とは梵天が死ぬ際の宇宙が帰滅する現象。すなわち「壊劫」である。
流石に天下無双のアルジュナといえども、サーヴァントとして召喚された状態では、この剣の力を完全に発揮して振るう事はできない。
だが凝縮・限定された破壊を発生させるという点では『破壊神の手翳』と同じであり、アルジュナは使い心地をそれほど悪くないと考えているようだ。
この廻剣は通常時にアルジュナ・オルタの背後の肩あたりで浮いている[出 1]。弓にも変形して矢を放つこともできる。
『Grand Order』では「敵全体のBuster攻撃耐性をダウン[注 2][注 3]&敵全体に強力な攻撃」という効果のBuster宝具。

真名:アルジュナ〔オルタ〕

人を捨て、地を捨て、神に成り、天へと果てたアルジュナ。完全にして完璧な世界のために君臨する、滅ぼしの神。
インド神話において、全てを終わらせ再び始める限りなく神に近い英雄が存在する。
その彼から滅びの権能を譲り受けたのが異聞帯のサーヴァント、アルジュナ・オルタである。
彼は代償として人格を失いかけていたが、生来の英雄としての自我が残ったことで、どうにか彼が機械的な存在になることを妨ぐことができた。
それでも彼は人間性をほぼ失った、完全なる破壊の徒として振る舞う。『終末をもたらす者』から権能として対邪悪スキルと神性を授かっているが故の代償である。
インド異聞帯において彼は完璧なる神として君臨した。
本来の人格は塗り潰され、正にデウス・エクス・マキナ……すなわち世界を輪廻させ続けるだけの概念に成る寸前に至った。

関連

終末をもたらす者
インド神話における「全てを終わらせ再び始める、限りなく神に近い英雄」から滅びの権能を譲り受けたのが異聞帯のアルジュナだが、この英雄は「カルキ」ではないかと推測できる。
カルキはインド三大神の一柱・ヴィシュヌ神の第十化身であり、遠い将来に訪れるカリ・ユガの最後において、全ての悪を滅するために姿を現すとされている神性である。
またアルジュナの親友「クリシュナ」もカルキと同じくヴィシュヌ神の化身であり、何らかの関係性を推測することも出来るが、現状は詳細不明。
いずれにせよアルジュナはこの「終末をもたらす者」から「対邪悪」スキルと神性、『帰滅を裁定せし廻剣』を譲り受け、その代償として人間性をほぼ失うこととなった。
ローカパーラ
インド神話において、「世界を守護する神」として東・西・南・北の四方位もしくは八方位に置かれた神々の総称。
時代の流れとともに仏教にも取り入れられ、そちらでは「天部」や「十二天」として知られている。
神々の配置には所説あるが、『マハーバーラタ』においては雷霆神インドラ、太陽神スーリヤ、炎神アグニ、風神ヴァーユ、水神ヴァルナ、財宝神クベーラ、冥界神ヤマ、月神ソーマの八柱が名を連ねているとされる。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
Lostbelt No.4『創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ』配信後、期間限定で実装されたインド異聞帯の絶対神。

人間関係

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
インド異聞帯では特に興味を示すこともなければ対話・理解の必要性すらも感じていなかったが、サーヴァントとして召喚されて以降は絆が深まるにつれて次第に本質を見出し、また再臨によって自身が人間性を取り戻していくきっかけとなる。
最終的には彼/彼女や世界に満ちる善性を認めてその在り方を「美しい」と評価したり、「あなたともう暫く旅をしたい」と願うまでに至る。
カルナ
異父兄であり宿敵。インド異聞帯においては、終ぞ消すことの出来なかった彼への執心が「神たるアルジュナ」の完全性を崩す最後の決定打となる。
彼の威光を美しく思うと同時に脅威にも感じてしまっており、これは自身に僅かながらも残っていた人間性の部分が彼を無視することを許さなかった結果であった。
サーヴァント・アルジュナ・オルタとして召喚された後もなお、彼に対してどこか掻き立てられるものをほんの僅かに感じている。
それとは別にあちらが「スーパーカルナ」なので、自分も対抗して「スーパーアルジュナ」と名乗るべきだったか……と考えることもあるらしい。
スカンジナビア・ペペロンチーノ
インド異聞帯を担当するクリプター。契約サーヴァントであるアシュヴァッターマンを剥奪した。
彼からは「いろんな意味で手に負えない」と見なされていたが、人間性を取り戻したアルジュナが最期に見せた「悔しい」という感情には内心で同情を滲ませていた。
アシュヴァッターマン
『マハーバーラタ』ではかつて兄弟弟子であり、後に敵対することとなった、因縁浅からぬ人物。
インド異聞帯においてはペペロンチーノから契約を剥奪し、クリシュナの呪いを与えて屈服させ「神将」として使役していたが離反され、自身の完全性を崩す窮極の一計を講じられる。
カルデアでは顔を合わせるなり訝しまれ「いつものアルジュナに戻りやがれ」と怒鳴られるが、戻らないことを知ると困惑気味に。
その一方で自分をアルジュナ・オルタであると知りながらも親しく付き合ってくれるらしく、イベントで顔を合わせた際には「アルジュナじゃねえほうのアルジュナ」と親しげに呼びかけられている。
ラーマ
ヴィシュヌ神の化身。彼の妻シータは女神ラクシュミーの化身であるという説も存在するため、アルジュナに取り込まれた女神を救出しようと躍起になっていた。
彼のマイルーム会話ではオリジナルを相手に「異聞帯の汝には苦労させられたらしい」と談笑しており、こちらに対しては「何をどうすればあの域に到達するのか」「あれと戦うなど無茶もいいところ」と評している。
哪吒〔バーサーカー〕
インド異聞帯における「神将」の一人。財産神クベーラの権能を付与した。
ウィリアム・テル
インド異聞帯における「神将」の一人。風神ヴァーユの権能を付与し、彼の息子に関する記憶を「不要」と判断して消去していた。
その一方で、なぜ「人」の英霊である彼が召喚されたかについては、「神」と共に在る存在として相応しいものであることをアルジュナが無意識ながらも感じていたためであり、彼が最期に報いた忠告の一矢は、最後の最後でアルジュナにも届くことになる。
アスクレピオス
インド異聞帯における「神将」の一人。「理不尽な神罰を下さないだけギリシャ神性よりマシ」と認識されている。
冥界神ヤマの権能を与えており、彼からの要請に応じて水神ヴァルナの権能も追加で付与した。
また、彼からもテルと同じく記憶を「不要」と判断して消去していたものと見られる[注 4]
アストルフォ〔セイバー〕
うさみみのセイバー。耳(実際は角)があるとはいえ特に似ている訳ではないが、彼からは妙に仲間意識を持たれている。
そんな彼を通して他サーヴァントとの交流が広がったらしく、アルジュナ自身はこれを面白いと感じている。
カルナ〔サンタ〕
「クリスマス2020」で共闘。人間時代の記憶はほとんど曖昧な状態だが、それでも言葉では言い表せない「何か」を確かに感じている。
拳同士を軽くぶつけ合う挨拶を交わした際は「未知の情報、未知の感覚」であるとして、自身の記憶領域にしっかりと刻み込んだ。
ジーク (Grand Order)
「クリスマス2020」で共闘。彼とは味覚が鈍いという共通点がある。
元は目的のために生み出された存在であるという点から「彼と俺たちは似ているのかもしれない」と内心で感じており、熱い料理を吹き冷ましてから食べるように教えたりしている。
エリザベート=バートリー
ヴリトラにトレースされた彼女の歌を聞いて、欲を切り捨てた自らの心にも届く音があることに新鮮さと心地好さを見出す。
至極真面目に褒められてたいそう喜んだ彼女からは、大量のファンクラブグッズを授かることとなった。
ヴリトラ
「クリスマス2020」にて騒動を引き起こした邪竜。あちらからは「(アルジュナと)同じ顔の神っぽいヤツ」と認識されている。
彼女の本質を見定めるべくしてアルジュナより派遣されたアルジュナ・オルタだったが、かくして超越の視点を以て、彼女が「先に進むための必要悪」という一側面を司っていると看破し、「邪悪にあらず」との裁定を下した。
アルジュナ
汎人類史における自分自身。「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いている。
「人として足掻き、苦しみながらも立ち上がる英雄」である彼を「真のアルジュナ」とまで呼び、主人公には彼を導いてくれるよう頼んでいる一方で、彼からはその姿に「英雄としての理想像」を見出されている。
ややこしくなるのを避けるためにあまり遭遇しないようにはしているが、両者の関係は比較的良好なものとなっている。
「クリスマス2020」では「超越の視点で善悪を見抜く眼力」を信頼されていると同時に「失った記憶を呼び起こさせるような刺激をもう一人の自分に与えてやりたい」というアルジュナ自身の思惑もあって、彼からヴリトラ対策の代役を任される。
クリシュナ (黒)
自身のエゴイズムを司る裏人格。彼の残滓が最終的にアルジュナの人間性を呼び戻すきっかけとなる。
すなわち「蟻の一穴」であり、そしてアルジュナの中で輝き続ける「魂の灯火」である。

生前

アグニ、インドラ、ソーマ、ブラフマー、シヴァ、ヴィシュヌ、ラクシュミー
自身が内側に取り込んだ神々。これ以外にも数多の神性を統合している。
このうち雷霆神インドラは実父。またアルジュナは炎神アグニからガーンディーヴァを、破壊神シヴァからパーシュパタを授かっている。
クリシュナ
維持神ヴィシュヌの第八化身にして、アルジュナの友人。神性を統合する過程でアルジュナが最初に取り込んだ神性が彼ではないかと推測されている。
『マハーバーラタ』ではクリシュナがアシュヴァッターマンに呪いを掛ける場面があり、異聞帯でアシュヴァッターマンに付与されていた呪いもこれが由来。
ビーマ
アルジュナの兄。怪力無双の英雄で、風神ヴァーユを父に持つ。
『マハーバーラタ』においては宿敵ドゥリーヨダナを打ち倒している。
イーラーヴァット、アビマニュ
アルジュナの息子たち。クルクシェートラ戦争にて戦死した。
カルキ
維持神ヴィシュヌの第十化身にして最後のアヴァターラ。「汚物を破壊するもの」。
厳密には神ではないが、カリ・ユガの時代に現れて世に満ちるあらゆる邪悪を灼き滅ぼしこれを終焉させ、新たなる善の時代クリタ・ユガに導く絶大なる存在。
アルジュナ・オルタの人格や能力に密接な関わりがあり、アルジュナは彼の強大すぎる権能を「譲り受けた」代償として人としての自我を失ったと思われる。

名台詞

Fate/Grand Order

戦闘

「終わりを……始めよう……。」「消滅が訪れるだろう……。」
「終わりとなるだろう。」「善を守り、邪を断つ。行くぞ!」
戦闘開始時(第三再臨前/第三再臨後)。悪を裁き、善を守るための戦いが始まる。
「ガーンディーヴァ、標的確認……発射。」
「炎の海、雷の矢!」
エクストラアタック(第三再臨前/第三再臨後)。背後で浮いている廻剣だが、なんと弓にも変形する。そこから放たれる矢は強力無比。
「世界の歯車は壊れた。今こそ粛清の時、今こそ壊劫の時。我が廻剣は悪を断つ───『帰滅を裁定せし廻剣マハー・プララヤ』!」
「創世滅亡輪廻。善性なるものには生を、悪性たるものには裁きを。廻剣駆動。滅べ!───『帰滅を裁定せし廻剣マハー・プララヤ』!」
宝具解放(第三再臨前)。善を次代に導くため、寂滅の剣が世界を剪定する。
「星の灯火は消え、諸人は運命を裁かれる。我は神の力を継ぎ、その役割を果たす。世界は廻り、悪は滅する!『帰滅を裁定せし廻剣マハー・プララヤ』! ───還るべき場所に、還るがいい……。」
「滅亡と創世は是、表裏一体。万物は流転し、死は生へと裏返る。されど人の世に邪悪なるもの、不要なり。『帰滅を裁定せし廻剣マハー・プララヤ』! ───人よ、生きるべし……。」
宝具解放(第三再臨後)。マスターに敵対する「邪悪なもの」に対して一切の容赦はない。必滅の剣はこのとき、人が生きる世界を救うために廻る。

マイルーム

「サーヴァント。バーサーカー、アルジュナ……。我が身は悪を滅ぼすためにあり、悪は全て裁かれるものなり……。」
召喚時の台詞。一切の邪悪を赦さぬ「滅ぼしの神」が降臨する。
「肉体性能の退行を確認……しかし、これは……?」
霊基再臨1回目の台詞。白い髪が急に黒く染まり、蒼い花のような紋様が身体に浮かび上がるなどの大きな変化が見られる。
肉体性能が退行している事を機械的に報告するが、同時に何か思い当たる節があったらしく、僅かに感情を滲ませる。
「おや、これは……マスター、どうやら私の精神は人に近づきつつあるようです。肉体性能は退行しているはずですが、不思議と力が漲っています。」
霊基再臨3回目にて。髪と角が短くなり、また流暢な敬語が口から零れるようになるなど、その面影はさらにアーチャー・アルジュナへと近づいた。
彼が守り通した「魂の灯火」は此処に、再びその尊い輝きを取り戻す。
「人は神となれず、神は人を代行者とする……その役割を果たすために生まれた私ですが、どうやら『あなたともうしばらく旅をしたい』──そう願っているようです。
 ……ああ、全く世界は未知に溢れ、悪だけではなく善にも満ちている。……フッ、面白いものだ。」
霊基再臨4回目の台詞。彼は最早ただの無感情な機構ではなく、人間性を取り戻した一人の英雄「アルジュナ」として地上に立つ。
遠くの天で輝く小さな星を見つめる彼の姿はどこまでも穏やかで、どこか希望を見出すものである。
「肉体性能の向上を確認……余剰修正……。」
「肉体性能の向上を確認。───余剰修正。」
レベルアップ(第三再臨前/第三再臨後)。簡潔で機械的な処理報告。人間性が戻ってくると、同じ言葉でも柔らかさを帯びるように。
「意思なき兵器のように……行使してはならない……。」
「我らはサーヴァント。当然あなたに付き従うもの。しかしこの矢尻は常に、あなたにも向けられている。……お気をつけて。」
マイルーム会話「会話2(第三再臨前/第三再臨後)」。マスターとサーヴァント。マスターが善である限り、彼は忠実に仕えてくれる。
主が悪に堕ちることがあるのならば、その時は恐らく───彼の確固たる意思を以て、等しく裁きが下されるだろう。
「神、人、主、従者……全ては定められている……。」
「全ては定め───人は神になってはいけない。神は人に堕ちてもいけない。それでもその必要があるとするなら、そこには必ず『戦い』がある。」
マイルーム会話「会話3(第三再臨前/第三再臨後)」。人には人の、神には神の、それぞれ定められた役割がある。その役割を越える必要があった、果ての姿こそが彼である。
「カルナか……。運命とは奇妙なものです。とはいえ、神の子たる私には関係がない。
 ───いや。……やはり少しばかり、心の中に掻き立てられるものがありますね。」
マイルーム会話「カルナ」。アルジュナにとっては、たとえ何処まで行ったとしてもやはりその執心を消し去ることはできないようだ。
「あちらこそが『真のアルジュナ』と呼べるでしょう。どうかマスター、彼を導いてください。
 人として足掻き、苦しみながらも、彼は立ち上がる英雄です。」
マイルーム会話「アルジュナ」。自身の闇と向き合い、苦しみながらも必死に前へ進もうとするもう一人の自分。
その姿こそが「誇り高き英雄」であるのだと、アルジュナ・オルタは確かな憧憬と尊敬の念を抱く。
「祝福あれ……あなたは、善き者である……。」
「お誕生日おめでとうございます。前途に栄光と善良、そして……歓びがあるように。」
マイルーム会話「誕生日(第三再臨前/第三再臨後)」。善なる者には心からの祝福と暖かな祈りを込めて。
「……あなたは、何を望む? その善性に見返りはなく、その歩みに曇りもない……苦しみも、悲しみも抱えて……ただひたすら前に───それが、美しい……。」
「欲を戒め、争いを鎮める……勿論、それは正しい振る舞いだ。しかし、あなたの前へ進む眩さを知ると少しばかりその戒めを緩めたくもなる。
 ───そしてそれが、私が『人間・アルジュナである』という、その微かな証なのです。」
マイルーム会話「絆Lv5(第三再臨前/第三再臨後)」。マスターたる少年/少女の善性に触れ、逆境と苦悩のなかでそれでも足掻き進み続ける姿に価値を見出す。
同時にそれこそが自身を人間たらしめる光であると、アルジュナ・オルタは再認識するのである。

本編

「───否。
 かつては……アルジュナと呼ばれる者でも……あったかも、しれないが……。
 …………私は…………神だ。」
訪れる世界の終末。白きヴィマーナに乗って現れたのはかつて「アルジュナ」と呼ばれた英雄であったはずの「神」。
宿敵たるカルナが見間違うはずもない彼は、しかし主人公がかつて特異点で邂逅した「彼」とはすっかりかけ離れた、虚ろな機構と成り果てていた。
「……今の私に……とっては……。この眼下に散見する異物、全て……等しく───
 不出来にして・・・・・・未熟にして・・・・・無価値らしい・・・・・・。」
「完全なる世界に……在るべきではないという意味で……それは……邪悪だ。
 ……不出来邪悪なものを、神は視た。
 次のユガには…………不要、なり…………。」
外の世界からやってきたラーマやガネーシャ、名乗り出た主人公らを一瞥し、「不出来にして不要」と結論を下す。
カルナですらもそれは変わらず、激昂する彼の視線すらも黙殺した。だがこのとき、実はアルジュナの口角がごく僅かに上がっているのが確認できる。
「全神性……統合神力……抽出、凝縮、過程……完了。実行制御は……第十の……。
 …………。 展開、準備……開始。」
膨大かつ莫大なエネルギーは凝縮し、臨界に至った。今まさに振るわれようとしているのは、世界を滅ぼしすべての邪悪に破滅を与える「必滅の剣」。
神に「不出来」と認識されてしまったが最後、逃れなければ確実に消滅が訪れる。虚数潜航以外に逃れる術はなく、主人公らは必死に脱出を試みるが……。
「神は……視る。
 不出来にして……不要。其は、即ち……邪悪、なり。
 寂滅せよ、邪悪…… 新しきユガに、新しき世に……在る事、能わず。
 私は……振るう。終わりの神の……剣を。
 断たれるは……世界。その刃の、狭間に…… 透徹なる……浄化が、横溢し……
 滅亡と、創世が……輪廻する───
 ───『帰滅を裁定せし廻剣マハー・プララヤ』───」
全ての邪悪を断ち、理想の世界を創造せんと、滅ぼしの神は終末の剣を振り下ろした。
世界は神の手によって不要なモノ、すなわち邪悪なモノを取り除かれて再構築され、そこからまた新たなユガの循環が繰り返される。
辛うじて難を逃れたカルデア一行が再び訪れた世界には荒廃の気配など何処にもなく、豊かな水と美しい花々の溢れた平和そのものの理想郷が広がっていた。
「……否。それすらも……些事。もはや……私は……ただ、ユガを繰り返すのみ。
 おまえたちの……運んできた……力により。
 緩慢に進んでいた……ユガの周期は……縮減を……果たした。
 故に、私は……続ける。世界の邪悪不出来を、滅罪の洪水にて……断ち続ける……。
 神のみに視ゆる、ユガの周期が形作る周期・・・・・・・・・・・─── 大ユガの終焉は……近い……。」
「そして訪れるは……真に、善なる……真に、須要なるもの、のみが残る……
 完全にして理想の……世界の創造───」
神将・哪吒が倒れ、その穴を埋めるために英霊を追加で召喚するかとリンボに尋ねられて。
ただいたずらに創世と滅亡を繰り返しているのではない。神たる彼が目指すものは「完全なる世界の創造」。そこへ至るための終焉は着実かつ急速に近づいてきている。
退屈に、瞬く。その寸毫の間に。
珍しく─── 夢を、見た。
愚かな戦争の、夢だ。
くだらぬ理由で始まり、無価値な理由で続き、瑣末な理由で止まらなかった戦争。
敬愛する兄弟たちと、そして友と。最後まで共に戦った記憶の中に、何かがある。
心は裏表なく彼らの願いと共に在った。矢は例外なく彼らが憎む者を射抜いた。
兄弟の一員として、心の底から、一切に恥じる事なく戦い抜いた。
だが、それでも、何処かで。心の何処かで。
黒い何かが、蠢いていた気がする。
飽くのにも飽き、瞼を持ち上げる。瞬きという夜が明ければ───
夢を見ていたことすらも、           忘れた。
主人公らを相手取る、瞬きひとつの間に見た遠い記憶。愚かな戦争の夢……遥か昔の戦乱で、己は確かに戦い抜いた。心は家族と、友人と、人々の願いと共に在った。
何も恥じる事などなかったはずなのに、己の中には「黒い何か」があり───。
そしてその夢すらも刹那のうちに忘れてしまった。神たる彼に、夢は必要ないのだから。
「…………否。失望と……諦観……。
 この者たちは……私の天変地異を……耐えた。もしや、と……思ったが……。
 確かめる価値は……なかった……。
 だが……私は、何を……確かめた……?」
神将アスクレピオスに「暇潰しには満足できたか」と尋ねられて。圧倒的な力の前に手も足も出ない主人公達を一瞥し、失望と興味の失墜を示す。
しかしその視線は確かに何処かを、そこにいない「誰か」を探すかのように彷徨っていた。それが紛れもない「人間性の欠片」の表れであることに、彼はまだ気づいていない。
───また、瞼の裏に、夢を見る。
在り得ぬほど低劣な理由で。
在り得ぬほど悲惨な戦争が起きるのを、見た。
一族が死に絶えるほどの、愚かな争い。
幾千幾万の死が大地を埋め尽くした。
名だたる勇士たちの死が、馬に蹴り散らされる花弁の如き重みで宙に舞い消えた。
ヴィラータの息子ウッタラが死んだ。その兄シュウェータもビーシュマに殺された。
ビーマがカリンガ王を殺した。ヴィラータの長子シャンカも死んだ。
百王子が次々と死んでいった。……イーラーヴァットが、殺された。
シカンディンの助けでビーシュマを殺した。……アビマニュが、殺された。
死んだ。殺した。死んだ。殺した。死んだ。殺した。死んだ。殺した。死んだ。殺した。死んだ。殺した。
数多の味方の死を見続けて。数多の敵方の死を見続けて。
幾多の想念が通り過ぎて。幾多の感情が枯れ果てて。
最後に、疑問だけが残った。
───なぜだ・・・
ふとまた過ぎ去る記憶。殺戮と陰謀、憎悪と違反に塗れた低劣で悲惨な争い……「クルクシェートラ戦争」。
敵も味方も次々と殺され、或いは殺し、あらゆる尊厳すらも踏みにじられた。己の息子たちですらそれは例外ではなく、一人、また一人と死んでいった。
言葉を絶するほどの悲惨な光景を見続け、感情すらも失われていき、やがて最後まで彼に残ったものは───「何故」という疑問だけだった。
愚かな戦争を、見た。
疑問だけが、残った。
……ああ。なぜ・・できない・・・・? 本当は、誰も彼もが、わかっているだろうに。
理由は明白だった。優れていない、正しくない、劣り間違えているものの全て。
それを一語で表すならば───
元凶は、悪だ。 悪を切り捨てぬからこうなった。
不出来は悪だ。不要は悪だ。不実は悪だ。不軌は悪だ。不寛容は悪だ。不信は悪だ。不義は悪だ。不忠は悪だ。
虚勢は悪だ。欺瞞は悪だ。忘却は悪だ。無知は悪だ。頽廃は悪だ。嫉妬は悪だ。愚昧は悪だ。貪欲は悪だ。
誰もが、それを理解していて。
なぜ・・それを切り捨てることが・・・・・・・・・・・できない・・・・
願った。他の世界では違うのかもしれないが、この世界での私は、願った。
───そうあれ・・・・と。
しかし、気づいたのだ。あの戦争の後に。
同胞たちの血に濡れた大地が。卑劣が卑劣を呼ぶ愚かな報復の連鎖が。
好敵手を撃ち殺した手に刻まれた感触が───何よりも雄弁に、語っていた。
世界は、自然に悪が正されるようにはできていないのだ、と。
……だから、誰かがやらなくてはならない
……誰もやろうとしないのであれば
……それは、自分がやるしかないのでは
……なぜなら
……あの地で最も人に血を流させた者は
……邪悪愚かな戦場を最も象徴する者は
……即ち、最も邪悪愚かであった者は───
望み求めたのは、正しき世界。
当たり前の。何の変哲もない。口に出す事も憚られるような。
赤子と神のみが信じる事を許されるような。
人が殺し合う事のない、正しき世界。
邪悪を糾し尽くし、そこへ辿り着くために必要なもの。
そのための力は。幸いにして、すぐ傍にあった───
愚かな戦争の末路。本当は誰もが過ちに気がついていたにも関わらず、誰もやろうとはしなかった。あらゆる悪と弱さを切り捨てなかったからこそ、あの戦争は悲惨な結末を迎えたというのに。
だからこそ彼は願い求めたのだ。悪が糾され、純粋に正しく在る世界を。争いのない、穏やかな正しき世界を。誰が見ても正しいと思える、理想の世界を。
なぜなら、あの戦争で最も邪悪だったと彼が唾棄した存在は。彼が「誰よりも戦果を上げて栄光を勝ち取り、誰よりも手を汚し、誰よりも愚かであった」と憎悪した存在は、すなわち。宿敵に卑怯な矢を向けてしまった、自分自身に他ならなかったのだから。
そして───彼は、そうなるための力に手を伸ばし、壮絶な艱難辛苦を飲み込むことを選んだ。
「……何故……だ。何故……邪魔を、する……?
 おまえも……視た、はず。あの、愚かな、戦争を……。
 世から悪を……滅する。不出来で、不要なものを、排する……。
 それが……正義の、刃、である……。
 その刃にて、管理される……我が、世界は……絶対的に、正しい……。」
再び己の前に立ち塞がったカルナに対し、同じ地獄を視た者として問い掛けるアルジュナ。自我と記憶がどんなに薄れようとも、カルナのことはやはり覚えていた。
望むのは邪悪なき完璧な世界。彼にとってはそれだけが正義である。創世と滅亡を繰り返しているのも、彼の考える正義を貫くための行為に過ぎない。
「っ、う…………私、は…………?」
カルナに「黒」の存在、さらに「完璧な神だとは思えない」と指摘されて。
動揺を隠すことができず、同時に自身の存在を疑ったこの瞬間、「完璧なる神」としてのアルジュナの存在は大きく揺らぎ始めた。
「目……ああ、ああ。目だ。おまえの、その、目だ。
 その目で、私を。私を、視るな……カルナ……。」
「おまえはまた、その目で。私を……私の中の何かを、気付かせようというのか!
 それは、罪だ。邪悪だ。私は……おまえを、この手で、断罪する!
 カルナァァ───!!
カルナに「おまえは不出来かもしれぬ自らを見据えたことはあるのか」と問い掛けられて。
アルジュナは、カルナの鋭い眼光で醜い己を暴かれる事が恐ろしくて仕方がなかった。カルナがその目で再び己を見定めようとするのであれば、もはや打ち倒すしかない。
完全性は剥がれ落ち、その下から現れた人間性が牙を向く。相対するのは神ではなく戦士。決して癒えることのない因縁、宿命の大決戦がここに幾千の時を越えて再び実現する。
「力を見せてみろ!カルナ……ッ!!」
「カルナァァーーーーーーッッ!!!!」
最終決戦時、アタックボイス(敵専用)。痛ましいまでの必死さと執心が滲む絶叫。
そこにいたのは無感動な神ではなく、内なる感情を曝け出したただ一人の人間だった。
「粛清と壊劫を繰り返したは何の為か……! この世全ての悪を、踏破する為だ! 完全なる世界を、此処に───『帰滅を裁定せし廻剣マハー・プララヤ』!!!」
同上。宝具解放(敵専用)。決死の覚悟が垣間見える詠唱。神と成り果て、人間性を失くしてでも彼が必死に目指そうとした理想。
そして蘇った「今度こそ勝ちたい」という想い。それら全てを乗せた魂の叫びと共に、剣は廻る───。
「これは、こんな破綻は……許され、ない。なんという、屈辱……。……屈辱……?」
「フッ……フフフ……。
 この悔しい・・・という感情は───不出来で、無駄で、不要な邪悪か?
 ハハ! ならばなぜ・・・・・このようなものが私の中にある・・・・・・・・・・・・・・!?
 そうか。最初から、私が完全な存在などではないのは当然だったのか。完璧な神では持ち得ない……きず……。
 私は、求め続けただけにすぎない。自分でそれを忘れてしまうほど、ただ貪欲に。
 そう、貴様の言うとおり……神すら飲み込み、邪悪の一片も許さぬほどの。
 私の中にある、貪欲な“黒”クリシュナこそが……この私の……。」
勝負は決した。悔しさに歯を食いしばり、そうしてふと自分の中にある破綻に気がつく。
自分自身が「邪悪」だと信じて疑わなかった「貪欲さ」は自分の中にもあったのに、自分でそれを忘れてしまうほどの必死さで手を伸ばし、理想を追い求め続けていたに過ぎなかった。
そう。最初から、彼は完全な存在などではなかったのだ。そしてそれは無意識ながら理解していたことでもあったのだが、そのことをようやく思い出した時にはまもなく全てが終わろうとしていた。
「……敗因を理解した。私の滅業の刃は私の中には届かない。
 どれだけユガが輪転しようとも、私の中からおまえに抱く執心という邪悪は消え去らない。
 その執心こそが、必要以上に私を真に完璧な神へと至らせようとした。
 民を正しき世界へ導く、邪悪より生まれし最後の神の中に───
 さらに、消し去れぬ邪悪が、在った。
 それらはおそらく、私にとっては。世界よりも先に壊すべきモノだったのだが……
 壊せなかったが故に、こうなった。愚かに、過ぎる……。」
「は……そうか。矛盾だ。
 私は自らの不完全性に気付かず、完全と信じた。そしてその完全を信じた事すらも不完全の種子だった。
 ああ、そもそもが矛盾していた私は、最初から。
 貴様が望む男にすら、なれてはいなかったのか───」
消滅の間際、宿敵たる英雄に諭されて己が抱えていた矛盾を理解する。
最も消すべきでありながら、決して消すことのできなかった「執心」は彼を必要以上の高みへと至らせ、そしてその「人間味」を以て孤独なる神の座から失墜させた。
かつて世界に絶望して神となり、しかしその最後で人へと立ち返った英雄「アルジュナ」は、過ちと矛盾、後悔、どうしようもない「何か」を抱え、また最後の瞬間まで「誰かが望む何か」になろうとしながらも果たせなかったことを悔やみつつ、それでもどこか憑き物が落ちたかのように微笑みながら消えていった。

イベント

「理解は至らず。けれど、そうする事を求められているのであれば───。」
「救え!アマゾネス・ドットコム」にて。配達業務の合間、ふわりとサウナにやってきたものの、そこにいた先客たちが我慢勝負を繰り広げている状況を判断して立ち去ろうとするが、アシュヴァッターマンに引き留められ勝負を吹っ掛けられたことに対しての応答。この直前で一瞬無言かつ瞳の色が変化しており、「カルナ」という単語に対して反応を示していた模様。
第三再臨後の姿なので幾分流暢に話しているが、やはりどこか機械的で非人間さを残す言動をしており、何より「勝負」という概念をあまり理解できていないなど、オリジナルとは本質的には同一でも決定的に異なる存在であることを感じさせる。
「……ああ……。
 初めて知りました。サウナとは、意外と、心地の好いものなのですね……?」
その後、同じくサウナにて。マイルーム会話では「好きなものはない」と話していた彼だが存外気に入ったらしく、倒れたアシュヴァッターマンらが運び出されていった後も一人残ってゆっくり心身を癒していた。さすがは「120度の蒸し風呂に最高12時間、余裕のあまりカレーまで食べたアルジュナ」のオルタである(生前の経験から人間としての感覚が鈍っているという可能性もあるが)。
彼が登場するのは配達を40件こなした後だが、50件目の配達を終えて男性主人公がサウナ(=男湯)に行くと再び出てくるため、余程心地がよかったようである。
「呼び声を聞き届け……。参上しましたが……。」
「いみじかりしバレンタイン」にて、マスターからの「任務」に応じるべくやってきた、神に近い方のアルジュナ・オルタ。
この段階では祭事であることを理解していなかったため、疑問符を浮かべながらもチョコレートを食べて立ち去り、暫く経ってから真意に気づいて主人公の元へ戻ってくることになる。
なお、アルジュナ・オルタの受け取りシナリオは霊基第一段階と第三段階の2パターンが用意されており、最初の選択肢によって対応した姿に分岐するよう設定されている。
「不味い……?
 ……。……失礼。
 今の私は浮世離れしていること、この上ありませんが……。
 それでも……。真心を籠めて作られた物を踏みにじるほど……。
 機械的ではありませんよ……。」
「(渡したチョコレートは)不味くなかったか」と尋ねた際の返答。薄くも優しい微笑みを浮かべながら、その疑問をそっと否定する。
異聞帯世界に君臨していた頃のパーソナリティとは異なり、その身が神に近いものであろうとも人の想いをくみ取り、寄り添えるようになっていることが窺える。
「ええ、とても。
 ……サーヴァントとなった身の上ですが……。味は分かります。
 ……否。わからずとも───私は美味しいと、形容したでしょう。
 あなたが心を籠めて作られたもの。その感情を戴いたのですから。」
こちらは「美味しかったか」と尋ねた場合に聞ける返答。
一度は神に成り果てた彼も味覚はどうにか機能を残していたようだ。もっとも仮にそれが失われていたのだとしても、そこに籠めた想いはきっと伝わったことだろう。
「マスターと共にある限り、私は常に幸福ですが……。
 そういうことではなく? ふむ、なるほど。」
こちらは自室にやってきたマスターを出迎えた、人に近い方のアルジュナ・オルタ。
用件を尋ねる質問に対して発された「ハッピーバレンタイン」の言葉にやはり疑問符が飛ぶ。その後、こちらではマスターから直接バレンタインの詳細を聞かされることに。
「……いや、そうか。
 これはマスターから受け取った贈り物だからか……。」
主人公より贈られたチョコレートを早速口にして「心持ち、気分が軽やかです」と形容したあと、そのような結論に至った理由を分析するアルジュナ。
人体の機能も無論影響しているのだろうが、それ以上に「マスターから贈られたものだから」との考えに至り、笑みを深くする。
このように落ち着いた様子のオルタとは対照的に、オリジナルが終始どれだけ動揺していたかも一層よく分かることだろう。
「……いえ。こちらは半貴石、あるいは準宝石と呼ぶべきもの。
 石は人の手で仕分けられ、価値を決められる……。
 ですが、その前段階として、ただ輝こうとしただけで価値がある・・・・・・・・・・・・・・・・
 ……私はどうやら……そう認識しているようです。」/
「いいえ、これは厳密には宝石ではなく、半貴石、または準宝石と呼称されるものです。
 価値こそ異なりますが、美しさは決して劣りません。
 そして何より、この石は美しく輝くことを選んだ。
 美しく輝いているから美しいのではなく、輝こうとするからこその美しさ。
 あなたがいつまでも、この準宝石のような心を抱けるよう……。
 私は心から祈るのです。」
こちらのアルジュナからの返礼品は「ただ美しいだけの価値なき鉱石」。
魔術的にも金銭的にも本物の宝石とは比べるべくもない。それでも本物に劣らず輝こうとする様子こそが美しいのであり、そこにこそ真価を見出すことができるというもの。この贈答は神に近い方も、人に近い方であっても、彼がアルジュナである以上は変わらない。
かつて自らの手で不出来を仕分けていた神は、人と共に過ごす中で何を思ったのか。何かと考えさせられる言葉である。
「正直なところ、私には。
 味というものは、よくわかりません。刺激の強い辛さや甘さであればなんとか、というところです。
 この料理も、おそらく皆さんのようには味の詳細を感じられてはいないでしょう。ですが……
 これは、温かい。それは分かります。」
「栄光のサンタクロース・ロード」にて。
ゲオルギウスの手料理で食事を摂りながら、味覚が鈍く繊細な味はうまく感じ取れないと零すアルジュナ。それでも作り手の思いも同時に感じ取っているのだろう、温かみを感じることはできるのだと微笑みながら料理を口に運ぶ。
「……ふーふー。」
上述の流れを受けて「そんなにひょいぱくひょいぱく食べていたら口の中を火傷しないか?」と心配したジークに、一旦吹き冷ましてからゆっくりと食べるよう促されて。
世話を焼いているのが人生経験の浅いジークということもあり、教えられたことを素直に実行する様子からはどこか幼さを感じさせる。
「不思議なことに。先程のあなたの声には、何かを、感じました。
 あの抑揚の揺らぎ。言葉のリズム。あれが……曲、というものなのですね。
 使命に必要でない欲を切り捨て、戒めた私にも、届く音があるとは。
 新鮮で、心地好いと言えます───」
複製エリザベートの歌を聞いたアルジュナは、心を揺さぶる何かを見出せたことに驚きと喜びを見せる。
素直に褒められたエリちゃんは感激し、カルナからは「ローマの皇帝の歌声もおまえには届く気がするな」と声を掛けられた。
「マスター。この光景は……普通ですか?」
閉塞状態が解除され、取り戻せた目の前の美しい景観について。特定への好悪による評価の基準を持たないアルジュナは主人公に尋ねる。
その後のマスターの反応で多少受け答えの内容が変化するが、これが普通/善いものであると学び取りながら、彼は少しずつ人間として成長していく。
「私が邪悪でないと判じたのは、これも理由です。
 ヴリトラの堰界化、何かを堰き止め閉じ込める行為には、ある性質が付随していると感じます。
 人としての多くを失った、神の子である私には……なかなか言い表せないものですが。」
強大な試練を乗り越え、黄昏のヒマラヤ山頂を包む絶景を目にしながら、ヴリトラを「邪悪にあらず」と見定めた理由を説明する。
人の視点とは異なる超越の瞳は、うまく言語化できないものではあったが「乗り越えた先に成長をもたらす障害であり必要悪」というヴリトラの司る性質を鋭く見抜き、それはもう一人の自分から託された使命と期待に正しく応えてみせた瞬間でもあった。

マテリアル 

絶対的な神は万能であり、全てに秀でていてあらゆる権能を保有する。
今の私はサーヴァントとして使役され、戦うための生命体となったが、神であることに変わりはなかった。
なかった、はずだった。
……けれど、ああ。
あなたは私に自分らしくあって欲しいと願った。
だから、私はその言葉を決して忘れぬようにこの拙い出来の人形を作ったのです。
木の枝を折り、ナイフで削って、少しずつ形を整えて───
そして出来上がったこの人形を、私はどうにも愛しく思うのです。
不完全なもの、不完全であるが、私が作ったもの。
それは小さな、けれど決して全能の神には持てない誇りなのです。
絆礼装「刻まれていたもの」より。
マスターからの『自分らしくあってほしい』という願いを受け止めたアルジュナは、自らの手でひとつの小さな人形を作り上げた。それは決して完璧な仕上がりとは呼べないものだったが、人間性を取り戻した彼は生前のように不完全さを不要と断じて切り捨てるのではなく寧ろ愛おしいとまで感じており、彼が本来有している穏やかな性格をも窺わせている。
この素朴な木彫りの人形はアルジュナにとって紛れもない人としての誇りの象徴であり、魂の灯火が今もなお静かに輝き続けていることの証左なのである。

その他 

「ようこそ……。私は貴族の息子という設定……らしいですね。
 ですが西欧の貴族とは、どのように振る舞えば?
 エリザベート……ヴラド三世……なるほど。私……我……吾……アタシ……余……朕……
 まず一人称を決めるところから始めなければいけない、そういうことですね?」
『Fate/Grand Order 4th Anniversary ALBUMS』より。始皇帝の屋敷にて客人をもてなす役割を仰せつかった彼だが、至極真面目に西欧貴族の振る舞いを模索している様子からはアーチャー・アルジュナ同様に真面目系天然の片鱗が見えている。
ここでのアルジュナは姿こそ初期段階準拠である一方で精神は人間性を取り戻した後のものと思われ「やや覚束無さが残るものの、敬語で応対する」という再臨段階の混ざりあったような状態に設定されており、会場限定アトラクションの一つ「プレシャスルーム」では自身も慣れていない身でありながらもマスターをそっとエスコートしてくれていた。
「マスター、いらしていたのですね。歓迎いたします。……此処で待っていれば、あなたに会えるのではないかと……
 このように思うのも、私の精神が人に近づいているからでしょうか。興味深いですね。」
上述の「プレシャスルーム」での会話のうち冒頭にあたる部分。恒例となった冬祭りイベント、「カルデアパークキャラバン 2019-2020」石川会場にて行われたバラエティトーク内で映像が一部公開された。
此処で待っていればマスターに会えるのでは……そんなささやかな期待と人間味を抱いて出迎えたらしい彼の声色は、心なしか普段よりも明るい。

メモ

  • オリジナルが『Fate/Grand Order』を初出作品とするサーヴァントでは初となる「オルタナティブ」派生のサーヴァント。
    • 実装前の真名候補としては親友の「クリシュナ」や世界の終末に現れる「カルキ」、裏人格の「クリシュナ (黒)」といった面々が挙げられており、イラストレーターや声優、ビジュアルといった情報からも「アルジュナの関係者ではないか」という予想は多かった。
    • 「ビジュアルが連続TV-CMの第七弾で初公開された」という経緯は何気にオリジナルと全く同じである。
    • オルタとオリジナルの仲については「比較的良好」とテキスト上で明言されており、この手の系統では珍しい関係性に落ち着いている。
  • 世界を輪廻させるシステムへと成り果てる寸前の状態まで至っているため、その話し方も機械的かつ無感情さが目立つ。だが一方で表情差分が大量にあり、実はオリジナルよりも表情豊か。霊基再臨を繰り返すと彼の中に辛うじて残っていた人間性がやがて表出し、オリジナル同様の柔らかな敬語口調に戻る。
    • マイルーム、戦闘どちらでも霊基第一・第二段階と第三段階で異なるボイスが収録されている。それぞれを聞き比べると同じ台詞でもニュアンスが異なっていたり、言わんとすることが伝わりやすくなっていたりする。ただし、再臨が進んだ後も機械的な口調がすべてなくなるわけではなく、「レベルアップ」のボイスが顕著なように部分的には残っている。
    • オリジナルの台詞と比較すると同じ敬語口調でも幾分優しい印象を受けるが、これは恐らくマテリアル情報の「アーチャー・アルジュナは『気を張っている』がオルタはそうではない」という素朴性の表れ。本来ならばオリジナルもオルタ同様に穏やかな性格をしていることが分かる。
    • 島﨑信長氏によると、「最終段階まで行くと元のアルジュナとほとんど同じ声だけどやっぱり少し違っていて、オルタの方には控えめさや引け目みたいなものがある」とのこと。
  • 「幸運」を除いたステータスが全てAランク以上かつスキル2+3種・宝具がすべてEXランクという、あらゆる意味で規格外なサーヴァント。これほどのEXランク項目数は、同じく規格外の権化であり多種の神性を取り込んだ前歴のあるBB_(水着)をすら上回る。
    人間性をほとんど失っているが故の「狂化EX」だが、これほどの神性と力を得て「人の枠を超えてしまった」代償であればそれも致し方ないと言える。ちなみに「神性」のランクがEXに到達しているのは彼が初めてである。
    • アーチャー・アルジュナからして「ステータスの全項目がBランク以上」と相当高いスペックを誇っていたが、そこへさらに上乗せされた結果が上記のトンデモスペックなのだから恐ろしい。
      一方でオリジナルとなった人物をもっとも色濃く象徴する「幸運」のみが唯一、A++からCまで大きく下降している点を考慮すると、何とも感慨深いものがある。
  • 作中で騎乗していた飛行戦車「ヴィマーナ」は『Fate/Zero』でギルガメッシュが乗っていたものとは似ても似つかない形状をしている。カラーリングも異なっており、あちらは金ピカの英雄王仕様だったがこちらは純白である。
    • 強い影響を受けていると思われるカルキは「黒い肌をしていて白馬に乗った姿」で末法の世に現れるとされているのでアルジュナの使役するヴィマーナも白いのかもしれない。
    • 絆礼装の背景にはこのヴィマーナが映り込んでいるほか、イベント「救え!アマゾネス・ドットコム」では「神の乗り物ヴィマーナで配達代行を行っているサーヴァントがいる」との情報がアマゾネスCEOの発言から得られるため、サーヴァントとして召喚された後も使用できている可能性がある。
  • メインシナリオの戦闘においては超統合神性という完全性の再現、および一切の邪悪を裁くものとして「弱体無効・攻撃耐性・攻撃バフ」が常時付与されており、いずれも解除不可能という状態で出現する。
    初戦は無敵貫通まで引っ提げてきており、こちらからは(例外に等しいある手段を除いて)ダメージすら一切与えられないという無敵要塞ぶりを発揮するが、実際には一度しか攻撃してこないだけまだ大人しい方である。
    問題はそれ以降であり、アルジュナの攻撃バフの数値が高すぎてダメージカットも防御力アップも大した効果がない相性有利なはずのフォーリナーですらクリティカルで即死するといった事が頻発するようなものになっており、そこに2戦目ではリンボからの連戦、3戦目は固定NPCかつHP3本分という長期戦を強いられる上にHPゲージを2本割るとフルチャージと同時に無敵貫通が付与され、避けようのない全体宝具が確定で飛んでくるなどといった設定もあり、ストーリークエスト最難関の座を英霊剣豪や前章から奪い去るほどの極めて高い難易度になっている。
    弱体効果による妨害も一切通用しないため、延命策は回避・無敵・ガッツとターゲット集中を駆使する以外になく、身を削るような試行錯誤をしたプレイヤーも多かったことだろう。
    • 第2部4章19節におけるアルジュナとの最後の戦闘ではボイスが全て差し替えられており、ここでしか聴くことの出来ない専用ボイスが多数収録されている。また、エネミー名もそれまでの「神たるアルジュナ」ではなく「アルジュナ」名義になっている。
    • カイニスの幕間の物語では彼のおぼろげな発言を元にパンを作ることになるのだが、そのあまりの難易度にゴルドルフ・ムジーク「スーパーカルナなしでアルジュナと戦うようなもの」ととんでもない比喩をしていたが、その直後に比喩ではなく本当にスーパーカルナ抜きで彼と戦わされる。さすがに上記の無茶苦茶なバフや無敵貫通はなくなっているためある程度は楽に戦えるのだが、トラウマを刺激されたプレイヤー達は悲鳴を上げることになった。
  • カルナは彼の正体を「何らかの原因でアルジュナの性質が『反転』した結果、表出した裏人格『“黒”』が主体となり、理想の世界を創るための力を得るために神性を貪欲なまでに獲得し続けた存在」と見ているが、これは「本来のアルジュナは『正義のための非道』は実行できない」と考えているためである。しかしながらアルジュナの幕間「問い掛け続けることにこそ」での出来事で、アルジュナが「あの矢を放ったのは俺だ」と悪性を認めている描写があるほか、バレンタインイベントでも「卑怯な矢」と言及するなど、他ならぬアルジュナ自身が成した事を「悪」だと認識している描写があるため、必ずしもカルナが考えている通りであるとは限らない。このため今のところ「本当に反転していた(=“黒”が主体)」のか、「そうでなかった(=“アルジュナ”が主体)」のかは読み手ごとに解釈が分かれる部分がある。
    • ただいずれにせよ、この「アルジュナ」という青年は『Grand Order』第1部5章でナイチンゲールが指摘していた通り「他者が思うほど誠実ではないが、自分が思うほど邪悪でもない」人物であることは言うまでもない。カルナのマイルーム会話では「元々潔癖性の男だったがそれをさらに磨き上げた結果か」と評されている。
    • “黒”についても、オリジナル側のマテリアルでは「心に抱え込んでいるもう一つの人格(誰かを憎み、嘲り、奸計を謀る邪悪)」とされているが、オルタ側のマテリアルでは「アルジュナのエゴイズム(誰かに勝ちたい、優れた者でありたい、何かを憎み、怒りたいという程度のもの)を司る人格」すなわち「人間性を司る灯火」となっており、違う視点からの解釈に基づくものとなっている。アルジュナの思考回路がどのようなものかをよく表している部分とも言える。
  • イラストを担当したpako氏は「(第2部の)4章はあんな幸せそうなアルジュナを俺は初めて見たのでもう十分燃え尽きました。尽きてねぇ」とコメントしている[出 2]
    • 再臨イラストでオルタの姿が元のアルジュナに近づいていくというデザインを考案したのはpako氏である。曰く「設定に『再臨を繰り返すと徐々に人間性が出てくる』という記述があったため、それをビジュアルに落とし込んでみようと試みた」結果であるという[出 3]
    • なお、本人は照れ隠しなのか「どうやったら元の姿のままケモミミつけても許されるかしか考えてなかった」とのこと[出 4]
  • 島崎信長氏は実装初日に宝具レベルMAXを達成し[出 5]、四日後には聖杯転臨も行い100レベルまで育て切っている[出 6]
    • また、pako氏は初日に宝具レベルマックスを達成している[出 7]

脚注

注釈

  1. 善悪両方の属性を持ち、[善]属性限定効果のスキル・[悪]属性限定効果のスキルが無条件で適用される。
  2. 3ターン
  3. オーバーチャージで効果UP
  4. 作中の描写からするとおそらく母親に関する記憶。

出典

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