マーリン

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マーリン

  • CV:小林勝也(テレビアニメ版) / 諏訪部順一(Réalta Nua) / 櫻井孝宏(Garden of Avalon)

セイバーがアーサー王として暮らしていた時代の魔術師。

略歴
ブリテンを治めたアーサー王(アルトリア)を導く存在。
ウェールズ王妃と夢魔の間に生まれた混血児であり、滅び行くブリテンを救うため先王ウーサーの提案に乗り、赤き竜の化身たる理想の王を作った。アルトリアが竜の因子を持って生まれたのは彼の計らいによるモノ。
誕生したアルトリアを約定によって父王から譲り受け、騎士エクターの下で育てる。ブリテンの王となる運命を背負ったアルトリアが岩に刺さった選定の剣を抜く際に現われ、王の運命を告げる。彼女が王となって以降は、そのサポートにつく。
アルトリアの治世に永く携わったが、彼女のローマ遠征に際して、 手を出した性質タチの悪い妖精に狙われアヴァロンへと逃げ、そこに仕掛けられた塔に幽閉された。同地でカムランの戦いを眺め、アルトリアの契約とその結果を見届ける。
塔から抜け出すこともできたが、生きたまま己の罪を見続ける道を選び、彼自身が塔を永久に封印。そのため、最早永遠に出ることも死ぬこともできず、座に上がり英霊となることもない。何にも関われない存在として塔の中で一人、惑星の終わるその日まで、今も生きて世界を眺めている。『Réalta Nua』のLast Episodeでは―――
人物
一人称は「私」、アルトリアの夢の中では「ボク」。ただしローマ遠征に出る直前のアルトリアとの会話で一度だけ「ボク」を使用している。
自分が混血児であることについては複雑な感情を持っているが、出自からすれば不自然なほど人間を嫌いにならず、むしろ同胞である妖精や巨人たちよりも人間に肩入れするほどに好いていた。後に世界有数のキングメイカーと評される程に、彼は人間にとって良き時代を作るために多くの王を育てた。常に笑顔を絶やさず、人々の営みを楽しみ、花のような統治を目指し、そうした彼の姿は周囲の目には好青年と映っていた。
しかしその本当の性質は昆虫のそれに近く、ひたすらに機械的かつ客観的。この惑星の知性体とは相容れないほど脈絡の飛び過ぎた思考形式を有している。現在の世界の全てを把握できる『千里眼』を有していることも相まって、マーリンにとって世界は一枚の絵のようにしか見えていない。マーリンは彼にとって“美しい”ものを愛しており、彼の求める“美しい絵”が、たまたま“人類のハッピーエンド”であった。彼はそうした“人間の遺す結果”を好いており、その好みとしてハッピーエンドになるよう人間に肩入れしていたに過ぎず、それを作り出す人間そのものには全く感情移入できず、本質的に愛していない。
マーリン自身もそれを酷いことだとは理解していたが、それこそが夢魔の性質であるため変えることもできず、また、理解していてもそこに罪の意識は無かった。マーリンは人間に手を貸し、王を作るだけ。それによって国がどうなろうと彼に責任はないし、何の罪悪感も感じていなかった。
ひとりの少女の、別れの言葉を聞くまでは。
能力
“花の魔術師”マーリン。多くの神話、伝承に現れる偉大な魔術師たちの頂点のひとり。
最高位の座に位置する魔術師であり、その証たる“世界を見通す眼”――『千里眼』の保有者。マーリンの千里眼は、何処に行かずともその時代の万象全てを把握し、その顛末を読み取れるというもの。彼以前に存在した最高位である千里眼保有者には、過去を見通す者や、未来を見通す者などがいたとされている。
彼ら千里眼保有者は、生まれながらにして魔術の最奥にして真理に到達している。それゆえに、人間として生まれながら人間の視点を得られなかった異端者としての疎外感を感じており、マーリンの人間に対する冷酷とも言える見方も、この千里眼が大きく影響を及ぼしている。

キャスター (Grand Order)

  • 真名:マーリン
  • 身長:178cm / 体重:68kg
  • 出典:アーサー王伝説、その他
  • 地域:西欧諸国
  • 属性:秩序・善
  • 性別:男性
  • CV:櫻井孝宏

Fate/Grand Order』では度々登場したが、終局特異点の実装と同時に「魔術師」のサーヴァントとして参戦。

略歴
『Grand Order』序章ではシャドウアーチャーが「花の魔術師がマシュの宝具の使い途を考えた」と語っており、この事態になんらかの形で関わっている。
第一部五章の西暦1783年のアメリカに介入、クー・フーリン・オルタに押されているカルデア陣営を手助けし、致命傷を負ったカルナと共に狂王を退けることに成功した後、消滅した。
第一部六章ではベディヴィエールを西暦1273年の獅子王に占領されて在り方が変わってしまったエルサレムへと送り出している。ベディヴィエール曰く、現時点ではカルデアへの本格的な助力をするにはまだ準備中とのこと。
第一部七章にて、まだ地球上に自身の体が存在していないことから自身が死亡しているという仮定することで、ギルガメッシュにより紀元前2655年のバビロニアに通常のサーヴァントとして召喚され、宮廷魔術師として仕える。
アナと共にエルキドゥを騙るキングゥから主人公たちを助け、聖杯によりティアマトの権能を得たゴルゴーンを共に討ち滅ぼした。
それに並行する形で、夢魔の能力でティアマトを目覚めぬように抑えていたが、感覚を同調していたゴルゴーンの死により覚醒したティアマトに夢の中で殺され、消滅した。
その後人理焼却の影響により地球が白紙状態となったことを利用し、妖精郷から冥界まで文字通り駆けつけ、ケイオスタイドを花を咲かせることで無効化させ、主人公らがティアマトを打倒する援護を行った。
そしてティアマトが消滅の際に落とした聖杯を手に冥界から地上へ駆け上がり、主人公らに聖杯と共に激励の言葉を送り、幽閉塔へと帰っていった。
また、アヴァロンよりレイシフトじみた補給方法で、カルデアの炉であるプロメテウスの火に魔力リソースを提供していたことが明らかとなった。
人物
草原に吹く風のような青年。彼の前では誰もが肩の力を抜いてしまう、爽やかな正義の人。であるが緊張感やら責任感が欠如しているように見える為、胡散臭い詐欺師に見られる事も。
物事を客観的に捉え、人間世界は残酷なものと認めながらも、ソレを諭して明るいものに変えていく弁士でもある。
賢人であるが夢魔との混血であるのと、千里眼を有している故に基本的には非人間的であり、自分が人間社会において異物だと自覚している。
人間の世界や悪戯、女の子は好きだが別に人間の味方ではなく、最後の一歩「親友といえる壁」を壊せない。
彼がサーヴァントとしてマスターに仕えるのは個人的な欲望の発散、有り体にいえば趣味であるが、恋の悩みといった「その手」の相談は大歓迎らしい。
また自他共に認めるクズであり、実際に七章においてはケツァル・コアトルの投げたマルドゥークの斧を杖で誘導し、彼の手でゴルゴーンの鮮血神殿にぶつける手筈だったのを反故にしたことで、後に彼女から報復として関節技を受けることとなった。
能力
上記のようにその時代の全てを見通す千里眼を有しており、ソロモンと同様「グランドクラス」の資格を持っている。
最高位のキャスターと言われるように、魔術師としての実力は相当なものであり、「幻術」スキルを有している彼は精神への介入、現実世界への虚像投影などを指す人を惑わす魔術を得意とする。
Aランクで有している事で精神世界における悪夢はもちろん、現実においても一つの村程度の虚像を軽く作りあげ、第六章でベディヴィエールにかけた「誤魔化しの魔術」は余程の者でなければ人間やサーヴァントに正体を気づかせず、カルデアの観測ですら誤作動を起こしていたほど。
が、当人は早口で呪文を唱えれば「舌を噛む」と魔術が得意ではないと嘯いており、通常攻撃では「聖剣」を用いている。これは、彼がアルトリアの剣の師であったのと、聖剣で殴ったほうが早いと述べている。
スキル「混血」により夢魔としての特性を完全に受け継いでおり、夢魔の能力として他人の眠りの中に進入することができるが、レム睡眠時に夢の主に存在を気取られると無力化してしまうという弱点がある。

マーリン (フラグメンツ)

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』に登場するマーリン。こちらの性別は女性
人格的にはほぼ同一なのか、アルトリアがローマ遠征に出る際のマーリンとアーサーがローマ遠征に出る際の彼女はほとんど同じやり取りをしている。その際の一人称はマーリン同様“ボク”。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 主人公 (Grand Order) B E D A C C 陣地作成:C
道具作成:C
混血:EX
夢幻のカリスマ:A
幻術:A
英雄作成:EX
単独顕現:A

宝具

永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)
ランク:C
種別:対人宝具
マーリンが今も幽閉されている『塔』を周囲に再現する。地面には花が咲き乱れ、どのような暗闇・地獄であろうと暖かな陽差しが差し込む。
たとえ彼に許された空間がわずか十メートル四方の牢獄であり、彼に与えられた風景が遥か上空にある切り取られた空だけであろうと、そこは理想郷として在り続ける。
花の魔術師マーリンいるところ、そこは地獄ではなく、希望に満ちた大地となる。

登場作品と役柄

Fate/stay night
セイバーの回想などで登場。
Garden of Avalon
この物語のキーマンとして登場。彼を中心に物語が進んでいく。
口絵にて初めてキャラクターデザインが公開された。
Fate/Grand Order
〔キャスター〕キャラクターデザイン:タイキ / 設定作成:??? / レア度:☆5
第五章、第七章に登場し、第六章でも直接登場こそしないものの、物語の鍵に関わる重要な役割を担い、ソロモンピックアップでついに実装となった。
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
アーサーの回想シーンに少しだけ登場。

人間関係

過去

アルトリア・ペンドラゴン
その始まりに立ち会い、魔術師として支え続けた主君。
尊敬され親愛も感じられていたが同時にあらゆる厄介事の素だったため、基本的に身内には丁重なセイバーが「そいつ」呼ばわりする例外。
アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕
上記人物の若い頃のもしもの姿。お付きとして武者修行にも同行していたが、彼女のおせっかいで始まった事件をいつも大事にしていたとか。
なお、「この衣装が変装に向いている」と吹き込んだ結果、リリィは丈の短いスカート姿になったとか。
ケイ
同じ円卓の一員であり、上記の武者修行の際の同行者。大事になった事件の尻拭い役をいつも押し付けていた。
モードレッド
同じ円卓の一員として以外の当時の関係は不明。人類史焼却という非常事態の中では、魔術師としてこの事態の解決には役立つだろうと言及されている。
マーリン側の評価の一端は「彼ら(円卓の騎士)だって馬鹿じゃない。モードレッドは馬鹿だけど。」という言葉に現れている。
トリスタン
同じ円卓の一員。変人として認識していたようで、「彼のようだ」と言われた時には本気でショックを受けていた。

Fate/Grand Order

マシュ・キリエライト
彼女が持つ盾の宝具に何らかの形で関わっている模様。
シャドウアーチャー
マシュが持つ盾の宝具のことを知っており、無数の武具を記憶貯蔵する彼でもその使い方は知らず、裏にマーリンがいることに勘付いていた。
フォウ
使い魔。彼のことは「キャスパリーグ」と呼んでいる。主人らしく振舞おうとするが、彼からの扱いは敵意を感じさせるほどにぞんざい。
ベディヴィエール
アヴァロンへと到達した彼にアガートラムと改名した銀の腕を授け、また彼の目的を悟られないように誤魔化しの魔術をかけてAD.1273のエルサレムへと送り出した。
主人公 (Grand Order)
記録にも残らないその戦いをずっと見てきて、ファンになった。

名台詞

Fate/stay night

「それを手にする前に、きちんと考えたほうがいい」
「それを手にしたが最後、君は人間ではなくなるよ」
選定の剣に手をかけた幼き日のアルトリアに対して。
この時点で彼女の運命を知っていたにもかかわらず、忠告するのみで止めなかったあたりはいかにも魔術師らしい。
それでも彼女を支え続けたのは、根っこの部分では善人だったからであろうか。
「ああ、辛い道を選んだんだね」
「でも奇跡には代償が必要だ。アーサー王よ。君はその、一番大切なものを引き換えにすることになる」
アルトリアが選定の剣を抜いた後に。困ったように顔を背けて言った彼だが、内心では彼女の選択に胸を躍らせていた。
彼女の進む道が困難であり、波乱に満ちたものになることを確信し、面白がっていた。

Garden of Avalon

「さあ、お行きキャスパリーグ。ボクはここでいい。
 おまえは自由に、本当に美しいものに触れてきなさい」
アヴァロンから最後の同居人であるフォウを窓から離し外界へ送り出した台詞。
一見優しげな言葉だが、アヴァロンの塔はかなりの高さがあり、しかも地表から浮いているため、マーリンは遥か下方の地上に向かって窓からフォウを投げ落としたとも考えられる。何よりフォウがアヴァロンに籠っていた理由を鑑みれば、マーリンシスベシフォーーーウ!と体当たりされるのも当然か。

Fate/Grand Order

「王の話をするとしよう」
「星の内海。物見のうてな。楽園の端から君に聞かせよう。君たちの物語は祝福に満ちていると。
 罪無き者のみ通るが良い。『永久に閉ざされた理想郷ガーデン・オブ・アヴァロン!』」
宝具選択、解放。妖精郷より花の魔術師はある王の物語を語る。
「好きなもの?人間と、いたずらと、女の子だよ。だって楽しいだろ?いじるの」
マイルームの会話「好きなこと」について。前者二つはまあ分かるが後者については……。
「マスター、アルトリアと私を一緒にするとかキミは悪魔なのか!?いや、嬉しい、すごく嬉しいんだけど……まだ、心の整理がついてないというかだね?」
アルトリアを所持している時のマイルーム会話。かつて自分が彼女に行った事に対する罪悪感と、後に彼女が救われた事の嬉しさで複雑な想いを抱いているようだ。
「ちょっとうたた寝しながら歩いていたら、そこは見知らぬ荒野の国。
 これは夢の続きか、それとも単なる幻か。まあ、どちらでもいいのだけどね。」
「おはよう。そしてこんにちは、諸君。みんなの頼れる相談役、マーリンさんの登場だよ。」
狂王の朱槍を防ぎながらふらりと現れて一言。
「妖精たちはずっと噂していた。アヴァロンの端に人型の岩がある。
 いつのまのにかあったもので、誰もこれの由来を知らない。どうやら人間らしいんだけど、怖ろしい事に生きている。
 生きているけど動けない。肉体はボロボロ、魂は燃え滓。まさに生ける屍だ。でも、驚くべき事に精神は尽きていなかった。
 その岩は物凄い執念で、まだ、自分が死ぬ事を許さなかった。 ……分かるねルキウス?それがキミだ。」
第六章最終盤、ベディヴィエールの回想にて。永い時を経て、人のカタチが朽ちた彼に対して。
本編中での彼の姿は誤魔化しの魔術でそう見せかけているだけで、実際はこの言葉通り直視できなさそうな姿なのだろう……。
「でもいちおう確認はするよ?戦いの結果がどうあれ、キミはこれで死に絶える。
 魂を使い果たし、輪廻の枠から外れ、キミという存在は虚無に落ちるだろう。
 それでも―――まだ、旅の終わりを目指すのかい?」
同上にて。やり遂げなければならない為とはいえ、ヒトの理を曲げてまで生き延びた代償は、あまりにも大きかった……。
「王は聖剣を返されぬまま彷徨い、死ぬ事なく天に属する英霊となった。
 故に、彼女は―――‘‘聖槍を使い続けたアルトリア’’はこのアヴァロンにやってこない。聖剣を返す為にここまで辿り着いたキミとは違ってね。
 彼女を解放する方法はただ一つ。今度こそ聖剣を返す事だ。 でも――――分かっているね?」
「キミが今まで旅を続けられたのは、その聖剣があったからだ。 聖剣を返すという事は、何もかも終わるということ。 キミの長かった旅も、キミのこれまでの苦労も、報われる事なく終わる。
 肉体に依存する人間にとって、死の恐怖は生き続けた分だけ増大する。実に1500年。キミが迎える‘‘死’’への恐ろしさの重みは、私でさえ想像できないだろう。
 永遠の生の苦しみなんて、実のところ‘‘きつい’’だけさ。誰だって我慢すれば耐えられる。でもキミが踏みだそうとしている重みは、誰であれ正視できない恐れだとボクは断言する。」
第六章最終決戦後の回想にて。ベディヴィエールのヒトとしての寿命はとうに尽き、事を成してもこれだとその重みは筆舌に尽くし難いものがある……。
「それでも―――キミは行くのかい?
 遠い日の過ちを正す為だけに。ただ、王の存命を願っただけの話なのに。
 サー・ベディヴィエール。本当はキミには何の過ちもなかったというのに?」
同上にて。純粋な願いのその果てにマーリンも思うところはあるのだろう。
「ボクは悲しい別れとか大嫌いだ。意地でも死に別れなんかするものか。
 だからちょっと信条を曲げて、幽閉塔から飛び出してきた。無論、キミたちに会うためにね。」
第7章『絶対魔獣戦線バビロニア』にて。夢魔の精神体がティアマトに殺されたため、アヴァロンに居る本人が走って第七特異点に駆けつけた。
ハッピーエンドを好むマーリンにとって主人公達との死に別れは自分の信条を曲げる程に堪え難い物だったらしい。
「ああ、そうだとも!これが正真正銘のラストチャンスだ!
 マシュ、○○君、再会の挨拶はまた後で!嵐に向かうぞ!立ち向かう準備はいいかい?」
絶望的だったティアマト神打倒についに逆転のチャンスが訪れ、嵐の前に立つ主人公達の背中を押すマーリン。
メソポタミアで出会った様々な人の想いを乗せ、神殺しの闘いはクライマックスへ突入する。
「そんなの決まってるだろ。僕が、キミのファンだからだよ。」
第七特異点で、特別に力を貸してくれた理由について。
よりよい文様エンドを紡ぎ上げる旅人に、一度は力になりたかったと、マーリンはうち明けてくれた。
「カルデアの星読み。誰の記憶にも残らない開拓者。私は、キミの戦いに敬意を表する。」
「すべての星は満ちた。人理終焉の暦でキミたちはあの悪と戦うだろう。」
「―――どうか、最後まで善い旅を。その行く末に、晴れ渡った青空があることを祈っているよ」
同上。これまでも、そしてこれからも。自分だけは見届けそして覚えていると、マーリンは主人公の未来を祈り、幽閉塔へと帰って行った。
「グッナイト!ようこそ、マーリンお兄さんの夢の世界へ!
 でもレム睡眠とは感心しないな!朝から二度寝かい? それとも昼から?
 なんにせよもっと深度の深い眠りを提案するよ。だって、そうしないと私がお邪魔できないからね!」
ランサーアルトリアの幕間の物語にて。彼女と打ち解けるきっかけが掴めない主人公の夢の中に突然現れてのたまう。
「いやあ……アルトリアはもともと強情な娘だけど、聖槍持ちになると手の付けられない……になるからね。
 まったく、誰があんなモノを押しつけたんだか……他人事ながら同情してしまうよね。」
聖槍を持っている場合のアルトリアの人となりの一端。そして鏡をつきつけたくなる棚上げっぷりにフォウが襲来してきた。

メモ

  • 『アーサー王伝説』の登場人物としてあまりに有名であり、伝承を紐解けばそれこそ枚挙に暇がないほど逸話が存在する。第五次聖杯戦争時のアルトリアの苦手なものにある「いたずら好きの老人」は彼のことと思われる。
  • 本格的な初登場は2006年のアニメ『Fate/stay night』。フードを被っており顔の下半分しか確認できないが、腕を含めてしわ一つなく、体格もしっかりしているなど、外見上は若く描かれている。担当声優はなぜか大河ドラマ常連の大御所俳優・小林勝也氏。小林氏は当時アニメ出演は2作目であり、立ち位置としては特別出演の大物俳優クラス。回想でしか登場せず台詞もほとんどない完全な脇役にも関わらず、異常なまでに気合いの入ったキャスティングであり、ある意味かなり優遇されていたキャラクター。
  • 漫画『Fate/stay night』ではフードから長いヒゲが確認できるなど、伝承上のマーリンのイメージに最も近い。
  • 「Réalta Nua」では立ち絵はないものの、諏訪部順一氏が声を担当している事や、その口調からかなり若々しい印象を受ける。
  • 小説『Garden of Avalon』にて本格的に登場。若い青年の姿が描かれており、外見は老人ではない。ただし、ウーサーの代から王の手助けをしてきたことから年齢的には老人と言える。
  • 夢魔(=淫魔)の血を引いており、性的な意味でも色々やらかしたようである。セイバー曰く「悪人でした。くわえてその、色事に弱いというか、愛の多い人物というか。結局最後にそれが仇(あだ)となって幽閉されてしまいましたが、あの老人の事です。きっと、今でも呑気に愛を語っているのでしょう」とのことで、あまり心配はされてない。
  • アヴァロンに幽閉されたことで死する運命から外れてしまったらしく、英霊の座には存在しない。
  • 明言はされていないが『Garden of Avalon』でケイから「~その最初に居合わせた円卓はオレとお前だけだったか」と語りかけられているため、型月世界では円卓の騎士の一人だった可能性がある。『Garden of Avalon』にて円卓の騎士と明言されている12名にマーリンを加えると丁度円卓の騎士の総数である13名となる。
    • 『FoxTail』のガウェインの発言によるとブリテンの騎士団にはボールスもいたようだが、彼は次期十一席とされているため、入れ替わりもあると思われる。
  • 過去にはもっと高次の『千里眼』を所有する魔術師もいたとされるが、具体名は出ていない。
    • 後に、該当すると思しき「過去と未来を観る眼」の持ち主ソロモンが登場した。

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