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: アルトリアの治世に永く携わったが、彼女のローマ遠征に際して、 手を出した<ruby><rb>性質</rb><rt>タチ</rt></ruby>の悪い妖精に狙われアヴァロンへと逃げ、そこに仕掛けられた塔に幽閉された。同地でカムランの戦いを眺め、アルトリアの契約とその結果を見届ける。 | : アルトリアの治世に永く携わったが、彼女のローマ遠征に際して、 手を出した<ruby><rb>性質</rb><rt>タチ</rt></ruby>の悪い妖精に狙われアヴァロンへと逃げ、そこに仕掛けられた塔に幽閉された。同地でカムランの戦いを眺め、アルトリアの契約とその結果を見届ける。 | ||
− | : | + | : 塔から抜け出すこともできたが、遊び気分でひとりの少女の運命に関わった事に思うことがあるのか、生きたまま己の罪を見続ける道を選び、彼自身が塔を永久に封印。<br>最早永遠に出ることも死ぬこともできず、座に上がり英霊となることもない。何にも関われない存在として塔の中で一人、惑星の終わるその日まで、今も生きて世界を眺めている。 |
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: 一人称は「私」、アルトリアの夢の中では「ボク」。ただしローマ遠征に出る直前のアルトリアとの会話で一度だけ「ボク」を使用している。 | : 一人称は「私」、アルトリアの夢の中では「ボク」。ただしローマ遠征に出る直前のアルトリアとの会話で一度だけ「ボク」を使用している。 | ||
− | : | + | : 自分が混血児であることについては複雑な感情を持っているが、出自からすれば不自然なほど人間を嫌いにならず、むしろ同胞である妖精や巨人たちよりも人間に肩入れするほどに好いていた。 |
− | : | + | :後に世界有数のキングメイカーと評される程に、彼は人間にとって良き時代を作るために多くの王を育てた。常に笑顔を絶やさず、人々の営みを楽しみ、花のような統治を目指し、そうした彼の姿は周囲の目には好青年と映っていた。 |
+ | : しかしその本当の性質は昆虫のそれに近く、ひたすらに機械的かつ客観的で、この惑星の知性体とは相容れないほど脈絡の飛び過ぎた思考形式を有している。現在の世界の全てを把握できる『千里眼』を有していることも相まって、マーリンにとって世界は一枚の絵のようにしか見えていない。マーリンは彼にとって“美しい”ものを愛しており、彼の求める“美しい絵”が、たまたま“人類のハッピーエンド”であった。彼はそうした“人間の遺す結果”を好いており、その好みとしてハッピーエンドになるよう人間に肩入れしていたに過ぎず、それを作り出す人間そのものには全く感情移入できず、本質的に愛すこともできなかった。 | ||
: マーリン自身もそれを酷いことだとは理解していたが、それこそが夢魔の性質であるため変えることもできず、また、理解していてもそこに罪の意識は無かった。マーリンは人間に手を貸し、王を作るだけ。それによって国がどうなろうと彼に責任はないし、何の罪悪感も感じていなかった。 | : マーリン自身もそれを酷いことだとは理解していたが、それこそが夢魔の性質であるため変えることもできず、また、理解していてもそこに罪の意識は無かった。マーリンは人間に手を貸し、王を作るだけ。それによって国がどうなろうと彼に責任はないし、何の罪悪感も感じていなかった。 | ||
: ひとりの少女の、別れの言葉を聞くまでは。 | : ひとりの少女の、別れの言葉を聞くまでは。 | ||
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: 最高位の座に位置する魔術師であり、その証たる“世界を見通す眼”――『'''千里眼'''』の保有者。マーリンの千里眼は、何処に行かずともその時代の万象全てを把握し、その顛末を読み取れるというもの。彼以前に存在した最高位である千里眼保有者には、過去を見通す者や、[[ギルガメッシュ|未来を見通す者]]などがいたとされている。 | : 最高位の座に位置する魔術師であり、その証たる“世界を見通す眼”――『'''千里眼'''』の保有者。マーリンの千里眼は、何処に行かずともその時代の万象全てを把握し、その顛末を読み取れるというもの。彼以前に存在した最高位である千里眼保有者には、過去を見通す者や、[[ギルガメッシュ|未来を見通す者]]などがいたとされている。 | ||
: 彼ら千里眼保有者は、生まれながらにして魔術の最奥にして真理に到達している。それゆえに、人間として生まれながら人間の視点を得られなかった異端者としての疎外感を感じており、マーリンの人間に対する冷酷とも言える見方も、この千里眼が大きく影響を及ぼしている。 | : 彼ら千里眼保有者は、生まれながらにして魔術の最奥にして真理に到達している。それゆえに、人間として生まれながら人間の視点を得られなかった異端者としての疎外感を感じており、マーリンの人間に対する冷酷とも言える見方も、この千里眼が大きく影響を及ぼしている。 | ||
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− | [[Category: | + | [[Category:Garden of Avalon]] |
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2024年8月9日 (金) 15:20時点における最新版
マーリン | |
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性別 | 男性 |
声優 |
小林勝也(テレビアニメ版) 諏訪部順一(Réalta Nua) 櫻井孝宏(Garden of Avalon) |
デザイン |
石原恵(テレビアニメ版) タイキ(Garden of Avalon) |
初登場作品 | Fate/stay night |
概要[編集 | ソースを編集]
- 略歴
- ブリテンを治めたアーサー王(アルトリア)を導く存在。
- ウェールズ王妃と夢魔の間に生まれた混血児であり、滅び行くブリテンを救うため先王ウーサーの提案に乗り、赤き竜の化身たる理想の王を作った。アルトリアが竜の因子を持って生まれたのは彼の計らいによるモノ。
- 誕生したアルトリアを約定によって父王から譲り受け、騎士エクターの下で育てる。ブリテンの王となる運命を背負ったアルトリアが岩に刺さった選定の剣を抜く際に現われ、王の運命を告げる。彼女が王となって以降は、そのサポートにつく。
- アルトリアの治世に永く携わったが、彼女のローマ遠征に際して、 手を出した
性質 の悪い妖精に狙われアヴァロンへと逃げ、そこに仕掛けられた塔に幽閉された。同地でカムランの戦いを眺め、アルトリアの契約とその結果を見届ける。 - 塔から抜け出すこともできたが、遊び気分でひとりの少女の運命に関わった事に思うことがあるのか、生きたまま己の罪を見続ける道を選び、彼自身が塔を永久に封印。
最早永遠に出ることも死ぬこともできず、座に上がり英霊となることもない。何にも関われない存在として塔の中で一人、惑星の終わるその日まで、今も生きて世界を眺めている。 - 人物
- 一人称は「私」、アルトリアの夢の中では「ボク」。ただしローマ遠征に出る直前のアルトリアとの会話で一度だけ「ボク」を使用している。
- 自分が混血児であることについては複雑な感情を持っているが、出自からすれば不自然なほど人間を嫌いにならず、むしろ同胞である妖精や巨人たちよりも人間に肩入れするほどに好いていた。
- 後に世界有数のキングメイカーと評される程に、彼は人間にとって良き時代を作るために多くの王を育てた。常に笑顔を絶やさず、人々の営みを楽しみ、花のような統治を目指し、そうした彼の姿は周囲の目には好青年と映っていた。
- しかしその本当の性質は昆虫のそれに近く、ひたすらに機械的かつ客観的で、この惑星の知性体とは相容れないほど脈絡の飛び過ぎた思考形式を有している。現在の世界の全てを把握できる『千里眼』を有していることも相まって、マーリンにとって世界は一枚の絵のようにしか見えていない。マーリンは彼にとって“美しい”ものを愛しており、彼の求める“美しい絵”が、たまたま“人類のハッピーエンド”であった。彼はそうした“人間の遺す結果”を好いており、その好みとしてハッピーエンドになるよう人間に肩入れしていたに過ぎず、それを作り出す人間そのものには全く感情移入できず、本質的に愛すこともできなかった。
- マーリン自身もそれを酷いことだとは理解していたが、それこそが夢魔の性質であるため変えることもできず、また、理解していてもそこに罪の意識は無かった。マーリンは人間に手を貸し、王を作るだけ。それによって国がどうなろうと彼に責任はないし、何の罪悪感も感じていなかった。
- ひとりの少女の、別れの言葉を聞くまでは。
- 能力
- “花の魔術師”マーリン。多くの神話、伝承に現れる偉大な魔術師たちの頂点のひとり。
- 最高位の座に位置する魔術師であり、その証たる“世界を見通す眼”――『千里眼』の保有者。マーリンの千里眼は、何処に行かずともその時代の万象全てを把握し、その顛末を読み取れるというもの。彼以前に存在した最高位である千里眼保有者には、過去を見通す者や、未来を見通す者などがいたとされている。
- 彼ら千里眼保有者は、生まれながらにして魔術の最奥にして真理に到達している。それゆえに、人間として生まれながら人間の視点を得られなかった異端者としての疎外感を感じており、マーリンの人間に対する冷酷とも言える見方も、この千里眼が大きく影響を及ぼしている。
バリエーション[編集 | ソースを編集]
キャスター[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』では「魔術師」のサーヴァントとして登場。
上述の通り本来はサーヴァントにすら成りえない存在だが、その理由などは「マーリン (Grand Order)」を参照。
フラグメンツ[編集 | ソースを編集]
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』に登場するマーリン。こちらの性別は女性。
詳細は「マーリン (フラグメンツ)」を参照。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]
- Fate/stay night
- セイバーの回想などで登場。
- Garden of Avalon
- この物語のキーマンとして登場。彼を中心に物語が進んでいく。
- 口絵にて初めてキャラクターデザインが公開された。
- Fate/Apocrypha
- モードレッドの回想シーンに、円卓の騎士達と共に馬に乗って登場。
その他[編集 | ソースを編集]
- ちびちゅき!
- 文化祭オーラスの舞踏会で司会を務めた。普段は花屋をやっているようである。
人間関係[編集 | ソースを編集]
過去[編集 | ソースを編集]
- アルトリア・ペンドラゴン
- その始まりに立ち会い、魔術師として支え続けた主君。
- 尊敬され親愛も感じられていたが同時にあらゆる厄介事の素だったため、基本的に身内には丁重なセイバーが「そいつ」呼ばわりする例外。
- アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕
- 上記人物の若い頃のもしもの姿。お付きとして武者修行にも同行していたが、彼女のおせっかいで始まった事件をいつも大事にしていたとか。
- なお、「この衣装が変装に向いている」と吹き込んだ結果、リリィは丈の短いスカート姿になったとか。
- ケイ
- 同じ円卓の一員であり、上記の武者修行の際の同行者。大事になった事件の尻拭い役をいつも押し付けていた。
- モードレッド
- 同じ円卓の一員として以外の当時の関係は不明だが、彼女の願望については「直接言ってしまったら自殺してしまうかもしれないから」とあえて不干渉であった模様。
- マーリン側の評価の一端は「彼ら(円卓の騎士)だって馬鹿じゃない。モードレッドは馬鹿だけど。」という言葉に現れている。
- トリスタン
- 同じ円卓の一員。変人として認識していたようで、「彼のようだ」と言われた時には本気でショックを受けていた。
- モルガン
- 王の姉で自身を貶めた魔女。宿敵の筈だが、彼女をどう思っているかは不明。
- 湖の乙女の彼女に対しては魔術の師匠である。
- ブラダマンテ
- 過去に何度か彼女にテレパシーを送ったり巫女を介したりで彼女の冒険を手助けしていたとのこと。
- ウーサー・ペンドラゴン
- 概念受胎によって「竜の血を引くブリテンの王」を生み出すために共謀した相手。
- この結果生まれたのが上記のアルトリアである。
名台詞[編集 | ソースを編集]
Fate/stay night[編集 | ソースを編集]
- 「それを手にする前に、きちんと考えたほうがいい」
「それを手にしたが最後、君は人間ではなくなるよ」 - 選定の剣に手をかけた幼き日のアルトリアに対して。
- この時点で彼女の運命を知っていたにもかかわらず、忠告するのみで止めなかったあたりはいかにも魔術師らしい。
- それでも彼女を支え続けたのは、根っこの部分では善人だったからであろうか。
- 「ああ、辛い道を選んだんだね」
「でも奇跡には代償が必要だ。アーサー王よ。君はその、一番大切なものを引き換えにすることになる」 - アルトリアが選定の剣を抜いた後に。困ったように顔を背けて言った彼だが、内心では彼女の選択に胸を躍らせていた。
- 彼女の進む道が困難であり、波乱に満ちたものになることを確信し、面白がっていた。
Garden of Avalon[編集 | ソースを編集]
- 「さあ、お行きキャスパリーグ。ボクはここでいい。
おまえは自由に、本当に美しいものに触れてきなさい」 - アヴァロンから最後の同居人であるフォウを窓から離し外界へ送り出した台詞。
- 一見優しげな言葉だが、アヴァロンの塔はかなりの高さがあり、しかも地表から浮いているため、マーリンは遥か下方の地上に向かって窓からフォウを投げ落としたとも考えられる。何よりフォウがアヴァロンに籠っていた理由を鑑みれば、マーリンシスベシフォーーーウ!と体当たりされるのも当然か。
Fate/Grand Order[編集 | ソースを編集]
- 「まあ、キャスターとして私が脅威なのは分かるけどね!
何しろ冠位の魔術師だから、私は。魔術王と同格の、選ばれたキャスターだ。
他のサーヴァント、特にキャスターのサーヴァントが私を羨み、妬み───
そして最後には負けを認めて二軍落ちするのは、もう避けようのない展開だからね!」 - カルデアと共に人類史存続の為に戦ってくれるかと問われた際に答えた台詞…の余計な部分。冠位キャスターとしての自負ゆえなのだろうが、煽りがすぎるだろう…。
メモ[編集 | ソースを編集]
- 『アーサー王伝説』の登場人物としてあまりに有名であり、伝承を紐解けばそれこそ枚挙に暇がないほど逸話が存在する。第五次聖杯戦争時のアルトリアの苦手なものにある「いたずら好きの老人」は彼のことと思われる。
- 初登場は2006年のアニメ『Fate/stay night』。フードを被っており顔の下半分しか確認できないが、腕を含めてしわ一つなく、体格もしっかりしているなど、外見上は若く描かれている。担当声優はなぜか大河ドラマ常連の大御所俳優・小林勝也氏。小林氏は当時アニメ出演は2作目であり、立ち位置としては特別出演の大物俳優クラス。回想でしか登場せず台詞もほとんどない完全な脇役にも関わらず、異常なまでに気合いの入ったキャスティングであり、ある意味かなり優遇されていたキャラクター。
- 漫画『Fate/stay night』ではフードから長いヒゲが確認できるなど、伝承上のマーリンのイメージに最も近い。
- 「Réalta Nua」では立ち絵はないものの、諏訪部順一氏が声を担当している事や、その口調からかなり若々しい印象を受ける。
- 小説『Garden of Avalon』ではキャラクターデザインや設定がきちんと起こされ、本格的に登場。若い青年の姿が描かれており、外見は老人ではない。ただし、ウーサーの代から王の手助けをしてきたことから年齢的には老人と言える。
- 夢魔(=淫魔)の血を引いており、性的な意味でも色々やらかしたようである。セイバー曰く「悪人でした。くわえてその、色事に弱いというか、愛の多い人物というか。結局最後にそれが仇(あだ)となって幽閉されてしまいましたが、あの老人の事です。きっと、今でも呑気に愛を語っているのでしょう」とのことで、あまり心配はされてない。
- アヴァロンに幽閉されたことで死する運命から外れてしまったらしく、英霊の座には存在しない。
- 明言はされていないが『Garden of Avalon』でケイから「~その最初に居合わせた円卓はオレとお前だけだったか」と語りかけられているため、型月世界では円卓の騎士の一人だった可能性がある。『Garden of Avalon』にて円卓の騎士と明言されている12名にマーリンを加えると丁度円卓の騎士の総数である13名となる。
- 『FoxTail』のガウェインの発言によるとブリテンの騎士団にはボールスもいたようだが、彼は次期十一席とされているため、入れ替わりもあると思われる。
- 過去にはもっと高次の『千里眼』を所有する魔術師もいたとされるが、具体名は出ていない。
- 後に、該当すると思しき「過去と未来を観る眼」の持ち主ソロモンが登場した。
話題まとめ[編集 | ソースを編集]
脚注[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
出典[編集 | ソースを編集]