「ハサン・サッバーハ〔呪腕のハサン〕」の版間の差分

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2018年5月16日 (水) 13:14時点における版

真アサシン
真名 ハサン・サッバーハ
外国語表記 Hassan of the Cursed Arm
異名 呪腕のハサン
性別 男性
身長 215cm(身体改造分含む)
体重 62kg
特技 隠密、忍耐、スリ
好きな物 自分用のダーク(投擲剣)、忠義、寝正月
苦手な物 自分以外
天敵 十八人のアサシン(ハサン)候補
出典 中東、山の老翁
地域 中東
属性 秩序・悪
一人称
二人称 貴方/貴様/○○(呼び捨て)
三人称 貴方がた/貴様ら/○○(呼び捨て)
声優 稲田徹
演者 BOB(舞台初演)
富沢たかし(舞台再演)
デザイン 武内崇
タスクオーナ(FGO)
設定作成 奈須きのこ
イメージカラー 白(月光)
レア度 ☆2
初登場作品 Fate/stay night
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概要

暗殺者」のサーヴァント

略歴
Fate/stay night』HFルートではキャスターにより召喚されたルール違反のアサシン・佐々木小次郎を核に本来のアサシンとして召喚された。
特異な召喚方法もあってか現界直後は知性に乏しく、言語もたどたどしかったが、ランサーの心臓を取り込む事により高い知性と戦闘能力を手に入れた。
召喚者である間桐臓硯の目的「不老不死」に応じ、同種の望みを持つ個体として呼び出され、共に永遠を目指す者として聖杯戦争に参加する。
HFルート終盤、アインツベルンの森で臓硯と共に言峰綺礼を追い込むが、宝具を無効化されて生まれた一瞬の隙をつかれ、マスターである臓硯を洗礼詠唱で消滅させられる。臓硯本体の元に消滅間近の状態で帰還するが、黒化したに飲み込まれてしまった。
Fate/Grand Order』特異点F『炎上汚染都市 冬木』では西暦2004年の冬木で行われた聖杯戦争でセイバーに敗北し、泥に汚染されたシャドウ・サーヴァントと化していた。ランサーと共に主人公たちに襲いかかる。
第六特異点『神聖円卓領域 キャメロット』では、はぐれサーヴァントとして生前生きていた時代である西暦1273年のエルサレムに召喚され、主人公達と協力を結ぶ。
最終盤では百貌のハサン、静謐のハサンと共に自身の村の民たちを虐殺したトリスタンに雪辱戦を挑む。毒と人海戦術を利用した3人の連携作戦でトリスタン打倒を目指すが、トリスタンのギフトによる毒耐性能力によって作戦は失敗し、百貌と静謐が返り討ちに遭って力尽き、自身も腹を割かれて内臓が飛び出る程の致命傷を負って完全に追い込まれる。だが決死の覚悟でトリスタンに掴み掛ってシャイタンの右腕の制御を解き、自身諸共トリスタンの霊基を右腕に喰らい尽くさせるという捨て身の作戦で逆襲を仕掛ける。
ハサン自身はトリスタンの最後のあがきで右腕と体を切り離されるもこれによってシャイタンに食われずに済み、反対にトリスタンは右腕から逃れられずにそのまま霊基を喰い尽されてシャイタンへと零落し、最終的に初代ハサンによって葬られた。
人理修復後も消滅はせず、荒廃した世界を当代の人間として立て直すという初代ハサンより賜った使命を果たすべく残った。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅥの座を統括する覗覚星アモンと交戦する。
『亜種特異点Ⅰ』では西暦1999年の新宿に召喚され、悪性の存在が跋扈する新宿で戦い続けていたが、新宿のアサシンに襲われ敗北、消滅した。このため新宿の物語においては直接登場していない。
人物
白い髑髏の仮面に黒いマント、黒い布で覆われた棒のような右手と不気味な外見をしている。髑髏の仮面の下の顔は削ぎ落とされており仮面をとっても顔は無い。
人間的・道徳的には善人であるとは言い難いが、主の命令には忠実で、主と認めた人物はどれほど劣勢に陥っても裏切らず、多少無理な命令でも黙って従う。また殺しはあくまで仕事としており、そこに哀楽を感じることは無く、外道の人物ではない。戦闘能力はともかく仕える者としては間違いなく一流。
生前では名前と顔を捨て去ったことを悔いており、聖杯にかける望みは自らの顔を取り戻し、ひとりの人間として己が名前を残す事。
また、宝具の影響で酒も食べ物も口にすることができない体質となっている。
能力
クラススキルである気配遮断の恩恵もあって諜報・隠密行動に優れる。衛宮家程度の結界ならば誰にも気付かれずに出入りすることも可能。気配遮断中の彼は衛宮士郎程度では近距離で会話していてもどこにいるのか位置が全く掴めず、聴覚・嗅覚・触覚・魔力探査で視覚以上に正確に外界を捉えているライダーにすら短時間なら全く気付かせなかった。
近接戦闘は殆ど行わず、専ら「ダーク」と呼ばれる黒塗りの短剣を投擲するアウトレンジ戦法が基本。ダークの投擲はノーモーションかつスキル「投擲(短刀)」により弾丸として放たれる。その腕前は夜間ならばセイバーやランサーでさえ投擲されたダークを視ることは出来ない(二人とも視覚以外の感覚であっさり防いでしまったが)。なお、ダークは有限であり愛着があるため投げたものは戦闘後に拾って帰っている。
暗殺者のスタンスからか、敵サーヴァントと対峙しても正面戦闘することはあまり無く、専ら罠への誘導や陽動役を努める。「蜘蛛か蛇、それとも蠍」と称される奇妙な歩法の使い手で、逃げ足ならばあのランサーと互角とされる。ライダーとの戦いでは室内を四方八方に飛び回りながらダークを乱射するという士郎の見立てでは「セイバーでさえ防ぎきれるか」という猛攻の戦いを見せたが、マスターが桜に移り本気を出せるようになったライダーには通じず全て躱された上に釘と鎖で逆にボロボロにされてしまった。
自己改造スキルを有しており、他のサーヴァントの心臓(霊核)を取りこむことによって知性と能力を増強してゆくことが可能で、ランサーを葬りその心臓を取り込んだ。なおこれは良くも悪くも人格にも取り込んだ者の影響を受ける。
これは彼らが“アサシン”という名で群をなしているだけの亡霊(英霊候補)であり正純な英霊と比較して能力は低く、これを秘儀によって肉体改造を施しサーヴァントに対抗している為である。
魔術にはあまり通じていないが暴風の悪霊に対するため台風避けの呪いによるスキル「風除けの加護」を持ち、セイバーの「風王鉄槌」すら無効化し掻い潜ることが出来る。
また、再生能力はないがハシシ(麻薬)を使用しているため、痛みを無視して行動できる(コンシューマ版ではさすがに直接的に表現するのはまずかったのか、「ブットンでる」という穏当な表現に変更された。)

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アサシン 間桐臓硯 B C A C E C 気配遮断:A+ 投擲(短刀):B
風除けの加護:A
自己改造:C
主人公 (Grand Order) B C A C E C

宝具

妄想心音(ザバーニーヤ)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:3~9
最大捕捉:1人
普段は長い布に包まれているが、その実態は悪性精霊である魔神シャイタンの右腕を繋げ呪術によって制御しているもの。使用時には折りたたんでいた腕を伸ばし、その赤い異形の腕を開放する。
対象に触れることで、エーテル塊による心臓の二重存在(コピー)を作り出す。この鏡面存在を握りつぶすことによって対象本人の心臓を破壊し、呪殺を成立させる(いわゆる類感呪術)。要は即席の呪いの藁人形。如何に硬い鎧で身を護ろうとも心臓を掴み上げることができると暗殺には最適であるが、幸運や魔力で対抗可能。
作中の描写から接触していないと鏡面存在を作れないようだが腕の長さがその弱点を補っている。
呪術で制御してるらしく、制御を解いた場合はシャイタンが受肉し、腕を盗んだ呪腕のハサンやその腕に掴まれた者の霊基を食らおうとする。『Grand Order』第六章ではこれによって霊基の半分を食われたトリスタンが呪腕を持つシャイタンの出来損ないの異形へと変化した。
人を罰するモノ故、言峰綺礼のようにアンリマユの泥に汚染され既に人のモノではない心臓は呪えず、多少の加減で異形の命も断罪できるが、高い神性を有する英霊や幻想種には、霊格の高さによる抵抗力故かそのまま使用しても通用しない。また心臓限定であるがゆえに既に心臓がないものや心臓を潰されても活動可能な相手には効果や必殺性や即死性が薄い。
『Fake』では女アサシンの宝具『幻想血統』で再現される能力の一つとして登場している。『幻想血統』の仕様上全く同じ性能かは不明だが、幾重にも魔術防護が施された概念核の心臓を破壊する、背中から触れても鏡像の心臓を形成可能、宝具の日本刀が食い込んだくらいでは迎撃できず止まらないなど、御業に恥じない性能を見せている。

真名:ハサン・サッバーハ

ハサン・サッバーハ。イスラム教の伝承に残る暗殺教団の教主「山の翁」の一人、1273年頃に在位していた「呪腕のハサン」の異名をとる暗殺者。
山の翁はその代の暗殺者達の頂点がなるもの。彼は万事をそれなりにこなせるものの、誰にも真似できない「特筆すべきもの」がない平凡な暗殺者だった。
だが生あるが故の焦りか、何としても山の翁の名を求めた。己を偉大なる者、優れた者として名を残したかった。
その手段として己の体を犠牲にし、魔神の右腕を己に写した。
自分に才能がなければ、特別な力を持つモノを自分の体にすればよい、と。
彼は人としての名である「ハナム」や村を、恋しい女を、自らの顔を捨てて山の翁への道に歩み、更には片腕を贄とすことで魔人の右腕を手に入れ、ついに「ハサン・サッバーハ」を襲名した。
…その結果が、それまで持っていたもの全てを失い、顔すらも無くなった「誰でもない何者か」に成り果てるなど思いもしないまま。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/stay night
HFルートのみの登場。マスターである臓硯の方針に従い行動する。戦闘能力は低いが、「影」を利用し複数のサーヴァントを仕留める。
Fate/hollow ataraxia
出るには出るが、「空想電脳」を使うこのハサンは別人に当たる。
「hollow出番の少ない人」大会をぶっちぎりで優勝。花札では追加パッチで出演しボケ老人状態の臓硯を世話する家政婦状態。
Fate/Labyrinth
四人のサーヴァントのうちの一人。
Fate/Grand Order
「呪腕のハサン」の名称で登場。
『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」公開記念キャンペーン』の開催に際してバトルキャラ、モーション並びに宝具演出が一新された。
メインシナリオでは特異点Fで敵として、その後第六特異点で味方として登場。

Fate関連作品

フェイト/タイガーころしあむフェイト/タイガーころしあむ アッパー
世話をしている臓硯の具合が悪い。何か精の付く物でも、と町に出ると、謎の占い師が治療のために聖杯を手に入れることを勧めてきて……。
アッパーでは出番はあるものの個別のシナリオモードはなし。
Fate/Ace Royal
英霊カードの一枚として登場。原作の不遇振りを払拭するかのように、一撃必殺の「妄想心音」が強力。万能型の能力で、能力的にはどんなクラスでも活躍できる。……だが悲しい事に「アサシン」以外の適性を持っていないため、その有用性を生かせない。
ギルガメッシュ小次郎よりは強いのだが、やはり不遇。

人間関係

Fate/stay night

間桐臓硯
召喚者にしてマスター。基本的に「魔術師殿」と呼んでいる。契約とは別に共闘者として認めている。
間桐慎二
本編では接点はないが派生作品では「ぼっちゃん」と呼んで仕える家の子どもとして扱っている。
セイバー
元敵対者であったが、彼女が黒化した後は間桐勢力の仲間として互いに認識しているらしくセイバーからは「私の役目は済んだ。後は貴公に任せる」と語りかけられて「有り難い。容易い仕事だ、狂人(マジュヌーン)に敗れた失点を取り返せる」と返すなど同僚意識があるような会話をしている。
アサシン
間桐臓硯に変則召喚された際、彼の肉体を生贄兼依代にし、その腹を突き破って登場した。
ランサー
召喚された直後、不完全な状態の時に遭遇。様子見のために手を抜いて戦っていた隙を突き、ザバーニーヤで心臓を破壊して殺害した。彼の心臓を捕食したことにより、記憶と意識を取り戻している。
キャスター葛木宗一郎
劇場版「Heaven`s Feel」では単独で彼女らを仕留めている。

Fate/Labyrinth

沙条愛歌
キャスター相手に全く恐れを抱かず、それどころか魔力の不足を突いて自分の傘下に加わるように言ってのける彼女の器に強い興味を持ち、同盟の締結に貢献する。
ノーマ・グッドフェロー
愛歌とは対照的に睨みあいをするサーヴァント達に怯えていたので、絶妙のタイミングで同盟の話を持ち掛けてくれた彼に感謝している。その後の宝具の情報を自分から明かすという英断を下した事もあり、「英雄」「高潔なひと」「天使」と彼女から絶賛されている。
しかし悲しい事に愛歌の内にいるため彼女は感謝の気持ちを伝えられず、アサシンも今までにないほどに自分を認めてくれた人がいる事に気づいていない。
ロビンフッド
愛歌の元に手を組んだ同盟相手。隠密行動をする者同士なせいか短い期間で簡単に打ち解け、「アサシンの旦那」と呼ばれている。
彼の方もアーチャーの軽口を無視する事なく応じ、お互いに敬意をもって接している。

Fate/Grand Order

サリア
彼が名を捨てる以前、「ハナム」だった頃暮らしていた村で恋人一歩手前の幼なじみだった女性。
ハサンになる為に彼女と別れ、彼女は父親に反対されながら聖地の家に嫁いだ。
第六章では彼女がルシュドをかばって死んだ事を知った際は悲愴な姿を見せた。
ルシュド
サリアの子供。
アーラシュ
獅子王と円卓の騎士率いる聖都に対抗する同志。
異教徒とはいえ西アジアにおいて弓兵の代名詞たる彼には並々ならぬ敬意を抱いており、「この地で出会った、我が最大の盟友」と呼んでいた。
ベディヴィエール
獅子王と円卓の騎士率いる聖都に対抗する同志。
初めこそ村を任された長としての責任から主人公一行共々拒絶していたが、既に山の民を救っていてくれた恩もあり仲間としてすんなり受け入れる。
彼の姿に「かつて我らの英雄を騎士と呼び、敵でありながら讃えた王」の話を思い出している。
トリスタン
獅子王率いる円卓の騎士の一人にして最大の仇敵。
第六章序盤で煙酔のハサンと難民を惨殺し、更に村に奇襲攻撃を仕掛けて戦う術の無い村人を片っ端から手にかけた彼に強い怒りを抱き、何が何でも自分達が仕留めて村人達の仇を取ろうと心に決めた。
百貌のハサン静謐のハサン
自身と同様に第六特異点に召喚された歴代『山の翁』達。二人とも実力は確かだが、いつまでも主人公一行に意地を張っていたり精神的に不安定だったりで話が中々進まないため、実質的に二人のまとめ役になっている。
煙酔のハサン
呪腕、百貌、静謐同様第六特異点に召喚された歴代『山の翁』の一人。ハサンの中でも秀でた暗殺術の使い手らしい。
獅子王への抵抗を唱える呪腕のハサンに対し、戦いは消耗戦になるという考えから呪腕のハサンとは道を違えることになった。
が、命を懸けて難民達を逃がそうとする際には彼の治める村へと向かわせようとする等、最後の最後まで彼の人柄を信頼していた。
なお、グラフィックは百貌のハサンの使い回しであるが、性別は呪腕のハサン曰く男性であるとのこと。
震管のハサン、影剥のハサン
呪腕、百貌、静謐、煙酔と同じく第六特異点に召喚された歴代『山の翁』。
呪腕は彼らにも招集をかけていたが、震管はランスロットに、影剥はガウェインにやられてしまった。
“山の翁”
初代ハサン・ザッバーハ。「山の翁」の創設者にして途轍もない実力と権威を誇る畏敬の対象。
獅子王に対抗するために己の命を賭してこの偉大なる先代に助力を求めるが、仲間に事情を黙っていた事と物事の順序が違う事を指摘されて逆に叱責される。それでも何とか助力を取り付ける事に成功し、この特異点が修正されるまでは首を取らないでおく、と言われるが・・・。

名台詞

Fate/stay night

「ギ――――ワタシのメンを、ミた、な、ラン、さー」
ランサーと戦い、髑髏面を剥ぎ取られた際に。それまで奇声ばかりだった真アサシンの最初のセリフ。
この後ランサーの心臓を取り込むことで確固たる人格を形成するのだが、最初のうちはこんな感じである。
「■■■■■■■■■■■■!」
セイバー戦で「風王結界」に飛び込んだ際に。
彼らの神を讃えるセリフが入る予定であったが、大人の事情で黒塗りに。PS2版では音声のみ追加されている。
「数百年の妄念か。私には理解できぬが――――」
「理解できぬが―――魔術師殿は、この私のマスターに相応しい。
 よかろう。人として扱われなかったモノ同士、共に永遠を目指すとしよう――――」
ランサーの心臓を食らい望みを思い出した仮面の暗殺者は、「死にたくない」と願う召喚者の在り方を見極め忠誠を誓う。
「一人で乗り込んでくるとはな。見下げ果てた馬鹿者だ」
「私は魔術師殿とは違う。速やかに、その苦悶から解放してやる」
「眠れ。その身に救いは与えられぬであろうが、あのような怪物に食われるよりは上等だろうよ」
HFルートDEAD ENDにて一人でアインツベルン城に乗り込んだ士郎を逃さず殺害する。士郎を瞬殺し、また殺しを愉しむこともないなど、いぶし銀な仕事人気質が伺える。惜しむらくはこれが彼の唯一の単独暗殺成功シーンなところか。

フェイト/タイガーころしあむ

「なんと悪辣な……。
 人を騙してはいけないと教わらなかったか!」
真アサシンルートでタイガから騙されていたことを知らされて。えーと、あなたの職業なんでしたっけ?
「まあ、感心はしませんが、一応これも「聖杯戦争」ですから、卑怯、とは言いませんよね?」
「おお怖い。では策士策に溺れることなく頑張りましょう。心苦しいですがこれもまた定め。すみやかにその首差し出していただきます」
無印の葛木先生ルートで、連戦で疲弊したところを慎二と共に襲撃して。
葛木先生ルートは登場人物ほぼ全員が徹頭徹尾シリアスだが、アサシンも例に漏れず本編の仕事人のイメージとホロウ以降の剽軽なイメージがうまく和合している。
「あ!ぼっちゃんがやられている!?
 ……うむ!命を懸けてもいいほどにぼっちゃんが悪いんでしょうが、ここは加勢いたしますぞ!」
『アッパー』で凛にボコられる慎二を見つけて。しかし揃って叩きのめされてしまい、2人並んで己の立ち位置をグチることに。

Fate/Labyrinth

「そこまでだ。幼くも無垢なる命へと魔手を伸ばさんとする悪鬼よ」
ノーマに危害を加えようとするファウストゥスに対して。
絶望的な状況であった彼女にとっては、まさに天使の助けが来たように感じられたことであろう。
なお、このシーンでは同行する他のサーヴァントも同じように颯爽と登場するのだが、その中でこの台詞と共に一番最初に登場したのが彼である。

Fate/Grand Order

「苦悶を溢せ――『妄想心音ザバーニーヤ』!」
宝具開放。「妄想心音」。「山の翁」の御業が一つ――異形の右腕を以て標的の擬似心臓を潰して呪殺する。
宝具演出変更後には「魂など飴細工」という台詞が追加されている。
「憎悪するもの? 忠義、仁義の伴わぬ者には義憤に駆られる事もありますな」
マイルーム会話「嫌いなこと」。この発言を初めとして、本作では屈指の忠義の士としてキャラクタライズされている。
「ふははは。工房の掃除であればちょちょいと隙を見てやっておきましたぞ、魔術師殿」
マイルーム会話「絆Lv3」。『タイころ』で見られた主夫属性を発揮。仁義を重んじながらも飄々としており、暗殺者ながら親しみやすさを覚える。
「名前を残すのは確かに宿願、されど今優先すべきはこの戦いと悟りました。――マスター。貴方を守り切る事こそ、私の生まれた意味かもしれません」
マイルーム会話「絆Lv5」での発言。自身の願いよりも仕えるマスターを重んじる姿を見せる。
「黄金のサーヴァント……!?魔術師殿、あやつは良くない。すぐに裏切る不埒者故、すぐに契約を切るべきですぞ!」
マイルームでギルガメッシュを評して。一度主と見定めたのなら絶対に裏切らないという彼の信条が垣間見える台詞。だが、確かに気に入らないマスターを躊躇なく裏切ったことはあるが、その聖杯戦争にこのハサンは参戦していない。そもそもギャグ作品を除けば共演自体殆どしていないので、我々の知らないどこかでギルガメッシュの性格を知ったのかもしれない。
あるいは自分を含めた「山の翁」への侮辱に対する意趣返しなのだろうか……。
「愚か。あまりにも愚か。子供を盾にした事ではない。子供をさらった事でもない。
 才能の在り無しさえ計れぬ者が暗殺者を育てようとは、これほど愚かな事はない。
 その子供に殺し屋は務まらぬ。酬われぬ場に幼子を置かんとするその能無しぶり。
 もはや生きるに能わず。永劫の闇の中に消え去るが良し。」
キャラクエストにて、誘拐した子供を使い捨ての暗殺者に育てようとする悪人に対して。彼の仕事人としての哲学が見える一幕である。
なお、件の悪人は「妄想心音」で心臓を握りつぶされてあえなくご臨終。助けた子供にお礼を言われたハサンは…。
「そうなのか?……それはそれで悲しいな。強く生きられよ、そこな騎士よ。」
(……私が指摘したのは彼一人だけではないのだが……まあ、そこはよいか)
主人公から事態を悪化させないためとはいえ「円卓の騎士じゃない」と言われてションボリしてしまったベディヴィエールへのフォロー。やはり何だかんだで人が良い。
「うむ、それは困った。実に困った。
 どこかに我々以上に強く、単独行動に向いており、しかもサーヴァントを使役できて、力になってくれる、そんな御仁がいればいいのだが……」
連携を渋る百貌と別件の対策に手をこまねくようにしながらもその実、ある人物に目を向けながら。口車に乗ってしまった百貌はもうぐうの音も出ない。
「……それもこちらの台詞ですなあ。
 我らなぞより、貴方が背負った責務の方がよほど大事だ。
 ご武運を、ベディヴィエール卿。
 かつて我らの英雄を騎士と呼び、敵でありながら讃えた王がいましたが……
 貴方はその人物によく似ている。
 騎士道というのも捨てたものではないようだ。」
トリスタンの相手を自分達に任せ、今までの感謝の言葉と共に先へと進んだベディヴィエールへと向けた台詞。
薄々とベディヴィエールの事情を察していたらしく、彼の旅の結末を案じるとともに、話に聞いたとある王の姿を彼に重ねた。
「ギフトなぞ我々には必要なし。
 痩せた土地と共存し、この地に生きる同胞を護り、この地に起きた教えを全てとした!
 他の国なぞ知らぬ!理想の国なぞ知らぬ!我らは、この土地に住む人々を愛した!
 我らはその為に生き、その為に死んだのだ!それが我ら山の翁の、原初の掟である……!」
ギフトに縛られてもいないのに何故己諸共魔神の腕に喰わせることができるのか、と問いただすトリスタンに対する呪腕のハサンの返答。
ただ己の生まれ育った大地と、そこに生きる人々、その地で生まれた神の教えを護るために生きるという山の翁の掟、そして何より呪腕のハサンが最も大切に思ってきた最愛の人とその子を護り抜こうとする信念。それこそが呪腕のハサンの誇りであり、己の名を捨て、素顔を捨ててまで山の翁を目指した理由であった。
「なんと……なんと、いう事だ―――
 貴方はこう言われるのか。この時代に留まり、山の民の復興に尽くせ、と。
 はは……ははは。私も、多くの仕事をこなしてきましたが――
 これ以上やりがいのある仕事を、他に知りませぬ。このハナム、一命に換えてもやり遂げましょう……。
 そして……それが成った暁には……改めて、恩を返さねばなりますまい。
 カルデアの○○―――さて、うまく縁が結ばれればいいのですが……
 私、この通り未熟者ですからなぁ。うまくお役に立てるか、今から心配ですぞ?」
『山の翁』に首を刎ねられることなく『ハサン・サッバーハ』の任を解かれ、かつての名前であるハナムを取り戻し、名乗りながら誓う呪腕のハサン。
かつて名を捨て、顔を捨て、結果として19名の山の翁の中に埋もれるという結末を迎えた彼は、最後に『生きたまま山の翁の任を遂げた唯一の翁』という文字通り唯一の誉を得たのだ。
その事を噛みしめながらハナムは、山の民の復興に尽くすこと、そしてその後、恩を返すためにカルデアへと赴くことを心から誓うのだった。
"なんとしても、今代の翁に俺はなる。その為であれば肉体などいくらでも犠牲にする。
所詮、わが身が凡才なれば。つまらぬ片腕一本など、喜んで魔人に食わせよう”
呪腕のハサン専用の概念礼装「シャイタンの腕」テキスト内の台詞。
彼は山の翁を襲名するための特筆すべきものがなかった。だが、彼は諦めなかった。己が望みのためならばこの身を犠牲にすることに迷いはなかった。
その結果は―――

メモ

  • 既に召喚されていたアサシンである佐々木小次郎の肉体を利用して召喚されるが、小次郎の腹ワタから肉を捌いて出てくるというどこぞの映画のエイリアンのような召喚となっている。その上召喚直後は「黒虫」と称されている異形であり、苗床である小次郎の血肉や骨を食らうことで人のカタチを成し、空白の脳漿に人のチエが与えられていくという非常にグロテスクなことになっている。
    この召喚についてコンマテ3のQ&Aでは「まぎれもなく外法」とされているが、具体的な方法やデメリットなどの詳細は不明。臓硯が召喚から三日後にランサーを食らった後の真アサシンに「ほほう。わずか一日で饒舌になったではないかアサシン。その様では、己が望みを思い出したか?」と語りかけているため、小次郎を食らった段階では己の望みすら忘れていたと思われる。
  • マスターに対して忠実な一方で、臟硯が油断して言峰にやられた際は自身の不手際ならともかく自らに落ち度はないので敵討ちなどそんな酔狂な事をする気など毛頭ないと語っている。良くも悪くも仕事人気質と言える。
  • 前述の通り戦闘力はサーヴァントの中では低く、単独での闘いは常に苦戦している。しかし、臟硯によると慎二がマスター時のライダーなら直接戦闘でも勝てるらしい。……が実際に闘った際のライダーは桜がマスターだったので逆に捻られてしまった。
  • かつては出番にも活躍にも恵まれないサーヴァントであり、型月界隈の一部では影が薄くて不憫なことへの代名詞となっていた。そもそも「HFルート以外では影も形もなく、かと言ってHFでも特別待遇が良いというわけでもない」いう境遇であることに始まり、PC版『Fate/hollow ataraxia』ではおまけゲームの『トラぶる花札道中記』のみ、さらにパッチを当てて初めて登場する扱いだったのを皮切りに、格闘ゲーム『Fate/unlimited codes』では五次サーヴァントで唯一出演できず、Vita版『Fate/hollow ataraxia』のおまけゲーム『カプセルさーばんと』でも出演を逃していた。その上四次でもハサンは悲惨な目に遭っており、『Fate/EXTRA CCC』ではギルガメッシュから「サーヴァント界でもっとも不遇なもの。その名をハサンというのだ」と他のハサン共々馬鹿にされる有様であった。
  • しかし『Grand Order』では打って変わっての大躍進を見せ、当初から引きずって来た「不憫の代名詞」の称号は瞬く間に過去のものとなった。特に彼の忠誠心や義理堅さ、為人などは「英霊としての能力はともかく、仕えるものとしては間違いなく一流」と高く評価されており、言動の所々から伺える暗殺者らしからぬ誇り高さや矜持、正義感などに心を奪われたプレイヤーも多い。
    • 一方のキャラ性能だが、レアリティこそ★2と(無償で行えるフレポ召喚でしか排出されない)紛うことなき低レアだが、「妄想心音」が即死が有効な敵ならば高確率で即死させるという効果を持つこと(有効でない敵は主にサーヴァントだが、本作にはサーヴァント以外の強敵もごまんといる。もちろん、即死なしでも相性で有利を取れるライダーやバーサーカー相手には高い火力を発揮する)、主軸となるQuick攻撃のヒット数の多さなどからクリティカルスターやNPの回収率が見た目以上に高いこと、スキル面でも無難なクリティカル補助に加えて最終的には強スキルと名高い矢避けの加護と同系統の効果を持つ「風避けの加護」が手に入るといったことから総じて評価が高い。レアリティゆえの基礎性能の低さが唯一の欠点だが、長所がそれをある程度補ってくれている。また、アップデートにより追加された聖杯転輪により、欠点であった基礎性能の低さも更なるレベルアップによってある程度克服できるようになり、下手な高レアアサシンのサーヴァントよりも使いやすいというハサンファンには嬉しいこととなっている。
  • 歴代ハサンの中でも稀有な、「生前の本名」が公となった存在。6章にて思いもよらぬ過去が語られ、悲痛な覚悟と理想とかけ離れた現実など、彼のより深い内面が鮮明に描写されていた。6章においてはメインストーリーの主役をベディヴィエールが担っているが、こちらもまたもう一人の主役と言えるような重要な立ち位置にあり、実力では大きくかけ離れているはずの円卓の騎士を相手に白星を挙げるなど、相当な大活躍をしてみせている。
    立場や精神性、抱えている問題などは大きく異なる両者だったが、両者ともに強大な他者の力を宿した特殊な右腕を振るって使命を果たそうと奮闘し、最後にはその右腕を失う結果になりながらも各々が救おうと心に決めたものを救う形で見事に役割を全うして見せた。
    • 加えて6章では歴代のハサンで自分のみが「自身の暗殺術では無く異形の悪魔に肉体を売った」事でハサン襲名に至った存在であることに多少なりとも劣等感を感じている描写もあった。キングハサンからも常に一際厳しい態度を向けられていた事を鑑みても、当時から後ろ指を指されるような行動だったのは想像に難くない。そうまでして手に入れた、自らを唯一ハサンたらしめていたシャイタンの腕を命諸共手放してでも大事な者を守り抜こうとしたその行動は、生前とはまた違う結果に至らしめた。
  • 『プリズマ☆イリヤ』で他のクラスカードが第五次の英霊である中、アサシンのカードだけ第四次のアサシンになった理由は、作者ひろやまひろし氏曰く「右手で敵の心臓WASHI掴みにして引きずり出すイリヤとか見たいですかっつ―」とのこと。
    • …尤も、心臓WASHI掴みというか胸部消失はのちにドライにてある人物ある人物に対して普通に行った。尚この時夢幻召喚に使われたアサシンの真名は不明。
      • 「ロープ状の右腕を寄り合わせて腕のようにして伸ばして、胸部に手を置いて胸部の肉体ごと心臓を消し去る」という技は呪腕のハサンの「妄想心音」に似ていなくもないが、こちらは「亡奏心音」であり、呪腕とは同一存在ではない可能性がある。「プリヤの設定は本家に反映されない」とはひろやま氏自身の初期からの言である。

話題まとめ

脚注


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