氷室鐘
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氷室 鐘
- 読み:ひむろ かね
- 身長:157cm/体重:48kg
- スリーサイズ:B84/W56/H85
- イメージカラー:鼠色
- 特技:これといってなし(本人談)
- 好きなもの:人間観察/苦手なもの:蒔寺楓、猫
- 天敵:蒔寺楓
- CV:中川里江
衛宮士郎や遠坂凛が通う穂群原学園の女生徒。人呼んで「氷室女史」。陸上部三人娘の一人で走り高跳びのエース。
クラスは2年A組(『hollow』では3年A組)で、陸上部の蒔寺楓、三枝由紀香の他、凛、美綴、沙条がクラスメイト。担任は葛木宗一郎。
- 略歴
- 常時眼鏡を着用しており顔もスタイルも整った美人。いつもは蒔寺楓、三枝由紀香と行動をともにしている。
入学当初は絵を描きたいと思っており美術部への入部を希望していたが、蒔寺の強引な勧誘により陸上部に籍を置くことになる。今では走り高飛びのエース。
冬木市市長の娘であり、柳洞一成には「役所の子」といわれていた。
新都の蝉菜マンションで暮らしており、同マンションで起こった事件にも詳しい。なお、美綴綾子も同じマンションに住んでいる。 - 人物
- 二人称が「汝(なんじ)」であるなど古風な口調であり、クールでソリッドな印象を受けるが意外と少女趣味。冷静沈着ではあるが趣味が入ると異様に熱くなる事もある。暴走した蒔寺の止め役だが、当の氷室も暴走する事が多く、立場が逆になる事も。また、怒った由紀香にはかなわない。また、「思い込み:S」とされるほど思い込みが激しく乗りやすい。
- 人間観察が趣味で、こと恋愛は最大の関心事、とかく心躍ることであるとか。それ故か恐るべき観察力と情報収集力を持ち、そんなタイプには見えないのに噂話には敏感。常に一歩引いた視点で物事を捉える癖がついており、戦略性や大局観が求められる戦いには滅法強い。同時に、好みのタイプを聞かれても「(外から見て)自分と合わせて絵になる男性」と答え、当事者意識に乏しいところがある。皮肉な事に、宿敵である一成がタイプに該当していたが《英雄史大戦》で惨敗した上に、彼にこっぴどく拒絶されてしまい、恋愛に対して臆病になった。
- 容姿端麗、頭脳明晰。文理体芸全てに秀で、同性異性問わず人望もあり、経験は乏しいものの格闘センスにも優れるパーフェクトレディ。一方で実力を発揮できる場面になると徹底的にねちこく相手を痛めつける性格の悪さもある。
- 料理下手、猫嫌いなどの弱点もあるが、発覚した弱点は努力で克服することにしているとか。料理下手は1年生時の「教室を酸の海に沈める」から1年後に「でも味は普通」まで伸ばすことに成功。猫嫌いはhollowの時期でも克服しきれていない。
- 哲学、文学、絵画、心理学など文化史に明るい。父親共々絵画が趣味で、「絵になれば大抵のことは許される」という思想を持つ。
- 能力
- 基本的には一般人である。ツッコミ、暴走蒔寺鎮圧、恋愛迷推理、どこからともなく羽扇を取り出す、など少々変わった特技を持つ。
- 走り高跳びでは一般的な背面跳びだけでなく、鋏み跳び、ベリーロール、正面跳びといった古式・マイナーな跳び方をインターハイ予選で次々と試し、結局「会場からの受けが最も良かった」という理由で、最古式の正面跳びを自分の跳躍法として採用した。優秀な策士と自負しているが、思い込みの激しさから失敗する事が多く、蒔寺から「当たればデカイが、外す事が圧倒的に多い」と評されている。
ヘンな氷室
『トラぶる花札道中記』に登場した、性格が反転した氷室。とはいっても、同様に反転した「綺麗なマキジ」「わるい由紀香」と比べるとオリジナルとは大して変わっていない(ゲーム中でもそう突っ込まれている)。精々本家と比べて策士的な面が若干強く、語尾に「カネ」とつけて喋る程度しか差異はない。由紀香曰く「ヘンな博士キャラ」。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- 聖杯戦争には関わらない一般人。プロローグのみの登場で、最初は立ち絵実装予定すら無かった。
- Fate/hollow ataraxia
- 陸上部の活動や休日の過ごし方などが描かれる。エクリプスでは彼女視点の物語「氷室恋愛探偵」が用意されるという快挙を成し遂げた。
- とびだせ!トラぶる花札道中記
- いつもの三人組で参戦。することも無かったので他の二人と連れ立って温泉に向かう。
- 氷室の天地 Fate/school life
- 主役。眼鏡好きな作者の恩寵を一身に受けている。
- アーネンエルベの一日
- いつも通りの陸上部三人娘。
- ちびちゅき!
- 高等部所属で、陸上部と新聞部を兼部している。
人間関係
冬木
- 蒔寺楓
- クラスメイト兼友人。鐘を陸上に誘った張本人で、大体一緒にいる。「蒔の字」と呼ぶ。
- 三枝由紀香
- クラスメイト兼友人。陸上部のマネージャーで、日頃から行動を共にしている。
- 沙条綾香
- クラスメイト。彼女に自身の許婚探しを手伝ってもらう事になる。
- 遠坂凛
- クラスメイト。親交はさほどのものでもない。が、目立つ凛のその周囲におもしろいものはないかと常に観察しており、凛は凛で鐘は只者ではないと認識している、変な関係。
- 美綴綾子
- おもちゃその1。クラスメイト。「反応がかわいいから」いじらずにはいられないらしい。
- 美綴実典
- おもちゃその2。呼び方は「美綴弟」である。
- 衛宮士郎
- 知人。『hollow』ではその生活ぶりを「主夫」と評した。下の名前は覚えていない。
- 柳洞一成
- 寺の子呼ばわり。運動部に厳しく、また態度が妙に敵対的なので仲が悪い。
「氷室の天地」で己に名前も知らぬ許婚がいる事が分かり、それ以来意識し始めるが……。 - 間桐慎二
- 自分のモノにならないイイ女ということで度々ちょっかいをかけてくる。もちろん全力で成敗。
- 後藤劾以
- 向こうからは気があるようなそぶりを見せているが、彼女としてはあまり意識していない。
- 間桐臓硯
- 知人の祖父であり、自分の高校のPTA会長であり、冬木の有力者として政治面での父の関係者。
- プライベートについてはほとんど知らなかったが、自分の付き合いの上では人格者だと死後は悼んでいた。
- 葛木宗一郎
- 通っている高校の担任教師。
- 時折謎の武術を見せている事や突然柳洞寺に現れて住み着いた事から、「何らかの武装組織のメンバー」と微妙に正解気味に睨んでいる。
- 『氷室の天地』では白人の許嫁と共に行方不明になったことから「某国の姫とSPの関係で日本に逃避行していた」とこれまた微妙に正解の推測をしている。
- とはいえあくまでも根拠の薄い推測にすぎず、「柳洞寺のガス漏れ事件の犯人」という噂よりは夢があってよいという理由からであり、人格的には深く信頼している。
- 氷室道雪
- 父親。氷室の天地のみ登場。「父上」と呼んでいる。
- 氷室鈴
- 母親。氷室の天地のみ登場。「母上」と呼んでいる。
その他
- グラニア
- 前世……らしい。
名台詞
氷室の天地 Fate/school life
- 「対人戦に特化した時点で汝の負けは決まっていた!」
- 「氷室の天地」25話で、カードゲーム「英雄史大戦」で慎二を下した時の台詞。財力にモノを言わせて強力なカードで身を固めたデッキを使う慎二に対し、ついさっき買ったデッキとほんの少しカードを入れ替えた氷室だったが、慎二がこのゲームの最も大事な事を見失っていた事を見抜き、慎二のデッキの強力な突破力を殆んど発揮させずに完勝した。
だが、38話の柳洞一成との対決では「嫌がらせに特化した対人戦術」という、慎二と方向こそ違えど同じ愚を犯し、今度は完敗を喫してしまった。 - 「……いや なに もちろん」
「『勝負に負けた』ショックが一番大きいのだがな…」
「ああも強く人に『拒絶』されるというのは」「ちょっとこたえるものがあるな……」 - 38話のラストの台詞。一成との対決は「負けた方は勝った方の言う事を一つだけ何でも一つ聞く」というアンティがあり、それで彼から「このまま嫌い続けてくれ」と言われた。
- 許婚がいる事を知り、異性への興味が芽生え、そこから柳洞がいちいち敵対する理由を「男子特有の好きな娘をつい苛めてしまう行動」と思い込み、実際どうなのかを確かめる為のアンティルールだったのだが……。意識しだした異性からの決定的な拒絶の意思表示、その事に耐え切れず、三枝由紀香の胸を借りて大粒の涙を流してしまう。
- 「あと『好き』の反対は『嫌い』ではなく『無関心』!!」
「つまり『嫌ってくれ』とは『俺に関心を持ち続けてくれ!』と同義!!」
「ああ持ち続けてやるさ嫌ってやるさ」
「次の勝負でどうこっぴどく負かすか考えておいてやるさ!」 - 綾香やLondon☆STARの手助けで一成にリベンジ。その後、一成の勘違いに付け込んで弄り倒した。
- 「大災害と連続殺人事件にまみれた冬木史が平々凡々?」
- 文化祭の出し物が研究発表に決まり、蒔寺が「郷土史とか平々凡々として嫌だ」とダダをこねたのに返答して。
「良い歴史が無い」と頭を痛める市長を父に持つ身としては、結構切実な言葉である。実際、目がだいぶマジだった。
しかしその郷土史研究という冬木市の裏側を知ってしまいそうな研究テーマは退屈とは別の意味でやめておいたほうが良いと読者の多くは心配したろう。 - 「非凡すぎて乙女の夢ブチ壊しだ!!」
- 自分の前世占いの結果を聞いて。占いの結果は後述。
- 「考えたさ この件は陰謀論的手法を用いれば実現は可能だと断言しよう!」
「ただし その場合必要になるのは大会直前に決定した人員配置を即座に把握する「情報力」!」
「わざとミスをする損な役回りを飲み込ませるほどの「買収力」!」
「そして事件後どんなに追い込まれても口外されることがない「カリスマ力」!」
「———その上に買収は当事者一人とも限らない……これってすでに「超常の力」以上に怖い力ではないか?」 - 冬木市民マラソンが波乱を含みつつ無事に終わり、綾香と本格的に共同作業する上でかけられた「予知などデタラメとは考えなかったのか?」と刺されたクギに対する返答。
- 頭から否定するのでもなく、あっさりと盲信するのでもなく、非常に冷静に考えた上で信じることにしたことがよくわかる。
- ……まあ、型月世界における超常集団は、その「超常の力より怖い力」を持ち合わせているわけでもあるが。
- 「……今までに食べたパンの枚数よりは少ないぞ?」
- 蒔寺から、策を外す事の方が多いと問い詰められての苦しい言い訳。蒔寺が「ダメくせぇ!」とガックリしたのは言うまでもない。
- 「なんでもかんでも偉人に変な能力を加えるのをやめろ!!」
- 蒔寺が、柳田國男の「蝸牛考」を「カギュー光」という必殺ビームか何かだと言い出したのを受けて。
- 石川啄木についても「触れたものが超振動で砂になる」だの「頭を下げた相手を即死させる」だの言っているのでこんなことを言いたくなるのも無理は無いが……Fateシリーズでそれを言っていいのだろうか。
- 「我々の足元には一体何が埋まっているんだ?」
- 冬木市で相次ぐガス漏れ事件を三人で調査していくうちに抱いた疑問。
- 非常にきわどいところまで踏み込んでおり、綾香ですら記憶操作も辞さないところまで考えたが「第二次大戦中の米軍の化学兵器」という結論にたどり着いてしまい、途中まではあってるのに肝心なところで外すという自らの特性に助けられた形に。
- 相談を受けた綾香はこれ幸いとアメリカに責任を押し付けることに。
- 「実は葛木先生は何らかの武装集団の一員だったのでは?」
「白人の『許嫁』はどこかの国の王女か姫で、先生はそれを守護するSPだった」 - 藤村先生から葛木先生が一連の事件後に行方不明になり、警察からも容疑者としてマークされていると聞かされて。
- 氷室自身も本気で信じているわけではなく、容疑者かもという風聞では本人が戻りづらいと配慮しての優しい嘘。
- ……なのだが微妙に正解スレスレなのが何とも。
メモ
- もともとは文化系のくせに、運動神経は抜群。陸上は勿論だが、格闘センスにも優れ、特に回避や関節技、寝技に優れる。
- 猫嫌いになった理由は、幼少時に猫に引っかかれた箇所に雑菌が入った事で化膿して三日三晩寝込み、その間中、周囲の人々が化け猫に見える幻覚に苦しんだ事が原因。
- 小学生の頃、通学路のショートカットになる事から、近所の花壇の植え込みを飛び越えていた事が現在の運動能力の下地を作ったとのこと。植え込みが成長してからは、意地になって飛び越えていた。
- 通称「穂群原の呉学人」。呉学人とは『水滸伝』の登場人物で、主役サイドである梁山泊の軍師「呉用」の事。命名の由来として蒔寺が語った「肝心な時に『なんと私は重要なことを見落としていたのだ!』とか言って泣いてる人」というのは、『ジャイアントロボ――地球が静止する日』に登場する同名の人物のパロディだが、実際に『水滸伝』での彼も非常に失敗が多く、中国では「一見優秀そうだが肝心な時に役に立たない人」を皮肉る言葉として「梁山泊の軍師」という表現を用いたりする。
- 実は策の成功率は蒔寺とどっこいどっこいだったりする。
ただし氷室は途中までは上手く行くもののいざという段階になって穴が発覚するケースが多いのに対し、蒔寺の場合最初から穴だらけ過ぎてそもそも実行に移す前に止められるケースが多いため単純に比較はできない。
一方で蒔寺の方が策を実行した時の成功率が圧倒的に高いのも事実で、綾香からもその点を指摘されている。
- 実は策の成功率は蒔寺とどっこいどっこいだったりする。
- 蒔寺から「市長の娘」であることを根拠に「家は金持ち」と見られる度に偏見であると否定するが、実際のところ氷室家はそれなりに裕福である。母親は高級呉服店・詠鳥庵にとって超お得意様。自家用車はフランス車。第78話では凛が蒔寺家の蔵で質流れ品を見つけた際に、金銭的な援助を申し出てゴールデンブラックプラチナカードを持ち出したりしている。
- 実家のマンションも実は氷室家がオーナー。……が、『strange Fake』で言及された「赤ずきん騒動」の舞台がよりにもよって氷室のマンションだった為、事件のあったフロアは入居者が居なくなってしまい頭を抱えている。
- 『Fate/EXTRA』及び『CCC』でも彼女に良く似た容姿の人物が登場している。主人公同様ノイズを感じ取っているため、NPCではなく聖杯戦争参加者と思われるが、本選には登場しないため予選を通過できたのかは不明。
- 或いは、「ノイズを感じ取っているように演じるNPCだった」可能性もある。
- 前世占いによれば某国のお姫様で、望まぬ婚姻をさせられそうになったが、祝宴の席で料理に睡眠薬を混ぜて全員眠らせた後、目をつけていた美形の騎士を拉致して逃亡。しかも、騎士の誓いで手を出さない彼を手篭めにしてしまった。最終的に彼は非業の死を遂げたとのこと……乙女の夢ブチ壊しである。
なお、これは件の姫と氷室の声優が同じであることを匂わせた、いわゆる「中の人」ネタ。 - 『氷室の天地』における許嫁周りの設定は、連載を開始するにあたり作者の磨伸映一郎が2006年頃TYPE-MOONを訪社し、原作者の奈須きのこから非公開部分も含めた設定をヒアリングしたものを元にしている。単行本10巻最終話で明かされる驚くべき設定についてもその際に奈須からそう聞いており、「10年越しでようやく公式設定の1つを開示できた」と磨伸は10巻付録でその事を感慨深げに述べている。…のだが、その記述の直後に奈須は「マジか…(初耳」と注釈を入れている。カリー・ド・マルシェ同様その場のノリで適当に発言した挙句忘れてしまっていたようだ。