アビゲイル・ウィリアムズ

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フォーリナー
真名 アビゲイル・ウィリアムズ
愛称 アビー
性別 女性
身長 152cm
体重 44kg
出典 史実
地域 北米・マサチューセッツ
属性 混沌・悪
声優 大和田仁美
デザイン 黒星紅白
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

降臨者」のサーヴァント

略歴
亜種特異点Ⅳで夜に抜け出して友人たちとまじないの儀式を行っている最中に獣に襲われ、居合わせた主人公達に助けられる。
人物
金髪・碧眼の12歳の少女。
神を敬い、感謝の祈りを欠かさぬ無垢の少女。多感で疑う事を知らない年頃の娘。あらゆる差別が当然のように罷り通っている中でも、差別などせずに誰とでも真摯に接する心優しい性格。年頃の割にしっかりしており、礼儀正しい。普段は気丈に振る舞っているが、年相応に甘えたがりなところもある。
好物のパンケーキについては一家言ある。
能力
生きる『銀の鍵』である彼女はこの世全ての門を繋ぐことができ、それを利用した空間接続によって様々な攻撃を行う他、並行世界への渡航すら可能としている。
人としての姿を取っている時には主に光り輝く触腕による打撃と、額からの魔力光によって攻撃する。セイレムの魔女としての姿になると、触腕は冒涜的な海魔の触腕となり、また得物として鍵の形状をした杖を携えるようになる。杖は空間に異世界への「門」を開く触媒となるだけでなく、これを振るっての接近戦も行う。
さらに、外なる宇宙の狂気を撒き散らすことで、敵陣を恐怖に陥れることも可能。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
フォーリナー 主人公 (Grand Order) B A C B C A 領域外の生命:EX
狂気:B
神性:B
信仰の祈り:C
正気喪失:B
魔女裁判:A+

宝具

光殻湛えし虚樹(クリフォー・ライゾォム)
ランク:EX
種別:対人宝具
人類とは相容れない異質な世界に通じる“門”を開き、対象の精神・肉体に深刻なひずみを生じさせる、邪悪の樹クリフォトより生い添う地下茎。
効果対象は“鍵”となるアビゲイル個人の認識に束縛される。それゆえの対人宝具。
本来ならば対界宝具とでもいうべき、際限のない性質を有している。
『Grand Order』では「敵単体の強化状態を解除&敵単体に超強力な攻撃&敵単体のクリティカル発生率をダウン[1]」という効果の宝具。

真名:アビゲイル・ウィリアムズ

17世紀末。清教徒の開拓村セイレムで起きた「魔女裁判事件」。
最初に悪魔憑きの兆候を示した一人が少女アビゲイル・ウィリアムズだった。
悪魔憑きの異常な症状は他の少女たちにも伝播し、およそ一年に渡って多くの村人が告発された。
その結果200名もの逮捕者、うち19名もの絞首刑、2名の獄死、1名の拷問死という惨劇を招いた。
少女たちの真意やその引き金となった要因など、いまだに多くの謎が残されている。
清教徒の信徒としてのアビゲイルは、神を敬い、感謝の祈りを欠かさぬ無垢の少女だ。多感で疑う事を知らない年頃の娘に過ぎない。
清貧を信条とする清教徒たちは、権威におもねる教会の弾圧を逃れて海を渡り、新世界へと至る。しかしやがて彼らは追いつかれ、追い詰められた。彼らの抗議(プロテスト)の矛先は、身近な隣人へと向けられた。
退廃と抑圧の世にこそ“英雄”が立ち上がるように───
自分を律するはずの潔白の信条は、他者を監視する道具となり、戦乱と略奪が繰り返される植民地の不穏な暮らしは、猜疑心と利己心を育んだ。
───彼らはやがて心の底に狂気を、“魔女”を求めるようになる。私たちのこの不幸と苦しみは、悪魔の仕業でなければ何なのだ、と。
果たしてセイレムに魔女は現れ、凄惨な魔女裁判の門は開かれた。“鍵穴”となる狂瀾たる状況。人々の欲望を映しとり“鍵”となった少女。
その両者が欠かせぬのだとしたら、さて、罪はどちらにあるのだろうか。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order

人間関係

Fate/Grand Order

ジェロニモ
彼女の両親を殺めた「先住民」側の人物であるために怯えを隠せないが、ジェロニモが真面目な人格者であることは理解しており、ちゃんとお話がしたいと考えている。
ダビデ
敬虔な彼女にとっては信仰の対象であるのだが、あまりと言えばあまりの奔放さに根底から信仰が揺らぎかかる程。
一応、「竪琴を弾いている時は」良い人であると思っているようであるが。
ジル・ド・レェ
黒い外套のジル・ド・レェと呼ぶ。何かと気にかけて自分に親切にしてくれることに対して、理由が分からずに首を傾げている。
トーマス・エジソン
ライオンさん。マサチューセッツがアメリカという合衆国の一部になったことを、六時間かけて教えてもらった。
魔神柱ラウム
亜種特異点Ⅳでの保護者。ランドルフ・カーターの肉体を使い、叔父として振る舞っていた。
ランドルフ・カーター
亜種特異点Ⅳのエピローグにて、肉体を取り戻した彼に連れられる形で外宇宙へと旅立っていった。
ラヴィニア・ウェイトリー
亜種特異点Ⅳでの友人。セイレムでは爪弾き者にされている彼女らウェイトリー家の人々に対しても、アビーは特に差別的な感情は持っていない。ラヴィニアのことは「星の妖精」のようと呼んで友好的に接している。
ラヴィニアとはあることから疎遠になってしまっていたが、心から「仲直りしたい」と願っていた。
同じ箒星の子供、一緒に鯨を見に行ったのだが……?
シバの女王
亜種特異点Ⅳで縁があったためか、真名を知った後も「ティテュバ」と呼んでいる。
彼女の恋愛話には興味津々のようだが、はぐらかされている模様。

生前

名台詞

Fate/Grand Order

「我が手に銀の鍵しろがねのかぎあり。虚無より現れ、その指先で触れ給う。我が父なる神よ、薔薇の眠りを越え、いざ究極の門へと至らん!『光殻湛えし虚樹クリフォー・ライゾォム』ッ!」
初期段階での宝具使用時。
まだ完全に力を制御しきれていないのか、必死に制御しようとするように苦しげに絶叫する。この時は少女らしい声音。宝具は本性を隠し、神秘的な七色の光と共に敵を消滅させる。
「イグナ……イグナ、トゥフルトゥ・クンガ……我が手に銀の鍵しろがねのかぎあり。虚無より現れ、その指先で触れ給う。我が父なる神よ、我、その神髄を宿す現身とならん。
 薔薇の眠りを越え、いざ究極の門へと至らん……!『光殻湛えし虚樹クリフォー・ライゾォム』」
霊基第二段階以降での宝具使用時。
完全に「生きる『銀の鍵』」としての力をモノにしたようで、終始冷淡に謳い上げる。声音も低く、また冷たいものとなる。それに呼応して宝具も冒涜的な本性を現し、敵を狂気の門へと引きずり込む。
「ええ、私と同じ。箒星の年に生まれた十二歳の女の子」
親友であるラヴィニアを箒星の年に生まれた子であるという。しかしその記憶が贋作である事が異端なるセイレム終盤で明らかになる。
「……ラヴィニアの見た目をからかう人もいる。病気みたいだなんて言うひどい人も。」
「でも、私はとっても綺麗だと思うわ。だって星の妖精のようでしょう?」
白化病で謎の角が生えているラヴィニアを綺麗と評するアビゲイル。皮肉にも霊基第三再臨ではアビゲイルが「星の妖精」のようと評したラヴィニアのような白髪、白肌のような姿になる。しかしラヴィニア自身はアビゲイルの金色の髪が綺麗だと思っており、後に自らの手を血で汚した時もアビゲイルの金色の髪が汚れるのを拒否していた。
「でもやっぱり彼女こそ、私の一番大切な友達だわ。離れてみて、ようくわかった」
セイレムの周囲から人望が厚かったアビゲイルだが、それでもラヴィニアこそが一番大切と言い切る。
「ラヴィニア、あなたと一緒に見られないのなら、どんなお芝居もつまらないわ。そうでしょう?」
GOWESTの演劇の間にこっそり忍び込み魔女裁判で連れて行かれそうになる祖父を追いに来たラヴィニアと共に。主人公達の一座には好意的なアビゲイルだが、ラヴィニアが居る事が第一である事を匂わせる。
「何と言って謝ったらいいか……。」
ラヴィニア「許さないわ。」「けれど、受け入れる、わ。しゃ、謝罪を。」
「ああ……。」「ずっとずっと遠くへ行っても、お友達でいてくださる……?」
ラヴィニア「……友達なんて。最初から、そんなものじゃ、なかった。」
「いいえ、あなたは私の友達よ。」
ラヴィニア「……違う。」
「それでも、あなたは私の友達よ。」
ラヴィニア「…………。」
「ありがとう……。ラヴィニア、大好きよ……。」
祖父を魔女裁判で失い、船でセイレムを離れると偽りアビゲイルと別れに来たラヴィニアに対して。「謝罪は受け入れるけど許さない」「友達なんて最初からそんなものじゃなかった」とアビゲイルからも受けた所業を知りつつもなお彼女を憎みきれないラヴィニアに対し、アビゲイルはひたすらラヴィニアに依存する。
「はい……。私は……親友が欲しい、と。」
「神の愛の届かない。とても、とても、可哀想な子を……。」
「でも……私なら、愛せると、思います。」
ランドルフ・カーターに憑依した魔神柱ラウムによるアビゲイルの罪の告発にて、彼から持ちかけられた相談に対して要求したもの。この前にマシュとロビンフッドは、ラヴィニアから「一族共々セイレムに連れてこられたこと」「祖父も自分自身も偽りの記憶を植え付けられていた事」を聞かされている。箒星の子供である事実も一緒に鯨を見た記憶もラヴィニアがアビゲイルと交流してる内に植え付けられた偽りの記憶であった。それでもラヴィニアはマシュ達と共に危険を冒してアビゲイルの魔女裁判に乱入する。友達を救うべく。
「ええ……何度、箒星がめぐっても、ずっと友達よ……。」
ラヴィニアは致命傷を負いつつも、アビゲイルと同じ箒星の子供である事を、一緒に鯨を見に行ったという記憶を受け入れた。例え記憶が贋作のものだとしても、友達であった事は決して嘘ではなかったのだから。
「私――……私、死んでもいいかしら?」
「セイレムを捨てて、生まれ変わりたいと願ってもいいの?」
「神様は決してお許しにならない!けれど、私――」
自らの罪を偽りのセイレムで繰り返した事、それでも呪われていてもセイレムを愛している罪悪感に縛りつけられていたアビゲイルだが、魔女裁判で自ら処刑を望んだサンソンの最後の言葉、「死は明日への希望」を思いだし、セイレムから旅立つことを決意する。
「またいつか、何処かで、世界の果てで、ラヴィニアと出会えることもあるでしょう。」
巡る箒星を巡ってセイレムの魔女は旅立つ。鍵をかけて閉じこもる事を辞めてどこかで一座の面々や大切な箒星の友達と巡りあえる希望を信じて。

メモ

  • 再臨段階によって、戦闘モーションや宝具演出が大きく変わる珍しいサーヴァントのひとり。戦闘モーションに関していえば他にニトクリス(アサシン)がいる。
    • 再臨後はパンイチの幼女(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる恰好だが、実はアルトリアと身長体重は2cm・2kgしか変わらない。
  • 保有スキルが「狂化」ではなく「狂気」な点がポイント。これが、フォーリナークラスのクラス別スキルなのかは、現時点では不明。
  • Fateシリーズ初のクトゥルフ系サーヴァント。セイラムはクトゥルフ神話のメッカたるアーカムのモデルである。
  • 異端なるセイラムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れるアルターエゴ唯一の配布サーヴァントは直前のハロウィンイベントにて登場したメカエリチャン(Ⅱ号機)のみであった。そのため新たなる某魔を断つ剣が誕生するカルデアが続出した。
    • 一方、キアラがカルデアにいるなら、触手を操るパンイチの幼女を触手で襲うエロ尼というR-18な光景が展開される。どちらも章の大ボスを務めているキャラクターという共通点もある。勝った方が我々の敵になるだけです
    • 2017年末現在唯一のバーサーカー相手に完全有利を取れるサーヴァントということもあり、狂化された筋肉ダルマ達が触手に沈む姿はもはやびぃえる時空である。
  • ヨグ=ソトースの権能を鑑みるに、宝物庫と「空間を接続する」事で機能しているギルガメッシュの王の財宝にどこまで抗えるか気になる所。
    • 英雄王に相性勝ちしてなお勝利できない織田信長の例を見るに、彼女と一世紀程度しか違わないうえに戦い慣れしているわけでもないアビゲイルでは太刀打ちできない可能性のほうが高いと思われる。ただし、ゲーム的には地属性サーヴァントでありながら「天地乖離す開闢の星」の特攻ダメージを受けることのない例外的なキャラの一人となっている。
  • 「異端なるセイレム」は2017年においてあまり前面に出なかったマシュ・キリエライトが本編に介入した唯一のシナリオである事もあって、そのキーサーヴァントであるアビゲイルはシナリオ中でもマシュとの関係が良好。アビゲイルは「マシュさんみたいな素敵な人」と語り、またマシュ自身も自分の境遇を重ね合わせた結果「アビゲイル・ウィリアムズを一人にしてはいけません」と決心を固めており、アビゲイルが暴走して救済をしようとする時まで彼女の善性を信じ続けた。
    • 「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるけど外の世界にも関心が強い」「魔神柱(フラウロス/ラウム)が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
  • カルデアに召喚されたアビゲイルがラヴィニアの事を記憶しているかは2018年年始においては明確ではないが、シバの女王については「異端なるセイレム」時代からティテュバとしての印象を持ち合わせている事から、ラヴィニアの事も大切な友人であると記憶している可能性は十分考えられると思われる。
  • マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、スキル「信仰の祈り」などにも反映されていると思われる。
    • 神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などはジル・ド・レェに近い部分もあるのかもしれない。
  • 史実のアビゲイル・ウィリアムズだけでは戦闘要素がないためかクトゥルフ神話の能力を降ろしているが、これは彼女に儀式を教えたラヴィニア・ウェイトリーの出典である「ダニッチの怪」でラヴィニアがその身に宿したヨグ・ソトースの息子兄弟が元ネタであると言えるかもしれない。
  • 偽りのセイレムにおいてこれまで6度の魔女裁判事件を繰り返していたようだが、ラヴィニアを呼び寄せる以前の罪に関しては魔神柱ラウムが指摘するだけである。だが彼の言説から伺える範囲でも「両親を(誤射かもしれないが)銃殺・事故死に追い込む」「シバの女王が来る以前の真ティテュバをグールにして森に置き去りにする(グールは死者の想いを食べる)」などの罪を語る。
    • それと同時に贖罪意識も強く芽生え始めているのか、罪を犯した者でも救おうとする姿に魔神柱仲間から切り捨てられたラウム自身も救われたと彼自身も語っている。ラウムもアビゲイルを利用するだけではなく救われて欲しいと願っていた節があり、断末魔の「これで良いのだ……」もカルデアにアビゲイルを救ってくれる事を託したのではないかという指摘もある。また少なくとも第七のセイレムである本編中で、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続けている。
  • ラヴィニアに偽りの思い出を植え付けた事、セイレム最終決戦で主人公を一時は洗脳しかけてた事、また魔女裁判で犠牲になったサンソンに対しカルデアでの記憶を返してあげてたりなど記憶操作能力も有している節がある。
  • ラウムは「魔術協会における伝承科」「我らの王の弟子のひとり、ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」を迷信と掛け合わせる事で人類を救済しようとしていた事から、伝承科とアビゲイルの力は何らかの関係があるかもしれない。
    • 余談だがカルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。

余談

  • これまでもクトゥルフ要素のあるサーヴァントキャラクターはいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「作中に関係しなかった創作物」であるので、厳密には「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
    • となると、邪神群がどこまで人理と世界に関わっているか気になる所。特に這い寄る混沌は逸話の適用次第で神代から現代まで、世界中のあらゆる所で化身が暗躍していることになる。
      • 最も影響が大きいのは古代エジプト勢だろう。スフィンクス・ウェヘ厶メスウトがFGO6章CMに登場した際には、直後にクトゥルフ神話と縁深いニトクリスが映ったこともあり、這い寄る混沌の化身の一つ「顔のない黒いスフィンクス」説が流れたのを覚えているプレイヤーも多いだろう。当時はミスリードそのものだったが、さて…?
      • 日本絡みでも、混沌の化身の一つが織田信長の姿を取って現れるという一説が存在している。

脚注

  1. 1ターン

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