“山の翁”
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グランドアサシン | |
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真名 | “山の翁”(ハサン・サッバーハ) |
外国語表記 | "First Hassan" |
性別 | 男性[出 1] |
身長 | 220cm[注 1] |
体重 | 不明 |
出典 | 山の老翁 |
地域 | 中東 |
属性 | 秩序・悪 |
一人称 | 我(または「山の翁」と単語として喋る) |
二人称 | (その人物の属性、所属する組織の名前で呼ぶ)/汝、お前[注 2] |
三人称 | 男/女/魔術の徒[注 3] |
声優 | 中田譲治 |
デザイン | Ryota-H |
設定作成 | 奈須きのこ |
レア度 | ☆5 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』第六特異点『神聖円卓領域 キャメロット』で獅子王率いる円卓に対抗する為の戦力を欲した主人公らに、当代のハサンである呪腕のハサンが引き合わせるという形で姿を現した。
- 自身が課した試練を潜り抜け、力を貸すにふさわしい相手であることを示した主人公に幾つかの助言を与えた上でアトラス院を訪れてこれまでの特異点にも繋がる人理崩壊の根本的な謎や聖槍の秘密などについての知識を直接手に入れに行くよう助言し、その課題の完遂を条件に決戦の先陣を切ることを約束する。
- 最終盤の聖都攻略戦では交わした約束通り先陣を切り、聖都軍で最も手強い存在であるガウェインの足止めを担う。円卓最強である彼を本気の欠片すら見せずに足止めする他、最終的には聖者の数字が発動し能力が3倍近くとなったガウェインすら全く歯牙にもかけず軽くあしらう程の力を見せ、自分の手助けが必要な場面は過ぎ去ったと見ると戦いを中断。敵であるはずのガウェインへ悔いを残さない行動を取るよう忠告を与えつつその場から静かに立ち去る。
- その後、右腕を失い瀕死の呪腕のハサンの前に現れ、魔神と化したトリスタンを一刀の下に切り捨てた。
- そして「右腕が魔神の腕でないなら呪腕のハサンのはずがない」と言う建て前で、任務を果たした彼を『生きながらも役目を果たした山の翁』として山の翁から解任。彼に生者として崩壊した時代を復興させる使命を与えた事を仄めかしつつ姿を消した。
- 第七特異点『絶対魔獣戦線 バビロニア』では主人公の第六章での行いに対する礼として自力で第七特異点に現れ、ジウスドゥラという老人の名と姿で紀元前2655年のウルクの街に紛れ込み、主人公にいくつかの助言を与え導いた。
- その後、第七特異点最終盤にてついに正体を現し、墜落した冥界から脱出するために飛び立とうとするティアマトの翼を一撃で斬り落とし飛行手段を封じると同時に、ティアマト自身に死の概念を付加することで不死性を無効化。
- 地上へ飛び立つ前に殺さねばならぬティアマトの不死のロジックを破れず、進退窮まっていた主人公達の最後の勝ち筋を拓いて見せた。
- 人物
- 大きな角の付いた髑髏の仮面と胸部に髑髏をあしらった装飾のある甲冑を身に纏った大男。他の英霊達と関わりは持たず自己主張もしないが、ハサン達には大変厳しい先輩になる。
- 凶悪な外見、苛烈な戦いぶりから残虐な人間性を想像させるが、本人が寡黙なだけであって主の教えを厳守する高潔な性格。言葉を口にする事は滅多にないが、その意思と感情は目を光らせる事で表現している。
- 人の法と神の法、そのどちらにも通じており「生命活動の停止」と「命の終わり」を別の物として捉えている。天命とは「命の終わりにして魂の救済」。この道を間違わない限り、“山の翁”は正しき人の味方となる(ただし容赦、手心というものが一切無いため、戦闘においては死神の如き恐怖を撒き散らす)。
- 自分の意思では殺す相手を選ばず、『相手が「死ぬべき時を見失った」亡者と化した時にのみ、天主になりかわり救済を与える』という、人を殺すことについて非常に強い理念を持つ。一方的にオジマンディアスの首を落とし、ギフトで強化されたガウェインを軽くあしらい、更には神霊と化した獅子王すら倒せてもおかしくないとされる程の途轍もない力を持ちながら、人理が崩壊するのを黙って見ていたのは「まだ天命によって討たれる時ではない」または「天命を下すのは自分ではない」からである。加えて、一度自身が手を掛けようとした相手が目前にいても、その相手が身の潔白を示す等して死の天命が過ぎ去ったと判断した場合、手を下す事無く立ち去ることもある。
- ハサン達に対しても同じような考え方であり、基本的に技量・精神のいずれかが衰えて山の翁の資格を失ったと判断した者に対してはいかなる事情があろうとも容赦なく首を落としにかかる。その一方で、事前に資格無しと処断していた呪腕のハサンに対しては世界のその後を鑑みて殺さずに立ち去る等、周りを全く顧みない人物でもない。
- また、殺す気のない相手に対しては厳格ながらも基本的には寛大であり、多少失敬な事を言ったりしても怒らずに聞き流したりと器も大きい。
- 持っている知識・情報も非常に豊富で、獅子王の正体や目的を始め、第六特異点の砂漠地帯にアトラス院がある事や、そこで主人公らが協力者を得てやっと手に入れた情報も始めから知っていた。果てはホームズでさえまだ判っていなかったロマンの謎や正体すらも分かっていたようである。ただし、それらを安易に直接教えるような事はせず、あくまでも主人公達が直接出向いて自分達の目で確かめる事を重視して次にすべき事と場所だけを教えた。
- 基本的には他人に考えさせ、行動させ、体験させることで相手を導く様な形で他人と接している。それは情報や計画が不足なまま助力を乞いに来た主人公のみならず、決死の覚悟で頭を下げ、最後にはボロボロになりながらも使命を全うして首を差し出してきた呪腕のハサン、自分の罪や使命を周囲に隠していたベディヴィエール、果てはそれまで敵対して剣を交えていたガウェインに対してすら同じであった。
- 能力
- 「暗殺者を暗殺する」という破綻した役割に大義を与えるため、隠し武器・暗器ではなく、正面から戦う大剣を武器に選んでいる。かつて習得した残滓として大剣を選択した現在でも「気配遮断」のスキルをAランクで所持しているが、隠密行動判定を完全に成功させたとしても“これから殺す相手”には自分の存在を感知されてしまう。しかし第六特異点においては、『光輝の大複合神殿』の玉座にありて内部の事象を全て探知できるはずのオジマンディアスがまるで存在に気付けず、戦慄を感じて振り返った時には既にその首を刎ねられた後だったという、オジマンディアスをして「まさに神域の暗殺」と言わしめる暗殺を容易く行っている。
- 戦闘の際には大剣を片腕で振るい、外套を使って攻撃を受け流す。その技量は俵藤太をして「自身があと30~40年歳を取ってようやく一射届くかどうか、という武の極み」と言わしめる程の遥か高き領域にある。円卓の騎士の中でも屈指の実力を誇るガウェインですらも、まるで本気を見せていない状態であったにも関わらず太刀筋を見切るのが精一杯で、さらには「聖者の数字」によって強化された状態で放たれたガラティーンすらも容易く受け流す、規格外の実力を有する。また、首を刎ねた後にオジマンディアスが全力を以て攻撃を加えたが、これにも傷一つ受けずに神殿から立ち去っている。
- また、地球上の全生命が死に絶えない限り不死身であるティアマトの角翼を一撃で切断した時には、自身の冠位級の霊基を代償にすることでティアマト自身の霊基パターンを変化させて死の概念を付与させ、その不死性を打ち消すという離れ業すらもやってのけたが、代わりにこれ以降の彼の霊基は通常のサーヴァントたちと同じ出力のものとなった。
- 第六特異点においては他にも、カルデアのモニターにその姿や存在を捉えられない、主人公の反応を一瞬消失させカルデアの観測上死亡した状態にさせる、聖都の城壁の弓兵を尽く無力化しつつガウェインの「辺りを強制的に快晴にする」ギフトを無効化する程の大規模な砂嵐を一切の魔力を使わずに発生させる、静謐のハサンに取り憑いて試練として強制的に戦わせるなど、様々な異能を使用していた。
- 第七特異点ではティアマトを守るラフムとの戦いの際に主人公のサポートサーヴァントとなってくれるが、「冠位」クラスを完全に捨てた直後でも尚その強さや技量は健在であったようだ。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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アサシン | 主人公 (Grand Order) | B | A | B | E | E | A | 対魔力:B 気配遮断:A 単独行動:B 境界にて:A |
戦闘続行:EX 天性の肉体:A→C 信仰の加護:A+++ 無冠の武芸:- 晩鐘:EX 死の淵:EX |
無冠の武芸により、実際の基本能力はランクが+1上昇している[出 1]。 強化クエストクリアで「戦闘続行」→「死の淵」に変化。 |
宝具
- 死告天使(アズライール)
- ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人 - 何の変哲もない大剣による斬首。“山の翁”が生涯振るい続け、信じ続けた信仰が染みついている。
- 幽谷の境界を歩み続ける“山の翁”の剣は、全ての攻撃に即死効果を付与する。その確率は低いものだが、どのような強敵であれ即死の危険性を与える。
- 幽谷にあるものは死に慣れ、同化しているため、即死耐性と魅了耐性を獲得する。
- この剣の前に落命する者に「恐怖はあるが痛みは無く、畏れはあるが苦しみは無く、懺悔はあるが後悔は無い」という。
- 『Grand Order』では「敵単体に超強力な攻撃&敵単体に高確率で即死効果[注 4]」という効果のBuster宝具。
真名:“山の翁”
- “山の翁”。11~12世紀に活動していた人物で、イラン中西部のアラムート城砦を拠点に自らの教派を築いた暗殺教団「山の翁」の初代首領。その後も歴代のハサン・サッバーハ達の影にあり続けた存在。
- しかし他の18人のハサンたちも、教団の信徒たちもこの人物の正体を知らず、また実在したという証拠は何処にもなく、暗殺教団においてただひとりの目撃者もいないとされた。それもそのはず、この人物を見た者はその時点で命を終えている為だ。
- 暗殺教団がアサシンとして成立した後、『山の翁』という名前が称号に成り代わってから誕生した最初のハサン・サッバーハであり、『山の翁』の始まりであった彼は、同時に教団の腐敗を断罪する監視者としての人生を選んだ。
- 神の教えのもと正しい教団ではあるが、その行いは人としての悪である事は免れない。だからこそ、この人物は教団の腐敗、即ちトップである『山の翁』の堕落を許さなかった。
- 神の教えを守る者たちが人の欲に溺れる。それこそが、神への最大の冒涜となるからである。精神の堕落であれ技術の堕落であれ、衰退した『山の翁』の首を断つ事で罪の許しと、次の『山の翁』に託す希望となる。
- この髑髏を目にした時こそ、その人間の終わり。教団の教義を違えた愚か者に鉄槌が下された後、髑髏の剣士の姿を見た者はこの世から消え去るのだ。数々のアサシンを葬り去って来た彼は、暗殺教団が滅びるまでその闇に潜んでいたという。
- 命を保ったまま「アズライールの聖廟」という歴代のハサンしか知らない場所に住まい、彼らにハサンたる資格が無くなったときと判断した際に首を刎ねてきた。故に、歴代のハサンが生きて彼の霊廟を訪れることは「自身に翁の資格なし」と進言するようなものであり、また、生きてハサンの任を解かれた者は歴代で一人として存在しなかった。
- 生きた伝説にして、誰一人として目撃者のいない暗殺者の深淵。その代のハサン・サッバーハが道を違えた時に現れ、その首を断つという伝説の暗殺者。ハサンを殺すハサン。それがこの髑髏の剣士である。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- メインシナリオでは第六特異点で初登場し、その凄まじい力と圧倒的な存在感を以って主人公達を支援した。第七特異点にて一度限りではあるが、NPCとして使用可能。
- その後「“山の翁”ピックアップ召喚」の開催に伴い期間限定サーヴァントとして実装された。
その他
- ちびちゅき!
- 「ハサン農園」なる場所を管理しており、ハサン達を従業員として使っている。
- また、学園のチャイムも彼が鳴らしているとか。
人間関係
生前
- 呪腕のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンの一人。
- 『Fate/Grand Order』の第六章では彼の要請に応える形で主人公らに力を貸し、最後にはハサンとしての資格であった"右腕"を失った彼に新たな使命を授けた。
- 百貌のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンの一人。
- 『Fate/Grand Order』のイベント「Fate/Accel Zero Order」では断末魔に「鐘の音が聞こえる」と言っていたので、彼らの最期にも現れたのかもしれない。
- 静謐のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンの一人。
- 彼女が言っていた「あの御方」というのが彼の事と思われる。
- 煙酔のハサン、震管のハサン、影剥のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンたち。
- ハサン・サッバーハ (Fake)
- 後輩にあたると思われるハサンの一人。
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- 「キングハサン」の名付け親。第六章においてハサン達と共に自らを訪ねて来た存在。
- 第七章最終盤では一時的に契約を結んだ。強い心の持ち主として高く評価している。
- ロマニ・アーキマン
- シャーロック・ホームズと同じく素性や過去の経歴などを隠している彼を警戒し、会話を見聞きされないようにカルデアからの通信を遮断した。
- ただ、その際に彼を「魔術師」と呼んでおり、彼の正体や謎については何か知っていたらしい。
- オジマンディアス
- 彼の神殿へ気づかれる事無く潜入し、首を刎ねた。神殿の力でオジマンディアスは死なずに済んだが、首が元に戻るまでは相当な日数がかかった。当の本人からもかなり警戒されていて、主人公一行にすぐに表立って支援しようとしなかった理由の一つにこの強大なハサンの存在を挙げ、既に向こうの協力を取り付けている事を知っていたら主人公一行の実力を試すまでもなくすぐにでも力を貸すつもりであったらしい。
- ガウェイン
- 主人公達の獅子王討伐に手を貸す約束をした際、先陣を切って彼と闘う事を宣言した。聖都軍の予想外の劣勢に立たされて出陣し、
転輪する勝利の剣 で連合軍を焼き尽くそうとした彼の前に立ちはだかり、正面から斬り合う。獅子王側に付いた円卓の騎士の中でも最強の存在とされる彼を相手に終始圧倒し続けた。しかし、彼が自分の手で殺さねばならない存在ではないと判断したため、圧倒的な実力差を見せつけた上で攻撃を止め、彼に悔恨を残さないために王城へ向かえと忠告をして立ち去った。 - マーリン
- 自身と同じく冠位に属する存在。七章の終盤では共に姿を現した。マーリンからは「キング君」と呼ばれている。
- エレシュキガル
- 宗教は違っても「死」についての信念と責務には善性を感じており、カルデアが再び「死の国」に関わる事があっても彼女が居るなら大丈夫だろう、と信頼している。
- ニトクリス
- 宗教は違っても「死者」への礼節と王としての態度は認めているが、エレシュキガルと違ってカルデアが再び「死の国」に関わるなら彼女一人では荷が勝ちすぎるか、と老婆心を持っている。
- ■■■■■■■
- 「煙る鏡」と呼び、殺す為に殺し死ぬ為に生きる様を信仰とするなら自分に言う事は何も無い、と見ている。
- 異名を考えると「テスカトリポカ」だろうか。上記二人の「カルデアが再び死の国に関わる事」に何か関係があるのだろうか?
名台詞
Fate/Grand Order
戦闘
- 「何処だ?」
「何処だ……」
「何処だ!」 - アタックカード選択時。屍の山を築く為、“山の翁”は戦場を駆ける。
- …しかし渋い声で「何処だ」と言いながら戦っているため「徘徊老人みたいだ」と称されることも。
- エイプリルフール企画『Fate/Grand Order Gutentag Omen』のテキストで「徘徊おじいちゃん」と書かれていたのはこれのせいかもしれない。
- 「神託は下った……」
「聴くが良い、晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽―――首を断つか! 『死告天使 』!」 - 宝具発動。晩鐘を耳にし、告死の天使の断罪から逃れられる者はいない。
マイルーム
- 「働け。」
- マイルーム会話「会話1」。彼にとって、怠惰は許されざる行為である。
- ちなみに史実のハサン・サッバーハもその勤勉さは記録に残っている程で「一年はかかると言われた仕事をわずか40日で終わらせた」という逸話が存在する。
- 「嫌悪するもの──怠惰、堕落、劣化なり。」
- マイルーム会話「嫌いなこと」。教団のトップである“山の翁”の堕落を、彼は許さない。
- 神の教えを守る者たちが人の欲に溺れる事が堕落であり、神への冒涜。そして堕落したハサンの首を断つのが“山の翁”の役目である。
- 「聖杯などというものは無い。妄想と狂信を混同してはならぬ。」
- マイルーム会話「聖杯について」。“山の翁”の信じる教義に聖杯は存在しない。ゆえに願望器は戯言に過ぎない代物である。
- 「呪腕のか。悪魔の腕を取り付けてまで何を掴んだ? 己の愚かさか? では──首を出せ。」
「静謐のか。毒に浸した肢体で何を護った? 野に咲く花すら護れぬ孤独か? 馬鹿め──首を出せ。」
「百貌のか。無数の知恵で何を積み上げた? 百の魂で一の真偽を奪い合う欲望か? 愚か者め――首を出せ。」 - マイルーム会話「歴代のハサン」。後任達への余りにも辛口な評価の最後に必ず「首を出せ」と付け加える。とはいえ、後任達への生前や願いを踏まえて言ってるようにも取れる。
- 「汝は異教徒ではあるが、信じるに足る者のようだ。特に心が良い。何事にも動じぬ精神こそ、我らに必要なものだった。」
- マイルーム会話「絆Lv4」。“山の翁”は狂信者であるが、真に心正しき者は異教徒であろうとも信ずるに値する。
- 「良い旅だ、良い思い出だ。良い、実に良い──我が終わりだ。
この戦いの終わりに、今度こそ消えたいものだ、我が契約者よ。」 - マイルーム会話「絆Lv5」。断罪の為に生き続けなければならなかった“山の翁”は、ここに自らが望む“旅の終わり”を見い出した。
本編
- 「―――魔術の徒よ。
そして、人ならざる者たちよ。
汝らの声は届いている。時代を救わんとする意義を、我が剣は認めている。
だが———我が廟に踏み入る者は、悉く死なねばならない。
死者として戦い、生をもぎ取るべし。その儀を以て、我が姿を晒す魔を赦す。」 - 姿を見せず、気配を晒さず、存在さえ感知させずに主人公達へと語りかけられた台詞。
- この台詞の前に主人公は“山の翁”の攻撃によって(しかもその攻撃はマシュによって防がれたにもかかわらず)一瞬生体反応が消失、すなわち「死亡」した事となっていた。
- この直後に静謐のハサンの意識を乗っ取り、霊基を強化した上で主人公達に試練として差し向けた。
- 「……生をもぎ取れ、とは言ったが。どちらも取るとは、気の多い男よ。
だが結果だけをみると言ったのはこちらだ。過程の善し悪しは問わぬ。———解なりや。」 - 意識を乗っ取られた静謐のハサンを殺す事なく無力化し、与えられた試練を達成した事に対する台詞。
- 最初は試練に則って「主人公か静謐のハサンのどちらかが死ぬまで」戦わせるつもりであったが、自身の勝利と静謐の生命の両方を勝ち取った主人公に感心し、このような形での試練の達成を認めた。この台詞の後、遂に“山の翁”はその姿を主人公達の前に現すことになる。
- 「無粋な発言は控えよ、魔術師。
汝らの召喚者、その蛮勇の値を損なおう。」 - 「貴方は「冠位」のサーヴァントなのではないか」と問おうとしたロマンに対してカルデアとの通信を剣の一閃で文字通り「切断しながら」放った台詞。
- この時点で既に彼の正体について見当が付いていたらしい。
- 「―――良い。」
- 「好きに呼ぶがよい。
我が名はもとより無名。拘りも、取り決めもない。」 - 「骸骨の偉い人」だの「キングハサン」だのと珍妙な呼ばれ方をした事に対する台詞。
- あれこれあだ名をつけられても特に気にしていない様子で、彼の器の大きさが窺える。
- 「呪腕よ。
一時の同胞とはいえ、己が運命を明かさなかったのか。
やはり貴様は何も変わってはおらぬ。諦観も早すぎる。
……面を挙げよ、呪腕。既に恥を晒した貴様に、上積みは赦されぬ。
この者たちと共に責務を果たせ。
それが成った時、貴様の首を断ち切ってやろう。」 - 呪腕のハサンが己が死ぬという事を主人公達に告げずに来たことを知って放たれた台詞。
- 仲間である主人公達が自分の命を惜しんで援助を頼みに行くのを躊躇うことを恐れる余り、わざと自分が殺される事を黙っていた呪腕のハサンの行いを咎めている。
- 本来呪腕のハサンは当代のハサンとして責任を取る形で“山の翁”に首を刎ねられるはずであったが、結果的に主人公達と共にこの時代の修復を成し遂げるまで延期される事となった。
- 「アトラス院に急ぐがよい。残された時間は少ない。
獅子王の槍が真の姿に戻る前に聖地を―――聖なるものを、返還するのだ。」 - 呪腕のハサンに主人公達の補佐を命じたのちに告げた台詞。
- ベディヴィエールが隠し通していた彼自身とその銀腕の真実、そして獅子王の聖槍の正体と真の目的を既に見抜いていることが分かる。
- 「ハサン・サッバーハ。幽谷の淵より生者を連れに参上した。
天を見よ、粛清を驕る騎士よ。
―――その頭上に、日輪の陽はあるか。」 - 外套の一振りでガウェインの斬撃を難なく防ぎ、何者かと問われての名乗り。
- その鎧と髑髏を模した仮面もあって、さながら本物の死神の如き威容である。
- 「おかしな事を言う。呪腕のハサンめの首、たった今落としたところだ。
これなる骸の腕は呪腕のもの。であれば、それは呪腕の翁であろう。
貴様はすでに山の翁ではない。よって、我が剣にかかる道理もない。」 - 「……死をもって
免責 するのが我らの常。それを……
生きたまま任を終えるものがいようとはな。
誇るがいい。いたらぬ暗殺者なれど、我ら十九人の中でただひとり、翁の軛 から逃れたのだ。」 - 呪腕のハサンの決死の攻撃の結果、受肉したシャイタンの首を一太刀で落とし、次に満身創痍の呪腕のハサンの首を落とすのか、と思いきやそのままこう宣告して姿を消した。
- 首を落とされることなく任を終えたという事実に当代の翁は……。
- 「……死なくして命はなく、死あってこそ生きるに能う。そなたの言う永劫とは、歩みではなく眠りそのもの。
災害の獣、人類より生じた悪よ。回帰を望んだその慈愛こそ、汝を排斥した根底なり。」
「冠位など我には不要なれど、今この一刀に最強の証を宿さん。
獣に堕ちた神と言えど、原初の母であれば名乗らねばなるまい。
―――幽谷の淵より、暗き死を馳走しに参った。
山の翁、ハサン・サッバーハである。
晩鐘は汝の名を指し示した。その翼、天命のもとに剥奪せん―――!」 - 第七特異点『絶対魔獣戦線 バビロニア』終盤にて。天変地異たる原初の神の前に立つは、晩鐘の音を告げる死神。「冠位」を司る“山の翁”の一閃は無敵と思われたティアマトに“死”を自覚させた。
- 「―――それは斬り甲斐がある。角一本を砕いただけでは、この剣も錆びるというもの。
カルデアの魔術師よ。暗殺者の助けは必要か?」
「冠位の銘 は原初の海への手向けとしたが、我が暗殺術に些かの衰えもなし。
契約者よ。告死の剣、存分に使うがよい。―――願わくば、末永くな。」 - 同上。魔神柱を超えるとされる「ティアマトの子供達」を前にして「冠位」を捨てた“山の翁”は主人公との契約を交わす。
- ティアマトを討伐するに当たってこれ以上ない援軍に、主人公達(とプレイヤー)は胸を熱くするのだった。
イベント
- 「ほう。我が霊廟に生涯近づかなんだ理由は、その質素な信仰故だったか、百貌よ。」
- 「これは考えを改めねばな。我が彷徨うアズライールの廟、些か贅がすぎたか?」
- 『雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~』より。百貌のハサンの「安息地に豪華な意匠など不要。住処は単純なものほど良い」との言葉に対して。
- 想定外な方向からのツッコミに、百貌は半ばパニックを起こしながらも、「信徒たちの祈りの結果ですので」と必死に取り繕う。呪腕のハサンは「なに迂闊な発言をしているのだ、百貌」と心の中で絶叫するが…。
そもそも彼らが初代山の翁の霊廟に謁見することは死を意味するので、中々に意地の悪い発言でもある。- 「だが―――」
- 「我らの中に、”寝正月が良い”などという、山の翁にあるまじき堕落を見せた者がいるという。」
- 「―――まさに神をも恐れぬ失言よ。心当たりはあるか、呪腕の?」
- 同上より。恐らく呪腕が発言したと知りながら、敢えて語りかけている。今度は呪腕が大慌てで誤魔化す羽目になった。
- 普段より労働を尊び、堕落を嫌う山の翁に取っては、例え体を休める時でも無為に過ごす事は許さない模様。
ちびちゅき!
- 「笑止。今日の目的であるキノコ狩りの獲物が自らやってくるとは。首を出せ」
- 「首を出せ」自体は毎度のセリフだが、今回の相手は上記を見れば分かる通り、校長である某菌糸類である。
- ………………………首?
- 「首を出せい」
- 学園祭で、もぐら叩きをやっていた百貌のハサンへの言葉。勿論、誰も首を出さなかった。
メモ
- 作中での名前の表記は「“山の翁”」となっているが、基本的に他者からこの名で呼ばれることはなく、主人公やマシュは「キングハサン」と渾名をつけている他、ハサン達は「初代様」、玄奘三蔵は「骸骨の偉い人」、マーリンは「キング君」と呼称している。
- 最も前述の通り本人は自身の呼び名に関しては頓着しておらず、どう呼ばれても大して気にはしてはいない。「キングハサンと呼んでもよい……」とのコメントも。それに伴いユーザーも「キングハサン」「初代様」「じいじ」「ダークソウルに出てきそうな人」等色々言いたい放題。無論敬意はあるだろうが。
- 初登場時からそのあまりにもデタラメな強さと「ずっと在り続けている」という点から、最高のサーヴァントである七騎「グランドクラス」の一人であることが確実視されていた。
- なお、その点を指摘されかかった際には台詞の項の通り、「無粋」と話を途中で遮り、カルデアからの通信(それも映像+音声のみを選択して)を文字通り「斬った」。物理的に干渉しえないものを切断するのみならず、更には基本的に不死の存在であったティアマトに死の概念を付与するという規格外な事すらやってのけた事で、冠位級の暗殺者としての実力を見せている。
- 『カルデアエース』でのきのこの発言では第七章で冠位を失ったのは本来「人類全体を救うため」の力を「個人の判断でカルデアに肩入れ」したためとのことだが、この件について以下の通り補足されている「(冠位の)資格を捨てたとしても、“山の翁”自身の霊基の強さは依然として冠位級なんです。冠位を捨てて普通のアサシンクラスとなったからといって、自身の霊基の強さが落ちるわけではないんです。そして、その「優れた霊基」をすべて使っての「死の概念の付加」となります。ティアマトに死を教えたことで“山の翁”の霊基は通常のサーヴァントたちと同じ出力のものになりました。」
- 余談だが、この「通常のサーヴァントたちと同じ出力」になってもなお相変わらず「通常のサーヴァント」と桁違いの差を見せつけており、魔神柱よりも強いベル・ラフムを十一体も同時に相手にとった(場合によってはそのまま斬り倒した可能性もある)という恐ろしい戦果をあげている(ストーリー上、ベル・ラフムの前に立ちはだかったのは主人公、マシュ、キングハサンの三者だけであるため、三者の内の事実上の主力は誰だったかは言うまでもない)。
- ステータス欄にある宝具ランクがAであるのに対し、「死告天使」はCランクである。ステータス欄の宝具ランクと実際の所有宝具のランクが違うことはFateではよくあることだが、「死告天使」は元々歴代ハサンを暗殺するための宝具であるため、初代ハサンとして活躍した時代の「ザバーニーヤ(Aランク)」が別に存在するのではという考察がある。
- 「信仰の加護」はA+++。このスキルはランクが高すぎると人格に異変をきたすと言われているが、彼の場合はそのような節は見られない。影響がないのか、あるいは異変の結果こういった性格になったのか。今のところ詳細は不明である。
- また「信仰の加護」を持つ者に共通する、聖杯を望まないサーヴァントの一人。くわえて“山の翁”の場合はイスラム教徒なので、聖杯の存在自体を否定している。
- その凄まじい剣技や即死にばかり目が行きがちだが、実は「戦闘続行EX」は“山の翁”の保有するスキルの中でも極めて特異なもので、これは例えどれ程の深手を負い、肉体が半分消し飛んだとしても五体満足時と同様の能力を発揮できるという、通常の戦闘続行とは次元の違う異常な能力である。アニメ版バビロニアではベル・ラフムの致命的な攻撃を幾度か食らうも平然と戦い続け、更にはビーストIIがネガ・ジェネシスによって創り出した「サーヴァントが存在できない世界」の中ですら唯一活動し、主人公の道を切り拓いた。
- 竹箒日記によると、『Grand Order』におけるサーヴァントの中で一番初めに戦闘ボイスを作ったキャラで、収録自体は実装の二年ほど前に行われていた[出 2]。
- 『Grand Order』で2017年のバレンタインイベントでお返しにくれる「アル・ブクール」は、作中でも述べられているように魔除けのお香であり、一般的には白檀を中心にした配合である。「山の翁」の伝承から類推されやすいが、ハシシではない。
- なお、イスラム圏においてお香は非常にポピュラーな文化であり、客をもてなす際にも食事と並んでコースの一つとされる程である。
話題まとめ
- 黙示録の四騎士
- 『ヨハネの黙示録』第六章に預言された、七つの封印のうち最初の四つが解かれる際に現れるという、四色の馬を駆る騎士。
第一の封印が解かれた時には白い馬に跨った騎士が現れる。手に弓を持ち、頭に冠を頂き、勝利と支配を象徴し、疫病を運ぶと言われている。別名〈征服〉の騎士とも呼ばれる。
第二の封印が解かれた時には赤い馬に跨った騎士が現れる。手に大剣を携え、戦争を象徴し、人々を殺し合わせる権限を与えられたと言われている。
第三の封印が解かれた時には黒い馬に跨った騎士が現れる。手には食物を制限するための秤を持ち、飢餓を象徴すると言われている。
第四の封印が解かれた時には蒼褪めた 馬に跨った騎士が現れる。ハデスや野獣を引きつれ、疫病を象徴すると言われている。
四騎士はそれぞれ死をもたらすものの象徴とされるが、とりわけ第四の騎士はタロットカードの死神のモデルとも言われ、その騎手は骸骨の姿で描き表される。
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脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 「“山の翁”」『Fate/Grand Order material Ⅴ』p.28
- ↑ 竹箒日記2016/12/14