ヘクトール

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ランサー
真名 ヘクトール
外国語表記 Hektor
性別 男性
身長 180cm
体重 82kg
好きな物 平凡に楽しく生きること
苦手な物 身体を動かすこと
出典 トロイア戦争
地域 ギリシャ
属性 秩序・中庸
副属性
一人称 俺/オジサン[注 1]
二人称 アンタ/お前さん
三人称 彼/彼女
声優 安井邦彦
デザイン BLACK
設定作成 東出祐一郎
レア度 ☆3
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要[編集 | ソースを編集]

槍兵」のサーヴァント

略歴
第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』では西暦1573年の大海原に召喚され、黒髭の客将として振舞っていた。
だが実際はイアソンのサーヴァントであり、主人公らに敗れた黒髭を襲って聖杯を奪取、更にエウリュアレを拉致して(こちらはすぐに奪還されてしまうが)脱出し、アルゴノーツへ合流。仕える主がイアソンであることを愚痴りつつも、終始主人公らの敵として立ち塞がった。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅢの座を統括する観測所フォルネウスと交戦する。
Lostbelt No.5『神代巨神海洋 アトランティス』ではアキレウスが自身を触媒にしたことにより召喚される。アルテミスの砲撃を宝具で迎撃することでカルデア一行の時間稼ぎに貢献し、直後に自身の宝具をマンドリカルドに託して消滅した。
2023年ホワイトデーイベント『カルデア重工物語』ではただ一人日本国外のサーヴァントとして主人公に同行。馴れ初めから主人公と契約してしまった高杉晋作に振り回されるも、終盤にて黒幕である徳川クロフネを打ち破る一槍[注 2]を放つ貢献を果たした。
人物
無精髭の飄々とした男。
その英雄然とした来歴に反して終始お気楽なノリとやる気のない言動が散見され真剣味がないと思われがちだが、実際はいつでも本気であり、それが窺えるような台詞は少なからず見られる。
これは、政治家としての側面が本気であることを隠している事に加え、生前における絶望的な籠城戦を戦い抜き勝利するために鍛えた才覚であり、敵への挑発もまた天才的。エミヤの見立てでは「口ぶりで軽く見せているが、油断すれば鋭く重い槍の一撃を食らってしまう」とヘクトールを分析している。
名だたる英雄たちを前にして一歩も退かないわけではなく、二歩も三歩も退いて油断したところで殴りつけてはまた逃げ、遠くにいると思ったら泥をぶつける、と、籠城戦にかけては最強を誇った。
また分析眼も鋭く、生前では絶命する寸前にアキレウスの肉体の秘密を見抜いて間接的に討ち取る切欠を作った。
一方、宝具である自分の愛槍の名前はろくに覚えておらず[注 3]、本人としては武器は投げて殺せればなんでもいいと思っている節があり、かなりのリアリスト。
能力
トロイア陣営最強の戦士であり、将軍であり、政治家でもある、あらゆる面に秀でた文武両道の秀才。相手を油断させる話術もあってか特に防衛戦に特化しており、ありとあらゆる手練手管を駆使した籠城戦においては最強を誇る[注 4]
サーヴァントとしてのステータスも全て高水準でまとまっており、不得手となるパラメータが存在しない。クラス特性の「対魔力」もBと高め。「軍略」C+とそれなりに高く、とりわけ守戦において高い戦術力ボーナスを獲得する。

ステータス[編集 | ソースを編集]

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ランサー 主人公 (Grand Order) B B A B B B 対魔力:B
騎乗:B
軍略:C+
友誼の証明:C
仕切り直し:B
トロイアの守護者:A
守勢のカリスマ:A
強化クエストクリアで「軍略」→「トロイアの守護者」に変化。
強化クエスト2クリアで「仕切り直し」→「守勢のカリスマ」に変化。

宝具[編集 | ソースを編集]

不毀の極剣(ドゥリンダナ・スパーダ)
ランク:A
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人
由来:中世の叙事詩『狂えるオルランド』において彼が使っていたとされる剣、後にローランが振るう聖剣デュランダル。
ローランの使う絶世の名剣「デュランダル」と同一のもので元々ヘクトールが所有していたが、宝具としてのモノは柄にあった聖遺物は存在しないため、大ダメージを与えるだけの単純な宝具に留まっている。
不毀の極槍(ドゥリンダナ・ピルム)
ランク:A-
種別:対軍宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:50人
ヘクトールが使用したと言われている投槍(ピルム)は世界のあらゆる物を貫くと言われた。
ランサーとセイバー、どちらで召喚されても常に剣と槍二つの宝具を所有しているが、同時に使用することはできない。それはヘクトールが時に剣の柄を伸ばして槍として投擲していたためである。
後に槍としての機能は失われ、代わりに柄に聖遺物を埋め込んだものが、ローランが使う宝具「不毀の極聖」である。
この槍を防ぐにはアキレウスの「蒼天囲みし小世界」かアイアスの「ロー・アイアス」、あるいはそれらに匹敵する防御宝具を使うしかない。
上記の二つの宝具も厳密に言うと真名は「ドゥリンダナ」であり、後半を省略しても起動できる。
『staynight』では「かのトロイア戦争において、大英雄の槍を唯一防いだというアイアスの盾である」とアイアスの強固さを伝えるための引き合いに出されている。作中、アイアスの性能は投槍では絶対に一枚羽にも届かないとされており、それを六枚貫いたこの宝具は破格の逸話を持っていると言える。
『Grand Order』第三特異点ではヘラクレスアステリオスを貫通させ、致命傷を負わせた[注 5]
モーションは投擲の構えに入ると同時に右肘から噴射炎が発生し、それから投射するというもの。
『Grand Order』ゲーム中では「敵全体に強力な防御力無視攻撃[Lv]&防御力をダウン(3ターン)<オーバーチャージで効果アップ>」という効果のBuster宝具。
幕間の物語クリアでAランクに上昇し、宝具威力倍率が上昇する。

真名:ヘクトール[編集 | ソースを編集]

ヘクトール。『兜輝くヘクトール』と讃えられたトロイアの王子であり、トロイア戦争においてトロイア防衛の総大将を務めた大英雄。軍略・武勇・政治の全てに秀でた将軍。
トロイア戦争の発端はヘクトールの弟パリスがアカイアの后へレネーを奪ったことから始まった。
へレネーはメネラーオスが死後エリュシオンに行くために必要な巫女として愛の無い結婚をされ、虐待を受けてしまう。パリスはこれを救うのは当然の理として、目の前で泣く彼女を見捨てることができず、連れ出したが、それが状況を悪化させる事となった。
へレネーを返せば、領土の割譲や賠償金、そしてへレネーを奪ったパリスの首級で済んだかも知れない。だがヘクトールは戦いに挑むことを決めたのだ。彼は大局よりも一人の女を選んだ弟をどうしても嫌いになれなかったのだ。
老いた父王に代わりトロイア陣営をまとめ上げ、卓越した籠城戦を展開して神の予測を裏切り、圧倒的な兵力差を誇るアカイア軍を一時は敗走寸前にまで追い込んだが、神に愛された英雄アキレウスの参戦によって徐々に形勢は傾いていく。
アキレウスを挑発しつつ、逃走と戦いを繰り返すことで持ちこたえていたが、『宙駆ける星の穂先』によって半強制的に一騎打ちを迫られ、「アキレウスを倒せるかもしれない」という誘惑に負けて応じてしまう。
無論、不死性を捨てても白兵戦では超一級の強さを持つアキレウスが相手になった時点で命運尽きたと覚悟し、紙一重でヘクトールは討たれてしまった。
死ぬ寸前、ヘクトールはアキレウスの肉体の秘密を見抜き、自身の肉体にメッセージを刻んでパリスに伝え、太陽神の助けを借りてアキレウスの踵を射抜くことに成功。しかし、ヘクトールの死後、トロイアは加速度的に崩壊する一方であり、遂には「トロイの木馬」によって陥落し、滅亡してしまった。
彼がいれば、「トロイの木馬」などに惑わされることもなく、アキレウスが参戦してなければ、もしかするとこの戦争はトロイア側の勝利に終わっていたのかもしれない。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]

Fate/Apocrypha
赤のライダーの回想にて登場。
Fate/Grand Order
第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』の解禁に伴い実装。ストーリーでも第三特異点で登場している。
コミック版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では後にカルデアに召喚され、第五特異点および第七特異点にも同行した。
Lostbelt No.5『神代巨神海洋 アトランティス』の実装に伴い、モーションが一新された。
2023年ホワイトデーイベント『カルデア重工物語』では自身がとある敵攻略の要となっており、さらに新規表情差分が二種追加されていた。

Fate関連[編集 | ソースを編集]

教えてFGO! 偉人と神話のぐらんどおーだー
13時間目の題材。

その他[編集 | ソースを編集]

ちびちゅき!
所属不明。胡散臭いサングラスをかけつつ祭りでテキ屋をやっていた。

人間関係[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order[編集 | ソースを編集]

主人公 (Grand Order)
カルデアのマスター。絆レベルを上げると「自分にとってのトロイア」と言ってくれる程に思い入れを持っている。
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では第三特異点の解決後にその記憶を保持した状態で召喚され、第五特異点に同行しているため、「敵としての記憶を持った状態で信頼を築いていく」という一風変わった関係になっていた。
「自分のマスターに相応しいかどうか見定めさせてもらう」といった旨の発言をしており、召喚されたから従うといった惰性ではなく、戦友として真剣に向き合っている模様。
イアソン
第三特異点におけるマスター。トップとしての評価は「ダメ」である模様。
後に終章で追い詰められた際に「英雄らしさ」を発揮した際には、自分の弟を思い起こした模様。
メディア〔リリィ〕
第三特異点で共闘した相手。
ゲーム本編では特に絡みは無かったが、漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では彼女が召喚したマスターであるとされた。
また、彼女の行動についても思うところはあるものの、一度も「それは間違っている」とは言わず、その健気さに応えてあげたかったとのこと。
エドワード・ティーチ
第三特異点において一時的に仕えた相手。
追いつめられるまで一切裏切る隙を見せなかったと高く評価し、トップとしてもイアソンよりも認めている。
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では「ドレイクに止めを刺せる」という状況になるまで裏切る隙を見せなかった上に霊核を砕いた後も反撃されたりとで本編より毒づいて呆れ返っていた。
オリオン
第三特異点で敵対した相手。
ゲーム本編では特に絡みは無かったが、漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では一緒にいるアルテミスはともかくクマのぬいぐるみ状態の彼は戦力外と見なしていた結果、成功を確信した攻撃を彼に防がれて決定的な隙を作らされてしまった。
エウリュアレ
第三特異点で敵対した相手。彼女をアークに捧げる事で歴史を破壊しようとしていた。
ゲーム本編では最終決戦で致命傷を負わされた際、彼女だけでも道連れにしようとした際にまったく油断していなかった彼女に返り討ちにされてしまった。
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では髪を掴んで引きずったりアステリオス相手に盾にして躊躇った所を攻撃したりと外道さが増している。そのために彼女の事を戦力外と見なしていた結果、オリオンが作り出した隙を突かれて致命傷を受ける羽目になってしまった。
ダビデ
第三特異点で敵対した相手。
ゲーム本編ではあまり絡みがなかったが、漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では最初の遭遇時にマッチアップし、互いに政治家としての経験も豊富なためか穏やかに微笑みながら煽り合っていた。
カルナ
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』の第五特異点で大統王軍との対立時に敵対した相手。
自身が藤丸立香への態度を決めかねている内心を見抜かれて苛立っていた。
フェルグス・マック・ロイ
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』の第五特異点で敵対した相手。
最終決戦では北ルートでマッチアップした。
レオニダス一世
防衛戦についてたまに語り合う仲だが、向こうは脳筋すぎてあまり参考にならない。
ビリー・ザ・キッドの幕間の物語では共闘し、共に前線守備を担当した。
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では第七特異点に同行したため直接顔を合わせ、共に北方への防衛に向かった。
牛若丸
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』で第七特異点で共闘した相手。
宴会で断酒していたはずのレオニダスが泥酔した原因が彼女だと看破し「こういう奴が混ざった酒宴はヤバいことになる」と生前の経験からか警戒していた。
ギルガメッシュ〔キャスター〕
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』で第七特異点で共闘した相手。
北壁での防衛戦の際には「壊れない槍をありったけ」要求し、貰った財宝の一部を贅沢に投擲して獅子奮迅の働きを見せた[注 6]
ペンテシレイア
彼女の幕間の物語で共演。同じトロイア戦争で戦ったが、ヘクトールの死後に参戦した為直接の面識は無い。
自分が死んで意気消沈していたトロイアを活気づけてくれたことには感謝しているが、アキレウス絡みで暴れる彼女の被害を受けまくっていることには辟易している。
後に期間限定イベント『ホーリー・サンバ・ナイト』にて、トロイア代表として「A・リベンジャーズ」を組んで出場した。
ブラダマンテ
期間限定イベント『ホーリー・サンバ・ナイト』にて、二回戦で対決。
自身の子孫と言われて憎からず思っていたが、「武具の管理はしっかりしてほしい」と言われた事については割と困惑していた。
彼女の幕間の物語でも共演しており、祖国トロイアは滅びても、国に対する思いと血筋が受け継がれたことを喜んでいた。
アストルフォ
ブラダマンテの幕間で彼がイングランドの王子だと聞き、「天真爛漫な王子」という点から自分の弟の事を思い出していた。
マンドリカルド
ヘクトールの防具と剣を引き継いだ英雄。
エミヤ
言わずと知れた大アイアスの武器「熾天覆う七つの円環」を投影魔術で使用している英霊。
今のところ言及はない。
ジャック・ド・モレー〔フォーリナー〕
期間限定イベント『ハロウィン・ライジング!』におけるマスター。
「名前が似ているからヘンゼル役を任せ、妹のグレーテル役にグレンデルを宛がう」という斜め上の有様から、「歴代マスターのワースト3に入る」と相当に辛辣。
高杉晋作
期間限定イベント『カルデア重工物語』で仲間となったサーヴァント。主人公と佐々木小次郎共々、終始彼の言動に振り回されっぱなしであった。
エミヤ〔オルタ〕
期間限定イベント『カルデア重工物語』で主人公に同行していた筈が、何故か敵側に就いていたサーヴァント。
推測の領域ではあるが、彼の行動の意図に気が付いていた可能性がある。

生前[編集 | ソースを編集]

アキレウス
生前における最強の宿敵。互いに二度と戦いたくないと思っている。出張ってきたらすぐ逃げるつもり。
その割には『Fate/Grand Order』では召喚された彼にわざわざ石をぶつけに来たりと完全に無関心という訳でもないようである。
パリス
弟であるトロイアの王子。彼がスパルタの王女ヘレネーを誘拐し、故郷トロイアに連れ帰ったことがかの大戦争の引き金となった。
有名な「パリスの審判」で美の女神アフロディーテの肩を持ったことにより、世界一の美女ヘレネーを手に入れるよう女神に唆されたというのが世に知られた伝説ではあるが、『Fate/Grand Order』作中においては、夫であるメネラーオスと愛のない結婚をさせられ虐待まで受けていたヘレネーに同情し、義憤のため連れ出したという解釈がなされている為、彼がやった事に対し一言はありつつも『人としては正しい事をした』と庇護し続けた。
上記のイアソンとは容貌も性格もまったく異なるが、極限まで追い詰められると英雄性を発揮するところはそっくりだとか。
また、FGOでは本来面識のない子供姿でカルデアに現界したため、マスターに迷惑をかけるようなことはするなと釘をさしているも、再会当初反応に困った事は間違いないだろう。
余談だが、パリスという名は赤ん坊の頃に国を滅ぼすという予言のため一度捨てられ、それを拾い育てた羊飼いの養父につけられた名であり、トロイア王子としての本名は女神ヘラの異名でもある「アレクサンドロス」である。
オデュッセウス
敵対したアカイア軍の将で、『トロイアの木馬』を造った張本人。
トロイアの木馬はヘクトールの死後のことなので直接的な関わりはないが、両者ともに争いごとが嫌い。という共通点がある。
カルデアではその事に気付かれているのか、オデュッセウス側から酒を片手に長い思い出話をしようと持ちかけられている。
ちなみに伝承によっては、自身の息子アステュアナクスを彼が塔の上から投げ落としたとされているが、Fateでもそのエピソードが採用されているのかは詳細不明。
大アイアス
アカイア勢ではアキレウスに次ぐ英雄。一騎打ちにおいて投槍を彼の盾によって防がれている。結局一騎打ちはゼウスの仲介によって中断され、ヘクトールは友好のために互いの持ち物を交換することを持ちかけた。ヘクトールのスキル「友誼の証明」はこの逸話が由来と思われる。
アンドロマケー
最愛の妻。アキレウスとの一騎討ちに赴く時の彼女とアステュアナクスとの別れの場面は、後世の様々な西洋美術のモチーフとなっている。ちなみにヘクトールの死後は、戦利品としてアキレウスの息子ネオプトレモスの妾となった。
アステュアナクス
息子。トロイア戦争では塔から投げ捨てられて殺されてしまったとされている。
シャルルマーニュ伝説では殺されずに生き延び、ロジェロの祖先となった。

名台詞[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order[編集 | ソースを編集]

マイルーム[編集 | ソースを編集]

「いよ! オジサンはランサー、真名をヘクトール。聞いたことある? ない? ま、よろしくな」
召喚時の台詞。気楽なノリの挨拶。
「りょーかいりょーかいっ、と……。『不毀の極槍ドゥリンダナ』行くぞ!!」
宝具選択時。やる気のないへらへらした口調から一瞬の沈黙の後、突如鬼気迫るドスの聞いた口調になるのでぎょっとしたマスターも多いのでは?
「標的確認、方位角固定……! 『不毀の極槍ドゥリンダナ』! 吹き飛びなぁ!!」
宝具使用時の台詞。演出も相まってどことなく近代兵器めいており、ファンからは「ミサイル」などと揶揄されたりもする。(まぁ、出自のギリシャの神々は後にミサイルどころか衛星軌道砲を使ってきたのだが)
モーション変更後は片腕(義手?)からジェット噴射しつつ、シグルドの様に剣を打ち込む技等、より近代兵器……どころか未来兵器じみた動きをするように。
「アキレウスゥ?いやぁ~、二度と戦いたくないなぁアイツとは…。ま、向こうもそう思ってるだろうけどさ」
マイルームでの台詞。生前の最大のライバル、アキレウスについて。
前半の口調は本当に嫌そうな調子だが、最後にはいかにもヘクトールらしい、不敵な口調で語る。
「マスターはオジサンにとってのトロイアだ。全力で愛し、守ってみせるぜ」
絆レベル最大時のマイルーム台詞。主人公もローマになったりトロイアになったり忙しい。
だが、最期の最期まで祖国の為に死力を尽くして戦った彼から、彼の愛した祖国と同一だと言われることは彼からの最大の賛辞であると言えるだろう。
「やぁ~アキレウス君、奇遇だねぇ!そうかそうか、君も来ていたのかぁ!じゃあ、あとオジサン全部君に任せて帰って湿布貼って寝るから、よろしくー!」
マイルーム会話「アキレウス」。文字通り丸投げしてそそくさと逃げ出した。とはいえ、明らかにわざとらしい早口なあたりは煽り文句も兼ねているのだろうか。
「パリスか。お前さん、マスターに迷惑かけてないだろうな?子供の状態で召喚されたからって甘えは許さんぞ。わかったな?わかってんなら良し!」
マイルーム会話「パリス」。馴染みのない子供姿であっても、兄として厳しく接する。
「あぁ、あんたか。トロイアでは迷惑かけたね、どうも。……で、ここに石ころがあるんだが、あいつが来たら一緒にぶつけねぇか?」
マイルーム会話「ペンテシレイア」。当人の知らない所で間接的な嫌がらせをけしかけている。大人気ないぞオジサン
「例の神殿以来だなあ、イアソンの旦那。『働きたくない』? ははは、しょうがねえなあ。よーし、背中を槍で突っついてやろう」
マイルーム会話「イアソン」。2部5章クリア後に追加される。
ヘクトールは幕間の内容から特異点の記憶があることを匂わせていたが、この台詞で明確となった。

本編[編集 | ソースを編集]

「ひーふーみーよー、慕われてるねぇそっちの船長は。
 だが まぁ、手合わせしてみてわかったけど、
 アンタら全員、俺より遅いな」
コミカライズ版『-turas rèalta-』の第三特異点にて、黒髭を裏切った彼に味方の全員が攻撃を仕掛けた際の反応。
大ピンチの筈なのだが、余裕の態度なのは大英雄ゆえか。そして、「自分より遅い奴になんか負ける気がない」という反応なのはアキレウスとの戦闘経験ゆえか。
本人の敏捷ステータスがサーヴァント全体でも数えるほどしかいないAランクだけに、張り合いたければアキレウスを連れてこいという意味にも聞こえる。
「所詮は仕えるマスターも選べなかった、戦争屋の人殺しさ。
  んじゃあまあ根気比べだ。オジサンも防衛戦にはちょっとばかり自信があってね。」
「なんで――総戦力でかかってきな、ガキ。
 年期の違いを教えてやるよ」
第三特異点の最終決戦。
カルデア所属の主人公たちに敵対する立場であることを匂わせる台詞のあと、ヘラヘラ笑いながら前半を語り……。
其処から一転、鋭く真剣な表情と化して後半の台詞を吐く。その気迫は、流石に一国の総大将であり、かつ最強の戦士に恥じないもの。
ちなみに、此処での戦闘は文字通りの激戦となる。
NPCの選択肢は5体と多いが、うち4体はランサーに相性不利なアーチャーであるため、必然的に最後の一人のみが候補となる。
更にスタンとNP減少を複合でかけてくるスキル「友誼の証明」を連発してくるため、行動と宝具の発動を妨害され、NPゲージが溜まった段階で全体宝具「不毀の極槍」を飛ばしてくるため碌にダメージを与えられないまま壊滅することも。
そのウザ強さによって多くのユーザーに印象を与えた。

幕間の物語[編集 | ソースを編集]

「国破れてなんとやらさ。それこそ東方の言葉だったかねぇ。
 たとえ国が消えようとも人は残るし、海や川だって残る。
 想いだってそうさ。戦争に負けてしまっても、何もかもが消える訳じゃない。
 トロイアは派手に負けて滅亡したが、ほらこの通り。
 オジサンの子孫であるところの嬢ちゃんたちは、こんなにも立派に育ってくれた。
 ホッとするねぇ。血が、想いが、後世に残ったってのはさ。
 いや。むしろここは、戦争のひとつやふたつで消えてたまるか、かな?」
ブラダマンテの幕間の物語にて、彼女がブリテン王国崩壊によりトロイア系譜の王国が消えてしまったことを悲しむ台詞に対しての返答。
祖国は滅びてしまっても、自分の血と想いは次世代にしっかりと受け継がれていたことは、ヘクトールにとって何よりも喜ばしい事実なのだろう。
「大敵?そうかい?そりゃあ大昔、しかも二人とも生きていた頃の話じゃないのかな?
 今や二人じゃなく、二騎。
 同じマスターを戴く人理の影法師サーヴァント同士だろう。
 不要ないさかいを、終わった戦いを、わざわざカルデアに持ち込んじゃいないかね?」
同上。ブラダマンテとマンドリカルドの間にある確執に対し諌めるかのような台詞。
彼自身も因縁深い相手が多いゆえの返答なのだろう。

イベント[編集 | ソースを編集]

「俺にとってのトロイアは、俺が死ぬまでですよ。」
「俺が死んだ後、トロイアが滅んだのは残念ですがね。国ってのは遅かれ早かれ変わるもの、滅びるもの。
 その時までは精一杯愛してやりますが、死んだ後にどう変遷するかまでは面倒見てやれねえ。」
「そういうのは、その時代に生きている人間が守るべき、戦うべきもんです。一抹の寂しさはありますが、いつまでも未練にしがみつく方がタチが悪い。」
自身のバレンタインシナリオにて、トロイアが滅びるきっかけとなったトロイの木馬について聞かれて。
祖国の滅亡について思うところがないわけではなさそうだが、なんだかんだで割り切っているらしい。
「よりによってこんなあほな作戦に何で引っかかるんだよ
  パリスおめーも死ぬ気で止めろや!!」
それはそれとしてどう考えても怪しすぎる罠にあっさり引っかかった弟や仲間達に対する魂のツッコミ。そりゃああんなカッコイイメカメカしいもの見せられたら、ね……。
敵の策略はともかく、味方の大ポカについてはさすがに完全には割り切れていないらしい。
なお、史実上では "怪しい"と訴えた者もいたが、神々に黙らされたのバックアップもあって信じ込まされた為、完全に引っかかっていたわけではない。
「ん?そういやエミヤ・オルタが敵についたのって、
 もしかしてあの大福の効果ってこと?」
『カルデア重工物語』にて、売れ残りの維新まんじゅうをつまみながらの一言。
ここで言及されている「大福」とは特異点の住民を洗脳するため吉田松陰が売りさばいていた、食べた者を特定の人物に心酔させる効果がある「松蔭ダイフク」の事。
だが、エミヤ・オルタは英霊としての特性上味覚が存在しないため、甘い物はおろか食物を自ら進んで口にする事はない。そしてこの事実は、彼の幕間及びバレンタインシナリオで既に明かされていた情報でもあり、当然マスターたる主人公も把握済みである。
つまりここから考えると、ヘクトールは主人公に「エミヤ・オルタが何か別の目的と真意があって敵側に居る」と遠回しに伝えようとしていた…と見解する事も出来る。勿論全ては想像でしかなく、そういった含みがあって口に出したのかどうかは彼のみぞ知る事だが。

その他[編集 | ソースを編集]

「分かるけどね?」
「教えてFGO! 偉人と神話のぐらんどおーだー」より、「おヒゲのせいで王子様感ゼロ」という意見に対する反応。当人にもその点は自覚はあるらしい。

メモ[編集 | ソースを編集]

  • 御存知「アイアスの盾」の逸話に深く関わっている人物であり、アイアスとの一騎討ちにおいてヘクトールの投槍がアイアスの盾の7枚目の皮まで達したが完全に貫くことはできなかった、という逸話が「熾天覆う七つの円環」の性質のそもそもの由来と言える。
  • 原典においてこの投槍とドゥリンダナ(デュランダル)は無関係だが、Fate的には同一扱いとしているものと思われる。
    • ヘクトールはこの投槍の他にも剣を一振り携えており、その剣は他所の土地に流れた後に様々な聖遺物が収納されて、至高の聖遺物の一振りたるデュランダルとなった、という逸話がある。型月においては、この投槍と剣の役割と存在そのものを集約させた模様。
  • ヘクトールはアキレウスの親友パトロクロスを討ったことでアキレウスに恨まれ、死後遺体を戦車で引きずり回されるという辱めを受けた。この不寛容な振る舞いがアポロンの不興を買い、アキレウスは後に謀殺されてしまう。アキレウスに敗北はしたがその死に間接的に関わる形となった。
  • デュランダルはギルガメッシュの原典宝具として『stay night』に登場している。こちらは槍ではなく剣であり、おおまかな形状はドゥリンダナの穂先に似ているもののデザインは異なる。
    • 「ドゥリンダナ」は「デュランダル」のイタリア語読み。
  • 一城塞都市に過ぎないトロイアがアカイア(ギリシャ)の有力諸国家連合軍との戦争に突入するという、あからさまに勝ち目の少ない状況で神話に語られるほど戦況が膠着したのは、やはり老齢の父王に代わって指揮を執ったヘクトールの働きによる部分が多いと思われる。
    • なお、現代的な感覚からするとそもそもの原因であるヘレネーを返却し、犯人としてパリスの首を差し出せばどうにか政治的に丸く収められそうな印象も受けるのだが、この戦争の真の発端は大神ゼウスが「そろそろ人間増えすぎだから減らしたいし、どうせならパーッと戦争させて楽しみたい」と思い立ち、諍いの女神エリスに命じて紛争の火種を撒かせたことにあるので実はどうにもならない。オリュンポスの神々はギリシャ陣営側とトロイア側に分かれてスポーツ競技のサポーターのごとく勇士たちの戦いを応援し、時には露骨な干渉もしつつ戦争ドラマを堪能した。
    • なお、ヘレネー返却がなされなかった理由への合理的な説も存在する。「パリス一行がスパルタからの帰路で寄港したエジプトにおいて、誘拐が発覚したためヘレネーはエジプトに留まらされた。トロイ側は当然スパルタ王メネラオスにこれを伝えたが、彼は終戦後までそれを信じなかった」というもの。
  • 本人は「聞いたこと無い?」などと韜晦しているが、ある程度以上の文明圏に属していれば、ほとんどすべての人が一度は彼の姿を見ている。トランプの、ダイヤのジャックが彼である。
    • 他、クラブのジャックがランスロット(残り二人はスペードがシャルルマーニュ十二勇士の一人オジェ・ル・ダノワ、ハートが百年戦争におけるジャンヌジルの戦友エティエンヌ・ド・ヴィニョル…と、共に既存キャラゆかりの人物)、キングはシャルルマーニュ(ハート)、カエサル(ダイヤ)、ダビデ(スペード)、イスカンダル(クラブ)…でコンプリート。クイーンには既存キャラは存在せず、ゆかりの人(神)物としてはスペードがアルテミスの妹・アテナ。
    • キリスト教における九偉人の一人にも数えられている大英雄であり、聖杯戦争に召喚される機会も結構多いとのこと。
  • そのへんにある石の投石でもサーヴァントを殺すことが出来る威力を誇る。
    • サーヴァント同士の場合は『同じレベルの神秘による攻撃』となるため、ペーパーナイフを持って切りつけるだけで傷をつけられる。攻撃が通るというだけで殺せるかは本人の技量だが。
  • ギリシャ異聞帯でパリスがヘクトールを輝く貌の騎士に負けないイケメンだと評している場面があり、疑問視する者も少なからずいる。だが、実は大神ゼウスに見初められて酒宴の給仕役として拐われ、後に『みずがめ座』となった絶世の美少年・ガニュメデス王子の子孫[注 7]にあたる。また、兄弟に味方した太陽神アポロンはゼウスの息子でもあるため、トロイア王族は親子神揃って惚れてしまうほどの美男美女揃いなのだろう。

話題まとめ[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]

  1. ややふざけているときに
  2. 『イリアス』によると、アカイア軍が乗っていた船は外観に防水目的で瀝青ピッチが塗られていた事から、作中でしばしば “黒船” と表現されている。その為今際までアカイア軍の侵略を防いだヘクトールは、まさに「黒船に打ち勝った英雄」と言える。
  3. ドゥリンダナは後世のシャルルマーニュ伝説でローランの剣であるデュランダルの由来として説明されているので、「未来の伝承からドゥリンダナの設定が遡って形成され、本来ヘクトールはドゥリンダナなど持っていなかったため、実感が薄い」という可能性もある。
  4. 漫画版『Fate/Grand Order』の第三特異点では、意図的に手抜きしてマシュと清姫に深追いさせて釣り出し、孤立した主人公をエイリークに攻撃させるというえげつない戦術を披露した。
  5. ヘラクレスは『十二の試練』があるので難なく復活したが
  6. 『イリアス』では「アキレウスとの決戦時に持っていた槍の本数が足りずに負けた」という逸話もあるため、感激もひとしおであろう。
  7. ガニュメデス王子の兄はトロイア王国の神祖イーロス王で、その息子がヘラクレスと争ったラオメドンであり、なおかつヘクトールとパリス兄弟の父・プリアモス王の先代にあたるので、系図上は大叔父。

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