ロード・エルメロイⅡ世

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ロード・エルメロイⅡ世

  • 性別:男性
  • CV:浪川大輔

かつて開催された第四次聖杯戦争の参加者ウェイバー・ベルベッドその人であり、後の世界における通り名。
他にも「プロフェッサー・カリスマ」「マスター・V」「グレートビッグベン☆ロンドンスター」「女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男」などの異名を捧げられる名物講師である。「絶対領域マジシャン先生」を考案した生徒は「死ね!」の一言で撃退。

略歴
第四次聖杯戦争から帰還したウェイバーは見捨てられていたエルメロイ教室を受け継ぎ、三級講師となった。一般的な時計塔の講師がせいぜい見込みのある生徒を助手に引きこもうとする程度で真面目に授業を行わない中で、彼の異様に分かりやすく実践的な授業は時計塔で居場所のなかった新世代たちの間でたちまち話題となり、あげく権力争いに敗れた講師たちを何人も説得して登壇させ、これまでになかった多角的な教育体制を実現した。
その後、他の講師たちに失点や弱みを一つも見せず奇跡的に教室を三年間存続させたウェイバーはそれを面白がったエルメロイの次期当主ライネス・エルメロイ・アーチゾルテに拉致され、ケイネスの死に責任を感じていた彼にそれを盾に「エルメロイ派の借金を返済する」「エルメロイの源流刻印を修復する」「エルメロイの君主を代行する」ことを要求され、ロード・エルメロイⅡ世の名を贈られた。
第五次聖杯戦争の10年後、大聖杯を完全に解体し、冬木の聖杯戦争を真の意味で終結させる。
人物
いつも不機嫌そうな顔をしており、実際不機嫌。弟子たちへも容赦なく悪態を飛ばしまくるが指導は的確、面倒見もかなりいいため「デレ期の無いツンデレ先生」と慕われている。
他人をプロデュースすることに関しては当代一の傑物だが、彼にとってはそんなことはどうでもよく、自分自身が魔術師として名を成したいのに教え子ばかりがどんどん伸びていくという事実にイライラしている。
日本も日本人も大嫌いだが、唯一の娯楽が日本製のゲーム。私服のTシャツには『大戦略』(アドミラブル大戦略)の文字がプリントされている。ゲームオンチの凛とは相性が悪いらしい。
能力
魔術師としての階位は第四階位の「祭位(フェス)」。それも優秀な生徒を育てたことが評価されてのもので、ライネスの見立てでは彼自身の純粋な魔術の腕前は第五階位の「開位」の下位レベル。自身は魔術師としてどうしようもないほど平均的で凡庸だが、他人の埋もれた才能を見抜き、鍛え上げることにかけては時計塔随一。ゆえに彼の元で学んだ魔術師の全員が大成している。
彼の講座には在学生ですら位階持ちが何人もおり、OBともなれば全員が「色位」か「典位」持ちで、うち数名は時計塔の歴史上でも数えるほどしかいない「王冠」の位階に至るのではないかとまで言われている。彼が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わる、とまで言われることも。
もっとも、彼にそんな野心などはなく「笑い話にもならん。いまだ四階級どまりのこの私が、何で他人の面倒を見てやらなきゃいかんのだ」といった感じで教え子たちとは必要以上に関わりたくもないらしい。
常に愛用している葉巻は使い捨ての魔術礼装であり、それぞれに結界など簡易な魔術が施されているが、その事実は内弟子であるグレイすら知らない。

キャスター (Grand Order)

  • 真名:諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕
  • 身長:186cm / 体重:68kg(「第三段階」では157cm 50kg)
  • 出典:『三国志演義』
  • 地域:中国
  • 属性:中庸・善 / カテゴリ:人
  • 性別:男性
  • CV:浪川大輔

魔術師」の疑似サーヴァント。

略歴
中華は三国時代に謳われた天才軍師・諸葛孔明がロード・エルメロイⅡ世の肉体を器にすることで現世に召喚されたモノ。諸葛孔明は「カルデアの召喚式では霊基が作りづらい英霊」に該当するものと思われ、英霊そのままではなく、エルメロイⅡ世の体を霊基に疑似サーヴァントとして顕現した。
なお、このエルメロイⅡ世は『Grand Order』世界の人物ではなく、『Grand Order』世界では起こってすらいない第四次聖杯戦争を経験していることや各発言から、いわゆる正史に沿った世界のエルメロイⅡ世であると思われる。
『Grand Order』第二章ではマスターを持たないはぐれサーヴァントとしてAD.60年のローマに現界したが、少年の姿で現界した征服王と遭遇し彼に力を貸すことを選択する。
人物
厳密に言えばこのサーヴァントはエルメロイⅡ世でも諸葛孔明でもない。
本来は乗り移られた人間側の人格は英霊のものに上書きされるのだが、人理の守護において利害が一致したこと、自分の計略を十全に使える者がいるならば自分自身が活躍する必要はないという孔明の判断により、現代に詳しいエルメロイⅡ世が肉体の主導権を持つことになっている。要は「エルメロイⅡ世という俳優が、孔明の役を演じている」という所である。
思考と感情は寄り代であるエルメロイⅡ世に準じており、普段は公正な人物だが、「Fate/Accel Zero Order」では過去の自分とそのサーヴァントと遭遇したこともあってか「困った方向にスイッチが入って」感情的になることもある。
孔明自身の詳しい性格は不明だが、数分間会話をしたエルメロイⅡ世曰く「史実以上の化け物」「人間と話している気がしなかった」。
ビジュアル面では、霊基再臨第一段階の時計塔講師の赤コート姿から始まり、霊基再臨二段階目でメガネスーツ姿に。そして、三段階目ではなんとウェイバー・ベルベット時代の姿に若返り、更にその肩には征服王のマントが羽織られている。もちろん、声や台詞もちゃんと若い頃のものになるという他にない手の込んだ扱いである。
能力
エルメロイⅡ世に起因するスキル「鑑識眼」を持っているなど、両者の力が混ざり合い本来のサーヴァントではない力を発揮している。
諸葛孔明の計略を十全に扱い、奇門遁甲陣によって気配遮断を無効化する。戦闘においては指パッチンで爆炎を巻き起こし、手にしている羽扇で突風と落石を発生させ、ビームを放つ。
エルメロイⅡ世自身は知識と経験、前準備で一流のサーヴァントと渡り合っている。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 主人公 (Grand Order) E E D A B+ A+ 陣地作成:A
道具作成:B
鑑識眼:A
軍師の忠言:A+
軍師の指揮:A+

宝具

石兵八陣(かえらずのじん)
ランク:C
種別:対軍宝具
レンジ:50
最大捕捉:500人
由来:諸葛孔明が自軍の敗走が決まった際に仕掛けておいた伝説上の陣形。
諸葛孔明としての力。自軍の敗走が決まった際に仕掛けておいた伝説上の陣形。巨岩で構成された陣であり、侵入した者たちを迷わせ死に追いやる。
魔術師からすれば工房を常に持ち歩いてるに等しいらしく、相手のいる場所を強制的に石兵八陣に変更する大魔術と化し、気配遮断を無効化する効果も持っている。
石兵八陣から脱出しない限り、標的となった者達には毎ターン、追加ダメージが蓄積していく。
出師表(すいしのひょう)
ランク:EX
種別:対軍宝具(自軍)
レンジ:0
最大捕捉:100人
諸葛孔明が、敵国の討伐軍を編成した際にまだ若い皇帝に向かって残した上奏文。
忠を尽くす心構えを熱烈に綴った文で、後年においても名分中の名分と讃えられた。
宝具としての効果は不明。

真名:諸葛孔明

しょかつこうめい。中国は三国時代における政治家、軍人。二~三世紀の人物。
弱小国である蜀が長きに渡り大国である魏に抵抗できたのも、彼の力に依るところが大きいと伝えられている。

登場作品と役柄

Fate/stay night
ゲーム版では出番はないが、アニメ版『unlimited blade works』最終話の倫敦編にて、士郎と短時間だが言葉を交わしている。
Fate/strange Fake
フラットにゲームの懸賞品を渡す。これはフラットの勘違いにより召喚触媒として使用された。
Fate/Apocrypha
聖杯大戦の対策に当たる魔術協会の重鎮となっており、優秀なフリーランスの魔術師を集めるため奔走する。
この世界でも10年前行われた亜種の聖杯戦争の一つに参戦、朽ちかけたマントの切れ端を触媒として征服王を召喚している。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
主人公にしてタイトル・ロール。内弟子グレイをワトスン役に、さながら探偵のごとく魔術がらみの謎を解き明かす。
Fate/Grand Order
キャスターの疑似サーヴァントとしてまさかの参戦。
〔キャスター〕キャラクターデザイン:武内崇 / 設定作成:東出祐一郎 / レア度:SSR(☆5)
補助に特化したスキルを持ち、当初は今一つ評価されなかったためかアップデートで性能のテコ入れが行われて以降は☆5最強サーヴァント候補としても挙げられるほどになった。
Fate/Labyrinth
亜種聖杯戦争の調査のためにグレイを伴って迷宮に赴いていた。
アーネンエルベの一日
謎の観光客として登場。自己紹介はCDの終盤にて。
開店から閉店までテーブルについていたのに注文はいっこうに取りに来ず、五次のライダーをはじめ様々な女性陣に絡まれた挙句、精神的・経済的な意味で深刻な被害を蒙る。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
番外編にて登場。ある二人が起こした惨状にしばし言葉を失う。
アニメ版では宝石翁の代役として、凛とルヴィアに冬木行きを指示している。
氷室の天地 Fate/school life
London☆STARの名前でボイスチャットの向こう側にだけ登場。
氷室鐘の「英雄史大戦」の指南役を務め、統一性も無く使い辛いカードたちを、高度なプレイングテクニックで駆使して見せた。
単行本6巻特典の『MINIMUM material』では沙条綾香の魔術の師であることが明かされている。
TMitter2015
闇のカプさばの調査を依頼され、日本へと向かう。
だが、何故か登場人物のうちで唯一カプさばについて何も知らない。

人間関係

弟子

遠坂凛
後見を引き受けた学生。
『Character material』では「いっさい魔術の指導をしない」と断言していたが、『TYPE-MOON Fes.』パンフレットの一問一答コーナーによれば結局はエルメロイ教室に所属することとなった模様。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
剥離城アドラでの事件におけるひと悶着を経てなぜか指導役チューターとして指名される。
フラット・エスカルドス
『Fate/strange Fake』の時点では最古参の弟子にあたる。
非常に稀有な資質を持ちながらも、一般社会人としても魔術師としても常識外れにユルい彼に対し、やや肉体言語寄りの厳しい指導を喰らわせている。
しかし厳しい指導をしつつも決して彼を見捨てようとはせず、そのためかフラットには慕われている。
スヴィン・グラシュエート
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.剥離城アドラ』の時点ではフラットと1ヶ月の差で最古参。『case.魔眼蒐集列車』の直前に「典位」へ昇格し、エルメロイ教室を卒業する。
フラット同様の天才児だが、同じくらい問題児でもあり、グレイとのこともあって扱いに頭を痛めている。
沙条綾香
『氷室の天地』世界では弟子。彼女の中のフォーマルクラフトの素質を見抜いていたが、まずは現在習得しているウィッチクラフトをものにした上で乗り換えさせるべく指導したところ、アドバイスが的確すぎて予想以上にウィッチクラフトの腕前が上がり、立派な森ガール系魔女となってしまった。
グレイ
とある霊園より見出した少女。内弟子として公私にわたるサポートをしているが、師匠の私生活がだらしないことには呆れ気味。
普段は灰色のフードを目深にかぶって顔を隠すように言いつけている。
カウレス・フォルヴェッジ/カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.魔眼蒐集列車』よりエルメロイ教室に加わる。
天才だったが魔術師としての道を放棄した姉に代わって魔術刻印を継ぎ、時計塔へ入学した。自他ともに魔術の才能は低いものと認識していたが、適性を見抜いたエルメロイⅡ世の指導により召喚術から電気を用いた魔術に乗り換えた途端、めきめきと才覚を伸ばしつつある。
『Fate/Apocrypha』に登場した彼と同じ人物だが、この世界ではユグドミレニアに属していない。なお、あちらの世界でも後に(監視の付いた人質のような形ながら)時計塔に入学し、エルメロイ教室で指導を受けることとなる。
ヴェルナー・シザームンド
「蝶魔術の後継者」と呼ばれる。「色位」か「典位」持ち。
下記のオルロックの後継者であろうか。
ローランド・ペルジンスキー、オルグ・ラム、ラディア・ペンテル、ナジカ・ペンテル、フェズグラム・ヴォル・センベルン
全員が、ここ数年で「色位」や「典位」を手にしている。
『Fate/Apocrypha』に登場した「赤」のメンバーの親族。
イヴェット・L・レーマン
魔眼の大家であるレーマン家の息女。中立主義のメルアステア派から差し向けられたスパイであることを公言しており、大っぴらに愛人志望などと触れ回るため教育者としては頭が痛い。

魔術協会関係者

ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
ケイネスの生前には継承候補の中でも末席にあった少女。アーチボルト家が没落の憂き目にあった際、復興に尽力したウェイバーへエルメロイの名を与え、その功績を称えると同時に自らの下へと縛り付けた。
エルメロイⅡ世を「兄上」「我が兄」などと呼び、その強面の下に隠れた甘っちょろさを存分に弄り倒しつつ懐いている。
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
『プリズマ☆イリヤ』の世界では彼の下で働いているような描写がなされている。
アニメ版では凛とルヴィアにクラスカード回収任務を言い渡すところまで代行しており、更にはゼルレッチを「大師父」と呼んでいるなど、やけに設定上の謎が増えた。
ロッコ・ベルフェバン
時計塔の召喚科学部長。協会内における保守派と革新派という立場の違いはありながらも、職務上の能力という意味でか、それなりに高く買ってくれてはいるらしい。
ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ
同僚。非常にプライドが高く、ベルフェバンに噛みつくこともあり、双方の取りなしを担当する事も。
獅子劫界離
フリーランスの死霊魔術師。本来の依頼人であるベルフェバン老が一向に近代的な通信手段を導入しないため、代理の窓口として携帯電話による簡易報告などを受け付けていた。
その誼でなのか、事件の終結後にとある礼装を託される。
オルロック・シザームンド
蝶魔術パビリオ・マギアの大家たる老魔術師。剥離城アドラにて最期を看取る。
後年には彼の後継者らしき魔術師の指導にも携わっている。
化野菱理
時計塔法政科に所属する魔術師。剥離城アドラの事件以降、なにかとマークされている。
アトラム・ガリアスタ
時計塔における地歩を金で贖ったと噂される中東系の魔術師。双貌塔イゼルマの事件の際、面識を持つ。
エルメロイⅡ世にしてみれば切望していた第五次聖杯戦争への時計塔からの参戦枠を横から奪った人物ではあるが、向こうからは何故か妙に気に入られており、たびたびノーリッジの研究室に押しかけてきては戦利品の自慢などをしていくようになった。
メルヴィン・ウェインズ
三大貴族の分家の出である調律師。時計塔における古くからの友人で、かつて第四次聖杯戦争に参戦するため日本へと旅立つウェイバーに飛行機のチケットを用立てたのも彼であるらしい。ウェイバーがロード・エルメロイⅡ世の名で世に知られるようになって以降もなお、頑として本来の名前を呼び続ける数少ない人物。
ただし自称『親友』ではあるが必ずしも『味方』ではなく、ウェイバーの難儀するさまを傍から堪能したがる悪質な愉快犯の面も持つ。

その他

諸葛孔明
『Fate/Grand Order』にてエルメロイⅡ世に宿った英霊。

名台詞

Fate/strange Fake

「ファック」
ロード・エルメロイⅡ世になってから、何かと出てくるスラング。主に一人が原因だが。
流石にちびちゅき!では伏字となったが。
「魔術師同士の闘争というのがどういうものか理解しているのか?
 死ぬよりも悲惨な目にあった挙げ句、何を成すこともできぬまま惨たらしく殺されるかもしれんのだぞ?」
聖杯とか超カッコイイ、見てみたいなどと非常に軽い気持ちで聖杯戦争に挑もうとする教え子、フラットへの苦言。
第四次に参戦した自分以外のマスターはほとんどが「そういう死に方」をしたのだと、今の彼は知っている。
「死ね!一生卒業出来ないまま、死ね!」
フラットから、「絶対領域マジシャン先生」と呼ばれて。実にもっともなセリフである。
「他のサーヴァントを従え、世界征服とはな……」
「まさか、私の弟子からそんな馬鹿げた、懐かしい響きを聞くことになるとは」
「どうしても止められぬようならば、これを渡すことも考えたが、そうならずにすんだことに感謝すべきか」
フラットが勘違いで懸賞品のナイフを持ち帰った後に、物理的な鍵と魔術で厳重に施錠された戸棚から取り出した朽ち果てた布切れを見つめながら。
かつて「そんな馬鹿げた」夢を語る一人の男が、彼の人生を塗り替えていった。
「しかし、私が言えた義理ではないが、個人宛の荷物を他人に届けさせるというシステムも考えものだな。
 別段重要なものでもなんでもないが」
自分宛のゲーム会社からの小包をフラットが勝手に透視して欲しがった件に関するコメントだが、確かに全くもって「お前が言うな」である。
はからずも、「ロード・エルメロイへの届け物を横から頂いて聖杯戦争に飛び出す」という展開を師弟で見事に天丼してしまったことを彼はまだ知らない。

Fate/Apocrypha

「Ⅱ世だ。私を尊重したがるご老体の下心はありがたいが、Ⅱ世をつけてくれ。
 そうでなければエルメロイの名など痒くてとても耐えられない」
召喚科学部長ベルフェバンに「ロード・エルメロイ」と呼びかけられての第一声。
一つの台詞の中で、敢えてなのか失礼な物言いをやたらに重ねているが、言われた相手のベルフェバンはあっさりと流した。
なお、『TYPE-MOONエース』付録として先行発表された試し読み版では一人称は「俺」だったのだが、『Apocrypha』第1巻では上記のように修正されている。この世界ではちょっとだけワイルドに成長した、という訳ではなかったようだ。
「そもそも神父が純朴かどうか決まった訳でもないだろう。
 俺の知る限り、聖杯戦争に参加するような聖職者は誰も彼も信仰者かどうかすら怪しい、胡散臭い連中だ」
「純朴な神父であるシロウ・コトミネが反旗を翻したのはセミラミスに誑かされたためではないか」と発言したベルフェバンに。
不信感と嫌悪感アリアリで、かつて参加した亜種聖杯戦争で余程嫌な教会側の人物に出くわしたのだろうか。
あれ、でもまた「俺」……?気分によって変えているのだろうか。
「……分かった。白状する。理由は極めて私的なものだ。
 ……かつて未熟だった頃の私を、友と呼んでくれた人物がいる。
 そんな男を裏切れるほど、私は賢しい老人ではなかったという話だ」
大事にしまいこんでいる征服王の召喚触媒をなぜ聖杯大戦に提供しなかったのか、とライネスに問われ、幾つか建前を並べた後で仕方なく折れて漏らした本音。
「覚えておきたまえレディ。
 友を売りとばすほど困窮するようなら、とっとと人生をやり直した方がいい」
「征服王の触媒を手放せばアーチボルト家の負債が一気に減るだろうに」と愚痴ったライネスに。
聖杯戦争を共に駆け抜けた友との思い出はいつまでも色褪せない。
《失礼、お互い’’’サーヴァントには苦労させられるな》
ベルフェバン老の代理に獅子劫と連絡を取っていたら何故か戦闘時でもないのに実体化している赤いサーヴァントに電話越しで恫喝された。
自分がサーヴァントの勝手を許していることが魔術協会に知られたらと気が気でない獅子劫は不自然な強調部分に気付かずスルーしたが、確実に何かの点で同類扱いされていることを彼はまだ知らない。

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

「だいたい、何かを救って得られる満足感など、脳の誤認でしかない。
 誰かを助けても自分が救われるわけじゃないし、自分が助けたと思っても本当に相手が救われたかどうかなんてしれたものじゃない。
 誤解で勘違いですれ違いで思い違いで、ひたすら滑稽なだけの繰り返しが、私たちが生きている世界だよ」
「それでも、私たちはその誤認の世界で生きている」
「誤認こそが我々だ。誤解こそが我々の世界だ。
 私たちが触れられるのは多種多様な事実であって、たったひとつの真実じゃない。
 どれだけの賢者がどれだけの歳月を捧げても、そこに辿り着いたりはしない。
 いや、本来の魔術師とはそれを拒否し続ける生物なのかもしれないが」
「それを忘れて、無闇に真実だけを求めようとするならば――レディ、それこそ本当に最悪’’なのだと覚えておきたまえ」
死んだ野良猫を埋葬した際、グレイからの質問に答えた言葉。自虐と諦観とツンデレが同居するあまりに、自らも属するはずの魔術師という生き方さえも否定してしまっている、このスピンオフにおけるロード・エルメロイⅡ世という人物を象徴するような台詞。
「お前は悪魔か」
絶対に逆らえない弱みを握った上でわざわざ厄介な仕事を持ち込んできた、可愛い義妹への負け惜しみコメント。
「Ⅱ世をつけてくれ。そのまま背負うには、私の肩には重すぎる名だ」
ハイネ・イスタリから「ロード・エルメロイ」と呼びかけられて。
『Apocrypha』1巻でのベルフェバンとのやり取りと同じような台詞なのだが相手に他意がないからか、もしくは親しくはないからか、随分と丁寧な仕様になっている。
「ケイネス師を殺したのは私じゃない。とある剣の英霊セイバーとそのマスターだ。
 私はケイネス師の死に様を見てもいない。――だけどね、後から知ったとき、やはり悲しかったよ」
「あれほどの才が無為に失われたことも、あの人の見ていた景色を結局私には一度も共有できなかったことも、ただただ悲しかった。
 それだけだ、気の利いた物言いが出来なくてすまないな」
ルヴィアから「ケイネスが死んだときどう思ったか」と問われて。実際、死に様どころか第四次聖杯戦争が大惨事のうちに幕を下ろした翌朝ですらケイネス一行の安否を把握していなかったわけなのだが。
かつては青臭い劣等感と敵愾心ばかりを抱いていた師への、その年齢を超えた今となってようやく認めることのできた尊敬と哀惜。
ボク’’は、もう十分な栄誉を受けたんだよ」
「その栄誉は後払いでもらったものだ」
「だから、ボク’’はその栄誉にふさわしい人物にならねばならない。
 順序が逆になってしまったけれど、あなたの見る目は間違えてなかったのだと証明しなければならない」
「……生きろ、だとさ」
「見届けて、生き存えて、語り継げだと。本当に我が儘で滅茶苦茶だろうが。
 そもそもあいつのせいで死にかかったってのに、ギリギリでそんなものを押しつけてくるなというんだ。
 後のがどれだけ困ったと思っている。それこそ一晩中文句を言っても言い足りないぞ、あの馬鹿」
「私は自分のしたいことも、自分のできることも分かっている」
「どうだ、幸せな人生だろう。それをお前なんかに指図されてたまるか」
アッシュボーンの怪物の<歌>を受け、精神世界に捕らわれたエルメロイⅡ世は人の心を抉り、蝕んで死に至らしめる呪いに対し「勘違いだ」と告げる。
彼の魂に刻みつけられた唯一の王からの言葉は、数多くの魔術師たちをも毒牙に掛けた呪いすらも跳ね除けた。

氷室の天地 Fate/school life

アレキサンダーはもっと豪快ででっかい男なんだよ日本人め!
 なんでこのゲームじゃデザインがこうなんだ日本人の(放送禁止)!」
カードゲーム「英雄史大戦」をプレイ中、ボイスチャットで。細マッチョ風に描かれたアレキサンダーのデザインについての文句を、沙条綾香が訳した台詞。まるで見てきたかのように言う彼に、氷室は当惑する。
もっとも後に出てきたアレキサンダーの方は本当に美少年だったが…。
「君らは特殊なバカなのか?」
「英雄史大戦」のレクチャーを行った時の言葉を沙条綾香が訳したもの。戦術やデッキ構築にばかり気を取られ、肝心のプレイングテクニックを軽視していた氷室達はグゥの音も出せなかった。

アーネンエルベの一日

「なんというツンギレぶり、伝統芸能だな」
腹を空かせて入った喫茶店で、なぜか真祖の姫最優の騎士王死を視る和服少女の三人のうち誰が一番アイドルなのかを審査させられる羽目に。
そんな中、店長殺害容疑を揉み消す代償に新たな臨時店長となった和服少女の見せた、突っ慳貪極まりながらも渋々律儀に仕事をこなす様を評して。そんな伝統芸能はありません。
「この国ではあれかな、腕力に物を言わせた恐喝をナンパというのかな?
 君たち、知り合いならこの女性を引き取ってもらえないか?」
「そうしたいのは山々なんだが、君、以前どこかで会ったことはないか? 妙にこう、嫌な汗が湧いてくるんだが……」
五次のライダーにロックオンされ、蛇に睨まれたカエル状態に。グラマラスな美人に密着して迫られてはいるがちっとも羨ましくない。
「あれ……? ねえ、無視された? もしかして、今、ボク、無視された?」
臨時ウェイトレスの翡翠にまるっと無視されたショックのあまり、モノローグが年齢退行を起こす。
だが、そのサンドイッチは地獄への片道切符なので、見えなくなっているのは隣の人の親切心である。
「だいたい、君は何だ? さっきからでかい図体で隣に座って!
 壁か!? 書き割りか!? スタチューか!? 退いてくれないとトイレにも行けないじゃないか!」
「というか、さっきからなぜ君の注文が私の伝票に入っている?
 美人だからといって気安く奢るほど、わたしは安い男では……」
「う……うん? 何だ? 何だこのデジャ・ヴュ!?
 君……い、いや、ご婦人、やはり、以前どこかでお会いしたことが!?」
全然来ない自分の注文と、勝手に伝票に追加されていくライダーの注文に、流石に一瞬キレるも、地雷を踏まれて凄む彼女の迫力に負けてあっという間に尻尾を巻く。
ところで、この時点で第四次聖杯戦争から何年後の彼なのかは定かではないが、未だ170cmを下回っているのだろうか?
「私が知るか。
 だがまあ、スーパーツンデレ大戦があったら間違いなくラスボスだな」
ヒロイン談義が明後日の方向へ行きっ放しの隣のテーブルから「最近流行りのツンデレヒロイン」としての判定を求められた際の、魔術師としてもイギリス人としてもちょっとどうなのか……な返答。
「ん? ああ、君たちの中で誰が一番魅力的か、という話か。
 さて、一日同席した程度の私には判らない話だが、君たちは三人で談笑していた時が、最も輝いていたように思うがね」
「それでは少し禍根を残す感想を。
 強いて言うなら、アルクェイド・ブリュンスタッドは淑女らしさを、セイバー嬢は自由奔放さを、
 両儀くんは素直さを付け足せば、文句の無いアイドルではないかと。
 これはまあ、お世辞ではなく、正直なボクの意見だぜ」
今日一日、無理矢理押し付けられたパリスの審判をなんとか無難に乗り切ってオチを付け、三大ヒロインとついでに腹黒シスターにも感心される。
「ああ君、領収書を頼む。『魔術教会・秋葉原支部 会議費代』で」
それはそれとして、ゴルゴン三姉妹に好き放題飲食されたお会計がすごいことになっていたのでカードで支払い、なおかつ経費で落とす大人の裏技に訴える。ハイテクとは相容れない魔術協会が秋葉原に支部を置いて何をやっているのか、あんな金額が本当に会議費で通るのか、短いセリフの中にツッコミどころが満載だが誰も指摘する者はいない。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

「講堂Dは壊滅 地下7階と8階が吹き抜けになりました。
 負傷者は14名 被害総額は概算で… にっ…200万£ほどかと……」
無印の番外編1『彼女たちの事情』より、宝石翁への弟子入りを巡ってあかいあくま金ドリルがぶつかり合った挙句の損害報告書を青筋立てつつ読み上げるセリフ。
小説版によると、この世界でも彼は遠坂凛の後見人を引き受けている模様なので、そりゃ眉間のシワも深まろうというもの。
余談だが、1£=約200円なので、被害総額は日本円で約4億円に相当する。場所が場所なのでまともに業者を呼べないことを考えると、復旧には相当に手間がかかったことであろう。
『言ってみればマップ兵器だな。 同じフィールドに存在しているだけで危険な手合いだ』
小説版の1巻にて、キャスターのクラスカードを攻略中の凛が回想した時計塔での一場面。この世界の冬木では第四次以降の聖杯戦争が行われなくなってしまったため、サーヴァントのクラスについて知らない凛にエルメロイⅡ世が個別レクチャーしているのだが、例えがいちいちRPGやSLGだったりするのでゲームに疎い凛には余計解りにくくなっている。魔術師が魔術師に魔術師のカードのことを説明しているというのにスパロボのボスユニットの話か何かに聞こえるというこの不条理感。

Fate/Grand Order

第一、第二段階

「物理で殴るだけが戦いじゃない……」
「これぞ大軍師の究極陣地―――『石兵八陣かえらずのじん』。破ってみせるがいい………」
宝具発動。中華にその名轟く大軍師の敷いた伝説の陣形が顕現する。
「私が仕える主は一人だけ。あくまで使える駒の一つと考えておけ」
「私はあの征服馬鹿以外に仕える気は毛頭ない。しかし、君とは良い関係でいたいものだ」
たとえどんなに歳を重ねようと、サーヴァントになろうとに対する忠義は忘れたりはしない。
「すまん、ライダー。貴様の名を汚したかもしれん」
消滅時。自分の身よりも真っ先にイスカンダルの名を挙げる辺り、やはり彼らしい。
「ライネス…? いや、私は諸葛孔明だ。何のことだかさっぱり分からないな…おい、時計塔に連絡しようとするな。おい!」
絆レベル3。ライネスについてしらばっくれようとするものの弄られる。
「ところで、極東地区は歴史改変に関係無いのか? 秋葉原とか。ゲームの歴史が…あ、無いか。…すまん」
絆レベル4。つい零れてしまった一言。……もっとも秋葉原は「ゲームを扱う方面」なのでゲーム自体の歴史には心配しなくともそこまで響いたりはしないのだが。
「……はは、あはははッ、はっはっはっはッ!」
「済まない主人公、我がマスターよ。これが一度かぎりの我侭だ。」
「あいつと戦わせてくれ。使命も、世界の命運も、全てを忘れた上で……。」
「あの男だけを見据えて、この私に、勝つか負けるかも分からない競い合いをやらせてくれ!」
期間限定イベント『Fate/Accel Zero Order』にて。イスカンダルから「ぜひとも制覇せねば気が済まぬ猛者」と評されたことに対して。
大聖杯の災厄を前にして名軍師にあるまじき選択ではあるが、かつて彼に仕え、今も色褪せることない憧憬を抱く者からすれば、これほど嬉しい言葉はなかったのだろう。
「そう言ってくれるか。フフ、これがもしうちの生徒なら大馬鹿者と叱り飛ばすところだが……。」
「私を従えるとなれば、それでいい。あいつや私に負けず劣らずの大馬鹿者なればこそ、仕える甲斐がある!」
同上イベントにて、一度かぎりの我侭を「面白そうだ」とマスターに賛同されて。
若かった頃に憧れた『男の浪漫』を共有してくれた大馬鹿者への感謝と最大の賛辞である。

第三段階

「全てはボクの思うまま、ってね!」
「これぞ大軍師の究極陣地――――『石兵八陣かえらずのじん』っ!!」
若返った姿での宝具発動。老成された感じがなくなり、年相応のテンションで宝具を放つ。
しかしこの若返り、本人からしたらどういう心境なのだろうか……?

その他

「よ よかったらそのTシャツ 私にくれないだろうか…」
「誰!!?」
「なんだったら言い値で買おうじゃないか ど どうだ?」
『ちびちゅき!』11時限目にて。身体測定の持久走でヘロヘロになっていたウェイバーに、ライダーは「余のように屈強な男になれるよう」着ていた大戦略Tシャツを渡し去って行く。余計なお世話に憤っていたら、突然現れた不審者から筋肉男の脱ぎたてTシャツ買い取り交渉が。
まあ将来の貴方なんですけどね!
ちなみに、同話が収録されているちびちゅき第二巻のカバー画には………どうやら本当に買い取っちゃったらしい
「理解に苦しむな。せっかく厄介な闘いから生き延びたと言うのに君は何の為に時計塔に来た。何の為に魔術を学ぶ?」
アニメ版『Fate/stay night ubw』最終話の倫敦編にて、士郎に時計塔に来た理由を問う。そして士郎の「正義の味方になりたい」という決意に「バカげた話だが笑い話ではない。正義の味方か…たしかにこの場所は狭かろう」と呟いている。

メモ

  • イスカンダルとの絆は本物で、大きく歴史が変わった平行世界でもその関係は変わらない。
    ライネスに征服王の触媒を聖杯大戦に出さなかった理由を問われて返した答えは、「触媒の選定を任されたブラムへの配慮」と「十四騎のサーヴァントが二つのチームに分かれて競い合うという、イスカンダルの趣旨にこれ以上ないほど合った形式の聖杯戦争で、テンションが最高潮となった征服王がそのまま世界征服を成し遂げてしまう危険性」。
    だがこれらはあくまで表向きの物で、ライネスにもすぐに見破られており、本当の理由は極めて私的な物。
    世界各地で聖杯戦争が行われるようになった今の状況で、イスカンダルの触媒を所持していることがが周囲に知れ渡ってしまった場合、魔術師達はこぞってその触媒を手にしようとするだろう。そして触媒は「強いサーヴァント」を求める魔術師達の手から手へと渡り続け、英霊への敬意など何もない唯の「道具」として聖杯戦争が開催されるたびに利用され、使い捨てられる。
    そんな暗い未来を防ぐためであった。
    現在、イスカンダルの触媒の価値は世界的な聖遺物の散逸によって暴騰しており、何とアーチボルト家の負債を状況次第では7割返済する事が可能な額との事。だがやはりエルメロイⅡ世にそれを売る気など毛頭なく、「己の矜持」として今も大切に保管している。
  • 『Character material』で「どの話であろうと、舞台がロンドンよりになるとちょこっと顔を出す」と書かれていた通り、時計塔が登場する作品のほとんどに出演している。
    • 彼の上に働く世界の修正力的なものはよほど強固であるらしく、第四次聖杯戦争が行われていない『Apocrypha』や『プリズマ☆イリヤ』などの平行世界にあっても必ず「ロード・エルメロイの名を継いだ」「深紅のコートと長髪がトレードマークの」「ゲーム好きな」時計塔講師として登場する。
      魔術協会の中枢に属しながらも、出自と能力の低さゆえに庶民的かつ一般人寄りの感性を持っているキャラクターが説明係として便利だからという説もあるが。
    • 実は彼(及びケイネス)の物語において「冬木の第四次聖杯戦争」でなければならない要素は殆ど無い。
      極端な話、どこのどんな背景でどんな面子で行われた聖杯戦争であろうと彼らは参戦でき、どんな流れでどんな結末を迎えたとしても「ウェイバーがイスカンダルを召喚する」「ケイネスが死亡して魔術刻印が失われる」「最終的にイスカンダルが敗北する」という3点さえ満たせばロード・エルメロイⅡ世は誕生しうる。
    • とはいえ、上記の条件を満たすためには、どのような形にせよ必ず「イスカンダルの触媒が手違いでウェイバーの手に渡り」、「ケイネスがその実力にも拘らず敗退(死亡)し」、「ウェイバーはイスカンダルに振り回されながらも友情を育み、最終的に彼が敗北する様な聖杯戦争から生還する」というレアカードが揃わないといけないため、この件に関する世界の意向はかなり強固である。そして主にケイネスにとって理不尽である。

脚注


リンク