衛宮士郎

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衛宮士郎

  • 読み:えみや しろう
  • 誕生日:月日/血液型:型
  • 身長:167cm/体重:58kg
  • イメージカラー:赤銅
  • 特技:ガラクタいじり、家庭料理
  • 好きなもの:家庭料理/苦手なもの:梅昆布茶
  • 天敵:言峰綺礼
  • 魔術回路・本数:二十七本/特異性:通常の神経が魔術回路となっている。
    また、師事したに注意されるまで、「魔術回路を毎回作り直す」という命の危険を伴う行為を魔術行使の度に行っていた(本来、魔術回路は一度作れば何度でも魔術行使に利用できる)。
  • CV:杉山紀彰(幼少期:野田順子)

魔術師見習いの少年。養父の影響で、「正義の味方」になることを本気で志している。
穂群原学園2年C組(hollowでは3年C組)。

略歴
憶えている記憶の最初は無限の赤。冬木大災害の生存者で、天涯孤独となった彼は、猛火の中から自分を救ってくれた男・衛宮切嗣の養子となる。
五年後、切嗣は病のために死去。彼は、切嗣が最後に呟いた「正義の味方になりたかったんだ」という言葉から、その志を継ぐことを決意。
それからの五年間、彼は義父に教わった初歩の魔術を独学で鍛錬し続ける。切嗣から魔術刻印は継承せず、その言葉通り魔術師ではなく「魔術使い」を名乗る。
穂群原学園生となった彼は、偶然から夜の学校で争う槍を手にした男・ランサーと赤い外套の男・アーチャーを目撃。ランサーの手により口封じのために瀕死の重傷を負わされるものの、駆けつけた遠坂凛の治癒魔術により、奇跡的に命を取り留める。
誰に助けられたか分からぬままなんとか自宅に戻った士郎だったが、再度ランサーに襲撃を受ける。
必死の応戦も虚しく徐々に追い詰められ、死を覚悟するも、偶然土蔵で金髪の美少女「セイバー」を召喚し、ランサーを撃退。駆けつけた凛に事情を聞き、聖杯戦争を終わらせるべく、セイバーとともに魔術師同士の殺し合いにその身を投じることになる。
人物
切嗣の影響で、全てを分け隔てなく救う「正義の味方」になることを本気で志している。
それはもともと切嗣が諦めた理想であり、その遺志を継ぐという考えと、「十年前の大災害で唯一生き残ってしまった」自分は人の為に生きねばならない、という強迫観念に似た義務感のため培われた理想である。余談だが、「生き残ったことに罪悪感を覚える」症状は現実にも存在し、「サバイバーズ・ギルト」という名称で呼ばれている。
日常生活においては「主夫」。家庭料理をはじめとする家事一般に長け、一家を支えている。学園内ではさまざまな要望に応じて各所に赴き、機械の修理や頼まれごとを引き受けていることから、「穂群原のブラウニー」「偽用務員」「ばかスパナ」といった二つ名を持つ。「魔術師は等価交換で動くもの」と幾度か凛に指摘されているのだが、前述の義務感とあいまって、「頼まれごとを引き受けること」がその対価そのものに等しい。
「人助けが生きがい」であり、それ以外に興味がない・興味の持てない性格で、遊びごとなどには無縁で人生に余裕がない。人生における優先順位が公私の「公」に偏重していて、感情の機微に疎く、他人の好意にも悪意にも鈍感。「命を救われた」ことが切嗣から受けた正義の行いであるため、彼の「他人を救う」という目的は「命を救う」という方面に偏っている。
だが、「心を救う」という行為もまた正義の行いであり、それを無自覚に実践しているにも関らず、そのことの価値に気付いていない。
養父からの『借り物の理想』を追いかけて正義の味方を目指し、人助けのためなら自らを省みないその生き方は、奈須氏によれば「一生懸命人間のふりをしているロボット」あるいは「人間になろうとしているロボット」。
言峰綺礼が先天的な破綻者であるとすれば、彼は冬木大火災が元で人生が狂った後天的異常者である。
能力
魔術の腕は知識・技量ともに半人前もいいところで凜からは「へっぽこ」と称される。作中で開始時点でまともに使える魔術は基礎中の基礎の構造把握を非効率にこなせる程度で、実践的な魔術である「強化」は成功率はほぼゼロ、「投影」はガワしか作れないという有り様だったが、聖杯戦争を通じて成長や自分の特性を開花させていく。
その本質は、起源・魔術属性共に「剣」と、一点特化した魔術であり、魔法に近いと評される大魔術である『固有結界』「無限の剣製」を展開できる稀有な才能の持ち主。いつまでたっても消失しない投影品や、構造把握能力に長ける、といった彼の特技もすべてはこの固有結界に起因している。
だが、未熟であるため物語開始時点で自ら固有結界を起動させることはできない。
幼少期から藤村雷画の勧めで弓道を始め、その腕前の伸びは藤村大河も認めるところ。弓道部に所属する頃には部長・美綴綾子の知る限り、彼が矢を的に外したのは射る前から外れると分かっていた上で射た場合を除いてゼロ。文字通り百発百中の腕前になっている。
10年前の災害で大怪我を負っていた彼を救うために、発見者である衛宮切嗣がその体内に、治癒能力を持つ聖剣の鞘「全て遠き理想郷」を埋め込んだ。このため、本来の持ち主であるセイバーが現界している間は鞘の加護を受けていかなる損傷からも回復できる。
ちなみに、「全て遠き理想郷」は副作用として持ち主の魔術特性を「剣」に変えてしまう特性を持っていたため、士郎の魔術特性を「剣」に変えてしまい、それが遠因となって前述の特異な才能を目覚めさせることとなってしまった。

武器

ポスター
家にあったものをランサー襲撃に使用。強化すれば鉄板程度に硬くなる。
木刀
土蔵にあった物。強化して使用。
椅子の脚
校舎で使用。同じく強化して使う。
弓矢
森に落ちていた枝を強化の応用で変形させたもの。
アゾット剣
魔術を学ぶものが一人前になった際に送られる儀式用の剣。Fateルート、HFルートでは遠坂凛から預かる。
宝石剣ゼルレッチ
アーチャーの腕とイリヤの中の過去の記録を用いて投影したもの。限定的な第二魔法行使を可能とするが、士郎には複製は出来ても理論は理解できない。

投影宝具

干将・莫邪
アーチャーのトレードマークともいえる夫婦剣。アーチャーの物を複製し投影する。
作中では同じものを作り出せる投影品という利点とこの夫婦剣が持つお互いに引き合うという性質を活かした秘剣「鶴翼三連」でセイバーオルタとほぼ相討ちに近い状態に持ち込んだ。
勝利すべき黄金の剣(カリバーン)
かつてセイバーが所有していた「選定の剣」。夢で共有した彼女の過去の記憶で見たものを、バーサーカー戦にて初投影。本来の持ち主であるセイバーと共に振るい、バーサーカーを打倒した。
全て遠き理想郷(アヴァロン)
かつて切嗣に埋め込まれた、エクスカリバーの鞘。セイバーの魔力により起動し持ち主を癒やす。長年の融合により原型を無くしていたが、衛宮士郎の投影技術と担い手のセイバーの力で摘出された。
それ以後も工程を踏まずとも投影できる、衛宮士郎の半身だが、セイバーとの契約が切れ彼女が消えてからは、イメージができなくなり、投影はできなくなった。
是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)
バーサーカーから斧剣ごと投影した秘剣。「射殺す百頭(ナインライブズ)」の対人用。
熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)
七枚の花弁を展開する結界宝具。遠坂凛の魔力バックアップを受けているUBWでは七枚投影しているが、単独であるHF・HAでは四枚投影になっている。
約束された勝利の剣(エクスカリバー)
Fateルートでのギルガメッシュと対峙した際にエクスカリバーの本来の姿である鞘に納められた姿で投影している。セイバーが傍らに居る=アヴァロンに魔力が供給されるという状況で、士郎の中のアヴァロンが強く反応した事が原因になっていると思われる。
HFルートノーマルエンドで大聖杯を破壊するために投影。HFでは黒セイバーのエクスカリバーしか士郎は見ていないのでイメージでは黒いエクスカリバーになっている。
しかしコンマテ3で神造兵装の複製は不可だと言われたり、EXTRA/CCCでアーチャーが劣化品を投影した件についてEXTRAマテリアルでスタッフが自発的にモーション作ってしまったので劣化品ならギリギリありということにした的発言があったりと本当にエクスカリバーを投影したのが物議を醸しだしている。
右歯噛咬・左歯噛咬(ザリチェ・タルウィ)
武器破壊を前提にした両手剣。いわゆるソードブレイカー。同化しているアヴェンジャーの振るっていた武器。

他にも、アーチャーとの戦いで「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」や「絶世の名剣(デュランダル)」を投影し、ギルガメッシュとの戦いでデュランダルやハルペーなど多くの武器を貯蔵し、投影している。
また、切嗣の切り札「起源弾」も弾丸さえ見れば投影出来るという。

登場作品と役柄

Fate/stay night
主人公。聖杯戦争に巻き込まれ、セイバーを召喚。以後、争いを止めるために奮闘する。
Fate/hollow ataraxia
主人公。繰り返す四日間の中で、謎の聖杯戦争の真相を探る。
厳密には、hollowの士郎は「アヴェンジャーが士郎の殻を被ったもの」であり、士郎本人とは違う。
Fate/Zero
最終盤に登場。冬木大火災の際に絶命間際のところを切嗣に発見され、救出される。
その後は彼の養子となって暮らし、月下の約束を交わしたのち、最期を看取った。
漫画単行本のおまけ漫画にも登場しており、セイバーの語った魔術師対決のあまりのショボさに衝撃を受けていた。
フェイト/タイガーころしあむフェイト/タイガーころしあむ アッパー
結界の影響で虎グッズが大流行。家中に蔓延した虎グッズを撤去させるべく、元凶の大河に釘を刺しに向かう。
アッパーでは出番はあるものの個別のシナリオモードはなし。
Fate/unlimited codes
「見習い魔術師」。素手での格闘と、投影魔術で戦う。
氷室の天地 Fate/school life
メインキャラの出番が少ない本作の例に漏れず、本編で一切台詞が無い。
Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
正義の味方を夢見る少年。時々ふらっと姿を消す「じいさん」を探す合間に迷子になっていたイリヤを助けて「ゼロカフェ」に来店。セイバー店長とも仲良くなる。
プロフィールからして既に「衛宮士郎」になっている風だが、Zeroベースの切嗣とはけっして遭遇しない。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
Fate本編とは異なる並行世界の存在。一般人。イリヤの義兄。
本編以上の凄まじい数のフラグを立てており、しかもそのうち3人は小学生……。
ドライでは美遊の住む世界の彼が登場。幽閉されている。
ちびちゅき!
キノコ校長によって料理長に任命され、「無限の食券製(Unlimited Cooking Works)」の力を得る。
しかし彼一人で学園の全員を相手にするには手が足りずにアーチャーの力を借りることになった他、給仕としてセラリーゼリット翡翠琥珀の使用人カルテットにも協力してもらうことに。
カプセルさーばんと
主人公の一人で、難易度は「かんたん」。みんなの為に頑張る少年。

人間関係

冬木

衛宮切嗣
養父。命の恩人であり、憧れ。
本人に対しては「爺さん」と呼ぶが、他人に彼の話をする際は「オヤジ」と呼ぶ。魔術を習った一人。
セイバー
召喚したサーヴァント。
彼女との絆は強く、士郎がどのルートに進んでも信頼しているのと同じように、彼女もどのルートに進んでも士郎を案じている。ルートによっては恋人に。
遠坂凛
もともとは片想いの相手。
聖杯戦争で同盟を組み、魔術を教えてもらうために師弟関係を結ぶ。ルートによっては恋人に。
間桐桜
自身を慕う後輩で、料理の弟子。
本来魔術等とは縁遠い存在で、士郎にとっては守るべき「日常」の象徴だった。ルートによっては恋人に。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
聖杯戦争で出会った、妹のような存在。実は義姉。
冷酷なマスターの彼女と無邪気な少女の彼女とそれぞれ接する機会があり、敵か味方かは曖昧。ルートによっては家族に。
『プリズマ☆イリヤ』では仲の良い義妹であるが、彼女からの好意には気づいていない。
アーチャー
何かといがみ合う、相性の悪い相手。実は別世界の未来における自分。
ライダー
幾度となく襲撃された相手であるが、HFルートのみ桜を救うために彼女の助力を得る。
彼女の人格と力量を信頼し、かつての盟友である最強の剣士に挑む。
『hollow ataraxia』では居候の一人。きちんとアルバイトまでして家賃を入れてくれる彼女を「大人の女性」として頼りにしているが、たまに困らされる。士郎は知らないが、彼女に慕情に近い親愛の情を抱かれている。
言峰綺礼
胡散臭い彼を嫌うと共に憧れの対象でもあった。HFルートでは共闘。
藤村大河
隣人。姉代わり。
精神的には彼女に守られているものの、日常生活は完全にお世話する側になっている。
美綴綾子
同級生で、かつて同じ部活に所属。今でも気の置けない友人。
柳洞一成
クラスメート。よく彼の仕事を手伝う。
間桐慎二
クラスメート。中学生の頃からの付き合いだが、現在はとある理由で疎遠に。
蛍塚音子
バイト先の店の人。つい最近(『stay night』の直前くらい)までお互いが藤村大河の知り合いだとは知らなかった。また、士郎はいまだに彼女の本名を知らず「ネコさん」と呼んでいる。
セラリーゼリット
イリヤの従者。切嗣を嫌うセラからは辛く当たられているが、「イリヤが好きなものはわたしも好き」のスタンスであるリズからは懐かれている。
『プリズマ☆イリヤ』では家族のような存在であり、セラとの仲もそれなりに良好。リズとは実はそこまで話している描写がなかったりする。
カレン・オルテンシア
新たに派遣された教会のシスター。とある事情から、それなりに彼女とは気安い関係。
バゼット・フラガ・マクレミッツ
初対面のはずなのにどこか親しみを感じた女性魔術師で居候。とある事情から、彼女からは信頼されている。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
『hollow ataraxia』では彼女に執事として雇われ、「シェロ」と呼ばれて信頼されるようになる未来があるらしい。
『プリズマ☆イリヤ』でも好意を寄せられており、凛と共に頭を悩ます一因となっている(煩悩方面でも)。
アイリスフィール・フォン・アインツベルン
養父の妻で、一応義母にあたる。本編では面識はないが、スピンオフ作品等で共演。
彼女のことは「アイリさん」と呼ぶが、当人は「お母さん」と呼ばれたがっている。

プリズマ☆イリヤ

美遊・エーデルフェルト
平行世界の自分の妹のような存在。彼女からは「士郎さん」と呼ばれ、慕われている。
クロエ・フォン・アインツベルン
義理の従妹であり、自分の義妹と同一の存在。彼女にも「お兄ちゃん」と呼ばれ、慕われている。

名台詞(迷台詞?)

Fate/stay night

「なんでさ」
口癖。
美少女ぞろいとはいえ、どいつもこいつも理不尽の塊ではこれが口癖にもなるというもの。
「おはようセイバー。また会えて、よかった」
とあるルートのEDにて。
思わぬ再会の嬉しさに、ヒロインそっちのけでセイバーと和む士郎。割を食ったヒロインに拗ねられたが仕方ない。
「仲間だからって、気安く遠坂には近付くな」
UBWルートにて、協力を申し出たランサーに付けた条件。意外な条件に凛とランサーは揃って沈黙した。
なお、理解が及んだランサーは大笑して士郎の凛への想いを称賛し、凛は真っ赤になって混乱した。基本翻弄される士郎が凛を翻弄する珍しいシーン。
「死者は甦らない。起きたことは戻せない。そんなおかしな望みなんて、持てない」
「冬木の大火災をもなかったことにできる」と言峰に聖杯の万能さを説かれた時、誰よりもそれを望んでいる「同胞」の前で涙ながらにその望みを否定した。
過去は背負っていくもので、なくしてしまったら今まで積み上げたものも無意味になってしまう。積み上げたものも大切に思う士郎には、すべてをなかったことにしてしまう望みなど持てなかった。
そしてこの士郎の言葉は、過去に囚われたセイバーに前を向くことを促し、いずれ彼女を救うことになる。
「確かに俺は歪んでいるのかもしれない。
 けどいいんだ。誰かのためになりたいっていう願いが、間違いなはずないんだから」
士郎の生き方を「歪」と断じ、彼の行く先を憂う凛の言葉に対して。
士郎がこのセリフを言いながら浮かべた綺麗な笑顔に凛は押し黙り、ずっと彼の傍についていくことを決意する。
「―――おまえには負けない。誰かに負けるのはいい。
 けど、自分には負けられない―――!」
アーチャーと対峙して。
眼前の相手は夢破れた己。今夢を追う者として、その男にだけは負けるわけにはいかない。
「決して、間違いなんかじゃないんだから―――!」
アーチャーの胸を二つの意味で打った言葉。自分が壊れていると自覚し、自分の言動が偽善だと理解してもなお、士郎は折れない。
たとえ矛盾していても、叶うことがなくても。養父から受け継ぎ、胸に抱いたそのユメだけは間違いではないと信じているから。
「いくぞ英雄王――――武器の貯蔵は充分か」
ギルガメッシュと対峙して。
至上の夢を追い続けた何の変哲もない少年が、幾度となく倒されてなお、世界最強の存在に対して告げる反撃の狼煙。
印象に強く残るセリフが多いFateの中でも屈指の名ゼリフである。
「そうだ。俺は切嗣と同じだ。恨むのなら、イリヤは俺を恨んでいい。」
HFにおいてイリヤに「誰かの味方」をしてもいいのだと諭されてもなお「正義の味方」であり続けることを選んだ時のセリフ。
人を救う為に桜を含めた全てのマスター、サーヴァントを倒して聖杯を破壊する途上の犠牲は全て代償であると覚悟を決めた士郎。それはかつての切嗣と同じ道であったが、月下の誓いの前に切嗣が危惧していた士郎の末路そのものでもあった。
「――信頼して、いいんだな。」
HFより。どんな手をつくしてでも桜の救出を目的とする士郎と桜の内から生まれ出ようとする魔の誕生を祝福せんとする言峰。言峰の願いはどうあっても許容出来るものではなく理解も出来なかったが、それでも目的の為に今この瞬間のみは共闘しうると判断した士郎は、かつての自分なら決して容認出来なかったであろう言峰との一時的な共闘を望む。
「おしおきだ。きついのいくから、歯を食いしばれ」
「帰ろう桜。―――そんなヤツとは縁を切れ」
HF終盤の桜への言葉。士郎が桜の背負っていたもの全てを受け入たことによって、桜はマキリの因業から解放される。
「だめでござる。今日は断食するでござる」
それは、道場への扉。

Fate/hollow ataraxia

「――――桜が怖いというおまえは正しい。
 もう、俺にしてやれるコトはない」
桜の恐ろしさを思い知った士郎であった。
「は、はかったな慎二―――!」
慎二にしてやられ、桜の部屋への侵入の共犯にされた事で叫んだ。まるで某公国の四男坊みたい。
なお、この時点で桜の部屋に張ってあった結界は発動し、桜は部屋に侵入者があったことを感知している。

フェイト/タイガーころしあむ

「セイバーの食費は安くない。安くないんだぁぁぁぁっ!!」
タイころより、士郎の心の叫び。
美味しいものを食べるセイバーの嬉しそうな顔が好きな士郎だが、それとこれとは別問題。衛宮家のエンゲル係数はとんでもないことになっているのだろう。

トラぶる花札道中記

「やったな慎二、俺は信じてたぞ! 好きにして!」
勝利の栄光を掴み、『stay night』全ヒロインを侍らせるモテキングになったワカメへの偽らざる称賛。
だが、この時の士郎は他のヒロイン達と同じくバニー姿。「好きにして!」とは十中八九そういう意味であり、更に士郎の背後には彼のバニー姿に興奮し腕を絡ませる一成の姿が……
直後に「BAD END」と表示されるため、彼らがどうなったかは不明だが、見たら後悔するような展開なのは想像に難くない。

Fate/Zero

「うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ」
「爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。まかせろって、爺さんの夢は、俺が――」
ある月夜に養父に語った誓い。
この言葉に遠い昔に捨ててしまった純粋な決意を見た切嗣は自分の後をなぞることもないと安堵して息を引き取った。
この台詞をもって「Zeroに至る物語」は終わりを迎え、彼の物語は「運命の夜」に移る。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

「いきなりこの対応はないと思うんだよな」
「アポ無しを理由に銃撃されたのは初めてだよ………」
番外編より。エーデルフェルト邸の凛を唐突に訪ねた所、大量の自動追尾銃セントリーガンにバンバン撃たれまくった挙句、RPGロケットランチャーをぶち込まれてしまう。防衛システムに魔術を使っていないのは神秘の秘匿の為だろうが、それでも日本の住宅地のド真ん中でセントリーガンやRPGはやり過ぎである。この件に限らず、「プリズマ☆イリヤ」での士郎は色々と酷い目に遭っている。
「いや…最近の小学校の宿題って難解なんだな…」
上記とは違う番外編にて。大河作の生々しい宿題を口論しながら解いてるイリヤとクロと美遊を見ての感想。

カーニバル・ファンタズム

「俺はみんなを幸せにしたいんだよ!」
カーニバル・ファンタズム、「ドキドキデート大作戦」より、テーブルを叩きながらこう力説する。
一見すれば自分を犠牲にしてでも他者を救おうとする彼らしい台詞なのだが、この時彼はセイバー・凛・桜と3(本当は4)又を掛けた上に全員と同じ日にデートの約束をしてしまっている有様なので、単なる言い訳にしか聞こえない。聞いていた遠野志貴も「また耳ざわりのいいことを…」と呆れていたが、彼の方も5(本当は6)又を掛けて士郎以上に二進も三進もいかない状況にあるので、人の事は言えない。
「なんでさ…なんでか…なんで…なんで…なんでやん」
ひびちかスペシャルの蔵出し、メインヒロインとデート編にて、異変を察知した時の一言。

メモ

  • 冬木の聖杯戦争における真の勝利者。経緯はどうあれ、「聖杯戦争を終わらせる」という願いを達成したので。
  • アーチャーは彼の未来の一つだが、遠坂凛が士郎の傍にいる限りその未来にたどり着く可能性はないとか。つまり、3つのルート全てで凛が生き残る『Fate/stay night』という物語は、彼にとって紛れも無く救いの物語であったということである。
    • 凛ルート後はともかく、他ルートならばエンド後に凛と全く別の道を歩む可能性もありえるのでは? という疑問には、complete material IIIでの奈須きのこによる一問一答により、「どのルートでもならないし、どのルートでも可能性がある、とだけ言っておきます。基本、限りなくゼロですが。」と回答されている。
  • 彼の使う魔術の特異性について、彼に魔術を教えた切嗣、指導を行った凛の両名ともにその異常性に気づきはしたものの、どう指導して良いかわからなかった。
  • 魔術の鍛錬はほぼ完全に独学。凛に教わるまで、一度構築してしまえばそのまま使い続けることのできる魔術回路を、鍛錬のたびに一から作るという真似をしていた。
    • この鍛錬法については切嗣が健在の頃から続けていたため全くの独学というわけではない。が、鍛錬としては落第以前の問題なことには変わりない。切嗣がこのような鍛錬を教えた理由については原作では語られていないがzeroドラマCDでは士郎に魔術を諦めさせたかったらしいことが語られている(SNでも士郎から頼まれても二年の間魔術を教えることを断り続けるなど切嗣は士郎が魔術師になることを嫌がっていた描写がある)。
  • 聖杯戦争開始まで士郎が毎晩行っていた魔術の鍛錬は、内部に張り巡らした集中をミリ単位でもズラせば、それだけで中身が吹き飛ぶという、蟲倉による魔術鍛錬という拷問じみた魔術鍛錬を経験してきた桜から見ても「先輩が自分で自分の喉を突き刺しているように見えました」と怖れるほど危険な代物。
    これを切嗣が死んでから五年間、進歩も成長も楽しみもなくともひたすら続けていた、という点は士郎の精神的な異常性の一つである。もっとも完全に無意味だったわけでもなく、この極度の集中を繰り返した結果矢を射る腕前は百発百中になったらしい。
  • 魔術師としての相対評価は、奈須氏によれば、シエルを100として凛を70〜100とするなら、彼は10で状況によっては40とのこと。
  • 魔術回路の数は27。代続きしていない魔術師としては多め。
  • 本来なら武具以外の複製は出来ない「無限の剣製」だが、訓練次第で美術品などにも応用が利く。hollowでは、アーチャーが釣竿を投影していたり、士郎が凛のためにおまるを投影しようとして殴られた。
  • HFルートTRUEエンドのエピローグでは、名高い人形師の残していった素体を士郎の新しい体として使ったとあるが、この人形師と蒼崎橙子が同一人物かは不明。
  • デザインやスタイル、本物や偽物などのテーマから、原型は『空の境界』の臙条巴ではないか、というファンの説がある。
    • 棒高跳びのエピソードで、凛に「あんた陸上部だっけ?」と問われた点で、原型とされる臙条がスプリンターであった事が連想させられる。
  • 自分の部屋には机と座布団しかない。hollowにおいて、新しく購入した本棚を強調しているほど。
  • 属性と起源が「剣」にも拘わらず、剣の才は人並み程度。しかし、弓の才はセイバーと戦闘中のバーサーカーのこめかみに当てる程。
    • 百発百中で矢を射ることが出来る腕前だが、本人が称するところではそれは弓の腕ではなく、毎夜日課になっている魔術の鍛錬の成果でイメージ通りに矢を的中させられるだけとのこと。
      この辺り、分かる人には分かるらしく、 美綴からは「弓を持たなくても会心に入れるんだから、むしろ弓なんて邪魔じゃないってムカついた」「そもそも弓を持つ、なんて事がアンタには余分」と言われている。
    • なお、現実の弓道において的中させること自体非常に難しく、八段のみならず教士や錬士の称号を持っている人でさえ、百射引いてその的中率が高かったとしてもまともに真ん中である星や正鵠を射抜けるのは半分くらいのものである。これは和弓が素材などの変更はあるものの、造り自体は少なくとも500年ほど前から変わっておらず、弓よりも射手が稽古する以上に上達は無い為である。そのため、いかに士郎の的中率が異次元レベルに到達しているかは弓道を嗜むプレイヤーならばわかるだろう。
  • あまり深く触れられていない部分だが弓を始めたのは弓道部入部以前から。大河によると相撲で負け続きにもかかわらずを勝つまでやめたがらない士郎に雷画が違う競技を勧めて弓を持たせたとのこと。
    具体的な年齢や時期については不明だが「だいたいな、何年前の話してんだよ藤ねえはっ!」という士郎の反応や「あははは、そっかそうだ。士郎、子供の頃はちっちゃかったから~」という大河の反応的にそれなりに昔、士郎が幼少期の頃であると思われる。
  • 冬木大災害に遭う前の生活や、実名(苗字)、実の家族について語られることは一切無く、今後もおそらく語られることは無いだろう。これは「衛宮士郎」の人生は大災害から始まり、それ以前の人生とは別物であることを印象付けるためだと思われる。
    また、設定の面では「全て遠き理想郷」を埋め込まれたことで起源(=魂の性質)が変化したため、「生まれ変わった」とも言えるかもしれない。
    • 月姫』の主人公である遠野志貴が、過去のことが語られたり、基本的な人格は幼少時から変わっていない様子であるのとは対照的である。両者の性格が相容れないことの原因にもなっている模様。
    • 両親について一切語られていないわけではなく、大火災が起きた後に士郎が両親に起こされて家を出たこと、逃げ遅れた母親と、士郎を先に行かせ母親を助けに戻った父親ごと実家が炎に飲まれ無くなったこと、切嗣に助けられた後もしばらくは家のあった場所に通い、誰よりも優しかった記憶の中の母親に笑いかけていたなどの記憶は本編の士郎にも刻まれている。志貴は記憶を外的要因による暗示で封印されていたため思い出せなかったが、士郎の場合は生き残ってしまった罪悪感、自責の念などで意図的に思い出さないように努めていることが両者の大きな違い。
  • 遠野志貴との相性は「性格や倫理観が異なるので仲は良くないが、双方温厚なので喧嘩にはならない」というのが公式見解。なお設定では同年代だが、世代が違うという事で向こうが目上であり、カーニバル・ファンタズムにおける双方の呼び方は「志貴さん」「士郎君」である。
  • 言峰のことを初対面の時から相容れないと感じ反発していたが、実はそれは好意の裏返しであり、好意を否定し気付かないでいるために必死に敵視していた。ある種のツンデレ。HFルートの最終決戦において、死を前にしても揺るがない言峰を見てそれを自覚する。
  • 切嗣・桜・セイバーといった聖杯戦争に関わり絶望に沈んだ人々に救いを齎しながら、肝心の自分自身が決して救われない生き方を歩む人物。凛はその有り方を「ひどく歪」と評した。
  • TYPE-MOON 10周年記念オールキャラクター人気投票にて、順位が切嗣と並ぶという奇跡が起きた(士郎12位・切嗣11位)。
  • 『Fate/Zero』のカウントダウンは、切嗣が士郎に出会うまでの残り時間。出番は最終章に少しだけだが、彼と切嗣の問答『月下の誓い』が作品のラストを締める。
    • この誓いによって切嗣は安堵の中死を迎えることができ、この誓いが遠因となってセイバーも救われることになる。アニメではこのことを意識してか、士郎が誓いを立てた後カムランの丘で踞るセイバーに光が差し込むという、後に彼女も士郎によって救われることを暗示するような印象的なシーンが挿入された。
  • 主人公なのに私服のバリエーションが異様に少なく、いつも着ているシャツの個性の薄さから「ユニクロ」とファンの間で揶揄されていた。
    新アニメでは、流石にこの古臭い格好では可哀想だと思われたのか、今風のジャケットを私服として着ている。

話題まとめ

「無限の剣製」起動呪文
「――――I am the bone of my sword.」(体は剣で出来ている)
「―――Steel is my body, and fire is my blood」(血潮は鉄で、心は硝子)
「―――I have created over a thousand blades. (幾たびの戦場を越えて不敗)
 Unaware of loss. (ただ一度の敗走もなく、)
 Nor aware of gain」(ただ一度の勝利もなし)
「―――With stood pain to create weapons. (担い手はここに独り。)
 waiting for one's arrival」(剣の丘で鉄を鍛つ)
「――I have no regrets.This is the only path」(ならば、我が生涯に意味は不要ず)
「―――My whole life was“unlimited blade works”」(この体は、無限の剣で出来ていた)

アーチャーのそれと比べてみるとわかるが、こちらのほうがやや肯定的な文句で構成されている。なお、士郎の詠唱は日本語で訳が英語。

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