イヴァン雷帝
ライダー | |
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真名 | イヴァン雷帝 |
読み | イヴァンらいてい |
性別 | 男性 |
身長 | 193cm / 531cm[注 1] |
体重 | 150kg / 2548kg[注 1] |
出典 | 史実及び異聞帯 |
地域 | ロシア |
属性 | 秩序・悪 / 混沌・悪[注 2] |
一人称 | 余/我ら |
二人称 | 汝(なれ)/おまえ/そなた |
三人称 | あやつ |
声優 | 黒田崇矢 |
デザイン | danciao |
設定作成 |
東出祐一郎 奈須きのこ |
レア度 | ☆5 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
- 略歴
- ロシアの異聞帯の王として存命している状態で登場。自身と国民を魔獣と寒波から身を守るべく、人と獣の掛け合わせである新人類「ヤガ」に変え、その後2018年まで四百五十年の間、執政し続けていた。
- 自らのロシアが異聞帯であることを認識しつつも、異星の神の干渉を拒絶しており、空想樹を根付かせないまま他の異聞帯に領域に攻め込もうと考えていた。
- シャドウ・ボーダーがロシアに出現したころにはモーツァルトとサリエリの演奏するピアノ、マカリー神父の振りをしたグレゴリー・ラスプーチン、イヴァン雷帝の妻の振りをしたアナスタシアによって眠り続けており、彼らの言葉を信じるがままに平和なロシアを夢見つつ宝具『我が夢路に這い出よ黒犬』を発動させ殺戮猟兵を生み出していた。
- 首都ヤガ・モスクワで主人公たちが暴れた事で、夢から覚め、殺戮猟兵の消滅とともに正しい現実を理解。一時休戦した主人公たちとカドック、アナスタシアと対峙する。
- 『王冠・叡智の光』すら追い込む圧倒的な力を発揮するも、サリエリの演奏に心を乱され、サリエリに放った雷撃をマシュの『いまは脆き夢想の城』で防がれ、マシュに振り下ろした巨大な鼻を宮本武蔵の「伊舎那、大天象」で真っ二つにされ、それらによって生じた隙に主人公の操る『王冠・叡智の光』によって本体の王冠を山岳型魔獣から引き剥がされ、サーヴァント相応にまで力を落とす。
- その後、皇帝の座を巡ってアナスタシアと戦い敗北。主人公に最後の問いを投げ掛け、答えられなかった主人公に世界の存亡をかけて挑むが敗北。覚悟を決めないままの相手に負けたことを一度は嘆くも、主人公が見せたその感情こそ最愛の妻が尊び、そしてヤガが失ってしまったものであると悟り主人公の勝利を認めながら消滅した。
- 人物
- 魔獣のような姿をした、神に近い存在。ロシアの凍土で発見された最古の巨大生物である山岳型魔獣と結合しており、その大きさはアタランテ〔オルタ〕が「オリンポスの神々の真体とやらなら釣り合う」と言うほど。カルデアに召喚された際は山岳型魔獣から引き剥がされた本体の姿で顕現する。本体も象に近い形状をしており、肩に巨大な牙が生えている。
- 「ロシア最悪の暴君」と謳われるだけあって、その苛烈さと残虐さは類を見ない。そしてその一方で、神に対してはひたすら敬虔な信徒であった。そのあまりに相反する二面性は、真っ当な人間が許容できるものではなく、絶対的な権限を持った皇帝のみに許された特権であっただろう。
- 現代の知識によって自身の状況を弁えてはいるが、一般の人……もとい、ヤガであればこのサーヴァントを目視しただけで昏倒するだろう。姿形が怪物であるだけでなく、彼の持つ権勢があまりに圧倒的であるからだ。
- カルデアに召喚された際は、汎人類史と異聞帯の意識を持ちつつ、異聞帯の肉体で顕現している。
- 能力
- 山岳型魔獣との結合時の霊基数値は神霊サーヴァントにも引けを取らない[注 3]。
- 動くだけで雪崩が起き、鼻で地面を突き刺せば、対軍宝具の代わりとなる。天に掲げた鼻の先端に嵐が渦巻き、恐るべき威力を誇る神霊クラスの雷撃を放つことも可能。
- ただし、動きが鈍くサーヴァントの動きに反応できない。尤も、サーヴァントでも対抗すること自体が困難である。
- 雷帝本体は手にした杖からの雷撃や、角を伸ばすことで攻撃を行う。この状態でも本人の動きは鈍いが、雷を伴って瞬間移動に近い速度で移動することが出来るようになる。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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ライダー | 主人公 (Grand Order) | B+ | A+ | D | C | B | A | 対魔力:D 騎乗:EX |
矛盾精神:A 無辜の怪物(異):A 非常大権:A |
宝具
- 我が夢路に這い出よ黒犬(チョールヌイ・オプリチニキ)
- ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:領土内すべて(Fate Grand Order プロフィール)/ 1(Fate Grand Order Material Ⅶ)
最大捕捉:3000人(Fate Grand Order プロフィール) / 500人(Fate Grand Order Material Ⅶ) - 黒犬兵団。イヴァン雷帝が非常大権と共に導入した「親衛隊(オプリチニキ)」が変貌した宝具。
- オプリチニキとはあらゆる貴族に対する財産、土地の没収などを行える権限を持つイヴァン雷帝の手足とでも言うべき存在だった。
- 黒衣を纏い、黒毛の馬に乗り、黒い馬具をつけ、馬の首には犬の頭をくくりつけた。
- 同時に獣毛を箒状に編んだ鞭を持ち、「裏切り者に対しては犬のように襲い掛かり、箒で掃き出す」という意味合いを込めたという。
- かつては寝食すら共にし、同じ屋根の下で暮らす共同体だった彼らは、いまやこの世に存在しない。
- 彼らが這いずるのは魔獣雷帝イヴァンの夢の中だけ。イヴァン雷帝が眠りに入ると発動する自動防御、制圧宝具。
- イヴァン雷帝が動かないという、発動条件が極めて厳しい宝具。
- そのまま無数の兵士達の姿に分散し、彼に仇なす敵兵を鏖殺せんと奔走する。集団の暴力としては圧倒的だが、個々の力は弱いのが唯一の救い。
- ただし、首都モスクワに近づけば近づくほど強化され、モスクワ近辺では一体一体が低ランクサーヴァントに近しい力を持つ。ベオウルフはイヴァン雷帝への信仰心が強ければ強いほど、殺戮猟兵が強くなると推測していた。
- 兵団を召喚するだけなら、幾つかの宝具は散見されているが、これほど永続無限に召喚され続けるのは類を見ない。
- 存命の時点で既にこの宝具を所持していた。
- 我が旅路に従え獣(ズヴェーリ・クレースニーホッド)
- ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:0(Fate Grand Order プロフィール) / 1(Fate Grand Order Material Ⅶ)
最大捕捉:1人 - 神獣の十字行。皇帝がいずれ行き着く(と信じている)天上の国に向けての行進。
- つまり前に立ちふさがる者は皇帝への叛逆であり、それは即ち神への冒涜である。
- イヴァン雷帝は在りし日の巨獣状態を一時的に取り戻し、容赦なく敵を粉砕する。
- 『Grand Order』では「自身の宝具威力をアップ[注 4][注 5]&敵全体に強力な攻撃&Buster攻撃耐性をダウン[注 6]」という効果のBuster宝具。
真名:イヴァン雷帝
- イヴァン4世。ロシアの
皇帝 にして恐怖 の怪物。 - そして異聞帯においては魔獣のような姿へと変貌し、神に近い存在となった男。
- ロシアの凍土で発見された最古の巨大生物と結合したことで、イヴァン雷帝は成長期に入った。
- イヴァン雷帝の英雄としての資質か、それとも
皇帝 としての血統か。 - マンモスやサーベルタイガーなどのような、成長が原因の破滅すらも乗り越えた…否、乗り越えてしまった。
- もはや崇拝され、愛される頂きの存在ではなく―――ただただ恐ろしい怪物へと成り果てた。
- 現在の人類史にいたる過程で「不要なもの、不要なゆらぎ(IF)」としてそぎ落とされた“もしも”のロシア、
- 「その先は行き止まり(デッドエンド)なので歴史を打ち切る」と並行世界論にすら切り捨てられた「永久凍土帝国 アナスタシア」に君臨する皇帝。
- サーヴァントとして蘇ったイヴァン雷帝その人だが、異聞帯の歴史においては世界最初のヤガとして存在している。
- 汎人類史におけるイヴァン雷帝は暴君でこそあったが、魔術とは縁遠い存在であった。
- しかし、異聞帯において世界凍結の危機が迫った時、彼は魔術師達を招聘。
- 魔獣と人を結合させる技術を伴って、生き延びる道を求めた。
- 彼の帝国に住まう者はみなヤガだが、それは人間の姿では最早生きていけない過酷な環境だからだ。
- それは「最早人間とは異なる生物」を世界に産み落としたも同然であり、その過程で彼らは人間であった時に得た大切なものを失った。
- やがて精神も変容してしまった彼らは行き詰まりの人類史―――「剪定されるべき世界」と認識されてしまった。
- 慟哭は止まらず、雷帝は嘆きながら巡礼を歩む。
関連
- イヴァン雷帝の書庫
- 絆礼装でも触れられている、イヴァン雷帝が所持していた蔵書群。
- 両親から受け継いだ遺産に加え、本人の願いの為に集めた本の群れは学者や魔術師が全てを投げ打ってでも欲しがる程であったという。
- 『Fate/Apocrypha』に登場した魔術師の一人であるジーン・ラムも稀覯本のために彼の書庫を追い求めていたとか。
- なお、イヴァン雷帝の死後は散逸してしまったようで、本人もそのことには憤慨している。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- Lostbelt No.1『永久凍土帝国 アナスタシア』配信後、期間限定で実装されたロシア異聞帯の王。
人間関係
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- マスター。
- 『永久凍土帝国 アナスタシア』では自分の世界を滅ぼそうとする敵。自身の最期には極めて重要なことを問い質した。
- アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ
- 『永久凍土帝国 アナスタシア』では自分の妻である「アナスタシア」を騙っていたために最大の怒りを向ける相手であり、後に皇帝の座をかけて直接対決を行った。
- マイルームでは向こうからは怖がられているものの、娘のように思っていると心情を語ってくれる。
- 期間限定イベント『ホーリー・サンバ・ナイト』ではロシア代表としてタッグ「ツァーリ・ミッショネルズ」を組んで出場した。
- ブラダマンテ
- 期間限定イベント『ホーリー・サンバ・ナイト』で対決した相手。
- その強さと美しさを讃えた。特に臀部が良いらしい。……元が人間であるためか、女性の好みは普通のようである。
- ハンス・クリスチャン・アンデルセン、ナーサリー・ライム
- バレンタインイベントにて、マスターへのお返しとして「絵本の読み聞かせ」を行うため、専門家にアドバイスを求めていた模様。
- イスカンダル
- 自身の幕間の物語で共演。カルデア図書館の蔵書を増やすべく仲良く略奪に出かけた。
- なお、見かけに寄らずインテリで史実でも巨大な書物のコレクションを残しているという点でも共通する二人である。
- 紫式部
- 自身の幕間の物語で共演。彼女のカルデア図書館に興味を持ち、その蔵書を増やす為に奮闘した。
- その一方で余計な気遣いで、図書館の正式名称を最終的にとんでもない物にしてしまった。
生前
- アナスタシア
- 最愛の妃。自身の苦しみではなく、他人の不幸に涙する「弱さ」「余分」を持つ人間だったとか。
- マカリー司祭
- 学問の師。気性の激しい彼が頭が上がらない数少ない相手。
名台詞
Fate/Grand Order
戦闘
- 「余と楽しめ」
「余は寛大だ。骸だけは残してやる」 - 戦闘開始時の台詞。「寛容さ」と「殺意」に満ちた、矛盾の開戦宣言。
- 「
皇帝 は間違えない」 - スキル使用時の台詞。雷帝は決して間違えない。ただ、"やってしまった"後に激しく懺悔するが。
- 「うむ」
「同感だ」
「手を休めるな」 - コマンドカード選択時の台詞。配下の意見も聞き入れる理想の上司
にして、休む事を許さないブラック企業の鏡。
- 「余に、眠れというのだな……」
「我が行軍は永劫に続く。踏み砕くは神の獣―――『我が旅路に従え獣 』!」 - 宝具発動。諦観に満ちた静かさと、怒り狂う凶暴さ。矛盾を抱えし
皇帝 の心は眠り、巨象の怪物が全てを踏み潰す。
- 「殺せ殺せ殺せえええぇぇぇッ!」
- 宝具による被弾時の台詞。怒気を含んだ声色で自らを殺すように懇願する。マイルームで語った通り、自らの終焉を望んでいるのだろうか…。
マイルーム
- 「ライダー、雷帝イヴァンである。戴冠は済ませてある。余を恐れ、余にかしづき、余を罰するがいい。」
- 召喚時の台詞。凶暴性と敬虔さを持ち合わせる、矛盾を抱く
皇帝 。
- 「そうか……汝の世界でも余は狂える皇帝であったか。だが、幾許かの救いはあった。“そちらの余”は獣の肉を食む必要は無いのだろう?」
- マイルーム会話「絆Lv3」。確かに汎人類史のイヴァン雷帝も狂える王であった。だが、『人ならざるヤガ』となった己と比べると、『人』であった。
- 「汝か……まだ余の寵愛を受ける気にはならんとは。だが良い。今――『陽射し溢れる平原を、汝が駆ける夢』を見ていた。全て、それで良しとしよう。」
- マイルーム会話「絆Lv5」。それは異聞帯ではとうに喪われた情景。雷が如き
皇帝 は、そんな穏やかな世界を取り戻した後の、一人の平穏を夢見る。
- 「聖杯……聖杯に何を望むか、だと? 決まっておる――“この悪夢の終焉”だ。」
- マイルーム会話「聖杯について」。
皇帝 が見た悪夢とは人でなくなった己か、それとも未来を奪われた世界か…。
- 「汝の誕生した日か。では、大聖堂の一つでも建てねばな……。」
- マイルーム会話「誕生日」。カザン・ハン国の征服を記念して大聖堂を建立したエピソードに基づく台詞だろう。
- 「かつて愛した妃、アナスタシアとは愛の形こそ違えど、彼女にも余は寵愛を注いでいる。直截に言うと、“大切な娘も同然という事”だ。もっとも、向こうには迷惑かもしれんが……。」
- マイルーム会話「アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」。遠い時代の
皇女 に、深い親愛の情を示す。
しかし、向こうからは「目が苦手」と敬遠されてしまっている。一体何処が目なのか……。
- 「英雄王か……。王でありながら、英傑としての力も望まれるとは。神代の頃とは厳しい物だ……。」
- マイルーム会話「ギルガメッシュ」。
本編
- ――穏やかな日常を記す。
咲いた花は可憐で、嫋 やかで、
そして力強かった。ならば、お前も花だ。
この宮殿に強く咲く花。
そう言いたかった。そう言ったかもしれない。
勇気が足りず、言い出せなかったかもしれない。
それでも、余は花を慈しんでいた。
……ああ、なのに。
花の名前が思い出せない。 - とある舞踏会場で見初め、妻とし、不意に狂気に陥る夫と陰謀渦巻く宮殿の中にあって、美しく咲き続けた最愛の妻「アナスタシア」に対して。勝ち取った平和な世界で。
- 日頃から抱いていた妻への愛情と、素直に愛を示せない気恥ずかしさを表した、雷帝と恐れられる男の「人間」らしい台詞。しかし…。
- 悪い夢を見ている気がする。
これほど麗らかな光景に、どうしてそんなものを感じるのだろう―― - 本当は、どこかで気付いていたのだろう事を表す台詞。目覚めの時は近い。
- 「おお……それは……。何たる敬虔な……。」
- マカリー神父が通した、遥か遠くの辺境より拝謁に参った信者に対して。
恐怖 の怪物の威容は微睡みの中にあってなお、信者を絶句させるには十分だった。
- 「アナスタシア! アナスタシアよ! 殺戮猟兵より報告が入った!」
「余を……裏切っていたのか……!?」
「平和は、幸福は、何もかも嘘だったのか! アナスタシァァァアアアアアアアアアアァァァァァッ!」 - 仕組まれた
幻想 から覚め、皇帝が知ったのは親愛なる妻とマカリー神父が裏切り、帝位剥奪を狙っているという『反逆行為』であった。 - 平和も、愛も、民も白銀の虚偽に染まった極寒の世界で、山岳型魔獣が目を覚ます。
幕間の物語
- 「余はなぜ象なのだ。」
- 序盤に主人公とマシュの元を訪れた際に発した最初の質問。主人公も突っ込んでいるが本当に今更である。
- 「いや、よく理解できた。
汝 らには少々、酷な話であったろうが……。」
「忘れよ、とは言わぬ。だが、立ち上がるのだ。汝 らの戦いは、まだ続くのだからな。」 - 主人公達から(自身が象になった経緯含め)クリプターや異聞帯の事を聞かされた後の返答。過酷な戦いに立たされてしまった二人へ、皇帝からの精一杯の労いと叱咤激励なのだろう。
- 「余だよ。」
「……余であるぞ。」 - 主人公とマシュに地下図書館へ案内され、読書中の紫式部への第一声。
この皇帝、ノリノリである。- 「偉大なるアレクサンドリア恐るべきイヴァン可憐なる紫式部図書館。」
「これにて決定!!」 - 「地下図書館の蔵書拡大に伴い新たに名も与えた方がいいだろう」という意見の末イスカンダルと共に考え出した名称。あまりの酷さに紫式部も卒倒してしまった。[注 7]
- 「略奪である。」
- 稀覯本を探すためのレイシフトで主人公が「本を買うお金がない」と言った時の台詞。少し前にはイスカンダルが同じ台詞を言っている。
これだから皇帝と征服王は…。 - 「この思想書を読めば汝も理解できるであろうが、人の思想は様々である。そして、汝が挑戦する異聞帯も様々な形を持つのであろう。」
「恐らく、余は敗北したからこそ此処にいる。凡人類史、異聞帯双方の意識を持ちつつ、こちらの体を選んだのは――単に戦闘力のためだけではなかろう。」
「余は勝利の象徴であり、敗北の象徴。そして、次へと汝を繋ぐための英霊。」
「忘れるな、我がマスター。余は敗北者であると同時、汝を見届けるものだということに。」
「汝の在り方、汝の信条、汝の決断、汝の人としての生を、余は全て信頼するのだ。」
「裏切ってはならぬ。人理への裏切りではない。余と、余と共にそれを見届ける者たちへの裏切りを……余は決して、許さぬであろう。」 - 主人公と共に復元した思想書を手にしながらの台詞。異聞帯での自らを重ね合わせるかのような忠告である。
- 「汝は、汝の思うがままに生きよ。そしてそれを余は信頼する。」
「王が人を支配するには恐怖と報酬、そして崇拝。だが、人が王とともに戦うには唯一のものがあればいい。それが信だ。」
「そして、余は汝と共に戦うことに信以外を抱いてはいないのだからな。」 - だが、異聞帯の自分を倒したマスターだからこそ彼は信じている。この者は絶対に人理を、世界を救う事が出来ると――自分が、そうさせるに値する者だと。
イベント
- 「美味である。」
- 『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』にて。深夜テンションをキメ過ぎた二人の毒舌作家による即興童話『可哀想な象王』[注 8]内での台詞。
- 毒餌を平らげた後に平静な様子でこの一言。この
皇帝 、強い。
- 「永遠の冬の支配者。氷雪の地の象徴者。それがサンタクロースという存在であるならば、すなわち―――」
- 「サンタクロースとは
皇帝 である!」 - 『ホーリー・サンバ・ナイト ~雪降る遺跡と少女騎士~』にて、コンビを組んだアナスタシアと共に登場しながら。神羅万象ローマ理論並の
皇帝 理論。 - もっともツァーリとはカエサルのスラブ語系でローマ皇帝および東ローマ皇帝を起源としている。そのためある意味では原点回帰と言える。
- 「敵ながら見る眼のあるレスラーよ。試合後、握手に来るがよい……! それにしても臀部が良い!」
- 同上。自身と渡り合ったブラダマンテを称えつつしれっとセクハラ発言。
皇帝 は間違えないがセクハラはする。 - 化物じみた姿と難解な精神構造が目立っていた異聞帯のイヴァン雷帝だが、彼も元は人間。お茶目な冗談を口にするユーモアは、彼の"人間"としての部分の現れか。
- なおアナスタシアは、「皇帝を放り投げたくなりました」とのこと。
- 「余である。」
「これで良いか?」 - 『見参!ラスベガス御前試合 水着剣豪七色勝負!』にて。黒髭がカッコつけた発言をした途端に落雷が落ち、その後に現れた。
- なんとわざわざこの時(落雷のエフェクト)の為に黒髭が呼んだらしい。役目を終えた
皇帝 はのそのそと帰って行った。 - それにしてもこの
皇帝 、出るだけで強い。そして彼にエフェクト係を依頼する黒髭もヤバい。
- 「再び頼まれたので登場である。」
「高貴なるものに対する不敬に罰を。それは当然の処遇であるな。」 - 同上。カジノの主たるファラオが用意した防衛システムとして他の象さんと一緒に再登場。
皇帝 は間違えないし仕事を選ばない。 - その言葉には彼が黒犬兵団や非常大権を生み出したきっかけとなる「不敬を働く者達への憤り」が示されており、ギャグイベントでも彼が怒り狂う雷帝である事を再認識させられる。
- 「
皇帝 も歩けば車に当たる! やはり交通法規は大事であるな!」 - 同上。謎の女怪盗「ミストレスC」の駆るスポーツカー(元は『幻想の鉄処女』)のひき逃げアタックを喰らいながら。
皇帝 は間違えないが車に当たる。
メモ
- ステータスを見ての通り常軌を逸した巨体を誇る。5mという身長は家の二階や、それこそ大型のゾウに匹敵する。
- 原語・ロシア語においては、彼のあだ名は単に「Гро́зный」(Grozny:グローズヌィ)、「恐怖を覚えさせる」という意味の単語である。
- 英語訳でも「the Terrible」や「the Fearsome」(恐ろしい)、ドイツ語訳でも「der Schrecklich(e)」(恐ろしい・酷い)だったりと原語に忠実であり、日本や中国のように「雷帝」などと飛躍した翻訳をしたものは珍しい。
- このような翻訳が行われた理由としては、一応「Гро́зный」に「(雷や)嵐のような」という意味が含まれており、また名詞形の「гроза́」(groza:グラザー)に「雷雨・嵐・脅威・災厄」といった意味がある事が挙げられる。
- また今日までこのあだ名が定着したのは、「苛烈な暴君」「突然癇癪を起こす」といったイヴァン4世のイメージと、「雷親父」等の「雷のイメージ」に合致したこの翻訳が、そのまま日本で受け入れられたためと思われる。
- 英語訳でも「the Terrible」や「the Fearsome」(恐ろしい)、ドイツ語訳でも「der Schrecklich(e)」(恐ろしい・酷い)だったりと原語に忠実であり、日本や中国のように「雷帝」などと飛躍した翻訳をしたものは珍しい。
- FGOにおいては「本来の人類史のものではない存在」という体で登場する彼だが、「残虐だが信心深い」「癇癪を起こしたかと思えばひどく後悔する」「愛国心を持ちながら暴政を敷く」といった二面性は割と史実通りだったりする。
- アナスタシア曰く「目が怖い」らしいが、頭部が極めて複雑で形容しがたいものとなっているため、「どこが目なのか」とはユーザー間で良く悩まれている。担当イラストレーターであるdanciao氏が二部一章公開後雷帝を担当した旨をツイッターで発表した際は当然この疑問が多く投げかけられたが、「雷帝は深遠から覗いています」[出 1]とのこと。
- しかしこの問題は後のイベント「ホーリー・サンバ・ナイト ~雪降る遺跡と少女騎士~」でブラダマンテに盾の光を浴びせられた際、額を押さえた事から額にある茶色くて丸い部分が「目」である事が判明した。何気に型月初の単眼キャラである。
- かのソビエトの独裁者ヨシフ・スターリンが最も尊敬していて、参考にしたロシア史の英雄であると言われている。
- 「無限に成長する」「獣に(恐怖による畏敬だが)慕われる」「象やカバに似た怪獣」「しかしどんな動物にも該当しない(サーヴァントとしての)見た目」「作中で『神の傑作』と呼ばれる」という共通点から、イヴァン雷帝が取り込んだ山岳型魔獣とは『旧約聖書』に登場する陸の怪物『ベヒモス』である可能性が高い。
- たまに混同されるが、「イヴァン3世」は別人。雷帝から見て祖父にあたり、モンゴル帝国による支配「タタールのくびき」を終わらせたことで知られる名君であるが、雷帝は「イヴァン4世」である。