キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
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キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ[注 1] | |
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外国語表記 | Kischur Zelretch Schweinorg[出 1] |
性別 | 男性 |
身長 | 190cm[出 2] |
種族 | 人間(→死徒) |
所属 | 死徒二十七祖 |
序列 |
第四位(リメイク前) 第三位(リメイク後) |
声優 |
西前忠久(PS2版) 沢木郁也(劇場版HF・『sF』) |
デザイン | 武内崇 |
初登場作品 | 月姫 |
概要[編集 | ソースを編集]
現存する魔法使いの一人であり、第二魔法の使い手。また死徒二十七祖第三位(リメイク前は第四位)でもある。死徒でありながら真祖の協力者。
「魔道元帥ゼルレッチ」「宝石翁」「万華鏡(カレイドスコープ)」「宝石のゼルレッチ」ほか多数の二つ名を持つ。
- 略歴
-
- リメイク前
- 魔導元帥の二つ名の通り、魔術協会に通じており、大きな影響力を持つ。
- アルクェイド誕生の600年前[出 3]、「気に入らないから」という理由で「月世界の王」こと朱い月に喧嘩を売り、そのまま一騎打ちで滅ぼした物凄い人。しかし、朱い月に噛まれたことで自身も死徒となってしまう。[出 4]
- リメイク後
- 西暦以前から活動している最古の魔術師の一人であり、ソロモン王の弟子でもある。[出 2]
- 彼が並行世界の概念を証明したおかげで、夢を失いつつあった星は希望を与えられ、世界は寿命を延ばしたという。
- ソロモン王死後、神代の終わりを見届けて表舞台から姿を消した。その後、学友(ブリシサン)に手を貸して魔術協会の基部を構築した。
- 西暦300年頃に朱い月と魔術協会の戦争のおり、魔術師たちの軍隊を統括した事から魔導元帥と恐れられる事となった。
- 田舎の一族や歴史の浅い家系でなければ、子供の頃からその名前を教えられるとか、時計塔に入ると否応なしに聞くようになるとか、魔術世界では有名である。「時計塔には、大昔に魔術世界を束ねて戦った、偉い魔法使いがまだ存命している」とのこと。[出 5]
- 月姫世界
- 朱い月を撃退したものの、本来の二十七祖・第三位の死徒に突貫を受け、これを倒すも血を吸われてしまい、死徒化してしまう。以後は朱い月と敵対できなくなり、魔術の表舞台からも姿を消した。
- 二十七祖の原理血戒を受け継いでしまったため魂レベルで汚染されているので、体を移し替えても吸血鬼のまま。
- 後に真祖たちが作り出したアルクェイド・ブリュンスタッドの後見人になる。
- Fate世界
- 朱い月を滅ぼしたらしく、死徒にもならなかった。だが、不老不死的な属性は保っている。[出 6][出 5]
- 200年前の冬木の聖杯戦争の始まりの際に遠坂永人を弟子にし(実際は魔術の弟子ですらなくホテル代代わりに筋を見てやった程度の関係だが)[出 7]、遠坂家に幾つか課題や自作の魔術礼装を残した他、大聖杯敷設儀式自体にも立ち会っている。
- 現在は並行世界を放浪中につき消息不明。たまに現れては、いろいろと厄介ごとを起こし、周囲を引っ掻き回しては去るという日々を送っているらしい。
- ゼルレッチが観測した並行世界は事実になる[出 8]。故に観測する世界を選別しているらしい。
- また、魔法に関わる案件があると協会に現れ、大岡裁きをする。
- 人物
- 現存する四人の魔法使いの内、積極的に俗世に関わって揉め事を起こしてくれる傍迷惑な二人の片割れ[出 9]。
- 白髪(もとは金髪)を乱雑にオールバックにした厳ついゲルマン系顔立ちの老人。外見年齢は六十代だが、表情が若々しいので五十代にも見える。
- ガタイがよく、背筋もピンと張っていて、まさに軍隊の偉い人、みたいなステレオタイプ。
- 性格は秩序・善。外向的、強気、能動的。
- 思慮深く、全体を見ての良い未来を考える賢人。強面で他人を寄せ付けない外見をしているが、社会正義の人でまっとうな倫理観を持っている。しかし、その倫理観を自分には課さず、やりたいことをやるだけの自由人。
- 悪に義憤し、善を嘲笑う人物。『歌月十夜』では「とんでもねえほど傍若無人かつ正義のひと」「某、空条ジョータローみたいな人」と称されている。
- 基本的には「自分はもう地球という学校から卒業したOB」として自身を捉えている。なので地球が崩壊しないかぎり、その中で起きている様々な問題は温かい目で眺めているだけ。しかし、傍観者でありながら口出しをし、かつ自分に火の粉がかかると分かれば全力で大人げなく阻止する。
- 二十七祖になってからは朱い月の考えも分かり、余計に毛嫌いするようになった。反面、二十七祖のシステムを理解し、他の祖たちの在り方を知ってからは吸血鬼嫌いではなくなって、あえて静観している。大規模の悪さをしなければ死徒の出来事は介入しない。
- 人間世界の最高位魔術師として、真祖たちも彼を重く見ていた。彼も西暦以前から生きている人間のよしみで、真祖たちの相談を受けていた。
- 朱い月との対決は人生最大の見せ場であり、その後始末として「朱い月」に関する事だけは積極的に様子を見に行ってしまう。アルクェイドの誕生を言祝いだのは彼女が自分にかわって「朱い月問題を終わらせる」因子だったからという。
- 魔法使いとして様々な国で弟子をとっているが、その尽くが破滅に至り[出 4]、未だに後継者は現れていない[出 10]。ただしこの結果は「魔法使いの弟子」としての場合で、「魔術師の弟子」の場合はその限りではない[出 7]。
- 魔法使いとしての責任感が重く、人類に対して面倒見が良い。大聖杯の敷設儀式に立ち会ったのも、その理念と正当性を保証し、また他の魔法使いの横やりが入らないようしたり、失敗した場合に自らの手で始末をつけようとしたりする為である。[出 5]
- 能力
- 宝石魔術の祖であり、鉱石に関わる魔術の頂点。エネルギーを安定・構築させるエキスパート。
- 鉱石に魔力を蓄え、安定させ、これを様々な生活・文明補助に使う。仮に地球が神代世界のままだったら彼は宝石だけでロケットを飛ばしていたかもしれない。
- 第二魔法「並行世界の運営」に至った、現存する魔法使いの一人。
- 当然その能力は破格で、「並行世界を行き来し、運営できる」「観測した平行世界が強制的に事実として扱われる」「平行世界から無限の魔力を集めて使う(宝石剣ゼルレッチ)」「並行世界にいる同一人物の可能性が持つ能力をインストールさせる(カレイドステッキ)」など様々なことが可能。その最たるものが朱い月のブリュンスタッドの「月落とし」に対抗して使用された、ゼルレッチだけが使える特殊な魔方陣展開法によって放たれる「無尽エーテル砲」である[出 7]。ロアは朱い月の敗因を「魔法に対して勉強不足だった」と分析している。
- もともとは生身で並行世界移動をしていたが、色々あって「違う時間軸の地球にある宝石に転移する」という方式に落ち着いた。仕組みとしては、まず転移先の世界にある宝石がゼルレッチのカタチになるまで集まって、そこにゼルレッチの魂が転移する。瞬間、宝石ゴーレムはゼルレッチに変身する。本人の魂は一つきりなので、この時点で元の世界にいたゼルレッチは元の宝石の山に戻る。鉱石・宝石が存在する世界ならどこにでも移動できる。また、この移動法に多少の時間誤差が生じるため、時間移動もちょっとだけなら可能となっている。[出 2]
- 記録の改竄、事象の書き換え等はすなわち並行世界の運営にあたるため、時間旅行の概念は第二魔法に含まれると言われている。
- 朱い月との戦いで死徒化したあとはめっきり老け込み、全盛期ほどの魔法行使は出来なくなっている[出 10]。
- また降霊術の大家でもあり、これが土地共々、遠坂家が大聖杯製造に呼ばれた理由になっている。
- 魔術礼装をいろいろと残しており、宝石剣ゼルレッチとカレイドステッキとケータイさんの製作や、「宝石による近接格闘礼装全種」なる魔導書の執筆、さらには「魔法使いの箱」こと喫茶店アーネンエルベの設計などに関わっている。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
月姫[編集 | ソースを編集]
Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]
- Fate/stay night
- 遠坂家にとっての大師父。Heaven's Feelルートで何度か言及される。
- タスクオーナ版では200年前の様子が断片的に描かれた。
- 劇場版「HF」第3章では大聖杯の錬成そのものに関わっており、宝石剣を用いて大聖杯の本体を作り上げた。
- Fate/hollow ataraxia
- カレイドスステッキ製作者として名前だけ登場。ルビー曰く「クソじじい」。
- Fate/strange Fake
- 「偽りの聖杯戦争」をよりよい到達点に導く為に、観測(介入)を行う。
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- 凛とルヴィアを弟子候補に考えている。成績優秀な問題児であった二人に対し、「解決できたら直属の弟子にする」という条件でカレイドステッキを持たせて日本へ派遣した。
- アニメ版では、椅子に座った後姿が確認できる。
人間関係[編集 | ソースを編集]
- アルクェイド・ブリュンスタッド
- 彼女の後見人。
- 朱い月のブリュンスタッド
- かつて気に入らないから喧嘩を売った相手。
- 打倒は叶ったものの、彼の影響を受けて死徒になってしまった。
- コーバック・アルカトラス
- 旧知の仲。『Fate/strange Fake』では彼と会話している。
- ソロモン
- 魔術の師匠。
- ブリシサン
- 魔術の兄弟弟子。
- 後にソロモン没後、魔術協会を創設するのに協力した。
- 遠坂永人
- 門下生。
- 遠坂時臣
- 門下生の子孫。
- 遠坂凛
- 門下生の子孫。
- 『Fate/stay night』のHeavens' Feelルートのエピローグでは結果的に彼女の窮地を救うことになった。
- プリズマ☆イリヤの彼女は弟子候補になっている。
- マジカルルビー
- 第二魔法を応用して作った、杖型の魔術礼装に宿る人工天然精霊。
- ケータイさん
- まほうつかいの箱に登場する魔術礼装。製作した意図などは不明。
- フランチェスカ・プレラーティ
- かつて「ギャフンと言わせた」相手。
- 『Fate/strange Fake』第一巻で黒幕と見なしている「注目が集まれば集まるほど喜ぶ馬鹿」も彼女のことと思われる。
- フラット・エスカルドス
- とある世界では面識があると思しき魔術師。
- エスカルドス家の祖先について知っており、彼のことは「エスカルドス家1800年の大望が成った存在」と認識している。
- メサラ・エスカルドス
- 上記のフラットの祖先であり、エスカルドス家の祖。
- 彼の願望に賛成こそしなかったが真剣に耳を傾けていたとか。
- マジカルサファイア
- 『プリズマ☆イリヤ』ではカレイドステッキに宿る人工天然精霊。マジカルルビーと対になる形で作成された。
- ロード・エルメロイⅡ世
- 『プリズマ☆イリヤ』では報告を受ける部下のような存在。魔術師としての師弟関係は描写されていない。
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- 『プリズマ☆イリヤ』での彼女は弟子候補になっている。
名台詞[編集 | ソースを編集]
- 「いつか気がつく。君の人生は、目が覚めているだけで楽しいのだ」
- アルクェイドの成人の儀に立ち会った際に彼女にかけた言葉。彼女はその意味を、数百年を経て見出すこととなった。
- 「この軸は違うな……、この偏光線も全滅か……」
「おう、このカッティングはなかなか……いや、最悪だ。大蜘蛛めが目覚める。対応するには百年足りん」 - 『Fate/strange Fake』にて、スノーフィールドの事件を観測しながらの独り言。宝石を角度を変えつつ検証するように世界を観測してゆく。
- どうやら聖杯戦争の道筋次第では大蜘蛛が暴れ出すという人類絶滅ENDもあるらしい。そして人類は百年後であればそれに「対応」できるということだろうか。
- なお、「この偏光線も~」や後半の台詞である「大蜘蛛め~」は原作者である奈須きのこ氏によるもの[出 11][出 12]。
- 「約束どおりお前たちを弟子に迎えるのはやぶさかではないが… 魔術を学ぶ前にお前らには一般常識が足りておらん」
「幸い日本は『和』を重んじる国じゃ 留学期間は一年 喧嘩で講堂をブチ壊すような性格を直してこい 弟子にするのは…それからじゃな」 - 『プリズマ☆イリヤ』第一期ラスト。カードを全て回収したと報告する凛に対して。
- 言っていることはもっともなのだが、朱い月に気分で喧嘩を売った過去があるだけに「お前が言うな」と言いたくなってくる。
- 尚、アニメにおいてこの台詞は全てロード・エルメロイⅡ世づてであり、本人の喋っているシーンは無い。
- 「人が空想できること全ては起こり得る魔法事象」
- 『プリズマ☆イリヤ』でマジカルルビーが語ったゼルレッチの言葉。
- 元ネタはフランスのSF作家ジュール・ヴェルヌの言葉「人が空想できる全ての出来事は、起こりうる現実である」。
メモ[編集 | ソースを編集]
- 蒼崎姉妹同様、TYPE-MOON世界のつながりを示唆するキャラクター。
- 「彼の弟子になる」=「ほぼ確実に廃人になる」という事なので、『Fate/stay night』桜トゥルーエンドでの魔術協会の協議の内容とは詰る所、「どうしよう。一番有能な奴じゃないと戻ってこないけど、一番有能な奴が使い物にならなくなったらソレこそ大損害だ」と、いったものである。
- 廃人になるのは彼が「魔法使いの弟子」にしようとした場合で、「魔術師の弟子」にするつもりならそうでもない。
- なお、遠坂永人に宝石剣の設計図を宿題として残したのは「魔法使いの弟子」にしようとしたのではなく、遠坂家には絶対無理だろうけどこれを目標として頑張っていくようにという単なるご祝儀であり、永人は宿賃代わりに少し筋を見てやった程度の門下生に過ぎず「魔術師の弟子」ですらない。
- 廃人になるのは彼が「魔法使いの弟子」にしようとした場合で、「魔術師の弟子」にするつもりならそうでもない。
- 「学部を作った初代の名前ぐらいのニュアンス」であるという時計塔の学部ごとの別名において、鉱石科の名前は「キシュア」となっている。彼のことを指していると思われるが関係は不明。
- 魔術協会のそもそもの成立目的が「ソロモン王の偉業を学問として残していこう」というソロモンの弟子のひとりであり後に時計塔院長兼伝承科のロードとなったブリシサン他の意志であったため、同じくソロモンの弟子であったゼルレッチが設立に関わっている可能性も高い。
- 人物を評して「某、空条ジョータローみたいな人」とされるが「究極の生物と戦って勝つ」「吸血鬼に血を吸われた後老け込む」など、その祖父ジョセフとも共通点が多い。
話題まとめ[編集 | ソースを編集]
- カレイドスコープの人
- Fate/Grand Orderでは、2018年9月時点では作中には一切登場していないものの、サービス開始当初から実装されている★5概念礼装「カレイドスコープ」のイラストでのみ登場している。
- これが「装備しているサーヴァントのNPを80%(最大解放時は100%)チャージした状態でバトルを開始する」という効果なのだが、イベントなどでバトルの効率的な周回が日頃から要求されるFGOにおいて、宝具の即時使用に直結するこの効果は非常に有益であり、そしてこの効果を完全に代替できる礼装は他に存在しない(一応、下位にあたる「虚数魔術」を最大解放するとNPを75%チャージするという限りなく近い効果になるのだが、NPを増やす手段に効果が+20%止まりのものが多く、それを超えるスキルの所有者が限られているため、80%と75%の差は見た目よりずっと大きい)。
- というわけで、サービス初期から2022年現在まで常に最高峰の概念礼装として扱われ、大半のFGOプレイヤーがお世話になるか入手を切望するイラストの人物として、ある意味屈指の存在感を放っている。
- 魔法使いの概念礼装なだけはあるといったところだが、なにぶんゼルレッチは近年表舞台への露出がめっきりなくなったキャラクターであり、TYPE-MOON作品に詳しくないプレイヤーにしてみれば「最強クラスのカードのイラストが謎のジジイ?」という感想にもなるところだろう。
- 後の2021年に初期実装の概念礼装について、同様のキャラクターで効果等を変更した別のイラストの概念礼装が実装されるようになり、8月には彼が描かれた★5概念礼装「魔道元帥」が追加された。しかしながら、こちらの効果も「カレイドスコープ」と全く同様[注 2]であった。
脚注[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
出典[編集 | ソースを編集]
- ↑ Fate/complete material II Character material
- ↑ 2.0 2.1 2.2 「型月稿本」 p.33-35
- ↑ 『歌月十夜』
- ↑ 4.0 4.1 「月姫用語辞典-死徒二十七祖」『月姫読本 PlusPeriod』p.181。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編
- ↑ 「ロード・エルメロイII世の事件簿 material」 p.21
- ↑ 7.0 7.1 7.2 『TYPE-MOON Fes. オフィシャルパンフレット』。
- ↑ 「奈須きのこ一問一答-本編枠外の質問」『Fate/complete material Ⅲ world material.』p.136。
- ↑ 「不可能を可能にする"魔法"」『Fate/complete material Ⅲ world material.』p.48。
- ↑ 10.0 10.1 「Fate用語辞典-キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ」『Fate/side material』p.58。
- ↑ 「Fate/strange Fake」『TYPE-MOON エースVol.10』p.75。
- ↑ 成田良悟Twitter2017年12月31日。