ベディヴィエール (Grand Order)

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セイバー
真名 ベディヴィエール
外国語表記 Bedivere
異名 隻腕の騎士、銀の騎士
性別 男性
身長 187cm
体重 88kg
(体重の内10kg以上が銀の腕によるもの)
好きな物 蒸した野菜
苦手な物 特になし
出典 アーサー王伝説
地域 イギリス
属性 秩序・善
副属性
一人称
二人称 貴方
三人称 彼/彼女/○○殿/○○様
声優 宮野真守
演者 佐奈宏紀
デザイン 天空すふぃあ
設定作成 奈須きのこ
桜井光
レア度 ☆3
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要[編集 | ソースを編集]

剣士」のサーヴァント

略歴
第六特異点『神聖円卓領域 キャメロット』では西暦1273年のエルサレムにとある目的のために来訪。獅子王、及びかつての同胞である円卓の騎士達に立ち向かうため、当初は一人で行動していたが、聖都を訪れた難民を虐殺する円卓と、それを阻止しようとする主人公たちに加勢し、以後行動を共にする。
最終盤にて「聖槍を武装したアーサー王」である獅子王に聖剣の返還を成し、彼女から労いの言葉をかけられた彼は、穏やかな笑顔を浮かべながら死を迎えたのであった。特異点の消失によりその記憶や記録は消滅するが、その功績により英霊の座に召され、カルデアへと召喚される。
人物
銀色の義手を付けた、銀髪緑眼の中性的な顔立ちの騎士。
人格者かつ常識人。円卓の騎士として実力不足なのを自覚しており、そのことについては自虐的。旅に関しては自信があるようで、目的地の位置さえ分かれば方角を間違えることはないとのこと(あくまで方向感覚の話であり、目的地に目的とするものがあるかは別)。食材の目利きに自信があるが、栄養は変わらないとしてワイバーンや大目玉の怪物であるゲイザーを狩って食料にするなど、食べられればゲテモノ相手にも躊躇がない。ただ、それはブリテンの食料事情があってのものであり、好きな食べ物に「蒸した野菜」を挙げるなど感性そのものは普通。また、基本的に真面目で堅い性格だが、まじめ一辺倒というわけでもない。
礼装「ナイツ・オブ・マリーンズ」の解説を見る限り、実力に引け目は感じていても他の円卓の騎士とは対等に接しており、問題の多い円卓の騎士たちのまとめ役をすることもある模様。
アーサー王への忠誠心は人一倍強く、マイルームでの台詞の多くが王にまつわるものであることがその証左。執事役として傍にいることも多く、そういった点が他の騎士とはやや異なる視点・回答を得るにいたった理由と思われる。
能力
隻腕でありながら他の騎士の三倍の強さを誇ったと言われるが、それはあくまでも通常の騎士と比較しての話であり、人を超えた英雄たちの集う円卓の中にあって「ただひとりの人間」だったと評される。
本編では他の円卓の騎士との実力差を補うためにケルトの戦神が用いた「銀の腕」のレプリカをマーリンから授かった。
ただ、聖剣の加護によって1500年という永きを孤独に生き続けた後もその本質を見失っていないなど、並外れた精神力を持っている。

ステータス[編集 | ソースを編集]

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
セイバー 主人公 (Grand Order) A B A+ C B A 対魔力:B
騎乗:A
軍略:C
騎士の軍略:B
沈着冷静:B
守護の誓約:B
ステータス表記は宝具による上昇分を計算済み
強化クエストクリアで「軍略」→「騎士の軍略」に変化。

宝具[編集 | ソースを編集]

剣を摂れ、銀色の腕(スイッチオン・アガートラム)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
隻腕を補うためにとマーリンによって与えられた銀色の腕。10kg以上の重さを持つ「銀の腕」。
ケルトの戦神ヌァザが用いたという神造兵装「銀の腕」そのものではなく、神話と同じ名を与える事で存在を裏打ちされた仮初めの宝具。
常時発動型の宝具。普段は人間並みの出力だが、戦闘用起動を行う事で、筋力、耐久、俊敏のパラメータが上昇し、白兵攻撃にもボーナスが加算される。(ステータス表記は上昇分を計算済み)
現象生命に近く、通常の攻撃ではとどめを刺せないスフィンクスを倒すことができ、また"聖杯を断つ"能力で聖杯(ホーリーグレイル)の加護を破ることができる。その神秘は神霊クラスとも獅子王にギフトを授かった円卓の騎士と対等とも言われる。
何故これほどの力と神秘を有しているのかといえば、その理由は作成に用いた素材にある。それはベディヴィエールの罪の証、即ち「あの時返すことが出来なかった『星の聖剣』」エクスカリバーである。
ガウェインの宝具『転輪すべき勝利の剣』を押し退けるだけの威力を持つが、ただの人間であるベディヴィエールでは使用に耐え切れず、使う度に「魂を全焼させる」と例えられる程の苦痛が襲い、肉体が内側から焼け焦げ、やがて土塊のように崩れ落ちていく。
『Fate/Grand Order』第六特異点の定礎復元後に今回限りの特例として英霊の座へ登録され、カルデアに召喚されたベディヴィエールが持つこの宝具は聖剣そのものではなく仮想聖剣となる。例外的に座に登録されたばかりのいわば「最も新しい宝具」の一つ。マスターとサーヴァントの繋がりと絆で発動し、魂を削るデメリットはなくなっている。
『Grand Order』では「自身のBusterカード性能をアップ(1ターン)<オーバーチャージで効果アップ>&敵単体に超強力な攻撃[Lv]」という効果のBuster宝具。
幕間の物語クリアでC+ランクに上昇し、宝具威力倍率が上昇する。
一閃せよ、銀色の腕(デッドエンド・アガートラム)
ランク:A+
種別:対人・対軍絶技
レンジ:1~40
最大捕捉:300人
膨大な魔力を秘めた銀の腕を用いて振るわれる絶技。
宝具『剣を摂れ、銀色の腕』の戦闘用起動時のみ、使用が可能となる。
敵陣を瞬速の「手刀」によって一閃せしめる対人・対軍殲滅攻撃。その一閃は鮮烈な斬撃として叩き込まれるだけでなく、その奇跡が黄金の輝きと共に空間を裂く。
『Grand Order』で使用する宝具名としては『剣を摂れ、銀色の腕』だが、攻撃時はこちらの宝具名を叫ぶ。

真名:ベディヴィエール[編集 | ソースを編集]

円卓の中に名を連ねた、最古参の騎士の一人。アーサー王への忠義は本物で、王の輝きに魅せられ、「この王に剣を預け、力になろう」と邁進し、若輩の身でありながら王の近衛にまで登り詰めた。
しかし、どこかおかしな点が散見されており、元同胞の騎士達からも違和感を覚えられている。何よりある世界ではただの一度も笑顔を見てないのに対し、この世界の彼は回想でアーサー王の笑顔を見たことがある。そして、獅子王と対峙した際にその真相が判明した。
そう、彼は『stay night』の世界のベディヴィエールではない。それどころか、英霊でも、デミ・サーヴァントでも、疑似サーヴァントでもない。霊基反応が皆無で、魔術回路も人並み、これが表すモノは一つ。彼はまだ亡くなっていない過去の人間であり、「湖に聖剣を返還できなかったifのベディヴィエール」。
どこかで有り得た並行世界では、アーサー王を惜しむあまりに三度目の返還でさえ躊躇った彼が森に戻った時、王の姿は消えていた。彼は自分が聖剣を返還しなかったばかりに「王はアヴァロンへ行けず、彷徨える亡霊になってしまった」ことに気付く。エクスカリバーの加護によって不老となった彼は聖剣の返還のために、この世のどこかに居るであろう騎士王を探して1500年もの長い年月、世界を旅し、遂にはアヴァロンの末端に到達した。しかし、その時には最早生きた屍と化しており、生きているが動くことはできない「人型の岩」というべき姿に成り果てていた。肉体は酷使し続けた事で指一本動かせないほどボロボロに朽ち果て、魂は動かなくなった肉体を動かす燃料として使い切ったことで燃え尽きたが、しかし真っ先に砕けるはずの精神は執念によって土壇場でつなぎ止められていた。
彼は人理焼却と獅子王による聖都エルサレムの支配にあって、戦いの結果がどう転ぼうとも、残された魂は使い果たされ、存在そのものが消滅すると知ってなお、自分のせいで変質してしまった彼の王のために再び立ち上がる。その覚悟を汲んだマーリンはただの人間である彼に円卓の騎士たちと戦える力「返せなかった聖剣」を与え『Grand Order』の世界にある特異点へと送り出した。
最終盤にて「聖槍を武装したアーサー王」である獅子王に聖剣の返還を成し、彼女から労いの言葉をかけられた彼は、穏やかな笑顔を浮かべながら死を迎えたのであった。特異点の消失によりその記憶や記録は消滅したが、その功績により英霊の座に召され、カルデアへと召喚されたのであった。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order
第六特異点『神聖円卓領域 キャメロット』の開幕に伴い、サーヴァントとして実装。ストーリーガチャ限定サーヴァントであり、同章クリア後ガチャに追加される他、クリアボーナスとして一騎確定で入手できる。
第六特異点のキーキャラクターであり、ストーリーでもそれに相応しい活躍を見せていたものの、それがガチャにおいては弊害も起きてしまう事態に(後述)。
劇場版アニメ『神聖円卓領域 キャメロット前編』の公開に伴い、モーション改修と正装姿の霊衣「シルバー・バトラー」が実装された。

人間関係[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order[編集 | ソースを編集]

獅子王
第六特異点におけるラスボスであり、かつての主君。その正体は「ベディヴィエールが聖剣エクスカリバーの返却を行わなかったif」におけるアーサー王。聖剣を返却出来なかったのは彼女を死なせたくない一心からだったが、それが結果的に死ねない存在にしてしまったことを深く悔やんでいる。
第六特異点の物語はベディヴィエールが彼女の最後の命である「エクスカリバーの返還」を今度こそ果たすための物語でもあり、そのためだけに、永い時をかけて旅をしてきた。
主人公 (Grand Order)
第六特異点での同行者。誤解により砂漠でニトクリスと一悶着あった際、その状況を見かねて一度手を貸すも獅子王に会うという目的を果たすため別れる。
その後聖抜の儀を利用して聖都に侵入しようと機を窺っていたが、聖抜の選定から漏れて虐殺されゆく難民達を救うために立ち上がった主人公たちの姿を目撃し、忘れていた騎士の誇りを取り戻して助太刀。以降は本格的に同行者として仲間に加わり互いに信頼を深めていくと共に、主人公と出会えたからこそ王の前まで辿り着けたと深く感謝している。
マシュ・キリエライト
第六特異点での同行者。彼女と一体化した英霊の正体に気付き、ある意味では円卓の騎士の後輩にあたる彼女に対してその在り方を尊く思うとともに宝具を使う上での心構えを説いている。 マシュの方も自身の旅の結末が無意味なものになるのではないかという恐怖に涙を流すベディヴィエールを励ますなど、主人公とは違う形での先輩後輩の関係として互いに影響を与え合った。
彼の真実を知った後は涙を流しながらも最後まで共に戦い、主人公と共に聖剣返還の達成と最期を見届けた。
ロマニ・アーキマン
第六特異点での協力者。毎回初対面の同行者から辛辣な評価を受ける彼に対し、初めて好意的な評価をした事で喜ばれている。
そして、彼が自分の真実を知った時にはかなり驚き、義憤を露わにした。
ハサン・サッバーハ〔呪腕のハサン〕
第六特異点での同行者。ベディヴィエールは獅子王の配下ではないとはいえ、かつての仲間である円卓の騎士達によって彼の仲間達が迫害されて命を落としてきた事を申し訳なく思うが、同時にそんな自分を戦友として受け入れ、色々抱えている事情を察して気に掛けてくれる彼に対して深い感謝の念を抱いている。
アーラシュ
第六特異点での同行者。
千里眼によって比較的早い段階からベディヴィエールが隠している事柄を見抜いており、さりげなく体調を気遣う、忠告をするなどして最後まで気に掛けていた。
アルトリア・ペンドラゴン〔ランサー〕
上記の獅子王との経緯を覚えているためか、マイルームでは過剰に彼女の面倒を見ようとしているらしく、彼女から窘められると泣いてしまうほど。
もう一人のアーサー王
異世界から来た男性のアーサー王。彼の幕間で共演。
似たような境遇のためか、カルデア内での数少ない交流相手だった。
アストライア
彼女の幕間で共演。
自身が抱えていた罪悪感というわだかまりを精算するため、主人公の夢に現れた。
アストライアのギリシャ神話における『銀の時代』(統治が大神クロノスからゼウスに変わり、人々が糧を得るため労働や規則が出来始めた時代)に該当する。奇しくもこの幕間は、第六特異点の劇場版前編放映後に実装された。
ブリトマート
彼女の父であるアーティガルの最期に立ち会っており、その時の様子を語っていた。
その後も彼女とは親交が続いている模様。
なお、ブリトマート〔オルタ〕の事を考えると発言時のトーンも合わせてアーティガルの最期は幸福なものではなかったようである。

生前[編集 | ソースを編集]

アーサー王
王。staynightの世界線では最後の瞬間までアーサー王が女性だと気づいていなかったが、安らぎを得た姿に王が少女であったことを確信する。
第六特異点における世界線では、他の同胞達の様にこれといった取り柄も力量もない自分が何故「円卓の騎士」に選ばれたのか悩んでいた所、その優しさと気遣いを見込まれたのだと笑顔を浮かべながら言われた事が彼の心の支えとなっていた。
ガウェイン
同じ円卓の騎士。共に最後まで王に仕えた騎士だが、二人がアルトリアに望んでいる物は相反するものだった。
ランスロット
同じ円卓の騎士。愚直なまでに王に仕えた同志。しかしランスロットの忠義は運命の悪戯によって歪んだ方向に傾いていく。
トリスタン
同じ円卓の騎士。親友と言える程仲が良い。それゆえに、『Grand Order』では彼の変り様に憤りと動揺を隠せなかった。
また、礼装での説明文から、仲が良い故に他の騎士よりもフランクな扱いをしている様子で、「監視していないと真面目に仕事をしない」と業務態度についてはまったく信用していなかった。
モードレッド
同じ円卓の騎士。結果的に袂を分かつことになってしまったが、「王に人間としての顔を見せて欲しい」と願った者同士。
ベディヴィエールから見た彼女は、「口が悪く、態度が悪く、性根が悪いだけで、密かにいいところもある騎士」とのこと。
アグラヴェイン
同じ円卓の騎士。当初は彼を嫌悪していたが、後に彼が裏でどれほど奔走していたのかを悟って考えを改めている。
パーシヴァル
同じ円卓の騎士。第六特異点では邂逅する事がないままだったが、カルデアにおいては正体について何となく勘づかれている模様。
ガレス
同じ円卓の騎士。「ガレスちゃん」と呼んでいる。
生前でも特異点でも悲惨な末路を迎えた事を覚えている故か、カルデアに喚ばれかつての仲間達と共に過ごす姿を見て安堵すると同時に涙ぐんでいた。
マーリン
彼から聖剣を素材とした「銀の腕」の模造品を受け取り、更に自身の正体がバレないように霊基状態を誤魔化す魔術を掛けて貰った上で特異点へと送って貰った。
優秀な魔術師として信頼はしているものの、彼の人柄そのものは苦手としていた様子。
ヘレナ姫
ブルターニュ王の姪御。麗しさで知られた。
ブルターニュのモン・サン・ミシェルに住まう巨人種によって攫われてしまい、ベディヴィエールが駆けつけた際は既にその若い命を散らせてしまった。
アーサー王と同じく大切な方であり、それだけ彼女の死が彼に遺恨を残し、同時にこの命に代えても守り抜くという誓いを立てた。
ルキウス・ヒベリウス
かつて円卓の敵として戦ったローマ皇帝。「ブリタニア列王史」では彼に殺されたとされるが、実際は負傷で済んでいる。
長き旅路の果てに何も為せなかった自分はもはや死んだも同然だと思っており、自分を殺したという敵将の名をあえて偽名として使った。

名台詞[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order[編集 | ソースを編集]

戦闘[編集 | ソースを編集]

「我が魂喰らいて奔れ、銀の流星! 一閃せよ、銀色の腕デッドエンド――アガートラム!!」
宝具発動。魂を燃やし尽くし、力として放つ聖剣の一閃。

マイルーム[編集 | ソースを編集]

「セイバー、ベディヴィエール。
 此よりは貴方のサーヴァントとなりましょう。
 それが、我が王の御為になるものと信じて」
召喚時。彼は人類最後のマスターのサーヴァントとなった。それこそが1500年生きて聖剣返還を成し、人理修復に貢献した騎士への報酬なのだろう。
「貴方はどこか、我が王に似ています……そう感じるのです。許されるならば、私は、改めて貴方へも剣を捧げたい……」
絆Lv.5における台詞。
主人公もまた『誰かの幸せを見て笑顔になる』人なのだと気づき、かの騎士は彼/彼女を守りたいと願う。
「主従とは人と人の関係であると同時に、運命に等しいものであるのでしょう。少なくとも、私にはそうです…」
マイルーム会話。生前の騎士王との出会い。そして今のマスターたる主人公との出会い。どちらも彼にとって忘れることの出来ない、大切で強烈な巡り会い。
「我が王。ブリテンならぬ地であっても、我が忠誠は変わらず貴方に捧げられています。王よ…」
アルトリア・ペンドラゴンおよび派生関係者所有時。
銀の騎士の一番の心は、いつ何時までも騎士王の傍らにある。
「円卓の騎士たち!共に轡を並べるこの時を私は夢見ていました!」
円卓の騎士関係者所有時。
同胞との再会を喜ぶ歓喜の声。第六特異点での両者の関係を踏まえると、より感慨深く聞こえるセリフである。
「叛逆の気配が!ああいやしかし、モードレット卿は口が悪く、態度が悪く、性根が悪いだけで……。密かに良いところもある騎士です。偏見は良くない、ような…」
モードレッド所有時。
彼女の長所を必死に思い出そうとはしているが、かえって逆効果になっている。彼にこう言わせるモードレッドの方もアレだが…
「あぁ、ガレス卿!そうですか…あなたも遂にここに。ああ。ランスロット卿には?ガウェイン卿には?ええ、ええ…。そうですか──あ、いえ。ご心配には及びません。目に、ホコリが入ってしまっただけですので……」
ガレス所有時。
生前も第六特異点でも悲惨な最期を迎えてしまった少女騎士が、師や兄妹達とカルデアで楽しく過ごす姿にひっそりと涙ぐむ。
「パーシヴァル卿!お、おや、何をそんなに目を丸くして?あぁ、この右腕ですか……話すと、長くなるのですが……。私は、正確には、あなたの歴史の軸にあるベディヴィエールではなく……ああ、いえ。混乱させるつもりはないのです。はい、お話いたします」
パーシヴァル所有時。十中八九『銀の腕』に驚かれての台詞。
第六特異点におけるパーシヴァルは獅子王派の円卓の騎士と対立し破れた事で終わりを迎えているため、カルデアにいるベディヴィエールが何者なのかも、何故この腕を手に入れたのかも、自身が消えた後あのキャメロットで何があったかさえ知る由もない。だが、全てを聞かされた彼はきっと泣きながら銀の騎士の功績を讃え、その苦労を労ってくれる事だろう。
「ああ。異なる世界の我が王よ、ごきげん麗しく。どうでしょう…もしもご都合よろしければ、お話しなど…」
アーサー・ペンドラゴン所有時。
人理再編のために集った、同じ『異世界の稀人』同士の会話。アーサーの世界のベディヴィエールもまたこのような人物だったのだろうか……

本編[編集 | ソースを編集]

「何を犠牲にしようと、私は今度こそ―――」
「今度こそ。」
「この手で、我が王を殺すのだ」
第六章プロローグにおける独白。肉体は朽ち果て、魂は燃え尽き、精神も尽き果てる寸前という有様になるほど長い長い旅を歩んできた。
ようやく訪れた旅の果て、ただ一つの目的だけを見据えてベディヴィエールは砂の大地を歩き出す。
かつての友との戦うことになろうとも。かつての罪と対面することになろうとも。全てが終わった後に魂は輪廻の枠から外れ、自らの存在が虚無へと落ちることが決まっていても。「今度こそ王を死なせる」。全てはただそれだけのために―――
六章のTVCM第二弾でも流れたセリフであり、一体どのような展開になるのかとワクワクしたユーザーも多かったとか。
「円卓、アーサー王語録、その八!」
「"栄養は ゲテモノ肉でも 変わりません!"」
「マシュさん!復唱をお願いします!」
撃破したワイバーンやゲイザーを調理しようとする前にのたまった一言。真面目に見えて意外とノリも悪くない性格が垣間見える。
まぁ食感は兎も角、料理の出来はそれなりに良く難民達からは好評だったことを付け加えておく。
ちなみにこの台詞、彼の幕間の物語でも登場しているため、どうやらその場のノリではなく本当に存在するものらしい。何言ってんですかねこの腹ペコ王は。
―――夕暮れに、金砂のような髪が揺れている。
私はこの時、ようやく王の真実に触れた気がした。
騎士たちはもうずいぶんと王の笑う姿を見ていない、と恐れていた。そうではない。そうではないのだ。
この王は己の事で笑うのではなく。
他人ひとの幸福な姿を見て、穏やかに微笑むのだと。
遠い昔のある夕暮れ、物見の塔で一人黄昏ていたベディヴィエールと彼の王が交わしたやりとり。長い時を生きてきた彼の胸に今も残る鮮明な記憶。
何故自分のような取り柄のない騎士が円卓の騎士に選ばれたのか、というかねてからの疑問に対して多くの役割が必要なのだと王は説く。
卿は人々の暮らしをつぶさに感じ取ることの出来る心細やかな騎士なのだと。
その言葉に対し当時の自分が返せたのは平凡な答え、しかしそれを満足げに楽しそうに語る姿に騎士王は穏やかに微笑んだ。
「……いえ、アグラヴェイン卿は以前の円卓でも、騎士たちに嫌悪と恐怖を抱かせていました」
「今回もそうなのだな、と。
 そう確認しただけです」
「まさか。補佐官殿が悪党であったのなら、キャメロットは立ち行かなかったでしょう」
「……アグラヴェイン卿はなぜか、人に好かれようとしないのです。その結果、周囲から冷血な人間と見られたのです」
「卿とは血縁にあったガウェイン卿、ガヘレス卿、ガレスちゃんですら、補佐官殿を誤解していた程に」
アグラヴェインへの見解。
……なのだが、その中にさらりとガレスの二人称という名のとんでもない爆弾を投下していった。
後に、竹箒日記に挙げられた前日譚[出 1]でガレスは女性であることが明言された。
「ギャラハッドは円卓一のてんね、いえ、人格者。人を見る目にかけては随一です」
ギャラハッドの気質が窺えるが、思わず口を滑らせかけた。
「……そう。私は罪を犯しました。」
「王を失いたくないという思いで、あまりにも愚かな罪を。」
「あの森で私は貴方のめい躊躇ためらった。」
「聖剣を湖に返しては、貴方は本当に死んでしまう。」
「それが怖くて―――」
三度目・・・ですら、聖剣の返還ができなかった。」
これまでにあった疑問点及び齟齬の真相にして、かつての自分が犯し、悔やみ続けてきた最大の罪。
王に死んでほしくない」。それ自体は誰も責めることの出来ない優しいものだったが、その願いは新たな悲劇を生んでしまった。
「さあ○○、最後の指示を」
「どうか私に、四度目の機会をお与えください。」
「聖剣は善き心を持つ者の手で、あるべき者の手に渡るもの。」
「―――私では、もうその資格がないのです。」
長い旅路の果て、遂に訪れた四度目の機会。かつて果たせなかった王の命を今度こそ果たすべく、忠節の騎士が立ち上がる。
その覚悟と忠義に、主人公は悲しみをこらえて最後まで共に戦うことを決意する。
「―――はい。
 それが私のできる、唯一度の、王へのご奉公なれば。」
聖剣により1500年の時をさまよい続けた忠節の騎士の全ては、聖剣を返せば何かもかも終わる。それを成しても何も報われないのは分かっている。それでも―――
「それは、あの日の貴方の笑顔を、いまも覚えているからです、アーサー王。」
「……円卓の騎士を代表して、貴方にお礼を。」
「あの暗い時代を、貴方ひとりに背負わせた。あの華やかな円卓を、貴方ひとり知らなかった。」
「……勇ましき騎士の王。ブリテンを救ったお方。貴方こそ、我らにとって輝ける星。」
「我が王、我が主よ。今こそ―――いえ。
 今度こそ、この剣をお返しします。」
聖剣返還。獅子王の宣誓により王命は果たされた。忠節の騎士の永い旅は終わり、彼の全ては虚無に還った……。
だが、その忠節は人理に認められたのか―――あるいは獅子王の計らいか―――カルデアに帰った主人公とマシュには嬉しい再会が待っていた。

イベント[編集 | ソースを編集]

(これはまずい―――!)
ディルムッド(なんとかしなければ―――!)
ベディヴィエール&ディルムッド(これ以上、円卓(トリスタン除く)/我が王の評判を落とすわけにはいかない!)
イベント『節分酒宴絵巻 鬼楽百重塔』にて。
よからぬことを企む黒髭たちを諫めようと仲間たちが義侠心に行動する……と思いきや覗き妨害を名目に何と自分たちも女湯に立ち入ろうとする言語道断なことを言い始めた円卓の騎士。しかもどこぞのケルトの騎士団長も含め誰もその間違いに気づく様子がなく、ディルムッドと共に頭を抱えながら事態の収拾に努める。
彼が円卓一の常識人であると同時にトリスタンに対して辛辣な対応という事実がよく分かる一幕である。
「………さて。皆で温泉に来たのも何かの縁です。
 ここは一つ、背中でも流して円卓同士の親睦を深めようではありませんか。」
ガウェイン「い、いや待ちなさいベディヴィエール卿、我々は今から―――」
「今から―――何だというのでイッチオン? おっとこれはついうっかり」
同上、覗きを止めるという名目で堂々と自分たちも自覚なき覗きを敢行しようとする同胞デバカメたちに背中を流す提案でその企みを封殺。
大儀名分を叫ぼうとしたガウェインの言い分を笑顔で銀腕を宝具開放スイッチオンさせることで黙らせた。
その後覗きの首謀者たちがお約束通り制裁され、彼は円卓の名誉を見事に守り切った。
「そこは、まあ。私は旅が長かったので、
 少しだけすれていたのでしょう。」
『サーヴァント・サマー・フェスティバル』にて。童心に返って羽目を外しまくるガウェイン・トリスタン・ランスロットを尻目に、あなたはそうしないのかと牛若丸に問われて。
何でもない一言のように見えるが、彼が言う「旅が長かった」はあまりに重すぎる。実際、この直後に主人公の沈黙が入り、軽快に流れていたBGMも沈黙した。
クエストそのものはこのシーン以外は全てコント満載のギャグパートなので、より際立って見える。

幕間の物語[編集 | ソースを編集]

「聞くところによれば蝙蝠や鯨にはエコーロケーションなる機能が存在するとか。
 もしやトリスタン卿もその一種なのでは?」
トリスタンの幕間の物語「失うことから始まるもの」より。いつも目を閉じているにも関わらずちゃんと周囲の状況を把握しているトリスタンの習性に主人公やマシュ、モードレッドと話しながら仮説を述べる。さらりと動物と同類に扱うあたりトリスタンに対しては遠慮がない。マシュからも「あながち嘘ではない」と大真面目に考察された。
ちなみに現実の人間でもエコーロケーションに相当する技能を持つ人は存在するため、動物に例えなくてもあり得ない考察ではない。
モードレッド「だとしたら間違いなく蝙蝠だな! 人間か鳥かどっちつかずだし!」
「いえ、それはどちらにも失礼かと。トリスタン卿の神経はまさに異界の不思議さです。
 繊細さと図太さ、儚さとどうしようもなさが同居したそれは、
 壁のような生き物でありながら涙する事もあるあの動物……ええ、鯨に喩えるのが最適ですね。」
上記でマシュの大真面目な考察からモードレッドがトリスタンを蝙蝠呼ばわりしたことに対して。本当にトリスタンに対して一片の容赦も無い。
「ほらね。こういう男なのです、かれ。」
上記の発現の直後に現れたトリスタンが二人の自分に対する容赦ない悪口雑言に対し、蝙蝠は話にならないセンスだが鯨はなかなかという感想を漏らしたことについて。唖然とするモードレッドに対し、何だかんだでトリスタンを理解しているあたり間違いなく親友と呼べるだけの絆がある模様。
「私も図書室に本を返す用を思い出しました。三度目なので今度こそ返却しなくては。」
自らへの容赦ない評論に珍しく怒り心頭のトリスタンに対し軽やかに躱して去っていくベディヴィエール。三度目のあたりに第六特異点での自分の聖剣返還に結び付けたネタを盛り込んでいる(事実であれば何気に問題であるため十中八九ネタであると思われる)。

その他[編集 | ソースを編集]

「皆さん。ご歓談のところ申し訳ありませんが、船員としての仕事を理解しているでしょうか?
 ランスロット卿は帆の張り直しを。
 ガウェイン卿は昼食の準備を。
 トリスタンは勝手に持ち込んだ私物について話があるので船長室に出頭してくださいね(ニコリ)」
概念礼装「ナイツ・オブ・マリーンズ」テキスト内の台詞。トークに興じる三人に容赦なく注意する。
そしてトリスタンは一体何を持ち込んだのか。

メモ[編集 | ソースを編集]

  • 原典となる数々のアーサー王伝説ではアーサーの臣下・円卓の騎士として相応の実力を持っているのだが、Fateシリーズにおいては優れた騎士ではあっても、円卓の騎士としては実力不足とされている。これは、Fateシリーズではあまり活躍の場がなかった騎士物語としてのアーサー王伝説の系譜を中心に採用しているからとみられる。
    • 実際、マビノギオンなどでは隻腕にもかかわらず槍の一突きが他の騎士の九倍の威力に相当するなど、他の騎士と同列の超人として扱われている。
      • その逸話から「本当はランサーが正式なクラスなのではないか?」という声も一部ファンから上がっている。
      • FGOにおけるコマンドカード構成もセイバー型(BBAAQ)ではなくランサー型(BBAQQ)の構成であり、このタイプでB宝具セイバーなのはベディヴィエールしかいないという極めてレアな構成をしている。
    • また、最初期のアーサー王伝説から名を連ねる人物であるため、彼もまた実在の人物であったあるいはモデルとなる人物が明確に存在したのではないか?と考える研究者も存在する。
  • 公式にて「アーサー王」以外で明確に、エクスカリバーを使用した数少ない英霊。その能力こそ当初は伏せられていたが、宝具発動の際に僅かながら伏線が張られていたりした。
  • 『Fate/Grand Order』では第六特異点終了後にカルデアに参入し、ガチャにも追加されるキャラクター。第六特異点においては事実上の主人公と言っても過言ではないほどフィーチャーされており、六章中ではゲストキャラとして多数のエピソードで使用することが出来る。が、星3で成長状態も中途半端であること、ストーリーも終盤故に強敵が多いことからやや使い難さが目立つ。しかし、最終決戦ではスキル・宝具・キャラのレベルが最大というこれまでにない演出で登場。丁度相手も有利に戦えるランサークラスであることもあり、これ以上なく活躍することが出来るなど破格の扱いを受けている。……なお、パッと見で強化されたことが判り辛く(もちろんちゃんと見れば明白なのだが)、五章以前のメインストーリーにおいて同行NPCが中途で強化されるケースが全くなかった(イベントでは「ぐだぐだ本能寺」等前例がないわけではない)ため、彼を選ばずに最終決戦に臨み後で知って後悔するマスターも多かった模様。
    • なお、第六特異点終了以前に入手した場合、マテリアルを通してストーリーに関する情報が先に得られてしまうためか、メインストーリー実装後に定例として複数回に分けて行われる、新規実装サーヴァントのピックアップ召喚にも含まれず、実装されてから長らく、第六特異点クリア時点まで入手の機会そのものが与えられなかった。その後2017年に入り開催された「復刻:チョコレート・レディの空騒ぎ -Valentine 2016- 拡大版」において初めて召喚対象に含まれ、遂に第六章未クリアのプレイヤーでも入手が可能となった。クラス別ピックアップ召喚においてもセイバーのクラスの1人として召喚対象となるなど、以前と比べるとピックアップへの解禁の傾向が表れつつある。しかし依然として通常のケースでは2騎目以降は正真正銘「6章をクリアした後のストーリー召喚」でしか入手できないため、現在でもレアリティに反して複数入手による宝具レベルアップが困難なサーヴァントの1人となっている。
    • ベディヴィエールは「片腕だけ改造された仮面ライダーになりきれないライダーマン」というキャラ付けだったが、当初は義手が「何故アガートラムなのか」という理由がなく、六章シナリオを担当した奈須きのこが悩んでいた時に坂本真綾氏の『レプリカ』を聴いたことで設定を丸々変更して現在に至った。
  • 1500年もの間彷徨いながら、精神が摩耗しきらないほどの精神力の持ち主。間桐臓硯が500年間生きて魂が腐敗し、スカサハマーリンも期間は不明だが現代まで生きる不死であり、人外の精神に寄ってしまったというたことを考えると、彼の精神力はただ事ではない。
  • 鍛え抜かれた騎士にとっては10kgの装備はそこまで負担になるものではないが、彼の義手のような「体の片側にだけ重みがかかる装備」というのは体のバランスを崩すため、全身に装備する鎧が10kgあるケースよりもはるかに負担が大きい。彼はマーリンからこの義手を受け取った後も相当な鍛錬を積んだと思われる。
    • Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない』では、マーリンによって義手の中にスプーンやフォーク、アーミーナイフや果てにはボールペンが搭載されていた[注 1]。なお、ベディヴィエール本人は最終的に「だからこの腕10キロもあったのか…」と細かいことを考えるのをやめている。

話題まとめ[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]

  1. マーリン自身は「ベディヴィエールの旅を案じて付けた」と語っていたが、ボールペンについては完全に面白がっていた。

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リンク[編集 | ソースを編集]