イスカンダル

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2019年1月8日 (火) 10:23時点におけるイルステリア (トーク | 投稿記録)による版 (→‎リンク)
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ライダー
真名 イスカンダル
性別 男性
身長 212cm
体重 130kg
特技 出鱈目な論破、リーダーシップ
好きな物 冒険、目新しさ
苦手な物 既成概念、既得権益
天敵 母親
出典 史実
地域 マケドニア
属性 中立・善
一人称
二人称 貴様/○○(呼び捨て)
三人称 貴様ら/貴様達/○○(呼び捨て)
声優 大塚明夫
デザイン 武内崇
設定作成 虚淵玄
イメージカラー 朱色
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Zero
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概要

騎兵」のサーヴァント

略歴
第四次聖杯戦争において、ウェイバー・ベルベットによって召喚される。その望み故に、実体化したままでいることを好む。
セイバーアーチャーを集めて聖杯問答を主催。臣下との変わらぬ絆を両者に見せ付ける。
「久しぶりの現世を楽しみたい」という理由で霊体化するのを嫌っており、ホメロスを読みふけったり、テレビを見ながら世界征服の案を練ったりし、昼間には手に入れたラフな服装に身を包んで街を歩き回り、日本の食事を楽しんだり、気になったゲームをハードごと購入するなどこの時代を満喫していた。
しかし、サーヴァントとしての彼は生粋の魂喰い(ソウルイーター)であり、全開の魔力消費にマスターを巻き込めばウェイバーの命が危うくなりかねないため、マスターにも大きく負担を強いる『王の軍勢』発動などの魔力消費を自身の貯蔵魔力で肩代わりしていた。そのため終盤では一時は実体化することに耐えられず霊体化を余儀なくされるほどに衰弱してしまう。遅まきながらそれを察したウェイバーが手を打ったことにより、一度だけとはいえ切り札を切れる程度には回復。
そして最後の戦いに赴く際、彼の足手まといになる事を嫌ったウェイバーが令呪を使い切り、彼の勝利と世界征服の野望の達成を願って主従関係を断ち切るが、彼は常に自分と並んで戦場に赴いたウェイバーを朋友と見なしていた。
令呪三回分の魔力補強と新たな友を得て、英雄王・ギルガメッシュと激突。切り札「王の軍勢」をギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星」の一撃に破られながらもその戦意は折れず、臣と認めたウェイバーへ「生き延びて王の生き様を伝えよ」と命じ、真っ向から単騎、英雄王に挑む。
「王の財宝」から繰り出される宝具の雨をかいくぐり、満身創痍になりながらも敵前に迫るも、あと一歩のところを「天の鎖」に捕らわれ乖離剣に胸を貫かれる。
だがその生き様と闘争心、そして王道はギルガメッシュですら認めるものであり、倣岸不遜な彼より心からの賞賛を引き出させ、最後まで力の限り駆け抜けたという達成感を胸に消滅する。
Fate/Grand Order』終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅩの座を統括する廃棄孔アンドロマリウスと交戦する。
人物
筋骨隆々の偉丈夫。ひげ面には粗野な印象と威厳、そして不思議な愛嬌が混在する。
大柄な見た目通りの豪放磊落を地で行く人物。他を顧みるということを全くしない暴君的性質を持つが、その欲望が結果的に人々を幸せにする奔放な王。
理想の王・アルトリア、人を超越した王・ギルガメッシュに対し、人の身でその限界を極めた王。豪胆かつおおらか、高いカリスマ性を持つが、少々物事を気にしなさすぎるきらいがあり、周囲の人間をきりきり舞いさせて何ら反省するところがない。
また、征服先で略奪を行ってきた出自の為か盗癖があり、召喚直後に市民図書館からホメロスの詩集を強奪したり、地元の酒屋から極上ワインの大樽をかっぱらってきている。それが軍事施設であろうと、彼の物欲を阻むことはできない。
契約には義理堅いのか、魔術師としての能力が低くともサーヴァントとして力を貸す。逆にどれほど優れた魔術師であろうと「志が低い」「行動理念が妬み・恨み・辛みでしか出来ていない」「そもそも人間として語るに値しない」者なら、平気で鉄槌を下す。第四次聖杯戦争でも、キャスターの工房の惨状を見た際に、パニックに陥ったウェイバーを諭し、「惨状を見ても眉ひとつ動かさぬ」者がいたら殴り飛ばしていると述べている。
世界征服を望みとするが、他者から与えられるものではなく、あくまでも自分で成し遂げることを持論とする。このため、聖杯を求めるのは「世界征服の手段」としてではなく、「世界征服を行うために受肉する手段」として。
能力
「騎兵」のクラスであることと、マスターであるウェイバーが魔術師として未熟であることから、彼自身の個体能力よりも宝具の能力に偏った性能となっている。
だが、アサシンの奇襲を難なく切り返し、セイバーの渾身の一撃を片手で防ぎ、降り注ぐ宝具の雨を弾きながらギルガメッシュに肉薄するなど彼自身も優れた武勇を持ち、宝具にのみ依存した英霊ではない。
とはいえ、セイバーのような白兵能力に長けたサーヴァントとは互角に闘えるレベルでは無いとも語られている。しかし、『EXTELLA』においては三騎士相手に不調子にも関わらず白兵戦で互角の撃ち合いをしたりと作品によって描写が異なる。
軍略スキルを持ち戦略・戦術にも長けるが、第四次聖杯戦争では基本的に単騎での参戦であることと征服するに相応しい好敵手の多さから、策を弄するより真っ向対決に挑むことが多い。

バリエーション

アレキサンダー

如何なる理由か、少年の姿で召喚された状態のイスカンダル。旧名表記なのかマケドニア王国の若き王子の名前としてアレキサンダーと表記される。
姿だけでなく精神も少年時のものとなっており、決して記憶が失われている訳ではないが、青年期以降の記憶は些か「実感が薄い」とのこと。

詳細は「アレキサンダー」を参照。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ライダー ウェイバー・ベルベット B A D C A+ A++ 対魔力:D
騎乗:A+
カリスマ:A
軍略:B
神性:C
主人公 (Grand Order) B A D C A+ A++ カリスマ:A
軍略:B
神性:C
雷の征服者:EX
主人公 (EXTRA) B A D C A+ A++ カリスマ:A
軍略:B
神性:C

宝具

遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:2~50
最大捕捉:100人
「神威の車輪」による蹂躙走法。真名解放によって放たれる『神威の車輪』完全解放形態からの突進。雷気を迸らせる神牛の蹄と車輪による二重の攻撃に加え、雷神ゼウスの顕現である雷撃効果が付与されている。その雷撃は作中において、三騎士の渾身の一撃にも匹敵すると描写されている。
同じくA+の騎乗攻撃である『騎英の手綱』のように具体的な最大速度のスペックなどについては明かされていないが、猛る神牛の嘶きはバーサーカーを轢いた通常使用時の比ではなく、静止状態から100mの距離を瞬時に詰める加速力を持つ。
神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:2~50
最大捕捉:100人
由来:ゴルディアス王がオリュンポスの主神ゼウスに捧げた供物であったものをイスカンダルが自身の佩刀「キュプリオトの剣」で繋いでいる紐を断ち切って自らのものとしたという故事から。
彼が「騎乗兵」たる所以である、二頭の飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)が牽引する戦車(チャリオット)。地面だけでなく、空までも自らの領域として駆け抜けることが可能。神牛の踏みしめた跡にはどこであれ雷が迸る。概念礼装の説明によれば飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)の位階は最高位の神獣。
キュプリオトの剣を振るうと空間が裂け、どこであろうと自在に召喚できる。戦車は各部のパーツを個別に縮小・収納が可能で、走破する地形に合わせた最適な形態を取ることが出来る。御者台には防護力場が張られており、少なくとも血飛沫程度なら寄せ付けない。
地上で通常使用した場合の最大速度は約時速400Kmほど。真名解放無しでも対軍級の威力・範囲を持ち、初見でのウェイバーの見立てでは「近代兵器に換算すれば戦略爆撃機にも匹敵」「新都を一時間で焦土にする」。キャスターが呼び出した膨大な数の海魔がひしめくトンネルも、雷撃を纏った掘削機の如く軽々と海魔たちを粉砕し踏破している。下記の『王の軍勢』と同時使用することもできる。
厳密には宝具ではなく、イスカンダルを示す武装の一つ。
余談だが、この戦車が繋がれていた綱の結び目には「解いた者はアジアの覇者になる」と予言がされていた。
王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)
ランク:EX
種別:対軍宝具
レンジ:1〜99
最大捕捉:1000人
由来:マケドニアの重装騎兵戦士団。
召喚の固有結界。ライダーの切り札。
展開されるのは、晴れ渡る蒼穹に熱風吹き抜ける広大な荒野と大砂漠。障害となるものが何もない地形に敵を引きずりこみ、彼が生前率いた近衛兵団を独立サーヴァントとして連続召喚して、数万の軍勢で蹂躙する。
彼自身は魔術師ではないが、彼の仲間たち全員が心象風景を共有し、全員で術を維持するため固有結界の展開が可能となっている。要は、生前のイスカンダル軍団を丸ごと召喚・復活させる固有結界。時空すら越える臣下との絆が宝具にまで昇華された、彼の王道の象徴。
征服王イスカンダルの持つカリスマ性を最大限に具現化したものであり、召喚される中にはライダー本人よりも武力に優れた者や、一国の王としてBランク相当のカリスマを具える者も複数いるらしい。これは彼が生前、個人として武勲を立てた英雄ではなく、軍勢を指揮して戦った英雄であることに由来する。
召喚された臣下はそれぞれ英霊として座にあるサーヴァントであり、全員がランクE-の「単独行動」スキルを持つためマスター不在でも戦闘可能。なお、聖杯戦争のルールに従って召喚されているわけではないのでクラスは持っていない。加えて、ライダーの能力の限界として、臣下が自身の伝説で有しているはずの宝具までは具現化させることはできない。イスカンダルの死後、後継者争いを繰り広げた者達も参加していることに怒り、この軍団への参加を断固拒否した者もいることから、彼からの招集に応じるか否かは各員の自由意志である模様。
 最初に彼が『英霊の座』にいる軍勢に一斉号令をかける必要があるため、維持は簡単でも展開そのものに多大な魔力を喰う。しかし、一度発動してしまえば近衛兵団はライダー曰く「向こうから押しかけてくる」ほか結界の維持は彼ら全員の魔力を使って行われるため、展開中の魔力消費は少なく済む。規模の割に燃費は良い。軍勢の総数が減るに従って負担が増し、過半数を失えば強制的に結界は崩壊する。
世界からの干渉があるため固有結界の中にしか軍勢の総数を一気に召喚・展開することはできないが、一騎程度であれば結界外への派遣や固有結界を展開せずに召喚・現界が可能。劇中では伝令役としてミトリネスが結界の外に現れ、英霊馬ブケファラスは固有結界発動無しでキュプリオトの剣の一振りで召喚されている。
なお、ドラマCD版では軍勢の声に虚淵氏や奈須氏が参加している。
『Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御力をダウン[注 1][注 2]」という効果のBuster宝具。
強化後は「敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御力をダウン[注 1][注 2]&敵全体のクリティカル発生率をダウン[注 1][注 2]」という効果のBuster宝具。

王の軍勢で召還される英霊たち

ブケファラス
イスカンダルの愛馬。馬の身でありながら英霊の座に招かれるほどの名馬であり、「牡牛」を意味するその名の通り、額に角(または牛の形をした模様)があったと伝えられ、人をも食べる逸話もある。
誰一人乗りこなせないほどの荒馬だったが、当時はまだ王子だったイスカンダルだけが暴れる原因を見抜いて、見事乗りこなして見せた。ブケファラスが亡くなった際には、新都市(アレクサンドリア)に愛馬の名前を遺した。
『Grand Order』では、アレキサンダーの宝具として登場。
ミトリネス
  • 声優:川村拓央(ドラマCD版) / 橋詰知久(テレビアニメ版)
イスカンダルの親衛隊の一員。
キャスター戦にて、結界内外の伝令役を務めた。
『Grand Order』内イベント『Accel Zero Order』では間桐邸から救出した桜と聖杯戦争から離脱(脱落)した雁夜を市街の病院に送り届けた。

真名:イスカンダル

アレキサンダー。アレクサンドロス。イスカンダル。古代マケドニアの覇者。20歳で即位し、数年で世界帝国であったペルシャを征服し、当時ギリシャで「世界」と称された大陸を征服した。ヘレニズム文化として知られる一時代を築いた大王。
王位を継いだ後、古代ギリシアを統率してペルシアへの侵攻に踏み切り、以後エジプト、西インドといった広域の地を征服し、『東方遠征』の偉業を、10年も満たずに成し遂げた。
紀元前四世紀、ギリシャ人国家であるマケドニアの王家に生まれる。母オリュンピアスの影響で幼い頃から神話の英雄物語に耽溺し、自らをゼウスの子と信じた。
ヘタイロイと呼ばれる学友たちと共に武功をあげ、20歳の若さで王となったあとはギリシャ統一を手始めに覇道に乗り出し、東方遠征の軍を興して自らその先頭に立ち、大国ペルシャを打ち破ったのみならず、ペルシャの支配下にあったエジプトを始め数多くの国々を飲み込んでいった。
イスカンダルという名は、アラブとペルシャの人々による彼の呼び名である。アレキサンダー、アレクサンドロス――――彼の人名が様々な土地の発音によって呼びならわされるに到った経緯こそ、彼は「征服王」とうたわれている。
彼の東征はインドにまで及んだが、将官の反発や兵士の疲弊によってバビロンに引き返し、この地にて急逝する。
征服者として歴史上最大の国家を打ち立てるが、「最強の者が国家を継承せよ」と遺言したことで死後、帝国は分裂した。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/stay night
用語集やギルガメッシュの口から、その存在のみ示唆されている。
Fate/Zero
ウェイバーの相棒。誰よりも豪放に戦場を駆け抜け、現世を楽しみ抜く。
Fate/ゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~‎‎
「ゼロカフェ」常連客。王なのにウェイバーの家に居候しており、全面的に養ってもらっている。
「王の軍勢」の面々もわりとフリーダムに集団で固有結界の外に出てくる。
Fate/Apocrypha
エルメロイII世がかつて亜種の聖杯戦争に挑んだ際に召喚したサーヴァント。その聖遺物は朋友の誓いと共に、大切に保管されている。
Fate/EXTELLA
アルテラ陣営所属のサーヴァント。
フェイト/育ステラ
第五話から登場。公園デビューしようとするアルテラにいろいろと世話を焼いていた。
Fate/Grand Order
『Fate/Accel Zero Order』の開催に伴い期間限定でガチャに追加。イベントガチャ限定サーヴァントであり、恒常的な入手手段は現状ない。
イスカンダルの実装と『Fate/Zero』コラボイベント開催に合わせてユーザー参加型キャンペーンも開催された他『復刻版:Fate/Accel Zero Order -LAP 2-』の開催に際してバトルモーションと宝具演出を一新、並びにマイルーム会話と戦闘ボイスが追加収録された。

Fate関連作品

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
現界前に完売してしまったゲーム『アドミラブル大戦略外伝 きらめけノワール高校白書』を入手する、という壮大な目的の為、聖杯温泉に向かって進撃する。
Fate/Ace Royal
英霊カードの一枚として登場。【代理戦闘】である「王の軍勢」を前面に押し出しての突撃戦法が強力で、「ライダー」のクラスで召喚されると打撃力がさらに増す。「ライダー」のクラス自体かなり優秀なので、このクラスで呼べれば不満は無いのだが、軍師故にか何と「キャスター」の適性も持つ。
欠点は「王の軍勢」が【軍団】を持つため大技を持つ敵に弱く、襲撃されると厳しい展開になる。特にギルガメッシュと子ギルは防御力を下げてくるので更に危険。
カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
攻撃判定を出し続けながら真っ向微塵に突撃する。拠点急襲向け。

その他

戦車男
主人公。めんこいJKにときめく、純情ミリオタ青年。
「彼女いない暦>B-2爆撃機の生産数」とあるため、この世界では20代前半と思われる。
コハエース
『Zero』がらみの話題になると登場、レトロゲームの話になっても登場。征服を持て余す。五次とか月とか関係なく、手当たり次第に強そうな英霊をスカウトする。
基本的にいつもウェイバーを携行している。
ちびちゅき!
最初の頃は高等部の世界史教師に立候補したりもしたが、後に馬術部部長の座に収まり牧場経営に勤しんでいる。たいていはウェイバーと行動を共にしている。

人間関係

Fate/Zero

ウェイバー・ベルベット
召喚者でありマスター。最終的には共に戦う朋友、そして臣下となる。
身長とか人間の器とかいろいろ小さいへっぽこマスターではあるものの、この契約を快いものとして楽しんでいた。
アーチャー
互いの力と王道を認め合った最古の英雄王。最終決戦の相手。
セイバー
最初は見事な武者ぶりから部下に加えたいと誘い、騎士王と知ってからは王としての対決に挑むが、アルトリアが聖杯を求める理由から一度は王として失望する。しかしその戦いぶりと背負った理想の重すぎる輝きから、アルトリア個人は高く評価している。
ランサー
優れた戦士として部下に勧誘するも、今生の主ケイネス以外に仕える気はないとすっぱり断られる。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
本来、彼をマスターとして召喚される予定だった。魔術師としての力量は高く、パスの分割などの作戦もあって、サーヴァントとしてのステータス的にも魔力供給的にも不自由はしなかったに違いないが、おそらく性格的な面で致命的なトラブルが生じていた可能性が高い。
実際に戦場で言葉を交わした唯一の機会には、その戦場での立ち回り方やサーヴァントへの接し方を真っ向から否定している。
グレン・マッケンジー&マーサ・マッケンジー
孫であるウェイバーのイギリスでの友人という触れ込みで堂々と家に上がりこみ、全く不審がられもせず客人として歓待される。彼らにはアレクセイと名乗っていた。
クリントン
当時のアメリカ合衆国大統領。いわく、ダレイオス三世以来の難敵らしい。

Fate/Grand Order

アルトリア・ペンドラゴン
『Fate/Zero』の時と比較して、迷いが晴れた様子にとても喜んでいる。
アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 (ランサー)
オルタ化した彼女を見た際には、余りにもナイスバディなので思わず自分が二日酔いしたと勘違いしている。
ギルガメッシュ
サーヴァントとしてとんでもなく扱い辛い存在であることは苦も無く見抜いており、中々辛辣な一言で評しながら、彼とも契約してしまった主人公を心配してくれる。
オジマンディアス
同じ王でありファラオとして仲が良く、共に酒宴を楽しむ程。
ニトクリス
同じファラオとして彼女の悩みを理解し、彼女のキャラクエでは道を指し示す。
源頼光
終局特異点で共演。その清冽な雷光をリスペクトして、「女将軍」「益荒男」と賞賛した。
……が、頼光の方は「益荒男」という言葉に傷ついて泣きかけたそうな。
諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕
『Fate/Zero』とのコラボイベントで敵対した相手。
ウェイバーとの繋がりには終盤の対決まで気づかなかったが、「聖杯戦争とは違った視点に立っており、介入しようとしている」と本質には気づき、つまらないと切って捨てて明確に敵意を露にしている。
共にカルデアに召喚されていた場合もアレキサンダーとは違い、かつての契約について触れることはない。FGO materialでの「因縁キャラ」項目では「目をかけはするが特別視はしない」「多くの出会いの一つでしかない」と断言している。
女王メイヴ
彼女の幕間の物語にて共演。「揺るぎのない女王」と評し、強かった自身の妻と比較しつつも気に入っていた。
酒呑童子
同上。人外であることを何となく察しつつも、彼女の酒の振る舞いには嬉々として応じていた。
荊軻
同上。一緒に酒を吞む仲であり、気を抜くと暗殺されそうになるのも緊張感があっていいとか。

生前

オリュンピアス
本編中での敵対関係からエントリーされる事の多いプロフィールの「天敵」欄に、作中には登場しない人物として初めて名前の挙がったイスカンダルの母親。マケドニア王フィリッポスII世の4番目の妃で、ディオニュソスの密儀に耽って狂乱し蛇を操ったとか、夫の寵を奪った7番目の妃を赤子諸共殺害したとか、息子の死後ディアドコイ戦争を引っ掻き回したとか、何かと強烈な逸話の絶えない古代史に名だたる猛女だったという。
ダレイオス三世
ライダーの口からしばしば語られる、生前の好敵手。お互いの立場が柔らかいものであったなら酒を酌み交わしたかったと思っている。生前から深い因縁があり、狂ってなおイスカンダルとの再戦に執着している。
アリストテレス
「万学の祖」と謳われる古代ギリシャの高名な哲学者。かつて教育者としてマケドニア王宮に招聘され、ミエザに開いた学院では王子であったイスカンダルをはじめ、王の軍勢に名を連ねる多くの朋友が共に学んだという。
非公式ドラマCD「ノケモノたちの共演」によれば藤村大河に印象が似ているらしい。
ブケファラス
愛馬。れっきとした座に登録された英霊であり、イスカンダルの若き日の冒険において出会った相手。
エウメネス
率いた軍勢の一員にして書記官。諸葛孔明が宿ったロード・エルメロイ二世に雰囲気が似ていたらしい。
ヘファイスティオン
率いた軍勢の一員。史実では上記のエウメネスとは不仲だったらしく、ロード・エルメロイ二世を会わせてみたいとのこと。
フェイカー (ロード・エルメロイⅡ世の事件簿)
上記ヘファイスティオンの双子の妹であり、イスカンダルの影武者。
イスカンダルとしても思う所があるのか自分の人生を歩むように言っていたらしいが、聞く耳持たなかったとか。

その他

アレキサンダー
過去の自分。大王となる以前の王子として現界。数多の賢者から叡智を授かった可能性の具現。
ヘラクレス
父方、マケドニア王家の遠い先祖と伝えられている。
歴史に伝えられる上では、戦場に出るにあたってライオンの毛皮を兜とする姿をコスプレし、愛人バルシネーとの間に授かった男児にその名をつけたと言われるほどの大ファン。
アキレウス
母方、エペイロス王家の遠い祖とされる。
幼少期からの憧れであり、成人してからも目標としている大英雄。彼に対しては衣を正して話しかけると思われる。
彼の活躍が綴られた『イリアス』を生涯、肌身離さず持ち歩いて愛読し、縁の地ではすかさず聖地巡礼を行い、時には戦場でその行いを真似たとも伝えられるほどのリスペクトを捧げている。
『Fate/Grand Order』でもマイルームボイスで言及しており、テンション爆上げで技比べを挑んでいる。

名台詞

Fate/Zero

「大いに違う。闇に紛れて逃げ去るのなら匹夫の夜盗。
 凱歌とともに立ち去るならば、それは征服王の略奪だ」
召喚直後、自己紹介もそこそこに図書館から地図とホメロスの詩集を強奪した際に。
ウェイバーは大慌てで逃げようとするが、ライダーはどこ吹く風といった様子。
「狭い! 小さい! 阿呆らしい!
 戦いに賭ける大望が、おのれの沽券を示すことのみだと?
 貴様それでも余のマスターか? まったくもって嘆かわしい!」
聖杯への望みは「自分を認めなかった連中からの正当な評価」と答えたウェイバーをビンタで吹っ飛ばして一喝。
サーヴァント基準の「蚊を叩き落とす程度の力加減」で宙を舞ったウェイバーにとっては理不尽この上ない仕打ちだったが、ライダーはライダーでマスターの人間の小ささに涙が出そうなほど呆れ果てていた。
「食事にセックス、眠りに戦――何事についても存分に楽しみ抜く。それが人生の秘訣であろう」
あっけらかんと肉の身の欲望を肯定する。うち二つについては経験すらないウェイバーは返す言葉もなかった。
「我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争においてはライダーのクラスを得て現界した」
「うぬらとは聖杯を求めて相争う巡り合わせだが……矛を交えるより先に、まずは問うておくことがある。
 うぬら各々が聖杯に何を期するのかは知らぬ。
 だが今一度考えてみよ。その願望、天地を喰らう大望に比してもなお、まだ重いものであるのかどうか」
「うむ、噛み砕いて言うとだな」
「ひとつ我が軍門に降り、聖杯を余に譲る気はないか?
 さすれば余は貴様らを朋友として遇し、世界を征する愉悦を共に分かち合う所存でおる」
「こりゃー交渉決裂かぁ。勿体ないなぁ。残念だなぁ」
「いや、まぁ、“ものは試し”と言うではないか」
緒戦時、ウェイバーを伴って、セイバーとランサーの決闘に横槍を入れた時の台詞のいくつかを抜粋。
堂々と真名を名乗り、セイバーとランサーを幕下に加えようと勧誘したその動機は、戦略的思惑ではなくその場のノリだという征服王。両英雄に拒否されるのは当然の事、ウェイバーは逆上し、衛宮切嗣らは本気で呆れ果てるなど、まざまざとその奔放さを見せ付ける。
「いいんだよ、それで。こんなモノ見せられて眉一つ動かさぬ奴がいたら、余がブン殴っておるわい。
 むしろ貴様の判断を讃えるぞ、坊主。キャスターとそのマスターを真っ先に仕留めるという方針は"良し"だ。成る程、こういう連中とあっては、一分一秒生き長らえさせておくのも胸糞悪い」
キャスターの工房を発見し、突撃を敢行するライダーとウェイバー。その先で見たものは、口にするのもおぞましい、殺戮と冒涜と狂気の産物達だった。
聖杯戦争を「残虐無比の殺し合い」と覚悟を決めていたウェイバーにとってさえ、その許容を超え、這いつくばり嘔吐する彼に対して、ライダーはいつもの彼らしくもなく、淡々と、冷静にその在り方を是とする。
そこにあるのは、底冷えするほどの怒り。敵であっても一定の敬意を払い、征服するとも貶める事も辱める事もしようとしなかった彼が、唯一、「胸糞悪い」とまで評した「悪」であった。
「王が捧げるのでない。国が、民草が、その身命を王に捧げるのだ。断じてその逆ではない」
「然り。我らは暴君であるが故に英雄だ」
「だがなセイバー、自らの治世を、その結末を悔やむ王がいるとしたら、それはただの暗君だ。暴君よりなお始末が悪い」
「余の決断、余につき従った臣下達の生き様の果てに行きついた結末であるならば、その滅びは必定だ。
 悼みもしよう。涙も流そう。だが決して悔やみはしない」
「ましてそれを覆すなど! そんな愚行は、余とともに時代を築いた全ての人間に対する侮辱である!」
聖杯問答より。セイバーが聖杯にかける願いを聞いて。
「無欲な王なぞ飾り物にも劣るわい!」
「セイバーよ、“理想に殉じる”と貴様は言ったな。なるほど往年の貴様は清廉にして潔白な聖者であったことだろう。
 さぞや高貴で侵しがたい姿であったことだろう。
 だがな、殉教などという茨の道に、いったいだれが憧れる? 焦がれるほどの夢を見る?
 聖者はな、たとえ民草を慰撫できたとしても、決して導くことなどできぬ。
 確たる欲望のカタチを示してこそ、極限の栄華を謳ってこそ、民を、国を導けるのだ!」
「王とはな、誰よりも強欲に、誰よりも豪笑し、誰よりも激怒する、清濁含めてヒトの臨界を極めたるもの。
 そう在るからこそ臣下は王を羨望し、王に魅せられる。一人一人の民草の心に、“我もまた王たらん”と憧憬の灯が燈る!」
「騎士どもの誉れたる王よ。たしかに貴様が掲げた正義と理想は、ひとたび国を救い、臣民を救済したやも知れぬ。
 それは貴様の名を伝説に刻むだけの偉業であったことだろう。
 だがな、ただ救われただけの連中がどういう末路を辿ったか、それを知らぬ貴様ではあるまい」
「貴様は臣下を“救う”ばかりで“導く”ことをしなかった。
 『王の欲』のカタチを示すこともなく、道を失った臣下を捨て置き、ただ独りで澄まし顔のまま、
 小綺麗な理想とやらを想い焦がれていただけよ。
 故に貴様は生粋の“王”ではない。己の為でなく、人の為の“王”という偶像に縛られていただけの小娘にすぎん」
聖杯問答より。セイバーの王道の欠点を示し、更に自らの王道を語る。聖杯問答からライダーの多くの名言が生まれた。実際、セイバーの在り方に恐怖した騎士の多くがトリスタン卿を筆頭に彼女の元を去っており、今回同じく参戦している狂戦士からも人間としての幸福を知らない身で人々の幸福を愛している彼女のある種の歪な在り方を「ヴォ―ティガーンを上回る怪物」と恐怖され、義兄であるケイ卿でさえ「目に見えない王の証より、手勢や金、力で量る方が人間的」「誰だって全てを救う神の代弁者なんてものを、見たくもなければ為りたくもなかった」と評している。皮肉にも彼女の在り方を良しとしたのはガウェイン卿を除けば、ブリテンを滅ぼした張本人だけであった。
「見よ、我が無双の軍勢を!」
「肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者たち。
 時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち。
 彼らとの絆こそ我が至宝! 我が王道! イスカンダルたる余が誇る最強宝具――『王の軍勢アイオニオン・ヘタイロイ』なり!!」
固有結界の展開、真名開放。幾多の戦場を共に越えた、幾千もの朋友との絆。
「王とはッ――誰よりも鮮烈に生き、諸人を魅せる姿を指す言葉!」
「すべての勇者の羨望を束ね、その道標として立つ者こそが、王。故に――!」
「王は孤高にあらず。その偉志は、すべての臣民の志の総算たるが故に!」
王とは孤高なるや否や? というライダーの問いに対して英雄王と騎士王はそれぞれの言葉で、孤高である、と答える。それを喝破し、「王の軍勢」の真名とともに答えた言葉。彼の在り方の象徴とも言える。
これに臣下達は「然り! 然り! 然り!」と唱和の声を返す。
「なぁ小娘よ。いい加減にその痛ましい夢から醒めろ。
 さもなくば貴様は、いずれ英雄としての最低限の誇りさえも見失う羽目になる。
 ――貴様の語る“王”というユメは、いわばそういう類いの呪いだ」
聖杯問答の最後に、セイバーにあてた言葉。セイバーを王として認めないと宣言し、その痛ましく映った理想を『呪い』と断じた。
時代ときの民草の希望を一身に引き受けたが故の、あの威光――眩しいが故に痛々しいわ。
 あんなモノを背負わされたのが、ただの夢見る小娘だったと知ってはな」
「そんな娘が、蝶よ花よと愛でられることも、恋に焦がれることもなく、“理想”などという呪いに憑かれた果ての姿がアレだ。
 痛ましくて見るに堪えぬ」
キャスターの巨大海魔を、セイバーの「約束された勝利の剣」が消滅させた後に、アーチャーの問いに答えて。
騎士王の掲げる王道の具現とも言える宝具の光は、最強であればこそライダーの目には痛ましく映った。
「うん、欲しいな」
「戦場において、アレは紛れも無く地上の星だ。
 理想の王がどうとかいう戯言なんぞほざかせるよりは、余の軍勢に加えてこそ本当の輝きを放つというものだ」
セイバーを傘下に加えることへの執着をウェイバーに問いただされて。人としての在り方を捨てた「理想の王」の在り方を認める気はなくとも、理想の王を背負ったアルトリア個人を「人として」認めているがゆえに、滅ぼすこと無く、貶めること無く、制覇しようとするが故の征服王。
アルトリアを高く買っているのは同じだが、ギルガメッシュとは相容れない対照的な評価でもある。
彼方にこそ栄えありト・フィロティモ――いざ征かん! 遥かなる蹂躙制覇ヴィア・エクスプグナティオ!!」
VSセイバー。真名解放を伴う、真っ向勝負の体当たり。
「たとえばな、余の『王の軍勢アイオニオン・ヘタイロイ』を、貴様の『 王の財宝ゲート・オブ・バビロン』で武装させれば、間違いなく最強の兵団が出来上がる。
 西国のプレジデントとかいう奴も屁じゃあるまい」
「改めて、余の盟友とならんか? 我ら二人が結べば、きっと星々の果てまで征服できるぞ」
酒の肴に、悪戯じみた提案をする征服王。孤高の英雄王が受け入れないことは端から承知の上の発言だが、こうやって朋友を増やしていくのが彼の覇道であり王道である。
「そういえば、ひとつ訊いておかねばならないことがあったのだ」
「ウェイバー・ベルベットよ。臣として余に仕える気はあるか?」
これまでずっと「坊主」呼ばわりし、庇護すべき対象マスターでしかなかった彼を、臣下の列に加えるに値する一人の男と認めた瞬間。
それは少年にとって、決して届かぬと知りながらそれでもなお憧れ、心の奥底で待ち望んだ問いだった。
「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生き存えて語るのだ。貴様の王の在り方を。このイスカンダルの疾走を」
アーチャーとの最終決戦で、臣下となったウェイバーに宛てた言葉。
ヤツは強い。あまりにも強い。まさしくあの英雄こそ天上天下に最強最後の敵だ。
なればこそ、なぜ征服王が挑まずにおれようか。アレを乗り越えたその先こそが世界の果てだ。
彼方にこそ栄えありト・フィロティモ』―――届かぬからこそ挑むのだ! 覇道を謳い! 覇道を示す! この背中を見守る臣下のために!
最果てになど至りようもないと、そんな弱気に駆られたこともあった。愚かな、征服王がなんたる失態か!
求めた果てが今 余の行く末に屹立している! ならば超える! あの敵の上を踏み渡り、最果てオケアノスへと至る!
何を喋っている? 聞こえない。風の音も、何もかも。だが耳に響くこの音は――?
なぜ今になるまで気付かなかったのか。この胸の高鳴りこそが最果ての海の潮騒だ!
夢に見た波打ち際、波飛沫の感触、そう――余は今海を夢見ている。
例えこの身が砕け、どれほど血に塗れようとも! この瞬間! この時に勝る至福があろうものか!
アーチャーの放つ宝具の雨霰に怯む事なく翔ける征服王。ブケファラスが斃れ、己の身が血に塗れようとも―――世界を支配した王の元に肉薄してその刃を振りかざすが、後一歩のところで阻まれ、届くことはなかった。

Fate/Grand Order

「いざ!遥か万里の彼方まで!!」
「遠征は終わらぬ……我が胸に彼方への野心ある限り! 勝鬨を上げよ!!『王の軍勢アイアニオン・ヘタイロイ』!!」
宝具発動。最果ての地を夢見て、王は盟友たちと共に戦場を駆ける。
「ふむ成る程。……なあ坊主、この聖杯戦争の参加者ってのは、こんな悲惨な連中ばっかりなのか?」
イベント「Fate/Acccel Zero Order」にて。味方に引き入れた間桐雁夜から、バーサーカーのマスターとなるまでの経緯を聞かされて。
むしろお気楽な理由で参加するマスターやサーヴァントの方が珍しいのだが、彼の認識は一体どうなってるのか………。
案の定ウェイバーからは「少しは自分の能天気ぶりが恥ずかしくなってきたか?」と返されたが、それに対する返答は「え?なんで?」であった……。
「おい間桐雁夜。貴様がまず守りたいと願ったものは何だ? 真っ先に救うべき相手は?」
雁夜「それは……桜ちゃんを……」
「じゃあ時臣ってのを仕留めれば即座にその娘の境遇は変わるのか?」
雁夜「う、ぐ……だが聖杯がないと、臓硯は……」
「じゃあ時臣ってのを仕留めるのが聖杯に至る一番の近道か?」
雁夜「………」
「ったく……やりたい事とやるべき事と出来る事が何一つ噛み合っておらん大馬鹿者め」
同上。ギルガメッシュを仕留めた勢いそのままに時臣を抹殺しに行こうとする雁夜をグーでぶん殴ってからの問答。
つい先刻気まぐれに拾っただけの相手に対してかなり辛口の物言いだが、これは最悪の結末に至る前に誰かが雁夜に言ってやらねばならなかった言葉でもあった。
「馬鹿を言え。余は救済者ではなく征服王。よってこの娘は略奪の成果。すなわち奴隷だ」
「無論、奴隷であるからには条件次第で売り買いもする」
「身請けしたいか? 間桐雁夜、貴様ならば相応の額で応じてやるぞ」
同上。雁夜の惨状を見かねて征服王が出した助け舟。間桐の屋敷に押し入り、屋敷と蟲を一切合切焼き払い、更に桜を救出……もとい、略奪しての台詞。
自分の「出来る事」で「やりたい事」をやってみせた征服王が、桜の対価として要求したのは、雁夜の令呪が刻まれた右手。
魔術で無理矢理維持している体で、右手を切り落とせば死にかねない。戦い続けるか、桜だけでも助けられる可能性に賭けるか。
逡巡の末、雁夜は聖杯戦争を放棄する道を選択する。
余談だが、イスカンダルの部下でありヘタイロイ(側近騎兵隊将校)でもあるプトレマイオス一世は、ファラオとなり古代エジプトの繁栄を取り戻したため「救済者(ソーテール)」と称された。
「ふむ……お~い、ミトリネス」
「この死にかけの男と小娘をだな、冬木の外まで連れ出して、それから赤い十字を掲げてる建物を探して放り込んでこい」
同上。気にかけた相手にはとことんお節介を焼く征服王。実は令呪を要求したのも、それを餌に雁夜の体から刻印蟲を引き剥がすためだったりと、アフターサービスもばっちりである。
すかさずウェイバーに「英霊にやらせる仕事としてどうなんだ」と突っ込まれたが、彼も人のことは言えなかったりする。
「何を背負い、何を賭するにせよ、挑むとなれば楽しまずして何のための人生か。
 もっと熱くなれよ、策士。その掛け金に我が覇道も積んでやる。さあ、勝負だ。」
エルメロイ「そこまでして……私が、矛を交えるに値する相手だと?」
「応さ。貴様がいったいどういう出自で、余とどんな縁故があるのかまでは知らぬがな。
 いま余の目の前におる男は、ぜひとも制覇せねば気が済まぬ猛者である。」
同上。汚染された大聖杯の間にてエルメロイ二世の前に立ちふさがり、変わらぬ覇道を貫く。因果の行く末を見通すかの様に動く得体の知れない策士、しかし自身と同じ志を胸に抱く猛者に対して、征服王は真に制覇すべき価値を見出す。それはかつて彼の背中を追う事しか出来なかった臣下にとって光栄極まる言葉だった。
「覇道を拓くのに、揮う力が誰のものかなんぞ関係ないわ。それをいかに御し、導くか……肝要なのはそっちだ」
「余の王の軍勢アイオニオン・ヘタイロイを目の当たりにしたのなら、その程度は悟れよな、この唐変木め」
エルメロイ「ライダー……」
「ん?痛かったか?済まんな。力加減が分からなかった。ちょっともう、指先の感覚がおぼつかないもんでな……」
「まあ、そこまで深い皴を刻んだ額なら、今さらちょっとやそっとで傷は付くまい。なあ?」
同上。上記の対決にて自身を破った「石兵八陣」を、「自ら身に修めたものではない。ただの偶然で手に入れたものだ。結局、私は自身の力では、貴方に及ぶことなど……」と自虐したエルメロイ二世に対し、ウェイバーにするのと同様にデコピンをかましての言葉。
覇者としての心得を説くと共に、真っ向から矛を交え、遂に主君を超えた未来の臣下を讃え、満足気な微笑と共に消えていった。

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦

「坊主に可愛らしさなど不要。必要なのものは、鋼の如く鍛えた肉体のみだ!」
ウェイバーが身長を30cm伸ばしてしまったら可愛らしくなくなる、と危惧するアイリスフィールに対し。
まあ、あと10年くらいすればその目標は達成される。たぶん。
「ふん、悪いがランサーのマスターよ。貴様の髪の毛を増やすのは諦めて貰おうか!」
自分のルートでもないのに頭髪のことでいじられたケイネスは当然ながら大激怒。ソラウとウェイバーは憐みの眼差しを向け、ランサーは慌ててピントのズレたフォローを入れたため、ケイネスの怒りは増すばかりであった。
「何だこの娘!余に気をもたせるだけもたせておいて『フレンドに噂されたらアイムシャイなの……』だと!?
 ふざけるな!そんな矜持で余と轡を並べられると思っているのか!貴様などこっちから願い下げだ!」
エンディングにて、めでたく聖杯温泉に願って入手した『アドミラブル大戦略外伝 きらめけノワール高校白書』をプレイ中。ウォーシミュレーションの外伝が何故ギャルゲー仕様なのかは謎だが、征服王にとってまめまめしくヒロインのご機嫌を取りつつフラグを調整するこの手のゲームは明らかに向いていない様子。

その他の作品

「うし どこか たのむ」
TYPE-MOON エイプリルフール企画『戦車男』より。元ネタはもちろん『電車男』の「めし どこか たのむ」。
図書館でたまたま助けためんこいJK「エルメロイの女」との初デート、彼女を戦車に乗せてあげるため(深くつっこんではいけない)暇を持て余した英霊たちが集うスレ「英霊の座」に助けを求めるカキコ。
「……は~~~ やはりプレゼントにフィギュアはなかったのう…」
「もっと花束とか そう花束とか! なんで出なかったのワシコレ!?
 いやでも… せっかく皆が出してくれた案だしのう…」
「そもそもあんなメンコイ子がワシなんぞとおるのがおかしいのだ
 ワシには… もったいない子だったんじゃ」
漫画版『戦車男 A True Tank Story』より。英霊の座スレ住人たちに唆され、「エルメロイの女」ことウェイバーへのプレゼントにグッドなスマイルのメーカー製「Zeroセイバー・V-max騎乗フィギュア」を贈ってしまった戦車男だったが、流石に非オタの女の子相手にそれはないわーと言うことに後から気付いて家に引きこもるほど後悔する。
なお、戦車男の世界では元の時代がかった喋り方に微妙に男弁が混じっており、一人称も「余」ではなく「ワシ」。性格も本編とは真逆と言っていいレベルに弱気で自信がない。
「そのまま通訳してるのもつまらなくなってきたところだしなぁ。
 坊主にひとときのロマンスを提供しようと、余が気を利かせてやろうと思ったのだが」
月刊コンプティーク付録のCDドラマ『ノケモノたちの共演』より。夜道で出会ったポニーテールの女子高生とウェイバーの会話を通訳してやっている際、「少しかわいいかも、って思ったぞ」というセリフに「余はお前を好きになってもよいか?」と勝手に付け加え、相手のリアクションを見て異常を察知したウェイバーに猛抗議される。
「待たせたな」
「我が番長連合『王の軍勢』全員で、貴様の屋台を喰らいつくしてくれよう。これで負けなどすまい」
「言ったであろう、貴様も我が舎弟として後日連合に迎え入れてやると。
 それに、なんだ、貴様が余以外のものになるなど、この征服番長が許してはおかん」
月刊コンプティーク付録のCDドラマ『アルトリア・ロマンス』より。創造神きのこに「学園ものロマンス」というお題を出されたセイバーによる妄想なので、厳密に言うと本人の台詞ではない。
ちなみに頭の「待たせたな」は中の人が同じ、スニーキングミッションが得意な蛇おじさん風に演じている。ヤダかっこいい。
「この征服王イスカンダル、此度は軍事研部長というキャラでもって現界した」
「んっふふふ、まあな。実質、部室で一日中ゲームをしているわけだが……
 いや、世界征服の野望は忘れておらんぞ? 実はその研究も兼ねておる。ゲームで!」
同じく『アルトリア・ロマンス』より。乙女ゲームのヒロイン的待遇を夢見ていたセイバーをよそに、男3人で楽しく男塾ごっこに興じていたところを叱られてからの仕切り直しで明かされた、わりと残念な感じの現実。
「だって、ほれ、余など後日、『アレクサンドロス・ロマンス』というジャンルが生まれるほどのロマンスの化身そのものなのだが」
同上。男塾ごっこは学園ものロマンスじゃないと激怒するセイバーに対し、これで間違ってないと主張する。
確かに「romance」とは「ローマ的民衆向け娯楽文学」が語源であり、宗教・学術用語であるラテン語の堅苦しい文章とは異なるロマンス語で語られた騎士や勇者の冒険譚のことである。主題は見知らぬ土地の探求や怪物との戦いであって、恋愛要素は宝物を手に入れるのと同レベルのオマケというか余禄だったのだが、次第に受けのいいそちらをメインに置くものが増えて「ロマンス=恋愛物語」という誤用が世に広まってしまった。
そしてローマ時代のロマンスの主役といえば実際にアレクサンダー大王その人なのだが、なんかそんな「ロマンスの神様」みたいなノリで言われてもちょっと反応に困る。
「余が世界を征服する様をその目に見せれば
 それがまま世界史の授業になるのではないか?」
ちびちゅき!』2時限目より。世界史教師として職員会議に名乗りを上げるが、当然ながら却下された模様。
これ以降は一般生徒として馬術部の部活動に励んでいる。30代なのに。

メモ

  • 『TYPE-MOON 10周年記念オールキャラクター人気投票』では第6位。『Fate/stay night』には登場しないキャラの中では堂々の第1位である。
    • セイバー役の川澄綾子氏、アイリスフィール役の大原さやか氏も『【Fate/Zero】トークセッション』にてライダーを最人気キャラとして挙げている。両氏曰く、「かっこいい」「もし彼が自分の先生だったらもっと素敵な人生歩んでいた」「一生ついていこうと思える」との事。
  • 第四次聖杯戦争の参加者中、唯一アーチャーの真名を見破った。自分より態度のでかい王なんて一人しかいない、というのがその理由。
  • 高いものではないが「神性」のスキルを持つ。最終決戦時、アーチャーの「天の鎖」に捕らわれ動きを封じられたのは、既に満身創痍であったこともあるが、この特性にもよる。
  • TVゲーム「アドミラブル大戦略IV」に興味を持ち、勝手に購入。結局コレはウェイバーの持ち物となったわけだが、最初は馬鹿にしていたウェイバーも結局は――
    • 因みに「アドミラブル大戦略IV」とは、第二次世界大戦を舞台に枢軸国を操って連合国と戦う超人気ウォーゲームのシリーズ第4作。副題は『ポルシェ博士の憂鬱』。
      既にルールの複雑さや難易度において進化の袋小路にあった前作を、さらに参加国、追加ステージ、追加マップで拡張。トリープフリューゲルや報復兵器V3号、クローン総統といった錚々たる追加ユニットによってもはやウォーゲームの域に留まらないカオスの坩堝と化した名状しがたいゲームバランスを誇る。
      第四次聖杯戦争中に発売され、ライダーは初回限定版を購入した。
      今も一部マニアの間で根強い人気を誇っている。
      なお、後年ロード・エルメロイII世が着用していたTシャツにも『大戦略』とプリントされている。
  • Fate/Zero三大王の一角。
    • もともとセイバーギルガメッシュとは違ったタイプの王であり、正三角形を描くようなイメージでキャラクターが作られた。
      三人の王はそれぞれ共通点を持ち、それぞれ相容れない要素を持っていることが聖杯問答で十分に語られている。属性も秩序・善、混沌・善、中立・善と、善であることは共通しながらも見事にバラけている。
    • 聖杯問答では自分の治世の最後や円卓の騎士との関係に負い目を持つセイバーが彼に言い負かされ、セイバーの王道が誤りであるかのように見えるところもある。
      だが作者である虚淵氏としてはセイバー、ライダー、アーチャーの三人の王道そのものは全て等価値で優劣をつける意図はなかったとのこと。
      そもそもこの三人は時代背景、民族、文化風俗にいたるまでまったく異なる文明の王たちなのだから、比べられるはずもない。
    • ファンからは、セイバーが「人の理想者としての王」、ギルガメッシュが「人を超えたモノとしての王」と称されるのに対して、「人のままに(人の臨界を極めたモノとして)なった王」と言われることがある。
    • 三人の共通点として、自分の代を最後に王国が滅びたことが挙げられる。
      (ギルガメッシュについては真偽が別れており、詳しくは彼の項目参照。史実ではギルガメッシュより後代のシュメール王も存在するが、みな小粒)。
      しかしその事実に対してそれぞれ全く異なる受け止め方をしていることが、三人の相容れない部分を如実に物語っている。
    • 余談であるが、『Fate/Grand Order』Lostbelt No.1『永久凍土帝国アナスタシア』にてゴルドルフ・ムジークが強力なサーヴァントの召喚を所望する際に「征服王」「英雄王」「騎士王」を挙げるというちょっとしたお遊びとも言えるシーンがある。
  • Fate三大はいてないの一角。
    • 原作では本当に何も穿いてなかったが、アニメ版では流石に変更され、「はいてない」のは脚絆(ズボン)のみで、パンツは穿いていた。
      だが、コミック版4巻では本当に穿いておらず、しかも「現物」がシルエットとはいえ描写されている…。
    • コミック版の作者である真じろう氏の「はいてない」シーンにかける情熱は何故か並々ならぬものがあり、Twitterでは「現物」に付随する効果音をたびたび試行錯誤する様子が見かけられたほか、雑誌掲載分と単行本収録分を比べると明らかに効果音が増えたりグレードアップしたりしている。
  • アサシン戦で「王の軍勢」を開帳したのは、セイバーとアーチャーに己の王道を見せ付ける、という意図もあったが、「マスターの天敵」と言われるアサシンの包囲からウェイバーを護るという必要性もあったため。
    多大な消耗を強いられる固有結界を使用したのは、戦術的にもちゃんとした理由に則って選択された行動である。
  • アインツベルン相談室では、迷いも悔いもなかったので立ち寄ることはなかった。
  • 虚淵氏が『Fate/Zero アニメビジュアルガイドI』内の誌上コメンタリーで「(予定通りケイネス陣営に召喚されていた場合)普通にもう『(ケイネスとソラウを)両方抱いてやる』の勢いだったと思う」と言っていた事から、伝承通りに両性愛者であると思われる。五次ライダー赤王様同様、キリスト教普及前の地中海世界ではままある事である。
  • 奈須きのこの初期構想では第四次のイスカンダルは決まっていたが、クラスは基本以外のエクストラクラスの予定だった。第四次ライダーにはドラゴンライダーの構想があったが、こちらはボツに。
  • 奈須きのこ氏脚本のアインツベルン相談室のゼッちゃんの寝言によると、セイバーには弱いがランサーには強いとの事。王の軍勢の性質上、対人宝具しか持たないランサーにはその物量で押しつぶせるが、対城レベルの高火力と高範囲の攻撃手段を持つセイバーとは相性が悪いという事だと推察される。
  • アニメ版『Fate/Zero』の第一期EDで生前を描いた一枚絵、モチーフはおそらく『アレクサンドロス大王のバビロニア入城』(シャルル・ル・ブラン画 ルーヴル美術館所蔵)。7騎の中で最も有名なモチーフを、そのままの構図で最初に持ってくるところに、スタッフの演出力と自信の程が伺える。
  • 「征服王」の二つ名をもつイスカンダルであるが、征服した面積は564万km2と人類の歴史上において広い地域を征服した人物としては2番目となっている。
    • …なお、彼より上に居る人物であるチンギス・ハンはその倍以上の面積を征服していたりする。『Grand Order』において登場した「戦闘王」アルテラの征服した面積は375万km2であり、こちらは5番目にランクされている。
  • とある有名なSFアニメに出てくる惑星と同名だが、それもそのはず、スタッフが他ならぬこの人の名前をそのまま件の惑星のそれに流用したからである。

話題まとめ

史実関係
  • 「イスカンダル」はアラビア語・ペルシャ語での呼び名。日本で一般に言うところのアレキサンダー大王、またはアレクサンドロス3世。正しくは「アリスカンダル (Aliskandar)」なのだが、アラビア語では定冠詞に「al」を使うため(「アルジャジーラ」や「アルカイーダ」の「アル」)、「アル・イスカンダル (Al-Iskandar)」と勘違いされたことからこの呼び名が生まれた。
    真名に「イスカンダル」が採用されたのは、「アレキサンダー」や「アレクサンドロス」が西洋圏ではありふれた名前なのに対し、この呼び名はその由来から「ただ一人の英雄」を指すためなのかもしれない。
    • ちなみにどの程度ありふれているのかというと、イスカンダル(アレクサンドロスIII世)の父方の伯父、母方の叔父、彼の死後産まれた息子、甥(異母妹の子)がみなアレクサンドロスである。
  • 父方のマケドニア王家はヘラクレスを先祖とし、母方のエペイロス王家はアキレウスを先祖としていた。
    さらにゼウスへの供物であった「神威の車輪」を手に入れたことでゼウスの子孫と語られるようになり、本人もそう信じていたとされる。「神性」スキルを持つのはこのためである。
    • 史実において先祖とされるヘラクレスについて敬意を払っていたのか獅子の皮を被り、彼のコスプレをしていたという逸話を持つ。アキレウスについても同様で、師アリストテレスから贈られたアキレウスが主人公の叙事詩『イリアス』を肌身離さず持ち歩いて愛読し、東方への進軍中にイリオス(トロイ)遺跡を通りがかった時には(オタク的な意味で)聖地巡礼もしていた。
      特に『イリアス』はZero劇中において、召喚されたその夜から最後の決戦に赴く寸前まで身近に携え、彼の一面を象徴するアイテムとなった。
  • 聖杯から現代の知識を得て地球が丸いことを知り、「最果ての海」が存在しなかったことに衝撃を受けていたが、彼の家庭教師だったアリストテレスは地球球体説を実証していた。理屈よりも実体験を重んじたのだろうか。
  • 現存している絵画や彫刻などの多くで、軍装の胸当てにメドゥーサの首を掲げた姿が表されている。メドゥーサの首の意匠は魔除けとして、また勇者ペルセウスの武勇にあやかるものとして、古代ギリシャ世界の戦士、軍人の間で人気があった。
  • 多くの英雄たちをリスペクトしていた彼もまた、後世の英雄・偉人たちから盛大にリスペクトされてる。特に帝政ローマ初期の皇帝たちは世界帝国建立の先駆者としてアレクサンドロス大王に対する一種の信仰を寄せており、カリギュラなどはアレキサンドリアの陵墓から持ち出した大王の胸当てを着け海上パレードを行うほどの傾倒ぶりを見せていた。皇帝たちを喜ばせるために、また逆に諌めるために、ローマ帝国の歴史学者は良きにつけ悪しきにつけ後世の脚色がふんだんに盛り込まれた大王伝を世に送り出し、それを受けた大衆文学で更に伝説が水増しされ、ついには『アレクサンドル・ロマンス』という一つの文学ジャンルが作られるまでに至った。
    • たとえばローマ時代に書かれた『アレクサンドロス大王東征記』では、インドからの撤退の際に突然セミラミスとキュロス大王の伝説を引き、先人の偉業を超えるため自らも更に厳しい条件のもとゲドロシア砂漠の横断を試みて、軍に大損害を与えたとも伝えられる。
  • 父のフィリッポス二世が暗殺されたことで、彼は弱冠20歳で王になった。しかし、この暗殺で最も得をしたのは、後継者争いをすることなく王位を継いだ彼と母オリュンピアスである。そのためこの母子が暗殺の黒幕ではないかという説は古くから存在した。
    なお『Zero』原作内では「王位を簒奪した」とあるため、この説、あるいはそれに近い解釈を採用していると思われる。
  • エジプトでファラオとして即位した際、ゼウスと同一視されるエジプトの最高神アメンの現し身ともされ、死後伝えられる図像などではアメン神の象徴である羊の角を持った姿に描かれるようになった。この意匠はペルシャを経由して後のイスラム世界にも広く知られ、二本の角を持つ王「イスカンダル双角王(ズルカルナイン)」として伝説化されることとなる。
    • インドでは土着の神と融合して軍神スカンダとなり、仏教に取り入れられては韋駄天、または鳩摩羅天と呼ばれた。
      • なお、このスカンダという神はカルナでおなじみ『マハーバーラタ』ではシヴァとパールヴァティーの血を引き、アグニとスヴァーハーを仮親として生まれ、インドラより天軍の総指揮権を譲られたという、ちょっと設定盛りすぎ感溢れる正真正銘の神霊であって聖杯戦争にはまず呼べない。
  • 敏捷はDとなっているが、伝記によれば、まだ王子だった頃にオリンピュア祭のスタディオン走(現代で言うオリンピックの陸上短距離)に推薦されるほどには足が速かったそうである(「他の王が参加するのでなければ」と辞退したので出場はしていない)。ただしアレキサンダーの敏捷はBランクと微妙な所。
  • 臣下の中で最も高名なのが、セレウコス、アンティゴノス、プトレマイオスの3人で、いずれもイスカンダルの死後の3つに分断された帝国で王となり覇を争っている。当然、この3人も「王の軍勢」で呼び出された英霊に含まれている。
    他にも「親友」ヘファイスティオン、「最も信頼出来る男」ネアルコスなど部下の人材は枚挙に暇がない。
    • ちなみに、キャスター戦で伝令役を仰せつかったミトリネスについては、史料がほとんど残っておらず、詳細な人物像は不明。
      伝承では、元はペルシャ帝国の指揮官だったが、イスカンダルの軍勢に恐れをなして降伏。その後は地方都市の太守に任じられるが、以降は歴史から姿を消している。
    • 軍勢の中にはマハラジャ(インドにおいて「王」を意味する)もいるとの事。後にインドの大国となるマウリヤ朝を拓いたチャンドラグプタ王が、青年時代にイスカンダルの軍に加わっていたという逸話に基づくものと思われる。
      • ただし軍には道案内として加わっていただけで、共に戦ったわけではない。チャンドラグプタが王になるための戦いを始める頃には、イスカンダルがインドを既に去っていたため共闘の機会はなかったのである。付け加えると、チャンドラグプタが王になった後、イスカンダルが征服したインド北西部に進軍を行い、イスカンダルが置いた太守をインドから放逐した。さらにイスカンダルの遺将が一人セレウコス1世が再度インドに侵攻してきたときにはこれを撃退している。
    • プトレマイオスはイスカンダルの死後、エジプトでプトレマイオス朝の初代ファラオとなる。このプトレマイオス朝最後のファラオがクレオパトラ7世である。
  • 「ヘタイロイ」は古代ギリシャ語で「(王の)友、仲間」という意味から転じてマケドニア王国の重装騎兵部隊のことを指すが、原作の挿絵やアニメ版ではマケドニア独自のペゼタイロイ(歩兵ヘタイロイ)、その中でも更に選りすぐりの精鋭達であるヒュパスピスタイ(盾持ち部隊)が描かれている。
    原作では明言されていないが、近衛兵団という設定上、呼ばれたのはヒュパスピスタイと思われる。
  • 身長2mを超える彼だが、ウェイバーからは「歴史だとすっげぇチビだったってことになってるぞ!」とつっこまれる。
    書店でウェイバーが読んだ伝記に、ダレイオス三世の玉座に座ろうとした際、足が届かず踏み台代わりにテーブルを使ったという逸話が記されていたことが根拠だが、それに対し彼は「あの偉丈夫と比べられたんでは是非もない」と、まるで3mはあろうかという巨人を見上げるような仕草をした。
    • 後に『Fate/Grand Order』にてダレイオス三世がバーサーカーとして登場。身長は345cmであり、イスカンダルよりも110cm以上背が高い。
  • イッソスの戦いでペルシャ軍を打ち破り敗走させた際、戦場に取り残された敵軍の物資や財宝と共にダレイオス三世の王妃と母后、二人の王女を捕虜としたが行軍の間も彼女たちには一切手を触れず、他の臣下にも姿を見ることすら許さずにダレイオスのもとへ送り返したという(王妃は帰りつく前に病死したとされる)。
    このエピソードは後のヨーロッパ世界で広く人気を博し、貴婦人に対する騎士の模範として件の場面を描いた絵が数多くの城や館に飾られることとなった。いわば「人妻に手を出さない男」という評判が騎士道の界隈で一人歩きしている状態。
  • 「聖杯問答」では樽ごとワインを持参し、アーチャーとの最終決戦でも「王の酒」を飲み干してから戦おうとするなど、無類の酒好きに描かれている。
    実際、酒に酔ってペルシアの宮殿ペルセポリスを焼き払う(考古学調査によれば宮殿への放火は入念な準備の上で計画的に行われており、酒の勢いでやった説は後世の脚色と目されている)、宴席で口論をこじらせた古くからの朋友を衝動的に殺害してしまうなど結構酒に祟られるエピソードがある。
    『Zero/material』でも「聖杯問答」でのセイバーを「酔っぱらいに説教された」と表現している。
  • 紀元前323年6月13日、病によって死去。東方遠征からの撤退の途中、10日間の高熱に苦しんだのち、故国の土を踏まずにバビロンにて倒れる。享年32歳と11ヶ月。
    • 一説によれば、命日は6月10日とされ、アニメ『Fate/Zero』で彼がギルガメッシュに倒された23話の放映日(放送スケジュールでは9日の24時・ネット局の中で最も早い場合)と重なる。
  • 彼の死後、帝国が分裂したのは、彼が死に際に発した「後継者は最強の男」という言葉が原因。武力で覇を唱えてきた彼らしいが、この言葉が原因で家臣達は帝国全土を巻き込む内乱を起こす。
    この内、有力な諸侯はギリシャ語で「後継者」を意味する「ディアドコイ」と呼ばれ、内乱はディアドコイ戦争と呼ばれた。
    • なお聖杯問答でセイバーも触れている通り、この戦争で彼の世継ぎ(と一族の殆ど)は命を落としており、大王直系の血筋は絶えてしまった。
    • 一応、彼の死後すぐに戦争が起きたわけではなく、バビロンで後継者会議が開かれ、話し合いで決着するかに見えた。しかし結局は利害の衝突から戦争になってしまう。
      そのため、この遺言自体が戦争を正当化するための捏造だったのではないかとも言われている。
映画『戦車男』
  • TYPE-MOON公式サイトの2009年エイプリルフール企画の「ムーングループの映画館情報」の映画作品の1つ。元ネタは『電車男』。
    本編での豪放磊落ぶりや貫禄が見る影もないほどのシャイなミリオタかつ喪男と化しており、相手役の「エルメロイの女」や大型掲示板「英霊の座」住人の面々ともども原形からのギャップがすさまじいことになっている。
  • 『Fate/Zero』のアニメ制作をしたufotableも、2期放送開始直前頃の2012年エイプリルフール企画に劇場版『戦車男』をやっている。
  • そしてTYPE-MOON 10周年記念読本『TYPE-MOON 10th Anniversary Phantasm』ではまさかの漫画版が収録されている。

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脚注

注釈

  1. 1.0 1.1 1.2 3ターン
  2. 2.0 2.1 2.2 オーバーチャージで効果UP

出典


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