時計塔
概要
クロックタワー。魔術協会における三大部門の一角。ロンドンに拠点を置き、時代に適応し、人類史と共に魔術を積み上げる事を是とした魔術師たち。西暦以後の魔術師たちにとって中心とも言える巨大学院。世界に於ける神秘を解き明かす巨大学府。
三大部門の中では最も新しく、設立は西暦元年。現在は魔術協会総本部とされ、魔術世界における最大勢力。21世紀において魔術協会と言えばロンドンの時計塔を示す。しかし、時計塔が本部となって以後、他の二つとの交流は途絶えているらしい。
時計塔は心臓部分であるロンドンと、ロンドンを囲む様に作られた複数の都市で構成されている。時計塔発祥の地はロンドン本部で、発祥から数百年後に規模が大きくなったため施設を増やした。それがロンドンを中心にしてロンドン郊外に点在する各学術都市。「ロンドン郊外に位置する中世と近代の入り混じった街、四十を超える学生寮(カレッジ)と百を超える学術棟と、そこに住む人々を潤す商業で成り立つ」という巨大な学園都市。
リージェントパークからウェストミンスターにかけて、大英博物館の地下を本拠地としており、入り口は大英博物館にある。工房はほとんどは地下にあり、後述するように下へ行けばいくほど狂気度が増すダンジョンと化しているとか。重要な書類庫の類は相当に頑丈な封印など魔術で守られている。書庫の扉からは魔力を感じ取れる。蔵書には特殊で厳重な魔術が仕掛けられていて、書庫の外には持ち出せない。
博物館の最深部には封印指定をされた者を閉じ込める『橋の底』と呼ばれる特別区画があり、封印指定された魔術師たちが幽閉されている。
霊墓アルビオン
時計塔地下に広がる巨大な迷宮。地上からは居なくなった幻想種が闊歩しており、霊石や竜種の牙など魔力を帯びた素材が産出する、まさに地下迷宮ともいえる場所。
時計塔がロンドンを本拠地にしている理由そのものであり、これに由来する産出物や研究成果が時計塔が他の魔術協会より優位に立っている最大の理由である。
ここの管理は後述する学部からは独立した「秘骸解剖局」が行っており、迷宮への侵入には許可が必要である。多くの成り上がりを夢見る魔術師が迷宮入りを望むが、ほとんどが死に絶えるため攻略どころか生還しただけで名誉になるほどである。
この迷宮がいつ、どのように誕生したのかは時計塔でさえ把握していないが、伝説によると世界の裏側に行きそびれた巨大な竜種の遺骸[注 1]であるとされており、上記の管理組織名もそれに由来している。
組織構成
各学部を統括する学部長を「君主(ロード)」と呼ぶ。
また「ロード」は、学部長とは別に、時計塔を束ねる貴族を指す呼称でもある。大貴族が三家(バルトメロイ、トランベリオ、バリュエレータ)、親族が二十家ほど存在する彼らは表の世界でも名門貴族として地位を得ている。貴族たちの歴史は最短でも五百年以上、最長に至っては二千年を超える。
時計塔には十二の学部が存在する。十二の君主(ロード)が管理する十二の深淵。時計塔内は必修である「全体基礎」──魔術全体の共通常識、類感魔術と感染魔術、地脈、マナ学など──を第一とした十二の学部に分けられ、以下「個体基礎」「降霊」「鉱石」「動物」「伝承」「植物」「天体」「創造」「呪詛」「考古学」「現代魔術論」の十二の研究方針。十二の学部それぞれが独自の権力、独自の自治区画を持ち、十二人の君主(ロード)に管理されている。
十三個目の項目として、政治家を志すための「法政」があるが、これは神秘と直接の関係を持たない科であり神秘を探求する学問ではなく、時計塔の魔術と権力をもっていかにして現実社会へ介入するか、あるいは時計塔内部の均衡を調整する、時計塔の安定と発展のためにのみ存在する本来は異端の派閥であったため、十二の学部にはカウントされない。
ただし法政科の学部長であるバルトメロイはロードに数えられている。学部数が十三であるにも関わらずロードの人数が十二人であることには事情があり、現代魔術科にロードがついたのがごく最近のためのようだが詳細は不明。
たいていの魔術師は全体基礎を五年ほど学び、その後に各自の家が受け継いできた魔術特性に沿う学部へと進み、その補佐、発展のためのサブとして他の学部にも籍を置くのが常道である。ただし、同じ学部の中でも更に課程により細分化されるため、自分と全く同じ構成の課程を履修する魔術師と出会う確率は稀であるらしい。
学部に属するカレッジごとの結束は固く、余所者が自分たちのテリトリーに入ろうものなら個人間の諍いからカレッジ間の抗争へと発展することもしばしば。尤も学部ごとの特色というものもあり、選民思想の権化じみたバルトメロイが君臨するカレッジならば私設憲兵が外部からの侵入者を取り締まるほどに排他的であったり、考古学部のような権力闘争とは縁遠いカレッジでは純粋に学問のみを追求する落ち着いた雰囲気であったりと、程度の差はある。
十二番目の「現代魔術論」科は最も歴史が新しく、ここ百年ほどで興った魔術を研究し、広く浅く、より一般的な“使いやすい”魔術とすることを目的とした学部で、家門の後ろ盾やロードたちの承認も要らずに自由に魔術を語り合い、評価し合い、時にはインターネットなどIT機器を介して情報を交換する、現代に適応した新世代(ニューエイジ)の魔術師たちのフィールドである。
ノーリッジの強力な後押しによって設立されたため、二つ名としてノーリッジを冠する。
十二家から軽んじられていたため、もともとロードは存在していなかったが、ちょうど学部長であったドクター・ハートレスが失踪したところに当主の急死によって順位が十二家中十二位まで下降したエルメロイ家が収まった。
かつては歴史を持つ家柄と潤沢な財力がなければ魔術師の門をくぐることすら叶わなかったが、二十世紀の初頭にこの学部が創設されてからは野にくすぶっていた多くの新興魔術師が時計塔に流入することになり、衰退の途にあった魔術師社会にも往年の賑わいが戻って来た。とはいえ、古い血筋を誇りとする名門魔術師たちにとっては“遡ってもたかだか一世紀程度”の新世代は所詮下層の存在であり、当然そこには相当な軋轢が存在する。
十三番目の法政科は十二科のいずれにも属さずその外側から魔術協会を監視する、神秘を追い求める魔術師たちと異なり神秘を管理統制する側の組織。「魔術師を統べる魔術師」。多くのロードの家系は自らの子供を法政科に送り込み、法政科もその子供たちに惜しみなく帝王学を授ける。そのため、相手が法政科に所属する魔術師であるならたとえ十二家や三大貴族に連なる者でなくとも誰もが緊張を余儀なくされる。「神秘を隠匿すべし」という時計塔の第一原則を重視することから「第一原則執行局」の別名を持つ。
このように各学部には方針や主義の違いがあり、時計塔の派閥はおおまかに三つに分かれている。
一つ目は血統を重視する『貴族主義派』。筆頭は三大貴族のバルトメロイ(法政科)で、他にガイウスリンク、アニムスフィアなど。立場上はエルメロイ(現代魔術科)もここに含まれる。
二つ目は血統で劣っても才能ある若者を取り入れるべきという『民主主義派』。筆頭は三大貴族のトランベリオ。同じく三大貴族のバリュエレータ、他にエーデルフェルトなどもこの派閥。
最後の三つ目は、派閥争い自体に興味を持たず研究を優先する『中立派』。派閥としての纏まりは弱いが一応の筆頭はメルアステアで、他にブリシサン(伝承科)、ジグマリエ(呪詛科)など。
時計塔の組織内部は貴族主義派を始めとした権威主義の温床で完全に腐敗しており、フラガのような新興の名門が座る(幹部の)椅子は何世紀も前から存在すらしない。教育機関においてもそれは同様で、講師・生徒ともに血統の強さを重視する傾向が非常に強い。血統を重視しない派閥も存在するが、派閥間の激しい権力闘争を招くだけの結果となっており、組織の正常化にはほど遠いのが実情。
降霊科の下位組織である召喚科なども存在し、学部長の座も存在してはいるが、ロードには該当しない。
ただし、召喚科は『Apocrypha』の世界においては世界各地で行われている亜種聖杯戦争の対策を行うためサーヴァントに関連する召喚技術等を全て集約した学科となっており、極めて重要視されている。
学部番号 | 学部名 | 別名 | 君主(ロード) | 派閥 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
一 | 全体基礎科 | ミスティール | マグダネル・トランベリオ・エルロッド | 民主主義派 | 三大貴族。 |
二 | 個体基礎科 | ソロネア | 中立派 | ||
三 | 降霊科 | ユリフィス | ルフレウス・ヌァザレ・ユリフィス ロッコ・ベルフェバン(代理) |
貴族主義派 | 降霊科の学部長は代々分家であるソフィアリから選ばれ、正式に君主の位に就いたのち本家・ユリフィスの養子に入ることとなっている |
四 | 鉱石科 | キシュア | ケイネス・エルメロイ・アーチボルト →メルアステア |
貴族主義派 →中立派 |
|
五 | 動物科 | キメラ | ガイウスリンク | 貴族主義派 | |
六 | 伝承科 | ブリシサン | 中立派 | 時計塔設立時から最も”生徒の少ない”科目でこの世ならざる遺物を扱う学長直属の異端学問 | |
七 | 植物科 | ユミナ | アーシェロット | 貴族主義派 | |
八 | 天体科 | アニムスフィア | マリスビリー・アニムスフィア | 貴族主義派 | 『Fate/Grand Order』ではオルガマリーが当主 |
九 | 創造科 | バリュエ | イノライ・バリュエレータ・アトロホルム | 民主主義派 | 三大貴族。 |
十 | 呪詛科 | ジグマリエ | 中立派 | ||
十一 | 考古学科 | アステア | メルアステア | 中立派 | |
十二 | 現代魔術科 | ノーリッジ | ロード・エルメロイⅡ世 | 貴族主義派 | エルメロイⅡ世の先代学部長はドクター・ハートレス |
十三 | 法政科 | バルトメロイ・ローレライ | 貴族主義派 | 三大貴族。 |
※時期による変動あり
秘儀裁示局・天文台カリオン
封印指定を発令する時計塔最古の教室。
20世紀末にこの教室にて時計塔へ全体凄まじい衝撃を引き起こす大事変が起きており、その際には本来なら一度下されれば絶対のはずの封印指定が何人か解かれたという。
階位
時計塔における魔術師には階位があり、上から『冠位(グランド)』(『王冠(グランド)』と書かれることもある)、『色位(ブランド)』、『典位(プライド)』、『祭位(フェス)』、『開位(コーズ)』、『長子(カウント)』、『末子(フレーム)』となっている。真の最高位は『冠位』だが、ほとんど幻の称号となっており、実質的な最高位は『色位』とされる。大半の君主(ロード)ですらそこ止まり。
最高位の術者には色の名を冠した称号が与えられており、最高位が三原色の『赤』、『青』、『黄』。そこから合成色の『橙』、『紫』、『緑』、『黒』と続き、後者ほどランクは下となる。なお、勘違いされがちだがこの色の称号と『色位(ブランド)』は別物である
また、第四階位の『祭位』は特殊で、通常の魔術師の能力とは別に評価せざるを得ない特殊な技能・実績に対して与えられる名誉階級である。本来なら『色位』を超えるような魔術師から純粋な能力では『開位』以下の魔術師まで実力はピンキリ。伝承保菌者であるバゼットや講師として卓越しているエルメロイⅡ世もこの階位を与えられている。
所属魔術師
院長・学部長
- 院長
- 時計塔設立時から現在までその座にあり続ける、少なくとも二千年を生きている謎の人物。
- バルトメロイ・ローレライ
- 十二人のロードの一人、ロード・バルトメロイ。法政科学部長。時計塔創設時より続く名門、バルトメロイの当主であり、時計塔の院長補佐にして現・魔導元帥。
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
- 十二人のロードの一人、ロード・エルメロイ。エルメロイ学派の長にして鉱石科学部長。階位は『色位』。その多才ゆえに他学部である降霊科の講師も務めていた。第四次聖杯戦争で死亡。
- ロード・エルメロイⅡ世
- 十二人のロードの一人。現代魔術科学部長。階位は『祭位』。ケイネスの死後、とある経緯によりアーチボルト家当主からエルメロイ学派を託された講師。
- 魔術師としての実力こそ凡庸であるものの、指導者としては極めて優秀であり、輩出された弟子が全員十年以内に『典位』以上を取得している。更にそのうち数名は最高位の『王冠』に至るのではないかとまで噂されている。
- 「プロフェッサー・カリスマ」「マスター・V」「絶対領域マジシャン先生」「グレートビッグベン☆ロンドンスター」「マギカ・ディスクロージャー」「女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男」など数々の渾名を持つ。
- イノライ・バリュエレータ・アトロホルム
- 十二人のロードの一人、ロード・バリュエレータ。創造科学部長。
- 芸術を愛し、サブカルチャーなどの新しい価値をも柔軟に取り入れる快活な老婦人だが、同時に権力と深く親しみ陰謀を趣味的に弄ぶ性質の人物でもある。
- マグダネル・トランベリオ・エルロッド
- 十二人のロードの一人、ロード・トランベリオ。全体基礎科学部長。
- 民主主義派の筆頭であり、筋肉質で大柄な体躯を仕立ての良いスーツに包んだ、魔術師というよりは政治家のような印象の人物。
- 愛多き人物でもあり、数名以上の妻と十人以上の娘を持つ。
- ルフレウス・ヌァザレ・ユリフィス
- 十二人のロードの一人、ロード・ユリフィス。降霊科の学部長。階位は『色位』。
- 貴族主義派の重鎮であり、旧世代の魔術師の典型のような人物。エルメロイⅡ世のような新世代の魔術師や貴族であっても非主流派の者に対しては、表面的な礼儀すら必要ないと見下している。実子であるブラムやソラウと姓が異なるのは、分家であるソフィアリ家の中からユリフィスの後継者を選ぶという慣習のため。
- 『Fate/strange Fake』作中ではブラムを初めとした降霊科有力陣と世界各地の霊地巡りに出ており、ロッコにロード代理を任せている。
- ロッコ・ベルフェバン
- 降霊科の下位学部である召喚科学部長。降霊学部長が長期の特命により時計塔を離れている間ロードの座を代行している。既に在任50年を過ぎているとも噂される矮躯の老人。
- 十二人のロードのうちでは守旧派の代表格と見なされている。
- マリスビリー・アニムスフィア
- 十二のロードの一人。天体科学部長。
- ロード・メルアステア
- 十二のロードの一人。もともと考古科学部長であったが、ロード・エルメロイが死亡した直後のいざこざの間に鉱石科を手に入れ二学部を管理するロードとなった。
- ロード・アーシェロット
- 十二のロードの一人。植物科学部長。流行りものに目がないらしい。おそらく、メイ・リデル・アーシェロットの血縁者。
- ドクター・ハートレス
- 現代魔術科の先代学部長。ノーリッジの養子の一人。かつて妖精に心臓を盗まれた人間であるため、メイン十二科の学部長の中では唯一ロードではないにもかかわらずその神秘は時計塔の中でも恐れられていた。
講師等の運営陣
- ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ
- 一級講師。降霊科学部長、ロード・ユリフィスの嫡男であり、次期学部長の座を約束されている貴公子。
- ダーニック・プレストーン
- 二級講師として元素変換を教えていたが、本領は政治的闘争の手腕にあり、講師としての評価は低い。本来の階位は『色位』だが、『Fate/Apocrypha』の世界では特殊な事情により『冠位』となっている。
- 後に、ユグドミレニア一族を挙げての大規模な離反を行う。
- フラウロス
- 時計塔十一科(考古学部)ロクスロート研究棟館長。冠位指定(グランドオーダー)を授けられた名門の嫡子。若いころは弱冠二十歳で『祭位』に到達した神童と呼ばれていた。
- 蒼崎姉妹とは古い友人であった。姉妹に「私は死んだ、私は殺されるだろうから後始末を頼む」という奇怪な遺書を送り、後日殺害される。
- フィーンド・ヴォル・センベルン
- 新鋭の一級講師。その身柄の確保がユグドミレニア残党にとって有利なカードとなる程度には期待されているらしい。
- 化野菱理
- 法政科に所属する魔術師。踝まで届く黒髪に友禅の振袖、魔眼殺しの眼鏡が特徴的な美女。
- オルガマリー・アニムスフィア
- 天体科のロードを務めるアニムスフィア家の女性。
- 『Fate/Grand Order』では3年前に死去した父の跡を継ぎ、アニムスフィア家の当主及び時計塔が出資をしている「人理保障機関カルデア」の所長を務めている。
- シャルダン
- エルメロイ教室に所属する老齢の二級講師。ロード・エルメロイⅡ世が公務などで不在の折には責任者代理を務めている。
- かつてウェイバー・ベルベットが没落したエルメロイ教室を立て直した際、引退していたり、派閥抗争に敗れて放逐されたりなどで野にある講師たちに頭を下げて登壇してもらったという経緯があり、彼もそのうちの一人。
- 学生たちやエルメロイⅡ世からは「シャルダン翁」と呼ばれている。
封印指定執行者等
- ミリョネカリオン
- 封印指定総与。詳細不明。特性は「繁栄」。
- バゼット・フラガ・マクレミッツ
- 封印指定の執行者。当代では執行者最強の一角とされる。階位は『祭位』。
- フォルテ
- 協会屈指と言われる風使いにして、剣士。
- 封印指定の執行や、奪われた魔術書の奪還といった荒事を担当する。
エルメロイ教室
現代魔術科のロード・エルメロイⅡ世が受け持つ教室。
詳細は「エルメロイ教室」を参照。
所属者
- 遠坂凛
- 『stay night』のED後所属。のちに「鉱石学科の災厄」の片割れとなる。
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- 「鉱石学科の災厄」のもう一人。
- フラット・エスカルドス
- 『Fake』時点での教室最古参の学生。偽りの聖杯戦争に参加する。
- グレイ
- 正確には魔術師ではないが、ロード・エルメロイⅡ世の内弟子という形で在籍している。
- スヴィン・グラシュエート
- 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』時における教室最古参の学生。階位は『典位』。
- イヴェット・L・レーマン
- メルアステア派から教室へと送り込まれたスパイ。
- カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア / カウレス・フォルヴェッジ
- ユグドミレニアの反乱の戦後処理の一環として、実質上の人質のような形で時計塔に入学。その後教室に所属する。
ユグドミレニアが存在しないFate正史においても魔術師の道を捨て出奔した姉に代わって入学、エルメロイⅡ世の指導を受けることとなる。 - ヴェルナー・シザームンド
- 「蝶魔術の後継者」の異名と上級階位を持つ。おそらく、オルロック・シザームンドの血縁者。
- ローランド・ペルジンスキー、オルグ・ラム、ラディア・ペンテル、ナジカ・ペンテル、フェズグラム・ヴォル・センベルン
- 若手ながら全員が上級階位持ちの魔術師。『Apocrypha』に登場する赤のマスターたちの親族。
- 沙条綾香 (氷室の天地)
- 『氷室の天地 Fate/school life』『Fake』の世界では一時的に在籍していた。
元学生
- 蒼崎橙子
- 渡英した後、時計塔に所属。幻の『冠位』取得者。封印指定を受け逃亡。
- Fate/stay night系列の世界においては後に封印指定を解除されるが、時計塔には戻らずフリーの魔術師として活動している。
- コルネリウス・アルバ
- 蒼崎橙子と同期にて学ぶ。
- 荒耶宗蓮
- 蒼崎橙子と同期にて学ぶ。
- フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- 降霊術と人体工学に天才的な才能を持つ少女。
- とりたてて協会に不満などなかったのだが、ダーニックに引っ張り込まれる形で離反することになってしまった。
- ゴルドルフ・ムジーク
- 法政科を出ている。
- クロウ、キャルグ・イスレッド、ジョレク・クルダイス、ゲセルツ・トールマン、アシェアラ・ミストレス
- 時計塔の地下に広がる迷宮「霊墓アルビオン」からの「生還者」。地上に出た後はドクター・ハートレスの保護下で現代魔術科に学び、それぞれの進路に進んだ。
- キャルグとアシェアラは秘骸解剖局の職員となり、現代魔術科に残ったクロウ、フリーランスとなったゲセルツ、クルダイス家の養子として迎えられたジョレクは現在行方不明。
その他
- キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
- 魔法使い。元・魔導元帥。いまでもたまにふらっと顔を出す。
- 蒼崎青子
- 魔法使い。基本的に学院に縛られる存在ではないが、協会側から見れば目を離すことが許されない厄介者。
- 時々、協会の依頼で仕事を請けたりもする。姉に協会の自分名義の口座から金をおろされたりしている。
- ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
- 先代当主ケイネスの横死により没落しかかっていたアーチボルトの家督を継ぎ、立て直した少女。
- 再興に大きく寄与したウェイバー・ベルベットに「ロード・エルメロイ」の名を与えて学派を任せると同時に、自らの下に縛り付けている。
- 「悪霊」ガザミィ
- 封印中の、とある魔術師の異名。協会における厄ネタの一つ。
- ゲリュオン・アッシュボーン
- 「魔術刻印の修復」という特殊な技術を持つ魔術師。故人。
- オルロック・シザームンド
- 「
蝶魔術 」と呼ばれる魔術体系の重鎮。 - ハイネ・イスタリ
- 錬金術の名家イスタリ家の嫡子。一度は魔術の道を棄て、聖堂教会に所属していたが実家の事情により引き戻された過去を持つ。
- ランガル
- 人形師。人前には常に人形を遠隔操作して出ている。外部調査なども行っている模様。
- ファルデウス・ディオランド
- 上記のランガルの弟子。後に離反し、スノーフィールドにおける「偽りの聖杯戦争」の黒幕として暗躍する。
- アトラム・ガリアスタ
- 生贄を用いてマナを精製する魔術を得意とする中東系の美男子。家名に箔を付ける為に第五次聖杯戦争に参戦する。
- バイロン・バリュエレータ・イゼルマ
- バリュエレータの係累、イゼルマ家の当主。所属は創造科。
- ミック・グラジリエ
- 呪詛科に所属する魔術師。
- マイオ・ブリシサン・クライネルス
- 伝承科に所属する薬師の青年。
- イスロー・セブナン
- 黄金姫と白銀姫のドレスを仕立てた魔術師。
- ペメトレキス
- オーガスタス・ヘンリク・アスプルンド、クラスト・レニー・ウェグナー、バレイア・サイクルフィ、ミザリア・クロウラム
- 『Grand Order』で1部終了後にカルデアの査問に訪れると噂された名だたる魔術師。
- それぞれ創造科、鉱石科、全体基礎科、動物科に所属している。彼らもまた魔術師らしい魔術師である。
- が結局カルデアを訪れることはなかった。
- 『Fake』でもファルデウスが魔術協会と取引して彼らを引き抜こうとした。もっとも、ファルデウス自身は「完全にコントロールを握って裏から操れる」程度のレベルであると見なしている。
- ブリシサン
- Fate/Grand Orderで言及された人物。
- ソロモン王の弟子の一人であり、禁忌の中の禁忌とされる『伝承』を預かっているらしい。
- 伝承科の別名と同じ名前であることから学部を作った初代と思われる。
- キリシュタリア・ヴォーダイム
- カルデアに所属する天体科出身の魔術師。
- オフェリア・ファムルソローネ
- カルデアに所属する降霊科出身の魔術師。
- カドック・ゼムルプス
- カルデアに所属する魔術師。
- 芥ヒナコ
- カルデアに所属する植物科出身の魔術師。
- デイビット・ゼム・ヴォイド
- カルデアに所属する伝承科を追放された魔術師。
- メルヴィン・ウェインズ
- 三大貴族の一角、トランベリオの分家の出の魔術師。
関連組織
- アトラス院、彷徨海
- 魔術協会の三大部門を成す他の二部門。交流はほとんどない。
- 聖堂教会
- 神秘を巡り対立する別組織。表向きは不戦協定が結ばれているが、水面下では争いが繰り広げられている。
- パララララ機関
- 神学と魔術の融合を謳う組織。組織の在り方自体が到底認められないため、聖堂教会と協力して叩き潰した。
- 人理継続保障機関フィニス・カルデア
- ロードの一角であるアニムスフィア家が運営する組織。人理焼却後は査問の為に人員を送って介入する予定であった。
- スクラディオ・ファミリー
- アメリカに拠点を置くマフィアであり、魔術師を多数囲っている魔術組織でもある。
- 時計塔としては機会があるなら潰したいが、彼らが囲っていた魔術師が野に放たれるリスクやアメリカ合衆国と敵対するリスクから手出しできなくなっている。
Fate/Grand Orderにおける時計塔
人理保障機関カルデアを天文科のロードであるアニムスフィア家が仕切っているが、時計塔そのものは特に前面には出てこない。
第一部四章の舞台は1888年のロンドンなので、その関係上、当時の「時計塔」が登場するが、マキリ・ゾォルケン、パラケルスス、バベッジらの襲撃を受けて壊滅している。
ただし、そもそも時計塔の人材はロンドンに集中していないことに加え、ロンドンにいた上位陣も襲撃から早々に逃亡しているため、人類史に影響を与えるほどの被害を受けているわけではないという。
また、地下には様々な厄ネタが封印されているのは上記の設定の通りだが、その中でも一際危険なモノとして登場した悪魔(「第六架空元素」と言いかけていたのでほぼ確定と言ってもよいと思われる)はファヴニールに匹敵するほどの脅威とされており、危険性が伺える。
第一部五章ではアメリカ以外の主要国家が全て滅んでいるため魔術協会自体が存在しないという。
人理修復が果たされたあと、カルデアの査問と人事再編のために人員が送られてくる予定であったが、地理的な手続きの困難さ、ゴルドルフ・ムジークのカルデア一括購入、タマモヴィッチ・コヤンスカヤの暗躍により2017年12月末までずれ込み、カルデア襲撃ないし人理漂白という新たな危機により査問員はカルデアもろとも全滅し、うやむやとなっている。
メモ
- 降霊科における「ユリフィス」のような学部ごとの別名の由来は奈須氏いわく「学部を作った初代の名前ぐらいのニュアンス」。
話題まとめ
脚注
注釈
- ↑ 迷宮の巨大さおよび「アルビオン」という名前の由来を考えると、伝説にある「ブリテンの白い竜」そのものの可能性もある。
出典