「聖杯戦争」の版間の差分

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さらに言うなら、そもそも聖杯戦争の開催目的は、[[ビーストⅢ/R|殺生院キアラのビースト]]としての霊基を確立するため(と彼女の暇つぶし)であり、死亡したサーヴァントも残ったサーヴァントも最終的にはキアラに吸収されてしまう。つまり、『[[Fate/Labyrinth]]』の「迷宮の聖杯戦争」と同じく、'''完全な空手形。'''<br>
 
さらに言うなら、そもそも聖杯戦争の開催目的は、[[ビーストⅢ/R|殺生院キアラのビースト]]としての霊基を確立するため(と彼女の暇つぶし)であり、死亡したサーヴァントも残ったサーヴァントも最終的にはキアラに吸収されてしまう。つまり、『[[Fate/Labyrinth]]』の「迷宮の聖杯戦争」と同じく、'''完全な空手形。'''<br>
 
その性質上128騎が全て吸収されたらすぐに128騎が再召喚されて次の「聖杯戦争」が始まるため、「開催回数」もとんでもないことになっており、'''最低でも70回'''は繰り返されている。
 
その性質上128騎が全て吸収されたらすぐに128騎が再召喚されて次の「聖杯戦争」が始まるため、「開催回数」もとんでもないことになっており、'''最低でも70回'''は繰り返されている。
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===Fate/Apocrypha Inheritance of Gloryでの聖杯大戦===
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:『Apocrypha』の世界で[[ファヴニール]]が世界の裏に持ち去った大聖杯の中で執り行われた聖杯戦争。
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:大聖杯の内部は『Apocrypha』の世界での聖杯大戦を再現するための巨大なシミュレーションフィールドであり、トゥリファスと空中庭園が精密に再現されているが、それ以外の土地は存在しない。
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:その為か、サーヴァントも聖杯大戦の際に召喚された時の再現体であるが、不完全なもの。戦闘能力こそサーヴァントに匹敵するが、感情や論理的な思考は一切なく、戦闘のみを実行し繰り返すだけであり、いわゆるゾンビやメカに近い。
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:最初は二騎、567回目の聖杯戦争は四騎と規模が増え、七騎が揃った2313回目辺りから、ダーニックによってクラッキングしたことで大聖杯の支配率が変わり始め、事態の収拾のために大聖杯の管理者である[[ジーク (Grand Order)|ファヴニール]]によって主人公が召喚された時は戦いの数は既に一万を超えた。
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:本来であれば、ファヴニールは十四騎すべてのサーヴァントに思考を持たせて聖杯大戦を裏で操っている者を探ろうとしたが、それは悪手であり残酷なものとして躊躇してしまった。しかしそうして幾千幾万も繰り返すうちに自我を持たぬまま、宝具すら起動できる程までに状況は悪化した。
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:こうして、ファーヴニルの手によって咄嗟にアキレウスとケイローンを思考を持たせたサーヴァントにしたものの、聖杯大戦の記憶を持たない初期化した状態である。だが再現体は打倒することで思考を保有した状態で味方となる。
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:このまま放置した場合だと大聖杯は暴走し、魔獣に被害が及ぶだけでなく、下手すれば人理の錨が余波で障害を起こし、織物が破れて物理法則は一転して変貌して神代と現在が入り混じる世界となり、人間も魔物も互いに殺し合う事となる。
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:なお、この聖杯大戦は「再現された世界」に影響を与えるものではないため、[[ルーラー]]が召喚されることはない。
  
 
===虎聖杯戦争===
 
===虎聖杯戦争===

2018年5月8日 (火) 23:13時点における版

概要

万物の願いをかなえる「聖杯」を奪い合う争い。
広義には聖杯と思われる何かが発見された際、それが本物であるか否かを確認する為に手に入れようとする競争行為全てを指すが、この項では数十年に一度、冬木市を舞台に行われるものを取り上げる。

聖杯を求める七人のマスターと、彼らと契約した七騎のサーヴァントがその覇権を競う。
他の六組が排除された結果、最後に残った一組にのみ、聖杯を手にし、願いを叶える権利が与えられる。

勝利のためには、マスターか、そのサーヴァントを倒す。もしくはマスターの令呪を無効化し, 強制的にマスターとしての資格を失わせることが必要となる。 なお、サーヴァントを失ったマスターとマスターを失ったサーヴァントが契約を交わし、再び参戦する事も可能。

以上が聖杯戦争の“表向きのカタチ”である。

冬木の聖杯戦争のシステムを作り上げた御三家の本来の目的は、サーヴァントとして召喚した英霊の魂が座に戻る際に生じる孔を固定して、そこから世界の外へ出て『根源』に至る事。
小聖杯は溜め込んだ七騎分をもって大穴を空けるためにある。

つまり、本当は殺し合いなどする必要は無い。
本来の目的を隠した上でマスターを呼び寄せる為、上記のような表向きの聖杯戦争がある。

用語

聖杯
万能の願望機とされる魔術礼装
マスター
サーヴァントを従える資格を有した聖杯戦争の参加者。
サーヴァント
聖杯戦争時限定で召喚される、至上の使い魔。サーヴァント自身にも、聖杯を手に入れて成そうという望みがあるため、召喚に応じる。
また、聖杯に触れられるのは同じ霊体の彼らだけであるため、サーヴァントの喪失がマスターの脱落条件ともなる。
令呪
聖杯がマスターに与える、サーヴァントへの絶対命令権。一人三画(回)与えられる。
監督役
形式上の監督役(兼監視役)。この儀式の管轄は名目上、聖堂教会魔術協会の両方。
具体的業務は予備の魔術師を用意したり、戦闘によって引き起こされた事件の隠蔽、サーヴァントを失ったマスターを保護など。円滑に儀式を遂行するために存在する。
ただし、あくまでも形式上の物であり、マスターには監督役に従う義務はない。
御三家
アインツベルン、遠坂、間桐(マキリ)の三家系。聖杯戦争の成り立ちから関わっている。それぞれの提供や成した役割は、
  • アインツベルン:聖杯が宿る器(小聖杯、大聖杯)、英霊召喚の基盤には第三法の一部
  • 遠坂:土地(教会の管理下ではない霊地)、世界に孔をうがつ秘術、サーヴァントを象るシステム
  • マキリ(間桐):サーヴァントというシステムの考案、素材安定のための呪い、令呪を考案し編み出す(第二次から)
また、御三家のマスターはいくつかの特権を有する。

歴史

大聖杯の敷設
第一次聖杯戦争
  • 西暦1800年頃に開催。
  • 最初に行われた大儀礼。
  • 聖杯降臨地は柳洞寺。
  • もともと御三家にはこの儀式を聖杯を奪い合う戦争にする意図はなく、「聖杯戦争」というシステム自体が発足しておらず、この時には令呪すらなかった。(聖杯戦争と呼ばれるようになったのも第二次から)
  • 実際には聖杯を使えるのは一組だけであることが発覚し、御三家の間で聖杯の所有権を決めるための諍いが発生する。(アイリ師匠いわく「ちょっとした いがみ合い」)
  • 第一回目なだけに、まともなルールが規定されていなかった。更にこの頃は令呪が存在しなかった為サーヴァントが制御不能になるなど大規模な混乱が発生し、儀式としての体をなさず失敗に終わる。(殺し合いをしている間に終わってしまったらしい)
第二次聖杯戦争
  • 西暦1860年頃に開催。
  • 令呪を始めとする細部のルールを整備して、ようやく「聖杯戦争」というシステムが機能し出す。
  • 聖杯降臨地は遠坂邸。
  • 外来の魔術師は聖杯の起動式を知る事だけを報酬として招かれ、本来は御三家だけが争う予定だったが、御三家が決裂していることをチャンスと見て他の4組も聖杯獲得を狙う。
  • 儀式は失敗に終わる(「お願い!アインツベルン相談室」によれば、勝者が決することなく全滅したらしい)。
第三次聖杯戦争
  • 西暦1930年頃に開催。第二次世界大戦の直前。
  • 帝国陸軍やナチスが介入し、帝都で戦いが繰り広げられる(詳細不明。冬木市で行われる前の前哨戦?)
  • 第二次が大まかな取り決めしかないルール無用の殺し合いになったため、第三次ではもっと細かなルールが決められた。
  • 初めて魔術協会と聖堂教会が介入し、言峰璃正を監督役として置く。(聖杯戦争を公正に監督させるために、アインツベルン側から教会に聖遺物を監督するようけしかけた)
  • 戦いの過程で小聖杯が破壊され無効試合となって終わった。
  • アインツベルンが必勝を期して「復讐者」のサーヴァントを召喚するも早期に敗退。だが、この「復讐者」のサーヴァントの為に聖杯が「この世全ての悪」に汚染されてしまう。
    • 『Fate/Apocrypha』の世界では「復讐者」は召喚されず、代わりに「裁定者」のサーヴァントが召喚される。
  • エーデルフェルトの双子姉妹が参戦し、妹が戦死。姉はなんとか生還し、この一件で同家の日本嫌いが始まる。
  • 聖杯降臨地は冬木教会。
  • 「聖杯の器」が途中で破壊され、聖杯戦争は無効となって終わる。第三次までの「聖杯の器」は無機物であった。(「お願い!アインツベルン相談室」によれば、聖杯は起動したが正しい所有者を得られないまま消滅した)。
    • 『Apocrypha』の世界ではユグドミレニアとナチスによる大聖杯強奪事件が発生し、冬木における聖杯戦争は幕を閉じる。
    • また、非公式ではあるが「アインツベルンが復讐者を召喚し、帝国陸軍が聖杯を奪取する」場合、『帝都聖杯奇譚』の物語に繋がることが示唆されている。
  • この聖杯戦争を参考にして、アサシンのマスターとして参加していた魔術師の一族がシステムを模倣し、末裔に当たるファルデウスの所属する組織の手によって後述するスノーフィールドにおける「偽りの聖杯戦争」が開催される。
    • なお、この時点でアメリカ政府が協力していたらしく、第二次大戦末期の冬木空襲に乗じる形で何らかのアプローチを行った事が『氷室の天地』で語られている。
第四次聖杯戦争(Fate/Zero
  • 西暦1994年頃に開催。
    • 月は11月頃。
    • 第五次聖杯戦争の10年前とされる。
  • 監督役は前回に引き続き言峰璃正。
  • 前回の反省から、アインツベルンはホムンクルスを「自己管理能力を備えた聖杯の器」として送り出す。
  • 聖杯降臨地は住宅地の中にあった冬木市民会館(施工中で当時は未完成)。
  • 勝者は決したが、その勝者が聖杯を破壊したことで儀式は失敗に終わる。
  • 終結時に冬木大災害が起き、数百人が死亡する大惨事となった。
  • 終結後、衛宮切嗣は大聖杯を破壊するために地脈に仕掛けを施す。
  • この聖杯戦争でジル・ド・レェが召喚されたことでフランチェスカ・プレラーティの興味を引くが、おそらく間桐臓硯の手で介入は阻止される。その結果彼女が聖杯戦争に前向きになった為に後述する「偽りの聖杯戦争」の開催時期が早められた。
第五次聖杯戦争(Fate/stay night
  • 西暦2004年2月頃に開催。
  • 監督役は言峰綺礼
  • 前回から10年という短期間の後に開催され、第四次の影響を色濃く残す。
  • 聖杯戦争史上、最強のサーヴァントたちが集う一方で、マスターの平均年齢が最も若い聖杯戦争でもある。
  • どのルートを通っても最終的に大聖杯が破壊され、今後聖杯戦争が起きることはない。劇中で直接大聖杯が破壊されるのは桜ルートのみだが、他のルートでも後に切嗣の仕掛けによって大聖杯は破壊される予定。切嗣の計算通りであれば、あと二十〜三十年ほどで仕掛けは発動する。
  • 『hollow』へと至る場合、どのような決着だったとしても、言峰綺礼の死亡は決定している。
  • 『氷室の天地』ではこの聖杯戦争の影で沙条綾香が中心となって時計塔の法政科やら埋葬機関のエージェントまで巻き込んだ一大事件が起きていた事が語られている。詳細は不明だが、後述の「偽りの聖杯戦争」のタイミングを考えると、聖杯の欠片と泥を狙ってきたフランチェスカの暗躍ではないかと推測されている。
聖杯戦争の解体(解体戦争)
  • 西暦2010年頃に行われる。第五次聖杯戦争の十年後。
  • 遠坂凛ロード・エルメロイⅡ世が執り行う。[1]
  • アインツベルンが第五次聖杯戦争にて敗北し、第三魔法の成就を諦めたことで放置された大聖杯を奪いに冬木へとやって来た者たちが発端となる。
  • 大聖杯の復活を画策していた魔術協会の一部と対立、聖杯戦争に匹敵する大騒動を引き起こす。
  • 最終的に大聖杯は完全に解体され、冬木の聖杯戦争はその歴史を閉じる。「大聖杯の『復活』を画策」と、大聖杯が機能を停止しているようにも読み取れるが詳細は不明。

その他の聖杯戦争

偽りの聖杯戦争

Fate/strange Fakeで何者かが冬木の聖杯戦争の技術を模倣し、アメリカ・スノーフィールドにて再現したもの。 不完全な模倣ゆえにシステムには欠陥が存在し、在るはずのクラスが欠け、選ばれるはずのないサーヴァントが呼び出された。
主催側もいくつかの組織が別々の思惑を持って開催しており、ロード・エルメロイⅡ世は少なくとも「戦争を隠匿して行おうとする勢力」「戦争を公開してシステムを解析させたい勢力」「聖杯戦争そのものを冒涜したい勢力」が混じっていると推測している。
最初に召喚された6柱は「呼び水」であり、その「呼び水」に霊脈がかき乱れることによって「真なる聖杯戦争」としてさらに7柱が召喚される。「真なる聖杯戦争」のサーヴァントとして召喚されたサーヴァント達は勢力を組んでいるわけではなく完全に異なる思惑で動いている。主催側の一人であるファルデウスはなぜか、通常のサーヴァントを呼ぶ単位である「騎」ではなく、神を数える単位である「柱」としてサーヴァントの数を数えているがその詳細は不明。
時間制限があるようで、「呼び水」である6柱が揃ってから7日間の時間制限が始まっている。
主催側の一人であるフランチェスカ曰く、本物か偽物かわからなくなるほどにルールをかなりいじり回した模様。冬木の聖杯戦争ではエクストラクラスが召喚される場合、三騎士以外の四騎の枠の一つを潰す形で召喚されるが三騎士の一つであるアーチャーが後天的にアヴェンジャーへと歪曲され、ランサーの枠を潰す形でウォッチャーのサーヴァントが召喚された。更には英霊以上の力を持つ『何か』がその場にいたホムンクルスの肉体を器とする形で召喚されている。

ムーンセルの聖杯戦争

Fate/EXTRAで西暦2032年に開催。霊子虚構世界「SE.RA.PH(セラフ)」と呼ばれる仮想現実世界を舞台に、聖杯「ムーンセル・オートマトン」の所有権を巡って戦う。かつてあった聖杯を巡る戦い(冬木の聖杯戦争)をモデルにしているが、システムは根本から大きく異なる。
聖杯であるムーンセル自体が開催しているという点でも他の聖杯戦争とは一線を画している。またその規模も非常に大きく、トーナメント形式とは言え100体以上のサーヴァントが召喚されている。
EXTRAの世界は、Fate本編と地続きの未来ではなく、1970年代から派生したパラレルワールド(ムーンセルは正史世界には存在しないので厳密にはそれ以前からムーンセルの有無で正史世界とは差異がある)である。

帝都聖杯奇譚

Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚で西暦1945年に開催。第三次聖杯戦争がアーチャーの勝利で終わった後、聖杯が突如消失し、再出現したために発生した聖杯戦争。
第三次聖杯戦争が「一昨年」の出来事として言及されているため、本編の時間軸とは数年のズレがある。
アーチャーと帝国陸軍が帝都に聖杯を持ち帰った為か、帝都で開催された。
第三次での被害が大きかったために御三家はどこも参加できず(間桐少佐は帝国陸軍所属)、聖堂教会も太平洋戦争末期のため大日本帝国で大きく動けず、第三次の監督役もアーチャーに殺されているため、参加勢力はドイツ第三帝国と帝国陸軍がメイン。
開催地や参加勢力の影響もあり、召喚されたサーヴァントは大半が日本出身である。

聖杯大戦

Fate/Apocryphaで第三次聖杯戦争後、ナチスドイツによって冬木の大聖杯が強奪され、アインツベルンが「復讐者」ではなく「ルーラー」を召喚した事で生まれた平行世界における聖杯戦争。
西暦2000年頃に開催。予備システムの稼働により、ルーマニアのトゥリファスに7騎+7騎+1騎の計15騎のサーヴァントが召喚され、「黒」と「赤」の陣営に分かれて戦う。「聖杯大戦」という名はこの規模の拡大によって付けられた名称で、魔術協会・ユグドミレニア共にこの呼び方をする。
チーム戦ではあるものの、聖杯を手にするのは一組というのは他の聖杯戦争と同一である。
よって、赤と黒の戦争が終結すれば、一時は味方であった者との第二の争いが始まる。
この世界では聖杯戦争が世界的に広まり、各地で行われるようになった上に大聖杯も汚染されていないので、大聖杯によってルール管理者として「ルーラー」が召喚されている。「ルーラー」は大規模な聖杯戦争やルールが特殊な戦争で幾度となく召喚されており、ルーラーの存在は聖杯戦争関係者からは普通の物と受け止められており、「黒」も「赤」もその存在について熟知している。
第三次の後、アインツベルンは新たな大聖杯の構築に奔走するが、遠坂は聖杯の獲得を断念して別の手段で根源への到達を目指し、マキリは完全に零落して聖杯の事を口伝として伝えるのみとなっている。

亜種聖杯戦争

『Apocrypha』の世界において、十数年前から乱発されている極小の聖杯戦争。
ダーニックが撹乱のために聖杯戦争の仕組みを魔術師という魔術師にバラ撒いたせいで発生したとされる。
召喚される英霊数は冬木のものには届かず、わずか二騎で行われるものから相当の規模である五騎までと様々である。
大雑把に百の聖杯が作成された場合、九十五が途中で頓挫、残り五つのうち四つが不完全で暴発、最後の一つが冬木とは比較にならないほど劣化した儀式として成立するらしい。
ちなみに額面通りに受け取ると、単純計算で一回の亜種聖杯戦争の裏には99の失敗が存在する事になる。
そんな劣化聖杯で呼び出されるサーヴァントにとってはたまったものではなく、召喚を拒絶するサーヴァントやマスターに叛逆するサーヴァントも多数存在する。
霊脈の関係上、サーヴァントが冬木の聖杯戦争ほど実力を発揮できない場合が多く知名度補正の影響が大きいため、地元サーヴァントの触媒争奪戦になることが多い。例えばギリシャにて開催された場合「ヘラクレスの触媒」の取り合いによって聖杯戦争開催以前に勝負が決するため、実質単なる魔術師同士の魔術合戦と化すという。
初期においては「暗殺者の春」と呼ばれるほどにアサシンによるマスター殺しが猛威を振るった。
具体的な開催頻度は不明だが、「度重なる召喚で19人のハサン全員の宝具が解析され、対策が広まっている」という設定がある事から、少なくとも上記の通りアサシンとしてハサンが召喚されるかも怪しい環境下でハサン達が一通り召喚・対策されるぐらいには頻繁に起きている模様。成功率1%でよくやるものである。

迷宮の聖杯戦争

Fate/Labyrinthコーバック・アルカトラス作の第七迷宮にて行われる聖杯戦争。上記の亜種聖杯戦争の一つに当たる。(同一の世界観かどうかは不明)
召喚される英霊は四騎。マスターはおらず、迷宮のモンスターや罠をくぐり抜け、拾ったマジックアイテムから魔力を補給し、最奥部にある聖杯を目指す。
その目的は聖杯を設置したヴォルフガング・ファウストゥスの本当の目的である「自身の霊基再臨」を果たすため、サーヴァントから英霊核を奪いとり、自身の魔力源とすること。その意味では、「根源への穴を開ける」か「自分の霊格を上げる」かの違いはあるが、本来の聖杯戦争の真の目的に一番近いとも言える。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤのイリヤ世界における聖杯戦争

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤのイリヤ世界で本編の時間軸の10年前、アインツベルン家が行おうとしていた儀式。
内容は冬木の聖杯戦争に準ずると推定されるが、衛宮切嗣アイリスフィール・フォン・アインツベルンが出奔したために、この世界では行われることがなかった。
とは言え『Stay night』に連なるいわゆる正史世界との齟齬も少なくない。例えばクラスは基本7クラスがすべてで例外はないとされるほか、(正史では先祖が聖杯戦争に参加していた)凛やルヴィアが聖杯戦争を全く知らなかった。本編中に「第四次聖杯戦争」という用語は登場しないため、イリヤの世界ではこれが「第一次聖杯戦争」になるはずだった可能性も考えられる。
戦争自体の真相も「願望機を求めて戦い合う擬似戦争」とだけ解説されており、根源に至るという裏の目的がこちらの世界にも存在するかは不明。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの美遊世界における聖杯戦争

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの美遊世界でエインズワース家が行おうとしている儀式。
エインズワース家が間桐家とその他の魔術師一族と手を組み、おのおのが「聖杯となる器」「聖杯を降霊可能な土地」「英霊召喚システム」を用意したとのこと。
置換魔術の特性を考えると、エインズワース家が用意したのは「英霊召喚システム」。
第五次まで終わっており、イリヤ達が巻き込まれたのは「第六次聖杯戦争」である。第四次までは失敗続きであり、特に第四次では当時の当主だったザカリー・エインズワースが死去し、残りの2家も壊滅したとのこと。
第五次聖杯戦争では衛宮士郎がイレギュラーから参戦してしまい、残り六騎を撃破して勝者となり、聖杯である美遊に願って彼女を平行世界へと送り出すことで終息した。
「サーヴァントカード」と呼ばれる英霊の力が宿ったカードを術者自身の身に宿す「夢幻召喚(インストール)」して戦うという形式で行われている。
これは、奪い合う「聖杯」である美遊が既に完成されているため、わざわざ英霊の魂を召喚して来なくても良いからであろうか。

Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツでの聖杯戦争

『Prototype』世界において、聖堂教会の所有していた模造聖杯を使用して行われる聖杯戦争。
概要は概ね冬木と変わらない。だが聖杯を用意したのは魔術師達ではなく、聖堂教会が主催者。聖杯はサーヴァントの魂を貯める小聖杯と本体の大聖杯ではなく、善き魂である英霊を召喚するための小聖杯(シンボル)と多くの魂を溜めるための地下大聖杯(セイントグラフ)の2つに分かれている。開催目的は根源への到達や第三魔法ではなく、サーヴァント七騎の魂を呼び水にさらなる高位存在を呼び出すこと。冬木の聖杯はアンリマユの召喚によって汚染されたが、こちらの聖杯は発端から既に狂っておりその結果ビーストが召喚される。開催地は冬木のような地方都市ではなく、極東最大の大都市・東京など、相違点も多い。
開催されたのは2回。一度目は『蒼銀のフラグメンツ』の1991年、二度目は『Fate/Prototype』の1999年。
他の聖杯戦争と比較しても被害規模がとんでもなく、『蒼銀のフラグメンツ』では建設中だった「海ほたる」が半壊し、米海軍第七艦隊が一部隊完全に壊滅した。『Prototype』でも新宿が水没し、東京が壊滅することが示唆されている。

聖杯探索

Fate/Grand Order』の世界で執り行われている儀式。
亜種聖杯戦争にしても異質なものだが、公式サイト等には「史上最大の聖杯戦争」との記述がある。
各特異点では、人理定礎の破壊を目的に聖杯を預けられた人物がおり、主人公らは彼らの撃破と聖杯の奪取を目的とする。
聖杯所有者が召喚するサーヴァントの他、マスターを持たずに召喚される「はぐれサーヴァント」が複数出現。彼らが人理定礎を守護する側と破壊する側に分かれて戦いを繰り広げるため、特異点ごとに亜種聖杯戦争が起きているととることもできるか。
最終的に7つの特異点の聖杯を回収、ゲーティアを倒したことで一旦事件は幕を引いた。

Fate/Grand Orderでの聖杯戦争

Fate/Grand Order』の世界にて開催された聖杯戦争。
Fate/stay night』で語られたものと異なり、2004年での冬木市が最初の開催地とされている。また、アメリカで聖杯戦争を執り行われたという公式記録はない。
聖杯を手に入れた勝者は時計塔のロードにしてカルデアの前所長であるマリスビリー・アニムスフィアとそのサーヴァントのソロモン。マリスビリーはカルデアの活動や開発のための資金を、ソロモン人間への転生を聖杯に願った。今後の活動に影響を及ぼさないよう、「セイバーが聖杯戦争での勝者」と情報操作をしていた。冬木市での聖杯戦争の英霊召喚をもとに、「守護英霊召喚システム・フェイト」が造られた。
地味に、滞りなく勝者の一組が決定し、聖杯が破壊される事も無く、勝者の望みがきちんと叶えられている数少ない聖杯戦争。
ソロモンが語ったところによると、少なくとも『Grand Order』の世界における「聖杯戦争」とは、元々はソロモンの時代に存在した「人類悪による世界の危機に対し、その時代最高峰の七騎を召喚しぶつける決戦魔術」が源流であり、後世のものはそれを格落ちで再現、要所改変したものに過ぎないとされる。この設定が他作品においても同様なのかは現在不明。

Fate/Accel Zero Orderでの第四次聖杯戦争

Fate/Grand Order』に登場する並行世界にて開催された第四次聖杯戦争。
大筋は本来の第四次聖杯戦争と同様だが、アインツベルンの研究が一世代早く進んだことでアイリスフィールが究極のホムンクルスとなっているため、アインツベルンが衛宮切嗣を雇わずアイリスフィールがセイバーのマスターとして直接参加しているという点が異なる。
また、その結果「最強のスペックを持つマスター」「最優のサーヴァント」「小聖杯の優先権」を持つアインツベルンの勝利がほぼ確定、つまりアンリマユの誕生が決定的となったことでそれを阻止するための抑止力の代行者としてエミヤ〔アサシン〕が干渉している。

深海電脳楽土SE.RA.PHでの聖杯戦争

『Grand Order』の世界の特異点で開催された聖杯戦争。
2030年にレイシフトして電脳化された海洋油田基地セラフィックスを舞台として、128人のマスターと128騎のサーヴァントがバトルロイヤル形式で戦うという、上記のムーンセルの聖杯戦争の初期形式を模している。
だが、マスターはセラフィックスの隠された区画である「天体室」に「死亡がまだ確定していない状態」で安置された素体が使用されており、実質的にマスターは居ない。その為に、召喚されたサーヴァントの中には我欲のままに行動する輩も数多く居る。
さらに言うなら、そもそも聖杯戦争の開催目的は、殺生院キアラのビーストとしての霊基を確立するため(と彼女の暇つぶし)であり、死亡したサーヴァントも残ったサーヴァントも最終的にはキアラに吸収されてしまう。つまり、『Fate/Labyrinth』の「迷宮の聖杯戦争」と同じく、完全な空手形。
その性質上128騎が全て吸収されたらすぐに128騎が再召喚されて次の「聖杯戦争」が始まるため、「開催回数」もとんでもないことになっており、最低でも70回は繰り返されている。

Fate/Apocrypha Inheritance of Gloryでの聖杯大戦

『Apocrypha』の世界でファヴニールが世界の裏に持ち去った大聖杯の中で執り行われた聖杯戦争。
大聖杯の内部は『Apocrypha』の世界での聖杯大戦を再現するための巨大なシミュレーションフィールドであり、トゥリファスと空中庭園が精密に再現されているが、それ以外の土地は存在しない。
その為か、サーヴァントも聖杯大戦の際に召喚された時の再現体であるが、不完全なもの。戦闘能力こそサーヴァントに匹敵するが、感情や論理的な思考は一切なく、戦闘のみを実行し繰り返すだけであり、いわゆるゾンビやメカに近い。
最初は二騎、567回目の聖杯戦争は四騎と規模が増え、七騎が揃った2313回目辺りから、ダーニックによってクラッキングしたことで大聖杯の支配率が変わり始め、事態の収拾のために大聖杯の管理者であるファヴニールによって主人公が召喚された時は戦いの数は既に一万を超えた。
本来であれば、ファヴニールは十四騎すべてのサーヴァントに思考を持たせて聖杯大戦を裏で操っている者を探ろうとしたが、それは悪手であり残酷なものとして躊躇してしまった。しかしそうして幾千幾万も繰り返すうちに自我を持たぬまま、宝具すら起動できる程までに状況は悪化した。
こうして、ファーヴニルの手によって咄嗟にアキレウスとケイローンを思考を持たせたサーヴァントにしたものの、聖杯大戦の記憶を持たない初期化した状態である。だが再現体は打倒することで思考を保有した状態で味方となる。
このまま放置した場合だと大聖杯は暴走し、魔獣に被害が及ぶだけでなく、下手すれば人理の錨が余波で障害を起こし、織物が破れて物理法則は一転して変貌して神代と現在が入り混じる世界となり、人間も魔物も互いに殺し合う事となる。
なお、この聖杯大戦は「再現された世界」に影響を与えるものではないため、ルーラーが召喚されることはない。

虎聖杯戦争

フェイト/タイガーころしあむ』『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』で行われた聖杯戦争。
藤村大河がひょんなことから聖杯を手に入れてしまい、「みんなの願いを叶えて」と願ったことから始まった争奪戦。
その性質上参加すれば誰もが願いを叶えられる可能性があり、願いがなくとも参戦することで結果的に無意識に持っていた願いが叶う、という因果になっている。
歴代の真面目な聖杯と比較しても願いを叶える能力はずっと高いのだが、手段をきちんと考えないと面白おかしい結果になってしまうという危険性も孕んでいる。

カプセルさーばんと世界での第四次聖杯戦争

カプセルさーばんと本編の3年前に発生していた。じゃんけんによりアインツベルンが勝利したがアハト爺と臓硯爺の後出しした、してないの言い争いの結果ノーサイドゲームになった。

メモ

  • 「聖杯戦争」と呼ばれる物は冬木市だけで行われているわけではなく、広義には聖杯を手に入れようとする競争行為全てを指す、とある。発売前インタビューによれば、「聖杯とされるものが出品されたオークションだって聖杯戦争」らしい。
  • 英霊を使い魔とするサーヴァントシステムは冬木市の聖杯戦争独自のものである。
    • 冬木の聖杯は、その魔術基盤がアインツベルン由来のものであり、"聖杯”という概念が西洋(キリスト教)のものであるため、「西洋圏由来の英霊」しか喚べない。東洋圏の英霊は召喚の対象外となる(第五次の佐々木小次郎は「反則」を行ったがゆえの例外)。
    • 「西洋圏由来の英霊」とはいえ、ギルガメッシュやハサンのように、厳密には西洋圏とはいえない中東圏の英霊も招かれている。このことから、西洋圏で十分な知名度があれば、必ずしも西洋が伝承の発祥地でなくともよい可能性がある。
    • 冬木の聖杯以外でサーヴァントシステムを用いた聖杯戦争がもしも行われた場合は、用いられた聖杯次第で召喚対象となる英霊の縛りは変わってくる(『Fate/strange Fake』や『Fate/EXTRA』)。
  • 監督役自身は聖堂教会の人間だが、聖堂教会と魔術協会の両組織が聖杯戦争を監督している。聖杯戦争に関する隠蔽工作等の裏方の仕事は、両組織が行っている。
    • 第五次では言峰綺礼一人だけが傍観しているかのように描かれているが、第四次は言峰璃正の元、複数のスタッフが働いていることが描写されている。HFルートでは聖堂教会の運転手が綺礼の指示で動いている。
    • 聖杯戦争で失われたものへの金銭的なアフターサービスは、アインツベルンに出資させている。
    • 聖杯戦争の性質上、施設の大規模な破損や魔力吸収による一般人の大量昏睡が発生するが、これらへの隠蔽工作では「ガス爆発」や「ガス漏れ」などでの理由の付けやすさからガス会社がしばしば汚名を着せられ、読者から同情を集めている。
  • 根源に至ろうとする者には抑止力が働くはずだが、聖杯戦争が抑止力を呼び寄せていたかは不明。
    • コルネリウス=アルバは、元から開いている道を辿るだけなら抑止力は働かないと考えている。
      • 一方で、荒耶は「アレの目は誤魔化せない」と言っている。
    • HFルートにて、(抑止力のことかは分からないが)士郎はそもそもこの聖杯戦争の仕組みは根源に至る方法として間違っていたのではないかと疑問を抱いた。

脚注

  1. 『complete materialⅢ』では遠坂の当主と記述されており、凛なのかは明かされていなかったが、コラボイベント『Fate/Accel Zero Order』で判明した。

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