魔術礼装
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概要
ミスティックコード。単に「礼装」とも呼ばれる。
魔術の儀礼に際し使用される装備・道具。おとぎ話に出てくる「魔法使いの杖」に相当する。
機能は大きく二系統に分類されており、一つは魔術師の魔術行使を増幅・補充し、魔術師本人が行う魔術そのものを強化する「増幅機能」、もう一つはそれ自体が高度な魔術理論を帯び、魔術師の魔力を動力源として起動して定められた神秘を実行する「限定機能」。
前者の機能を主に発揮する礼装を「補助礼装」、後者を「限定礼装」と呼ぶ。宝具も大部分は限定礼装に分類される。
魔術礼装一覧
- アゾット剣
- 所有者:遠坂時臣→言峰綺礼→遠坂凛(→衛宮士郎)、ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス
- 剣の形をしているが、本質は魔術儀礼用の杖。見習いを卒業した魔術師が師から送られるものとして有名。大元は近代錬金術の基礎を築いた男が愛用した短剣とされる。
- 遠坂家に伝わるものは宝石細工の品で、魔力を溜め込む事ができる。詠唱すると溜まっていた魔力が解放される。
- 『Fate/Zero』で時臣が綺礼に譲り、その場で心臓(アニメ版は場所が異なる)を刺される。それを知らせず凛へと譲り渡すことに、綺礼は歪んだ愉悦を感じた。
- 『Fate/stay night』ではFateルートとHeaven's Feelルートで凛から士郎に渡され、ルート毎に異なる相手に使われる。
- 月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)
- 所有者:ケイネス・エルメロイ・アーチボルト→ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
- ケイネスの切り札。水と風、ふたつの属性に共通する流体操作術式をベースに、ケイネスの魔力を充填して意のままに操る水銀。自在に形態を変化させ、攻撃・防御・索敵を可能とする芸達者なシロモノ。咄嗟の防御などは自律的に行う。簡易ゴーレムの一種であり、使用中は礼装というよりも使い魔に近い。
圧力をかけることでダイヤモンドをも切り裂く刃に変わり、膜状に展開すればクレイモア地雷やマシンガン掃射に耐える盾にもなる。滴を周囲に散らせて広範囲を索敵することも可能。しかし、触覚でわかる物しか索敵できず、変化と駆動は圧力・遠心力で為すために動きが比較的単調であったり、膜状展開後の即時変化はできないなど、特性故の弱点も存在する。
使用しない時には陶磁の大瓶に入れて運んでいる。10リットルの水銀の質量は約140キログラムに及ぶが、ケイネスは重量軽減魔術で小脇に抱えて運べるようにした。ケイネスの死後はライネスによって使用人兼ボディガードとして改良された。
- カルデアス
- 『Fate/Grand Order -MOONLIGHT/LOSTROOM-』にて魔術礼装とされる。詳しくはリンク先を参照。
- カレイドステッキ
- 制作者:キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
- 所有者:遠坂凛、ほか
- 宝石翁ゼルレッチが作った礼装の一つ。宝石剣を作る片手間で製作された「愉快型自立魔術礼装」。片手間の癖して、自分のメインウェポンである宝石剣よりも高度な魔術理論が使用されている。
効果は第二魔法の応用で平行世界の自分が習得しているスキルをダウンロードし使用する、というもの。ついでに杖の用途・使い方を伝えるための「人工天然精霊」が宿っている。使用した場合どうなるかは使っちゃった人の頁も参照。 - 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』ではマジカルルビーとマジカルサファイアという人工天然精霊が登場。使用者に莫大な魔力を「なんとなく」で授ける傍迷惑極まりない代物。
- キャスターの杖
- 製作者/所有者:メディア
- 所有者:ファンタズムーン
- 正式名称と能力は共に不明。作中ではこの杖を向けるだけで爆撃できていた。
- 『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』ではファンタズムーンが所持。以前、キャスターの元から強引に奪った。キャスターから返却を求められるも無視。キャスター曰く「それ、魔術礼装としての使い方してないでしょう!」、「何てもったいない……それは私が丹精込めて作った一級品で、月をモチーフにしたような優美なデザインも密かに気に入ってるのに……」とのこと。
- 天のドレス
- 所有者:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、アイリスフィール・フォン・アインツベルン
- 『Fate/complete material Ⅲ』にて限定礼装とされる。アインツベルンに伝わる純白のドレスで、大聖杯を制御する心臓であり、魂を数秒だけ物質化させるという第三魔法に近い魔術を帯びている。
- 黄金でできており、万物を統べる指輪が変形した7つの孔はサーヴァントの魂を収める度に1つずつ光り出していく。人間が触ると黄金に変じてしまうため、運用は精霊や小人、ホムンクルスが行う。
- 『Fate/hollow ataraxia』では千年かけて積み上げた、第三魔法に至る為の魔術回路とも表される。『Fate/Zero』によるとイリヤに追加の魔術回路として被せることで、心臓だけでなく全身を聖杯の器として機能させる。
- トンプソン・コンテンダー&起源弾
- 所有者:衛宮切嗣
- 切嗣の使う銃と切り札として扱う銃弾。
- 起源弾
- 切嗣の肋骨を心材に精製された銃弾(魔弾)。切嗣の魔力を込めて撃つと、被弾した相手に切嗣の起源「切断」と「結合」を発現させ、不可逆の破壊をもたらす。
- 具体的には「結合」でいい加減に繋げた結果、一見古傷のようなものが出来上がるが、内部の毛細血管・神経などは再生せず、機能を失う。実際に被弾した例では視覚、聴覚は無事だったが、痛覚が失われている。
- そして銃弾が魔術で防がれた場合、対象の魔術回路をズタズタにした上でメチャクチャに繋ぎ合わせ、魔力を暴走させて絶命に至らせる。たとえ絶命しなくとも、魔術師としては再起不能となる。
- 防がなくても、魔術で防いでもアウトだが、物理的に防ごうにも高い火力を持つ.30-06スプリングフィールド弾がそれを困難にしている。
- トンプソン・コンテンダー
- トンプソン/センター・アームズ社が開発した単発式ハンティング・ピストルで、起源弾を放つのに使う。切嗣が扱う銃火器の中でも唯一の礼装。
- 撃針やライフリングに魔術的細工を施している他、『Fate/Zero material』によると銃身自体が魔術的行程で鍛造されたもの。正規品ではそもそも.30-06スプリングフィールド弾が撃てない。
- バレルレプリカ
- 『MELTY BLOOD Act Cadenza』付属小冊子の用語辞典にて魔術礼装とされる。詳しくはリンク先を参照。
- 接続強化型魔術礼装(ブロンズリンク・マニピュレーター)
- 製作者/所有者:フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- フィオレが独自に考案した魔術礼装。右手にも装着している。三流の魔術師でも一流を仕留めると言われる程の剣呑な代物。動かない両足の役割を果たしている、背中に装着する戦況に合わせて多段変形する金属腕。魔力を通しやすい特殊合金で鍛造されており、一本の腕につき一体、合計四体の動物霊(犬)を憑依させることで、フィオレの意のままに動きつつも、状況によっては自動的に動いて主人を守る魔術礼装。
普段はスーツケースの中に収納されているが、乗用車を軽々と引き裂くほどの怪力とどれほどの悪状況でもバランスを一切失わないほどの精密性を持つ。通常時は二本だが分割変形して現れた二本が足となり、重度の障害を負っている彼女のハンデを軽減している。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが考案した月霊髄液とは異なり、行動パターンの記憶は最低限に留まっている。これはあまりに多様なパターンを記憶させようとすると、動物霊の思考能力の限界を凌駕してしまうため。なので、攻撃力という面では、月霊髄液にやや劣る。その代わり、主人を守るという点に関しては、動物霊の反射速度をフル活用するため、並大抵の礼装では打ち破れない。
自分で操作すると魔力の負担はそれなりに大きいが、自動操縦(オートモード)に切り替えると魔力の負担は軽減される。攻撃より、防御の側面が強く打ち出された礼装と言える。
カウレス以外には秘密にしているが、四本の義腕にはそれぞれアスタ、ブランカ、コメット、ヴォルフ、とペットとしての名前をつけている。- 守護者の錫腕(ユーピター)
- 接続強化型魔術礼装の腕の一つ。亜音速で飛ぶ必滅の魔弾を摘み取るほどの精密且つ機敏な動きが可能。
- 戦火の鉄槌(マルス)
- 接続強化型魔術礼装の腕の一つ。防御結界など何の意味もないほどの威力を持った光弾を重機関銃のように射出する。
- 轟然の鉛腕(ザトゥルン)
- 接続強化型魔術礼装の腕の一つ。戦闘時はフィオレの右脚を代行する。へら状に変形し、魔術師の心臓の爆発を抑え込むほどの強度を持つ。
- 宝石
- 所有者:遠坂時臣、遠坂凛、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、ルフレウス・ヌァザレ・ユリフィス、ほか
- Heavens feelルートでは補助礼装、『Fate/side material』では使い捨ての限定礼装として紹介されている。宝石魔術を使う魔術師が触媒として扱うもの。
- 魔力を宝石に溜め込み、媒介や増幅装置として扱うことが多い。年季や曰く付きのものの方が魔力をこめやすいために新品はあまり使われない。
- ただし、触媒として使ってしまうと灰になって消えてしまうため、費用が非常にかさむ。
- 宝石剣ゼルレッチ
- 制作者/所有者:キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
- 所有者(投影品):遠坂凛
- ゼルレッチの生み出した、自身の名前を冠する魔術礼装。その本質は剣ではなく杖。限定的ながらも、第二魔法を行使する限定礼装である。使用した空間に、平行世界へとつながる極小の穴を穿ち、大気中のマナを採取する。人間が通れるような穴はあけられないが、無限大のマナ供給を得られる。獲得・結束した魔力を光の斬撃として射出する。
かつて、ゼルレッチが朱い月の大技「月落とし」を打ち破った際にも使われていた。 - 『Fate/stay night』では凛が使用。大聖杯が収められた龍洞での最終決戦で用いられた。
凛が使用したものは、ペナルティとして、使用するごとに腕の筋繊維が一本一本切断されていくという弱点があるが、ゼルレッチの所有するオリジナルにもこの弱点があるかどうかは不明。
- マグダラの聖骸布
- 所有者:カレン・オルテンシア
- 『Fate/hollow ataraxia』で男性を拘束することに特化した魔術礼装とされる。赤い聖骸布。
- 特化しているだけあって、手足に巻き付くだけで呼吸困難にできる。使い手がその場から離れても拘束は解かれない。
- バーサーカーをも拘束することができるが、殺傷能力はない為、破られるのを待つだけになる。また外からの攻撃には弱い様で、作中ではセイバーにあっさり切り払われていた。
- 尚、性別は肉体ではなく魂で判断する。『トラぶる花札道中記EX』ではこれでバゼット・フラガ・マクレミッツを拘束できる可能性に触れていた。
- 無銘のソードオフの水平二連式ショットガン
- 製作者/所有者:獅子劫界離
- 撃針部などに呪術的な処理を施されているが、肝心なのは銃そのものより弾丸で、人の指を加工した弾が装填されている。
ガンドと死霊魔術を組み合わせて作られたこの「指弾」は、進行方向に存在する体温を感知し自動で軌道修正を行い、標的に命中してからも心臓に向かって進み続け、呪いを破裂させることで確実に標的を殺害する一撃必殺の『魔弾』である。
- クラスカード
- 製作者/所有者:ジュリアン・エインズワース
- 所有者:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、美遊・エーデルフェルト、ベアトリス・フラワーチャイルド、アンジェリカ
- 正式名称はサーヴァントカード。『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』に登場する、七種のサーヴァントの姿が描かれたカード。
ジュリアン・エインズワースによって作られた魔術礼装であり、魔術協会でも全貌を解析できない高度な一品。
高位の魔術礼装を媒介とすることで英霊の座にアクセスし、力の一端である宝具を召喚、行使できる。
だが、それは力の一端に過ぎず、本質は「自身の肉体を媒介し、その本質を座に居る英霊と置換する」一言で言えば「英霊になる」アイテム。
- 栄光の右手(ハンズ・オブ・グローリー)
- 製作者:不明
- 所有者:聖堂教会 → 偽総統(ドイツ第三帝国) → 聖堂教会
- 絞首刑で死んだ罪人の右手から作られた蝋燭。
- 製造に複雑な手順が必要なものの礼装としてはありふれており、効果も「人を眠らせる」と程よいレベル。
- だが、『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』で登場したものは別格で、聖堂教会が聖遺物として封印していた代物。
- ドイツ第三帝国の手で聖堂教会から盗み出された後、「真なる総統」の召喚の触媒にされた。
- 触媒に使用されたことや聖堂教会に封印されていた経緯から、聖人かそれに類する人物の右手から作成されたと思われるが、真相は不明。
- カルデアの魔術礼装
- 人理継続保障機関・カルデアで使用される魔術礼装。基本的に主人公 (Grand Order)が使用する。
- 衣服の形状をとる魔術礼装で、サーヴァントを指揮する傍らマスターが使用する事が想定されており、直接的な攻撃より補助に使用される事が多い。
- 「礼装起動(プラグ・セット)」の掛け声で使用する。使用には魔力が必要だが、一般人である主人公でも使用できるように魔術師である必要はない。
- 魔術礼装・魔術協会制服
- 魔術協会の時計塔が優秀と認めた生徒に送られる魔術礼装。外見はオルガマリー・アニムスフィアの服装に近い。
- マスタースキルの『全体回復』は味方全体のHPを回復、『霊子譲渡』は味方単体のNPを増やす、『コマンドシャッフル』はコマンドカードを配り直す。
- 全体的に、どのサーヴァントを使っていても等しく戦局の補助に貢献する、安定した使い勝手のスキルが揃う。
- 魔術礼装・アトラス院制服
- アトラス院が「最強であるものを作る」目的で試作した魔術礼装。シオン・エルトナム・アトラシアの服装に酷似している。メガネ着用。
- マスタースキルの『オシリスの塵』は味方単体に無敵状態を付与[注 1]、『イシスの雨』は味方単体の弱体状態を解除、『メジェドの眼』は味方単体のスキルチャージを2進める。
- スキル/状態変化関連の支援に特化したスキル構成をしているため、「アトラス院の目指す最強ってなんだ?」とネタにされることも。
魔術礼装候補一覧
魔術礼装とは明言されていない物。
- イースター・エッグ
- 製作者:不明
- 所有者:代々のロマノフ皇帝
- 一般的なイースター・エッグではなく、ロマノフ王朝に代々伝わる家宝。効果の程は不明。
- ロマノフ王朝はヴィイに代表されるように魔術との関連が深く、王朝崩壊時にはいくつかのイースター・エッグが魔術市場に流出したとか。
- エーテライト
- 所有者:シオン・エルトナム・アトラシア、遠野秋葉、ラニ=Ⅷ
- エルトナム家に伝わる秘伝。元々は医療用に開発された、エーテルで構築した擬似神経繊維。
- 他者の神経へ介入(ハッキング)し、脳髄からは情報を、魂からは思考法則を読み取ることができる。ただし自身の自我が成長すると他者の知識や理念を拒絶してしまうため、完璧に使いこなすには完全な中立を保つ必要がある。鞭のように振るい、鋭い切れ味を持つ鋼線としての使用も可能。
- 『MELTY BLOOD』で秋葉はシオンからエーテライトを伝授されるが、まだ使いこなせていない。ラニは電脳世界へのダイブや装置の操作に使っている。
- 聖杯
- 原義をいうならば、キリストの血を受けた杯のこと。
- 聖杯戦争で奪い合う聖杯は「万能の願望機」と呼ばれるレプリカ。『Fate/stay night』で遠坂凛、『Fate/Zero』で璃正がそれぞれ宝具と呼んでいた。
音声翻訳 の護符- 言語を翻訳し、会話できるようにする護符。言語自体の音を認識する事はできる。
- 魔眼殺し
- 制作者:蒼崎橙子
- 所有者:遠野志貴、ライダー、蒼崎橙子
- かけることで魔眼の力を抑制する眼鏡。
- 『月姫』シリーズ、『MELTY BLOOD』シリーズでは遠野志貴が直死の魔眼を抑制するために使用。
- 『Fate』シリーズではライダーが石化の魔眼(キュベレイ)を抑制するために使用。また、遠坂凛が応用でコンタクトレンズバージョンも作ったりしたが、宝石を使い捨てるという、とんでもないコストがかかるものだった。
- 『フェイト/タイガーころしあむ』に登場したものは改良が加えられており、着用者の胸を小さくする機能が付加されていた。ライダーのコンプレックスを解消する為に付加されたものだが、間違って着用した凛にとっては大迷惑だった。
メモ
脚注
注釈
出典