ダビデ

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アーチャー
真名 ダビデ
外国語表記 David
性別 男性
身長 171cm
体重 62kg
好きな物 女性、お金
苦手な物 戦い
出典 旧約聖書
地域 イスラエル
属性 秩序・中庸
副属性
一人称
二人称 あなた/きみ
三人称 彼/彼女
声優 中村悠一
デザイン ギンカ
設定作成
Apocrypha
星空めてお
Grand Order
星空めてお
東出祐一郎
桜井光
レア度 ☆3
初登場作品 Fate/Apocrypha(企画版)
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概要

弓兵」のサーヴァント

略歴
ゲーム版『Fate/Apocrypha』企画段階で誕生。ゲームが作られず、小説として復活した際未登場。
Fate/Grand Order』の第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』にて初登場。
西暦1573年の特異点オケアノスで最初に召喚されたサーヴァント。彼と共に召喚された『契約の箱』がイアソンに狙われており、アタランテと共に身を隠し続けていた。
イアソンに先んずるべく『契約の箱』を探し始めた主人公一行に対して、アタランテの放った矢文で隠れ場所の島へ誘導し、一行と共闘のため合流する。
『Fate/Grand Order -turas réalta-』では開始時点で既にドレイクと合流しており、彼女のクルーとして序盤から主人公に合流して共闘した。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、アタランテ、アルテミスやオリオンと共にⅢの座を統括する観測所フォルネウスと交戦する。
人物
涼やかな、切羽詰まる事がない超秀才。
普段は適当だが決める時は決める緑髪の青年。
穏やかで寛容、軽率には敵対しない賢者。 神を第一とする一方、冷静な判断を下す徹底したリアリストでもある。
自分が復活せし者、ダビデ本人の魂を持つ者とは考えていないが、生前も今も神の使者であることに変わりはなく、神の恩寵を感じられればそれでよいと在り様に引け目を感じていない。
他者に対しては「誰しも神に与えられた価値がある」と見做し敬意をもって接する。女子供は戦力として見なさないが、王の覚悟を持つものや戦士はその限りではない。
だが英雄らしく女性、それもナイスバディの女性や美人に弱く、二言目には「妻に迎えたい」と発言する。生前で巨人と戦った経験からか自分より背の高い女性はなんであろうとNG。
マスターに対しては最初から腹を割って話す。ビジネスパートナーとしての運命共同体として考えている為、絶対に裏切る事はない。
富の大切さ、金銭の価値が骨身に染みている為、資産価値の運用に抜け目がなく、資産に対する執着はかなり強い。自身の破産に巻き込ませないよう「その時」が来たら縁を切るようにアドバイスしたりと律儀な面がある。マスターの金銭事情も心配してくれるのか、自分から儲け話を持ってきたりもする。
王座にいた頃の心労は相当酷かったようで、サーヴァントとしては一介の羊飼いのままでありたいという思いが強い。心労ばかりの王座にいた頃に、心を癒してくれた牧場経営を趣味としており、自身の家畜を泥棒しようとする輩には容赦しない。
竪琴の名手であるが踊りの才能は皆無で、質の悪いことに両方とも同じ位大好きである。
能力
自分で作った弓矢を武器とするが、『Grand Order』では弓兵なのに杖で殴ることが多い。
固有スキル『神の加護』によって、優れた肉体と容姿を持ち、ライオンや熊の尻尾を掴んで叩き殺す俊敏さと腕力がある。
イスラエル王国の王・サウルの悪霊を祓ったダビデの竪琴(キヌュラ)には破魔の効力があり、聴く者の精神を平穏に保つ。また彼が竪琴を弾く間、敵味方を問わず攻撃命中率が極端に下がる。
彼自身はただの羊飼いに過ぎないが、キリストの祖としての弱い神霊適性を持ち、ナザレのヨセフとほぼ同格にあたる。キリストの威光を背景とする宝具、 例えば“聖骸布”、“聖釘”、“聖槍”あるいは“聖杯”などに対しては、それなりの耐性を発揮する。
2代目イスラエル王として全部族を従え、32万を超える兵を率いてエルサレムを制圧したことから分るように、高い『カリスマ』を持つ。彼の人生は戦争に次ぐ戦争であり、余りに血塗られていたため、 神が神殿の建築を許さなかったほどである。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー C D B C A B 神の加護:?
竪琴の演奏:?
神性:?
カリスマ:?
『Fate/Apocrypha』企画段階。
主人公 (Grand Order) C D B C A B 対魔力:A
単独行動:A
神性:D
神の加護:A
治癒の竪琴:B
カリスマ:B

宝具

五つの石(ハメシュ・アヴァニム)
ランク:C(ゲーム内マテリアル)/C-(FGOマテリアル)
種別:対人宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1人
巨人ゴリアテを打ち倒した投石器。五つの石は彼の寛容を表し、4発目まではあえて外すことで警告を発するが、5発目は急所に必中する。サーヴァントならば一時的に意識を喪失し、その後、相手の主武装はダビデのものとなるか、使用不能になる。
カウントダウンの掛け声はヘブライ語の「ヘー(5)」「ダレット(4)」「ギメル(3)」「ベート(2)」「アレフ(1)」で、明白な脅威に対してはカウント1から。
投射するものは単なる石が変容したものなので、無制限に補充が可能である。
『Grand Order』でのモーションは設定通り、4発目までを外してから5発目の投石が直撃してダメージを与える演出になっている。
『Grand Order』では「自身に必中状態を付与(1ターン)+敵単体に超強力な攻撃[Lv]&高確率でスキル封印状態を付与(1ターン)<オーバーチャージで確率アップ>」という効果のBuster宝具。
強化クエストクリアでBランクに上昇し、宝具威力倍率が上昇する他、宝具攻撃が〔巨人)特攻攻撃となる。
巨人特攻について
以前から存在する「超巨大」特性とは別物。いくら巨大でもドラゴンなど明らかに「人」でないものは除外されるが、超巨大と違ってそこまで巨大でなくても適用されるため、サーヴァントの中にも何人か該当者がいる。
この「巨人」の基準は原典でダビデが打ち倒したと言われる巨人「ゴリアテ」の身長が6キュビト半=およそ2.9メートルであった事に基づいていると思われ、サーヴァントではイヴァン雷帝(531cm)、ダレイオス三世(345cm)、項羽(310cm)、アステリオス(298cm)とサイズ不定のBB (水着)キングプロテアバニヤンなどが該当し、ヘラクレス(253cm)[注 1]超人オリオン(230cm)が該当しない。
燔祭の火焔(サクリファイス)
ランク:A
種別:対軍宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:600人
旧約聖書・民数記にいう『神の命令によって燃え上がった、明るく輝く最も熱い火焔』
使用すると幻の香炉から立ち上った紫の煙が相手を取り巻く。じきにシナイ山を思わせる雷雲と霧が立ちこめ、天より遣わされた業火が、神の意に沿わぬ者を一滴の血も残すことなく焼き尽くす。炎は全体で祭壇を形成する。
契約の箱(アーク)
ランク:EX
種別:契約宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:900人
モーゼが授かった十戒が刻まれた石板を収めた木箱。
ペリシテ人を退けてエルサレムを掌握したイスラエル王ダビデはそこを都と定め、この契約の箱を運び上げた。
宝具としての効果範囲は狭いが絶対的であり、箱に触れたサーヴァントの魔力を問答無用で奪って消滅させる。その効力強度は凄まじく、命のストックを10個持っていたヘラクレスを一瞬で消滅させる程。
この宝具はダビデと共に召喚されるが、正確にはダビデの所有物ではない上に霊体化が不可能であるためダビデが消滅しても誰かが所有すれば残り続ける性質を持つ。
また、低ランクであろうが神霊が生贄に捧げられるとこの宝具は暴走し、周囲一帯が崩壊する。存在が不安定な「特異点」でそれが起きた場合は特異点そのものの崩壊を待つまでもなくその時代は「消滅」してしまう。
神からの授かり物とは思えない程物騒で危険な効果であるが、『Fate/Grand Order』の絆礼装カードの記述を参考にするなら、「してはいけないと言われてもやらかすほど、人間は馬鹿ではないだろう」という神からの信頼の証らしい。
『Grand Order』では第三章のシナリオにおけるキーアイテムとして登場。

真名:ダビデ

旧約聖書に登場する、イスラエルの王。紀元前十一~十世紀の人物。
元々は羊飼いであり、竪琴弾きでもあった。当時、ペリシテ人と戦っていたイスラエルの王に竪琴を弾くため、軍を度々訪れていた。
その際、ペリシテ人の巨人ゴリアテが全てを懸けた一騎討ちを要望した。
巨人のあまりの強さに恐れをなしたイスラエル軍は誰一人立ち向かうことができなかったが、唯一ダビデがその一騎討ちに応じた。
剣も持たずに挑むダビデを侮るゴリアテだが、ダビデは石を投げてゴリアテを昏倒させ、彼の剣で首を刎ねた。
その後、当時の王といざこざがあったものの、見事王に即位してからはこれまた見事な統治を行ったという。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』の解禁に伴い実装。また、第三特異点のクリアボーナスとして一騎確定で入手できる。
エミヤ同様のArts3枚構成のアーチャーでスキルも優秀な効果が揃っており、優れたサポート役として活躍できる性能。

その他

ちびちゅき!
所属不明。美術の授業で石膏像がなかったために石膏漬けにされかけた。(ミケランジェロのダビデ像ネタだと思われる。)

人間関係

Fate/Grand Order

マシュ・キリエライト
幕間にて「アビシャグじゃないか!」などと口説く。彼女からは偉大な王様として尊敬されている模様。
ロマニ・アーキマン
第三特異点が初対面であるはず…だがロマニの態度はやけに遠慮がない。その理由は最後に明らかに。
アタランテ
第三特異点で共闘した相手。アビシャグ呼ばわりしているが、向こうからは呆れられて袖にされている。
フランシス・ドレイク
第三特異点で共闘した相手。
ゲーム本編では途中から合流した為あまり絡みはなかったが、漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では最初からドレイクと一緒に登場し、主人公一行とドレイクの決闘にも相手側で参戦してきた。
ヘラクレス
第三特異点で敵対した相手。
ゲーム本編ではアークが彼を攻略する上で重要な鍵になった他、漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では彼による危機的状況を回避する為に秘していた真名を明かし、「五つの石」による巨人特攻も乗せて一殺した後、アークに巻き込む形で自分ごと道連れに完全に滅ぼした。
ヘクトール
第三特異点で敵対した相手。
ゲーム本編ではあまり絡みがなかったが、漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』では最初の遭遇時にマッチアップし、互いに政治家としての経験も豊富なためか穏やかに微笑みながら煽り合っていた。
サンタオルタ
クリスマスイベントにて、プレゼントを届けに来た彼女を「アビシャグじゃないか!」と大喜びで口説きにかかる(ダビデが女性を「アビシャグ」と呼んで口説いたのは彼女が初描写である)。
区別がつかなくなっているのか、単なる口説き文句のダシにしているのかはこの時点では不明。ダビデには妻が複数居るので、どうも後者のような気がしてならない。
オリオン
第三特異点で共闘した相手。アルテミスとオリオンの関係にドギツイ下ネタを言う。
ヘラクレスを打倒する作戦を立てる際、ダビデのある発言を「破滅的」「無責任」と評していた。
エミヤロビンフッド
クリスマスイベントではダビデの自己中心的な振る舞いに度々憤慨している。
玄奘三蔵
イベント『星の三蔵ちゃん』で共演。「麗しき黒絹の髪のひと」と呼んでいつもどおりアプローチにかかるが、出家の身と知って渋々ながらも諦めた。彼女からは尊敬されている。
マイルームでも「何か大きなものの慈悲の心が顕れたもの」という認識のようで、やはり恋愛的には対象外。
シバの女王
彼の息子の交際相手。「お義父さんと呼んでも構わない」等と宣っている。
守銭奴の商売人気質というキャラ被りとあいまってか、主人公へ「返品したほうがいい」と言うマイルームセリフがあるなどあからさまに嫌悪されている。
彼からは「温かそう」とは言っているが、一方で『自分より背の高い女性』だからか[注 2]アビシャグ対象外だとも言っている。また、同じ商売人気質ということからもライバルに近いとのこと。
彼女の幕間の物語『三匹のジンのレポート』では「彼の王」に関連した問いかけについて、彼女とトークを繰り広げていた。
キルケー
「お胸のサイズには難があるがギリギリでアビシャグ認定」とやらかしたため、キュケオーンを食わされて豚にされた模様。
虞美人
期間限定イベント『水着剣豪七色勝負』では彼女の依頼を受け、彼女の持っていたガラクタ(考古学的には非常に重要)を闇オークションで売りさばき、マージンを取っていた。
サロメ
同じ聖書関連のサーヴァント。
非常に美人であるため興味を惹かれており、彼女の性質についても「自分はヨカナーンとは対極のようなものだから問題ない」と楽観的。……当然ながら、彼女から興味を持たれることもないだろうと理解はしているが。

ちびちゅき!

ガイウス・ユリウス・カエサルヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス
3人でトリオを組み、怪しげなダイエット薬の詐欺行為を働く。

生前

ソロモン
寝取りで手に入れた妻バテシバとの間に生まれた息子。数多くの魔神や悪魔を統べる破格の王。子育てにはあまり関わってこなかったらしく、情報を求められた時には言葉を濁していた。
とは言え、メディア・リリィが口にした魔神柱の名前から即座に息子が使役した魔神を思い至っており、何気に召喚した魔神達の名前まできちんと覚えたらしい[注 3]
また、姿を変えたソロモンの正体に気づいていたうえでからかっていた節もあり、彼なりに父親の自覚があったと思われる。実際、カルデアで彼を遠目から見た時、具体的なことは分からないものの顔つきで「自由のない男」であると見抜いたが、生前のソロモンとは違い人としての意志が満ちていたと評している。『FGO material』においては、ソロモンがそもそも「初めから王である」事を知っていたため、彼に人理焼却を行う自由はないと述べていた。
ゴリアテ
またはゴライアス。イスラエル王国と敵対した巨人の戦士。かつて打ち倒した相手。
原典ではあっさりと倒しているが、その圧倒的な戦闘力も事実であるため、彼をして「戦うのは二度とゴメンだ」と言わしめる強敵。
アビシャグ
老年の頃の彼の妻。老いたダビデに寄り添った絶世の美少女。
美人で献身がとてもいいものだったため、自分好みの美人=アビシャグという大変困った価値観を持ってしまった。ダビデ、ノーアビシャグ!
なお原典聖書でダビデは彼女を傍に起き添い寝をしていたが、二人の間に肉体関係は一切なかったとされている。
ウリヤ
部下。彼の妻バテシバを寝取ったことを隠蔽する為に死地に追いやるという所業を働く。神罰としてバテシバとの最初の子を殺されたにも関わらず、その件に関しては全く反省してないようだ。
モーセ
先祖。感謝を抱いてはいつつも契約の箱という危険極まる宝具を残したことには文句がある模様。

名台詞

Fate/Grand Order

「好きな事? 僕は地味に欲にまみれているからね。女性とお金が好きさ。妻だって多ければ多いほどいいと思う!」
マイルームでの台詞。彼の自由さと女性関係の軟派さが伺える。
「僕がかつての王だってことはあまり気にしなくていいよ。…いや、むしろ気にしないでほしい。サーヴァントである時ぐらいは、羊飼いの気持ちでいたいんだ…」
これもマイルームでの台詞。統治者としては素晴らしい手腕を発揮したが、王になるまでの経緯もあってか、王でいることは彼にとって相当な苦痛であったことが伺われる。
「やあ、君の生まれた日だ。祝福しよう。ところで、株とか土地に興味はないかい?」
誕生日セリフ。何故誕生日に胡散臭い投資話に勧誘しようとしてくるのか。
「いやあ、モテモテで羨ましいなイアソン君。
 これはそんな僕からのお裾分け。
 宝具――『五つの石ハメシュ・アヴァニム』!」
第三章にてイアソンを狙った宝具の大盤振る舞い。確かにダビデ以外のアーチャーは全て女性だが羨ましいとは到底思えない……というか嫌味。
「わかるかな。心労ばっかりの王座にいたボクの心をいやしてくれたもの。それが牧場経営の夢だ」
タマモキャットの幕間の物語「みなぎる野生」にて。いつのまにか形ある島(ゲーム内でステンノが拠点としているローマ時代の島)で羊牧場を作っており、妻も大勢いるらしい。サーヴァントとしての生を思い切り謳歌している一人である。
「? 美人ならアビシャグだと思うんだけどなあ。あ。今の僕は青年だから分からないのかな?
 キミは老人の頃の妻だったからね。でも大丈夫、僕の心は常に健全だ。
 羊飼いだった頃も、王だった頃も、老いた後も、基本、僕の精神構造は変わらなかったと断言しよう!」
2015年のクリスマスイベントにて、サンタオルタから「私はアビシャグではない」と言われての返答。
人違いっぷりもさることながら、「老いた後に血迷って愚行を行い、その後に反省する」というエピソードがあるだけにいろいろと台無しである。
「え?誰だい、カルネアデスの喩えなんて口にしたのは。酷いヤツだ。そんな男は死罪にしよう」
同上。嵐も過ぎ去り、「これでカルネアデスの例を実行する必要も無くなった」とエミヤから嫌味を言われての返答。
直後に言及されるが、部下のウリヤから妻を寝取って死地に追いやり、後に比喩で非難されたときに「そんな最低の男は死刑にするべきだ」といったことからの旧約聖書ネタか。
旧約聖書内では気付き反省するのだが、上記のような発言でエミヤとロビンフッドをマジギレさせた。
……直後の言動からするに、理解した上でわざと言った可能性もあるが、そちらの方がずっと質が悪い。
「ブヒー ブヒー。
 ブヒブヒッ ブヒィ~~ッ」
「僕はブヒるよ~。かなりブヒる!」
「星の三蔵ちゃん、天竺に行く」より。旅の危険を思うとあと一人くらいは弟子が欲しい、と思う主人公と三蔵の元に届く憐れな豚ヤロウのボイス。それは岩に押し潰されて身動きが取れないダビデ、もとい猪八戒の助けを求める声だった。
イスラエルの王に豚の真似をさせた挙句、仏僧の弟子にさせるという展開に危惧する声もあったが、とりあえずイベントは何事もなく終わった。
「えっ? 美しい君、君も羊飼いなのかい? 体つきは……ちょっと残念だが、顔がいいから、そこはアビシャグとしよう。
おや、ほかにも美味しそうな料理はあるのに、なぜお粥ばかり勧めるのかなぁ? いや、美味しいから食べるけどね? でも、妙に、まわりがうるさいブヒねぇ」
かなり後に追加されたキルケー所有時のマイルーム会話。一目瞭然の地雷ワードであり、やはり豚にされたであろうことが判明する。公式も恐れ知らずというべきか。
「西を目指す旅も無事終わったようだね。それぞれ考え方は違えど、みんなとの旅は良いものだった」
「たまには僕も、ただの羊飼いとして浪漫というやつを味わってみたかったのさ」
「…この言い方は、ちょっとあいつに悪いのだけどね」
「星の三蔵ちゃん、天竺に行く」(復刻ライト版)終了後の報酬交換場にて。旅での経験を良き思い出と振り返る一方、自分自身の奔放さについては息子に対して後ろめたさも感じているらしい。
また、セリフに入っている「浪漫」という言葉や「あいつ」というフレーズがある人物を想起させ、終局特異点クリア後のプレイヤーからは大きな反響を呼んだ。
「ではレイシフトをよろしく、ドクター。
神殿建築はまたの機会にとっておくさ。今回は僕の格好いいところを見せるのが目的だったからね。
王ではなく英霊として戦う、巨人退治のダビデの姿。それがきみの思い出になるなら、それでいい」
幕間の物語「ダビデとゴリアテ」にて。まだ王となる前、ただの羊飼いだった頃の功績を「きみ」の前で成し遂げる。王ダビデではなく、英霊ダビデとして。
この「きみ」とは、同行したマスターのことなのか、マシュのことなのか、それとも────

メモ

  • 小説版『Apocrypha』で彼が没になった理由として、ケイローンを出すにあたってアーチャーのどちらか一人を没にしなければならず、そのうちアタランテはすでにジャンヌと敵対させると決まっていたこと、それに対してダビデを黒側に置いた場合、トップに据える予定だったヴラド三世よりも世界的に有名で偉大な王が黒側にもう1人いることになってしまうのを避けたという理由が挙げられている。
    • 没にはなったが企画段階では関係していた、という意味で、『Fate/Grand Order』の「Fate/Apocrypha」コラボイベント『Apocrypha/Inheritance of Glory』では、武蔵坊弁慶ゲオルギウス坂田金時らと共に、本編に実際に登場しているサーヴァントよりは効果が小さいものの、イベント特攻効果を持つサーヴァントの中に入っていた。また、シナリオクリア後に挑戦できる高難易度クエストでは黒でも赤でもない『無彩色のアーチャー』という名義で出演を果たした。
  • ファンからの愛称は宝具や幕間の物語での呼称にちなんで「投石王」。またその言動から髪の色と合わせて「葛茶」と呼ばれることも。
    • 彼をモチーフとした石像「ダビデ像」は余りに有名。中でもミケランジェロの像はゴリアテに石を投げつけようと狙いを定めた姿が表現されている。
      だがダビデ像はあくまでミケランジェロのインスピレーションの産物である。なので、彼が睨み合いを続ける数万の軍勢の目前で全裸になり巨人に戦いを挑んだ、という訳ではない。
    • 伝承の中のダビデは「慣れていないので歩くこともできないから」とサウル王から与えられた装備を身に着けず、羊飼いの武器である杖・投石器・川で拾った滑らかな5個の石だけという軽装備でゴリアテに挑んだと記されている。
    • スポーツの試合などにおいて、戦力や過去の実績で上回る競技者や競技チームに対して格下と見做される側が、事前の予想を覆して勝利することを指す、番狂わせの意味として「ジャイアント・キリング」という言葉がある。この英語は彼がゴリアテを倒した逸話から来ていると言われている。
  • 彼はトランプにおいてスペードのキングに描かれる肖像のモデルとされ、フランスでは竪琴を持った姿が描かれている。
  • 実子について訊かれた際の言動から、親としてもどうしようもない人物としてキャラが立っている。が、第三章内で息子の性格をさらりと述べていたり、また所有する魔神の名称なども把握しているなど、興味がないと言う割に意外としっかり子供のことは把握している模様。
    • 猪八戒をやっていた際もさりげなく貯蓄をしておくなど、どうしようもない面を見せつつも、締めるべきところはきっちり締めている。そういうところから、彼の抜け目なさや有能さが垣間見える。
  • 「the Garden of Order」における主人公の選択肢に「まるごしダビデくん」なるものに言及するものがある。詳細は語られないが、状況にエリザベート・バートリーの料理が絡んでいることからおそらくまるごしシンジ君の類似品だろう。
  • 全体を守る技術に特化しているのは、ダビデが巨人を倒す者で、大きい奴は全体攻撃をしてくるからだ、などと幕間の物語「ダビデとゴリアテ」でされている。羊を守るための技でもあるらしく、どっちもうまく誘導するらしい。
ダビデの剣
ゴリアテ退治など数々の功績を成し王を越える名声を持ったダビデを厭うようになったサウル王の元を去る際、祭司アヒメレクがゴリアテの剣をダビデに渡した。またサウル王の長男から剣を授かっている。旧約聖書内でダビデに纏わる剣はこの2本。
イスラム圏の伝承においてはダビデ王の剣がダビデの子であるソロモンからイエスまで伝わり、後にムハンマドが受け継いだとされる。
聖杯探索の物語においては、ギャラハッド卿、パーシヴァル卿、ボールス卿の3名がソロモン王の船でダビデ王の剣を発見している。ソロモン王によって豪華に拵え直されてあり、柄頭にはこの世のあらゆる色彩を放つ1つの宝石が嵌り、握りには握っていると暑さを感じないカレドニアの蛇パパリュストの革と握っていると喜びも苦しみも感じないユーフラテス河の魚オルテナウスの皮が使われている。鞘から少し抜けた状態で置かれていた刀身には「最優の者以外が使うと死ぬか不治の傷を負う、この試練は1回試された」と真っ赤な文字が浮かび上がっており、ダビデの子孫から現れる最優の騎士の予言の通りギャラハッドが受け継いだ。「Mémoire de sang」(Memory of Blood/血の記憶)と呼ばれる鞘は、イヴが知恵の実を取る際に折ってエデンから持ってきた木の枝の挿し木から育ちカインに殺されたアベルの血を吸った木で作られており、「私の帯を外す者は勇敢な者ではなく身も心も生涯乙女であり続ける者でなくてはならない、これを破るとどんな死よりも残酷な死を迎える」などといった警句が書かれている。ソロモン王の妻の予言と神の声によりパーシヴァルの姉ディンドランがこの剣に付いていたソロモン王の妻が麻で織った剣帯を自分の髪の毛と金糸で織った剣帯に付け替えたことから「L’épée à l’étrange baudrier」(Sword of the Strange Hangings/不思議な帯革の剣/不思議な剣帯の剣などと主に訳される)と呼ばれた。
Fate/Requiem』ではギャラハッド〔オルタ〕が「奇妙な垂れ布の剣」の名前で所持している。
また、ギャラハッドと融合したマシュ・キリエライトは第三再臨から腰に剣を提げるが、それがギャラハッドの持っていた「ダビデの剣」ではないかと考察されている。
13世紀の古フランス語散文『La queste del Saint Graal』(聖杯の探索)では、ヴァルラン王が使用してランバール王を馬や地面ごと真っ二つにした。ヴァルラン王は信仰が篤かったためソロモンの船に乗る資格はあったが、最優ではないのに使ったので災いの一撃となり使用後ヴァルラン王は剣を鞘に収める途中で突然死して2つの国は作物が実らず水中には魚が僅かしかいない荒地になった。
14世紀イタリアで書かれた『La Tavola Ritonda』(Tristan and the Round Table)では、ギャラハッドの昇天後はギャラハッドの像に付けたままにされ数百年後に訪れたシャルルマーニュが像から取りジュワユーズと呼ばれるようになったとしている。

脚注

注釈

  1. 亜種特異点Ⅱアガルタで登場するヘラクレス・メガロスは該当する。
  2. 参考に言うとシバの女王の身長はダビデよりも2cm高い。
  3. ソロモンが王となったのはダビデの死後なので、英霊になってから覚えたことになる

出典


リンク