イアソン

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セイバー
真名 イアソン
外国語表記 Jason
性別 男性
身長 181cm
体重 76kg
好きな物 指一本動かさずに勝利すること
苦手な物 最前線で出航すること
天敵 (強いて言うなら)メディア
出典 ギリシャ神話
地域 ギリシャ
属性 秩序・善
一人称 私/(本音が出る時は)俺
二人称 お前/貴様/あんた
三人称 あいつ
声優 保志総一朗
デザイン BLACK
設定作成 東出祐一郎
レア度 ☆1
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

剣士」のサーヴァント

略歴
Fate/hollow ataraxia』にてアルゴー号の伝説に関する人物として語られ、『Fate/Grand Order』第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』で本格的に登場。
「『契約の箱』に神霊を生贄に捧げれば大いなる力が手に入る」とメディアに唆され、『契約の箱』およびエウリュアレを巡って主人公達と対立するが、メディアの理屈が「それを実行すると世界が滅ぶ→世界が滅ぶから敵がいなくなる→無敵になれる」という理屈である事を完全に追い詰められてから知って絶望、そのままメディアに魔神柱フォルネウスの生け贄にされ、最後の最後でも自分を見捨てたメディアを詰りながら消滅した。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿にメディア〔リリィ〕の召喚に誘発される形で召喚されており、メディアやヘラクレスたちをⅢの座を統括する観測所フォルネウスと交戦させ、自身はアルゴー号を操って敵の撹乱に出た。
Lostbelt No.5『神代巨神海洋 アトランティス』でははぐれサーヴァントの一人として召喚されており、主人公たちが訪れる前、オリュンポスを目指す一員であった。しかし、ヘラクレスの死を目撃したことで戦意を喪失し離脱。フランシス・ドレイクの酒場で酒を飲み寝るだけの日々を過ごしていた。シャルロット・コルデーの紹介で主人公らと出会い、新たにアルゴノーツを結成。船長として指示や作戦を立て、多くの貢献を果たした。
人物
ぱっと見は爽やかな印象を与える金髪の青年だが、ギリシャ神話にその名を知られた大英雄とは思えないほど人格面に問題があり、他人の力を自分のものだと都合良く解釈してすぐに調子に乗る、少しでも都合の悪い状況や想定外の状況になるとすぐに取り乱して狼狽えたり癇癪を起こす、誰に対しても上から目線で傲慢不遜な態度を取り、恩師や仲間に対してさえ気分次第で平気で暴言を吐く、などというろくでもない人物であり、その人物評は「小物臭い」「人間のクズ」という言葉に尽きる。
ただ、ノブレス・オブリージュの精神をもっていて自分自身のやるべきことを弁えており、かつ自分がやろうとしていること自体はそれなりには筋が通っている。その片鱗が垣間見えるように、望みも「自分が王となって、誰もが満ち足りて争いのない理想郷を作る」と極めて英雄らしいもので、『Grand Order』でも生前果たせなかったその望みの成就をひたすら求めていた。しかし彼の人となりを知るメディアには「平和を願う心が本物でも、魂が絶望的にねじれているので決して理想の王にはなれない」と言われている。
能力
一応サーヴァントではあるが、生前アルゴー号の同乗者であったアタランテには「戦ったことが皆無」「戦力に数えなくていい」と言われるほど戦闘能力は低く、劇中でも戦闘は味方任せで自分が戦おうとする意志すら見せない。基本的には指揮官として後方から指示を出しているが、普段はその性格による慢心や器の小ささが祟って滑り落ちてばかりであり、味方からさえ無能呼ばわりされる事も多々ある。
しかしピンチのときほど英雄としての本質が顕れる(ケイローン曰く「限界をどう考えても上回った辺りからがイアソンの真骨頂」)らしく、終局特異点や大西洋異聞帯のように絶体絶命の危機に追い詰められて己の命を捨てる覚悟を迫られた時には、人が変わったように卓越した判断力と勇気を発揮する。
とりわけギリシャ神話の英雄をまとめあげてアルゴノーツを結成した弁舌やカリスマ性については「怪物」と評されるほどであり、帆の扱いについてもヘラクレス以上の天才と言わしめるほどに上手い。

バリエーション

イアソンくん

『Fate/Grand Order』期間限定イベント『プリズマ☆コーズ』の登場人物。
「大海原と竜の国」を治めるメディカル☆メディアの守護獣であり、イアソンを二頭身寸詰まりのマスコットにしたような外見をしている。
相も変わらずひねくれていて口が悪いが、第三特異点で世界を救うつもりで調子に乗っていたのと比べると、サイコ気味のリリィに適度に怯えつつツッコミを入れては虐げられるというサイクルなため精神的にはまっとうに見える。その上リリィに対しても、自分の物としてしか見ずに極めて乱暴に扱っていた頃と比べるとかなり真っ当に向き合っている。
ストーリー上ではリリィに付き合って数百年の時を過ごしているらしく、彼女の性質を鑑みて専守防衛に徹するように仕向けていた。
だが、イリヤ達が訪れた事で国の間の均衡が崩れ、決断のタイミングが来ていると判断してリリィを焚き付けてイリヤ達と戦わせる。
戦闘後はイリヤがリリィが国を出る前の姿と似ているのを感じたのと、彼女らが宝石を要らないと言った事で宝石を渡す事を決断し、遠慮する彼女らに半ば押し付ける形で宝石を託した。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
セイバー 主人公 (Grand Order) C B B+ D A+ A 対魔力:B
騎乗:B
求めし金羊の皮:なし
虎口にて閃く:A
友と征く遙かなる海路:B++

宝具

天上引き裂きし煌々の船(アストラプスィテ・アルゴー)
ランク:B++
種別:対軍宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:50人
アルゴー号の救援。船に乗った英雄達が一斉攻撃を仕掛けてくれる。
戦いにおけるイアソンの立ち位置が正しければ正しいほどに乗組員の賛同も多くなり、攻撃回数も増えていく。
逆に明らかに立ち位置が悪役だったりすると「びっくりするくらい、誰も乗ってこない(サボタージュ)」ため、威力も著しく低下する。
モーションではヘラクレスメディアアタランテが召喚に応じるが、ヘラクレスとメディアが突撃した後、アタランテに蹴り飛ばされて前線に放り出され、アタランテとメディアがイアソンを無視して攻撃を浴びせる中を逃げ回り、最後はヘラクレスに敵ごと吹っ飛ばされて星になるという非常にぞんざいな扱いとなっている。
『Grand Order』では「自身のArtsカード性能をアップ[注 1]&敵全体に強力な攻撃」という効果のArts宝具。
幕間の物語クリアでB+++ランクに上昇し、宝具威力倍率の上昇に加え「自身に毎ターンスター獲得状態を付与[注 2]」という効果が追加される。

真名:イアソン

イアソン。ギリシャ神話の一大物語「アルゴー号の冒険」のトップとして数々の冒険譚を繰り広げた英雄。イオルコスの王アイソンの息子、元々はディオメデスという名だったが、ケイローンに引き取られた際に、イアソンへと改名した。
イオルコスの王アイソンの息子として生まれるも、叔父ペリアスに王の座を奪われケイローンの弟子として育つ。
その後、父であるアイソンの異父兄弟ぺリアスに彼が簒奪した王位の返却を要求したが、条件としてコルキスの宝である「黄金の羊毛」を求められた。
彼はペリアスとの約束を果たすために一隻の船を建造し、ギリシャ中から冒険者を募集した。船の名はアルゴー号、乗組員はアルゴノーツ(アルゴナウタイ)と呼ばれた。
ヘラクレス、カイニス、アタランテ、カストール、ポリュデウケス、オルフェウスなど、様々な英雄が集った船での大冒険の末に、イアソンは羊毛を奪取した。だが、その際にイアソンは彼を支持する女神アフロディテによって呪いをかけられ彼を妄信的に恋するようになったメディアを籠絡し、妻とした、してしまった。
故郷であるイオルコスに凱旋した彼を待っていたのは、両親の死と約束の反故だった。
激怒した彼はメディアの魔術を利用してペリアスとその三人の娘を殺害し王座につくも、ペリアスの殺害が民の知るところとなり、メディアとともに国を追われる。
放浪の果てにたどり着いたコリントスでその王に娘グライアとの婚姻を持ちかけられた彼は、迷いもなく妻メディアと2人の子供を捨て、グライアと結婚することを決める。
しかしその婚姻の日、国を挙げての祭りの中、コリントスは滅び去る。グライアは炎に包まれ、新しく王になるはずであった彼は地位も名誉も全て奪われ、またも放浪の身に戻されてしまった。
妬みが憎悪を呼び、憎悪は復讐を召喚した。
その後の物語はもはや伝説に残すところではなく、イアソンは地位も名誉も全て奪われ、アルゴー号の船首で首を吊ろうとした瞬間、舳先に押し潰され死に絶えたという。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/hollow ataraxia
キャスターの回想に少しだけ登場する。メディアの想いを利用して捨てる姿が描かれており、冷酷な一面が見える。
Fate/Grand Order
第三特異点の後半に登場。敵の首魁として主人公達と対立する。
後に2019年の4周年記念キャンペーン開催に伴いクラスをセイバーに変更し、装いも新たに実装。
Lostbelt No.5『神代巨神海洋 アトランティス』ではメインキャラに抜擢され今度は新生アルゴー号の船長として大活躍する。
Fate/strange Fake
アルケイデスが生前出会った人間たちとの思い出の中で登場。
名前こそ明かされていないが、傲慢な金髪の青年という描写から、イアソンのことと思われる。

人間関係

Fate/Grand Order

メディア〔リリィ〕
第三特異点でのクルーの一人かつ出会った当初の妻。アフロディーテに恋心を抱かされた為に、イアソンを盲目的に愛している。
表面上は優しい言葉をかけるものの、都合の良い道具程度にしか思っておらず、所々で彼女の傷口を抉るような事を目の前で言ってのける。彼女は彼から最終的にどんな仕打ちを受けるのかまで覚えていて、その上で敢えて付き従っている。
イアソンの方も彼女に最終的に何をされたのかはしっかり覚えているが、彼女と自身のためにも二度と裏切らないようにしようと(一応)気にかけているようである。
カルデアでの再会後は思うところがあったのか多少態度は軟化している。が、やっぱり彼女が恐ろしいようで……。
ヘクトール
第三特異点でのクルーの一人。当の本人は彼に対してトップとしての資質に不満を感じているが、それでも離反する事なく忠実に命令に従っている。終局特異点では彼の閃きに驚きつつ、パリスに似ていると評した。
オリオン
第三特異点で敵対した相手。
自身の幕間の物語では、新たなアルゴ―号メンバーを集めようと画策する共犯者のような立ち位置になっていた。
パリス
ヘクトールから絶体絶命になって初めて英雄としての真価を発揮する所がそっくりと評された英雄。アポロンも一緒なのでアルゴー号ゆかりの者の恩恵を受けることができる。
大西洋異聞帯で対面した。
アキレウス
クルーの一人、ペレウスの息子かつ弟弟子。
大西洋異聞帯にて対面した際には知られていた情報からよく思われていなかったが、実際に会うと好感をもたれていた。イアソンは毛嫌いしているが、ギリシャ二番目の英雄と評している。
シャルロット・コルデー
大西洋異聞帯にて散々こき使っており、一途な所や純真を通り越したサイコパスな所からメディア〔リリィ〕を重ねて見ていた。
ペンテシレイア
蘭陵王の幕間で共演。自身の名前を「ペンペン草」だの「ペテンシレイア」だのと悪意のある間違われ方をされたため鉄拳制裁を加えた。
ボイジャー (Grand Order)
「船ならば船長を見つけろ」とアドバイスを送っている。彼からも「じぇいそん」と英語読みで話しかけられる仲。ディオスクロイの幕間の物語でも共演。
レフ・ライノール
『Fate/Grand Order -turas réalta-』の第三特異点でのマスター。
彼にヘラクレスを馬鹿にされたことで激昂して斬りかかるが、返り討ちにあって魔神柱にされ、自身の夢すらも散々に嗤われるという悲惨すぎる結末になってしまった。

生前

メディア
妻。彼女の助力で冒険を成功させるものの、王を殺したことでイアソンと共に国を追われることとなった。移り住んだ国ではイアソンとの間に二児をもうけて十数年暮らしていたが裏切られたことで……。
『hollow ataraxia』では裏切られる直前の姿が描かれている。イアソンが自身と子供たちを捨てたことでアフロディテにかけられた恋の魔法が解け、一つの国を滅亡させる凶行へおよぶこととなる。
後に『Grand Order』終局特異点で対面したが、彼にとっては悪夢以外の何者でもなかったようで……。
キルケーの幕間前後からこちらの立ち絵に変わっており、精神的にも大きく成長している。
ケイローン
師。彼の教室を「ケンタウロスの馬蔵」呼ばわりしてる一方、彼の授業を「簡潔でわかりやすい」とも述べており、屈折した感情を抱いているようである。自身の王国の国民にはケイローンの教え以上の教育を施そうとしている。
ヘラクレス
アルゴー号のクルーかつ兄弟弟子。ギリシャ神話に名高い英雄であり、ひねくれながらも子供のような憧憬を向けている。
『Grand Order』ではバーサーカーとして現界しているために多少見下している節もあるが、それでもその強さには絶対の信頼を置いていることが伺える。
第三特異点でイアソンが人理の敵としている時でさえ味方に付いてくれた事を考えると、彼とイアソンの絆には強いものを感じられる。『Fate/Grand Order -turas realta-』ではヘラクレスの心情も描かれており、例え理性を失おうとも、友に時代消滅をさせないためにエウリュアレを狙っていたことが明かされている。
また、『Fake』でアルケイデスに反転してもなお、イアソンへの侮辱に対して強い怒りを示している。
アタランテ
アルゴー号のクルー。イアソンからは大した事が無いように思われているようだが、アタランテからは嫌われており、「オリオンの方がまだマシ」と言われる始末。
『Grand Order』においては第三特異点で元クルーとして仲間に加わるよう呼びかけられたが、アルテミスに忠を立て、彼女は乗船を拒否した。戦闘時の演出で出てくる三騎の内にいる辺り、彼女の面倒見の良さもあるだろうがよっぽどのことがなければ来てくれるらしい。つまり第三特異点はよっぽどのこと。気付けよイアソン…。第三特異点では不幸(?)にも敵側にアルテミスがいたため敵に回られてしまったが、逆に言えばそれくらいのことがなければなんやかんやと味方として戦ってくれる様子である。
『Fate/Grand Order -turas realta-』の第三特異点ではイアソンの敵に回っているがヘラクレス同様に彼に対する複雑な思いがあったことがうかがえる。
マイルームでも「そんな辛気くさい顔をしているから子供に嫌われるんだ」と地雷を踏んづけてしまい、弓を射かけられるハメになった。
さらにアスクレピオスの幕間では、彼女がとっておいていた食後のデザートを横取りしたことで、かつてペレウスにもやったというヘッドロックをかけられている。
テセウス
アルゴー号のクルー。ヘラクレスに次ぐ英雄と評価しており、キルケーと険悪な空気になった際もフォローしている。
カイニス
アルゴー号のクルー。ヘラクレスと一緒に馬鹿にされるなど、下に見られている節がある。
大西洋異聞帯ではヘラクレスを馬鹿にする発言に我慢できずにマゾヒストと言い返した為、殺されそうになった。瀕死でも確実に霊核を破壊しようとするなど戦闘力は認めていた。
アルゴー号に乗っていたときは他の英雄と同等の力しかもっていなかったことが明かされている。
アスクレピオス
アルゴー号のクルーかつ兄弟弟子。医学の面で強く信頼していた。もっとも、治療費をツケにしようとするなど彼からは罵倒されそうなこともやっていたようだが。
彼の幕間でもどさくさに紛れて単独契約を結ぼうとしていたが、主人公に寸前で止められている。
ディオスクロイ兄妹、オルフェウス
アルゴー号のクルー。ディオスクロイは兄弟弟子にもあたる。
キルケー
義理の叔母。アルゴノーツがキルケーの島によった際に呪いを消すための協力を要請した。メディアやアリアドネが英雄との恋で不幸な目にあっていく点を踏まえて苦言を発しているが、そんな彼女が恋に墜ちたのもイアソンと縁深い英雄であった。
オデュッセウス
母方の従兄弟にあたり、母方の祖父アウリュトコスと父親のラーエルテスはクルーであった。
顔つきが変わったとオデュッセウスが言うのに対して、イアソンは仮面の下の素顔を見ても反応がなかった。
ペリアス
叔父。本来イアソンが継ぐはずだった王位を奪われ、対価として求められた金羊の皮を手に入れる為にアルゴー号を作ることになる。
帰国後にその約束を反故にされたことで彼を謀殺し、王位を取り戻す。
何気に海神ポセイドンの血を引く半神半人である。
アカストス
ペリアスの息子であり、アルゴー号のクルー。ペリアスの死後、王位を継いだイアソンと一悶着あり、結果的に王位を退かざるを得なくなったイアソンとメディアを国から追放し、その後ペリアスの後を継ぐ形で王位についた。
女神ヘラ
オリュンポス十二神の一柱。主神ゼウスの正妻であり、嫉妬深いことで有名。全ての悲劇の始まりの女神であり黒幕であり元凶そのもの。自らを敬わない者達、不倫相手の子供達の抹殺などを画策。作中では生前のメディア、ヘラクレスらを罠に嵌めて神罰を食らわせるべく暗躍。イアソンに加護を与えたのも全ては彼女の恐るべき罠のためである。彼女には彼女なりの言い分と正義があるのだが、それらは到底一般人どころか神々にも理解不能な領域の女性特有のドロドロとした嫉妬と負の感情を極限まで煮詰めた筆舌に尽くしがたいもの。他からしてみれば大した事はない取るに足らないの事なのだが彼女にとってはそうではない。トロイア戦争の原因を作り出し、ヘラクレスをチャンスさえあれば徹底的に苦しみ抜かせて殺そうとするなど多くの英雄の障害となった。生前のイアソンは彼女が老婆の姿で立ち往生していたのを助けたことで加護を受け、成長していった。ちなみに彼女がわざわざ老婆に化けて立往生をしていたのはペリアスがヘラの神域に逃げたシデーロー(ペリアスの母にとっての継母、ペリアスの母を虐待していた)を殺害して神域を汚したのに謝罪も補填もせず放置したり、贄を捧げなかったりととにかくヘラを蔑ろにし続けたため、「掠め取った王座を奪い返される」という最も屈辱的な罰を与えるため、イアソンに白羽の矢を立てた。
女神アテナ
イアソンの旅を祝福した女神。困難に立ち向かう英雄に助力しており、ヘラクレスやオデュッセウスも助力を受けている。
女神アフロディーテ
女神ヘラの恐るべき企みと彼女の唆しにより無理矢理、騙される形で加担させられた女神アフロディーテ、エロースの呪いによって(アフロディーテを擁護しておくと決して彼女の本意ではなかった) メディアリリィにイアソンに対する恋心を抱かせた。2021年度バレンタインイベントではこの辺りの経緯が言及されており、彼女の部下である神エロースをけしかけて自らの力を込めた矢を放させたという事らしい。

名台詞

Fate/Grand Order

本編

「いい笑顔だ。君の笑顔はまるで太陽のようだ。 いつでも私の胸を満たしてくれる。
 ああ、でも少し疲れているようだね? 大丈夫かい? なにしろ長時間、この船の動力源になっているんだ。辛くなったら言ってほしい。
 ほら。ほんの少し、ほんの少しぐらいなら休憩も考えてあげるからね。」
メディアに思惑が思うように進んでいることを笑顔で報告されて。薄っぺらい心の籠らない甘言でメディアを労う。この言葉にメディアは顔を赤らめて「頑張れます」と応える。
…直後船を目的地へ動かそうとする辺り、最早労いの体すら成さないのだが。
「ハッハー! そうかそうか! 君は勇気があるな! とても、とても、とても気に入ったよ!
 おまけにそんな可愛いサーヴァントもついている! いいよ、いい! 英雄みたいだ・・・・・・
 ヒューッ! カッコイー! ――ったく、塵屑ごみくず風情が生意気な。サーヴァント諸共、今すぐ消えてくれる?」
ヘラクレスの猛攻を脅しの材料とし、主人公に向けて降伏しエウリュアレを引き渡すことを勧告するが、断られての言葉。
この後、傍らのメディアを呼びつけ…。
「私の願いはわかるよね? あいつらを粉微塵に殺して欲しいんだ!
 君が弟をバラバラにしたときみたいにね! ああ、大丈夫大丈夫。
 私は反省したから! もう君を裏切らないとも!」
メディアに主人公達の抹殺を命じる。生前の彼女の無残な行為を例えながら。
英霊となった以上、例え幼き頃として召喚されようとも将来の記憶は持っているにも関わらず、メディア〔リリィ〕は記憶が無いかの様に振る舞い、指示に笑顔で従う。
まさにお互いを見ていない
「オレがアイツを従えるのに令呪などいらない。二度と言うな」
漫画版『-turas rèalta-』で、暴れるヘラクレスを止める為に令呪の使用を進言したヘクトールに対して。
一人称も「オレ」になっており、人格の素の部分でのヘラクレスと自分に対する絶対の信頼が見て取れる。
「死ぬはずがないだろう!? アイツはヘラクレスだぞ! 不死身の大英雄だ!
 英雄オレ達の誰もが憧れ、挑み、一撃で返り討ちにされ続けた頂点なんだぞ!?
 それがこんな、おまえらのような寄せ集めの雑魚どもに倒されてたまるものかァ!!!!」
ヘラクレスを倒したとドレイクに報告されて。酷く歪んでこそいるが、何だかんだでヘラクレスへの友情や信頼は抱いていた様子。
「なに……なにをいう、魔女め! 鄙びた神殿にこもっていただけの女に何がわかる!
 王の子として生まれながら叔父にその座を奪われ、ケンタウロスの馬蔵なんぞに押し込まれた!
 その屈辱に甘んじながら才気を養い、アルゴー船を組み上げ、英雄たちをまとめ上げた!
 このオレのどこが! どこに! 王の資格がないというのだ!?
 オレは自分の国を取り戻したかっただけだ! 自分だけの国がほしかっただけだ!
 それの何が悪いというのだ、この裏切り者がーー!」
第三特異点、メディアに騙されていたとわかり「王様になるべきではない」と彼女に言われての返答。
生前も含めて溜まりに溜まった鬱屈が大爆発したようなぶちまけっぷりである。この「思い通りにならないと周囲を呪う」魂のねじれこそが、まさに王の資格の欠落そのものであった。
コミカライズ版『-turas rèalta-』では消滅寸前に過去を回顧し「メディアを魔女にしてしまったのは俺だ」と、自分のやってきたことを悔いる描写の追加という形でフォローがなされている。
とはいえ、やはり彼の鬱憤は凄まじく、メディアへの逆恨みじみた八つ当たりはしないものの、代わりに主人公一行への怨嗟の叫びを上げてしまうのだが。
「畜生くそったれ馬鹿野郎! どうかしてたのか私は!
 名誉挽回のチャンス……か……なんて、一時の感情に惑わされ、こんな場所に召喚されてしまうとは……ッ!」
「私は知恵と勇気で戦う英霊なんだ! 敵側の戦力がこちらより十倍以上な戦場なんてゴメン被る!」
終局特異点にて。名誉挽回のために来てしまったらそこは魔神柱が無数の圧倒的劣勢。
生還がほぼ望めないような絶望的な状況に泣き言や後悔を漏らしながら悪態をつくが、メディアとヘクトールがそんな彼に船での防戦を提案すると……。
「はあ!? 馬鹿かおまえたちは! メディアはともかく、ヘクトール! おまえまで間が抜けているのか!? それでもトロイアの守護者か!」
「おまえも、メディアも――ヘラクレスの援護に回れ!! コイツが攻撃に集中できるよう、徹底的に露払いをこなすんだ!」
「いいか、コレは単純な算数の問題だ! 1を10にするより、10を100にする方が強いに決まってるだろうが!
 アルゴノーツを10にしたところで粉微塵だ! それならヘラクレスを100にしたほうが万倍マシだ!
 だろう、ヘラクレス! 理性はなくとも戦闘の話だ、私の言いたいことはわかるだろう!?」
「それでこそだ! ヘラクレスを援護しろ、おまえたち! そして、私はここで待つ! 面倒だが、セイルの上手い使い方を見せてやろう!」
文字通りの絶体絶命の窮地の中でようやく英霊としての本領を発揮。一時の自身の生存よりもヘラクレスを万全の状態で戦わせる事を優先する決断を下し、戦力にならない自身の護衛に回ろうとするメディアとヘクトールを叱咤してヘラクレスの援護に回らせ、自身は一人で船で敵の注意を逸らしに行くという捨て身の良采配を見せる。
普段は彼の無能さを嘆いていたヘクトールもこの時の死に物狂いになった彼の様子を見て、ギリギリまで追い込まれてようやく真価を発揮する所が弟パリスそっくりだと感じ、彼の部下として召喚された理由に納得しながら戦線に突っ込んでいった。
え。
 あの……。その声は……」
「ギャー!! ホ・ン・モ・ノーーー!!」
その直後、彼にとって最大級の悪夢がやってきた際のどこまでも頭の痛くなるような反応。当然、言われた方も機嫌を悪くした。
一応、この時の良采配や帆の使い方に関しては認めていたようだが……ともかくめげずに生きて欲しい。ただし周囲に当り散らさない方向で。
イアソン「で、それはそれとしてオレからも一つ質問がある。聞いてくれよ、カイニス」
カイニス「あん?」
イアソン「神を忌み嫌ってるはずのテメェが・・・・・・・・・・・・・・・
神の使いっ走り・・・・・・・ってのは―――」
一体どんな気分なのかなって思ってな!・・・・・・・・・・・       
ギリシャ異聞帯にて、イアソンを庇って斃れたヘラクレスについてカイニスが「足手まといに付きまとわれるのが面倒になったからでは?」と挑発した直後の台詞。
いつも通りの軽薄な笑みを讃えたまま痛烈にカイニスの矛盾を刺し、この後にも「マゾヒスト」だの「性癖を人に押しつけるのはやめておけ」と言った、いっそ笑えてくるほどの嘲りをカイニスにぶつける。
当然、カイニスは激昂する。しかし、真に怒り狂っていたのはカイニスの方ではなかった。
カイニス「―――いいぜ。言うじゃねえか負け犬。テメェは生きたまま殺す。・・・・・・・ 
イアソン「やれるものなら、やってみやがれってんだ!」
ヘラクレスを侮辱しやがって!・・・・・・・・・・・・・ このクソ野郎!」
同上。先にプッツリと切れていたのは、その実、イアソンだった。
カイニスの言葉を素直に解釈すれば、どちらかというと侮辱されていたのはイアソンの無力さや愚かさであり、ヘラクレスを引き合いに出したことも単にイアソンをより貶める為に過ぎない。むしろカイニスをして、「なぜイアソンなどを庇ったのか」と問う程度には、ヘラクレスには一目置いている節がある。
しかし、たとえそれが引き合いであろうとなんだろうと、英雄ともの意思を侮辱するものは絶対に許さない。
その怒りの凄まじさは思わずマスターが制止するほどであり、イアソンからのヘラクレスに対する絶対的な信頼の一端が伺える。
「……望月千代女め、成功しやがったか。」
「あの女、ホント信じられねえくらいよくやった。」
「望月千代女。おまえは本当に頑張ったよ。・・・・・・・・・・・・ 
「―――まあ、頑張りすぎたせいでオレの方も危ないんだがな!」
同上。秘策中の秘策、望月千代女による『爆弾』の影響で敵陣営に混乱が広がる様を見ながら。
かつてオケアノスにて敵として相対した時の薄っぺらな称賛ではなく、心からの称賛。命がけで仲間を守る者を彼は決して見下さない。
……その後に被害を被るのも、彼らしいと言えば彼らしいが。
「よく吠えた!それじゃあ、最終決戦だ!」
「……頑張れよ!」
「応援するだけはしてやるから、ソレで勘弁しろ!」
同上。互いに兵力を失い、それでも諦めないケイローンとイアソン。汎人類史の世界では「先生」と「生徒」だった二人の最終決戦……を、主人公達に託す。そして彼は後ろから応援。
最後まで彼らしいといえば彼らしいが、この戦闘には様々な種類のバフが「イアソンの声援」の名で発生する。
それは「アルゴノーツ」の最後のクルーとして、主人公を認めたということである。
「その疑問への明瞭な解答など、存在しないぜ、ケイローン。」
「ここにはただ、意志があった。」
負けないという強い意志があり、・・・・・・・・・・・・・・ 
最後まで諦めないと誓って走り抜けた。・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
「比べると貴様たちは、どこまでも余裕があった。いずれ来る別の敵への予習でもしていたのか?」
「そして何より、自分たちは神の側にいる・・・・・・・・・・・という安心感――――」
「それが、貴様たちの最大の隙だった。オレはそう思うぞ。」
全てのポセイドン・コアを破壊し、防衛戦力として迎え撃ってきたケイローンすらも撃破したカルデア一行。
消えていくケイローンは自分達に比べると遥かに劣る、矮小な一団に負けた事を疑問に思った。それに彼は回答する。
支配する者達の想定を遥かに上回る意地と底力。それが汎人類史の最大の力。崖っぷちで輝く英雄はそれを誰よりも知っている。
「あー………………………。
死ぬかと、思った。」
同上。ポセイドンを撃破し、崩れ行く神体より脱出するカルデア一行を「疲れたから少し休む」と、見送るイアソン。
彼らがいなくなってから見せたその姿は血に塗れ傷だらけ。主人公を心配させないように、とっくに限界を迎えた霊基・霊核を見た目を偽る礼装で誤魔化していただけだった。
「人間が神なしで生きていくための知恵を、おまえは授けまくってたんだよ。」
「……まあ、生前の時点で半分以上は忘れていたんだが。」
同上。彼の諦めない心は馬蔵の「先生」から得たもの。しっかりと、その教えは彼の中で生きていた。
多少は忘れていたという所は、最後の最期までイアソンらしい話ではあるが。
「まったくだ。ああ、でも――――」
「お互い、どうやら後悔はしないようだ。そうじゃないか?」
同上。彼から聞かされた「先生」と自らの話を、異聞帯のケイローンは全く違う人生だと笑った。
彼も笑い返す。それでも、互いにその人生に悔いはなかったと。そして、崩れゆく海神と共に「崖っぷちの英雄」は海底へと沈んだ。

戦闘

「それでは始めるとするか。おい、後は頼んだぞ。」
「どうなっている!? 前線は指揮官のいる場所じゃない!」
戦闘開始時。ついに自らも戦う羽目に。それもかつて塵屑ごみくずと罵った者のサーヴァントとしてという、ある意味で屈辱的な状況になってしまったイアソン。
本人は戦う気は更々無いが悲しいかな。人理の危機を前にした英雄に、出番を選ぶ余裕など無い。
イアソン「そらそらそら!」
ヘラクレス「■■■■■■ッ!!」
イアソン「ヘラクレスぅーーー!?」
EXアタック。調子に乗ってヘラクレスを呼んだら衝撃破でぶっ飛ばされた。
その他にもアタランテの射撃をギャグ調のダッシュで避けたり、メディアの魔術攻撃をあたふたしながら逃げ回ったりと、彼の攻撃にはコミカルな動きが多い。
「はははははは! アルゴノーツ、出陣の時だ!」
「行け! 我らアルゴノーツ!『天上引き裂きし煌々の船アストラプスィテ・アルゴー』!!」
「見せてやる! イアソンの栄光を!『天上引き裂きし煌々の船アストラプスィテ・アルゴー』!!うはははははっ!!」
宝具選択、及び宝具発動。海原を駆ける勇者たちの船。
ヘラクレス、アタランテ、メディアという錚々たるメンバーを引き連れ、指揮官として彼らを指揮して自分は安全な位置から戦おうとするが……?
「――って俺も!? あっ、いやっ、待って! ちょ! ……げ、ヘラクレス!? やるなよ、絶対やるなよ!? やりやがったかぁーっ!!」
「――はっ!? 猛烈に嫌な予感……! 待て、私は武器ではない、船長だ! ぐわあああーっ!!」
宝具発動続き。高笑いする彼を「汝も行かんか」と言わんばかりに蹴り飛ばすアタランテ。前線にふっ飛ばされたイアソンは敵陣に降り注ぐアタランテの無数の矢を死ぬ気で避ける事に。
一息つこうと思えば目の前に攻撃準備済みのメディアが。彼女の魔術掃射の巻き添えにならぬように全力ダッシュして逃げた先には、丁度敵めがけて大剣を振り下ろさんとするヘラクレスの姿。
大英雄の轟撃はイアソン諸共敵を吹き飛ばし、彼は星になるのであった。合掌。そういえばケルトの青い槍兵も武器にされてたっけ…。

マイルーム

「セイバー、イアソン。召喚に応じて参上してやった。私は勇者であるがその前に船長だ。
 いいか。くれぐれも前線には出すなよ? 絶対に出すなよ?」
召喚時。満を持してカルデアへ現れた、いい意味でも悪い意味でも英雄らしくない英雄。
前線は嫌だと言うが、彼は聖杯戦争においては当たりと評される「剣士」のサーヴァント。思う存分、働いてもらおう。
「アルゴノーツは最高の船であり、最強の船員たちだ! 俺はまったく、どうしようもない、もがき苦しんだ人生だったが、連中を集めたことだけは、俺の人生で最高の誇りある出来事だった! マスター、貴様もそう思うだろう?」
霊基再臨4回目。なんだかんだ言ってもアルゴノーツの面々は大切。落ちぶれて惨めな最期を遂げたとて、彼と仲間たちの大冒険という『最高の宝』は物語としてずっと語り継がれる。
本当に凄く良いことを言っている、言っているのだが。
同時に表示される最終再臨絵は「背後にメディアとヘラクレスを従え、自分はワイングラス片手に玉座にふんぞり返って偉そうな笑みを浮かべたゴージャスな姿のイアソン」というものなので、なんというか……。
「主従? ……この私が、貴様より格下だと? 面白い冗談だ。今度のハロウィンで披露するがいい」
マイルーム会話「会話2」。それとなくハロウィンイベント参加をほのめかしているように見せかけたが、そのイベントが令和元年からがないので、果たして「自分が格下だとは言えない」というオチだった……が、後に別のイベントで無事フラグ回収された。
「なるほど、いいだろう。なら、指揮官の心得ってものを教えてやろう。まず最初に、生き残ることだ。次に、何が何でも生き残ることだ。お前や俺に代わりはいない。そう思え」
「なぜ生き残らなければならないか、だと? 当たり前だ! 身を捨てて得られるものなど、そんなにない!
 しぶとく立ち回って、生き残ってこその人間だ! お前は英雄ではないのだから、せめてしぶとさくらいは身に着けておけ。分かったか? マスター」
マイルーム会話「絆Lv4」、及び「絆Lv5」。何処までも人間臭い「等身大の英雄」から、「ただの人間」代表の主人公に向けた忠言。
「誰かに頼らないと危機に立ち向かえない、傲慢で不遜な存在」と、かつて八華のランサーに主人公は指摘された。なら傲慢に、不遜に、ただひたすらに生き延びるべし。例えば自分の様に。
しぶとく生きる事の大切さを良く知る彼だからこそ出来るアドバイスである。
「聖杯か。いや、やめておこう。そういう嘘、大袈裟、紛らわしい聖遺物は大抵ろくな目に遭わない。ギリシャでも大抵そうだからな!」
マイルーム会話「聖杯について」。ギリシャ神話の登場人物の例に漏れず、彼もまた神の呪いや大袈裟で紛らわしい聖遺物のせいで沢山ひどい目にあっている。
「ヘラクレス! ヘラクレスじゃないか! ははは、相も変わらずのしかめっ面、逆に安心するな。
 よし、あとは貴様に任せたぞ。いつも通り、ちゃっちゃと片付けてくるがいい」
マイルーム会話「ヘラクレス」。彼の頼れる相棒、もしくは便利な戦力。或いはその両方。
調子のいいことを言うが、こうやって彼を恐れず対等な「人間」として見た故に、ヘラクレスも心を開いたのである。
「ぎゃーーっ!! 別れた妻!? 済まないが、フィギュアにするのだけは勘弁してくれ!
 ……え? そんな気はない? 嘘つけーーっ!! お前の工房見せてみろーーっ!!」
マイルーム会話「メディア」。悪夢との再会。
元夫なだけあり、彼女の悪癖をよく理解している。おそらくここでも彼女の工房には、騎士王グッズ等の色々とアレなブツに溢れているのだろう。
「恐れを知らぬ勇者だった頃の私と出会ったメディア……、可憐だ。いつ見ても可憐だ!妻にするのはあと数年待ちたかったが、女神の指示では仕方がないからな。
 ……だがしかし! それはそれとして、だ! 俺のためとはいえ弟を八つ裂きとか普通ドン引くよな!? 俺悪くないよな!?」
マイルーム会話「メディア〔リリィ〕」。悪夢との再会その2。
本作では、メディアは14歳頃にイアソンと出会ったと設定されている。確かに現代的な価値観からすると結婚には若すぎるように思えるが、古代ギリシャの女性の平均結婚年齢は15歳程度である。きちんと互いのことを知る時間が欲しかったのか、あるいは単に好みの問題か……。
本編では悪辣な煽りに利用していた弟殺しの件も、本当は怖かった模様。
「なんだケイローン教授か。もうあんたに教えてもらうものは何もない。どうせ身に付かんさ。
 ……いやだから教科書を持ち出すなって! ランドセル!? ランドセルを付けろと!?」
マイルーム会話「ケイローン」。馬小屋呼ばわりされたことと教えをすっかり忘れてしまっていた事から、さっそく教育のやり直しに取り掛かっている。まずは見た目からといった所か。
「この薬草の湿った匂い……アスクレピオスか。相変わらず医療にしか関心のない男だが、お前がいるなら安心だ。健康診断は常に私を優先しろ。医療費はもちろんツケだ」
マイルーム会話「アスクレピオス」。兄弟弟子ということもあり図々しくも優遇を要求している。

その他

「まあ俺くらいになると、ああいう、簡潔でわかりやすい授業というのはむしろ耳障りでね!
 地雷女に引っ掛かったときの対処法くらい教えて欲しかったさ!」
ケイローンのマテリアルに教え子代表の如く書かれた一文。
褒めてるのか貶しているのか分からない実にイアソンらしい評価である。

イアソンくん

「その通りさ。この『大海原と竜の国』は、私の見た目ほど甘く、スイートではない」
「人々はみな穏やかで、誰もが幸福で、民の誰もが私を崇める国に見えるが―――」
「その実、少しでも犯罪を犯した“悪い子”は理性のぶっとんだ女王の手によってブタに変えられる!」
「それがこの海上独裁国家メディアサイコランドの真実なのだからね! ふはははたすけて!」
「魔法少女紀行 ~プリズマ☆コーズ~」より『大海原と竜の国』の真実を語る場面にて。
最後の部分では何気に助けを求めており、メディアのサイコっぷりにはややウンザリしているらしい。
「よくはないが慣れているさ。過去の栄光にひたりながら消えるのはな。
 そんな事よりお前が魔女にならない方が重要だ。夢破れたとしても、少女のまま消え去ればいい。
 そうだろう、私のメディア。
 オレも、まあ、故郷に帰る前に、見知らぬ国に立ち寄って生涯を終えたものと考えるさ」
戦いに破れ、あっさり宝石を渡す決断を下したことをメディカル☆メディアから「よいのか」と尋ねられて。
彼の最期は「何もかも失い、かつてのアルゴー号の側で思い出に浸っていたら、竜骨が崩れてきて圧死」というものなので、とても切実な言葉である。
全体的に、騙されて調子に乗っていた第三特異点のものと比べると非常にまっとうで、こちらが素なのではないかと思わせる言動が多い。

Fate/strange Fake

――【なるほど、君が『     』か】
――【素晴らしい、羨ましい! 確かに噂通りの化け物だ!】
――【安心してほしい。私は君を優遇し、使ってみせる】
――【私……オレと共にいる間だけ、君は化け物じゃあなくなるよ】
―――【未来の王を護りし、大英雄だ】
アルケイデスが生前に出会った人間たちの思い出の中、イアソンが彼に出会った時に投掛けた言葉。傲慢だが、どこか敬愛の念が感じられる。
漫画『Fate/Grand Order -turas rèalta-』でも、後半のセリフをヘラクレスが回想している。
『ん? 俺が何故君を恐れないかって……そんな当たり前の事を聞くのか。
 それは、俺が神すら越える叡智をこの身に宿した賢者だからに決まっているだろう』
生前のアルケイデスの質問に対する返答。
自信を通り越した自尊心がうかがえるが、どうあれそれはイアソン以上の実力を持つ英雄からも忌避されていたアルケイデスと打ち解ける要因となった。

メモ

  • 『Grand Order』第三特異点では戦闘を行うサーヴァントとして登場しなかったため、アルゴー号の船長であったことを考えて大半のユーザーがライダーのクラスだと予想したが、大方の予想を裏切りセイバーのクラスで実装された。
    • だが、原典に登場するイアソンには剣に関する逸話が全くない[注 3] ため、本来の枠であるライダークラスにバーソロミューが組み込まれた事による一種の補填のような形をとったのかもしれない。ユーザーからは冗談交じりに「メディアがキャスターでFGO上のクラス相性でライダーに弱い為、適性がライダーでありながら自分に有利をとらせない為に嫌がらせでクラスを魔術で変えた」等という話題も出た。
      • なお、アペンドスキル3「対〇〇攻撃適性」はメディアがセイバー(リリィも同様)、イアソンがキャスターとお互いの弱点を突き合っている。
    • また、レアリティは最低レアの☆1であったが、こっちは大体予想通りであった。
    • 一方で攻撃時のモーションがギャグと言われている通り、メディアに敵ごと攻撃されかかったり、ヘラクレスに投げつけられたり、敵と一緒に吹っ飛ばされるなど散々な目にあっている。が、出てくる面子は元々☆4のキャラであり、そのあたり銅レアにあるまじき豪華演出ともいえる。そのため、登場するメンバーのレア度を合計して実質☆13などと呼ばれることも。
  • 一人称は基本的に「私」だが「オレ」という別の一人称もよく用いられる。『Grand Order』では勿論、『strange Fake』でも態々言い直している場面があることから、これら二つの一人称にはある種の違いがある模様。あくまで推測だが、「オレ」と言っている場面では素の自分が表れていることが多いように感じられる。意味的には『EXTRA』シリーズにおける無銘のそれと近いだろうか。
  • 当初姿が公開された際、容姿とどこか傲慢そうな印象から、別クラスのギルガメッシュではないかという噂が一時立った。もっとも、あちらはあちらで傲慢ではあるものの極めて有能で度量や戦闘能力もあり、誰からも信頼される名君であったが。
  • 伝承ではメディアに殺害された子供以外にも、航海の途中に立ち寄ったレムノス島の女王であるヒュプシピュレとの間にエウネオスという息子を儲けている。エウネオスは、その出自のためにイアソンとはまともに面識はなかったが、元アルゴー号のクルーでありレムノス島に置き去りにされていたピロクテテスを保護したり、トロイア戦争でペレウスの息子であるアキレウス相手に捕虜の解放交渉に臨んだりと、父に縁のある英雄に何かと関わっている。
  • メディアが先に居たために、Fateシリーズでは彼の非情、非道な面が強調されているが、神話の主要な説では彼の心が離れたのは「頼んでもいないのに人を殺して解決しようとするメディアの性格にドン引きしたため」とするケースが多い。
  • 「直接的な戦闘では役に立たない」などと言われているが、アタランテやテセウスと共にカリュドーンの猪退治にも駆り出されているので、完全に戦えない、というほどではない。
    • ゲーム上においてもアルトリア・キャスターという、彼の出撃頻度を跳ね上げるほどに相性の良いサポーターが後に登場している。

話題まとめ

ワカメの系譜
前述のとおりその歪んだ小悪党ぶりや見苦しく情けない言動などから「小物臭い」「人間のクズ」などと評されるものの、ただの無能ではなく根っからの悪人でもない、といった人となりはワカメの系譜と言える。更に言えばその外面や言動などはメディアを最初に召喚したアトラム・ガリアスタにもよく似ており、最後にメディアを捨てようとして逆に裏切られて破滅するという所もメディアの生前と全く同じである。実際、原作者である奈須きのこもカルデアエースで掲載された「第1部完結記念 振り返り座談会」でワカメを引き合いにしている。
生前や『封鎖終局四海 オケアノス』での行動は本人の意図とは異なった結果であるため、実際の所は極端な口の悪さと空気の読まなさ、必要以上な容赦の無さを除けば負の側面はさほどなく(それでもかなり酷いが)、彼の言動から漂うヘラクレスを始めとした勇者たちへの羨望や信頼感から憎み切れないところがあり一部に妙な人気がある。後に主人公達からも、「天真爛漫が極まってサイコの域に達しているメディアリリィを、メディアのレベルまで変えたのはすごい」と妙に感心された。
『冠位時間神殿 ソロモン』にて少なくとも人理を守る最終決戦に参戦、立ち向かうだけの義憤は持ち合わせていたことが判明した。相変わらず及び腰で悪態をついていたが、そこで「追いに追い詰められて自分の命まで差し出さなきゃダメ」という状況で初めて良き司令官となることを披露。落ちに落ちて土壇場で真価や男気を発揮する辺り、EXシリーズにおけるワカメを思い起こしてしまう。
これによってユーザーにおける彼へ評価は回復したが「普段ダメダメであるが、追い詰められてしまうと頭脳が冴え渡り本領発揮する(意訳)」点においては、ギャンブルを題材にした漫画『賭博黙示録カイジ』の主人公を彷彿させる、といった反応も一部では見られた。
女神に愛された男
『Fate』ではどうにも人望が薄いイアソンだが、伝記上ではとにかく「女神に愛された男」であった。
イアソンがケンタウロスの賢者ケイローンに預けられる頃より、女神ヘラの加護を受けて成長したという。青年になったイアソンが金羊の皮を手に入れるため「アルゴナウタイ」を結成した際には、女神アテナの祝福を受けて船出をし、コルキスでは女神アフロディテによりメディアがイアソンに盲信的な愛情を抱かせて、彼の試練を助けるように仕向けた。と、このように三柱からの『女神の寵愛』をイアソンという英雄は受けていた。
オリオンが「人格は駄目人間だけど悪い奴じゃない」と擁護(?)しているのは、同じく女神様の寵愛を一身に受けていた英雄のよしみ……なのかもしれない。
なお、この逸話を反映してか幸運値はA+とトップクラスのランクとなっている。
ヘラクレスへの執着
イアソンは登場する度にヘラクレスへの執着を見せており、ヘラクレスへの信頼も垣間見える。ヘラクレスをギリシャ一番の英雄としており、二番は誰でも良いのでアキレウスやヘクトール、オデュッセウスらで勝手に争えというスタンス。ヘラクレスのみが別格なのである。

脚注

注釈

  1. 3ターン、オーバーチャージで効果UP
  2. 3ターン
  3. せいぜい剣を持った銅像が存在するか、メディアに剣で傷つかない魔術を掛けられた程度か。

出典


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