ケルヌンノス

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ケルヌンノス
外国語表記 Cernunnos
別名 楽園の使者
祭神
獣神
異名 呪いの厄災
愛称 ヌンノス
性別 -
全長 2km以上
副属性
デザイン 竹ノ内(Studio BB)
初登場作品 Fate/Grand_Order
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概要[編集 | ソースを編集]

『Fate/Grand Order』に登場する神霊
略歴
Lostbelt No.6 『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』における1万年以上呪いを蓄えた『呪いの厄災』。妖精國の中心にある「大穴」から定期的に溢れ出る厄災の源。
ブリテン異聞帯においては、地球がセファールにより焼き尽くされた際、自身の巫女を守るために神霊で唯一星の内海である妖精郷に退避しており無事だった。そのため、この事態を引き起こした「はじまりのろくにん」という6翅の妖精たちに対して反省を促そうと、自身の巫女と共に彼らの下に現れる。
はじまりのろくにんに対して罰を下すことはなかったが、反省をさせようとするケルヌンノスと彼の巫女は、罪の意識など欠片もないろくにんにとって口うるさい邪魔者でしかなかった。そのために「セファールによって失われた大地が元に戻らないのはケルヌンノスのせい」だとろくにんは決めつけ、ケルヌンノスを祭り上げて騙したところに毒を盛ることを計画する。
結果、自身を祭り上げたことで「ろくにんが改心してくれた」と勘違いしたケルヌンノスは毒を飲まされ死亡。その体は大地になり、残った巫女は魔術をかけられて生きたままバラバラにされ、妖精たちが人間を作るための素材になってしまう。
ケルヌンノス自身の死体は妖精國の中心にある「大穴」の奥で、妖精たちに罰を与えるため怒りと呪いを撒く存在──「厄災」となりくすぶっていた。しかし、この行為はブリテン島の底で封じられていた奈落の虫を自身が蓋となることで抑え込む、という役割も兼ねていた。
2部6章内ではブリテン異聞帯各地に現れる「厄災」として語られており、ノリッジでその姿を現す。その時はマシュたちの活躍で退散するものの、実際は溜め込んでいた呪いを少しだけ吐き出したに過ぎなかった。
そして同章の終盤、バーヴァン・シーが大穴に落とされたことで彼女を神核とする形で復活。ブリテン異聞帯中にモースを大量発生させ、今まで何事もなかった妖精たちもモースと化すという現象を引き起こし、島全土が呪いで包み込まれようとしていた。
一時はブリテン異聞帯を思うがままに蹂躙するも、モルガンがいなくなったことにより自由になったマーリンによってカルデアに対抗策を準備され、さらに彼が島全体にかけていた幻術で「ここ2時間の出来事が全て幻であった」ということにされ2時間前の状態に戻される。
そしてカルデアが炎の厄災獣の厄災ベリル・ガットを下した後、ブリテン異聞帯最後にして最大の敵として立ち塞がる。
致命の呪いをかいくぐりながら主人公らが猛攻を仕掛けるも、神核を包んでいる呪層により阻まれ、さらに呪層は破壊してもすぐに復活してしまう。しかし、アルトリア・キャスターがキャメロットに設置されていたロンゴミニアドを起動させて攻撃し、さらにはアルトリア自身に宿る聖剣の概念を装填したエクスカリバーを放たれる。
アルトリアが自身を犠牲にして放った一撃によって神核が露呈し、そこにブラックバレルを撃ち込まれたことで致命傷となり消滅。これによってブリテン島全域に出現していたモースも全て消滅した。
2023年の夏イベント「サバ・フェス2023」では汎人類史のケルヌンノスが登場。文明が進み、人間が森から離れた事で眠りについていたらしい。
だが、何故かハワトリアの森の奥地で「なんかお腹いたいノス」とばかりに怨念としてうずくまっており、彼を見捨てなかったバーヴァン・シーはプリテンダーへとクラスチェンジして祭神の権威を取り戻そうとするのだった。
人物
汎人類史ではケルト神話における狩猟の神にして冥界神。
体には鹿のような黒い角が生えており、顔らしき部分には赤い紋様がある。角の根元にある紋様は口のように開き、中には丸と円によって構成された魔法陣のようなものが描かれている(ケット・クー・ミコケルの宝具演出で見るとわかりやすい)。
体表にはゴワゴワとした体毛が生えているように見えるが、ブリテン異聞帯においてはその全身が肥大化した腐肉である。全身はゲーム内に登場しないものの、設定資料では肩幅ががっしりとしており、胴体は下に行くほど細くなり、手足も細長いという異様な姿をしている。
また、物語終盤において露出する神核は「口が開いた小さなケルヌンノス」とも呼べる姿として見えている。
ブリテン異聞帯のはじまりが語られる際に出てくるイラストでは、はじまりのろくにんと比較しても相当に大きく描かれており、「死体が大地となった」という言及からも元からそれなりの巨体を誇っていたことが分かる。
ミコケルの宝具演出で登場する汎人類史のケルヌンノスは真っ白な毛皮に覆われており、異聞帯の姿には劣るもののそれなりの巨体である。
元々は穏やかな性格であり、仕事をサボった結果地球全土を焼き尽くされてあらゆる生命体が消滅したという経歴を持つはじまりのろくにんにも、罰を下さずに反省を促すのみに留めている。
はじまりのろくにんに裏切られて死んだ後は、1万年以上かけて、死する妖精たちの怒りと嘆きを呪いとして溜め込むようになったが、死して尚その遺骸を以て「奈落の虫」を封じている。
復活して以降はバーヴァン・シーの精神が混濁してしまったようで、チャージ攻撃の「いかないで」などは彼女の意志であると思われる。
台詞は一切ないが、奈須氏によると語尾は「~ンノス」らしい。汎人類史のケルヌンノスも穏やかな性格のようであり、何をやっても怒らないとまで言われている(そのため、ケット・クー・ミコケルが代わりにマジギレする)。
能力
狩猟の神や冥界神としての能力は不明。
ブリテン異聞帯では1万年以上も呪いを蓄え続けた結果、体表は1万年以上積み重ねられた呪いで肥大化した、大穴に落とされた妖精の亡骸で構成される腐肉で覆われており、星の地層400kmにも相当する分厚さを誇る他、攻撃を加えられても即座に再生してしまう。
さらに賢人グリムの呪詛返しにさらに呪詛返しをして片目を潰したり、その呪いを一部取り込んだコヤンスカヤの10万トンもある強大な霊基を軋ませるほどになっている。
この呪いはコヤンスカヤ曰く自死の呪い」らしく、防ぐことができずに抱え込むしかないという厄介なものの様子。
通常攻撃ではビームを四方八方に放ち、クリティカル攻撃では隕石のようなものを降らせてくる。また、呪いで包まれたおびただしい数の手を伸ばして攻撃することもあり、その一部が「厄災」としてブリテン異聞帯では恐れられていた。
汎人類史のケルヌンノスはこのような呪いこそないものの、ケット・クー・ミコケルの宝具「祝いの躍祭」においては回転しながらビームのように魔力を放って、広範囲にダメージを与える。

関連[編集 | ソースを編集]

ケルヌンノスの巫女
ケルヌンノスの巫女であり、妻でもあった人間。セファール襲来後は唯一の人間の生き残りとなる。
彼女はケルヌンノスほどはじまりのろくにんを信用しておらず、彼らが突然ケルヌンノスに感謝しだした際も怪しんでいた。

バリエーション[編集 | ソースを編集]

ヌンノスシリーズ[編集 | ソースを編集]

2023年夏イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』にて登場した、ハワトリアにおける三つの厄災。
オベロンが島の古い精霊にワンジナの訴えを表すカタチを聞かれた際「妖精國の厄災やケルヌンノス」を連想したことで、自動的にケルヌンノスに似た姿形をとってしまった。
モエルンノス
炎上祭神。炎をイメージした赤いデザインであり、怒っているような顔つき。
本能という爪の結晶。流行、流言飛語、活動心から生まれ、資源枯渇によって祭りを中止させるもの。「新刊落ちました」の呪い。
物語中では市街地を中心に大規模な火災を発生させ、森林も炎上させて紙不足を起こし、新刊を発行できないようにしてサバフェスを中止させてしまった。
ウミヌンノス
波浪祭神。海をイメージした青いデザインであり、和んでいるような顔つき。
知性という口の結晶。技術、選民思想、探求心から生まれ、悪天候によって祭りを中止させるもの。「荒天によるイベント中止」の呪い。
物語中ではモルガンによってコントロールされていたが、彼女のホテルになかなか主人公が訪れなかったことで解き放たれ、超大型台風と化してサバフェスを中止させ、その混乱で気絶した主人公をモルガンがホテル・ブリスティンに連れ去った。
ヤメルンノス
愛瞳祭神。その名の通り胴体の真ん中に巨大な瞳を持つ黄色いデザイン。
「争い」という概念であり、感情が生む涙の結晶。すべての争い、すべての諍い、すべての偏見をもって祭りを炎上させるもの、「同担拒否」の呪い。
物語中では最終決戦まで直接の顕現はしなかったものの、テスカトリポカが見せた「このままだと訪れる未来」では互いの嗜好の違いから生まれた争いによってサバフェスが壊滅し、リセットも効かないままバッドエンドを迎える光景が広がっていた。
「ヤメル」というのは病めるではなく争いを「止める」という意味で、出現するのは起こった争いを止めようとしているため[出 1]

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』でボスとして登場。
エネミーとしてはバーサーカークラスである。

人間関係[編集 | ソースを編集]

はじまりのろくにん
セファール襲来時に、聖剣エクスカリバーを鍛造する役割だった亜鈴の妖精たち。
彼らを反省させるために星の内海から出て来たが騙されて毒殺され、自身の妻を生きながらに苦しませ続けられるという最悪の事態を招いてしまう。
巫女
自身の巫女にして、妻でもある人間。
彼女との様子は言及されていないが、妻とするだけでなく彼女を守るために妖精郷に退避しており、良好な関係だったと思われる。
バーヴァン・シー
自身の神核に融合した妖精。
「善き生贄」である彼女が大穴に落とされたことで死骸のまま蘇生することとなった。
余談だが、戦闘時のケルヌンノスが使用する「グレイマルキン:A」と「妖精吸血:A」は元は彼女の持つスキルであり、また戦闘時のBGMは彼女との戦闘で流れる曲のアレンジである。
ケット・クー・ミコケル
バーヴァン・シーが祭神の巫女として振る舞う際の姿。彼女の戦闘時には汎人類史の自身が姿を表し、力を貸している。
『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』ではシナリオ中盤までモエルンノスを暴れさせ、ガス抜きをすることで鎮めていた。
アルトリア・キャスター
楽園の妖精として、妖精國に遣わされた少女。
彼女の命を賭けた攻撃によって神核を露出させられた。この際、生前の行動に関して「罪人たちが許される期限を定めるべきだった」と言われている。
マシュ・キリエライト
カルデアの職員で、サーヴァントでもある少女。ブリテン異聞帯においては「妖精騎士ギャラハッド」を着名している。
ノリッジにおいては呪いの手の一部を退散させ、水鏡でやってきた2回目のブリテン異聞帯では大穴でくすぶっているケルヌンノスの遺骸を発見する。
物語終盤では彼女のブラックバレルによって討たれることとなった。
モルガン
元々は楽園の妖精であり、妖精國の女王。
度々妖精國に発生していた「厄災」を撃退していた。
また自身の亡骸を監視するため、大穴付近にキャメロット城を建てており、そこに設置されていた12基のロンゴミニアドは万が一本体が這い出てしまった際の対抗策でもあった。
救世主トネリコ
モルガンが救世主として活動していた際の姿。
マシュが水鏡によってやってきた2回目のブリテン異聞帯で、マシュの目を通して大穴にケルヌンノスの死骸があることを発見した。
水妃モルガン
水着姿のモルガン。
『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』にてウミヌンノスを生み出して制御していた。
賢人グリム
ケルト神話の英雄であるためか元の姿を知っていたようであり、想像以上の変貌ぶりに愚痴を零していた。
ストームボーダーに聖域を展開して呪いを弾くも、彼の呪詛返しを返して右目を潰すなど、呪いに関しては上回っている。
マーリン
モルガンによってアヴァロンに閉じ込められていた、グランドキャスター候補の魔術師。
自身が復活後に彼がブリテン島全体にかけた幻術の効果で2時間前の状態に戻されてしまい、また彼の手引きによってカルデアが勝利を手にするきっかけを作られてしまう。
タマモヴィッチ・コヤンスカヤ
カルデアへの攻撃を防がれ、呪いを一部吸収される。
だがこの行動の結果彼女は弱体化し、ツングースカにおいて満身創痍のままカルデアとの決着を付けることとなる。
ブリテン異聞帯の妖精たち
ブリテン異聞帯に住まう妖精たち。ケルヌンノスの呪いの主な対象のため、彼らがモースになってしまう要因となっている。
ムリアン
ブリテン異聞帯における、唯一の翅の氏族の妖精。
独自に「妖精國の厄災を解決する方法」の研究をしていた結果、自身の過去を含めた妖精國の真実へと辿り着くが、真の黒幕によって殺害される。
奈落の虫
自身が封じていた、ブリテン島の終末装置。
ロンディニウムの壁画にも自身の下にこの奈落の虫が描かれており、封印を示唆していた。
オベロン・ヴォーティガーン
「奈落の虫」および、異聞帯のブリテン島自体に宿る破滅意思の具現
目的は「自身の本体である奈落の虫の上に居座るケルヌンノスの排除」だが、ケルヌンノスの排除にブリテン島を守ろうとするモルガンが邪魔なため、直接ケルヌンノスには手を出せずにいた。
余談だが、ケルヌンノスなどの厄災との戦いに際して彼はカルデアに一切の助力をしていない(終盤は彼が毛嫌いしているマーリンがいたから、という理由も考えられるが)。
『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』では、三厄災の姿がケルヌンノスそっくりになるきっかけを(意図せずして)作ってしまった。
ノクナレア・ヤラアーンドゥ
サバフェスを取り仕切る「サバフェス正常化委員会」の委員長。
『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』では、終盤で「自分がリセットの原因であった」という真実を知ったショックからヤメルンノスへと覚醒してしまった。

名台詞[編集 | ソースを編集]

メモ[編集 | ソースを編集]

  • ブリテン異聞帯の妖精たちは「はじまりのろくにん」を始めとする先祖の妖精たちの罪や、現在進行形で行っている非道な行為(巫女を使って人間を生み出す行為や身勝手な振る舞いなど)を悪いと思っておらず、罪を重ね続けているためにケルヌンノスによってモース化していた。
    • ウッドワスマイクなど一部の妖精はモース化から解き放たれていたが、これは彼らが「心の底からの謝罪と、悔い改め」を行ったことによるものである。[出 2]
      • 彼らが謝罪をした存在はケルヌンノス自身ではなかったため、『自身の罪を認め、それを悔いる』という行為をすればモース化は免れることができると考えられる。
  • 大穴に落とされたバーヴァン・シーは「善き生贄」だったとのことだが、心優しいケルヌンノスの性格からして、いくら呪いを溜め続けるようになってしまったとはいえ「生贄を用いての復活」という行為は違和感があるように思われる。
    • バーヴァン・シーは本来利他主義の善良な妖精であり、「善き生贄」とは「"善"良な性格の生贄」であった可能性がある。そうなると、バーヴァン・シーを生贄として復活したのも「善良な性格の妖精を殺して大穴に投げ捨てた妖精たちに、とうとうケルヌンノスも堪忍袋の緒が切れた」という見方もできる。
  • 奈須きのこ氏は厄災戦が本番で、妖精騎士戦はその前哨という扱いでBGMを発注しており、妖精騎士トリスタン戦のBGMについては「少女狂想。血まみれの舞踏会。ダンスミュージック、キラキラ舞踏会、本人は地獄、みたいな。『CCC』のエゴバトル風味」というように、ケルヌンノス戦は「『少女が見ている、幸せな夢(踊っている)』なので、華やかで、スピード感のある曲が好ましいです。ステージもクライマックスで、客席もみんな見蕩れていて、“私、生まれてきて良かった!”な感じの。人生の中でいちばんアがっている……みたいな。まあ全部夢なんだけど」という発注をしたらしい。
    • この発注に対し、芳賀氏は「なんでそんなひどい注文してくるの?」と返答したとのこと。[出 3]
    • ケルヌンノス戦でその周囲をストームボーダーでグルグルと回りながら戦う、という演出にしたのも上述のようなきのこ氏の意向かららしい。
  • 2022年になってStudio BBからデザインの裏話が公開されたが、初期デザインはおどろおどろしい、まさに「厄災」といった姿をしていた。しかし、奈須きのこ氏から「もっとだいたんに可愛く。ブリテンを脅かす最大級の呪いですが、邪悪さ、恐ろしさは出さない方向で」とオーダーされ、最終的に現在の形に落ち着いて「こちらでバッチリ!ちゃんとブラシいれればモフモフであろう獣の神さまがなんでこんなことに……感が素晴らしい」とオッケーを貰ったそうな。[出 4]
    • 余談だが、初期デザインの姿は「ノリッジの厄災」に酷似している。
  • 「バーヴァン・シーがケルヌンノスと融合している」という情報は当初憶測でしか語られていなかったものの、2022年12月に行われた生配信番組「Spotlight Lostbelt No.6」において初めて明言された。[出 5]
  • 『サバフェス2023』のヌンノスシリーズは、2部6章のセルフパロディとして「三つのボスを出したら面白くなりそう」というアイディアから生まれた。
    • その内最初に誕生したのはウミヌンノス。奈須氏が取材で行ったハワイでクルージングをしている際に、海から出てくるという特徴を思いついたのだとか。
      そしてウミヌンノスがいるならモエルンノスも…という具合に発展していったらしい[出 1]

話題まとめ[編集 | ソースを編集]

史上最凶ランクのストーリー戦闘
ブリテン異聞帯で最大の戦闘となるケルヌンノス戦だが、現状イベントの超高難易度クエストですら比肩し得ない超難易度を誇る。2部4章のアルジュナ〔オルタ〕や5章後半のデメテル戦も大概だったが、前者は通常攻撃が単体、後者は行動にランダム要素がないこともありまだ打開策は見出しやすいものであった。
ケルヌンノスは全体攻撃なのでアルトリア・キャスターの対粛正防御がすぐに無くなってしまう点に加えて、ほとんどのクラスに攻撃相性有利なバーサーカークラスかつ攻防ともに常に固有の補正が乗っているため、そのためまともに攻撃を喰らうと大半のサーヴァントはまず耐えられない。
HPも高い上にゲージは全部で4つ持っており、さらに「呪層1個に付き10%の攻撃耐性を付与」+「ケルヌンノスに付与された弱体状態の数に応じて攻撃力をアップ」という効果が付いているため、呪層を削り取るまでろくなダメージを与えられないのに1ターンで大半のサーヴァントを皆殺しにしてくる状態に成り果てている。
しかも呪層はケルヌンノスの攻撃ごとに中確率で増加するうえに解除方法が攻撃を与えるしかないため、支援宝具を使えば使うほどHPを削りにくくなる悪循環に陥りかねない。
呪層を解除してもHPを10000回復されるが、攻撃が通りにくくなるよりはマシである。それ以上に攻撃を行ったキャラが1回毎に「そのターン終了時にHPを1000減少」という効果の弱体状態「呪層汚染」が付与されるため、たとえ対粛正防御を張り続けることができてもこちらのHPはガンガン削れていく上に呪いなど通常の持続ダメージと異なり、まとめて処理されないためガッツを貫通しうる仕様からヘラクレスなどの複数回ガッツ持ちですら成すすべなく退場させられてしまう。
通常行動で使用するスキルも厄介で、チャージを1増加するスキルと1ターンの無敵を付与するスキルがある。さらにブレイク時には1回目で「こちら全体に1ターンずつのスキル封印と宝具封印(弱体無効貫通・解除不可)を付与」、2回目は「自身のクリティカル発生率をアップ」、3回目は「こちら全体に毎ターンNP10%減少状態を付与」という効果に加え、2回目と3回目では呪層状態を一気に増やしてくる。
一応毎ターン開始時にグリムからランダムな効果の援護がもらえたり、強制出撃のアルトリア・キャスターが前衛にいる間は3ターン毎にスキル1を発動してくれるが、それでも焼け石に水と言わざるを得ない。
なお、アルトリア・キャスターの対粛正防御もクラススキルで呪いを無効化し攻撃役としても優秀な卑弥呼などでオーバーチャージ段階を上げるなどして、呪層が減ったタイミングを狙ってスキルの強化を乗せたクリティカル攻撃や宝具を叩き込むことで、行動回数が必ず3回になる最終ゲージ(呪層が3つ以下でも増える)までは比較的安定する。またエルキドゥは宝具の特攻が刺さる上にHP回復量が高く、NP50%チャージと弱体解除も持ち併せる上にアペンドスキルでバーサーカー攻撃適正を持っているなど優秀。他にも特攻を持つ謎のヒロインXXアルトリア・キャスター〔バーサーカー〕、弱体無効等の噛み合うスキルを持つ超人オリオンソドムズビースト/ドラコー〔ビースト〕など、ある程度有利に立ち回れるアタッカーはクラス相性もあって意外と多い。
ただ育成を万全に行った適切な戦力が少しでも不足していると突破は絶望的と言わざるを得ず、当時は企業攻略サイトのほとんどに令呪や霊脈石などによる「コンティニュー推奨」と事実上の降伏宣言をさせたほどであり、霊基復元を使わずにクリアできる編成などが極めて限られている。
余談だが、この章をクリアした後に開放される巌窟王 エドモン・ダンテスの幕間の物語2でもケルヌンノスと戦闘を行う。こちらでは意外と各種要素が弱体化されているが、それでも巌窟王の強制編成が足を引っ張りかねないため、編成を万全に整えねばならない点は変わらないだろう。
凄まじい難易度に対する反応を運営側も考慮したのか『サーヴァント・サマーフェスティバル2023!』に登場するヌンノスシリーズは「やけど付与によって継続ダメージとデバフを与えてくる(回復はしない)モエルンノス」「呪層ならぬ嵐層をまとって防御性能が高いが、剝がしてもその時のダメージのみで継続ダメージはないウミヌンノス」「スキルや宝具の封印を主に特定タイミングで使用してくるヤメルンノス」と、ギミックを分解することで弱体化と差別化が成されている。
モフモフのマスコット……?
2部6章の崩壊編に登場した際、体表がモフモフとしていそうな大量の毛で覆われていたこととシナリオ上での聖人っぷりから、SNSなどではマスコットキャラとして人気を博す。
デフォルメされた姿で描かれることも多く、主に「もふもふしていてずんぐりむっくりな体形で手足が短い」という特徴が見られるが、実際の全身像は「ゴワゴワの毛並みで肩幅ががっしりとしており、胴体は下に行くほど細くなり、手足も細長い」という姿であった。
一応茨木童子〔ランサー〕などの宝具演出では下半身を含めた手足も確認できたり、概念礼装「翡翠の髪状」でバーヴァン・シーが抱えているケルヌンノスのぬいぐるみは手が長かったりと、ある程度は全身の情報が出されていた。
その後、2021年12月の「カルデアサテライトステーション 2021-2022」では「翡翠の髪状」で描かれているぬいぐるみが実際にグッズ化されるという発表がされたり、7周年記念イベントの「FGO Fes.2022」では会場で事前に伏せられていた区画に「約8mのケルヌンノスのオブジェ」が設置されるといったサプライズが用意されていた。
そして翌年の夏イベントにおいてケット・クー・ミコケルの実装とともに汎人類史のケルヌンノスも登場。イベント中に厄災として登場するヌンノスシリーズは実際のところオベロンのイメージによって生み出されたケルヌンノスっぽいものにすぎないが、彼女の戦闘シーンや宝具で出てくるケルヌンノスは汎人類史のケルヌンノスそのものであり、その真の姿は…やはりモフモフであった。
多くのプレイヤーからマスコット神様として愛され信仰されぬいぐるみ偶像も作られるなど、何気に宗教上などの神様としては理想的な扱いとも言える。上述通り戦闘難易度は愛らしさも余裕もへったくれもない破壊神っぷりであるが。

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]


出典[編集 | ソースを編集]

  1. 1.0 1.1 週刊ファミ通 2024年8月22・29日合併号 P.30
  2. 竹箒日記2021/07/28
  3. 竹箒日記2021/08/12 現在削除済
  4. Studio BBのお仕事紹介(note)
  5. 「Fate/Grand Order」Spotlight Lostbelt No.6

リンク[編集 | ソースを編集]