氷室の天地 Fate/school life

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氷室の天地 Fate/school life
原作 TYPE-MOON
作画 磨伸映一郎
掲載誌 まんが4コマぱれっと(旧誌名:まんが4コマKINGSぱれっと)
連載期間 Vol.2~連載中
単行本 既刊13巻
発売元 一迅社
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概要

2006年、月刊ComicREX増刊『まんが4コマKINGSぱれっと』で連載開始。『Fate/stay night』本編から9ヶ月前(作品スタート時)の穂群原学園、生徒達の日常を描いた4コマ漫画作品。

本編ではプロローグの端役として登場し、hollowではコミカルに活躍した陸上部三人娘を主役に進められる、聖杯戦争とは全く関係ないFate世界のお話。

「公式」なFateの外伝作品であるものの、Fate本編の主役級キャラが台詞もほとんど無い脇役だったり単行本のおまけ漫画にしか登場しなかったりするなど、本作の内容とFate本編のストーリーとはあまり関係がない。そのため内容を理解するのにFateの知識は殆ど必要がない。もちろん一応知っていればキャラのバックボーン等を理解できることもあるが、知らなくても何ら不都合はない。
その一方でFateと全く関係ない漫画、アニメ、映画、ゲーム、マニアックな歴史的事実などを元にしたパロディネタが満載となっており、それらの知識を有していた方がより深く理解できるという、本当にこれを「公式」と定義してよいのか意見の分かれる作品である。

ただし、作品自体に対する評価は各巻とも幾度も重版を重ねている点から判断してかなり高く、「Fateの知識が無くても理解できる」という点から、この作品に使用されているネタ元の作品のファンがこの作品を通してFate自体にも興味を抱くようになるという、ある意味においてFateの入門的立ち位置の作品になっている。

Fate関連における単独作品としては最古参の部類であり、かつ連載期間は最長の作品でもある。現在の様な独立した聖杯戦争を描く華々しい作品とは違い、世界線は微妙に違うもののあくまで『Fate/stay night』をベースにしたスピンオフ作品という点が時代を感じさせる。 それ故か今までドラマCDが造られる事はってもアニメ化の機会には恵まれなかったが、2017年12月31日に遂に待望のアニメ化。『Fate/Grand Order』とのコラボ企画『Fate/Grand Order × 氷室の天地 ~7人の最強偉人篇~』が放映された。

登場人物

穂群原学園生徒・関係者

氷室鐘
主役。文武両道の完璧超人だが自己主張は少なく、周囲に埋没気味。
蒔寺楓
準主役。自称「穂群の黒豹」。トラブルメイカーなボケ役。氷室曰く、「彼氏が出来たら尽くすタイプ」。基本的にアホの子だが、歴史に関してだけは日本史・世界史問わず、とんでもない知識量を誇る。
三枝由紀香
準主役。本作の影の番長。ツッコミ役。常識人代表として常に奮闘する。昭和の香り漂う昔懐かしい「おかん」ポジション。自覚は無いが霊が普通に見える。
美綴綾子
クラスメイト。いじられ役。色々と残念美人。趣味はゲーム。格闘ゲームが専門であったが最近は隠れて乙女ゲにハマり気味である。
沙条綾香
クラスメイト。もともとは『Fate/Prototype』の主役だが、本作は世界線が異なる。
遠坂凛
クラスメイト。本編ヒロインとしては珍しく準レギュラー扱い。基本的にはうっかりキャラ。
柳洞一成
同級生。色々と対立する仲。だが実は……?
間桐慎二
同級生。体を張ったボケをする(結果的)。本編登場キャラだが出番は非常に多い。基本的には噛ませ犬。殆ど出オチキャラとしてぶっ飛ばされるためだけに登場する。
後藤劾以
同級生。体を張ったボケをする(積極的)。何事からも非常に影響を受けやすい性格であり、視聴した対象の映画やアニメのキャラに「なりきり」してしまう。
衛宮士郎
同級生。番外編以外では台詞が一切存在しない。修学旅行編でモブキャラのように悲鳴を挙げる場面が1コマだけあるのみ。
修学旅行編では美綴とゲーム対決を行い、一成の策略も手伝って、勝利する。
間桐桜
後輩。表記は終始『間桐妹』。既に黒化の片鱗を見せている。
藤村大河
武闘派教師その1。英語教師として蒔寺の補習監督をしたり、英語とは全く関係ない科目の自習授業時に臨時担任をしたりする。
葛木宗一郎
武闘派教師その2。氷室達のクラス担任。蒔寺の暴走を止めるため容赦なく謎格闘技を喰らわせる。大河に比べると出番は少ない。
佐伯直美
オリジナルキャラクター。鐘らの同級生で、クラスは2年D組。陸上部に所属する円盤投げのホープ。
生徒会長・田北副生徒会長
オリジナルキャラクター。一成が生徒会長に就任する前の生徒会トップ達。会長が男(眼鏡)で副会長が女(眼鏡)。
なぜかテキサススタイルのコスプレをしている。その場のノリで会を運営しているため、生徒受けはいいが一成とは反りが合わない様子。
第59話で任期終了により退任。その際の挨拶で婚約を発表した(元々イチャついてはいた模様)。
角隈(つのくま)
一成が生徒会長に就任する際に同時に選ばれた、新たな副生徒会長。『Fate/EXTRA』シリーズの男主人公と同じ容姿をしている。
よく寝ているが覚醒すると有能であるらしい。ただし通常は半睡眠状態でフラフラ夢遊しているため、周囲からは「ムーンウォーカー」「月見の角隅」と呼ばれている。
ちなみに磨伸氏が名前を付けた後、「岸浪白野」という名前が公式で発表されてゲェーッ!?っとなったらしい。
生徒会書記(新)
一成が生徒会長に就任する際に同時に選ばれた、新たな生徒会書記。名前は未公開。『EXTRA』シリーズの女主人公と同じ容姿をしている。
角隅に比べて出番は多目。一成が会長として校内を巡る際に、よく一緒に登場する。
生徒会会計
一成が生徒会長時に会計を務めている人物。名前は未公開。女性。
前生徒会の方針の信奉者で、「私はみんなを幸せにしたかっただけ」「とにかく全員をハッピーにしたかった」という動機で生徒会の部費報奨金を即行で使い切ってしまい、結果的に一部の部活のみに部費を落とすという不公平な政策ミスを行ってしまう。
容姿・経歴共に詳細は不明。まともに顔は描かれておらず、新生徒会発足時の演説や部費決定時の会議でも姿は見えない。登場したのは一成が生徒会長を務めている時期だが、新たな役員なのか前生徒会からの残留者なのかも不明。
化野菱理
笠間と名乗り養護教諭に収まっている。
踝まで届く長い髪と豪奢な友禅の振袖という目立つことこの上ない格好のくせに、学園の生徒職員、誰一人としてそれを話題にしない。
何らかの認識阻害を使用していたらしく、時計塔に帰還した後も養護教諭は「笠間先生」であるが容姿はまったく違うようである。

その他

氷室道雪
主人公の父。冬木市市長でもある。
氷室鈴
主人公の母。
柳洞零観
一成の兄。
蛍塚音子
大河、零観の友人。
間桐臓硯
慎二と桜の(戸籍上の)祖父であり、穂群原学園のPTA会長。
シエル
モブキャラとしてちょくちょく背景に登場する。
……が、実は聖杯戦争にあたり、「部外者」として暗躍している模様。
龍造寺
冬木における有名ゲーマーで、『英雄史大戦』のキャラバンでも優勝候補の一人と目されていた。
成松、木下、円城寺、百武、江里口
上記の龍造寺の取り巻きの「龍造寺四天王」のメンバー。
全員『英雄史大戦』を得意としていたが、キャラバンでは木下以外のメンバーは一回戦敗退という結果に終わってしまった。
日比乃ひびき桂木千鍵
喫茶店「アーネンエルベ」の店員。英雄史大戦のキャラバンにも参戦していた。
ライダー
柳洞寺の全壊から程なくして骨董品屋でアルバイトを始めた長身の女性。

英霊の座

TV番組の撮影という体で英霊たちが寸劇を繰り広げる。主に単行本カバー裏で展開される謎のコーナー。メタ発言が飛び交う魔窟。

セイバーライダーキャスター
女性芸能人。「空腹・眼鏡・人妻の おなじみ英霊様」担当。4巻・5巻カバー裏ではセイバーが謹慎中。6巻ではライダー以外が入れ替わった。
アサシン
「話題のイケメン剣豪」として「おなじみ英霊様」に招かれるが……
アーチャーランサーギルガメッシュ
局の職員だが、セイバー謹慎中は番組に出演することも。
バーサーカー
局長。このコーナーでは普通に人語を話す。
セイバー
5巻では大道具(舞台装置)担当として、6巻ではセイバーの代役として登場。
キャスター
6巻でキャスターに代わって登場。
アサシン
8巻で登場したプロデューサー。セイバーしかいなくなった座を活気づける為に放送作家を手配するが……
ジナコ=カリギリ
8巻で登場した放送作家。上記の経緯で呼ばれるが、提出した企画がアレ過ぎた為にセイバーを激怒させた。

用語

英雄史大戦
学生達の間でブームとなっているオンラインカードアーケードゲーム。元ネタはセガの「三国志大戦」。
詳細は「英雄史大戦」を参照。

メモ

  • TYPE-MOONの監修を受けているため、ここで登場する設定は一応公式のものとなる。だが、作者によれば「非公式なアンソロジー作品で書いたネタが公式にフィードバックされた事があるのに、一応公式なこの作品で登場した設定は公式・非公式(同人誌なども含めて)問わず使用されたことがない(3巻発売時点で)」とのこと。
    • アニメ『UBW』(2014年版)において後藤劾以が登場し、EDでフルネームでクレジットされた為、晴れてこの作品の設定が公式に使用された。ただしかつて2008年のエイプリルフール企画内において、「GUY後藤」という表記であれば既に使用されている。
    • Fate/strange Fakeでは沙条綾香関連の話題を中心にして、ゲームアカウント名London☆STARや柳洞寺の池の外来種、「集団昏倒事件は大戦時のアメリカ軍化学兵器が原因」説など、かなり細かなネタまで拾われており、むしろ密接と言えるほどの繋がりを見せている。
  • パロディの元ネタは非常に広範囲にわたる。恐らく、全ての元ネタを把握できる読者は非常に稀で、また幸福であるだろう。出典を逐一あげていってはきりがないので、一部の参考にとどめる。
    • 「キン肉マン」「闘将!!拉麺男」「ジョジョの奇妙な冒険」「北斗の拳」「グラップラー刃牙」「シグルイ」「孤独のグルメ」「ガンダム」「コードギアス」「三国志」「水滸伝」
  • 『氷室の天地』の時代設定は西暦2000年ごろ。パロディの元ネタの作品の中には時代設定的に氷室達が知りえないものも混じっているが、今更そのことに突っ込んではいけない。
    • が、文化祭での「最強偉人企画」では2007年・2010年に元ネタがある「未来の英雄」の採用はさすがに見送られたという例もある。
  • 順当に行けば柳洞一成は生徒会長を一年勤め上げた後に引退することになるはずだったのだが、一成は本来の任期が終了しても生徒会長の座にあり続けている未来が『hollow』にて語られている。
    • 角隅は凛によって「次期生徒会長筆頭候補」と紹介されているが、最終的にはその座に就かなかったらしい。
    • 『hollow』の時点では、「霧島」という名の一成の後輩の女生徒が副生徒会長になっている。この人物が「EXTRAの女性主人公の外見をした生徒会書記」と同一人物かどうかは不明。
  • 連載100回を記念して、2015年2月27日に作者とファンとの交流イベント『氷室の夢は夜ひらく』が開催された。イベント内では記念本が販売され、後日3月7日に一部店舗で一般販売されている。
  • 作中時間で12月27日深夜、ルーマニアのトゥリファスで爆発があったことがラジオニュースで伝えられている。日本のニュースに出てくるくらいなので相当な規模の事件と思われるが、具体的に何があったのかは単行本8巻時点では不明。
  • 8巻発売時点では、おおむねFate本編と矛盾無く進んでいるが、プロローグで言及された「長物を用いた一家惨殺事件」が「重傷事件」になっているなど、約数名の暗躍により少しずつ話がずれてきている。
    • 9巻折り返しと裏表紙にて、まさかのHeaven's Feelルートベースであることが判明。柳洞寺での「ガス漏れ事故」がかなり早い段階で起きていたりと伏線はあったが、大量殺人事件が発生するストーリーがどのような経緯を辿るのか不安視する読者が多発。結果として犠牲者数が減少するなど若干本編とは異なる点もあるものの、冬木市に大きな爪痕を残すこととなった。
    • そして10巻奥付と折り返しにはあるキャラクターの作中登場が示唆されるイラストが掲載されている。要は巨乳眼鏡キャラという作者にとってドストライクな彼女を出したかったから、彼女が生存するHFルートを選んだのでは、と…。
    • 原作Fateと所謂「世界線」がズレるきっかけとなるのは言峰綺礼が遠坂家の資産を本編より少しだけ多く売り払った事が原因で、そのうちのひとつ、極上の霊地に目を付けた沙条姉妹の父である沙条広樹が冬木に移り住んでくる(よって彼らは冬木出身ではない)ことから本編Fateとの並行世界が発生するきっかけとなったらしい。ただ他の作品とは違い、事象の帰趨に大きな差を及ぼさなかったことから一連の流れはFateのHFルートに準拠したものとなっている。作者はこれを「桜ルートVer1.5」と名付けている[出 1]
      • なお具体的に明言はされてなかったが、この世界のアーサー王がプロト基準のセイバーではなくアルトリアであったために沙条愛歌の恋愛脳が暴走しなかったことも大きいようである[出 2]。ちなみに沙条綾香とシエルが裏でうごめいていた陰謀のあらかたを阻止してはいたのだが、ほんの少しだけ取りこぼした「何か」がアメリカに渡り…、と後の「Fate/strange Fake」に繋がる事も示唆されている。
    • ロード・エルメロイⅡ世の事件簿とは一部共通項はあるものの世界線が根本的に異なるという[出 3][出 4][出 5]
  • 多数登場しているFate作品におけるスピンオフ作品の中では驚くべきことに、2018年時点で連載中の作品の中では最古にして最長の連載である。ちなみに同年(2006年)に発表されたスピンオフ作品はかの原作版Fate/Zero
  • 出版社が角川グループでない一迅社であることが災いしたのか、TYPE-MOONエースでは10号にしてやっとその存在を紹介された。
  • 作中のネタには歴史雑学なども幅広く豊富に取り扱っているため、本作で紹介された偉人・英雄が(デザインこそ違うものの)後のFateシリーズにサーヴァントとして登場するという事態が時折発生している。

話題まとめ

蒔寺が選んだ最強偉人
歴史に強い蒔寺楓が考える史上最強の偉人(実在した人物に限る)は、舩坂弘、シモ・ヘイヘ、ハンス・ウルリッヒ・ルーデルの三人の内の誰かとのこと。いずれも第二次世界大戦時の枢軸国側の軍人であり、文字通り一騎当千の活躍をした「現代の英雄」。
凛は蒔寺の普段の言動から、発言を鵜呑みにしては不味いと考えたため、最強アーチャー(シモ・ヘイヘ)召喚のフラグを失ったとのこと。あくまで「蒔寺が強い偉人として選んだだけ」であるので、サーヴァントとして召喚された場合本当に最強であるかどうかは未知数(知名度の恩恵や、選出の範囲が実在した人物に限定しているため)。このネタはギャグの一環であることをお忘れなく。また奈須氏は「近代兵器をメインとする者は英霊のカテゴリーには含まれづらいです」とかつて述べているため近代の戦争における偉人である彼らがFate世界で英霊となりうる可能性は乏しいと考えられる。
と言うか、舩坂氏はstay night発売時点で存命中だったので呼び出せる訳がない(実際の所凜が呼び出した英霊存命中ではあったが。あくまでメタ的な意味で)。
尚、元々これらの人物はひむてんでネタにされる前から「サーヴァントとして呼び出されるならどんな偉人がいるか」という型月ファンの話題ではほぼ必ずあげられる鉄板の人選である。

※注 以下の逸話の内容は、作品中で言及されているわけではありません。

  • 舩坂弘
    大日本帝国陸軍の軍人で、最終階級は軍曹。射撃と武道全般に習熟していた。パラオ諸島にあるアンガウル島の戦いで鬼神の如く戦い、その姿から「不死身の分隊長」「生きている英霊」と呼ばれた。
    味方部隊が壊滅した後、全身に重傷・致命傷を負いながらも単独で米軍司令部への自爆攻撃を敢行するも失敗し、昏倒して捕虜となる。しかし捕虜となった3日後に瀕死の重傷から蘇生、移送されたペリリュー島収容所から抜け出して1km先の弾薬庫を爆破したという。
    戦後は戦没者の慰霊と遺骨収集に尽力し、著書の印税収入は全て赤十字に寄付した。2006年死去。享年85。ちなみに、復員した時に自分の墓が建てられていた事に驚き、その墓標を自ら引っこ抜いたとのこと。更に故郷では一時幽霊だと思われていた。
  • シモ・ヘイヘ
    冬戦争(フィンランドとソ連の間で行われた戦争)で活躍したフィンランドの狙撃兵。最終階級は少尉。白いカモフラージュスーツを纏っていたので、「白い死神」と呼ばれた。確認戦果505人(未確認も含めると800人以上と言われる)の射殺記録は現在も破られていない。
    コッラー河の戦いでは僅か32人の守備兵で4000人ものソ連軍を撃退しており、彼がいた拠点は「殺戮の丘」と呼ばれた。サブマシンガンの扱いにも秀でており、確認戦果だけでも200人を超えている。なお、これらは参戦したわずか100日間での記録であり、しかも開戦当初は記録を取るつもりすらなかったという。
    冬戦争後は戦場に出る事なく、元の猟師生活に戻った。2002年死去。享年96。戦後、多くの人命を奪った事に後悔の念はないかとインタビューされた時は「やれと言われた事を、可能な限り実行しただけだ」と述べている。
    • 冬戦争時点の階級は兵長だったが、その功績を讃えられ異例の五階級特進を果たし少尉となった。
    • 因みに彼の使用していたライフル「モシン・ナガン」は二丁あり、片方は現在もフィンランド国立軍事博物館に展示されている。触媒にはちょうどいいかも知れない。
  • ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
    ドイツ空軍に所属していたハイパーエース。最終階級は大佐。史上最も多くの戦車を航空機で破壊した「戦車撃破王」。生涯出撃回数2530回で戦車撃破数519輌(この数は戦車部隊一個軍団を撃滅したのに相当)、航空機9機(通常5機で『エース』と呼ばれる)、戦艦・嚮導駆逐艦・駆逐艦各1隻、装甲列車4両、上陸用舟艇70隻以上、装甲車・トラック800台以上と、人智を超越した公式スコアを記録している。
    他にもまた被撃墜回数30回、戦傷回数5回にもかかわらずいずれも生還した「不死身の被撃墜王」でもある。主にJu-87スツーカを愛用していたので「スツーカのルーデル」と呼ばれ、スターリンをして「ソビエト人民最大の敵」と言わしめた。
    ドイツ軍最高位の勲章である「黄金柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字勲章」はルーデルの為に創設されたもので、唯一の受章者。
    「重傷を負ったのに、すぐ出撃しようとした」「高額の賞金が掛けられていたのでソ連兵に何度も追われたが帰還した」「病院を抜け出して無断出撃する事が多かった」などなど、数多くの逸話が残されている。
    戦後はアルゼンチン空軍に対地攻撃の技を伝授する傍ら、片足でありながら南米最高峰のアコンカグアに登頂するなどスポーツ界でも逸話を残した。また、米軍のA-10攻撃機の技術アドバイスも行っている。
    1982年死去。享年66。著作でナチスを擁護する記述を行った為、葬儀にはネオナチ関係者が大挙して押しかけた他、西ドイツ空軍機2機が(上官に無断で)追悼飛行を行っている。
    • ちなみにルーデルが受章した『黄金柏葉剣付ダイヤモンド騎士鉄十字勲章』は剣と柏葉部分は18金で、しかも50個ものダイヤモンドが散りばめられている非常にゴージャスなものであった。ナチスドイツは世界的な記録を持ったエースを多数擁していたが、ルーデルに続いてこの勲章を授与される者はついに現れなかった。
    • ルーデルから対地攻撃を伝授されたアルゼンチン空軍はフォークランド紛争で存分に暴れ回り、イギリス海軍に大打撃を与えている。なお、フォークランド諸島の沖合いでは第1次世界大戦の時にイギリス艦隊とドイツ艦隊との間で海戦が行われた結果ドイツ艦隊が全滅しており、フォークランド紛争はある意味、ドイツが形を変えてイギリス軍に仕返しをしたとも言える。
眼鏡愛
作者の磨伸が病的なまでの眼鏡キャラ好きなのは最早型月界隈では公式もユーザーも良く知る事実である。
氷室鐘が三人組で主役に据えられたのもひとえに彼女の顔に輝く二つのレンズとフレームのおかげといえよう。
一方「眼鏡キャラが眼鏡を外す」という行為については抵抗があり(更に「眼鏡を外すと美人」という設定になると、その設定を付けた者を人非人扱いするレベルで嫌悪する[注 1])、沙条綾香の「眼鏡を外すと美少女」という設定を泣きながら奈須氏に改変してくれと懇願した(結局聞き入れられなかったが)エピソードからも窺い知れる[注 2]
この眼鏡狂的な逸話のせいか、磨伸が関わっていない作品でも眼鏡キャラが優遇されるような展開や眼鏡についての熱い魅力語りなシーンが唐突に始まると「磨伸の陰謀だ」「磨伸がキャラに乗り移っている」等と言われるようになった。
また経験値氏と同じくKADOKAWA提供のDMMブラウザゲーム『艦隊これくしょん~艦これ~』の提督(プレイヤー)としても知られており、そちらでもやはり眼鏡をかけた艦娘(キャラクター)を寵愛している事で有名[注 3]
…艦これ地上波アニメ版は出来がアレとして界隈では有名であるが、磨伸氏はそのアニメを愛少女ポリアンナ並に「よかった探し」をする聖人君子のような艦これファンとして話題であったが[出 6]、最終話で霧島が「本気を出す」という意味合い(原作ゲームではこのような設定はない)で眼鏡を外した瞬間ツイッターで盛大にキレたことにより更に話題となった(その後番組終盤で同じく眼鏡艦娘である大淀の眼鏡が顔から飛んだ事にも霧島でキレ倒した後とはいえ力なくもキレている)[出 7]。ちなみに放送直後には既に方々に心配されていた[出 8]
オリジナルキャラクター
最古のFateスピンオフかつ原作の世界観に最も近い作品だけあり、他のスピンオフと比べるとオリジナルキャラクターは少ない。数少ない初出キャラクターである氷室の両親は奈須きのこと相談の結果、命名したと語っている。なおオリジナルキャラクターの命名には「北九州の戦国武将の苗字」という縛りがあるようである。具体的には、
  • 氷室道雪 → 立花道雪
  • 佐伯直美 → 佐伯惟教(ただし歴史上の人物の方は地元では「さいき」と読む)
  • 角隈副会長 → 角隈石宗
  • 成松議員 → 成松信勝
  • 田北元副会長 → 田北鎮周

といった具合である。後に英雄史大戦の達人プレイヤーである「龍造寺」と、彼の取り巻きである成松[注 4]を始めとする五人組、自称して「龍造寺四天王」[注 5]が登場しているので、確信犯であろう。
前生徒会長の名前などについてはまだ考えてないらしいが、もし決める事があるとすればやはり戦国大名・豊後大友氏関連の苗字にするだろうと、作者がイベントで発言している。

ぼくの考えた最強偉人募集

氷室の天地の名(迷)物企画。上記の通り読者参加型の企画で自分の考えた偉人が漫画に登場できるという夢のような企画。似たような企画で思いつくのはやはりキン肉マンの超人募集が思いつくが…。一見普通の企画の様に見えるが流石そこは氷室の天地、ドマイナーな偉人やぶっ飛んだ逸話を持つ偉人、明らかに超解釈された逸話や姿を持ってる偉人など多数登場している。投稿者も実際にFate作品を執筆してる作者からの投稿があったりと実にカオスな企画である。この企画から様々な有名偉人が産まれた。ちなみにこの企画に登場するのはあくまで「偉人」であって「サーヴァント」「英霊」では無いので注意。 ちなみに現在三回開催されており、一回目の時点で既に3桁、二回目はその三倍、三回目はその二倍と着実に数を増やし600人以上の者が参加するFate屈指の読者参加イベントである。

  • プラトン
偉大な哲学者にしてこの企画で最も有名な偉人。若い頃にレスリング大会での優勝経験を持つと言う逸話を元に哲学者とは思えない屈強な肉体を持っている。ちなみにプラトンは「肩幅が広い」という意味合いを持つらしい。
偉人として持つ能力の名は「完全なレスリングと完全なボクシング(イデア)」。歴史上誰よりも人間心理の把握に長けているため、いかなる攻撃も避けてみせる。彼自身はただ近づき、殴るだけでよいという格闘技において最高クラスの技量を持つ。
ちなみにこの格闘能力は高ステータスに勇猛、十二の試練を持つヘラクレスや中国武術A+++のチート八極拳拳士として名高い李書文をさしおいて、きのこ直々に格闘技においてセイヴァー何とか出来るのはプラトン(氷室の天地版)位と言わしめた。
当のセイヴァーと格闘戦で対峙するには筋力・防御Aの高ステータスで対峙する英霊相手にステータスを2ランク減少させ、HP数値分あらゆる攻撃をシャットダウンする上に最古の武術と名高いカラリパヤットをEXランクで所持する彼を素手でどうにかするという明らかに無理ゲーレベルの事をしないといけない。
その多大なインパクトときのこの発言から企画出身の中では最も有名なお方。連載百回記念の公式Twitterや氷室の天地以外のスピンオフにもたびたび登場する。ちなみに公式の他の英霊とのつながりとしては、イスカンダルが弟子のアリストテレスの弟子にあたる。
本編でも「英雄史大戦」のカード募集案に採用されたという設定でカードとして登場している。
アニメでは三枝由紀香のサーヴァントとして登場、クラスはルーラー…ルーラー?ちなみに何故か大きさが明らかに十m台の大きさをしている。作品の終盤に登場し、その圧倒的な戦闘力でレオ三世と黎利の攻撃を同時に受け止める、ラリアットとドロップキックでそれぞれ相手を一撃で爆砕させるなど型月格闘最強候補の名に恥じぬ強さを見せつけた。ちなみにアニメ化発表時には彼の登場を期待する声が非常に多いなど相変わらずコアな人気を見せつけた。
  • ペレアス卿
第二回においてやっと登場した円卓勢。かの聖剣エクスカリバーをアーサー王に渡したとされる湖の乙女に一方的に惚れられているカチグミ・ナイト・オブ・ラウンズ
その戦闘力はガウェインに勝ってランスロットに負ける程度、しかし円卓崩壊の際には湖の乙女の加護で彼と闘う運命を改変。他の円卓の騎士たちが次々と死んでいく中彼だけは乙女と共に幸せに余生を全うした。
氷室の天地で語られたのは上記の設定位だが型月の設定から鑑みてみると明らかにぶっ飛んでると言わざるを得ない。神造兵器にして最強の聖剣エクスカリバーを所持している湖の乙女に惚れられていたりやあの太陽の下では三倍の能力とガラディーンを持ってるガウェイン相手に勝ちを拾える辺りとんでもない人物である。
そして彼の投稿者はなんとFate/strange Fakeを執筆している成田良悟氏。Fakeと氷室の天地は度々リンクする設定があったりするがその縁なのか…?
ちなみに、現在公式設定から判明してる円卓勢の中ではペレアス卿の名前は入っていない。
…のだったが驚く事に『Fate/strange Fake』でもペレアス卿の名前が登場(投稿したのがFakeの作者本人なのでぶっちゃけ自作自演ではあるが)、生粋のアーサー王オタクであるリチャードとその仲間の騎士から言及された。
内容としてはひむ天で紹介した逸話はそのままに、彼は円卓の騎士ではなくその配下の名ありの騎士として伝わっているようだ。こうして見ると他のアーサー王物語にて登場した円卓の騎士とされてた者達も、Fateにおいては円卓の騎士の配下として存在してる可能性があるとみると興味深い。
ちなみにリチャードの仲間の騎士からは湖の乙女との逸話は信じられておらず「はぐれ騎士」呼ばわりされていた。
  • 黎利
氷室の天地初のセイバー顔、その正体はベトナムの後黎朝大越国の初代皇帝。
なぜ彼女の顔がセイバー顔なのかと言うと、彼女の伝説がまんまアーサー王伝説になるからである。湖の霊亀から聖剣を授かり、その聖剣を持って侵略者を撃退、戦が終わった後はその聖剣を湖に返したと伝えられる。ちなみにその聖剣の名は投稿された際には「約束された還湖の剣(タン・キエム)」と表現された。
外見としては顔がセイバー顔な事以外ではベトナム衣装として代表的なアオザイと笠の衣装。ちなみに顔にはもちろん眼鏡がつけられている。
ファンからの呼称はベトナムセイバー。ド直球である。
アニメ版では氷室鐘のサーヴァントとして登場、クラスはもちろんセイバー。ネビル・シュートを倒しレオ三世と戦闘を繰り広げるなどサーヴァントと比べてもそん色のない活躍を見せつける。ちなみに服の色は青でベトナム人なのに金髪など色合いはアルトリアそっくりなのだが、肌の色がやや褐色気味だったりスタイルが抜群だったりと色々と差異も見受けられる。
  • メフメト2世
オスマン帝国第7代皇帝。正統派眼鏡イケメンキャラという氷室の天地では珍しいキャラ。右手に花を持っているが、これは実在する肖像画に基づいたものとなっている。
ビザンチン帝国を滅ぼし、首都のビザンチウムを徹底的に破壊してイスタンブールを作り上げた。
「最強偉人コンテスト」に応募された英雄では数少ないまともな英雄で、逸話などを考慮すればFate本編に出ても不思議無いキャラクターである。

書誌情報

脚注

注釈

  1. メドゥーサのページの名台詞の項目、『フェイト/タイガーころしあむ』の部分を参照。
  2. その腹いせか、『氷室の天地』における彼女は「眼鏡を外して性格スイッチなんて技能はないパーフェクトナチュラル眼鏡っ娘」であると単行本10巻特装版付録にて記載されている。
  3. 金剛型戦艦の霧島等。
  4. 上記の成松議員の息子であろうか。
  5. 戦国武将である龍造寺隆信配下の猛将四人を指すのだが、史料によって選出されるメンバーが少しずつ違うので「五人居る四天王」というネタになっている。

出典

リンク