「ギルガメッシュ」の版間の差分

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: 全ての原点を持つが故にあらゆる相手の弱点を狙うことができ、通常のサーヴァントでは勝ち目がほとんど存在しない。
 
: 全ての原点を持つが故にあらゆる相手の弱点を狙うことができ、通常のサーヴァントでは勝ち目がほとんど存在しない。
: 蔵も中身も所有者の財の量に準ずる為、何も持たない人が使うと豚に真珠であるが、逆に物量が十二分でも上、述のようにその膨大な財の目録を把握する智慧と、相手の弱点を見極め更にそれに対し有利を取る為の適切な武具の選択を瞬時に行えるギルガメッシュほどの頭脳がなければ、物量のみあっても意味を成さない。
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: 蔵も中身も所有者の財の量に準ずる為、何も持たない人が使うと豚に真珠であるが、逆に物量が十二分でも、上述のようにその膨大な財の目録を把握する智慧と、相手の弱点を見極め更にそれに対し有利を取る為の適切な武具の選択を瞬時に行えるギルガメッシュほどの頭脳がなければ、物量のみあっても意味を成さない。
 
: 彼が対サーヴァント戦において、圧倒的なアドバンテージを誇る理由はここにある。
 
: 彼が対サーヴァント戦において、圧倒的なアドバンテージを誇る理由はここにある。
: ところが実際の基本戦法は射出宝具の物量によるごり押しで、愛用の「天の鎖」を除けば敵サーヴァントの弱点を突くのに使用する場面は少なく、色々と勿体無いことになっている。
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: ところが実際の基本戦法は射出宝具の物量によるごり押しで、愛用の「天の鎖」を除けば敵サーヴァントの弱点を突くのに使用する例は少ない。
: これに関しては当人も悪癖だと自覚しているが、元をたどればこの財宝噴射(財を使うこと)をギルガメッシュに覚えさせたかつての友の、「数少ない功績」であるらしい。
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: 故にセイバールート最終戦における、様々な武器を次々に持ち替え接近戦をするシーンは今では貴重なものとなっている。
: 『staynight』のセイバールート最終戦における、様々な武器を次々に持ち替え接近戦をするシーンは今では貴重なものとなっている。
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: 財宝噴射は当人も悪癖だと自覚しており、元を辿ると「財を使うこと」をギルガメッシュに覚えさせたかつての友の「数少ない功績」に繋がる戦法である。
  
 
: 「放出宝具」に関しては一撃一撃が必殺の威力を持つ原点宝具を遠距離からさながら絨毯爆撃のように雨あられと撃ち込み、その火力は平均的なサーヴァントの五倍以上とされるほどに強力。
 
: 「放出宝具」に関しては一撃一撃が必殺の威力を持つ原点宝具を遠距離からさながら絨毯爆撃のように雨あられと撃ち込み、その火力は平均的なサーヴァントの五倍以上とされるほどに強力。

2017年1月21日 (土) 01:31時点における版

アーチャー (stay night)

  • 真名:ギルガメッシュ
  • 身長:182cm / 体重:68kg
  • 出典:シュメール文明、ギルガメシュ叙事詩
  • 地域:バビロニア、ウルク
  • スリーサイズ:B94/W73/H93
  • 属性:混沌・善 / カテゴリ:天
  • 性別:男性
  • イメージカラー:金
  • 特技:お金持ち(Zero、stay night) / 黄金律(EXTRA、EXTELLA)
  • 好きなもの:自分、権力 / 苦手なもの:自分、蛇
  • 天敵:なし(Zero、EXTRA、EXTELLA) / アーチャー(stay night)
  • CV:関智一(幼年期:遠藤綾)

弓兵」のサーヴァント。なお、『Fate/EXTRA CCC』においては「我にクラスなどない」として、クラスは「なし」となっている。

第四次聖杯戦争第五次聖杯戦争月の聖杯戦争偽りの聖杯戦争で参加。実は聖杯戦争参加回数が1番多い。そのため「Fateの裏の顔」とも言われている(後述)。

略歴
Fate/Zero』:「この世で最初に脱皮した蛇の抜け殻の化石」を触媒に遠坂時臣によって召喚される。聖杯そのものに興味はなく、自身の財を奪おうとする者を潰す為の参加。「つまらぬ男」と思いながらも、時臣が見せる忠義を認め臣下の礼は取らねばならんと律儀ではあった。だが、時臣が最後には自身を令呪で自決させるつもりでいることを言峰綺礼から教えられ、元から興味を抱いていた綺礼との主従を望み時臣との契約破棄を確かなものにしようとする。
聖杯戦争の最終日、あることから「この世全ての悪」に汚染された聖杯の中身を浴びてしまうが強大な魂によってそれを撥ね退け、呑み干す形で予期せぬ受肉を果たした。以降、10年に渡って綺礼をマスターとしながら現代に現界し続ける。
Fate/stay night』:それまで「金髪の青年」などと言われ正体が隠されていたが、物語の終盤にて「存在しないはずの8体目のサーヴァント」として姿を見せ、Fate及びUBWルートでは最後の敵として衛宮士郎たちの前に立ちはだかり、圧倒的な力を見せつける。
HFルートでは十六日ある内の十二日目に、桜の影に飲まれて噛み殺された。
Fate/strange Fake』:「黄金郷の『蔵』の鍵」を触媒に召喚されたが、瞬間、召喚者を殺害した少女ティーネに令呪が移り、彼女をマスターとして契約を完了させる。当初は偽りの聖杯戦争への興味も薄く、若返りの秘薬を飲み干して静観を決め込もうとするが、唯一無二の友・エルキドゥが召喚されたことを察してからは一転、上機嫌となった彼は最初から全力を出して挑む気になり、開幕直前にして宝具を解放した。
Fate/EXTRA CCC』:128騎という多数のサーヴァントが参戦している月の聖杯戦争において「参戦すれば優勝が確定してしまう」と判断され、月の聖杯戦争の趣旨である「マスターのトライアル」にはそぐわないと見なされたことで月の裏側に封印される。そこに落ちてきた主人公の戯言に目を覚まし、気まぐれに話し掛けたのが事の始まり。
無限に近い時間を奈落の底で過ごしていた為、心身ともに訛り切った状態からの参戦開始となった。最初は「これは貴様の戦いだ」というスタンスを崩さず、マスターの観察と静観に徹していたが、こと態の全貌を把握すると共に主人公の人格を得難いものと感じていき、とあるできことをきっかけに主人公の存在を認め、共に全力で戦うことを決める。
人物
全てを見下した態度をとる金髪と赤目の男。華美すぎるほど艶やかな美貌の青年。一人称は「我(オレ)」。
武装時は怒髪天ヘアに華美極まりない黄金の甲冑を身にまとい、オフ時には現代服を着用し時に髪を下ろす。
性格は酷薄にして無情。人の意見を聞き届けず、己の基準のみを絶対とする暴君。傲岸不遜で唯我独尊、おまけに傍若無人。自らを「唯一無二の王」と称してはばからない。その性格とそれに見合うだけの実力を有するが故に、常時の慢心と油断を生む様から「慢心王」という不名誉な渾名をいただく。
善も悪も等しく扱う断罪の王。他者の命を殺めるのは、「その魂が醜悪なとき」と「そのものが自身に敵対したとき」であり、気分で手を下すことは(あまり)ない。
堂々と物を言う人は嫌いではなく、興味がある者、認めた者が相手の場合は耳を傾けたり、それに「価値がある」と認めれば、彼の自尊心をよっぽど傷つけない限りは軽口や恥知らずな願いであっても笑って許す度量を持つ。子供にも意外と好かれていたりする。
能力
能力・強みを一言で言うならば「金に飽かせた最強装備」。別名「チート」。
第四次聖杯戦争で「真面目に戦えば聖杯戦争を一夜で終わらせられる」ほどの力を持つ敵無しの存在とされているが、実際はその性格故に全力を出すことは極めて稀。その為、格下と見下す相手から思わぬ反撃を受けて敗北することもある。
しかし相手の実力を見極める鑑定眼と洞察力が実は恐ろしいほどに優れており、力を認めた相手にはそれ相応の慎重さで対応するほか、大抵の物ことは一目見ただけで把握することができる。
戦闘においても他人の本質や能力も把握し、効果的な宝具を取り出すことで戦いを優位に進める(後述)。本編ではキャスターの魔術による偽装にも騙されず追撃を掛けて仕留め、バーサーカーの「十二の試練」の仕組みを即座に見破り、士郎の投影魔術を先読みして投影した本数を把握するなどの芸当を披露している。また桜の聖杯の器としての特性にも一目で気付いたという。『hollow』の世界の謎も即座に見抜いていていた。
頭脳スペックの高さは『CCC』で改めて発揮され、その洞察力により序盤で物語のカラクリに気付いているほか、人間以上の性能を持つ最高級のホムンクルスであるラニ相手のチェスに、参加メンバーの中で唯一勝利を果たし凛を驚愕させた。 高い知性を持つが故、キアラの対星宝具『この世、すべての欲』による被ダメージの最高値を食らうのがギルガメッシュであるという設定もあった。
また最高位の魔術師が持つ千里眼も持っており、見ようと思えば様々な平行世界の可能性を見ることができるが、積極的には使いたがらない。なお、仮に千里眼を使ったとしても視えた未来が自分にとって不都合であった場合、「そんな世界はありえんな」と一蹴してしまう。千里眼によって得た情報は、英霊の記憶や知識が召喚される世界に合わせてアジャストされるように座によって調整される為、複数の記憶で混乱することはない。
『EXTELLA』ではSE.LA.PH内の表と裏の境界が揺らいだことにより勝手に出現した。自らの手で現界するスキルは○○○○のクラスでしか持ち得ないが、『EX』世界であるが故に成し得た技である。

キャスター (Grand Order)

  • 真名:ギルガメッシュ
  • 身長:182cm / 体重:68kg
  • 出典:シュメール文明、ギルガメシュ叙事詩
  • 地域:バビロニア、ウルク
  • 属性:秩序・善
  • 性別:男性
  • CV:関智一

魔術師」のサーヴァント

略歴
『Grand Order』の大七特異点におけるストーリーパートナー。旅から帰国して半年が経過した頃のギルガメッシュ(年齢不詳)。生前、つまり生身の状態での参戦となる。
人物
不老不死の旅より帰還した、至高の賢王。時に冷酷に、時に人情を認め、厳しくも民を導く偉大なるウルクの王。
とはいえ、自身を第一とする基本的な在り方はアーチャーの時と変わらない。逆に言えば、賢王時に分かりやすく寛大であったりテンションが高かったりする様子は、英雄王の彼からも感じられる側面である。
属性はアーチャー時が混沌・善 / 天であるのに対し、キャスター時は秩序・善 / 人。
能力
宝具のおかげでAランク相当の道具作成スキルを取得しているが、グランドキャスターと同レベルの陣地作成スキルAという建築技術は本人自身の能力である。
魔術の全ては宝物庫に在る無数の魔杖によるもので、財を以てすれば神代の魔術でさえも(不慣れではあるものの)思うがままに操れ、その魔杖を扱うスキルはEX(規格外)。
神代のような神秘の濃い環境ではあったが、8体の英霊を召喚するという荒業に出て魔力不足に陥り、危うく枯渇死しかけた。
千里眼を持つが故、冠位魔術師(グランドキャスター)の資格を持つことが作中で明言されたが本人がそれになる気はない様子。

子ギル

Fate/hollow ataraxia』 にて、若返りの薬を飲み幼年体になったギルガメッシュ。同一人物だが、青年時と比べると別人と言えるくらいに性格が違う。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』でも幼年体の姿で活躍する。こちらは若返りの薬ではなく、サーヴァントではない「クラスカード」という異なる拠り代によって現界し、受肉し分裂した存在として登場。

詳しくは該当ページを参照。

スキル

戦いの主軸たる「三騎士」でありながら、実は戦闘になった場合に有効なスキルを所持していない。「対魔力」はランクが低い為あまり役に立たず(もっとも、彼自身は武装による万全の魔術対策があり、例として凛のAランク相当の宝石魔術を完全に無効化した。この為、実質的に対魔力のスキルは良くも悪くも無意味になっている)、「単独行動」や「黄金律」も戦闘になってからの有用性は極めて低い。『CCC』では新たなスキル「コレクター」が確認できるが、こちらも戦闘向きではない。彼の戦闘において重要とされるのは、自身の智慧とアーチャーのクラスが特性とする「強壮無比な宝具」である。

『Fate/EXTRA CCC]]』で使用するスキル

風を放つ
宝剣で斬りつけ、筋力ダメージを与える。
嵐を払う
宝斧の縦の叩きつけ、横振りの二連撃で敵に筋力ダメージを与えるスキル。
黄金律
戦闘終了時のサクラメントの入手率が10%上昇するスキル。
エヌルタの灰油
自身の筋力を強化するスキル。
王律権ダムキナ
3ターンの間、ターン終了時にMPを最大MPの10%回復するスキル。
コレクター
戦闘終了時のアイテム入手率が上昇するスキル。
天の鎖(エルキドゥ)
天の鎖で攻撃し、敵に魔力ダメージと麻痺を与えるスキル。
王律権キシャル
使用した手から4手の間、被ダメージを半減するスキル。
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
王の財宝から宝具を射出して攻撃するスキル。
魔力ダメージと二手のスタンを与える。
乖離剣・エア
乖離権エアから赤い暴風を放つスキル。GUARD貫通効果がある……と書いてあるが、貫通効果が何故か機能していない。
HP30%未満でなければ使えない使用制限がある。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー 遠坂時臣 B B B A A EX 対魔力:C
単独行動:A
黄金律:A
カリスマ:A+
神性:B(A+)
言峰綺礼 B C C B A EX 対魔力:E
単独行動:A+
ティーネ・チェルク B B B A A EX 対魔力:C
単独行動:A
黄金律:A
神性:B(A+)
主人公 (Grand Order) B C C B A EX 対魔力:E
単独行動:A+
神性:B
カリスマ:A+
黄金律:A
コレクター:EX
バビロンの蔵:EX
主人公 (EXTRA) B B B A A EX 単独行動:EX 黄金律:A
神性:B(A+)
コレクター:EX
なし 主人公 (EXTRA) B C C A A EX 単独行動:EX 黄金律:A
神性:B(A+)
コレクター:EX
初期パラメータはオールE。
また、記載のステータスはゲーム内のもので、『EXTRA Material』で耐久B、敏捷Bとなっている。
キャスター 主人公 (Grand Order) C D C B A EX 道具作成(偽):A
陣地作成:A
神性:B
王の帰還:A
カリスマ:A+
魔杖の支配者:EX

宝具

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)
ランク:EX
種別:対界宝具
レンジ:1~99 / 1~999(CCC)
最大捕捉:1000人
由来:古代メソポタミアの創世神話「エヌマ・エリシュ」。
回転する三つの円筒が風を巻き込むことで生み出される、圧縮されせめぎ合う暴風の断層が擬似的な時空断層となって絶大な破壊力を持つ。かつて混沌とした世界から天地を分けた究極の一撃。空間切断の特性故に対界宝具に分類される“世界を切り裂いた”剣。宝具のカテゴリーにおける頂点の一つ。その威力は世界に対し使用するもので、一個体に対し放つ規模のものではない。
ダメージ計算は筋力×20、ランダムで魔力の数値もプラスされる。最大ダメージは4000程だが「王の財宝」内の宝具によるバックアップを受ければ、破壊力は更に上昇。防ぐ方法は対粛清アーマークラスか、同等の破壊力を持って相殺するしかない。その威力は最強の聖剣である神造兵装「約束された勝利の剣」と同等かソレ以上。互いに相殺されながらもなお上回り、セイバーを瀕死の状態にした。
ただ、発動前に発生する吹き荒れる魔力によって、「王の財宝」からの宝具射出攻撃が不可能となる欠点がある。また発動には土地からのバックアップを受けているマスターでも無視できない程の莫大な魔力を必要とする上に、発動後に生じる隙は非常に大きく、セイバーにはその隙を突かれて破られた。
使用例
『stay night』では主にFateルートでの「約束された勝利の剣」との撃ち合いに使用。
『hollow』においては暴風で街の一区画を覆い尽しており、無限の残骸を落下させるかのように「無」へと戻した。
『Zero』でのライダーとの決戦では固有結界「王の軍勢」を空間ごと切り裂いた。まず大地が断裂し、その亀裂が時間とともに大地から天にまで延び拡がっていき、切り裂かれた空間を拠り所としていた兵、馬、大地、空といった万物を砂時計の終わりのように崩落させ渦巻く虚無の奈落へと呑み込み消し飛ばした。
『CCC』においては地面に突き刺すことで三層の巨大な力場によって時空流を生み出し、空間そのものを変動させる神代の「権能」に相当する力を発揮する。その威力は、最早一個の生命程度に用いるようなものではなく、世界を相手に使用される領域にあるとされている。紅い風の断層の「天地乖離す開闢の星」とはまた異なった描写になっており、本人曰く「地の理ではなく天の理」とのこと。
『CCC』ゲーム内での性能も、「規格外の宝具」の名にふさわしく99999ダメージ(固定)+即死効果というとんでもない威力を誇り、たとえ相手が無敵状態であっても問答無用で即死させる。ただ使用条件が「戦闘開始から5ターン以上経過」と「相手のHPが30%以下」の2つあり、サーヴァント戦以外で目にすることはわざと時間をかけない限りほとんどない。「ギルガメッシュ本人が認めた相手にしか使おうとしない」という部分の再現なのかもしれない。しかし、一回でも条件を満たせば、相手がどんなに全回復しようと発動可能な為、どんな相手にも通用する文字通り「一撃必殺」である。
『Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃+サーヴァント特攻」という効果のもと、対サーヴァントに有効。ただし特攻は「特別な星の力を持つサーヴァント」には無効となる。現在ゲーム内でこれに該当する(特攻が無効になる)サーヴァントはロムルスアマデウスドレイクニコラ・テスラヒロインXの計5名。
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
ランク:E~A++
種別:対人宝具
レンジ:−
アニメ『Fate/zero』では綺礼がライダーの宝具に対し「王の財宝と同格、評価規格外(ランクEX)です」と発言しているが、正確には上記のとおり規格外ではない。
様々な財宝の原典を納めることでその収納した財宝を上回る神秘となったバビロニアの宝物庫と、それに繋がる鍵剣(王律鍵バヴ=イル)。持ち主の蔵と空間を繋げる能力を持つ。
絶え間なく変化する鍵の金型と、今もなお増え続ける財宝の目録を瞬時に読み取る智慧を持つギルガメッシュだからこそ使用することができる宝具。
全ての原点を持つが故にあらゆる相手の弱点を狙うことができ、通常のサーヴァントでは勝ち目がほとんど存在しない。
蔵も中身も所有者の財の量に準ずる為、何も持たない人が使うと豚に真珠であるが、逆に物量が十二分でも、上述のようにその膨大な財の目録を把握する智慧と、相手の弱点を見極め更にそれに対し有利を取る為の適切な武具の選択を瞬時に行えるギルガメッシュほどの頭脳がなければ、物量のみあっても意味を成さない。
彼が対サーヴァント戦において、圧倒的なアドバンテージを誇る理由はここにある。
ところが実際の基本戦法は射出宝具の物量によるごり押しで、愛用の「天の鎖」を除けば敵サーヴァントの弱点を突くのに使用する例は少ない。
故にセイバールート最終戦における、様々な武器を次々に持ち替え接近戦をするシーンは今では貴重なものとなっている。
財宝噴射は当人も悪癖だと自覚しており、元を辿ると「財を使うこと」をギルガメッシュに覚えさせたかつての友の「数少ない功績」に繋がる戦法である。
「放出宝具」に関しては一撃一撃が必殺の威力を持つ原点宝具を遠距離からさながら絨毯爆撃のように雨あられと撃ち込み、その火力は平均的なサーヴァントの五倍以上とされるほどに強力。
それと知らぬ者には登場する伝承も由来もてんでバラバラの宝具を同時に操っているように見える為、真名を隠すのにも一役買っている。第五次では、士郎が「ギルガメッシュの宝具は偽物ではなく本物である」という推測をしたことを評価し、自ら出自を明らかにした。
蔵に収められている本人自身の宝具は「王の財宝」と「天地乖離す開闢の星」のみであり、ほかの宝具に関しては所持者ではあるが伝説の担い手ではないが故に、担い手のように極限まで極め使いこなすこと(真名解放)はできない(本人の宝具に「天の鎖」も挙げられる場合があるが、ステータス画面に記されていない点や作中一度も真名解放していない点などから彼自身の宝具ではない、という見解が一般的)。
これは『stay night』でも解説されているように、彼が宝具を使いこなせないのではなく、正確には「宝具自体、原典に似ているが別物の『無銘』の集まり」なので、そもそも全てが「『真名』という概念を持たないが故に、本当の意味での真名開放はできない」というのが正しい。
智慧の高いギルガメッシュでさえも「目録を作るのを諦めた」と言うほどに、宝物庫の中身は未知数に達している。というのも、この蔵の正体が人類の知恵の原典にしてあらゆる技術の雛形だからである。
「人類が生み出すものであれば全て、遥か遠い超未来に人類が生み出すものまでも全て保有している」という過去未来の時間軸すら超越した途方もない代物。これは比喩でなく、文字通り人類が生み出すものであれば「何でも」であり、この宝物庫に存在しないものは基本的には「新人類が生み出す全く別の概念」によるもの、または「別天体の知的生命体の文明技術」によってできたものだけであるとされている。
ただしそのコレクションにもやはり限界はあり、セイバーの持つ『約束された勝利の剣』、『全て遠き理想郷』、カルナの持つ鎧『日輪よ、具足となれ』、槍『日輪よ、死に随え』などの宝具や、バーサーカーの『十二の試練』のような逸話が宝具になったものも存在しない。カルナの槍のような「何の宝具が原典に当たるかわからない」宝具は、例え収蔵されていたとしても取り出しは不可能とする。
使用例
『stay night』では主に自身の背後に宝具を展開しているが、『Zero』のバーサーカー戦では更に前面に盾を出して防御したり、自分だけでなく敵の周囲を円環状に囲む形での展開も行っている。
『CCC』でのGUARD成功及び6手完封で王の財宝を使用する際には「敵の側面に展開しつつ攻撃」「敵の足下に展開しての奇襲」「敵頭上から大量の武具をばら撒き落とす」と、様々な展開方法が可能であるらしき演出がされているほか、相手に魔力依存のダメージを与えつつ2手分のスタン効果を付加する。
『Fake』では360℃で逃げ場無しの竜巻に例えられる形で掃射。
『Grand Order』では通常攻撃として使用し、アステリオスの斧やレオニダス一世の槍を始めとした、同作に登場する他サーヴァントの武器を射出しているのが確認できる。
補足
強力な能力だが一度接近されてしまうと連射することができず、直接本人が武器を握って敵に立ち向かわなければならない。宝具と相手の相性を見極めて乗り切ることも十分可能ではあるが、手数や火力の低下の可能性を招くという大きな弱点がある。また、有利な宝具を出すまでも無いという慢心を誘いやすい格下の相手が、万一想定外の力を発揮して懐に潜り込んだ場合には、途端に脆さを露呈する。
「王の財宝」から宝具を出す際、引き抜く(撃ち出す)動作が入ることで攻撃までに若干のタイムラグと隙が生じる為、「無限の剣製」で刀剣宝具を相殺できる上に取り出す工程を必要としない衛宮士郎アーチャー、手にした武器全てを自分の宝具扱いにするバーサーカーは天敵となる。
同時展開は一桁から数百本までと幅広く、連射も可能。ただし、同時に複数展開して射出するにはそれなりの魔力を要するほか、スキル「単独行動」の解説にもあるように、個々の宝物を本格的に使用する場合には、マスターのバックアップが無ければ真価を発揮できない。
「王の財宝」の本体である鍵剣は本編ではFateルートで士郎が「手のひらに収まる程度の、鍵のような短剣」を目撃しているのみでCGや武器項目に登場したことがなく正確なビジュアルは不明。
アニメ『Fate/zero』では乖離剣を取り出す時にビジュアルが登場したのだが、手の平に収まるサイズではなくなっている。
『Fake』ではギルガメッシュが使っている物とは別の「サバイバルナイフほどの大きさで宝石を飾られた鍵」が登場しギルガメッシュ召喚の触媒となったが、本人いわく「造らせてみたものの彼の宝物庫に手を出すような不埒者がいないとして使わずに捨て置いた鍵(つまり宝物庫の防犯用の鍵と思われる)」である。
原作では射出した宝具は地面に残り続け、回収もされない為、その無尽蔵さをまざまざと見せつけてくれる。
アニメ『Fate/stay night』『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』では射出した宝具が消滅するが、劇場版『Fate/stay night - Unlimited Blade Works』では地面に残っており、最も原作に近い表現となっている。なお、回収用の宝具があることは『CCC』で判明済。
全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム)
ランク:EX
種別:対人宝具
星の輝きの如く地上の隅々へと行き渡り、万象を見通す、ギルガメッシュの精神性が昇華した常時発動型の宝具。
その効果は凄まじく、相手の真名や宝具はおろか、幾重に隠された真実さえも一瞥で見通してみせる。常時発動しているような状態ではあるものの、意図的に制限している節も見受けられる。
子ギルで言及された宝具だが、説明文から大人状態でも所持しているものと思われる。
王の号砲(メラム・ディンギル)
ランク:B
種別:対軍~対城宝具
キャスターとしての宝具。ウルク城塞からの遠距離爆撃。
ギルガメッシュのみならず、神代を生きたウルクの民の総力までもが結集された驚異の砲撃。
ギルガメッシュは断腸の思いで自らのコレクションを弩に装填し、これを兵たちに任せている。
「メラム」とは神が放つ光輝を、「ディンギル」は「神」を現す限定符を意味する言葉(シュメール語)で、直訳すればメラム・ディンギルは「神の光輝」となる。なお、ギルガメッシュは伝承によればメラムを所持していたようで、国を囲んだ敵軍を総崩れさせるほどの畏怖をまとっていたと伝えられているが、この逸話が『王の号砲』に直接関係しているかどうかは詳らかでない。

「王の財宝」内にある宝具

彼が所蔵している物の多くは「宝具の原典」である。以下にあげる宝具の中には、その「原典」としての名称・能力ではなく、派生品・後の伝承について述べているものもあるが、基本的に彼が所蔵しているのはその元になったもの、と考えられる。

乖離剣エア
由来:バビロニア神話(アッカド神話)に登場する知恵の神・エア。
ギルガメッシュが「乖離剣かいりけん」「エア」と呼ぶ、無銘にして最強の剣。ドリルか突撃槍のような異形の剣。剣のカテゴリではあるが、そのあり方は杖に近い。
メソポタミア神話における神の名を冠しているだけで真名を持たないとされ、「エア」というのはギルガメッシュ自身が付けた愛称のようなもの。
上述の「天地乖離す開闢の星」は実上の真名解放として扱われるが、厳密には最大出力を解放したときの名称である。またその火力は使用地や時代によってシフトされる(もしくは使い手の意思で加減を行う)為、必ずしも毎回同じ出力指数であるとは限らない。
エアの持つ三つの石版がそれぞれ天・地・冥界を表し、これらがそれぞれ別方向に回転することで世界の在り方を示し、この三つを合わせて"宇宙"を表している。この為か、宝具開帳の口上において「天の理」「地の理」などと言い換えることがある。
あらゆる宝具の原典を持つが、所持者であって担い手ではないギルガメッシュにとってこれは例外となり、彼自身が担い手に相当する。
「天地乖離す開闢の星」として放たなくても暴風を作り出し使用することも可能。それでもあまりにも威力が高い為、UBWルートでは王の財宝による17本の宝具射出攻撃の途中に放たれた風の断層が、まだ自身と標的の間に着弾前に残っていた自分の宝具3つに追いついて破壊してしまった。
エア神は地球がまだ原始の時代だった頃、マグマの海とガスに覆われた地表を回し、砕き、安定させた星の力が擬人化したものとされる。星造りを行った神の一柱という意味であるが、この星を生み出した力の再現が乖離剣エア。他の宝具とはその出自からして一線を画している。開闢、つまり全ての始まりを示す彼の最終宝具である。
彼はこの剣を「真実を識るもの」と表現する。天地開闢以前、星があらゆる生命の存在を許さなかった原初の姿、地獄そのもの。それは語り継がれる記憶には無いが、遺伝子に刻まれているという。この剣もまた神造兵装である上に武器として生み出された存在ですらない為、剣における究極の一「無限の剣製」をもってしても通常の宝具のように複製することはできない。
天の鎖(エルキドゥ)
由来:彼の唯一無二の親友・エルキドゥ。(元ネタであるギルガメシュ叙こと詩ではエンキドゥ)
古代においてウルクを襲った神獣「天の雄牛」をも束縛した鎖。
エアと同等以上にギルガメッシュが信頼し、「友」とまで呼び好んで使用する宝具。
能力は“神を律する”数少ない「対神兵装」のひとつ。相手の神性が高ければ高いほど拘束性が高まり令呪による空間転移すら許さないが、神性を持たない者にとってはただの頑丈な鎖(神性が皆無で怪力を持つ戦闘型ホムンクルスなどには無効)となる。
実は「エルキドゥ」と呼んだことは(外伝の一部を除いて)一度もなく、「友」または「天の鎖」と呼称する為エルキドゥ本人であるかどうかは定かではない。友の形見(もしくは遺体そのものが変化した姿)や全くの別物だが友と呼んでいる――など、ファンの間で幾つかの憶測が立てられている。
使用例
『プリズマ☆イリヤ』では宝具に巻きつけて絡め取ったり、対象を鎖で雁字搦めにし黒ひげ危機一髪のように攻撃することや、敵の攻撃を避ける為に移動に使う、離れた場所にいる味方を引き寄せる等、様々な場面で応用を利かせる万能宝具として描写されている。
本編『stay night』でも、対サーヴァント戦だけでなく巨大な肉の塊となった聖杯を運搬できる程度の強度や汎用性を発揮。
ただし、「複合神性」を持つメルトリリス(レベル999)には撤退を余儀なくされ、相性や相手の特性の関係上、カルナや青いランサー相手の場合は鎖が持つ高い拘束性を活かし切ることはできない。
原罪(メロダック)
各地に伝わる「選定の剣」の原典であり、「聖権」の象徴。「グラム」はこれの派生品とされ、そこから更に流れていったのが「勝利すべき黄金の剣」とされる。
投影品の「勝利すべき黄金の剣」に対して使用し、これを粉砕。
「約束された勝利の剣」には及ばないものの、触れるモノを焼き払う光の渦を放つことができる。
名前の由来はメソポタミアにおける神々の王マルドゥク。
グラム
魔剣・太陽剣。北欧神話における選定の剣であり、ヴォルスング・サガに登場する北欧最大の英雄シグルドが所有した。『stay night』当時はドイツの叙こと詩『ニーベルンゲンの歌』でのジークフリートの愛剣であるバルムンクと同一視されていたが、『Apocrypha』ではバルムンクの原典とされている。
「最強の聖剣」と対極に位置する「最強の魔剣」であり、竜殺しの特性も有する。竜の因子を持つ騎士王にとってはまさに天敵。漫画版ではこのグラムによりセイバーの「勝利すべき黄金の剣」に打ち勝った。
絶世の名剣(デュランダル)
フランスの叙こと詩『ローランの歌』に登場する、絶世の名剣。「決して折れない」という逸話を持つ不滅の聖剣。
シャルルマーニュ十二勇士の筆頭、聖騎士ローランが所有し、もとは王が天使から授かったという。
三つの奇跡を持ち、所有者の魔力が尽きても切れ味を落とさない輝煌の剣。
ハルペー
ギリシャ神話に名高い英雄、ペルセウスの所有した女怪殺しの神剣。不死の相手に絶大な効果をもたらし、かつてメドゥーサの首を斬った一振り。鎌とも剣とも言われる。
「屈折延命」という不死系の特殊能力を無効化する神聖スキルを有し、この剣でつけられた傷は、自然ならざる回復・復元ができなくなる。
ヴァジュラ
古代インド神話に伝わる雷神インドラの神格象徴の一つ。
一度限りの射出宝具で、ダメージ数値はB+に相当する。所有者の魔力とは関係なくダメージ数値を出すお手軽兵装。
正確にはヴァジュラとは武器の総称(「剣」や「槍」等と同様)なので、数あるヴァジュラのうちの一つと思われる。
ダインスレイヴ
ニーベルンゲンの魔剣。
北欧の英雄・シグルドを殺した一族に伝わるもので、元々はファフニール竜が収集していたもの。強力な「報復」の呪いを持つ。
聖剣・魔剣の類は、栄光と破滅を両立させるものだが、この剣の持ち主には破滅のみが与えられるという。
方天戟
中国に伝わる武器、「戟」の一種。
刺突、打ち払い、打撃と様々な用途があり、兵種を選ばない優秀な武器であったが、扱いには卓越した技術が必要とされた。三日月型の刃を月牙と呼び、これが片側にしか付いていない為、青龍戟と呼ばれる。
数ある方天戟の中でこれだけが宝具にまで昇華したのは名のある武将が愛用した為であると考えられている。「三国志演義」にて呂布が使っていた武器「方天画戟」もこの一種にあたる。
ゲイ・ボルク
クー・フーリンが使用したとされる魔槍の原典。
原典である為か、この名をあげた士郎は「刺し穿つ死棘の槍」とも「突き穿つ死翔の槍」とも言っていない。
カラドボルグ
クー・フーリンの好敵手・フェルグスが使ったという剣。
使用者がアルスター縁のある者である場合、クー・フーリンは一度この剣の前に敗北しなければならないという。
アニメ版(2006年)でランサーに止めを刺す際に使用。また、この剣を矢として撃ち易いように改良した「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」をアーチャーが使用している。
ヴィマーナ
古代インドの二大叙こと詩「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」に登場する飛行装置。黄金とエメラルドで形成された空飛ぶ舟。漢字表記は『Zero』では“輝舟”、『CCC』では“黄金帆船”、『超時空トラぶる花札大作戦』では“天翔ける王の御座”が使われている。
水銀を燃料とする太陽水晶によって太陽エネルギーを発生させ駆動する。舵輪を備えているが、操作には必ずしもそれを用いなければならないというわけではない模様。
叙こと詩において「思考と同じ速度で天を駆ける」と謳われ、その挙動は通常の航空機の縛りには捕らわれず、物理法則の範疇外。『Zero』劇中にて、バーサーカーの魔力に侵されたF15Jとドッグファイトを繰り広げたが、強化されたフレアディスペンサーによって撃墜されてしまう。
「Fate/Zero アニメビジュアルガイドII」の解説によれば、ヴィマーナに関する科学技術書「ヴィマニカ・シャストラ」には、ジグザグ飛行、翼を広げての高速機動、ヴィマーナ同士の激突を防ぐ緊急回避能力の他、光学迷彩、ステルス機能、通信傍受、はてはレーザー光線や生物兵器の使用までも可能という記述があり、劇中ではまだその性能の全てを発揮していなかった可能性もあると述べられている。
『Fake』では搭乗者を守る機能として、数十の迎撃宝具が搭載されていることが判明した。
神代の酒
『Zero』の聖杯問答で供したほか、『EXTELLA』ではEMゲージ全回復アイテムとして登場。酒器の方もこれを巡って幾つもの国が争い滅んだほどの逸品。
飛行用宝具
ヴィマーナ程の高速移動はできないが、詠唱等を抜きにして自身がその場で飛行できる為、咄嗟の回避などに便利。
夜の帳
詳細不明。ガウェインとの会話から察するに彼のスキル「聖者の数字」を無効化するものと思われる。
胃を整える霊草
エリザベートの料理を美味にする宝具は宝物庫にも存在しない為、次善の策として主人公に提供しようとした霊草。ただし飲むと味覚が一生失われるというヤバすぎる副作用がある。
後世になってヴァン・ホーエンハイム・パラケルススが手に入れたらしく、『Fate/Grand Order』で主人公に提供していた。
光の船
未来に作られた科学道具で光速を超える船。疑似霊子コンピュータであるムーンセル内では、疑似霊子である存在は光速で、神話礼装なら光速を超えて移動が可能だが、ギルガメッシュは光の船を使うことで現実世界でもそれを可能とする。『CCC』劇中では光より速く飛び銀河の果てから生還、地球から1500光年離れた異星文明へと跳躍航法で移動を行った。
不老不死になる霊草
生前、蛇に奪われた不老不死の薬。服用者は不老不死を手に入れるものの、代償として植物のような存在に成り果てるという。
令呪
『CCC』のあるルートにて主人公に与えた。本人曰く「令呪の一つや二つ、ストックがあって当然であろう」。
毒の短剣(正式名称不明)
『Fate/EXTELLA』にて、アルテラをセファール化させるべく使用。人の姿のままでは「たちまち死ぬ」ほどの猛毒。
電脳世界の為「浸食型、ダメージ持続型の攻撃プログラム」という扱い。
視線避けの指輪
『Fate/strange Fake』に登場。シュメールの古代文字が刻まれた指輪。マスターであるティーネに使用。
はめると一般人からは視認されなくなるがあまりランクは高くなく、魔術師には見抜かれる。
自動防御宝具
同上。幾何学模様の装飾が施された数枚一組の円盤。
電光を放ちながら周囲を飛び回り、襲いかかる脅威に対して自動的に迎撃する。
遠視のレンズ
同上。金色の輪に嵌められた歪んだレンズ。
遥か遠方の光景を映し出すことができる。
ウルクの大杯
「Fate/Grand Order 第七特異点」に登場。
望みを叶える願望器。いわゆる「聖杯」に等しい代物となった、膨大な魔力の込められた杯。
当初はソロモンの聖杯だと思われていたが、直後にそれ以前からギルガメッシュが所持していたものだと判明。
「願望器になりうる杯」という設定は作中オリジナルのアレンジだが、ウルクの大杯自体は現実世界にも存在する大型の大容器である。
エリクサー
2014年のTYPE-MOON エイプリルフール企画で言及。飲み物。ギルガメッシュを物理で殴るとたまにドロップするらしい。エリザベート曰く「ついつい大ことにとっておくけど、結局ラスボス戦でも使わない味がする」とのことだが、とても美味であるらしい。カルピスと混ぜるとさらに味を増す。
『EXTRA』ではHPとMPを完全回復させる効果がある。
本来は錬金術において、飲めば不老不死をもたらすという霊薬を指す。
全自動調理器
シュメールが誇る超古代テクノロジーで作られた、全自動お料理マシーン。ヒュドラ肉のような危険な食材でも問題なく調理し、至高の料理を作り出す高性能機械。リミッターを外すことで性能がアップするが、そうすると何故か壊れてしまう。
でき上がった「ヒュドラ肉のステーキ・アプスーの祝福風味」はライダーとキャスターが絶賛する程。
『hollow』ドラマCD「あるいは怪物という名の食卓」にて使用。
ヒュドラの肉
幻想種である多頭蛇の生肉。思いっ切り毒性があるが、念入りに血抜きをして内臓を取り除けば問題はない。
調理にはシュメールの「ヒュドラ調理師免許」のテストに合格しなければならならないが、免許取得第一号であるギルガメッシュの後に続いた者は誰もいない。また宝物庫には他人に渡せる位には予備が有るが、譲渡しても誰にも調理できない。
ギルガメッシュは調理師免許のことを口にしてはいるものの、劇中では調理を全自動料理調理器に丸投げしている。
『hollow』ドラマCD「あるいは怪物という名の食卓」にて使用。
テーブルクロス
北欧に伝わる魔法のテーブルクロス「北風のテーブル掛け」の原型。
食べたい物の名前を唱えながらテーブルに広げると、使用者が望んだ料理が出現する最高級の品。
『hollow』ドラマCD「あるいは怪物という名の食卓」にて使用。ぶっちゃけこれがあれば上記の二つの品は特に必要なかったりする。
天命の粘土板
かつて世界を統べたエンリル神が持っていたとされる大宝物。
世界と神々とを統べる窮極の王権を保障するが、資格が無い者が触れても一切応えないという。
これについては他の宝具のように逸話によって納められた「原型」ではなく、乖離剣エアや天の鎖同様、実物を手に入れて直接収蔵したと思われる。

その他、振ると一定空間を凍らせる剣、魔力を奪う刃先が空間転移する鎌、透明な剣、対多重次元屈折防具、ピコピコハンマーの原典、世界の美酒と杯、時返りの薬、毒見の宝具、宝具を回収する宝具、ご褒美の飴、魔術を跳ね返す鏡のような盾、そして潜水艦や飛行機、知恵の木の実などの財宝が挙げられている。

真名:ギルガメッシュ

ギルガメッシュ。英雄王。太古の昔、後に「メソポタミア」と呼ばれるシュメールの都市国家ウルクを治めていた人類最古の王にして、伝説だけでなく実在したとされる、人類最古の叙事詩『ギルガメシュ叙こと詩』に記されたかつて世界の全てを手中に収めた半神半人の英雄。
英雄王
ギルガメッシュの異名。英雄の王ではなく、「英雄たちの王」という意味で用いられる。
世界各国の神話と英雄は、ギルガメッシュ伝承を模倣し派生したもの。あらゆる神話や英雄のモデルにされてきたと言っても過言ではない。
ギルガメッシュは英雄たちが持つ宝具の原型――各神話ごとにアレンジされるよりも前の、大本の宝具を所持していることになる。逆説として、原典であるギルガメッシュが所持していなければ、発展系である後代の英雄たちの元にその宝は伝わらないからからである。
ギルガメッシュが集めた財宝を収めた蔵には、英雄たちの命を助けた聖剣も、英雄たちの命を奪った魔剣も貯蔵されている。それだけでなく、英雄の弱点となりうる“伝説”さえも所持しているという。
英霊にして、対英霊戦における絶対強者。“全ての英雄たちの王”の名をいただくのは、天地においてギルガメッシュただ一人。
彼が英雄王――「英雄たちの王」と呼ばれる由縁はここにある。故に、「人類最古の英雄王」という肩書きの意味を、言葉の通り汲み取ってはならない。

過去

先々代の王ルガルバンダと古代の女神リマトとの間に生を受ける。  青年になったギルガメッシュの横暴さは増していき、“本来の使命”を果たしていないと見なされ、それを戒める為に一つの生命が地上に送り込まれた。その名はエルキドゥ。ギルガメッシュと同じ、神の血を与えられた神造の人である。 両者激闘の末、どちらともなく倒れ込み相手の武勇を認め、無二の友人となった。対等の者がいなかったギルガメッシュにとって、初めて“友”と呼べる存在ができた瞬間である。

以後、ギルガメッシュの王政は軟化を見せ、ウルクを守る為に神獣フンババの退治に成功。この頃のギルガメッシュは眩しく強大で、神々でさえ目を逸らせない存在だった。 やがてそんなギルガメッシュに、豊穣の女神イシュタルが恋をする。彼女から求婚されるも、イシュタルの残忍性を知っていた為にギルガメッシュはこれをあっさりと跳ね除ける。 イシュタルはギルガメッシュに侮辱されたと激怒し、父であるアヌ神に泣きついた。報復として、嵐をまとう超高層の災害であり、地上に現れた時7年間の飢饉と破壊(ウルクの滅亡)を招くとされる最強の神獣“天の牡牛”を地上に放ってしまう。エルキドゥと協力して立ち向かい天の牡牛を撃退するも、イシュタルの怒りは当然収まらず、人の身で神の獣を殺したことを罪として彼女は両名どちらかの死を神々に求めた。 結果、イシュタルの願いは聞き届けられ、両名のうち一人、神に作られたエルキドゥはその命に逆らうことができずゆっくりと衰弱死した。

唯一の理解者であり、友人のエルキドゥ。彼の死が、ギルガメッシュにどれほどの影を落としたのかは後の彼の生涯が語っている。

天の楔
神と人とを分かつまいと作られた『天の楔』。ギルガメッシュに与えられた本来の使命であり、神々に望まれた彼の在り方。
霊長類の時代の始まり、人が人として思うままに振る舞い始めた狂乱期の幕開けの時代に、王としてデザインされた一つの生命。これまでの支配者だった神の血と、これからの支配者である人の血。二つの特性を現す、全く違う生き物。
古代メソポタミアの神々(自然現象に発生する意志と人格=古代の神)は、人が持つ圧倒的な世界の変革力による「古代の神が不要になる未来」が訪れることを恐れ、人間側でありながら神の陣営に属する新しい統治者を欲しがった。神々が言うに、ソレは「楔」。天と地を繋ぎ止めるものとして、神と人の決壊を防ぐべく打ち込まれた防衛措置。
まっとうな生の営みによって生まれたわけではなく、初めから神の代弁者として君臨し、人間をいさめる為に設計されたモノ。神造の発明品。それがギルガメッシュである。
星の抑止力』によって生み出されたその本質は、人類の歴史の観測者にして裁定者という、いわばムーンセルと同種の存在であるという。
人と神、どちらの視点も持つが、最終的には神側に落ち着く超越者を作ったこと。自然崇拝から人が離れていくことを恐れた神々がとった対策は正しかった。
最大の誤算は、作られた彼が、神の思惑通りに動かなかったことである。
ギルガメッシュは王として己を定め、己が良しとする王道を見極めた。ウルクを治めたのも神の意に沿ったわけではなく、「ウルクがよいものだったから」。
そんな彼が自身に定めた王道とは、「己に相応しい宝を獲得し、守護する」こと。「人間の守護者として、星の文明(みらい)を築く」こと。ギルガメッシュの根底はそこにあり、その仕ことが済んだあとで対等に渡り合った者の死を目の当たりにする。
不老不死の旅
友エルキドゥを奪った死を嫌い、怖れ、己の生に恐怖したギルガメッシュは、それまで生きてきたのと同じ年月をかけ冥界を目指し旅立つ。不死を得た賢者ナピシュティムに会う為に。不滅の身を求めたのは何の為、誰の為の行動であるかは分からなかった(真実は彼の王道にある)。
長らく荒野をさまよい冥界へと辿り着くと、かつて地上を襲った大津波から逃れ生き続けるナピュシテムという賢者(老人)に出会う。ところが、その賢人は神の序列に加わっただけで不死に秘密などは無かったのだということを知り、更に賢人が半ば植物と化ししてること実を目にしたことで、冥界を後にした。
そのとき何の気なしか、ナピュシテムから「神に乞わずとも、深淵にある不老不死の霊草があれば不死になれる」と教えられ、宝として蔵に収める為深淵に立ち寄り霊草を回収する。その帰路の途中、泉に立ち寄り水浴びをしていた最中に腹をすかせた蛇に霊草を食べられてしまう。
そのとき、ギルガメッシュに起こったのは“笑い”だった。
本人としても心の何処かで期待していた、不老不死を手に入れたことで友の雪辱を晴らすことや民の賞賛などの我欲を捨て去れた瞬間であり、ギルガメッシュが人として生まれた瞬間であり、精神が成熟し長い幼年期を終えた瞬間である。
元より未来を見通す眼(まなこ)がある自分に不滅の身など必要ないと悟り、未来永劫不屈の身で生の喜びを謳歌できるはずもないと、すがすがしい気持ちでウルクへ戻った。
その後、ギルガメッシュは苛烈さこそあるものの穏やかに国を治め、城壁と宝物庫を完成させると、次の王に都市を委ねて永眠したという。
別視点で語られる過去
人と星を守護しその行く末を見届ける。ならば神を憎み人間を嫌う。幼年期は神を認め敬い人を愛して守り、成人後は神を憎んで廃し人を憎み好んだ。
この王道を定めたギルガメッシュ(彼)の半生を、「ワタシ(エルキドゥ)」から見たもの。
第三者目線な為、ギルガメッシュ自身の主観や本心を鮮明に感じ取れるとは言い難い。なお、ギルガメッシュ本人は子供の頃の記憶が曖昧なようだが、当人とエルキドゥから見た幼年期の評価は半ば一致している。
――ワタシと同じ、神に作られた人形に天罰を――。
エルキドゥは、ギルガメッシュがまだ幼年期にいる早い段階で作られたとされており、母親であるアルル女神から「楔を神の元へ戻すように」という使命を授かっていた。
神から見たらおごりきっていたが、幼年期の彼は理想の少年王であった。
ところが少年から青年へと成長した彼は、その数年の間に豹変し、独裁と圧政を行うようになっていた。
その理由は、「ありあまる力がありあまる孤独を生んだ」から。
人でも神でもない、超越者として作られた彼が持つ視点はあまりにも広く遠く、生命として孤立し、神々でさえ、彼が見据えるものを理解できていなかった。
それでも彼は、自らが自らに課した使命から逃げださず、王であることを捨てなかった。
そして二人は対峙する。万象自在に変化するエルキドゥに、ギルガメッシュは持ち得る全ての力を振り絞り、やがて追い詰められ、彼は初めて秘蔵していた財宝を取り出す。最後には楽しみながら惜しみなく、財を投入した。
戦いはどちらの勝利ともつかず、ギルガメッシュの晴れ晴れしい声の語りで結ばれる。
ギルガメッシュが孤立を選り好んだ理由。それは、彼が自身に定めた王道が、一人で進まなければならない道だったからである。
ギルガメッシュにとっての守護とは「見据えること」。人間が築く結果が生む“輝かしい過程”に、人間以上である彼が関わってはならず、王が手にできるのは結果のみ。その様を、エルキドゥは「裁定者にして収穫者」と例えた。
エルキドゥから見たギルガメッシュは、神の子として作られていながらその神々に逆らい続けた英雄であり、初めから魂と自由意志を持つ“本当の生命”で“真に価値のある星”だった。エルキドゥはギルガメッシュに憧れ、憎んだのである。
そんな彼と違い、自身を道具であると卑下するエルキドゥに、彼は“友”という唯一の価値を与えた。未来永劫、彼自身が孤独であることを代償にして。
王の帰還
不老不死の旅を終えかくしてウルクに戻ったが、長旅にかまけ放浪した王に民たち呆れて他の都市に移り住んでおり、唯一残ったシドゥリも「一言文句を言わないと気がすまなかった」と恨み節を展開。新たな目的を探していたギルガメッシュは城塞都市を考案し、廃墟同然となってしまったウルクを立て直すことに成功した。
この“帰国後のギルガメッシュ”は『Grand Order』にて初めて描かれたが、特異点になったウルクを治めながら魔術師としての姿を取っており、他の世界線での彼も同じ状態であるかは定かではない。統治具合や迎えた最期についても、『Grand Order』特有のものである可能性が高い。

史実・伝承との違い

『Fate』では「ギルガメシュ叙こと詩」内で語られる伝承を下敷きとしているが、所々で『Fate』オリジナルの潤色が行われている。
天の楔
「ギルガメシュ叙事詩」内で語られるギルガメシュは、ギルガメッシュ同様に「三分の二は神、三分の一は人間」の「神により創られた」半神半人とされているも、天の楔という出自こと情は伝承には見られない解釈である。史実における“ギルガメシュ王が創られた理由”は語られておらず、幼年期の様子についても全く触れられていない。当然ながら、星の抑止力などの関連キーワードについても『Fate』独自の設定と言える。
似たような言葉で「天の鎖」というものがあるが、こちらは一般的にはエルキドゥを指し、同時にギルガメッシュの幼年期(肉体ではなく、精神の未成熟期=不老不死の旅を終えるまでの期間)も意味する。
エルキドゥの死
『CCC』いわく、エルキドゥかギルガメッシュ、どちらかの死を望んだのはイシュタルだが、伝承では異なりエンリル神が「神々が起こす会議の場」でエルキドゥの死を提案し、執行した。この会議において、イシュタルは一言も発言していない。
ウルクの滅亡
伝承によるギルガメシュ王は若い頃の暴君性を友との日々で改心して英雄となり、良き王としてこの世を去ったと語られているが、『Fate』では『stay night』及び『Zero』において、ギルガメッシュは「やりたい放題した挙句に自らの国を滅亡させた暴君」とセイバー、ランサーの両名から語られており、本人も否定していない。
また『CCC』でも自身を暴君と認め、登場人物から国を滅ぼしたと語られている。しかし本人の話では宝物庫の完成と共にもはやこの世にコレ以上の楽しみは無いと悟り、国を確固のものにしてから次代の王に託し眠りについたと語っており矛盾が発生していた。
これについては『Grand Order』において、王の不在に呆れた民がほかの都市に移り住んだことがウルクの衰退(実質的な滅び)に繋がったが、帰還したギルガメッシュがウルクを城塞都市として復興させたという形でクリアしている。
不老不死と蛇
「ギルガメシュ叙事詩」によればギルガメッシュは、手に入れた不死になる薬を蛇に盗まれてしまったとされているが、『stay night』劇中で「興味が失せたのでそこらにいた蛇にくれてやった」と自ら放棄したことを語っている(盗まれたのをくれてやったと表現した)。また、聖杯に不老不死を願うようなこともなかった。
蛇に霊薬を奪われたまま帰国した伝承と違い、ギルガメッシュが若返りの薬を持っている矛盾については『CCC』で本人から解説されたように、こっそり冥界に赴き盗まれた薬を取り戻したという余談によって辻褄合わせが行われた。
蛇は薬草を飲んで以来、脱皮するようになったと言われている。時臣が「この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石」を召喚の触媒に使ったのはこの為である。
「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」
先述の「宝具の原典」を無数に繰り出す宝具であるが、当然ながら「ギルガメシュ叙事詩」には登場しない(作中で確認できる武器は黄金の剣と大斧、己の拳)。
なお、多くの宝具の真名は伝承の中の呼び名、または伝承の発祥地の言語に準拠しているが、この宝具はそのどちらでもなく英語である。奈須氏曰く、バビロンといえば黄金の都であり背徳の都であるから、らしい。
ここで言う「バビロン」は古代都市のバビロンのことではなく、地域としてのバビロン(メソポタミア一帯)や神話としてのバビロン(メソポタミア神話。「ギルガメッシュ叙こと詩」「エヌマ・エリシュ」を代表的なものとして含む)を指しているものとすれば、イスカンダルが劇中で彼を「バビロニアの英雄王」と呼ぶ際のバビロニアも同様に地域一帯を意味していると思われる。
「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」と乖離剣エア
古代メソポタミアの創世叙こと詩「エヌマ・エリシュ」が生まれたのは古バビロニア王国が興った頃であり、ギルガメッシュの時代から700~800年ほど後である。
伝承の中で天地開闢の剣を振るうのは知恵の神エアの息子であり、バビロニアの主神であるマルドゥク。これはバビロニアがシュメールを征服し、メソポタミアを統一したことの証とされている。
後にバビロニアはヒッタイト王国に征服されるが、ヒッタイト神話にも「エアの剣」が登場する。かつて世界を分け、神の宝物庫に収められていたと伝えられ、伝承を受け継いだことが窺える。これらの伝承を照らし合わせ複合したものが『Fate』における乖離剣エアの実態であると推測される。
「エヌマ・エリシュ」に登場する剣に名は無く、「エアの剣」も通称である。無論、「ギルガメシュ叙こと詩」には乖離剣エアや天地開闢に関連するような記述は一切ない。故に、乖離剣エアは「無銘の剣」と作中で呼ばれているのだろう。

登場作品と役柄

Fate/stay night
3ルート中、2ルートでラスボス(の1人)を務める。
Fate/hollow ataraxia
この四日間を茶番と評して普段は子供の姿で過ごしたが、最後の最後で本気を出す(いわゆる“ネイキッド”の初お披露目)。
Fate/Zero
時臣のサーヴァントとして参戦するが、終盤で綺礼と契約、後に受肉し現代に残る。
Fate/EXTRA CCC
主人公のサーヴァントとして登場。漫画版『EXTRA』のおまけでも登場。セイバー曰く「気が合ったから連れてきた」。
Fate/EXTELLA
一万四千年ぶりの見世物を前に、月の裏側との境界を破り自ら現界。(肉体の)主人公に肩入れしアルテラ陣営の副官に収まる。
Fate/strange Fake
偽りの聖杯戦争に召喚された偽陣営側のアーチャー。敵対者の中にかつての友がいると知って、いつになくやる気を出している。
Fate/Grand Order
  • 〔アーチャー〕キャラクターデザイン:武内崇 / 設定作成:奈須きのこ / レア度:☆5
300万ダウンロード記念に際して期間限定でガチャに追加。限定サーヴァントな為、恒常ガチャでは入手できない。
初出の300万ダウンロード記念の際には、大量のアイテムや☆4ランクの英霊一騎など、ユーザーに向けて大盤振る舞いをぶちかました。
第七特異点の最終決戦で戦闘に参加するが、最終決戦時の助っ人として使用可能な彼は「グラフィック」「立ち絵」「攻撃時及び宝具選択&発動時の台詞」と、凄まじい数の要素がこの戦闘専用となっている。
『Fate/Accel Zero Order』の開催に際してバトルキャラ、モーション並びに宝具演出が一新された。
  • 〔キャスター〕キャラクターデザイン:ギンカ / 設定作成:??? / レア度:☆4
第七特異点解禁に伴い実装され、ストーリーでは七章のキーキャラクターとして生前の姿で登場。
フェイト/タイガーころしあむ / フェイト/タイガーころしあむ アッパー
大河に乗せられ、王はこの世の快楽の全てを知らねばならぬ、と、庶民の幸せを知る為町へと繰り出す。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
あり得ないはずの「八枚目のカード」として、上記の黒化英霊の姿で登場。『ツヴァイ!』の中ボスとしてその力を見せ付け、『ドライ!!』でもカードを介し、美遊を乗っ取る形で一時的にその姿を表した。
Fate/unlimited codes
「最古の英雄王」。遠距離戦・バビロンと、近距離戦・エアorバビロン内の宝具とスタイルを切り替える。
Fate/Ace Royal
英霊カードの一枚。
コハエース
通称「金ぴか」。キャラはおろか口調すら崩壊気味。秋葉にプロトアーチャーと比べるとアホになったと言われている。
また、しばしば何がしかの八つ当たりの矛先が彼に向く。
Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafe に集う英霊達~
「ゼロカフェ」常連客。セイバーを求めて店内に長く居座ったり意気投合した征服王と騒いだりする上、他の客にもスタッフにも尊大に振る舞い、たいてい迷惑がられている。
戦車男
「英霊の座」スレ住民。タンクトップにジャージのズボン、バンダナに指抜きグローブ姿の立派な引きこもりニートで、その上セイバーのストーカーでもある。遠坂邸に居候しており、カソックにフリルのエプロン姿の家政婦のおじさんが生活全般の面倒を見ている。
いつも自信満々に全く説得力皆無のアドバイスを戦車男に焚き付けては、そのたびに幼馴染のエルキドゥちゃんから厳しくつっこまれるのが日常風景。
ちびちゅき!
愉悦研究会会長。人の不幸を肴に愉しむ性悪の集まり……ではなく、その実態は漫研と大差ない。セイバーへのストーカー行為は続けているが、最近はエルキドゥが自分以外の友人を作るようになり、気が気でない。白野やティーネ、綺礼などマスター勢と絡むことが多い。
愉悦研究の成果であるオタショップ「ギルガメイト」のほか、『hollow』世界と同じくわくわくざぶ~んも経営し、最近では駄菓子屋さんまで開店させた(人気は高く子供たちが押し寄せている)。
カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
シロウ編のEDの一つでも本人が登場、自身の廃課金っぷりをアピールする為に宝物庫の全てと引き換えにゲットした激レアさーばんとを自慢してくる。
コスト:1000 / 戦闘力:A / 突破力:- / 移動力:- / 体力:A / 忍耐力:- / リキャスト:E

人間関係

冬木

第四次

遠坂時臣
召喚者であり、第四次聖杯戦争のマスター。相手がギルガメッシュということもありその忠義自体は本物ではあったが、時臣はサーヴァントを英雄本人の“写し見”であるという魔術師らしい価値観でもって接し、願いを叶える為に最終的には自身を自害させるつもりであったことを知り、後に造反した。
言峰綺礼
第四次聖杯戦争中盤以後のマスター。彼の有り様を「興味深い」と評し、その行く先を見ることを望んでいる。
原作版UBWルートでは綺礼が死んだ後に「邪魔な召喚者も先ほど消えた」とギルガメッシュは言っているが、『zero』からして召喚者は時臣であって綺礼ではないので矛盾が生じている。アニメ版ではこの台詞ごとなくなって「それは残念だ」に差し替えられた(「色々な解釈が取れるような対応にした」という制作スタッフによる気遣い)。
セイバー
幾度となく求婚。『CCC』にて実は見た目も好みだったことが判明したが、ギルガメッシュがセイバーに執着するのは彼女の生き様を評価してのことであり、純粋な恋愛感情とは違う憧憬を抱いている。
『unlimited codes』ではセイバーを打倒し泥を飲ませるが、その変わりように興味を失う。「我の后となれ」と言いつつ、「后になる(従順になる)」と魅力が減るということであった。もっとも彼に言わせれば、Fateルートで彼女に告げた通り「手に入らぬからこそ、美しいものもある」と言うことなのだろう。
ライダー
第四次聖杯戦争中、唯一「王」と認め、全力で戦うに相応しいと認めた相手。

第五次以降

間桐慎二
UBWルートで契約したマスター。本人は歯牙にもかけておらず見捨てることも厭わないが、道化としての評価は高かった。
カレン・オルテンシア
繰り返される四日間でのマスター。人使いが荒いので苦手にしている。
セイバーオルタ
セイバーが暴君に反転した姿。
『unlimited codes』では「理想を捨てた貴様になど用はない!」「下らん!雑念に堕ちたな!セイバー」と嫌悪を見せているが、『カーニバル・ファンタズム』では暴君でマイペースな彼女に心酔し、凛に「こういうのが好みか」と白い目を向けられていた。
衛宮士郎アーチャー
贋作者(フェイカー)と蔑む。戦った場合は非常に分の悪い相手。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
ホムンクルスという人工的な命であるためか、人形と蔑み極めて冷淡な見方をしている。
バーサーカー
自分と同じ半神半人ということもあり、大英雄として高く評価している。
ランサー
気に食わない相手。ギルガメッシュに言わせれば「王としての在り方が我と正反対」。だが実力は認めている様子。
セラリーゼリット
己の意志で主を守るという在り方を認めつつも、それが報われることは無いと断じ誅滅する。

EXTRA CCC

主人公 (EXTRA)
契約したマスター。最初はただの気紛れで契約していた為、「契約を切りたい」と言う旨の発言をするとすぐに殺してしまう(この辺については最後の最後で彼が明かしてくれる)。
遠坂凛 (EXTRA)
彼女の金の亡者ぶりやその搾取側の思想、何より彼女の実力を評価し、「組めば面白そうだ」と発言している。また、凛のテンプレのようなツンデレ言動を見て「イシュタルめの転生体か?」とコメントしている。
ラニ=VIII
彼女の魔術師としての実力を認め、凛と同じく彼女も「自分のマスターを支えるにふさわしい者」と評価している。
間桐シンジ
当初は「小癪ワカメ」と呼び評価は低かったが、自分の命を捨ててメルトリリスに一矢報いた覚悟は認めており、その時には彼に敬意を表して「シンジ」と名前で呼んでいる。
カルナ
好敵手にして同格の英霊。自身と同等かそれ以上の力を持つ相手として、初対面から高く評価している。また彼の「鎧」と「槍」は自身の宝物庫にすら存在しない為手に入れようと狙っていた。
ランサー
戦ったサーヴァント。美声は称えるもそれを活かせない超絶音痴さに苛立ち「殺すのすら生ぬるい」と黄金Pを名乗って改善させようと迫る。
BB
お互いに天敵同士。喋れなくされたり、洗脳されたり、影に飲み込まれたりと何度も何度も苦汁を飲まされた上に、いつかどこかで後ろからドロリと飲み込まれたことがあるような、ないような直感から「お前には慢心も背中も見せない」と珍しく最大の警戒をしている。
一方彼女の方も、彼が主人公の令呪を全て使わせたことを始め、主人公の身を顧みないことを根に持っている為、パートナーサーヴァントの中でも彼には極端に辛辣な態度を見せる。
パッションリップ
アルターエゴの一体。基本「金髪貧乳党」の彼だが、そのありえないサイズの胸を見て動揺し、「好みではないが、あそこまで大きいと一度味わってみたい」と評した。また彼女の「愛」を「綺麗なだけのものに何の価値があろうか」と認めている。
メルトリリス
アルターエゴの一体。彼女の深い愛を「少女の極み」と評し、その矛盾を質しながらも、愛に殉じようとするその在り方を「是」と認めた。

EXTELLA

主人公 (EXTRA)
千里眼にて並行世界を覗いたのか、『CCC』と変わらず目をかけている。アルテラ陣営につく決め手になった。
アルテラ
神々の交わした約定により一度だけ助力する…と言っているが今回の愉悦対象。彼女の復活という「見世物」を前に自ら現界し、何かと気に掛けている。
ジャンヌ・ダルク
今回の被害者。宝具の雨に巻き込まれるわ道化呼ばわりされるわ気苦労が絶えない。ジルに変わって天敵認定されており、口を開けば嫌味を言い合う喧嘩仲だが雰囲気は悪くならないという、絶妙なバランスを保っている。
イスカンダル
『Zero』以来の共演にしてまさかの同陣営に。だが、今回は基本的に雑種呼ばわり。
アルトリア・ペンドラゴン
ギルガメッシュ篇ではまたしても彼女を制する。主人公への信頼故か、最終安全装置とも言える彼女を遠慮なく叩きのめしてしまった。
叩きのめした後で軍門に下らせようとするも、『二人目』による邪魔が入り…
クー・フーリン
クー・フーリン篇エピローグで対峙。相変わらずの仲の悪さで、今回はお互い罵倒のし合いであった。

strange Fake

ティーネ・チェルク
偽りの聖杯戦争でのマスター。
相変わらず高慢な態度で接するが、子供であるということもあって比較的穏やかに接し、導くような言動が多く見られる。
真アーチャー
「王の財宝」での数千発の一斉掃射をいなされた挙げ句「弱い」とダメ出しされ、乖離剣を抜けと挑発される(煽ることが目的だった為、真アーチャーは後にギルガメッシュがいない所で彼の評価を「強い」と改めた)。
普段ならば頭に血が上り激昂間違いなしの言われようだが、自分に並ぶ力を認め好奇心を抱く。
真キャスター
エルキドゥの幻覚を見せられたことから激怒し、「魔物」「道化にすらなれない三流」と嫌悪感を露にする。
ギルガメッシュを召喚した魔術師
緩やかに衰退しつつある家系の魔術師であり、再起を掛けて偽りの聖杯戦争の参加を決意する。妻子を手にかけて退路を断ち、先祖が全てをかけて手に入れた『蔵の鍵』を触媒にギルガメッシュを召喚。歓喜しつつ早々に不敬な態度をとり、ふと現れたティーネに腕ごと令呪を吹き飛ばされマスター権をはく奪、後に反撃に出るも返り討ちにあい絶命する。必死の思いで手に入れた『蔵の鍵』も、ギルガメッシュに「捨て置いたもの」と一蹴りされるという散々な始末であった。

Grand Order

オジマンディアス
カルデアで召喚されてからはお互いに気が合っている模様。だが、それは自分が一番、あいつが二番という認識をお互いに抱いていてそのことを互いに気付いていない為のようで、ニトクリスははらはらしていた(実はお互い気付いているが、敢えて興じているという可能性が浮上している)。
マーリン巴御前茨木童子牛若丸レオニダス一世武蔵坊弁慶天草四郎風魔小太郎
第一部の七章で英霊召喚を用いて召喚したサーヴァント。神代の濃い魔力の効果で全員受肉している。
アナケツァル・コアトル
第一部の第七章で召喚された女神。ティアマトの右角を崩壊させ飛行を封じ、十分間もの時間を稼いだのを見て、「女神にもマシな連中がいる」と褒め称えた。

生前

エルキドゥ
生前、数日間に渡る互角の決闘の末に唯一親友と認めた人物。『Fate/strange Fake』で初共演を果たす。
“メソポタミア最強兵器”と言わしめたエルキドゥ相手に(彼が弱体化していたにせよ)、最盛期のギルガメッシュはほぼ互角の戦闘力を発揮した。後半こそ「王の財宝」を持ち出し蔵を幾つも空にしたと言うが、それまでは己の力量だけで競り合っていたものと思われる。この時に身に付いた「放出宝具」という戦法は、「頭の悪い癖」と思いながらもギルガメッシュの通常攻撃となった。
彼と共に過ごした時間や思い出は最高の「宝」となっている。
イシュタル
執拗に求婚を迫ってきた豊穣の女神。古今東西で英雄王が最も憎み嫌う存在。
彼女を振ったことで怒りを買い、結果的にエルキドゥの死を招いた為、彼女のような男を誑かす女性を最も嫌うようになった。
その憎悪振りは尋常ではなく、『CCC』においては、アルターエゴの中に内包された女神の中にイシュタルが居た場合、容赦なく開幕からエアを抜き放つと言い切ったほど。この段階ではまだ主人公のことを認めておらず、嘘を嫌う彼の気性から考えれば異例の発言と言える。
『FGO material』では「飛蝗(バッタ)の群と砂嵐、子供のかんしゃくが混ざったような存在」と評した。
『Grand Order』7章では不老不死の旅から帰還して精神的に成長したのと、彼女が人間の少女を器とした疑似サーヴァントとして現界した為に性質が3割がた変わってるのも相まってか、殺意満々の関係というよりも喧嘩仲という間柄に収まっている。
シドゥリ
冥界から帰還したギルガメッシュを王としての無責任ぶりから叱責し、再建後には祭祀長として彼を支えた女性。
『ギルガメッシュ叙こと詩』において、ギルガメッシュに不老不死を求めることの無謀さを説いた女神と同名であるが、このシドゥリは女神として扱われる様子は無い。
ナピュシテム
神の列に加わり不老不死の力を得た賢人。その在り方を嫌ったギルガメッシュに不老不死の霊薬について教えた。
フワワ
フンババとも呼ばれる、森を守る怪物。かつてエルキドゥと共に打ち倒した存在。
彼女に対してはあまり悪感情は持っていなかったようで、最期には友が送ったのと同じ花の冠を手向けた。

その他

子ギル
幼年期の自分。だが子ギルは彼を「どうしてああなったのか自分でもわからないほど理解しがたいひどい人」と評し、ギルガメッシュも「子供の頃の我が今の我を見たら成長を止めてしまう可能性すらあろうよ」などと言うなど、同一人物でありながら相性がかなり悪い。
ギルガメッシュ (Prototype)
自分の原典だが、もの凄く相性が悪い相手。『トラぶる花札道中記』で戦った際は惨敗を喫し、黄金の鎧を剥ぎ取られるという屈辱を味合わされてしまった。
ネロ・クラウディウス
番外編などで何度か共演しているが、仲が良かったり悪かったりと作品によって反応が違う。漫画版『EXTRA』の番外編ではセイバーと勘違いしていた。

名台詞

Fate/stay night

「侮るな。あの程度の呪い、飲み干せなくて何が英雄か。
 この世全ての悪? は、我を染めたければその三倍は持ってこいというのだ。
 よいかセイバー。英雄とはな、己が視界に入る全ての人間を背負うもの。
 ―――この世の全てなぞ、とうの昔に背負っている」
その器、もはや計測不能のデカさである。
「―――憎らしい女だ。最後まで、この我に刃向かうか
 だが許そう。手には入らぬからこそ、美しいものもある
 ではな騎士王―――いや、中々に愉しかったぞ」
Fateルートでの退場シーン。敗北しながらも、王の威厳を感じさせるのだが……
この後、ルートを進むごとに死に際の威厳が落ちて行くと誰が想像しただろうか。
「死に絶えるのならそれでよい。自らの罪で消え去るのなら、生きる価値などあるまい。
 我が欲しいものは雑種ではない。地獄の中ですら生き延びられるモノにこそ、支配される価値がある。
 その点で言えば前回のは落第だったな。あの程度の火で死に絶えるなど、今の人間は弱すぎる 」
UBWルートにて聖杯を使い現代の人類一掃の目論みを明かした際に語った現代人の評価。この言い方からすると、古代ウルク人は冬木大火災にも耐えられるということになる。なお士郎はその点でいえば合格のはずだが、贋作故か認めていない模様。
「正義の味方?誰も傷つかない世界だと?おかしなことを。
 誰も傷つかず幸福を保つ世界はない。人間とは犠牲がなくては生を謳歌できぬ獣の名だ。平等という綺麗ことは、闇を直視できぬ弱者の戯言にすぎぬ。
 ――――雑種。お前の理想とやらは、醜さを覆い隠すだけの言い訳に過ぎぬ。 」
UBWルートにて士郎の理想を真っ向から否定する英雄王なりの考え。
「おのれ――――おのれ、おのれおのれおのれおのれおのれおのれ……!!!」
士郎の無限の剣製に圧倒される様。頼りの財宝は贋作者と蔑んだ敵に次々に砕かれ、完全に冷静さを失っている。
躊躇いながらも不用意にエアを使おうとして、腕ごと奪われてしまった。
「たわけ、死ぬつもりなど毛頭ないわ…………!!
 踏み留まれ、下郎、我がその場に戻るまでな!!」
 士郎との最後の戦いで叫んだ精一杯の生への執念。
意訳すると「助けて士郎」になると言われることが多いが、そういう意味ではないので注意が必要である。
「いまのうちに死んでおけよ娘
 馴染んでしまえば死ぬこともできなくなるぞ―――――」
HFルートにて、すれ違った桜にかけた言葉。
一見残酷で無茶苦茶な台詞だが、桜のようにこれから先、死より辛い人生しか待ち受けていない女を数多く見てきた英雄王がかける、最大限の慈悲に満ちた言葉、であるようだ。
「―――ぬ?」
「―――貴様、よもやそこま、ガ――――!!!???」
HFルートにおける無様な最後。桜を路地裏で襲うが、実際は誘い込まれていたのは彼の方であり咀嚼されながら食い殺されてしまった。
更に彼が桜を傷つけたせいで、彼女の暴走が加速していくこととなる。
「雑種」
世界の王たる我に比べれば他の人間など犬畜生にも劣る、という考えからほぼ全ての人間を名前で呼ばない。「雑種」=「王である我以外の有象無象」。
だがしかし、当の本人も神と人との間に生まれた雑種である。
「魔術師どもも学ばぬな。所詮人間では、お前達の純粋さに報いられん」
TVアニメ版『UBW』第14話で対峙したセラリーゼリットに対して。神によって作られ神罰で命を落とした生前の友を、彼女達に重ねたのだろうか。また、全身を串刺しにされてなお主君への忠義を果たさんとするセラの意思を確認すると、自ら手に取った剣で介錯するなどホムンクルスである彼女らには彼なりの慈悲を見せている。
「呆れた男よ、最後の最後で己が神話を乗り越えたか」
TVアニメ版『UBW』第15話より。天の鎖を引きちぎり眼前まで迫った大英雄への賞賛の言葉。アニメオリジナルの原作者書き下ろしの台詞。

Fate/hollow ataraxia

「慢心せずして何が王か」
彼が彼たる所以。もはや慢心が彼の一部、デフォルトであるということが良く分かる。
「おおおおおおお?馬鹿な、天の鎖を持ってしても脱出できぬのか!?
 ええい、断崖絶壁や墜落こと故ではあるまいし何をこれしき!我はともかく我の財宝を侮るなよ!
 さあ、友よファイトだ!頑張って我を助けよ!」
世話のかかる友を持ってエルキドゥも大変だ。
「―――よい開幕だ。死に物狂いで謳え雑念―――!」
終盤、無限の残骸どもを相手にした時に。後に『CCC』において、主人公の危機を救う際に同じ言葉を発している。油断と慢心を捨てた一生に一度の本気。

トラぶる花札道中記

「コトミネー。この青いの、自分でもわかっていないルールを偉そうにしゃべってたのだぞー」
「その尊大さに我もビックリ」
一人称がわれなのは間違いではなくそういう仕様。
「ははは。いいではないか我たち楽しいし」
ランサーに用ことを押し付けギルガメッシュと言峰は毎日ぐうたら暮らしている。言峰曰くそれぞれの長所を尊重した結果らしい。
「何が予定通りか。――が、契約者の失策を立て直すのも我の務めだ。気が乗らぬが手を組むか雑兵!」
先程までのアホの子のような言動が嘘のように格好良く対応する。
「眩しすぎるほど運命合コン圏!なんだランサーあの愛くるしい子供は!?神か!?」
新生・聖女と愉快な仲間たち編で子ギルと遭遇した際の台詞。同性だとか以前に過去の自分なのだが……。
「ぬ。たわけめ、侮るな下郎!我的には可愛ければオールオッケー。真の英雄に男も女もないと知れ!」
同上。子ギルに興奮していたギルガメッシュにカレンの「彼は男の子ですよ?」という問い掛けに対する答え。要するにバイ。

フェイト/タイガーころしあむ

「OK!何の問題も無い!一夫多妻制こそ英雄の本懐よ!」
ギルガメッシュルート。セイバーとセイバーオルタに殺意を向けられても、まとめて嫁にすると意気込んでいた。
「聖杯よ。貴様にかけるべき願いは一つだけだ。―――言うまでもない。貴様のような贋作フェイクは―――
 疾く、わが前より消えるが良い!世を正し、世を乱すは人の役割!貴様のような神のまがい物、存在すら許さぬわ!」
同上。虎聖杯を前にし王としての矜持を語り虎聖杯を破壊する。
「そうか?なかなか珍味であったがな。泰山のトウフよりマシだ。」
セイバーオルタルート。言峰に用意されランサーと食した物の感想。それの正体が間桐の蟲だと2人は知らない。
「私の数あるコレクションから厳選しました。気に入っていただけると幸いです…。」
黒桜ルートの最後。ギルガメッシュが跪き敬語を使っている貴重な場面。
「ことみねー、どこだー。我はおなかすいたぞー、ことみねー。」
真アサシンルート。言峰と葛木先生がシリアスな空気を漂わせているところに子供のようなことを言いながら登場。
「おお。これはこれでかっこいいではないか。やはり我は何をしても美しいな!………ちょっと胸板貧相になったけど。」
凜ルート。眼鏡が気に入ったようでご機嫌。
「…いや、我のせいではないのだセイバー……我はちゃんと玄関から行こうとだな…。」
カレンルート。衛宮邸の窓をぶち破り飛び散ったガラス片でセイバーの鍋を台無しにしたカレンを見て。さすがの暴君もカレンの傍若無人ぶりにはドン引きである。
「おお、綺礼!愉悦に浸るその笑み、まるで宝箱を開けたかのような喜びだな。久しぶりにその顔を見たぞ。それでこそ我が選んだ男だ」
『アッパー』アイリルート。この時だけ『Zero』のように「綺礼」呼び。

カーニバル・ファンタズム

「おまえのものは我のもの」
第1話にて、バラエティ番組と化した聖杯戦争に突如乱入し、宝具禁止のルールを無視し「ルールブレイカー」と高々に叫ぶ。当然キャスターから「それは私の台詞」と突っ込まれるも、上記の台詞を言い放つ。
「よし、まずは酒だ。くだらない酒をだそうものなら店ごと吹き飛ばすぞ」
「ここは喫茶店です」(セイバー)
「知っておる。わざと言ったのだ。AUOジョーク、大いに笑うがいい。ハハハハハ。」
第8話にて、アーネンエルベでセイバーがバイトをしていると聞きつけ来店。相変わらずのギャグセンスにセイバーのフラストレーションが溜まっていく。
「セイバー、お会計だ。
 テイクアウトは……お前だ!」
上記の続き。セイバーをお持ち帰りしようとした際の台詞。この台詞に堪忍袋の緒が切れたセイバーは…。ちなみにこの台詞、実際の作中では「お前だ!お前だ!おま、おま、お前だ!お前だお前お前お前だお前だお前だ…」と、関氏がセルフエコーをかけていたりする。

Fate/unlimited codes

「―――だがそれにしても、十年にして追い求めた宝にしては、この趣向、いささかばかり物足りぬな
 フフ、もはや抗う力もない、か。……ああ成る程、セイバー、お前が光り輝いて見えたのは、我に刃向かっていたからこそ、なのか
 まあ良いわ。女、飽きがくるまでもうしばらくは愛でてやる。それまでは存分に、この世の苦痛と快楽を満喫するが良い」
ギルガメッシュルート。セイバーを破り服従させることに成功するも、即座に価値がないと切り捨てた。

Fate/Zero

「問いを投げるか、雑種風情が… 王たるこの我に向けて!」
「我が拝謁の栄に浴して尚、この面貌を知らぬと申すなら、そんな蒙昧は生かしておく価値すら無い!」
征服王に「名乗りを上げたらどうだ」と言われての返し。
面倒な言い回しだが、要は「我の顔も知らんような雑種は死ね」。
「痴れ者が……。天に仰ぎ見るべきこの我を、同じ大地に立たせるかッ」
バーサーカーの攻撃で足場が崩れ、地面に降り立った直後にこの一言。
読者のほとんどが「怒るポイントはそこか?」と思ったであろう。というか、地の文にもツッコまれている。
「決めたぞ。――ライダー、貴様はこの我が手ずから殺す」
アインツベルンの城でセイバー、ライダーを交えて談義した時、心意気を見せたライダーに対して言った言葉。
この瞬間から、ライダーを対等な敵と認めていたと思われる。
「――自ら王を名乗り――皆から王と讃えられて――そんな輩が、“悔やむ”だと?
 ハッ! これが笑わずにいられるか? 傑作だ! セイバー、おまえは極上の道化だな!」
聖杯問答においてセイバーが語った心意を聞いた時、嘲笑を込めて笑いながら言った言葉。彼女の王としての存在は、自分やライダーの描くそれとはかけ離れたものだった。
ライダーが「眉間に皺を寄せ、いつになく不機嫌そうな風情でセイバーを見据え」たのに対し、ギルガメッシュは「もはや抑えが効かぬとばかりに笑い転げ」ることに。
「愉悦というのはな、言うならば魂の形だ。あるかないかではなく、知るか知れないかを問うべきものだ」
「求めるところを為すがいい。それこそが娯楽の本道だ。そして娯楽は愉悦を導き、愉悦は幸福のありかを指し示す」
自らの在り方に悩み娯楽そのものを否定する言峰に対し、愉悦の何たるかを語る。
「ヒトの領分を超えた悲願に手を伸ばす愚か者……その破滅を愛してやれるのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にない。
 儚くも眩しき者よ。我が腕に抱かれるがいい。それが我の決定だ」
キャスターの大海魔を下した「約束された勝利の剣」の光をライダーと共に眺めた後、エルキドゥを彷彿とさせるセイバーに対して。
「ふん、興ざめな幕切れだ。見よ、この間抜けた死に顔を」
臣下の礼を取っていたマスターという不忠者の、余りにあっけなく無様な最期への感想と共にその間抜けな死に顔を足で小突いた。共犯者は「すぐ側に霊体化したサーヴァントを侍らせていたから油断したのも無理はない。」と一応の弁解はしながらもその無様な最期を嘲笑っていた。
結局弟子も王も自分を裏切るわけがないという、切嗣や雁夜に対して抱いた感情と同じく自分の価値観から外れた人間が存在するということ実を知らないまま、優雅とはほど遠い死に方で時臣は聖杯戦争から退場する。
「夢を束ねて覇道を志す……その意気込みは褒めてやる。だがつわものどもよ、弁えていたか?夢とは、やがて須く醒めて消えるのが道理だと」
「また幾度なりとも挑むが良いぞ。征服王」
「時空の果てまで、この世界は余さず我の庭だ。故に我が保証する。世界は決して、そなたを飽きさせることはない」
唯一全力で戦うに相応しいと認めたライダーに対しての、偽らざる賞賛の念を込めた言葉。
「忠道、大儀である。努その在り方を損なうな」
ライダーとの誓いを守り、身一つで対峙したウェイバーに対して。
手にかけるだけの理由はない、と解説されてはいるが、それだけではこの言葉は出てこまい。彼なりの王の哲学を感じる。
なお、仮にウェイバーにまだ令呪の気配が残っていたなら殺すつもりだったらしい。ウェイバーがライダーのマスターかどうか問われ、「違う。ボクは――あの人の臣下だ」と返した際、小説版でもアニメ版の第23話でも、ギルガメッシュがウェイバーを見て令呪の有無を確認する描写がある。

Fate/EXTRA CCC

「この雑種の命は既に我のものだ」
「貴様にくれてやるものは何一つないぞ?」
主人公がギルガメッシュに令呪すべてを捧げたことに憤慨するBBに、彼女の主人公への想いに気づいていながら挑発する。
なお、こと前に「BBが主人公を想っている」ことを知らなければ意味がわからないセリフであり、唐突なデレとも取れるセリフに混乱したプレイヤーもいた模様。
「間違えるな守銭奴。先を読む、という時点で既に敗北だ
 盤上において未来は読むものではない。俯瞰して観るものだ。正着は常に見えている。」
ラニとのチェス勝負に勝利し、凛達に語った規格外の観点。また、カード勝負で自分に勝つなら「思い通りの手札がくる」ことが最低条件らしい。
「よし、気が変わったぞ雑種。興が乗らぬと言ったが、一秒でも早くアレを仕留めることやぶさかではない。」
「唯一の見所であった歌ですらアレでは、もはや死あるのみ。
いや、死すら生ぬるい。黄金Pとして、一から指導し直してくれる!」
エリザベートの美声が全く生かされていない音痴な歌を聞いた直後のセリフ。
珍しくやる気になったギルガメッシュに主人公は驚くと同時に無理も無いと納得したのであった。
「以前、これはお前の戦いだと言ったが、アレは忘れよ。
 お前の敵は我の敵だ。手を貸すがよい無名のマスター。
 これより先は、我がお前の剣となろう!」
それまで傍観者に徹していた彼が、BBを共通の敵として、主人公を自分のマスターとして認めた瞬間。
これ以降、主人公を「我が雑種」と認め、労ってくれたり、「酒でも出すか?」と気遣ってくれるようになる。
「おい、怪我はないな?」
物語後半からの戦闘終了時台詞の一つ。これ自体は何の変哲もないものに過ぎない。しかし発言者があの英雄王故にこちらの身を気遣うデレ具合に絶句する人が多数発生した模様。また、「見ことだ。後で飴をやろう」という発言もある。
「凡俗であるのなら数をこなせ。才能が無いのなら自信をつけよ」
『CCC』後半の雑魚戦後のセリフの一つ。非常に的を射たアドバイスである。
「褒美だ、人類最古の地獄を見せてやる……!」
宝具発動可能状態時に出る台詞。関氏の熱演もあって、演出的にも中々。
「我に慢心を捨てろときたか! つくづく厚顔なマスターよな!」
「貴様には地の理では生温い。天の理を示してやる。さあ! 死に物狂いで耐えるがよい、不敬!
 死して拝せよ! 『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具使用時セリフの一つ。最古の英雄王は高笑いと共に、最強最古の宝剣を解放する。
『Fate/Zero』では時臣に宝具使用を懇願された時にすげなくあしらい、つまらない相手に使わせようとすることに「刎頚に値する」と激怒していたが、『CCC』ではたとえ雑魚が相手であっても、愉快げにこのセリフを言いながらノリノリで「天地乖離す開闢の星」を使ってくれる。両者の違いは実は頼み方、時臣も真面目に頼み込んだりせず「英雄王のかっこいいところ、見たいー」みたいにおだてれば海魔相手でも余裕でつかってくれたらしい、ようはキャラの違い。
「興が乗ったぞ、下がっていろマスター。
 原初を語る。元素は混ざり、固まり…万象織りなす星を生む!
 フハハハハハハ! 死して拝せよ! 『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具使用時のセリフの一つ。英雄王が楽しそうで何よりです。
「では行くぞ――
 A・U・O・キャストオフ!」
エリザベートのSGを明かしにいったきに起きたできこと。
英雄王が見せる至高の美。開発スタッフが「時間外に、自発的に」用意していたもの。俗に言うなら「ヌード」である。
「照れるのも無理はない。
 我が裸身はこの世で最高水準のダイヤに勝る。それが生娘なら尚のことだろうよ。」
パニックになって悲鳴を上げるエリザベートに対して。
「やはり最後に物を言うのは貨幣か」
「英雄王マネーイズパワーシステム……フッ、悪くない響きではないか」
マシンの出力を上げる為に投資してください、とラニに言われてしたり顔で呟いた。
直後に凛に「マネーイズパワーシステムは遠坂の商法」と怒られるが、英雄王はどこ吹く風。
「すまぬ。我は貧乏という概念がよく分からぬのだ。
 なにせ、使い切れぬほどの財がある故。よって貴様の哀しみを癒す術を知らぬ。
 ………許せ、ハサンよ。あと近寄るな。貧しさが移りそうだ」
「知らぬか? サーヴァント界で最も不遇な者。
 その名をハサンと言うのだ。まぁ、貴様の財政こと情とかけているのだが。
 ―――ハサンなだけに、破産。
 よし笑え。笑う門には福来たる、とは貴様の国の格言であろう!」
世知辛過ぎるAUOジョーク。確かにHFルートでの呪腕のハサンはあっけない最期を遂げ、百の貌のハサンも使い捨て同然に退場されたのだが……それを差し置いてもあんまりである。これでは、聖杯戦争に復讐したいという美しき暗殺者の気持ちも尤もなものである。
しかし、呪腕のハサンは百の貌のハサン、静謐のハサンと共に『Grand Order』の第六章で山の民側のキーキャラクターとして活躍している。
また『Fake』では、歴代ハサンの能力の殆どを我が物としてハサンになる直前まで来たアサシンと気配遮断EXという規格外な能力を持つハサンの登場、さらに『Grand Order』では、他のサーヴァントと一線を画した力を与えられた「グランドサーヴァント」の一角とも言われる歴代最強のハサンの“山の翁”の登場等、近年山の翁達の名誉回復の機会が増えてきている。しかし、その山の翁が身内のハサンへの対応がやたらと厳しい為、やはりハサンが不遇であるのに変わりはないとも…。
「躾がなっていないぞ店主。我らの会話に横やりを入れるなぞ、まさに狂犬といったところよな。
 ところよな?…………どうした。笑ってもよいのだぞものども。
 横やり、だ!!ランサーと槍をかけたAUOジョークだとなぜ分からぬ、たわけども!」
主人公、ランサー、言峰を沈黙させた渾身のAUOジョーク。
彼を完璧な王としてデザインした神々も、ユーモアセンスだけは与えられなかった様子。わざわざ「横やり」を強調して言っているが、初プレイで気づいた人がどれくらいいただろうか。
「よいか。この世のすべての生命は先達者の手で作られたモノだ。自然発生するのは魂のみ。
 それこそが我や貴様が持つ、ただ一つの“己”だろうよ。体が作り物であろうと、始まりが何者の写し身であろうとな。
 目覚め、抗った瞬間に、お前は唯一の独立性を確立した。それを作られた、などと思うことはない」
己がどのような意図を持って生み出された存在であろうと、己の生き方は己で選ぶというギルガメッシュの考え。
そして、この言い方から主人公の正体をすでに見抜いているようである。
「本来、我はおまえのような人間に倒される側なのだ。その恐れを知らぬ顔に何度煮え湯を飲まされたことか。
 何の因果か、それを今はこうして間近に眺めているのだ。皮肉の一つも口にしたくなるというものだろう?」
迷いを断ち切り歩むことを決めた主人公の面構えを一見し、前作から続く悪役としての宿業を自嘲しながら語る。しかし、その言は信頼に満ちていた。
「不思議ではないだろう。 我は人間の守護者として生まれたものだからな。この星の文明みらいを築くのが、王の役目だ」
「守護にも種類があろう。守ることだけが守護ではない。時には北風も必要だろうよ」
暴君として振る舞いながら、人類が窮地に立つとそれを救う為行動することを不思議に思ったエルキドゥに語った、あえて厳しく突き放すと言う守護者としての在り方。
「価値はある。唯一の価値はあるのだ。
 我はここに宣言する。 
 この世において、我の友はただひとり。
 ならばこそ―――その価値は未来永劫、変わりはしない」
彼の友の死に際、涙を流すギルガメッシュに対して友が発した「自分には君が涙を流す理由も価値もない」という言葉に対する返答。
「共に生き、共に語らい、共に戦う。それは人でも道具でもない。友と言うのだ、エルキドゥ」
自分は道具であるからギルガメッシュの傍らに有り続けることができると言うエルキドゥに対して。
この言葉はエルキドゥにとって真の意味で自我に目覚めた切っ掛けであると共に、輝く宝石のように大切な言葉であった。
「そもそも我に友など滅多にいるものか。いたとしても名前など忘れていよう。もう口にすることはできぬのだからな」
主人公に「友の名を覚えているか?」と尋ねられて。正確には「遠い日の過ちをもう捨て去ってくれているのか」を主人公を通じて尋ねるように言い残したエルキドゥからの問いである。
ギルガメッシュはこれに対してあえて旧友の名前は忘れたとしつつも、友がいたことは否定せず、また友の名も「口にすることはできない」(覚えている)と返すのであった。
「………………何を言い出すかと思えば。この我が人間を愛しているか、だと?
 貴様、今まで何を見てきたのだ?
 我が人間をどう見ているかなど、貴様の扱いから身に染みていよう! 分かりきったことを我に問うな!」
主人公のある質問に対する答え。言葉通りなら、人間に対してどんなスタンスをとっているのかが分かる。
「欲などいくらでも張ればよい。少なくとも我は気に入らなかった。
 それに、だ。おまえには一つ足りぬものがあった。それを教えてやろうと思ってな。
 分からぬか。新しきを知る喜び。未知に胸をときめかせる本能。
 己の人生を彩る娯楽―――つまり、愉悦、というヤツだ」
エンディングでの主人公に対して。どの世界でも全くブレない英雄王である。
「いらん。そのような物を食うのは狗だけだ。
 女の化身よ、未来の無い欲望は我の趣味ではない。
 此処で襤褸屑のように散るがいい―――!」
裏ボスに対してのセリフ。この絶対零度の殺気は、裏ボスが親友の命を奪った女の性の化身を彷彿とさせる為か。
「貴様が少しでも満足の答えを出せばこのまま表側へ送り出そう。
 だが下らぬ答えを返せば貴様も、貴様に付き合った我もそれまでの器。代償として貴様の首をもらう。
 覚悟して答えるがいい。最後に問おう。我にとって、貴様はいかなるものなのか。」
黒幕を倒し、主人公を表側に送り出す前に、最後の問いをぶつける。
「人の世に戻るがよい。
 その無様な生涯を全うし、退屈な世に花を咲かせよ。
 その儀の完了を以て、我との契約を切るものとする。
 先に進むがいい、雑種。お前の旅ならば、それは見応えのある物語となるであろう」
最後のセリフ。月から脱出を果たす主人公へ向けて、最大の賛辞を贈る。

Fate/EXTELLA

「刮目せよ。絶望せよ。この我(オレ)こそが真に至上にして唯一の英雄である。」
未明篇2章。今回の名乗り口上。
「我はすこぶる機嫌が良い。貴様次第では、さらなる宝剣をくれてやる程度にはな。」
同上。自己申告の通り、今回は色々と寛大である。
「あまりにも奇異であったが故、何、わざわざ境界を切り裂いて出向いてやったのだ。」
同上。サラリと言っているが、自らの手による現界は本来クラス・○○○○しか持ち得ないとされているもの。『CCC』のEDでは財の9割を失っていたが、活躍を見る限り今回はそんなこともない模様。
「怪物の類にさしたる興味はないが、こと人理の完全なる破壊者ともなれば話は別だ。」
「―――かつて神を殺した巨人。地表を蹂躙したおぞましきもの。まさに、我が宝剣を抜くに相応しい!」
同上。現界直後からノリノリでエアを抜こうとする。友と矛を交える『Fake』を除けば、歴代で最も機嫌がいい英雄王だろう。
「これは笑わせてくれる!貴様、道化の才能はかなりのものだ、我が宝物庫に加えてもよいほどの冗談だぞ!」
金詩篇4章より。アルテラに従う理由を問うジャンヌを爆笑する。今回の彼はジャンヌの迷いも愉悦の対象にしているフシがある。
「いやはや哀れな旗持ちだ。猛犬ごときに噛み殺されるとは。」
「戦場を駆ける凶犬が一匹、片手で払いのけられもせずにトップサーヴァントを名乗る道理もあるまいに。」
「何だ?か弱き女を噛み殺した程度の犬がこの我にその牙を向いてみせると?」
クー・フーリン篇エピローグ。ここぞとばかりに二人纏めて煽りまくる。
「ふ。我から見れば似たもの同士だがな。まあ、それは言わぬが花か。我とて空気は読む。ふはは。」
ジャンヌ篇2章。アルテラとジャンヌを姉妹の戦神のようと褒めた側からこれである。。
「―――まことか。」
通信を切り忘れ、上記の発言をジャンヌに突っ込まれて。王は乙女心がわからない。
確かに生真面目な女性に嫌われている。
「つまらぬ雑種が入りこんだものだ。我の仕ことではないのだが―――あのマスターであれば我が裁定しよう」
蘭詩篇4章、ステージ開始直後。どこかの世界で信を預けた雑種を今一度試すべく、珍しくやる気を出す英雄王…だったのだが。
「おのれ……ッ!おのれおのれキツネおのれ……!!」
直接対決で追い込むとこのザマである。言うまでもなく若き日の贋作者にボッコボコにされた時のセルフパロ。
「吹けば飛ぶ紙装甲」と慢心したのだろうか?
「千体…チィ、千体か!えぇい、業腹だが褒めねばなるまい!」
「加減を知らぬのか!たわけ!後で我の元にこい!ねぎらってくれる!!」
一定数撃破時。「ねぎらってくれる!」の発音は「んんんねぇぎらってくれる!」となっている。

Fate/strange Fake

「……答えよ、貴様が不遜にも王の光輝に縋らんとする魔術師か?」
召喚されてからの第一声。小物っぽい魔術師に召喚されたからか、かなり不機嫌なご様子。
「くだらんな。誰が上に乗ろうと、すべての地は我の庭に帰するのだ。
 庭で雑種が諍いを起こそうと本来ならば捨て置くところだが……
 我の宝を掠め取ろうとする輩ならば、話は別だ」
自分を召喚した魔術師に代わり、新たな契約者となったティーネの「スノーフィールドの地を奪還したい」という悲願を聞いて。
「我の臣下となるならば、一つおまえに命じておくことがある」
「幼童ならば少しはそれらしくせよ。万物の道理のわからぬうちは、ただ王たる我の威光に目を輝かせておればいい」
幼いながらも臣下の礼をとるティーネに対して。唯一の友の参戦を知り、上機嫌なのもあるかもしれないが基本的に子供には優しい英雄王。
「気を抜くな、ティーネ。そして我に証明して見せよ」
決闘児戯の余波程度で場打てするようでは、我の臣下には値せぬと知れ」
つい今しがたまで「子供は子供らしくしていろ」と言ってた直後にこれである。聖杯戦争史上かつてないほどにご機嫌であったとしても、ギルガメッシュと付き合っていくには生半可な神経ではやっていられないらしい。
「エアよ。寝覚めで不機嫌だろうが、暫しの饗宴に付き合って貰うぞ」
「何、退屈はさせん。誰一人な」
ティーネとの契約締結直後、なんと開幕からいきなりエアを抜く。
「エアよ、存分に謳うがいい」
「『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具解放。最古にして唯一の友に贈る、再会の喜び。
「まったくだ。幼き日の我が今の我を知れば、それこそ自害でもしていたろうよ」
エルキドゥに「おまえは一度死んでも変わらんな」と軽口を飛ばしたら「君は生きながらにして暴君に生まれ変わったけどね」と返されて。
続いて友に「それでも君は、ウルクの民の為に生きる道を選んだと思う」と返された。
「おまえにそこまで言わせるマスターとはどのような人間雑種だ? その価値があるかどうか、我が見立ててやろう」
エルキドゥが「マスター」の為に撤退すると言い出したことに些か機嫌を損ねて。つまらない存在が友を使役するのであればその場で始末する――とでも言わんばかりの言葉だったが、エルキドゥはやんわりと笑って「それは無理」と答える。
さすがの英雄王も、神でも人でもない、動物が友のマスターとは見抜けなかった。
「そんなもの、好きにさせればよかろう。本来ならばその程度の些ことは自分で乗り越えよと言う所だが、ここに乗り越えたのは我だからな。落下傘ぐらいは貸してやろう」
「受肉でもして本格的に生を謳歌するのでもあれば話は別だがな。その時には生きるに値せん雑種共を間引くことも考えようが、今の我には関係ない話だ」
前者はかつての聖杯戦争で、ホテルそのものを倒壊させて工房を潰した存在についての話を聞いての返答。後者の受肉についてと共に、かつて自身が召喚された際に関わったこと事象であるが、その自覚はないようだ。「召喚されたサーヴァントはあくまで英霊のコピーであり、一部の例外を除いて同一人物と言う訳ではない」と言う設定を端的に表す台詞だろう。
「我を敬うのは構わん。当然のことだからな。だが盲信はするな?目を輝かせたなら、その眼をもってして、己の道を見極める事だ」
総代としての重責からか、幼童らしく振る舞えないティーネへの導くような語り掛け。ただし答えは求めていなかったので、そのまま会話(この時は念話)を続けた。
「うつけが! 道化とはその在り方だけで人を愉悦に落とし込むものだ!」
「自ら道化を名乗り、己が道化であることを不敬の免罪符にしようとはな! 貴様はもはや三流ですらない、道化と名乗ることも罷り成らん! 己の奇行に酔うだけの愚物に過ぎん!」
真キャスターがエルキドゥに化けるという蛮行を働き、「道化の悪ふざけだよ」と言ってのけたことに対する返答。
かつて道化と呼んだ相手を知ってか知らずか思い出させる考え方である。

Fate/Grand Order

アーチャー

「フフハハハハハハハハハハ!!我を喚ぶとは運を使い果たしたな、雑種!!」
召喚されて、開口一番に吐く台詞。…多くのマスターは彼と出会う為にリアルラック以上にリアルマネーを大幅にすり減らしたという…。
「宝物庫の鍵を開けてやろう」
「裁きの時だ。世界を裂くは我が乖離剣。受けよ!『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具発動。乖離剣エアの最大出力。
追加ボイスが加わる前の口上は「原初の理を知るがいい」のみだった。
変更前のモーションは『stay night』及び『EXTRA CCC』のスキル「乖離剣エア」に、変更後は『EXTRA CCC』の宝具「天地乖離す開闢の星」に似ている。
「最後に我と共に戦う栄誉、真に赦す! 神殺しの英雄譚、見こと果たして見せるがいい!」
第七章、最終決戦より。”この時代のギルガメッシュ”が死後、”英雄王”として反則的な復活をした際の台詞。
この最終戦闘において"本気"のギルガメッシュと共に戦うという、言葉通り最高の栄誉を受けて、ティアマトと決着をつけることとなる。
「世界の行く末を賭けた戦い。これを決戦と言う」
対ティアマト戦開始時。回帰を齎そうとする「第二の獣」とソレに抗う人間たち。人類史せかいの行く末をかけた決戦たたかいが、いま幕を開ける―――
「原初を語る。天地は分かれ、無は開闢を言祝ぐ。世界を裂くは我が乖離剣。
星々を廻す渦、天上の地獄とは創世前夜の祝着よ。死をもって静まるがいい。 『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
対ティアマト戦、宝具発動。創世の女神に放つ、世界から天地を裂いた原初の地獄いちげき
「深淵に堕ちるがいい。誰も起こす者はおらぬ」
対ティアマト戦終了時。深淵の果てまで堕ちた彼女を、英雄王はただ見届けるのであった。幼年期の終わりをそう告げるように――――。
「だがセイバー(黒、赤)は諦めよ。あれは章につき解放サーヴァント故な、我もつらい。とてもつらい」
ダウンロード300万突破を祝して行われた、410のうち好きな1騎をプレゼントという超破格のキャンペーンに際しての但し書き。
この台詞はあくまで意訳であることを英雄王の名誉の為にも付記しておくが、彼のイメージと合わないセリフだという反響が多くあったのか、後に無難な意訳に差し替えられていた。
が、後にコハエースイベントにおいて登場した残念になった英雄王がこの台詞の改変版を堂々と口にしていたりする。
「フハハハ、そして「プレゼントは貴様自身であろう?」とか言っちゃうか我!」
期間イベント"ほぼ週間サンタオルタさん"にて、サンタクロースになったセイバーオルタを待ちわびる英雄王。
告白される未来を疑わず妄想を声に出すも、サンタオルタには筒抜けであり『留守扱い』にされた為、プレゼントどころか会うことすら叶わず、あまつさえ彼女はその分自由時間ができたと、他の人と食ことに出掛けようとする始末(結局いけなかったが)。
その後は一切出番なく、フリー戦闘の敵として登場。名前は"サンタ募集中"であり、最後まで待っていたようであるが、サンタオルタさんは最終的にトナカイにプレゼントされた。我はつらい。とてもつらい
届かぬ理想ほしを目指し、足掻く姿こそ、地上における星である。
星とは天にあっても地にあっても届かぬもの。だからこそ美しいのだ。
『FGo material』におけるアルトリアへのコメント。

キャスター

「矢を構えよ、我が許す!至高の財をもってウルクの守りを見せるがいい!大地を濡らすは我が決意――『王の号砲メラム・ディンギル』!!」
宝具解放時の台詞。非情に美しいモーションとなっているが、速倍にすると「大地を濡らすは~」の台詞が省かれてしまう。
「……………………うむ。王が居眠りから覚めると、そこは冥府の底であった、か。」
「――などと言っている場合か――!本当に死んでいるではないか、我――!」
第七章にて、過労死して魂が冥界に降りたときのノリツッコミ。
この王の言葉もあって過労死が賢王のネタになりつつあるが、実際の事態はとんでもなく深刻であったことを感じ取らなければならない。
マーリンによってフラグは立っていたものの、急きょ本当に死んでしまった為に多くのマスターが顔面蒼白になったという。
なお、後に堂々と蘇生し地上へ復帰する。
「まさに――ウルクは幸福な都市であった。その歴史も、生活も、民も――この我も含めてな。」
滅びの運命から逃れることはできずとも、最後まで王と共に戦い抗うと決め都市に残った民たちに向けて語った言葉。
「ハ! 気にするな、致命傷だ!」
「それより貴様だ、ばかもの! 無ことか! 無ことだな! ならば良し!」
ティアマトの攻撃から主人公をかばっての言葉。これによりギルガメッシュの消滅は避けられない運命に。
しかしギルガメッシュは感謝を口にする。後世のウルクの為にはティアマトだけではなく、「特異点の基点」となったギルガメッシュ自身も死なねばならなかった。死に方に難儀していた彼にとって、ティアマトを倒すという決着を委ねる為の死は満足の行くものであった。
「無理と言うか? 我は限界だと? もはやウルクは戦えぬと!」
「貴様はそう言うのか、〇〇(主人公名)!」
致命傷を負いながらもディンギルを撃ち続けるギルガメッシュに、マシュが諦めの言葉を口にしかけた時の台詞。
ウルクの都市は取り返しがつかないまで壊滅し、屈強な民達も皆死にゆく中、なおウルクが健在であることを主人公に示した。
「―――さらばだ、天の遺児よ。以前の貴様に勝るとも劣らぬ仕こと―――」
「天の鎖は、ついに、創世の神の膂力すら抑えきった。」
「―――無論だ。何を悲しむことがあろう。」
「我は二度、友を見送った。」
「一度目は悲嘆の中。だが此度は違う、その誇りある有姿を、永遠にこの目に焼き付けたのだ。」
キングゥの捨て身の宝具でティアマトを封じ込めた際の台詞。
ラフム飛び交う黄昏のウルクにて天上天下にただ一人の友の生き様を、英雄王は静かに見届けた。

その他の作品

「我のモノになれ!! この一言で片付く!!」
エイプリルフール企画『戦車男』にて。んなわけがあるか
めんこいJK「エルメロイの女」に告白できない小心なミリオタへの、全然参考にならない引きこもりニート時々ストーカーからのアドバイス。お隣に住む幼馴染みのエルキドゥちゃん(女子)からは「そういうセリフはセイバーを手に入れてから言いなよ…」と容赦の無いツッコミを入れられる。
「お前宝具のおかげだろとか貧乏人乙!!」
『コハエース』で「王様サーヴァントの強さとは」な話題になるや否や、いきなり現れてドヤ顔で言い放つ。
皆が常々思っていても敢えて言わなかったことをさらりと言ってのける辺り流石コハエース、そこに痺れないし憧れない。
ただ、宝具がなければ戦闘に不利が生じるというのは全サーヴァントに共通する致し方ない事案と言えよう。対サーヴァント戦において重要なのは、やはり伝説の担い手の証である「宝具」であり、それなしでの強さ議論を行うのはあまりにもナンセンスである。
「しかし早いものよ、あの地獄の大威信聖杯制覇も昨日のことのようだ」
「天頂五輪、大聖杯會だと……!?」
「ああ、天頂と呼ぶだけあって、ここ地球ではなく天の上、月面で行われる大武會、ムーンなんとか、なんとかマトンの力によって集められた128の猛者が、最後の一人となるまで戦い続けるという熾烈な大會よ!」
「フッ、我に男を問うだと……? 笑止! 見さらせぇ!! これが男の根性じゃぁあああああ!!!」
ドラマCD「アルトリア・ロマンス」より。セイバーの妄想とは異なり、実際に繰り広げられたのは「学園ものロマンス」の定義認識違いからくる豪華男性声優3人の『魁!男塾』ごっこだったといいます。
3行目の台詞、この時点で既に実際に月面の聖杯戦争への参戦が決まっていた英雄王に言わせるあたりが実に磨伸先生。
「愉悦研究会よ。夜な夜な薄暗い教会の地下に潜り込み、綺礼と二人で酒を酌み交わしつつ、真の愉悦とは何かを延々問答し妄想し続けフハハハハッ!と邪悪に笑い合う。そんな紳士の社交場、それが愉悦研。」
同じく「アルトリア・ロマンス」より。セイバーから何部所属かと問われた際の回答。さんざんネタにされた愉悦ネタがまさかの公認化。ちなみに『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』でのチーム名は「優雅なる愉悦倶楽部」であり、『ちびちゅき』では自分が設立した「愉悦研究会」に所属している。
「フフフ、ついに愉悦の何たるかを弁えたようだな。でもこれはこれで底が見えた感じ。これからは名字だけで呼んじゃおっかな」
『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』にて。『Zero』と『stay night』で言峰綺礼の呼び方が違う理由が判明。アーチャー陣営の脚本は虚淵氏担当だが、はたしてこれはマジなのだろうか……。
「……セイバー……まさかこの我が、おまえの境遇に同情するとは……」
『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』のバーサーカー陣営シナリオで、ランスロットに「集団の中で孤立しているのを生暖かく見守るのが通」と言われて。
さすがの英雄王もセイバーに同情を禁じ得なかったようだ。
「我が進む道 それだけが唯一正解の道なのだ!」
「聖杯の泥など恐るるに足りんしな!」
『ちびちゅき』にて。クイズを間違えると聖杯の泥をかぶる羽目になるが、彼だけは泥に耐性を持っている為自信満々。
そんな彼を待っていたのは黒桜による体内消化であった。
「恐れ入ったぞ雑種ども。我が力と財をこうまで穢し辱めるとは。
 王たる我に働いた狼藉と蛮行―――その生の全てを以って償ってもらおう……!!」
『プリズマ☆イリヤ ドライ』にて。散々自分の力を利用したエインズワーズ家に業を煮やし、自身のクラスカードを使用した美遊の精神を乗っ取る。

メモ

人物関連
  • 『stay night』ではクラスが被る為、エミヤは「アーチャー」、ギルガメッシュは真名そのままで「ギルガメッシュ」と呼び分けられている。ギルガメッシュの呼ばれ方は他にも複数あり、「ギル」「金ぴか」「我様」「AUO(英雄王のもじり)」などとも呼ばれる。
  • セイバールートでは最後以外、常時オールバックで暴力の化身のように描かれたが、「髪を下ろすと主役を張れる」というのをやりたくて旧セイバーのデザインを流用したことで髪下ろしスタイルのギルガメッシュが誕生した。
    • ただし同様に敵役であるUBWルートでは、常に髪を下ろし武装もしていない、「常時慢心状態」というのを体現している。
  • 初期の頃から「根はヒーロータイプのお兄さん」とコメントされていたが、ラスボス役の印象が強かったため当時は疑問の声も上がっていた。そういった層の印象を大きく変えたのは『hollow』や『CCC』など続き柄の作品で、大なり小なり後のギルガメッシュに影響を与えたとされる。
  • 公式開催の人気投票では、第1回目と2回目が13位で奈須氏から「サーティーン」という数字に縁があるとのコメントを受けた。
    • TYPE-MOON10周年記念オールキャラクター人気投票では9位(男性3位)に浮上。「別人だから」という理由で『zero』と『stay night』で別枠だったが、両方の票を合わせたらもう少し高いランクについていたと思われる。
  • アニメ『Fate/staynight』では女性スタッフ人気が高かったとされている(なお、男性スタッフ人気は葛木宗一郎であった)。セイバー役の川澄氏や凛役の植田氏も、主役の士郎を差し置いてギルガメッシュが一番好きと豪語している。その理由は「態度に実力が伴っているから」。また、キャラクターデザインの武内氏はFateシリーズで一番好きなシーンに「セイバーの頬を撫でるギルガメッシュ」を挙げており、そのシーンが本作で初めて映像化された際には、イメージしていたドンピシャだったと大絶賛を送った。
  • 魂の色は黄金色。比重は一般人数十万人分。
    聖杯が充足するのにサーヴァント2騎(ランサー+キャスター)+彼の魂で足りるなど、他の英霊と比べても規格外に強大な魂を持つ。
    • その圧倒的な魂と強靭な自我から「この世全ての悪」の汚染に耐えられる唯一のサーヴァントとされている。
      • 第四次で「この世全ての悪」に飲み込まれず、逆に第五次のHFルートで飲まれたのは、本体から切り離された状態か繋がったままかの違いからである。しかし他のサーヴァントと違って黒化・使役されなかったのはそもそも黒に染まらず操りきれないからであり、聖杯に取り込んだ後、桜もこれは急いで消化しないと食い破られる、と怖れて即座に魔力変換した為らしい。それでもなかなか分解できないので「この世すべての悪」は腹痛に苦しんだのだとか。
  • 『hollow』終盤で本気を出した際、裸の上半身に赤い刺青のような模様が存在しているが、他のシーンで服の隙間などからは確認できない。しかし、『CCC』において電脳世界では常に模様が出ているのか、本気になっていなくても可視化している。
    • 神性が高い者にはこの刺青のような文様を持つ英雄もおり、何らかの条件下において状態変化を伴う。ギルガメッシュの場合は半神半人というものの、彼の「神」の度合いは2/3という高さを持ち、本来ならば神霊適性A+でバーサーカーのAを上回る。ただし本人が神々を嫌っている為、ランクBへダウンしている。
  • 聖杯戦争に参加するのは「自分の宝(この世=自分の庭に存在する宝はすべからく自分のモノ)である聖杯を勝手に奪い合うなど許さない」という理由であり、聖杯そのものには全く興味がない。
    • また、「強さを競うなど凡夫の愚行。元より強さなど計るものではなく、王か、それ以外かの話であろう」と、最強の座などよりも「王」としての在り方の方が遥かに重要らしく、自身の力や同ランクの他の英霊たちとの序列にも特別固執はしていない。
    • 裁定者である彼にとって人間とは自身の「愉しみ」と語っており、言峰やセイバーといった聖杯戦争の参加者にこそ関心を向ける。
  • 好みの女性のタイプは「崇高な処女(おとめ)」。子ギルの場合は「野に咲く花」。反面、男性に依存しつつもその内面では男性を利用するタイプ、つまり「女らしい」女性は嫌いな模様。
  • 遠坂凛との絡みは少ないものの、有能だがとにかくお金のかかる女である為、両者が組んだ場合の相性は「最高にいい」と用語辞典で公言されている。『EXTRA』世界の凛についても同様らしく、『CCC』では本人らから相性の良さについて明言された。
  • 各作品ごとに性格に違いを感じるという意見がある点については、召喚された時代に「受肉を果たしているかどうか」がキーとなる。
    • 『stay night』では受肉した揚句に10年もの間ムダなモノに溢れた現代社会への嫌悪感に染まり切ったことで、やや荒れた性格になっているとされている。セイバーと言峰から聖杯の泥の汚染によって以前とは性格が変化していることを指摘されたが、「泥の影響など皆無」とは本人の弁。
      • 性格の変化云々は「受肉の」影響であって「泥の」影響は受けていない(そもそも彼はそういったものに汚染されることはない)ことを念頭に置く必要がある。人類一掃を目論んだのは英雄王なりの「世直し」のつもりであり、真剣に現代と向き合った結果でもあったが、「ニュートラルなギルガメッシュからは程遠い考え」と公式から複数回に渡りアナウンスされている。サーヴァントとして一時的に現界する場合と、受肉し長いこと現代を過ごしていたのとでは行動に差が出ても致し方なし、といったところである。
      • もっとも、英霊の多くは現代に嫌悪を抱いているる為、反現代派の英霊は本来ギルガメッシュに限ったことではない。
    • 『CCC』の場合、ムーンセル世界へは嫌悪感を抱いておらず受肉もしていない為に欲が少なく、神話時代(生前の素の状態)のギルガメッシュに近い状態と言える。
    • そのほか代表例として『zero』が挙げられるが、作品によって印象が変わるキャラクターを原作者とは違う作家が書いているという時点で、多少の違和感が起きても不思議ではない。「愉悦モード」であるか否かとする見方もあり、現に『zero』のギルガメッシュは妖艶担当でもあるので、関係者から「誘い受け」と言わしめる独特の綺礼カウンセリングを展開させた。
エルキドゥ関連
  • 『Zero』と『CCC』にて、親友エルキドゥと死別する場面が描かれたが、その内面描写は正反対。『Zero』では取り乱さずに彼の死を見届けたが、『CCC』では罰を受けるのは自分であるべきと号泣しながら彼の死を泣き叫ぶ描写になっている。これは作者の違いによるもの、或いは両者に視点の違いによる変化ではないかと推測されている(『Zero』はギルガメッシュ自身の回想。『CCC』ではエルキドゥの回想を主人公の視点によって見ている)が視点の違いにしても、エルキドゥの内面描写からして異なっている。
    • 『zero』のエルキドゥは、自身が居なくなることでギルガメッシュが永遠に孤独になるという危惧を示すが、『CCC』ではギルガメッシュの「矜持きょうじきずを付けた」として悔恨の意を抱いて死亡した。
  • ギルガメッシュが着る鎧にはストラップのようなものがぶら下がっているが、これはエルキドゥが首から下げているものと恐らくは同じもので、「お揃い説」と「形見説」がファンの間では有力視されているも真実は長いこと明かされていない。
宝具や能力関連
  • TYPE-MOONには「ギルガメッシュ」の名を持つキャラクターが3人存在するが、それぞれ特性が違う。
    • 『Prototype』のギルガメッシュは宝具の射出数が少ないものの白兵戦技能が最も高く、財宝と双剣を組み合わせて戦うなど戦力的にも安定しており、性格も人間的で比較的扱いやすい。反面、最強宝具である「終末剣エンキ」を最大の威力で使用する為には、7日も必要とする為、速攻性で他に大きく劣る(最大出力でなければ7日待たなくても打つことが可能)。
    • 子供の頃のギルガメッシュは宝具の扱い方に関してより優れ、「慢心」を始めとする精神的な問題も無く、基本的に聖人君子なので安定感もある。しかし、子供の姿で現界しているだけに身体能力は最も低く、最大火力も低下している。
    • 通常のギルガメッシュに関しては本項で解説してきた通り(ずば抜けた智慧と強力な宝具を有するが、常時慢心の為安定性に欠ける)。
      • 生前の最盛期と言われる頃には、“メソポタミア最強兵器”と言わしめたエルキドゥを相手に(彼が弱体化していたとはいえ)、人の身でありながら互角に渡り合うほどの戦闘力を発揮した。この時、戦闘後半になって初めて「王の財宝」を展開するが、手を焼くまでは己の力量のみで戦っていたものと思われる。
  • 彼のトレードマークである黄金の甲冑だが、これ自体の強度もかなりのもので士郎がマスター時のセイバーの斬撃を何発か受けながらも多少へこむ程度。更に石化を防ぐ効果もあるという。『CCC』ではこの鎧姿で迷宮を駆け回ることになる為、パーツが擦れあう音がなかなかにやかましい。が、中盤になって衣装変更機能が追加され、甲冑以外の衣装にするとどうしてか甲冑の音が恋しくなる。ちなみに、『Fate/EXTRA material』にてあまりの煩さにマジギレする男主人公のさし絵が掲載されている。
  • 『hollow』では花札について「解析することに意味がある」として、解析後に蔵に収めず返却している為、「自身がしっかりと宝具の存在と正体を認識することができるかどうか」が重要な様子。「知りうる原典であるならば自然と収蔵される」と言う、一種の概念宝具の類なのかもしれない。
  • 衛宮士郎&アーチャー、バーサーカーら相性が悪いとされている相手でも、慢心せず、距離を詰めさせずに初手から「天地乖離す開闢の星」を放てば、まず対処できないだろう。結局のところ、彼の最大の敵は己の「慢心」に他ならない。絶対に勝てなかったのは自分自身だった、というのは何だか寓話のようである。
  • 第四次で「単独行動」のランクがAだったのに対し、第五次でA+に上昇しているのは、聖杯の泥を被って半ば受肉している為。
    • そもそも言峰は二重契約の影響で割けるだけの魔力は無い上、彼もマスターに魔力面で依存していないので、マスターの能力差ではなく魔力供給自体を受けていない影響と考えられる(『CCC』によれば「海神の加護があるので魔力は尽きない」)。
  • 初期設定ではゲートキーパーというイレギュラークラスを予定していた。「ゲートキーパー→衛宮」というミスリードを狙ったネーミングだという。
  • 『CCC』本編ではクラスなど無いと主張しギルガメッシュと呼ばせているが、『EXTRA material』にてクラス別能力として「単独行動」を所持していることが明らかになった。ただし『CCC』ではランサーがクラス別能力として「戦闘続行」を持っていたり、キャスターがクラス別能力として「高速詠唱」を所持していたりと従来のクラス別能力の枠に捕らわれていないので、冬木において基本七クラスでは唯一単独行動をクラス別能力として会得するアーチャークラスかは不明。
    • なお、作中でやたらとアーチャークラスを褒めちぎる描写がある他、カルナとの対決時にも彼から「強いていうならアーチャーのクラスだったか」と評されている。
その他
  • アニメ版『Fate/Zero』の第一期EDで生前を描いた一枚絵が登場。モチーフはおそらくドゥル・シャルキンのサルゴン2世宮殿に残されたレリーフ『獅子の子を抱くギルガメッシュ』(ルーブル美術館所蔵)。モチーフのレリーフでは獅子との関係性は様々な解釈が可能だが、ここでは非常に懐いた様子が描かれている。ただし、このレリーフに描かれた人物には様々な候補が挙げられており、ギルガメシュ王であるかどうかについて疑問視する声が多い。
  • 「ひとりドラえもん」ができるとして定番となっている紹介。
「クラスは(弓の場合に限り)のび太・能力はドラえもん・性格はジャイアン(ジャイアニズムをもじり英雄王風に言うと“ギルガニズム”)・色気は静・声(声優)と財力はスネ夫・頭脳は出来杉」。

話題まとめ

vsアルクェイド
通常、アルクェイド(平常時)とサーヴァント(平均的性能)がやりあった場合、サーヴァントのほうが不利であるとされる。
しかし、その宝具性能からサーヴァント3体分の火力を誇る為、本編の全サーヴァント中、単独でアルクェイドを上回るとただ一人明言されている。加えて、アルクェイドの出力が「相手自身の戦闘力を上回る程度」である為、本体自身の戦力よりオプションの火力のほうが強力である彼にはどうしようもなく相性が悪い点も幸いか。
なお、この二人(というか真祖)は、「ガイアが力を強めていく人類を脅威に思い、対抗策として生み出したモノ」という共通点を持つ。真祖の中で、アルクェイドは十二世紀頃にデザインされたので、ギルガメッシュは3800年程年上の先輩ないし叔父に近い存在である。
キャラクター造形
黄金のフルプレートを身に纏い、生前にこの世の全ての宝を所有していた――というのは、往年のアーケードゲーム「ドルアーガの塔」の主人公へのオマージュである。
「ギルガメシュ叙事詩」にはそのような記述は存在しない。しかしシュメール文明は後の時代(現代にまで及ぶ)に影響を与えた高度なものであり、ギルガメッシュら歴代の王たちは神格化され王朝が変わっても長く信仰され続けた。
「ギルガメシュ叙こと詩」も成立が古いだけでなく、亜人・神と人の愛憎劇・洪水伝説・黄金・不老不死・蛇・冥界など、世界中の神話に共通する重要なファクターが多数登場する最古の物語でもある。
世界の文明・文化の起源はシュメールに遡るという説もあることから、Fateでは「宝具の原典」という形でこれらを独自に解釈し、統合したと思われる。
Fateの裏の顔
現在発表されているFate作品のほぼ全てに参戦している。『stay night』、『hollow』、『Zero』、『Fake』、『Grand Order』に加え、『プリズマ☆イリヤ』シリーズではツヴァイ以降に登場、『EXTRA』シリーズでは『CCC』に主人公のサーヴァントとして参戦を果たしており、『Prototype』シリーズでも自身の元ネタが参戦している為、『Fate』と冠したシリーズで全く登場しないのは『Apocrypha』だけである。
故に、セイバーがFateの表の顔ならば、ギルガメッシュは裏の顔と言えるだろう。
プリズマ☆イリヤ
ツヴァイのラスボスポジションとして子ギルが登場しているが、元々は大人の姿で登場する予定だった。子ギル化した理由はいくつかあり、「魔法少女の活躍する世界観と合わせる為」「作者のひろやま氏にギルガメッシュのキャラクターを描ききる自信がなかった」「元の姿だといい大人が子供をいじめているように見えるから」とのこと。

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