聖杯戦争
概要[編集 | ソースを編集]
万物の願いをかなえる「聖杯」を奪い合う争い。
広義には聖杯と思われる何かが発見された際、それが本物であるか否かを確認する為に手に入れようとする競争行為全てを指すが、この項では数十年に一度、冬木市を舞台に行われるものを取り上げる。
聖杯を求める七人のマスターと、彼らと契約した七騎のサーヴァントがその覇権を競う。
他の六組が排除された結果、最後に残った一組にのみ、聖杯を手にし、願いを叶える権利が与えられる。
勝利のためには、マスターか、そのサーヴァントを倒す。 もしくはマスターの令呪を無効化し、強制的にマスターとしての資格を失わせることが必要となる。 なお、サーヴァントを失ったマスターとマスターを失ったサーヴァントが契約を交わし、再び参戦する事も可能。
以上が聖杯戦争の“表向きのカタチ”である。
冬木の聖杯戦争のシステムを作り上げた御三家の本来の目的は、時間軸の外にいる純粋な『魂』であり、この世の道理から外れながら、尚この世に干渉できる外界の力を持つ英霊をサーヴァントとして召喚し、英霊の魂が座に戻る際に生じる孔を固定して、そこから世界の外へ出て『根源』に至る事。
小聖杯は溜め込んだ七騎分をもって大穴を空けるためにある。
聖杯戦争の過程で「どんな願いでも叶えられるくらいの魔力」が溜まるが、それは二次的なものであり、サーヴァントとマスターを呼び寄せるための宣伝でしかない。なお、当初は「サーヴァントが召喚に応じるのは強制ではなく任意であり、『どんな願いでも叶える』という謳い文句で誘い出している」という設定だったが、現在では「願いがあるとシステムに判定されると、聖杯戦争に参加したくなくても本人の意志とは無関係に強制的に召喚される」という事例も増えており、設定の変更があったものと思われる。なお「聖杯に願うつもりはないが聖杯戦争には参加したい」というサーヴァントも、願いがあると判定されて召喚の対象となる。
マスターはサーヴァントを呼び出す
つまり、本当は殺し合いなどする必要は無い。
本来の目的を隠した上でマスターを呼び寄せる為、上記のような表向きの"戦争"がある。
アインツベルンが求めたのは魔術協会の目につかず、大量の魔力を貯蔵できる魔法陣。冬木市は教会の目が届きにくい国にあり、アオザキの管理地に次ぐ数少ない一等地であったため、必要条件を満たした完璧に近い実験場だった。
円蔵山がその内部に擁する大空洞「龍洞」に敷設された魔法陣「大聖杯」によって聖杯戦争のシステムは管理され、敗れた英霊の魂は小聖杯に回収される。
小聖杯に大聖杯の起動に必要な魂が溜まると、「座」に帰ってゆこうとするサーヴァントを一気に解放することにより、その瞬間に僅かに開いた穴を大聖杯の力で固定し、人の身では届かない根源への道を開く。
とはいえ穴を開けられたとしても、根源への道は遠く、望みのものは手に入らない。
ただし、外側には誰も使っていない、地上とは比べ物にならない大量の
用語[編集 | ソースを編集]
- 聖杯
- 聖杯戦争の優勝賞品で、あらゆる願いを叶えるといわれる。
- マスター
- 聖杯戦争の参加者で、サーヴァントを従える資格を有する。
- 聖杯がマスターを選定する基準は魔術回路を備えた魔術師であること、英霊を召喚するに足る偉人、異端者であること。当然、御三家が優先して選ばれるようになっている。
- サーヴァント
- 聖杯だけが喚び出せる、至上の使い魔。主に過去の英雄が召喚されるが、未来の英雄や非実在の存在が召喚されることもある。サーヴァント自身にも、聖杯を手に入れて成そうという望みがあるため、召喚に応じる。
- 表向きは聖杯に触れられるのは同じ霊体の彼らだけであるため、サーヴァントの喪失がマスターの脱落条件ともなる。
- 令呪
- 聖杯がマスターに与える、サーヴァントへの絶対命令権。見た目は3画からなるタトゥーで、行使する度に1画ずつ色を失う。補充も可能。
- 霊器盤
- 監督役がサーヴァントの召喚状況を把握する為の道具。分かるのは召喚されたサーヴァントの数とクラスのみで、真名をはじめとする詳細なステータスや、マスターに関する情報は伝わらない。
- これで7騎のサーヴァントが出揃ったことを把握すると、監督役は(形式上だが)聖杯戦争の開始を宣言する。
- 監督役
- 形式上の監督役(兼監視役)。この儀式の管轄は名目上、聖堂教会と魔術協会の両方。
- 円滑な儀式の遂行を業務とする。具体的にはマスター候補の用意、戦闘で引き起こされた事件の隠蔽、サーヴァントを失ったマスターの保護など。
- あくまで形式上の物であり、マスターに監督役に従う義務はない。
- 御三家
- アインツベルン、遠坂、マキリ(間桐)の三家。聖杯戦争の成り立ちから関わっている。それぞれの提供や成した役割は、
- アインツベルン:聖杯の器、大聖杯、聖杯戦争のシステムに第三法の一部
- 遠坂:土地(教会の管理下ではない霊地)、世界に孔をうがつ秘術、サーヴァントを象るシステム
- マキリ(間桐):サーヴァントというシステムの考案、素材安定のための呪い、令呪を考案し編み出す(第二次から)
- また、御三家のマスターはいくつかの特権を有する。
歴史[編集 | ソースを編集]
- 下記の事件のうち『Fate/strange Fake』世界で起きた出来事が、『Fate/stay night』世界でも起きているかどうかは不明。『同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界』との事。[出 1]
- 『氷室の天地』世界は『strange Fake』世界とは密接な繋がりを感じさせる描写も多いが、両者の世界が一致しているかどうかは不明。また、本作中の描写は、『stay night』世界に反映されていない。
- 逆に、『stay night』世界で起きた出来事に関しては、微妙な差異も有るものの、両世界でおおよそ同じような事件が起きている。
- 『Zero』の第四次聖杯戦争の描写は『stay night』での描写と一部矛盾しているが、『stay night』世界でもおおよそ同じような形の第四次聖杯戦争が行われている事は確かなようである。
- 『Apocrypha』世界は第三次の開始時までは一致しているが、それ以降の出来事は完全にパラレルとなる。
- 大聖杯の敷設
- 時期:1800-1810年[出 2][注 1]
- ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンの魔術回路を元に、円蔵山の内部の大空洞「龍洞」に敷設された。
- ユスティーツァに加え、遠坂永人、永人の娘、マキリ・ゾォルケンらによって敷設が行われた。
- 儀式には魔法使いキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが立ち会った。
- 第一次聖杯戦争
- 時期:1810年以降[出 2]
- 聖杯降臨地は柳洞寺。
- 最初に行われた大儀礼だが、もともと御三家にはこの儀式を聖杯を奪い合う戦争にする意図はなかった。つまり「聖杯戦争」というシステム自体が発足しておらず、この時には令呪すらなかった(聖杯戦争と呼ばれるようになったのも第二次から)。
- 実際には聖杯を使えるのは1組だけであることが発覚し、御三家の間で聖杯の所有権を決めるための諍いを聖杯戦争として呼称している(アイリ師匠いわく「ちょっとした いがみ合い」)。
- 1回目なだけに、まともなルールが規定されていなかった。更にこの頃は令呪が存在しなかった為にサーヴァントが制御不能になるなど大規模な混乱が発生し、儀式としての体をなさず失敗に終わる(殺し合いをしている間に終わってしまったらしい)。
- 第二次聖杯戦争
- 時期:1860年頃[出 3]
- 聖杯降臨地は遠坂邸。
- 令呪を始めとする細部のルールを整備して、ようやく「聖杯戦争」というシステムが機能し出す。
- 外来の魔術師は聖杯の起動式を知る事だけを報酬として招かれ、本来は御三家だけが争う予定だったが、御三家が決裂していることをチャンスと見て他の4組も聖杯獲得を狙う。
- 儀式は失敗に終わる(「お願い!アインツベルン相談室」によれば、勝者が決することなく全滅したらしい)。
- 第三次聖杯戦争
- 時期:1930年頃。第二次世界大戦の直前。[出 3]
- 聖杯降臨地は冬木教会。
- 第二次が大まかな取り決めしかないルール無用の殺し合いになったため、第三次ではもっと細かなルールが決められた。
- 初めて魔術協会と聖堂教会が介入し、言峰璃正を監督役として置く(聖杯戦争を公正に監督させるために、アインツベルン側から教会に聖遺物を監督するようけしかけた)。
- 帝国陸軍やナチスが介入し、帝都で戦いが繰り広げられる(詳細不明。冬木市で行われる前の前哨戦?)。
- アインツベルンが必勝を期して「復讐者」のサーヴァントを召喚するも4日目で敗退。このサーヴァントが願いの塊といえる存在だった為に、願望機たる聖杯は「この世全ての悪」に汚染される。
- エーデルフェルト家の双子姉妹が参戦し、妹は戦死、姉はなんとか生還。この一件でエーデルフェルト家は日本嫌いになる。
- 途中で聖杯の器が破壊され、聖杯戦争は無効となって終わる(「お願い!アインツベルン相談室」によれば、聖杯は起動したが正しい所有者を得られないまま消滅した)。
- 『Fate/hollow ataraxia』に出た第三次のアサシンのマスターは人形使いだった。
- 『strange Fake』世界では、この聖杯戦争を参考にして、アサシンのマスターとして参加していた魔術師の一族がシステムを模倣し、末裔に当たるファルデウスの所属する組織の手によって後述するスノーフィールドにおける「偽りの聖杯戦争」が開催される。
- なお、この時点でアメリカ政府が協力していたらしく、第二次大戦末期の冬木空襲に乗じる形で何らかのアプローチを行った事が『氷室の天地』で語られている
- 『Apocrypha』世界では「復讐者」は召喚されず、代わりに「裁定者」のサーヴァントが召喚される。サーヴァントの争い自体は裁定者が勝利したが、ユグドミレニアとナチスによる大聖杯強奪事件が発生。冬木における聖杯戦争は幕を閉じる。
- 第四次聖杯戦争(Fate/Zero)
- 時期:1994年[出 4]11月[出 5]頃。第五次聖杯戦争の10年前。
- 聖杯降臨地は住宅地の中にあった冬木市民会館(当時は建設中)。
- 監督役は前回に引き続き言峰璃正。
- 前回の反省から、アインツベルンは聖杯の器にホムンクルスという外装を着けて自衛させる形を取った。聖杯の器自体はホムンクルスの臓器に溶け込んでいるだけで無機物。
- 勝者は衛宮切嗣だが、彼が聖杯を破壊したことで儀式は失敗。それどころかこの破壊を引き金として冬木大災害が起き、数百人が死亡する大惨事となった。終結後、衛宮切嗣は大聖杯を完全破壊するために地脈に仕掛けを施す。
- 『Fate/strange Fake』世界では、この聖杯戦争でジル・ド・レェが召喚されたことでフランチェスカ・プレラーティの興味を引くが、おそらく間桐臓硯の手で介入は阻止される。その結果彼女が聖杯戦争に前向きになった為に後述する「偽りの聖杯戦争」の開催時期が早められた。
- 第五次聖杯戦争(Fate/stay night)
- 時期:2004年2月頃
- 監督役は言峰綺礼。
- 前回から10年という短期間の後に開催され、第四次の影響を色濃く残す。
- 聖杯戦争史上、最強のサーヴァントたちが集う一方で、マスターの平均年齢が最も若い聖杯戦争でもある。
- 聖杯の器はホムンクルスの心臓、または前回の聖杯の器の欠片を埋め込まれた人間であり、初めて有機物となった。
- どのルートを通っても最終的に大聖杯が破壊され、今後正規の聖杯戦争が起きることは二度とない。劇中で直接大聖杯が破壊されるとわかるのは桜ルートのみが確実だが、他のルートでも後に切嗣の仕掛けによって大聖杯は破壊される予定。切嗣の計算通りであれば、あと二十〜三十年ほどで仕掛けは発動する。
- 『hollow ataraxia』へと至る場合、どのような決着だったとしても、言峰綺礼の死亡は決定している。
- 『strange Fake』世界では、第五次の際にもフランチェスカが介入を目論んでいたが、間桐臓硯と言峰綺礼の尽力により直接の介入は防がれた。
- 『氷室の天地』でも、この聖杯戦争の影で沙条綾香が中心となって時計塔の法政科や埋葬機関のエージェントまで巻き込んだ一大事件が起きていた事が語られている。
- 聖杯戦争の解体(解体戦争)
- 時期:2010年頃。第五次聖杯戦争の10年後。[出 3]
- 遠坂凛とロード・エルメロイⅡ世が執り行う。[注 2]
- アインツベルンが第五次聖杯戦争にて敗北し、第三魔法の成就を諦めたことで大聖杯は放置された。これを横取りしようした者達が冬木に来たことが発端である。[出 9]
- 大聖杯の復興を画策していた魔術協会の一部と対立、聖杯戦争に匹敵する大騒動を引き起こす。
- 最終的に大聖杯は完全に解体され、冬木の聖杯戦争もまたその歴史に終止符が打たれた。
その他の聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
偽りの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/strange Fake』で何者かが冬木の聖杯戦争の技術を模倣し、アメリカ・スノーフィールドにて再現したもの。 不完全な模倣ゆえにシステムには欠陥が存在し、在るはずのクラスが欠け、選ばれるはずのないサーヴァントが呼び出された。
主催側もいくつかの組織が別々の思惑を持って開催しており、ロード・エルメロイⅡ世は少なくとも「戦争を隠匿して行おうとする勢力」「戦争を公開してシステムを解析させたい勢力」「聖杯戦争そのものを冒涜したい勢力」が混じっていると推測している。
最初に召喚された6柱は「呼び水」であり、その「呼び水」に霊脈がかき乱れることによって「真なる聖杯戦争」としてさらに7柱が召喚される。「真なる聖杯戦争」のサーヴァントとして召喚されたサーヴァント達は勢力を組んでいるわけではなく完全に異なる思惑で動いている。主催側の一人であるファルデウスはなぜか、通常のサーヴァントを呼ぶ単位である「騎」ではなく、神を数える単位である「柱」としてサーヴァントの数を数えているがその詳細は不明。
時間制限があるようで、「呼び水」である6柱が揃ってから7日間の時間制限が始まっている。
主催側の一人であるフランチェスカ曰く、本物か偽物かわからなくなるほどにルールをかなりいじり回した模様。冬木の聖杯戦争ではエクストラクラスが召喚される場合、三騎士以外の四騎の枠の一つを潰す形で召喚されるが三騎士の一つであるアーチャーが後天的にアヴェンジャーへと歪曲され、ランサーの枠を潰す形でウォッチャーのサーヴァントが召喚された。更には英霊以上の力を持つ『何か』がその場にいたホムンクルスの肉体を器とする形で召喚されている。
ムーンセルの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/EXTRA』で西暦2032年に開催。霊子虚構世界「SE.RA.PH(セラフ)」と呼ばれる仮想現実世界を舞台に、聖杯「ムーンセル・オートマトン」の所有権を巡って戦う。かつてあった聖杯を巡る戦い(冬木の聖杯戦争)をモデルにしているが、システムは根本から大きく異なる。
聖杯であるムーンセル自体が開催しているという点でも他の聖杯戦争とは一線を画している。またその規模も非常に大きく、トーナメント形式とは言え100体以上のサーヴァントが召喚されている。
EXTRAの世界は、Fate本編と地続きの未来ではなく、1970年代から派生したパラレルワールド(ムーンセルは正史世界には存在しないので厳密にはそれ以前からムーンセルの有無で正史世界とは差異がある)である。
聖杯大戦[編集 | ソースを編集]
『Fate/Apocrypha』で第三次聖杯戦争後、ナチスドイツによって冬木の大聖杯が強奪され、アインツベルンが「復讐者」ではなく「ルーラー」を召喚した事で生まれた平行世界における聖杯戦争。
西暦2000年頃に開催。予備システムの稼働により、ルーマニアのトゥリファスに7騎+7騎+ルーラー1騎の計15騎のサーヴァントが召喚され、「黒」と「赤」の陣営に分かれて戦う。「聖杯大戦」という名はこの規模の拡大によって付けられた名称で、魔術協会・ユグドミレニア共にこの呼び方をする。
チーム戦ではあるものの、聖杯を手にするのは一組というのは他の聖杯戦争と同一である。
よって、赤と黒の戦争が終結すれば、一時は味方であった者との第二の争いが始まる。
この世界では聖杯戦争が世界的に広まり、各地で行われるようになった上に大聖杯も汚染されていないので、大聖杯によってルール管理者として「ルーラー」が召喚されている。
「ルーラー」はこれ以前にも大規模な聖杯戦争やルールが特殊な戦争で幾度となく召喚されており、その存在は聖杯戦争関係者からは普通の物と受け止められており、「黒」も「赤」もその存在について熟知している。
第三次の後、アインツベルンは新たな大聖杯の構築に奔走するが、遠坂は聖杯の獲得を断念して別の手段で根源への到達を目指し、マキリは完全に零落し聖杯の事を口伝として伝えるのみとなっている。
亜種聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Apocrypha』の世界において、十数年前から乱発されていた極小の聖杯戦争。
ダーニックが撹乱のために聖杯戦争の仕組みを魔術師という魔術師にバラ撒いたせいで発生したとされる。
召喚される英霊数は冬木のものには届かず、わずか二騎で行われるものから相当の規模である五騎までと様々である。
大雑把に百の聖杯が作成された場合、九十五が途中で頓挫、残り五つのうち四つが不完全で暴発、最後の一つが冬木とは比較にならないほど劣化した儀式として成立するらしい。
ちなみに額面通りに受け取ると、単純計算で一回の亜種聖杯戦争の裏には99の失敗が存在する事になる。
そんな劣化聖杯で呼び出されるサーヴァントにとってはたまったものではなく、召喚を拒絶するサーヴァントやマスターに叛逆するサーヴァントも多数発生した。
霊脈の関係上、サーヴァントが冬木の聖杯戦争ほど実力を発揮できず知名度補正の影響が大きい場合が多く、地元サーヴァントの触媒争奪戦になることが多い。例えばギリシャにて開催された場合「ヘラクレスの触媒」の取り合いによって聖杯戦争開催以前に勝負が決するため、実質単なる魔術師同士の魔術合戦と化すという。
まともな英霊が召喚される事も確実とは言えず、本来召喚できない幻霊にエーテル体を与えただけのものが召喚されることすらあり、まして神代の大英雄を召喚するなど奇跡に等しいとか。
初期においては「暗殺者の春」と呼ばれるほどにアサシンによるマスター殺しが猛威を振るったが、やがて「度重なる召喚で19人のハサン全員の宝具が解析され、対策が広まっている」という設定がある。
具体的な開催頻度は不明だが、少なくとも上記の通りアサシンとしてハサンが召喚されるかも怪しい(と言うよりそもそもアサシンクラスがいるかも怪しい)環境下でハサン達が一通り召喚・対策されるぐらいには頻繁に起きている模様。
ただ、仮にアサシンが召喚される可能性が50%、アサシンとしてハサンが召喚される可能性が50%、19人が平均して10回呼び出された……と仮定しても、これだけで760回もの亜種聖杯戦争が行われている事になる。開催以前に頓挫した物も含めれば、数千、下手をすれば数万の亜種聖杯戦争が試みられたと言う事であり、もはや魔術師の大半が聖杯戦争に関わっていると言ってもおかしくない。流石に少々無理があるため、現在では変更されている可能性もあるだろう。
虎聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『フェイト/タイガーころしあむ』、『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』で行われた聖杯戦争。
藤村大河がひょんなことから聖杯を手に入れてしまい、「みんなの願いを叶えて」と願ったことから始まった争奪戦。
その性質上参加すれば誰もが願いを叶えられる可能性があり、願いがなくとも参戦することで結果的に無意識に持っていた願いが叶う、という因果になっている。
歴代の真面目な聖杯と比較しても願いを叶える能力はずっと高いのだが、手段をきちんと考えないと面白おかしい結果になってしまうというリスクが有る。
カプセルさーばんと世界での第四次聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
「カプセルさーばんと」本編の3年前に発生していた。じゃんけんによりアインツベルンが勝利したがアハト爺と臓硯爺の後出しした、してないの言い争いの結果ノーサイドゲームになった。
Fate/Prototype、蒼銀のフラグメンツでの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Prototype』の世界において、聖堂教会の所有していた模造聖杯を使用して行われる聖杯戦争。
概要は概ね冬木と変わらない。だが聖杯を用意したのは魔術師達ではなく、聖堂教会が主催者。聖杯はサーヴァントの魂を貯める小聖杯と本体の大聖杯ではなく、善き魂である英霊を召喚するための小聖杯(シンボル)と多くの魂を溜めるための地下大聖杯(セイントグラフ)の2つに分かれている。開催目的は根源への到達や第三魔法ではなく、サーヴァント七騎の魂を呼び水にさらなる高位存在を呼び出すこと。冬木の聖杯はアンリマユの召喚によって汚染されたが、こちらの聖杯は発端から既に狂っておりその結果ビーストが召喚される。開催地は冬木のような地方都市ではなく、極東最大の大都市・東京など、相違点も多い。
2回開催されており、一度目は『蒼銀のフラグメンツ』の1991年、二度目は『Fate/Prototype』の1999年。
他の聖杯戦争と比較しても被害規模がとんでもなく、『蒼銀のフラグメンツ』では建設中だった「海ほたる」が半壊し、米海軍第七艦隊が一部隊完全に壊滅した。『Prototype』でも新宿が水没し、東京が壊滅することが示唆されている。
迷宮の聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Labyrinth』でコーバック・アルカトラス作の第七迷宮にて行われる聖杯戦争。亜種聖杯戦争ともされるが、『Fate/Apocrypha』との関連性は不明。
召喚される英霊は四騎。マスターはおらず、迷宮のモンスターや罠をくぐり抜け、拾ったマジックアイテムから魔力を補給し、最奥部にある聖杯を目指す。
その目的は聖杯を設置したヴォルフガング・ファウストゥスの本当の目的である「自身の霊基再臨」を果たすため、サーヴァントから英霊核を奪いとり、自身の魔力源とすること。その意味では、「根源への穴を開ける」か「自分の霊格を上げる」かの違いはあるが、本来の聖杯戦争の真の目的に一番近いとも言える。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤのイリヤ世界における聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のイリヤ世界で本編の時間軸の10年前、アインツベルン家が行おうとしていた儀式。
内容は冬木の聖杯戦争に準ずると推定されるが、衛宮切嗣とアイリスフィール・フォン・アインツベルンが出奔したために、この世界では行われることがなかった。
とは言え『Stay night』に連なるいわゆる正史世界との齟齬も少なくない。例えばクラスは基本7クラスがすべてで例外はないとされるほか、(正史では先祖が聖杯戦争に参加していた)凛やルヴィアが聖杯戦争を全く知らなかった。本編中に「第四次聖杯戦争」という用語は登場しないため、イリヤの世界ではこれが「第三次」以前の聖杯戦争になるはずだった可能性も考えられる。
戦争自体の真相も「願望機を求めて戦い合う擬似戦争」とだけ解説されており、根源に至るという裏の目的がこちらの世界にも存在するかは不明。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの美遊世界における聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の美遊世界でエインズワース家が行おうとしている儀式。
エインズワース家が間桐家とその他の魔術師一族と手を組み、おのおのが「聖杯となる器」「聖杯を降霊可能な土地」「英霊召喚システム」を用意したとのこと。
置換魔術の特性を考えると、エインズワース家が用意したのは「英霊召喚システム」。
エインズワース家のそれは「サーヴァントカード」と呼ばれる英霊の力が宿ったカードを術者自身の身に宿して戦わせる「夢幻召喚(インストール)」という形をとっている。
これは、奪い合う「聖杯」である美遊が既に完成されているため、わざわざ英霊の魂を召喚して来なくても良いからであろうか。
第五次まで終わっており、イリヤ達が巻き込まれたのは「第六次聖杯戦争」である。第四次までは失敗続きであり、特に第四次では当時の当主だったザカリー・エインズワースが死去し、残りの2家も壊滅したとのこと。
そして第五次聖杯戦争でも衛宮士郎がイレギュラーから参戦してしまい、残り六騎を撃破して勝者となり、聖杯である美遊に願って彼女を平行世界へと送り出すことで終息したはずだったが…。
帝都聖杯奇譚[編集 | ソースを編集]
『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』および『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』で西暦1945年に開催。第三次聖杯戦争がアーチャーの勝利で終わった後、聖杯が突如消失し、再出現したために発生した聖杯戦争。
第三次聖杯戦争が「一昨年」の出来事として言及されているため、本編の時間軸とは数年のズレがある。
アーチャーと帝国陸軍が帝都に聖杯を持ち帰った為か、帝都で開催された。
第三次での被害が大きかったために御三家はどこも参加できず(間桐少佐は帝国陸軍所属)、聖堂教会も太平洋戦争末期のため大日本帝国で大きく動けず、第三次の監督役もアーチャーに殺されているため[注 3]、参加勢力はドイツ第三帝国と帝国陸軍がメイン。
開催地や参加勢力の影響が相当に波及しており、召喚されたサーヴァントはその大半が日本出身である。
Fate/Requiemでの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Requiem』の世界で、14年前[注 4]に起きた大戦争。
世界各地で聖杯戦争が同時多発的に発生し、その勝者がさらなる聖杯戦争に巻き込まれ……と連鎖的に続き、地球規模で世界が大変動を迎えた。
結果、主だった都市以外は人の住めない荒野と化し、そこを徘徊するドローンのせいで他の都市への移動や飛行機の運行もままならない有様となった。
この戦争で最終勝利したのが真鶴チトセとルキウス・ロンギヌスであり、これ以降人類は心臓に聖杯を持ち、不老不死となり、誰もがサーヴァントを従えるようになった。
亜種二連聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate:Lost Einherjar 極光のアスラウグ』で、北欧のオスロで開催された聖杯戦争。
『Fate/Apocrypha』に連なる世界であり、そちらにおける亜種聖杯戦争の一つ。
二連の名前の通り、マスターの一人であるレミナ・エルトフロム・ユグドミレニアがアーチャーとバーサーカー二人を従えているように、マスター四人がそれぞれ二人のサーヴァントを従えているが、カラクリは第一巻時点では不明である。
本来なら不完全な聖杯である亜種聖杯を二個連結させることで無理やり聖杯として稼働させ、上記のシステムを作っているとか。
世界中で亜種聖杯戦争が数十回以上開催されているため運営のシステム化が非常に進んでおり「運営側が予算不足なためスポンサーを募る」「聖杯戦争を生配信して魔術関係の視聴者から金を取る」「配信の都合に合わせてマスター狙いは禁止、戦闘禁止期間も厳密に定まっている」など聖杯戦争が完全に「エンターテインメント」として扱われている。
盈月の儀[編集 | ソースを編集]
『Fate/Samurai Remnant』の世界で開催された聖杯戦争。
慶安四年の江戸を舞台としている。
土御門泰広が安倍晴明の遺した聖杯戦争に関する情報を基に考案し、組み上げられた大掛かりな魔術儀式だが、枝葉のかたちのみを模倣した出来損ない。
しかし仕組みそのものは再現されているため、盈月の儀における聖杯の盈月は願望機としての機能を有する。
ルールとしては通常の聖杯戦争と同じくマスター七人と英霊七騎による生存競争だが、土地の霊脈に紐づいた逸れのサーヴァントが多数召喚されるなど些か差異がある。
聖杯探索[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界を起点にした人理の焼却に伴って勃発したもの。
亜種聖杯戦争にしても異質なものだが、公式サイト等には「史上最大の聖杯戦争」との記述がある。
魔術王ソロモンを名乗る者による人理定礎の破壊を目的に、各時代に聖杯を預けられた人物が出現しており、唯一その脅威に立ち向かえる人理継続保障機関フィニス・カルデアは、聖杯の奪取ないし彼らの撃破を目的としてレイシフトによる特異点への突入を行う。
各特異点には聖杯所有者が召喚するサーヴァントの他、マスターを持たずに召喚される「はぐれサーヴァント」が複数出現。彼らが人理定礎を守護する側と破壊する側に分かれて戦いを繰り広げるため、特異点ごとに亜種聖杯戦争が起きているともとれる。
最終的に7つの特異点の聖杯がカルデアに回収され、その後に魔術王の正体であったゲーティアを倒したことで一旦事件は幕を引いたが…
Fate/Grand Orderでの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界において、フィニス・カルデア発足前に開催されていた聖杯戦争。
『Fate/stay night』で語られたものと異なり、2004年での冬木市が最初にして最後の開催地とされている。また、アメリカで聖杯戦争を執り行われたという公式記録がない。
聖杯を手に入れた勝者は時計塔のロードにしてカルデアの前所長であるマリスビリー・アニムスフィアとそのサーヴァントのソロモン。マリスビリーはカルデアの活動や開発のための資金を、ソロモンは人間への転生を聖杯に願った。今後の活動に影響を及ぼさないよう、「セイバーが聖杯戦争での勝者」と情報操作をしていた。冬木市での聖杯戦争の英霊召喚をもとに、「守護英霊召喚システム・フェイト」が造られた。
何気に、滞りなく勝者の一組が決定し、聖杯が破壊される事も無く、勝者の望みがきちんと叶えられている数少ない聖杯戦争。
ソロモンが語ったところによると、少なくとも『Grand Order』の世界における「聖杯戦争」とは、元々はソロモンの時代に存在した「人類悪による世界の危機に対し、その時代最高峰の七騎を召喚しぶつける決戦魔術」が源流であり、後世のものはそれを格落ちで再現、要所改変したものに過ぎないとされる。この設定が他作品においても同様なのかは現在不明。
Fate/Accel Zero Orderでの第四次聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』に登場する並行世界にて開催された第四次聖杯戦争。
大筋は本来の第四次聖杯戦争と同様だが、アインツベルンの研究が一世代早く進んだことでアイリスフィールが究極のホムンクルスとなっているため、アインツベルンが衛宮切嗣を雇わずアイリスフィールがセイバーのマスターとして直接参加しているという点が異なる。
また、その結果「最強のスペックを持つマスター」「最優のサーヴァント」「小聖杯の優先権」を持つアインツベルンの勝利がほぼ確定となり、アンリマユの誕生が決定的となった。外部からこれを阻止せんとする動きが立ち上がり、カルデアのレイシフトとは他に、抑止力の代行者としてエミヤ〔アサシン〕が干渉。
深海電脳楽土SE.RA.PHでの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界における特異点で開催された聖杯戦争。
2030年にレイシフトさせられて電脳化された海洋油田基地セラフィックスを舞台として、128人のマスターと128騎のサーヴァントがバトルロイヤル形式で戦うという、上記のムーンセルの聖杯戦争の初期形式を模している。
だが、ここでのマスターはすべてセラフィックスの隠された区画である「天体室」に「死亡がまだ確定していない状態」で安置された素体が使用されており、事実上召喚されたのははぐれサーヴァントのみである。その為に、召喚されたサーヴァントの中には我欲のままに行動する輩も数多く居る。
さらに言うなら、そもそも聖杯戦争の開催目的は、殺生院キアラのビーストとしての霊基を確立するため(と彼女の暇つぶし)であり、死亡したサーヴァントも残ったサーヴァントも最終的にはキアラに吸収されてしまう。つまり、『Fate/Labyrinth』の「迷宮の聖杯戦争」と同じく、完全な空手形。
その性質上128騎が全て吸収されたらすぐに128騎が再召喚されて次の「聖杯戦争」が始まるうえ、時間経過速度が特異点外の現実よりも大きく乖離していることもあって「開催回数」もとんでもないことになっており、最低でも70回は繰り返されている。
Fate/Apocrypha Inheritance of Gloryでの聖杯大戦[編集 | ソースを編集]
- 『Fate/Apocrypha』の世界において、ファヴニールが世界の裏に持ち去った大聖杯の中で執り行われた聖杯戦争。
- 大聖杯の内部は『Apocrypha』の世界での聖杯大戦を再現するための巨大なシミュレーションフィールドであり、トゥリファスと空中庭園が精密に再現されているが、それ以外の土地は存在しない。
- その為か、サーヴァントも聖杯大戦の際に召喚された時の再現体であるが、不完全なもの。戦闘能力こそサーヴァントに匹敵するが、感情や論理的な思考は一切なく、戦闘のみを実行し繰り返すだけであり、いわゆるゾンビやメカに近い。
- 最初は二騎、567回目の聖杯戦争は四騎と規模が増え、七騎が揃った2313回目辺りから、ダーニックのクラッキングによって大聖杯の支配率が変わり始め、事態の収拾のために大聖杯の管理者であるファヴニールによって主人公が召喚された時は戦いの数は既に一万を超過、支配率はすでに過半分が奪われていた。
- 本来であれば、ファヴニールは十四騎すべてのサーヴァントに思考を持たせて聖杯大戦を裏で操っている者を探らせようとしたが、それは悪手であり残酷な手段として躊躇してしまった。しかしそうして幾千幾万回も手をこまねいたうちに、再現体が自我を持たぬまま宝具すら起動できる程までに状況は悪化した。
- その後、ファヴニールは咄嗟にアキレウスとケイローンを思考を持たせたサーヴァントにしたものの、彼らは聖杯大戦の記憶を持たない初期化した状態となった。だがそれ以降、他の再現体を打倒することで思考を保有した状態で味方につけることも可能となった。
- このまま放置した場合だと大聖杯は暴走し、魔獣に被害が及ぶだけでなく、下手すれば人理の錨が余波で障害を起こし、織物が破れて物理法則が一転して変貌して神代と現在が入り混じる世界となり、人間も魔物も互いに殺し合う事となる。
- ただしこの聖杯大戦は「再現された世界」側に影響を与えるものではないため、ルーラーが召喚されることはない。
ぐだぐだ帝都聖杯奇譚での聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界における特異点で開催された聖杯戦争。
「皇紀2605年」の帝都東京が舞台となっているが、帝都以外の空間は存在しておらず、当然ながら太平洋戦争中でもない。
原則としてマスターはおらず、大量に召喚されたはぐれサーヴァントが互いに殺し合うことから始まり、十分に戦果を挙げれば聖杯からクラスを与えられて参加者となる。ただし、他のはぐれサーヴァントに倒されてクラスを奪い取られることもある。
参加者は帝都の各地にある「楔」を中心に「戦線(レッドライン)」と呼称される陣地を構え、敵サーヴァントを倒すか楔を破壊するかの陣取り合戦を行ってゆく。
自分の戦線内では聖杯から様々な恩恵を受ける事ができるが、セイバー・ランサー・アーチャーの三騎士は特にその恩恵が強く、ライダーは敵の戦線内でもある程度自由に行動でき、アサシンは敵サーヴァントの位置を把握できるなどクラスごとに様々。
……実のところ、この聖杯戦争は何度も繰り返されており、その実態は帝都全てを戦線としているキャスター・明智光秀の手によって英霊の霊核を集め、いつか召喚されるであろう織田信長の霊基に注ぎ込むことで「自分の理想とする信長」を生み出す為の儀式であり、やはり完全な出来レースである。
サーヴァント・サマー・フェスティバルでの聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界において、即席で作り上げられた特異点「永久常夏祭壇ルルハワ」にて開催された聖杯戦争。
年に一回開かれる同人誌即売会「サーヴァント・サマースター・フェスティバル」にて、今年の主催者であったBB (水着)が「売上一位のサークルには聖杯をプレゼント」と賞品をつけたことで発生した。
とはいえ参加者の大半は聖杯には興味が無く、本気で狙っていたのはBBに強要された主人公チームと、スレイブランド創造に三度目の夢を賭けた女王メイヴだけであった。
……しかし案の定というべきか、結局これも完全な出来レース。実際のところ、BBは弱っていた女神ペレを聖杯の力で復活させる事を目論んでおり、その為には「他人の為に願いを使う事」が必須条件となる為、BBはメイヴが勝利するたびに後述する力を使って時間を巻き戻し、主人公らが一位を取るまで繰り返し続けていた。
ところが問題はそれだけではなかった。BBはペレと接触する前後にカルデアハワイ支部の設備を使った結果外宇宙の邪神と接触しており、時間を巻き戻す権能を譲り受けていたのみならず、明らかに接触した邪神の影響を受けたせいで目的も「ペレを復活される」からずれてしまっている。その結果、用意した聖杯「黄金の豚の杯」も願ったことと逆の願いが叶うという、アンリマユ仕込みだった冬木の汚染聖杯よりも最悪な代物であり、仮に主人公が世界平和の為に聖杯を使った場合には地球が崩壊するという過去最悪の結果をもたらす恐れがあったのである。
サンタタッグトーナメント[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界において、メキシコに作られた特異点にて開催された聖杯戦争。
国別にタッグを組んでプロレスのトーナメント戦を行い、勝者には「真のサンタクロース」になる力を得られるクリスマス聖杯が贈られる。
主催者はケツァル・コアトル〔サンバ/サンタ〕の闘争を司る半身であるブラック・ケツァルマスクであり、彼女自身もメキシコ代表として参加している。
トーナメントが進む事でクリスマス聖杯に魔力が溜まってゆき、最終的に聖杯が完成する、という点は通常の聖杯戦争と同一である。「真のサンタクロース」ならば永遠にクリスマスを続けられる程の力を得られるとのことで、参加者は様々な思惑を持ってトーナメントを戦ってゆくことになる。
ブラック・ケツァルマスクがあまり悪人ではないこともあってか、『Fate/Grand Order』での聖杯戦争では珍しい事に、戦いを盛り上げる為に反則はスルーしたりするものの出来レース的な要素は一切無い。
ブラック・ケツァルマスクの相方は「サンタクロースの概念」という抽象的な代物でこれを纏う事で「より強いサンタパワーを持つ者しか攻撃を通せない」という要素もあるが、先述の通りの弱点がある上に決勝戦までは一切使用しないでいた。結果的に「善のケツァル・コアトルからのダメージは受けない」要素と合わさって、ケツァル・コアトルがサンタになっているカルデア代表チームではそのままでは絶対に勝てないことになってしまってはいたが。
天覧聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界において、特異点となった平安時代の京都にて開催された聖杯戦争。
安倍晴明が文面で送ってきた術式に従って藤原道長が開催を主導しており、七人の天覧武者が七騎の術者を従えて戦ってゆく。
マスターに相当する天覧武者は「武者」とついているが武者であるとは限らず、「平安京にその名を知られた力あるもの」から選出され、令呪を与えられる。
「術者」とついているように召喚されるサーヴァントはキャスターのみであり、後世でサーヴァントたりうる生前の偉人がそのままマスターをやっているため、マスターの方がサーヴァントより強いという事態が当たり前のように起きている。
他の天覧武者の命を奪う必要はまったくなく、敵の術者の首を取ればよく、最終的な優勝者とパートナーの術者には願いを叶える権利と道長からの褒美が与えられ、それと同時に「平安京の千年の安寧」が願われる。
だが、そもそもの黒幕はアルターエゴ・リンボであり、敗北した術者の魂は空想樹「地獄界曼荼羅」の降臨に使用される手筈であり、結局はこの聖杯戦争も完全な空手形であった。
戊辰聖杯戦争[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界において、特異点となった幕末の江戸にて開催された聖杯戦争。
汎人類史なら江戸城が無血開城されて明治政府が成立し、幕府残党と戊辰戦争が開始されるはずだが、その無血開城の話し合いの際に開催された。
これによって本来は生き残るはずの幕府・新政府の重鎮が複数死亡し、両軍が衝突。結果江戸が大規模に破壊される「江戸城流血開城」の大惨事となってしまった。
聖杯戦争自体には裏はなかったようだが、参加サーヴァントの高杉晋作と武市瑞山と坂本龍馬〔ランサー〕が裏で結託しており、無血決着を餌に他のサーヴァントを誘い出して謀殺しようとして、さらに高杉が残り二人を裏切って聖杯を持ち去り、だがその高杉は龍馬と裏で結託していて……と裏切りと騙し討ちが横行する代物。
さらには参加サーヴァントの一人である森蘭丸が持ち込んだ宝具「信長の首」が聖杯と相互作用したことによって特異点が固定され、召喚されたサーヴァント達のマスターは全滅したもののサーヴァントはそのまま残り続ける、という事態になってしまった。
結局江戸は荒廃して都市機能を失い、首都を埼玉に移して『キ械維新都市 SAITAMA』が特異点として成立した。
システム・グレイルウォー[編集 | ソースを編集]
『Fate/Grand Order』の世界で奏章Ⅰ『虚数羅針内界 ペーパームーン』でペーパームーンの内側で展開されていた聖杯戦争。
ペーパームーン内の「修復部(リペア)」「生産部(グロウ)」「維持部(キープ)」「移送部(トランスポート)」「構築部(ビルド)」のそれぞれの筆頭AIをマスターとして行う。
それぞれは自分の領域の部下を人材として行使し、令呪一画を持った上で互いのサーヴァントを脱落させることで相手の領域を奪い取って自身の配下に加えることができる。
最後に残ったマスターは統括管理AIの座を引き継いで、それぞれの欲求に従ってペーパームーン内を自身の望む形で運営できるようになる。……という建前で行われる。
実際にはいつものごとく空手形であり、中立のはずの警防部(ディフェンド)と統括管理AIのラニ=Ⅻが黒幕としてコントロールしていた。その本来の目的はアルターエゴの無限生産と運用。
最初にペーパームーンに聖杯が発生したことでラニ=Ⅻに人格が生まれて「世界を救わねばならない」という目的意識を持ってしまい、「アルターエゴの大量生産による兵力の増強」を決意。
召喚したサーヴァントからアルターエゴを生み出してそれをサーヴァントとして聖杯戦争を運用し、それらが座に帰るエネルギーを利用してペーパームーンを回転させて遠心分離作用で新たなアルターエゴを生み出し……と続けることで聖杯戦争運用分以外の余剰アルターエゴを戦力として無限に増やしていく目算であった。
なお勝ち残った筆頭AIは統括管理AIに人格を融合され、自身の望んだ願望が方針として反映されるものの、聖杯戦争を続けるのはそのままで本人の人格は消滅するために結局のところ願いは叶わない。
メモ[編集 | ソースを編集]
- 冬木の聖杯戦争の知名度はマイナー。第二次聖杯戦争までは協会にも知られないようにしてたくらいとのこと。
- 「聖杯戦争」と呼ばれる物は冬木市だけで行われているわけではなく、広義には聖杯を手に入れようとする競争行為全てを指す、とある。発売前インタビューによれば、「聖杯とされるものが出品されたオークションだって聖杯戦争」らしい。
- 英霊を使い魔とするサーヴァントシステムは冬木市の聖杯戦争独自のものである。
- 冬木の聖杯は、その魔術基盤がアインツベルン由来のものであり、"聖杯”という概念が西洋(キリスト教)のものであるため、「西洋圏由来の英霊」しか喚べない。東洋圏の英霊は召喚の対象外となる(第五次の佐々木小次郎は「反則」を行ったがゆえの例外)。
- 「西洋圏由来の英霊」とはいえ、ギルガメッシュやハサンのように、厳密には西洋圏とはいえない中東圏の英霊も招かれている。このことから、西洋圏で十分な知名度があれば、必ずしも西洋が伝承の発祥地でなくともよい可能性がある。とはいえfateのギルガメッシュは無名の扱いであるため西洋で知名度があるかは不明[出 10]。
- 冬木の聖杯以外でサーヴァントシステムを用いた聖杯戦争がもしも行われた場合は、用いられた聖杯次第で召喚対象となる英霊の縛りは変わってくる(『Fate/strange Fake』や『Fate/EXTRA』)。
- 監督役自身は聖堂教会の人間だが、聖堂教会と魔術協会の両組織が聖杯戦争を監督している。聖杯戦争に関する隠蔽工作等の裏方の仕事は、両組織が行っている。
- 第五次では言峰綺礼一人だけが傍観しているかのように描かれているが、第四次は言峰璃正の元、複数のスタッフが働いていることが描写されている。HFルートでは聖堂教会の運転手が綺礼の指示で動いている。
- 後のコミック版『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』では隠蔽工作の詳細が描かれており、警察内部やマスコミに聖堂教会のスタッフや協力者が存在しており、都合の良い証拠を捏造したり重点取材対象を操作したりと草の根レベルでの活動が見られた。
- 聖杯戦争で失われたものへの金銭的なアフターサービスは、アインツベルンに出資させている。
- 聖杯戦争の性質上、施設の大規模な破損や魔力吸収による一般人の大量昏睡が発生するが、これらへの隠蔽工作では「ガス爆発」や「ガス漏れ」などでの理由の付けやすさからガス会社がしばしば汚名を着せられ、読者から同情を集めている。
- 『Fate/strange Fake』でも舞台となるスノーフィールドの異変のいくつかはガス会社の責任にされているが、ファルデウス曰く「最初から潰す為の会社」とスケープゴートとして使い捨てる事が前提になっているという酷い有様であった。
- 第五次では言峰綺礼一人だけが傍観しているかのように描かれているが、第四次は言峰璃正の元、複数のスタッフが働いていることが描写されている。HFルートでは聖堂教会の運転手が綺礼の指示で動いている。
- 聖杯戦争のシステムに騙されたと気づくマスターやサーヴァントもいたが、勝ち残れば聖杯が手に入るのは事実のため、背景を特に気にしなかったと語られている。
- 根源に至ろうとする者には抑止力が働くはずだが、聖杯戦争が抑止力を呼び寄せていたかは不明。
- コルネリウス=アルバは、元から開いている道を辿るだけなら抑止力は働かないと考えている。一方で、荒耶は「アレの目は誤魔化せない」と言っている。
- HFルートにて、(抑止力のことかは分からないが)士郎はそもそもこの聖杯戦争の仕組みは根源に至る方法として間違っていたのではないかと疑問を抱いた。
- 『Fate/Apocrypha』でも、ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアが「効率が悪い」と評して聖杯戦争のシステムに疑問を抱いている。
- 冬木の聖杯戦争について、それなりに歴史があって英霊を召喚する「願望機降臨儀式」という大規模なものであり、第四次にはロードの一人が戦死するという事態になっているにも関わらず時計塔からはあまり注目されていない。
- これについて「そもそも時計塔の目が届きにくい日本で行っている儀式である」「英霊を召喚するなど荒唐無稽と見なされる」という事情もあるが、第四次聖杯戦争の後に資金源として注目したドクター・ハートレスが時計塔に情報が行かないように隠蔽工作を行っていたことが明かされた。
- 第五次聖杯戦争でのサーヴァントの戦う理由
セイバー:聖杯を手に入れて選定をやり直す
ランサー:死力を尽くした戦い
アーチャー:とある目的を達成すること(だけど殆どルートで断念する)
ライダー:桜を自分と同じような目に遭わせないため
アサシン:生前出来なかった上等な剣士との死闘
真アサシン:唯一の存在になること
キャスター:語るまでもなし
バーサーカー:イリヤを守るため
ギルガメッシュ:セイバーを得る(Fate)、人類の選定(UBW)、自分以外の殺人を認めない(HF)
- 第五次聖杯戦争の英雄で冬木での知名度が高いと言及されているサーヴァント
バーサーカー:世界的知名度を誇る
セイバー:バーサーカーには劣るとはいえ、日本でも有名
- 第五次聖杯戦争の英雄で冬木での知名度が低いと言及されているサーヴァント
アーチャー:未来の英雄のため
ランサー:日本では馴染みがない
ギルガメッシュ:無銘の英雄と説明されている。士郎も日本で知る人はほとんどいないと言う。
脚注[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
出典[編集 | ソースを編集]
- ↑ 『Fate/strange Fake』1巻解説
- ↑ 2.0 2.1 「#15 神話の対決」『Fate/stay night[UBW] Animation Elements』p.20
- ↑ 3.0 3.1 3.2 「聖杯戦争の歴史」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.7
- ↑ 『Fate/Grand Order』イベント「Accel Zero Order」
- ↑ 「Act.5 -140:41:54」『Fate/Zero』
- ↑ 『Fate/stay night』Fateルート十五日目「ゆずれぬとが」
- ↑ 『Fate/stay night』Unlimited Blade Worksルート十五日目「倒すべき敵」
- ↑ 『Fate/stay night』Heaven's Feelルート十四日目「聖杯に潜むモノ」
- ↑ 「きのことたかしの一問一答」『Fate/stay night[UBW] Animation Material Ⅱ』
- ↑ 『Fate/stay night』Status ギルガメッシュ 詳細
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